JP7339543B2 - プラスチック容器 - Google Patents

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本発明は、プラスチック容器に関する。
特許文献1には、増粘剤を含んだカロリーオフマヨネーズ等の油性物質の収容に際して、滑落性が良好な油性内容物用プラスチック容器が開示されている。
特開2016-190654号公報
特許文献1では、ポリオレフィンにシリコーンを添加した樹脂組成物を用いて、容器の最内層を形成することによって、上記油性物質の滑落性を向上させている。
しかし、特許文献1の実施例1のプラスチック容器を常温下で長期保存したところ、内容物の滑落性が著しく低下される現象が発生することが分かった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、長期保存後においても内容物の滑落性に優れたプラスチック容器を提供するものである。
本発明によれば、内容物を収容するプラスチック容器であって、前記容器の内面側から順に、最内層と、中間層と、最外層を備え、前記最内層及び前記最外層は、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物で構成され、前記中間層は、熱可塑性樹脂と、脂肪酸アミドと、移行抑制剤を含む樹脂組成物で構成され、前記移行抑制剤は、前記脂肪酸アミドが前記最内層に移行することを抑制する、プラスチック容器が提供される。
特許文献1の実施例1のプラスチック容器の滑落性が長期保存後に低下する原因について調査したところ、最内層に隣接して配置されたリプロ層には、最外層に含まれていた脂肪酸アミド系脂肪酸アミドが含まれており、長期保存時にリプロ層に含まれる脂肪酸アミドが最内層の表面にブリードアウトし、脂肪酸アミドが油性物質の滑落を阻害することが原因であることが分かった。
そして、この知見に基づき、最内層と最外層の間に位置する層に脂肪酸アミドが含まれる場合に、脂肪酸アミドが最内層に移行することを抑制する移行抑制剤を同層に含有させることによって、脂肪酸アミドが最内層に移行することを抑制し、その結果、脂肪酸アミドが内容物の滑落を阻害することが抑制されることを見出し、本発明の完成に到った。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記記載のプラスチック容器であって、前記移行抑制剤は、前記中間層の前記熱可塑性樹脂と相溶しない物質で構成される、プラスチック容器である。
好ましくは、前記記載のプラスチック容器であって、前記移行抑制剤は、シリコーンを含む、プラスチック容器である。
好ましくは、前記記載のプラスチック容器であって、前記中間層は、前記最内層に隣接した位置に配置される、プラスチック容器である。
好ましくは、前記記載のプラスチック容器であって、前記最内層を構成する樹脂組成物は、前記脂肪酸アミド以外の添加剤を含む、プラスチック容器である。
好ましくは、前記記載のプラスチック容器であって、前記添加剤は、多価アルコール脂肪酸エステルである、プラスチック容器である。
好ましくは、前記記載のプラスチック容器であって、前記最外層を構成する樹脂組成物は、脂肪酸アミドを含み、前記中間層は、リプロ材料を含む樹脂組成物で構成されたリプロ層である、プラスチック容器である。
プラスチック容器1とキャップ13を示す正面図である。 プラスチック容器1の層構成図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
1.プラスチック容器の構成
図1は、本発明の一実施形態のプラスチック容器1の概略図を示す。図1に示すように、容器1は、内容物を収容する容器である。内容物は、特に限定されないが、カロリーオフマヨネーズなどのように増粘剤を含む物質(好ましくは油性物質)である場合に、滑落性が長期保存後に低下しやすいので、このような物質が内容物である場合に、本発明を適用することの技術的意義が特に大きい。
容器1は、ねじ山11が形成された注出口12から、胴部14等を絞って内容物を外に出すものであり、通常、注出口12はキャップ13が装着されて封止されている。容器1は、ブロー成形によって形成されたブロー成形体である。ブロー成形の詳細は後述する。
容器1は、多層構成を有する。図2は、容器1の層構成の一例であり、容器1の内面側から順に、最内層2と、中間層3と、接着樹脂層4と、バリア層5と、接着樹脂層6と、最外層7を備える。容器1の層構成は、これらの層のうちの少なくとも1つを省いたものであってもよく、さらに別の層を備えるものであってもよい。
各層の厚さの比率は、例えば、以下の通りである。
最内層2:10~30%
中間層3:30~60%
接着樹脂層4:0.3~5%
バリア層5:3~8%
接着樹脂層6:0.3~5%
最外層7:20~40%
以下、各層について説明する。
(最内層2)
最内層2は、内容物と接する層であり、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物で構成される。熱可塑性樹脂は、ポリオレフィンであることが好ましい。ポリオレフィンとしては、ポリエチレンやポリプロピレンを使用することが好ましく、ポリエチレンを使用することが特に好ましい。そして、ポリエチレンやポリプロピレンを樹脂成分中の主成分とすることが好ましく、ポリエチレンを樹脂成分中の主成分として使用することが特に好ましい。ポリエチレンとしては、透明性やスクイズ性(絞り性)等を考慮し、低密度ポリエチレン(LDPE)や直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)を使用することが好ましい。
