JP5321122B2 - 油性内容物用多層プラスチック容器 - Google Patents

油性内容物用多層プラスチック容器 Download PDF

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Description

本発明は、マヨネーズに代表される油性物質を収容するために用いられる多層プラスチック容器に関するものである。
プラスチック容器は、成形が容易であり、安価に製造できることなどから、各種の用途に広く使用されており、例えば、容器壁の内面がポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂層で形成されている容器は、粘稠なスラリー状或いはペースト状の内容物を収容するための容器としても使用されている。
ところで、粘稠な内容物を収容するためのプラスチック容器としては、内容物を絞り出し易いという観点から、低密度ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂を用いて成形されたものが広く使用されている。
また、粘稠な内容物を収容する容器では、該内容物を速やかに排出するため、或いは容器内に残存させることなくきれいに最後まで使いきるために、容器を倒立状態で保存しておかれる場合が多い。従って、容器を倒立させたときには、内容物が容器内壁面に付着残存せず、例えば粘稠な内容物が速やかに落下するという特性が望まれており、このような要求を満足する容器として、例えば、特許文献1には、最内層が、MFR(メルトフローレート)が10g/10min以上のポリオレフィンからなる多層構造容器が提案されている。
特許文献1の多層構造容器は、特にマヨネーズのような油脂分を含有する油性内容物を収容するために使用されるものであり、最内層が油性内容物に対する濡れ性に優れており、この結果、容器を倒立させたり、或いは傾斜させたりすると、マヨネーズ等の油性内容物は、最内層表面に沿って広がりながら落下していき、容器内壁面(最内層表面)に付着残存することなく、綺麗に排出することができるというものである。
一方、上記のようなプラスチック容器の外面には、容器の搬送性を高めるために、滑剤が配合されているのが一般的である。即ち、滑剤の配合により、滑剤が容器表面にブリーディングし、この結果、容器の搬送工程において、容器同士のくっつきや、容器と搬送材(例えばベルト)との接着などを効果的に防止することができるわけである。例えば、特許文献2には、滑剤として脂肪族アミドが配合されているプラスチック容器が提案されている。
特開2007−284066号公報 特許第2627127号
しかしながら、特許文献2などで提案されているように、容器壁中に滑剤が配合されている場合には、滑剤が親油性基を有している化合物であり、マヨネーズのような油性内容物に対する親和性が高いため、滑剤によって油性内容物に対する滑落性が低下してしまい、油性内容物をきれいに排出することが困難となるという問題があった。即ち、特許文献1で提案されているような一定のMFRを有するポリオレフィンにより最内層を形成し、この最内層には滑剤を配合せず、外層にのみ滑剤を配合する構造とした場合においても、容器の保管中に、外層に配合された滑剤が最内層の表面にブリーディングしてしまい、結局、油性内容物に対する滑落性が大きく低下してしまうこととなる。
また、容器の最外層に滑剤が配合されている場合には、溶融成形する際にダイヘッドからの溶融パリソンの出口であるシェル及びコア部に滑材が付着しパリソンに傷を付けたり、最悪はシェル部等から剥がれ落ち成形不良を発生したり、容器の外観が損なわれるという問題もあった。
従って、本発明の目的は、油性内容物の収容に使用されるプラスチック容器であって、油性内容物に対する滑落性に優れていると同時に、搬送性にも優れ、更に、滑剤の配合による成形性の低下或いは外観の低下が有効に防止されている油性内容物用プラスチック容器を提供することにある。
本発明によれば、最外面層及び最内面層にポリオレフィン系樹脂層を有しており、最外面層と最内面層との間に中間樹脂層が設けられている油性内容物用多層プラスチック容器において、
前記最外面層と前記中間層との間に位置し、且つ該最外面層に隣接する層には、滑剤が選択的に配合されており、
前記最外面層には、前記最外面層に隣接する層からのブリーディングに由来する滑剤が存在しており、
前記最内面層のポリオレフィン系樹脂層が滑剤フリーの層であり、
前記中間層が、密度が1.00g/cm以上且つガラス転移点(Tg)が35℃以上の樹脂からなる滑剤遮断層であることを特徴とする油性内容物用多層プラスチック容器が提供される。
本発明の油性内容物用多層プラスチック容器においては、
(1)前記最外面層及び前記最外面層に隣接する層に存在する滑剤は、前記最外面層に隣接する層を基準として、合計で、0.01〜0.5重量%の量で含されていること、
(2)前記最内面層を形成するポリオレフィン系樹脂が、10g/10min以上のMFR(190℃)及び/又は0.91g/cm以下の密度を有していること、
