JP4570019B2 - 2軸延伸吹込成形壜 - Google Patents

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Description

発明は、ポリエチレンテレフタレート樹脂などを用いた2軸延伸吹込成形壜に関し、更に詳しくはホットウォーマー等による加温に耐え得る底部構造を有する2軸延伸吹込成形壜に関する。
一般に、飲料をプラスチック容器に充填し、ホットウォーマー機器等によって加温して、消費者に提供することが広く行われている。また、ポリエチレンテレフタレートらなる2軸延伸吹込成形壜では、図13に従来の2軸延伸吹込壜における底部の断面図を示し、図14に図13に示す2軸延伸吹込成形壜における底面図を示すように、底部の中央部分を周壁22を介して壜内部に陥没させて、壜に自立性を付与している。しかし、2軸延伸吹込成形壜は、壜の側壁24に比べて延伸が不足がちであるため、液体内容物が高温に加熱されると、内容物からの重力と熱の影響を受けて陥没部が壜の接地面に到達するほど下方に垂れ下がり壜の座りが悪くなりやすい(特許文献1参照)。
特開平第8−104313号公報
ホットウォーマー機器内には、一般に、約65℃に加温する飲料入り金属罐と約55℃に加温する飲料入りプラスチック製壜が一緒に収容され、加温される場合がある。また、ホットウォーマー機器は加熱プレートの温度を100〜120℃に設定し、雰囲気温度が所定の温度になったとき加熱プレートはOFFにするように操作される。更に商品が売れて追加の商品をホットウォーマー機器内に投入すると、加熱プレートがONとなり、内容物の温度が70〜75℃位に上昇する。そのためポリエチレンテレフタレート樹脂のガラス転移点Tg=67℃を越える75℃にプラスチック製壜が加温される場合がおこる。
発明の目的は、飲料をプラスチック容器に充填し、ホットウォーマー機器等によって加温して、消費者に提供する場合において底部が加温された内容物からの重力と熱の影響を受けて垂れ下がり座りが悪くなることのない2軸延伸吹込成形壜を提供することである。
請求項1に記載の本発明は、上記の課題を解決するもので、口栓部と胴部と底部とからなる胴径が55〜70mmを有する加温用容器に用いる2軸延伸吹込成形壜において、前記底部の中央部に壜内部に向けて傾斜したテーパー状周壁とその上端に連接する天壁とからなる壜内部に向けて陥没する陥没部を備え、前記テーパー状周壁の下端に環状の接地面を有し、前記テーパー状周壁は互いに連接した裁頭円錐筒形の接地面側の第1周壁と天壁側の第2周壁とからなり、かつ、前記第1周壁と前記第2周壁の周壁面断面図における前記接地面に対する角度が互いに異なる角度であり、前記接地面から前記天壁までの距離は前記胴部の胴径の25〜40%であり、前記接地面の直径は前記胴部の胴径の50〜75%であり、前記接地面から前記胴部へ向かって、互いに連接した第1底壁と第2底壁を備え、前記第1底壁が環状のテーパー底壁で、前記第2底壁が前記2軸延伸吹込成形壜の縦断面形状の外側に向かって湾曲した環状の湾曲底壁であり、前記胴部はその下方に側壁強度アップのための横リブを備え、前記陥没部の前記天壁は上記横リブより上方に位置し、前記2軸延伸吹込成形壜の上記口栓部が白化されており、前記2軸延伸吹込成形壜がポリエチレンテレフタレート樹脂からなり、かつ、飲料を前記2軸延伸吹込成形壜に充填し、消費者への提供時にホットウォーマー機器によって、ポリエチレンテレフタレート樹脂のガラス転移点を越える温度75℃乃至80℃に保温した際にも、前記底部の陥没部が垂れ下がって前記2軸延伸吹込成形壜の座りが悪くなることのないことを特徴とする2軸延伸吹込成形壜を要旨とする。
発明に係る2軸延伸吹込成形壜は、胴径55〜70mmを有する加温用容器として形成することができる。