(3)前記最内面層を形成するポリオレフィン系樹脂が、密度が0.91g/cm以下の直鎖低密度ポリエチレンであること、
(4)前記滑剤が不飽和脂肪族アミドであること、
)前記最外面層を形成するポリオレフィン系樹脂が、10g/10min以上のMFR(190℃)及び/又は0.91g/cm以下の密度を有していること、
)前記最内面層の平均表面粗さRa(JIS B 0106−1994)が0.3μm以下であること、
が好適である。
本発明の多層プラスチック容器では、最内層が、滑剤フリーの層、即ち滑剤が配合されていない層であり、中間層よりも外層側の層に滑剤が配合されると同時に、中間層が、密度1.00g/cm以上且つガラス転移点(Tg)が35℃以上の樹脂から形成されている点に顕著な特徴を有するものである。即ち、このような層構造を有する多層プラスチック容器では、中間層が緻密な樹脂で形成されているため、この中間層が滑剤遮断層として機能することとなり、中間層よりも外層側に配合されている滑剤が最内層に移行せず、この結果、滑剤による容器の搬送性の向上を維持しつつ、前記滑剤による油性内容物に対する滑落性の低下を有効に回避することができる。また、例えば滑剤フリーの最内面層を、10g/10min以上のMFR(190℃)及び/又は0.91g/cm以下の密度を有しているポリオレフィン系樹脂で形成することにより、該ポリオレフィン系樹脂が有する油性内容物に対する濡れ性を十分に発揮させ、油性内容物に対する滑落性を著しく高め、容器の倒立、傾斜などを利用して、容器内壁面(最内層表面)への油性内容物の付着残存を有効に回避し、油性内容物を速やかに排出することが可能となる。この場合には、油性内容物を容器内壁面に付着残存させずに排出できるため、特に容器に透明性を保持させることにより、容器内に残存する油性内容物の量を外部から明確に視認することができるという利点も達成される。
尚、本発明における油性内容物に対する滑落性は、例えば、後述する実施例に示されているように、目的とする容器から平坦な試験片を切り出し、この試験片の容器内面上に一定量の油性内容物(例えばマヨネーズ)を載せ、これを85度に傾けた状態で油性内容物の滑落速度を測定することにより評価することができる。この滑落速度が速いほど、倒立落下性に優れている。例えば、最内面層に対応する層に滑剤が配合されておらず、一定時間経過後に最内層の表面に滑剤がブリーディングしてしまうと、油性内容物の滑落速度は遅くなり、油性内容物に対する滑落性が低下してしまうが(比較例3参照)、本発明にしたがい、滑剤遮断層として機能する中間層が設けられ、この中間層の外側に滑剤含有層が設けられている場合には、油性内容物の滑落速度の低下は認められず(実施例参照)、油性内容物に対する優れた滑落性が維持されることとなる。
また、本発明の多層プラスチック容器においては、上記の滑剤遮断層として機能する中間層の外側に滑剤が配合されている層(以下、滑剤含有層と呼ぶことがある)を存在させることにより、滑剤が容器外面にブリーディングし、容器の滑性が高められ、容器の搬送性の向上がもたらされ、容器搬送時における容器同士のくっつきや容器と搬送ベルトとの接合などの不都合を有効に回避することができる。
従って、本発明では、上記中間層よりも外側であって且つ最外面層に隣接する層を滑剤含有層とする。即ち、最外面層を滑剤含有層として設けた場合には、溶融成形する際にダイヘッドからの溶融パリソンの出口であるシェル及びコア部に滑材が付着しパリソンに傷を付けたり、最悪はシェル部等から剥がれ落ち成形不良や容器の外観不良などを生じるおそれがあるが、最外面層に隣接する層を滑剤含有層として設けた場合には、容器の成形時に滑剤が表面に露出しておらず、最外面層によって封じられているため、成形時における成形不良や容器外観不良を有効に回避することができる。
さらに、上記のように最外面層に隣接する層を滑剤含有層とするときには、滑剤として不飽和脂肪族アミドを用いることが好ましく、最も好適には、最外面層を構成するオレフィン系樹脂として、MFR(190℃)が10g/10min以上及び/又は密度が0.91g/cm以下のものを使用することが好ましい。即ち、不飽和脂肪族アミドは、低融点であり、分子の熱運動性が高く、従って最外面層の表面にブリーディングし易く、また、上記のようなポリオレフィン系樹脂は、滑剤を透過し易いという性質を有しており、隣接する層からの最外面層表面の滑剤のブリーディングが生じやすいからである。
上述した本発明の多層プラスチック容器は、マヨネーズに代表される粘稠な油性物質を収容するために使用されるが、マヨネーズ以外にも、例えばドレッシング、液体洗剤などの油性物質を収容するための容器としても好適に使用される。
本発明の多層プラスチック容器は、油性物質を内容物として収容するための容器として使用されるものであり、最外面層及び最内面層がポリオレフィン系樹脂により形成され、最外面層と最内面層との間に滑剤遮断層として機能する中間層が存在しているという多層構造を有していると同時に、最内面層は滑剤フリーの層であり、滑剤は、中間層よりも外側に位置する層、即ち、最外面層と中間層との間に位置し、且つ最外面層に隣接する層選択的に配合されている。