請求項1の発明に係る2軸延伸吹込成形壜では、図1乃至4に示すように、底部の中央部に壜内部に向けて傾斜したテーパー状周壁とその上端に連接する天壁とからなる壜内部に向けて陥没する陥没部を備え、前記テーパー状周壁4の下端に環状の接地面17を有し、前記テーパー状周壁は互いに連接した裁頭円錐筒形の接地面17側の第1周壁4bと天壁5側の第2周壁4aとからなり、かつ、前記第1周壁4bと前記第2周壁4aの周壁面断面図における前記接地面に対する角度が互いに異なる角度であり、前記接地面17から前記胴部2へ向かって、互いに連接した第1底壁3aと第2底壁3cを備え、前記第1底壁3aが環状のテーパー底壁で、前記第2底壁3cが前記2軸延伸吹込成形壜1の縦断面形状の外側に向かって湾曲した環状の湾曲底壁である。該陥没部の2軸延伸吹込成形壜の接地面17から天壁までの距離は、従来品の場合、胴径の23%以下(例えば胴径66mmに対して15mm)に形成されているのに対して、胴径の25〜40%と高く形成され、且つ陥没部の下端の環状の接地径を、胴径の50〜75%にして、陥没部の山形状を急にすることにより、液体内容物が高温に加熱され、内容物からの重力と熱の影響を受けて陥没部が下方に垂れ下がり、壜の座りが悪くなることは防止され、且つ75℃乃至80℃の温度の下の長時間保温に耐え、ホットウォーマー機器による保温保存中に底部の陥没部が下方に垂れ下がり、壜の座りが悪くなることはなく、胴径55〜70mmの加温用容器として活用することができる。
また、2軸延伸吹込成形壜において、底部の環状のテーパー底壁である第1底壁3aとその外側の湾曲底壁である第2底壁3cの間に変曲点3dを設けるこのような変曲点3dが存在することにより、内容物の充填後に底部の陥没部を押し上げてキャッピングし、その後底押し力を除くことにより減圧状態で内容物を密封包装することができる。これによってホットウォーマー機器による加熱により内圧の上昇が起こっても内圧上昇は減圧状態から出発するので底部中央のゲート部が出っ張る程度が少なくなり、本発明の底部の陥没部の垂れ下がりを防止する効果を更に高めることができる。
請求項1の発明の2軸延伸吹込成形壜は、ットウォーマー機器内に長時間おいても加温された内容物からの重力と熱の影響を受けて陥没部が下方に垂れ下がり壜の座りが悪くなることのない利点を有するものである。
図1は本発明の実施例を示す2軸延伸吹込成形壜の側面図である。図2は本発明の実施例を示す2軸延伸吹込成形壜の底面図である。図3は本発明の実施例を示す2軸延伸吹込成形壜における底部の断面図である。図4は本発明の実施例を示す2軸延伸吹込成形壜の斜視図である。
図1乃至4に示すように、発明の2軸延伸吹込成形壜1は、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなり、胴径が55乃至70mm、好ましくは60乃至70mmの小型壜(容量240ml乃至360ml)に用いる。2軸延伸吹込成形壜は、底部の中央部に壜内部に向けて傾斜したテーパー状周壁とその上端に連接する天壁とからなる壜内部に向けて陥没する陥没部を備える。天部5の中央にはゲート部(図示せず)が存在する。テーパー状周壁4の下端に環状の接地面17を有し、テーパー状周壁は互いに連接した裁頭円錐筒形の接地面17側の第1周壁4bと天壁5側の第2周壁4aとからなり、かつ、第1周壁4bと第2周壁4aの周壁面断面図における接地面17に対する角度が互いに異なる角度とする。尚、2は壜の胴部を示す。接地面17から胴部2へ向かって、互いに連接した第1底壁3aと第2底壁3cを備え、第1底壁3aが環状のテーパー底壁で、第2底壁3cが2軸延伸吹込成形壜1の縦断面形状の外側に向かって湾曲した環状の湾曲底壁とする。接地面17から天壁までの距離は胴部の胴径の25〜40%とし、接地面17の直径は胴部の胴径の50〜75%とする。また、胴部2にはその下方に側壁強度アップのための横リブ11を備え、陥没部6の天壁5は横リブ11より上方に位置させ、さらに、2軸延伸吹込成形壜1の口栓部91は白化させる。このようにすることで、飲料を2軸延伸吹込成形壜1に充填し、消費者への提供時にホットウォーマー機器によって、ポリエチレンテレフタレート樹脂のガラス転移点を越える温度75℃乃至80℃に保温した際にも、底部3の陥没部6が垂れ下がって2軸延伸吹込成形壜1の座りが悪くなることがない。
距離Hが胴径の25%よりも小さいと加温された内容物からの重力と熱の影響を受けて陥没部が接地面に達するまで下方に垂れ下がり壜の座りが悪くなる。一方距離Hが胴径の40%を越えると成形性の安定が悪くなり、底部3の形状が出にくいので好ましくない。