<中間層>
本発明において、滑剤遮断層として機能する中間層には、当然、滑剤が配合されていないが、滑剤遮断層として機能するために、該中間層は、密度が1.00g/cm以上且つガラス転移点(Tg)が35℃以上の樹脂により形成されていることが必要である。即ち、このような樹脂により形成される中間層は緻密な層となり、これにより、該中間層が滑剤遮断層として有効に機能し、該中間層よりも外側の層に配合されている滑剤の最内面層への移行が有効に抑制され、最内面層表面への滑剤のブリーディングが防止され、滑剤成分による油性内容物に対する滑落性の低下を回避し、優れた滑落性を発現させることが可能となる。例えば、密度あるいはガラス転移点(Tg)が上記範囲よりも低い樹脂を用いて中間層を形成する場合には、中間層がルーズな層となってしまい、滑剤遮断層としての機能が発現せず、この結果、中間層よりも外側の層に配合されている滑剤の最内面層への移行が抑制されず、最内面層表面への滑剤のブリーディングによって油性内容物に対する滑落性の低下を生じてしまうこととなる。
上記のような中間層を形成する樹脂としては、密度及びガラス転移点(Tg)の両者が上記範囲内である限り特に制限されず、成形可能な任意の熱可塑性樹脂を用いることができるが、一般的には、エチレンビニルアルコール共重合体(エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物)や芳香族ポリアミドなどのガスバリア性樹脂を用いることが好ましく、特にエチレンビニルアルコール共重合体を用いることが最も好適である。即ち、中間層形成用の樹脂としてガスバリア性樹脂を用いることにより、中間層に滑剤遮断性と共に酸素バリア性を付与することができ、特にエチレンビニルアルコール共重合体は、特に優れた酸素バリア性を示すため、酸素透過による油性内容物の酸化劣化をも有効に抑制することができ、優れた滑落性を維持せしめると同時に、優れた内容物保存性を確保することができる。
上記のようなエチレンビニルアルコール共重合体としては、一般に、エチレン含有量が20乃至60モル%、特に25乃至50モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96モル%以上、特に99モル%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケン化物が好適であり、これらの中から、密度及びガラス転移点(Tg)が前述した範囲にあるものが選択的に使用される。
また、上記の滑剤遮断層として機能する中間層の厚みは、一般に1乃至50μmの範囲、好適には9乃至40μmの範囲にあることが好ましい。この厚みが過度に薄いと、滑剤遮断性が低下してしまい、滑剤の最内面層側への移行を効果的に防止することが困難となるおそれがあり、また、厚みが過度に厚いと、滑剤遮断性のさらなる向上は得られず、かえって容器壁の厚みが必要以上に厚くなったり、或いはコストの増大などの点で不都合を生じてしまうからである。
また、上記のようなガスバリア性樹脂を中間層として用いる場合には、内外層との接着性を高め、デラミネーションを防止するために、接着剤樹脂層を介して中間層を設けることが好ましい。これにより、中間層をしっかりと内外層に接着固定することができる。このような接着樹脂層の形成に用いる接着剤樹脂はそれ自体公知であり、例えば、カルボニル基(>C=O)を主鎖若しくは側鎖に1乃至100meq/100g樹脂、特に10乃至100meq/100g樹脂の量で含有する樹脂、具体的には、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸もしくはその無水物、アミド、エステルなどでグラフト変性されたオレフィン樹脂;エチレン−アクリル酸共重合体;イオン架橋オレフィン系共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;などが接着性樹脂として使用される。このような接着剤樹脂層の厚みは、適宜の接着力が得られる程度でよく、一般的には0.5乃至20μm、好適には1乃至8μm程度の厚みでよい。尚、このような中間層も、前述した密度及びガラス転移点の条件を満足すれば、滑剤遮断層として機能し得る。
<最外面層及び最内面層>
本発明の多層プラスチック容器において、容器の最外面に位置する最外面層及び容器の最内面に位置し、容器内に収容される油性物質と直接接触する最内面層は、ポリオレフィン系樹脂から形成されるものであり、このような最外面及び最内面形成用のポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、中或いは高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンなどを挙げることができる。勿論、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同志のランダムあるいはブロック共重合体等であってもよい。また、前述した特許文献1(特開2007−284066号)に開示されている環状オレフィン共重合体により最外面層及び最内面層を形成することもできる。本発明において、特に好適に使用されるポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレンであり、ポリエチレンが最適であり、特に容器にスクイズ性を付与し、容器内容物を絞り出しにより容器から取り出すようにするには、低密度ポリエチレンや直鎖低密度ポリエチレンを用いて最外面層及び最内面層を形成するのがよい。
また、本発明においては、滑剤フリーの層である最内面層形成用のポリオレフィン系樹脂は、上記のようなポリオレフィン系樹脂の中でも、MFR(190℃)が10g/10min以上及び/又は密度が0.91g/cm以下の範囲にあるものが好適である。即ち、このようなポリオレフィン系樹脂は、非晶性が高く、マヨネーズ等の油性物質に対して高い濡れ性を示し、容器に収容される油性内容物に対して優れた滑落性を示すからである。特に密度が0.91g/cm以下の直鎖低密度ポリエチレン(以下、超低密度直鎖ポリエチレンと呼ぶことがある)は、油性内容物に対する濡れ性が特に高く、優れた滑落性を発現させるという点で最も好適である。尚、このような直鎖低密度ポリエチレンは、従来公知の低密度のポリエチレンの中でも特に低密度であり、例えば、メタロセン系触媒を用いて、エチレンと少量のα−オレフィン(炭素数が8以下であるエチレン以外のα−オレフィン)を共重合して得られる極めて特殊な低密度ポリエチレンである。
さらに、本発明においては、最外面層形成用のポリオレフィン系樹脂としても、最内面層と同様、前述したポリオレフィン系樹脂の中で、MFR(190℃)が10g/10min以上及び/又は密度が0.91g/cm以下の範囲にあるもの、特に密度が0.91g/cm以下の直鎖低密度ポリエチレンが好適である。即ち、このようなポリオレフィン系樹脂により最外面層を形成すると、最外面層が比較的ルーズな層となり、この結果、滑剤のブリーディング性が向上し、中間層の外側の層に配合されている滑剤が速やかに最外面層表面にブリーディングし、この結果、容器の搬送性が高められ、搬送時における容器同士のくっつきやベルト等の搬送材への容器の接着が効果的に防止することができるからである。
尚、上記のような最外面層や滑剤フリーの最内面層の厚みは、各層の機能が効果的に発揮され且つ必要以上に厚くならない程度に設定される。例えば、最外面層では、その表面に滑剤が効果的にブリーディングし、優れた容器搬送性が確保でき、最内面層は、容器内に収容される油性内容物に対して、優れた滑落性が確保でき、しかも容器全体厚みが不必要に厚くならない程度に、容器の層構造に応じて適宜設定される。
また、上記最内面層は、その平均表面粗さRa(JIS B 0106−1994)が0.3μm以下であることが、油性内容物に対する高い濡れ性を得る上で好適である。特に上記直鎖低密度ポリエチレンにおいては、メルトフラクチャーが発生し易く、パリソン表面にシャークスキンと呼ばれる肌荒れが発生する。特に密度が0.91g/cmを超えるとこの現象が顕著になる。このためこのような表面粗さRaにするためにも密度を0.91g/cm以下にすることが好適である。また、成形方法としてはパリソン出口部のシェルとコアのクリアランスを1.0mm以上開けることが好適である。また、シェル及びコアにフッ素等の滑り性を向上するコーティングする事も有効である。更に、成形に用いる金型の表面を鏡面とすることも有効である。表面粗さRaがこの範囲を上回ると油性内容物に対する濡れ性が悪くなり内容物の滑落性が低下する恐れがある。
<滑剤含有層>
本発明において、滑剤は、上述した滑剤遮断性を示す中間層の外側に位置する層、即ち、最外面層と中間層との間に位置し、且つ最外面層に隣接する層に配合され、この滑剤が最外面層の表面にブリーディングすることにより、容器搬送性を確保することができ、しかも、この滑剤の最内面層への移行が上記の中間層によって遮断され、最内層表面での滑剤のブリーディングによる油性内容物に対する滑落性の低下も有効に抑制されることとなるわけである。
上記の滑剤としては、従来、公知のものを例示することができ、例えば、
(イ)流動、天然または合成パラフィン、マイクロワックス、ポリエチレンワックス
塩素化ポリエチレンワックス等の炭化水素系のもの、
(ロ)ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系のもの、
(ハ)ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミ
ド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪族アミ
ド系のもの、
(ニ)ブチルステアレート、硬化ヒマシ油、エチレングリコールモノステアレート等
の脂肪酸エステル系のもの、
(ホ)セチルアルコール、ステアリルアルコール等のアルコール系のもの、