テーパー状周壁4は、テーパー状周壁4の下端に環状の接地面17を有し、接地面17から移行領域3bを介して接地面から約3mmのところから起立した壜の接地面に対して傾斜しテーパー状周壁は互いに連接した裁頭円錐筒形の接地面17側の第1周壁4bと天壁5側の第2周壁4aとし、かつ、第1周壁4bと第2周壁4aの周壁面断面図における前記接地面に対する角度が互いに異なる角度であり、第1周壁4bと第2周壁4aの傾斜角度は45°乃至70°が適当である。
また、接地径Rが胴径の50%よりも小さいと壜がホットウォーマー等の傾斜のついた加熱プレート上で倒れやすくなるので好ましくない。一方接地径Rが胴径の75%よりも大きくなると加温された内容物からの重力と熱の影響を受けて陥没部が接地面に達するまで下方に垂れ下がりやすくなる。
2軸延伸吹込成形壜の特徴として、小さな径の天壁5をテーパー状周壁4で支え、天壁5は胴部側壁の下方に設けた強度アップのための横リブ11よりも上に位置させる。それに対して、従来の容器においては天壁5に相当する部分が横リブ11と同等又はそれ以下の高さのところに位置している。また、このように底部の陥没部6を高くシンプルな形状にしたために天壁5から底部3までの部分の延伸率を高めることができ、このことが壜の耐熱性アップにつながったものと考えられる。
2軸延伸吹込成形壜は、底部の中央部に、壜内部に向けて傾斜したテーパー状周壁とその上端に連接する天壁とからなる壜内部に向けて陥没する陥没部を備え、テーパー状周壁4の下端に環状の接地面17を有し、テーパー状周壁は互いに連接した裁頭円錐筒形の接地面17側の第1周壁4bと天壁5側の第2周壁4aとからなり、かつ、第1周壁4bと第2周壁4aの周壁面断面図における接地面に対する角度を互いに異なる角度とする。
かつ、陥没部6の2軸延伸吹込成形壜の接地面17から天壁までの距離Hは胴径の25〜40%とし、好ましくは25〜35%である。陥没部6の下端の環状の接地径Rは胴径の50〜75%とし、好ましくは55〜70%である。テーパー状によって底部の機械的強度は確保されているのみならず、陥没部6の2軸延伸吹込成形壜の接地面17から天壁までの距離Hは従来の胴径の23%よりも高いので、液体内容物が高温に加熱され、内容物からの重力と熱の影響を受けて陥没部が下方に垂れ下がり、壜の座りが悪くなることは防止され、且つ75℃乃至80℃の温度の下の長時間保温に耐え、底部の陥没部が下方に垂れ下がり、壜の座りが悪くなることはなく、ホットウォーマー加温用容器として活用することができる。
また、図5に従って、本発明の2軸延伸吹込成形壜における底部3要部の断面図で、加熱により内圧の上昇が起こっても底部の陥没部の垂れ下がりを防止する効果を説明する。底部の環状のテーパー底壁である第1底壁3aとその外側の湾曲底壁である第2底壁3cの間に変曲点3dを設けるとが望ましい。このような変曲点3dが存在することにより、内容物の充填後に、底部3に底部3を接地面17のほうに押す力を付与して、一点鎖線18で示す形状に変形させ、底部の陥没部6を押し上げた状態で、キャッピングし、その後底部3を押す力を除くことにより減圧状態で内容物を密封包装することができる。これによってホットウォーマー機器による加熱により内圧の上昇が起こっても内圧上昇は減圧状態から出発するので底部中央のゲート部が出っ張る程度が少なくなり、底部の陥没部の垂れ下がりを防止する効果を更に高めることができる。
図6は2軸延伸吹込成形壜の成形過程において、吹込成形型内にパリソンを挿入した状態を示す断面図である。
図6に示すように、ポリエチレンテレフタレートらなる射出成形したパリソン9を成形型10内に挿入し、吹込成形することにより2軸延伸吹込成形壜を製造することができる。その場合、成形型10の底部の形状が比較的シンプルであるので容易に壜体を成形することができる。尚、2軸延伸吹込成形壜は、角壜(四角筒形の壜)でも成形出来るが、丸系の壜(六面以上の面からなる多面筒形胴部を有する壜又は円筒胴部を有する壜)のほうが成形性がよい。