(ヘ)ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石ケン、
(ト)ポリオルガノシロキサン、
などを挙げることができ、これらは、1種単独或いは2種以上を混合して使用することもできる。本発明では、特にブリーディング性が良好であるという点で、脂肪族アミドが好適であり、中でもオレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の不飽和脂肪族アミドが低融点であり、最もブリーディングし易く、本発明には最適である。
前記最外面層及び前記最外面層に隣接する層に存在する滑剤の含有量は、前記最外面層に隣接する層を基準として、合計で、0.01〜0.5重量%、特に0.02〜0.1重量%の範囲が好適である。即ち、この範囲よりも少量の場合には、最外面層の表面にブリーディングする滑剤量が少なくなるため、良好な滑り性が付与されず、従って、容器の搬送性が低下してしまうことがある。また、滑剤が上記範囲よりも多量に配合されたとしても、さらに容器の搬送性が向上することはなく、技術的に無意味であり、かえって経済的に不利となってしまう。
また、本発明においては、最外面層に隣接する位置に滑剤含有層を設ける。即ち、滑剤含有層が最外面に位置している場合には、容器の成形時にダイヘッドからの溶融パリソンの出口であるシェル及びコア部に滑剤が付着しパリソンに傷を付けたり、最悪はシェル部等から剥がれ落ち、容器の外観が損なわれてしまうことがあるが、最外面層に隣接する層を滑剤含有層とすることにより、容器成形時には滑剤含有層が最外面層によって封止されているため、容器外面での外観不良の発生を確実に防止することができる。また、容器成形後は、その後の経時により、滑剤が最外面層の表面にブリーディングして良好な滑り性が付与され、優れた容器搬送性を確保することが可能となる。
上記のように滑剤含有層を最外面層に隣接する位置に設けるにあたり、層形成用の樹脂としては、最外面層の形成に用いたポリオレフィン系樹脂と同種のポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。他の樹脂を用いる場合には、最外面層と滑剤含有層との接着力が低下してデラミネーションを生じるおそれがあり、また、このような不都合を防止するために接着剤樹脂層を設けると、コストの増大を招くばかりか、接着剤樹脂層により滑剤含有層から最外面層への滑剤の移行が低下するおそれも生じてしまうからである。
また、この容器の成形時に発生するリグラインド(スクラップ樹脂)をバージンのポリオレフィン系樹脂とブレンドして滑剤含有層形成用の樹脂として用いることもできる。この場合、成形性を維持しつつ、資源の再利用化を図るという観点から、リグラインドの量は、バージンのポリオレフィン系樹脂(例えば、前述した超低密度直鎖ポリエチレン100重量部当り10乃至60重量部程度の量とするのがよい。
さらに、滑剤含有層を最外面層に隣接する位置に設けるにあたっては、特に最外面層を前述した超低密度の直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)とし、且つ滑剤として、不飽和脂肪族アミドを用いることが最適である。これにより、滑剤のブリーディング性が最大限に高められ、成形後に速やかに最外面層の表面に滑剤がブリーディングし、成形後の容器の搬送を不具合なく行うことが可能となる。また、この場合において、最外面層の厚みが過度に厚いと、最外面層表面に滑剤がブリーディングするまでに長時間必要となってしまい、成形後の容器の搬送に支障を来たすおそれがある。従って、このような場合には、最外面層の厚みは50μm以下もしくは層比率で15%以下に設定しておくことが好適である。
<層構造>
上述したように、本発明の多層プラスチック容器は、種々の層構成を取り得るが、最もシンプルな層構造としては、接着剤樹脂層をADとして
外面層/リグラインド層(滑剤含有層)/AD/滑剤遮断層/AD/最内面層
が挙げられる。
上記の層構造において、リグラインド層は、リグラインドとバージンのポリオレフィン系樹脂とを層形成用樹脂として用いた層である。
また、上記のような層構造において、最内面層に隣接する位置に、リグラインド層を設けることも可能である。このようなリグラインド層は、滑剤が配合されていない点では、最外面層に隣接する位置に形成されるリグラインド層と同じであり、バージンのポリオレフィン系樹脂(特に最内面層の形成に用いたポリオレフィン系樹脂と同種のもの)と、この容器の成形時に発生するリグラインドとのブレンド物を層形成用樹脂として形成されるものである。この場合、リグラインド中には滑剤が含まれているが、極めて少量であるため、この滑剤の最内層表面へのブリーディングによる影響は無視することができる。
尚、前述した各層には、各層に要求される特性を損なわない範囲において、それ自体公知の各種の配合剤、例えば、顔料、紫外線吸収剤等が必要により配合されていてよい。
<容器の成形及び用途>
本発明の多層プラスチック容器は、例えばフィルム、シート、ボトル、キャップ、チューブ形成用パリソン乃至はパイプ、ボトル乃至チューブ成形用プリフォーム等の形を採ることができ、それ自体公知の方法で製造される。