また、ホットウォーマー機器等による加温用の壜としては、口栓部91(壜の天面からサポートリング下までの領域)を結晶化(白化)させる。それというのも、ホットウォーマー機器等による加温用の壜は、加温の過程で壜にガラス転移点以上の温度が加わるため、壜の口栓部91が変形してキャップとの密栓部がなくなり、内容物の腐敗・液漏れ等の不具合を起こす可能性があり、これを解消するために、口栓部91を結晶化させる。
口栓部91の結晶化は従来法のように口栓部91全体を結晶化する方法によってもよいが、望ましくは、サポートリング以外の口91及び後部に続く移行部を結晶化させるのが良い。サポートリングを非結晶のままに残して口栓部91を結晶化したものは、サポートリングが非結晶のままに残されているので、良好な耐衝撃性を保持し、衝撃を受けた際にも破損することはないという利点を有する。
サポートリング以外の口91及び後部に続く移行部を結晶化させた口栓部91を作る方法として、(1)パリソンの段階で口栓部91に加熱結晶化処理を施す方法、(2)吹込成形後に口栓部91に加熱結晶化処理を施す方法及び、(3)パリソンの段階で口栓部91の内側だけ加熱処理し、次いで吹込成形後にサポートリング以外の口91の外側を加熱処理する方法がある。以下、各方法について説明する。
(1)パリソンの段階で口栓部91に加熱結晶化処理を施す方法
先ず、図7に示すように口部型121と、インジェクションキャビティ型122と、インジェクションコア型123とからなる射出成形型12を用いて、通常の射出成形法によりパリソン9を成形する。
成形したパリソン9がガラス転移温度より低い温度まで冷却したら、インジェクションコア型123及びインジェクションキャビティ型122を離型する。このとき、図8に示すように、口部型121はパリソン9の口91を把持したままとする。
次に図9に示すように、口部型121で把持したパリソン9を冷却型13内に入れるのが好ましい。そのとき、口部型121のみならず、パリソン9の胴部及び底部も冷却するのが好ましい。冷却温度は、樹脂の結晶化温度より低ければ良く、具体的に10〜50℃程度が好ましい。
上記のようにパリソンを外側から冷却した状態で、図9に示すようにパリソン9の口部91からロッドヒータ14を挿入し、口部91及びサポートリング92下の胴部への移行部93を内側から加熱し、口部91及びサポートリング92下の胴部への移行部93の内側部分だけを結晶化し、結晶化部19aを形成する。このとき、パリソンの表面温度が100〜190℃となるように加熱するのが好ましい。100〜190℃で加熱処理することにより行うことができる。その場合において、100℃未満では、口栓部91の樹脂は結晶化せず、一方、190℃を超えると結晶化が遅くなると共にパリソンが軟化、変形し易くなる。また、加熱時間は、樹脂が部分的結晶化を起こすように設定するが、具体的には0.5〜3分程度が好ましい。
次に、口部型121をパリソン9から取りはずし、図10に示すように、サポートリング92をサポートリング型16a、16bで把持する。この状態で口部91を外側からリングヒータ15で加熱する。その場合、口91外側からの加熱は、リングヒータに代えて熱風ヒータ、赤外線ヒータ等を用いて行ってもよい。加熱温度は、上記と同様に100〜190℃程度で良い。また、口91外層中の未結晶の樹脂が結晶化するのに十分な時間であればよいが、具体的には0.5〜3分程度が好ましい。また、このとき、サポートリング型16a、16bは樹脂の結晶化温度より低い温度に冷却するのが好ましい。具体的にはサポートリング91の冷却温度は、10〜40℃程度が好ましい。
このような方法で口部91を加熱することにより、図11に示すように、サポートリング92中の樹脂は非結晶のままで、それ以外の口部91が結晶化する。19bは非結晶化部を示す。
サポートリング92は、加熱すると自重で変形し易くなるが、図10に示すように、サポートリング92は、加熱処理過程でサポートリング型16a、16bで把持されているので、変形は防止される。
次いで、このようにして得られたパリソン9を通常の方法で吹込成形するが、その際、移行部93からその下の肩部に掛けて急峻な肉厚差が生じない。
(2)吹込成形後に口栓部91に加熱結晶化処理を施す方法
壜の吹込成形後、壜を口部型121で把持したまたま金型から取り出し、次の加熱結晶化処理を行う。加熱結晶化処理では、口部型121で保持した壜を冷却型内に入れ、上記した(1)の方法と同様にして壜の口91からヒータを挿入して口91及び移行部を内側から加熱し、その部分の樹脂を結晶化する。加熱結晶化条件は(1)の方法で良い。
次に、口部型121を壜から離型した後、壜のサポートリング92をサポートリング型16a、16bで把持する。この状態で口91を外側から加熱し、口91外層中の未結晶の樹脂を結晶化する。加熱結晶化条件は(1)の方法と同様で良い。
(3)パリソンの段階で口栓部91の内側だけ結晶化し、次いで吹込成形後にサポートリング以外の口91の外側を結晶化する方法
パリソン製造後、口部型121でパリソンを把持した状態でインジェクションコア型123及びインジェクションキャビティ型122を取り外し、口91及び移行部を内側から加熱し、その部分の樹脂を結晶化する。加熱結晶化条件は(1)の方法と同様で良い。
上記パリソンを用いて吹込成形を行った後、壜のサポートリング92をサポートリング型16a、16bで把持する。この状態でサポートリング92以外の口91を外側から加熱し、口91外層中の未結晶の樹脂を結晶化する。加熱結晶化条件は(1)の方法で良い。
2軸延伸吹込成形壜の成形用樹脂としては、飽和ジカルボン酸と飽和二価アルコールとからなるポリエステル樹脂を適用することができる。飽和ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−1,4−又は2,6ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸類、ジフェノキシエタンジエタンジカルボン酸類等の芳香族ジカルボン酸類、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、デカン−1,10−ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸等を使用することができる。また、飽和二価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、その他の芳香族ジオール類等を使用することができる。このような飽和ジカルボン酸と飽和二価アルコールとからなるポリエステル樹脂としては、テレフタル酸とエチレングリコールとからなるポリエチレンテレフタレートを用いるのが好ましい。
また、2軸延伸吹込成形壜は、2層、3層の多層成形壜として形成することもできる。即ち2色押し出し成形または2色射出成形により、例えば、ポリエチレンテレフタレート/MXD6、MXD6+コバルト塩、PGA(ポリグリコール酸)、EVOH(エチレンビニルアルコール共重合体)又はPEN(ポリエチレンナフタレート)等の酸素バリア性及び紫外線バリア性を有する樹脂/ポリエチレンテレフタレートの三層からなるパリソンを押出成形後、吹込成形することにより酸素バリア性及び紫外線バリア性を有する多層壜を形成しても良い。
また、吹込成形型にインモールドラベル成形用ラベルを取付けインモールドラベル二軸延伸吹込成形を行いバリア性を有するホットウォーマー用容器を形成することもできる。
インモールドラベル成形用ラベルとして基材層と接着層からなり、接着層は130℃以下で軟化して延伸吹込成形品の表面に接着する熱接着性材料からなるものである。
ここにおいて、熱接着性材料として、(a)低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−αオレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メチルメタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマール酸その他の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、熱可塑性ポリアミド系樹脂の1種乃至複数種からなるもの、(b)ヒートシール層を有する、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の未延伸又は延伸プラスチックフィルム、(c)エチレン−酢酸ビニル共重合体を含むホットメルト接着剤層、或いは(d)エチレン−酢酸ビニル共重合体を含むヒートシール剤層などを適用することができる。