例えば、各層に応じた数の押出機や射出成形機を用い、共押出成形法、共射出法、逐次射出法等により、フィルム、シート、キャップ、チューブ形成用パリソン乃至はパイプ、ボトル乃至チューブ成形用プリフォーム等を製造することができる。また得られたフィルムを二軸延伸して延伸フィルムとすることもできる。
パリソン、パイプ或いはプリフォームからのボトルの形成は、例えば押出物を一対の割型でピンチオフし、その内部に流体を吹き込むことにより容易に行なわれる。
また、パイプ乃至はプリフォームを冷却した後、延伸温度に加熱し、軸方向に延伸すると共に、流体圧によって周方向にブロー延伸することにより、延伸ボトル等を得ることができる。
更には、フィルム乃至シートを、真空成形、圧空成形、張出成形、プラグアシスト成形等の手段に付することにより、カップ状、トレイ状等の形状の包装容器が得られる。
尚、これら成形に際しては、最内面層を確定する金型表面を鏡面加工しておくと、最内面層の平均表面粗さRaを0.3μm以下にするのに好適であり、油性内容物に対する濡れ性をさらに高めることができる。
上記のようにして成形された容器は、次の充填工程に搬送され、油性内容物、例えばマヨネーズ、各種ドレッシング、液体洗剤などが充填密封され、販売に供される。
本発明の容器は、油性内容物の滑落性に優れており、油性内容物が粘稠であったとしても、この容器を倒立或いは傾斜させることにより、油性内容物を容器内壁面に付着残存させることにより、きれいに下方に落下させてスムーズに排出することができる。また、容器外面への滑剤のブリーディングにより滑り性が付与されているため、容器の搬送時に、容器同士のくっつきや容器と搬送材との接着も有効に防止される。さらに、最外面層に隣接した位置に滑剤含有層が設けられている層構造が採用されているため、成形時における容器外面での外観不良の発生なども有効に防止される。
本発明を次の実施例にて説明する。尚、実施例1〜6は参考例とする。
(1)内容物滑落性評価
得られた容器の内容物滑落性を、次に述べる内容物滑落速度測定により評価した。
実施例の容器を成形後、室温で7日保管した個体試料から30mm×30mmの平坦な試験片を切り出し、この試験片を内層が上になるように滑落法キットDM−SAを装着した固液界面解析システムDropMaster700(協和界面科学(株)製)の試料台に固定し、液体試料としてマヨネーズ(キューピー(株)製、脂質含有量約75%)を用い、液体試料の重量60mg、傾斜角85°、室温23℃、湿度50%RHの条件でサンプリング時間毎の液滴移動距離を測定し、移動距離と時間のグラフを作製した。グラフの傾きより内容物滑落速度を算出した。
得られた内容物滑落速度から、次の基準により評点をつけた。○が製品としての許容範囲である。
○:1.0mm/min以上
×:1.0mm/min未満
(2)搬送性評価
得られた容器の搬送性を、次に述べる動摩擦係数測定により評価した。
実施例の容器を成形後室温で1日間及び7日間保管した後、容器側壁から50mm×30mmの平坦な試験片を切り出し、連続加重式表面性測定機トライボギアTYPE22(新東科学(株)製)の試料台に固定し、「垂直過重285g、移動速度600mm/min、ボール圧子」の条件で容器外面の動摩擦係数を算出した。得られた動摩擦係数から、次の基準により評点をつけた。○及び△が製品としての許容範囲である。
○:1日後、7日後とも動摩擦係数が0.10以下
△:1日後の動摩擦係数が0.10を超えるが、7日後の動摩擦係数が0.10以下
である
×:1日後、7日後とも動摩擦係数が0.10を超える
(3)総合評価
内容物滑落性評価、搬送性評価のそれぞれの結果から、次の様に総合評価した。
○:全ての評価が「○」
△:内容物滑落性評価が「○」且つ搬送性評価が「△」
× :少なくとも1つの評価に「×」がある
(4)平均表面粗さRa測定方法
得られた容器の側壁から30mm×30mmの平坦な試験片を切り出し、この試験片を内層が上になるように表面粗さ形状測定機サーフコム1400A((株)東京精密製)の試料台に固定し、測定長さ20mm、移動速度0.60m/secの条件でJIS B 0106−1994に準じて平均表面粗さRaを算出した。
(用いた樹脂の物性)
各層の形成に用いた樹脂のMFRは、ASTM D123(190℃)、密度はASTM D792によりそれぞれ測定し、さらにガラス転移点(Tg)は、0℃以上の場合にはDSC法により、0℃未満の場合には、動的粘弾性法により測定した。
(用いた樹脂及び滑剤)
各層の形成のために、下記の樹脂を用いた。
[最外面層形成用樹脂]
1.低密度ポリエチレンA(LDPE−A)
MFR;0.4g/10min、密度;0.92g/cm
2.低密度ポリエチレンB(LDPE−B)
MFR;1.1g/10min、密度;0.92g/cm
3.低密度ポリエチレンC(LDPE−C)
MFR;12.0g/10min、密度;0.92g/cm
4.直鎖低密度ポリエチレンA(LLDPE−A)