基材層はバリア層、紫外線防止層、遮光層、印刷基材層などを含むものである。
次に実施例及び比較例をあげて本発明につき説明する。
ポリエチレンテレフタレート樹脂を用い、2軸延伸吹込成形により、図1乃至4に示すように、胴径66mmを有し、底部3の中央部に、壜内部に向けて傾斜したテーパー状周壁4とその上端に連接する天壁5とからなる壜内部に向けて陥没する状の陥没部6を備え、かつ、テーパー状周壁4は、図2、3に示すように、互いに連接した裁頭円錐筒形の接地面17側の第1周壁4bと天壁5側の第2周壁4aとからなり、かつ、前記第1周壁4bと前記第2周壁4aの周壁面断面図における前記接地面に対する角度が互いに異なる角度とし、かつまた、陥没部6の2軸延伸吹込成形壜の接地面17から天壁までの距離Hは20mm(胴径の30.3%)とし、陥没部の下端の環状の接地径Rは40mm(胴径の60.6%)とした内容量350ml(高さ163mm)及び内容量280ml(高さ136mm)の2軸延伸吹込成形壜1を成形した。内容量350mlの壜には350mlの水を入れ、また、内容量280mlの壜には280mlの水を入れ、温度80℃の恒温槽内にいれて10時間放置した。しかし、加温された内容物からの重力と熱の影響を受けて底部が垂れ下がり座りが悪くなることはおこらなかった。
陥没部6の2軸延伸吹込成形壜の接地面17から天壁までの距離Hはは17.5mm(胴径の26.5%)とし、陥没部6の下端の環状の接地径Rは40mm(胴径の60.6%)とした内容量350ml(高さ163mm)及び内容量280ml(高さ136mm)の壜とする以外は実施例1と同様にした。内容量350mlの壜には350mlの水を入れ、また、内容量280mlの壜には280mlの水を入れ、78℃の恒温槽内にいれて10時間放置した。しかし、加温された内容物からの重力と熱の影響を受けて底部が垂れ下がり座りが悪くなることはおこらなかった。
陥没部6の2軸延伸吹込成形壜の接地面17から天壁までの距離Hは17.5mm(胴径の26.5%)とし、陥没部6の下端の環状の接地径Rは45mm(胴径の68.1%)とした内容量350ml(高さ163mm)及び内容量280ml(高さ136mm)の壜とする以外は実施例1と同様にした。内容量350mlの壜には350mlの水を入れ、また、内容量280mlの壜には280mlの水を入れ、75℃の恒温槽内にいれて10時間放置した。しかし、加温された内容物からの重力と熱の影響を受けて底部が垂れ下がり座りが悪くなることはおこらなかった。
〔比較例1〕陥没部6の2軸延伸吹込成形壜の接地面17から天壁までの距離Hは15mm(胴径の22.7%)とし、陥没部6の下端の環状の接地径Rは50mm(胴径の75.7%)とした内容量350ml(高さ163mm)の壜とする以外は実施例1と同様にした。この壜内に水350mlを入れ、75℃の恒温槽内にいれて10時間放置した。その結果、加温された内容物からの重力と熱の影響を受けて底部が接地面に至るまで垂れ下がり座りが悪くなることが生じた。
〔比較例2〕
陥没部6の2軸延伸吹込成形壜の接地面17から天壁までの距離Hは16.5mm(胴径の25%)とし、陥没部6の下端の環状の接地径Rは53mm(胴径の80%)とした内容量350ml(高さ163mm)の壜とする以外は実施例1と同様にした。この壜内に水350mlを入れ、75℃の恒温槽内にいれて10時間放置した。その結果、加温された内容物からの重力と熱の影響を受けて底部が接地面に至るまで垂れ下がり座りが悪くなることが生じた。
図12は2軸延伸吹込成形壜の加温の経過時間対ゲート部深さ変化率を表すグラフであり、75℃に温度を維持した恒温層(ヤマト科学(株)製DN43)内で内容物入り壜を加温した時の(加温)経過時間対ゲート部深さ変化率((壜の接地部から壜中央部にあるゲート部までの距離(以下ゲート部深さと称する)の初期値−加温後の壜のゲート部深さの測定値)/ゲート部深さの初期値×100(%))のグラフを示す。尚、ゲート部深さは、(株)ミツトヨ製デプスケージを使用して測定した。図12において、−●−は比較例1、−○−は比較例2、−▲−は実施例1、−×−は実施例2、−◆−は実施例3示す。この図から明らかなように、実施例1乃至の場合、10時間加温後のゲート変化率は70%以下であり、底部の陥没部が接地面17に至るまで垂れ下がり座りが悪くなることはなかった。これに対し比較例1、2の場合、10時間加温を続けるとゲート変化率は100%に達し底部の陥没部が接地面17に至るまで垂れ下がり壜の座りが悪くなった