MFR;2.0g/10min、密度;0.90g/cm
5.直鎖低密度ポリエチレンB(LLDPE−B)
MFR;2.0g/10min、密度;0.91g/cm
6.ランダムポリプロピレン(PP);
MFR;1.1g/10min、密度;0.90g/cm
[滑剤含有層形成用樹脂(中間層)]
低密度ポリエチレンA(LDPE−A)
最外面層形成の低密度ポリエチレンAと同じ
[滑剤遮断層形成用樹脂]
1.エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)
密度;1.19g/cm、ガラス転移点(Tg);69℃
2.ポリアミド(ナイロン)
密度;1.14g/cm、ガラス転移点(Tg);35℃
3.環状ポリオレフィン(COC)
密度;1.02g/cm、ガラス転移点(Tg);80℃
4.高密度ポリエチレン(HDPE)
密度;0.95g/cm、ガラス転移点(Tg);−70℃
[最内面層形成用樹脂]
1.低密度ポリエチレンC(LDPE−C)
最外面層形成の低密度ポリエチレンCと同じ
2.直鎖低密度ポリエチレンA(LLDPE−A)
最外面層形成の直鎖低密度ポリエチレンAと同じ
3.直鎖低密度ポリエチレンB(LLDPE―B)
最外面層形成の直鎖低密度ポリエチレンBと同じ
[接着剤樹脂]
無水マレイン酸変性ポリエチレン
[滑剤]
1.滑剤A:エルカ酸アミド
2.滑剤B:オレイン酸アミド
(実施例1)
最外面層として50mm押出機に、滑剤B(オレイン酸アミド)を0.03重量%含有する低密度ポリエチレンA、接着層として40mm副押出機Aに無水マレイン酸変性ポリエチレン、滑剤遮断層として40mm副押出機Bにエチレンビニルアルコール共重合体、最内面層として40mm副押出機Cに直鎖低密度ポリエチレンAの樹脂ペレットをそれぞれ供給し、温度210℃の多層ダイヘッドより溶融パリソンを押し出し、公知の溶融ブロー成形法によりノズル径φ30mm、内容量500ml、重量19gのマヨネーズ容器形状の4種5層多層容器を作製した。
この容器胴部の層構成は、以下の通りである。
最外面層(200μm)/接着層(5μm)/滑剤遮断層(25μm)/接着層(5μm)/最内面層(115μm)
上記の容器について、内表面平均表面粗さRaを測定し、内容物滑落性、搬送性を評価した。各層の仕様(接着層を除く)を表1に示し、評価結果を表2に示す。
(実施例2)
滑剤遮断層としてポリアミド(ナイロン)の樹脂ペレットを供給した以外は、実施例1と同様にして実施例1と全く同じ層構成の多層容器を作成した。
上記の容器について、内表面平均表面粗さRaを測定し、内容物滑落性、搬送性を評価した。各層の仕様(接着層を除く)を表1に示し、評価結果を表2に示す。
(実施例3)
滑剤遮断層として環状ポリオレフィン(COC)の樹脂ペレットを供給した以外は、実施例1と同様にして、実施例1と全く同じ層構成の多層容器を作成した。
上記の容器について、内表面平均表面粗さRaを測定し、内容物滑落性、搬送性を評価した。各層の仕様(接着層を除く)を表1に示し、評価結果を表2に示す。
(実施例4)
最内面層として低密度ポリエチレンCの樹脂ペレットを供給した以外は、実施例1と同様にして、実施例1と全く同じ層構成の多層容器を作成した。
上記の容器について、内表面平均表面粗さRaを測定し、内容物滑落性、搬送性を評価した。各層の仕様(接着層を除く)を表1に示し、評価結果を表2に示す。
(実施例5)
最外面層形成用の樹脂として、滑剤B(オレイン酸アミド)を0.01重量%含有する低密度ポリエチレンBを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例1と全く同じ層構成の多層容器を作成した。
上記の容器について、内表面平均表面粗さRaを測定し、内容物滑落性、搬送性を評価した。各層の仕様(接着層を除く)を表1に示し、評価結果を表2に示す。
(実施例6)
最外面層形成用の樹脂として、滑剤A(エルカ酸アミド)を0.5重量%含有するランダムポリプロピレンを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例1と全く同じ層構成の多層容器を作成した。
上記の容器について、内表面平均表面粗さRaを測定し、内容物滑落性、搬送性を評価した。各層の仕様(接着層を除く)を表1に示し、評価結果を表2に示す。
(実施例7)
最外面層及び最内面層として40mm押出機に直鎖低密度ポリエチレンA、滑剤含有層として50mm押出機に滑剤Bを0.03重量%含有する低密度ポリエチレンA、接着層として40mm副押出機Aに無水マレイン酸変性ポリエチレン、滑剤遮断層として40mm副押出機Bにエチレンビニルアルコール共重合体の樹脂ペレットをそれぞれ供給し、温度210℃の多層ダイヘッドより溶融パリソンを押し出し、公知の溶融ブロー成形法によりノズル径φ30mm、内容量500ml、重量19gのマヨネーズ容器形状の4種6層の多層容器を作製した。
この容器胴部の層構成は、以下の通りである。
最外面層(35μm)/滑剤含有層(165μm)/接着層(5μm)/滑剤遮断層(25μm)/接着層(5μm)/最内面層(115μm)
上記の容器について、内表面平均表面粗さRaを測定し、内容物滑落性、搬送性を評価した。各層の仕様(接着層を除く)を表1に示し、評価結果を表2に示す。
(実施例8)
滑剤遮断層と最内面層との間に、接着層を介して、滑剤含有層2及び滑剤遮断層2を形成した以外は、実施例7と同様にして、マヨネーズ容器形状の5種8層の多層容器を作製した。
この容器胴部の層構成は、以下の通りである。
最外面層(35μm)/滑剤含有層(50μm)/接着層(5μm)/滑剤遮断層(20μm)/接着層(5μm)/滑剤含有層2(165μm)/滑剤遮断層2(20μm)/最内面層(50μm)
尚、滑剤含有層2は、最外面層側の滑剤含有層と全く同じ樹脂(滑剤種及び滑剤含有量も同じ)とし、滑剤遮断層2は40mm副押出機Cに環状ポリオレフィン(COC)を用いて形成した。
上記の容器について、内表面平均表面粗さRaを測定し、内容物滑落性、搬送性を評価した。各層の仕様(接着層、滑剤含有層2及び滑剤遮断層2を除く)を表1に示し、評価結果を表2に示す。
(実施例9)
最外面層及び最内面層として直鎖低密度ポリエチレンBを用いたこと以外は、実施例7と同様にして、実施例7と全く同じ層構成の多層容器を作成した。
上記の容器について、内表面平均表面粗さRaを測定し、内容物滑落性、搬送性を評価した。各層の仕様(接着層を除く)を表1に示し、評価結果を表2に示す。
(実施例10)
最外面層及び最内面層として低密度ポリエチレンCを用いたこと以外は、実施例7と同様にして、実施例7と全く同じ層構成の多層容器を作成した。
上記の容器について、内表面平均表面粗さRaを測定し、内容物滑落性、搬送性を評価した。各層の仕様(接着層を除く)を表1に示し、評価結果を表2に示す。
(比較例1)
最内面層として、滑剤B(オレイン酸アミド)を0.03重量%含む直鎖低密度ポリエチレンAを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例1と全く同じ層構成の多層容器を作成した。
上記の容器について、内表面平均表面粗さRaを測定し、内容物滑落性、搬送性を評価した。各層の仕様(接着層を除く)を表1に示し、評価結果を表2に示す。
(比較例2)
最外面層として低密度ポリエチレンB(滑剤なし)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例1と全く同じ層構成の多層容器を作成した。
上記の容器について、内表面平均表面粗さRaを測定し、内容物滑落性、搬送性を評価した。各層の仕様(接着層を除く)を表1に示し、評価結果を表2に示す。
(比較例3)
滑剤遮断層として高密度ポリエチレンを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例1と全く同じ層構成の多層容器を作成した。
上記の容器について、内表面平均表面粗さRaを測定し、内容物滑落性、搬送性を評価した。各層の仕様(接着層を除く)を表1に示し、評価結果を表2に示す。
Figure 0005321122
Figure 0005321122

Claims (7)

  1. 最外面層及び最内面層にポリオレフィン系樹脂層を有しており、最外面層と最内面層との間に中間樹脂層が設けられている油性内容物用多層プラスチック容器において、
    前記最外面層と前記中間層との間に位置し、且つ該最外面層に隣接する層には、滑剤が選択的に配合されており、
    前記最外面層には、前記最外面層に隣接する層からのブリーディングに由来する滑剤が存在しており、
    前記最内面層のポリオレフィン系樹脂層が滑剤フリーの層であり、
    前記中間層が、密度が1.00g/cm以上且つガラス転移点(Tg)が35℃以上の樹脂からなる滑剤遮断層であることを特徴とする油性内容物用多層プラスチック容器。
  2. 前記最外面層及び前記最外面層に隣接する層に存在する滑剤は、前記最外面層に隣接する層を基準として、合計で、0.01〜0.5重量%の量で含されている請求項1に記載の多層プラスチック容器。
  3. 前記最内面層を形成するポリオレフィン系樹脂が、10g/10min以上のMFR(190℃)及び/又は0.91g/cm以下の密度を有している請求項1または2に記載の多層プラスチック容器。
  4. 前記最内面層を形成するポリオレフィン系樹脂が、密度が0.91g/cm以下の直鎖低密度ポリエチレンである請求項3に記載の多層プラスチック容器。
  5. 前記滑剤が不飽和脂肪族アミドである請求項に記載の多層プラスチック容器。
  6. 前記最外面層を形成するポリオレフィン系樹脂が、10g/10min以上のMFR(190℃)及び/又は0.91g/cm以下の密度を有している請求項1又は5に記載の多層プラスチック容器。
  7. 前記最内面層の平均表面粗さRa(JIS B 0106−1994)が0.3μm以下である請求項1乃至の何れかに記載の多層プラスチック容器。
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