発明に係る2軸延伸吹込成形壜は、飲料をホットウォーマー機器等によって加温して販売する販売容器として有効に活用し得る。
発明の実施例を示す2軸延伸吹込成形壜の側面図である。 発明の実施例を示す2軸延伸吹込成形壜の底面図である。 発明の実施例を示す2軸延伸吹込成形壜における底部の断面図である。 発明の実施例を示す2軸延伸吹込成形壜の斜視図である。 発明の実施例を示す2軸延伸吹込成形壜における底部要部の断面図で、加熱により内圧の上昇が起こっても底部の陥没部の垂れ下がりを防止する効果を説明する説明図である。 発明の2軸延伸吹込成形壜の成形過程において、吹込成形型内にパリソンを挿入した状態を示す断面図である。 発明の2軸延伸吹込成形壜のパリソンの製造過程を示す断面図である。 図7で成形したパリソンの口部型で把持した状態を示す断面図である。 図8のパリソン口部の内側を結晶化する過程を示す要部断面図である。 図9のパリソンの口部の外側を結晶化する過程を示す要部断面図である。 図8、9で口部を結晶化した後吹込成形した壜の口部要部の拡大断面図である。 2軸延伸吹込成形壜の加温の経過時間対ゲート部深さ変化率を表すグラフである。 従来の2軸延伸吹込壜における底部の断面図である。 図1に示す2軸延伸吹込成形壜における底面図である。
1 2軸延伸吹込成形壜
2 壜の胴部
3 底部
3a 第1底壁
3b 移行領域
3c 第2底壁
3d 変曲点
4 テーパー状周壁
4a 第2周壁
4b 第1周壁
5 天壁
6 陥没部
7 移行領域
8 移行領域
9 パリソン
91 口
92 サポートリング
93 サポートリング92下の胴部への移行部
10 吹込成形型
11 横リブ
12 射出成形型
121 口部型
122 インジェクションキャビティ型
123 インジェクションコア型
13 冷却型
14 ロッドヒータ
15 リングヒータ
16a サポートリング型
16b サポートリング型
17 接地面
18 接地面のほうへ押圧され変形した底部の輪郭を示す線
19a 結晶化領域
19b 非結晶化領域
21 底部
22 周壁
23 壜内部
24 壜の側壁
25 陥没部

Claims (1)

  1. 口栓部と胴部と底部とからなる胴径が55〜70mmを有する加温用容器に用いる2軸延伸吹込成形壜において、前記底部の中央部に壜内部に向けて傾斜したテーパー状周壁とその上端に連接する天壁とからなる壜内部に向けて陥没する陥没部を備え、前記テーパー状周壁の下端に環状の接地面を有し、前記テーパー状周壁は互いに連接した裁頭円錐筒形の接地面側の第1周壁と天壁側の第2周壁とからなり、かつ、前記第1周壁と前記第2周壁の周壁面断面図における前記接地面に対する角度が互いに異なる角度であり、前記接地面から前記天壁までの距離は前記胴部の胴径の25〜40%であり、前記接地面の直径は前記胴部の胴径の50〜75%であり、前記接地面から前記胴部へ向かって、互いに連接した第1底壁と第2底壁を備え、前記第1底壁が環状のテーパー底壁で、前記第2底壁が前記2軸延伸吹込成形壜の縦断面形状の外側に向かって湾曲した環状の湾曲底壁であり、前記胴部はその下方に側壁強度アップのための横リブを備え、前記陥没部の前記天壁は上記横リブより上方に位置し、前記2軸延伸吹込成形壜の上記口栓部が白化されており、前記2軸延伸吹込成形壜がポリエチレンテレフタレート樹脂からなり、かつ、飲料を前記2軸延伸吹込成形壜に充填し、消費者への提供時にホットウォーマー機器によって、ポリエチレンテレフタレート樹脂のガラス転移点を越える温度75℃乃至80℃に保温した際にも、前記底部の陥没部が垂れ下がって前記2軸延伸吹込成形壜の座りが悪くなることのないことを特徴とする2軸延伸吹込成形壜。
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