最内層2を構成する樹脂組成物は、脂肪酸アミドを実質的に含まないことが好ましい。脂肪酸アミドが親油性基を有している化合物であり、マヨネーズのような油性内容物に対する親和性が高いため、脂肪酸アミドによって却って油性内容物に対する滑落性が低下するということを招いてしまう場合があるため好ましくない。なお、「実質的に含まない」とは、意図的にこれらが添加されていないことを意味し、必ずしも全く含まないことを意味するものではなく、侵害回避のため添加されることも含め、ごく微量含むことが許される。具体的な含有量は、最内層2全体に対して0.1質量%未満であることが好ましく、0.01質量%未満であることがさらに好ましく、全く含まないことが特に好ましい。
最内層2を構成する樹脂組成物は、脂肪酸アミド以外の添加剤を含んでもよい。添加剤の添加によって内容物の滑落性向上等の効果が期待できる。
添加剤としては、多価アルコール脂肪酸エステルが好ましい。多価アルコール脂肪酸エステルを含有することが好ましい。多価アルコール脂肪酸エステルとしては、水酸基が少なくとも3つ以上あって、フルエステル化していない多価アルコール脂肪酸エステルが好ましい。また、容器からのブリードアウト性の観点から、10価未満の多価アルコール脂肪酸エステルであることが好ましい。上記条件を満たす多価アルコール脂肪酸エステルは、ブリードアウト性が良好であると共に、内容物、特に、増粘多糖類等の増粘剤を添加して粘性を持たせた内容物に対する滑落性が良好であり、内容物の排出性能を良好に維持することができる。これは、エステル基と水酸基とが共に存在している方が、増粘剤を添加した内容物に対して良好な滑り性を得ることができるためである。このような多価アルコール脂肪酸エステルとして、エステル化率10~40%のジグリセリン脂肪酸エステルがブリードアウト性、増粘剤を有する内容物に対する滑り性の観点から特に好ましい。
また、飽和脂肪酸としては、ステアリン酸、ラウリン酸などが挙げられる。また、不飽和脂肪酸としては、オレイン酸などが挙げられる。
多価アルコール脂肪酸エステルの含有量は、0.05~5重量%、特に、0.1~1重量%の範囲が好適である。即ち、この範囲よりも少量の場合は、最内層2の表面にブリードアウトする量が少なくなるため、良好な滑り性が付与されず、従って、容器の搬送性も低下してしまう。また、上記範囲よりも多量に配合した場合には、ブリードアウト量が多すぎ、容器成形時にラインを汚したり、内容物の味などに影響を与えてしまったりすることになる。
(最外層7)
最外層7は、容器の最も外側に配置される層であり、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物で構成される。好ましい熱可塑性樹脂は、最内層2と同様であり、最内層2と最外層7を構成する熱可塑性樹脂が同一であることが好ましい。
最外層7を構成する樹脂組成物は、脂肪酸アミドを含むことが好ましい。脂肪酸アミドの添加により、容器1の成形から、内容物の充填、移送、包装の各工程において、様々な環境温度に応じた滑り性を発揮できるようになり、各工程において容器1表面の滑り不良等による問題をなくすことができる。最外層7には、例えば、主としてステンレス等の金属材料で構成されている食品充填ライン等での滑り性を付与するために、脂肪酸アミドを熱可塑性樹脂中に添加、混合して練りこんだ樹脂組成物を使用することが好ましい。
脂肪酸アミドとしては、飽和脂肪酸アミドや不飽和脂肪酸アミドを使用することができる。飽和脂肪酸アミドとしては、ブチルアミド、ヘキシルアミド、デシルアミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド等が挙げられる。また、これらの飽和脂肪酸アミドの中では、ステアリン酸アミドを使用することが好ましい。これらの飽和脂肪酸アミドは、その1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
不飽和脂肪酸アミドとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、クロトンアミド、イソクロトンアミド、ウンデシレン酸アミド、セトレイン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、オレイルパルミトアミド、ステアリルエルカミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド、アラキドン酸アミド等が挙げられる。この中で、炭素数が14~24の範囲にあるもの、例えばセトレイン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド、アラキドン酸アミド等を使用することが好ましく、中でもオレイン酸アミドを使用することが特に好ましい。これらの不飽和脂肪酸アミドは、その1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
最外層7における脂肪酸アミドの含有量は、最外層7を構成する樹脂組成物全体に対して0.01~10質量%とすることが好ましい。脂肪酸アミドの添加量をかかる範囲とすることにより、良好な滑り性を発揮することができる。脂肪酸アミドは、最外層7を構成する樹脂組成物全体に対して0.1~5質量%とすることが特に好ましい。
(中間層3)
中間層3は、最内層2と最外層7の間に配置される。中間層3は、熱可塑性樹脂と、脂肪酸アミドと、移行抑制剤を含む樹脂組成物で構成される。
中間層3は、容器1の成形時に発生するスクラップを再生して得られるリプロ材料を含む樹脂組成物で構成されることが好ましい。前記スクラップには、容器1の全層が含まれているので、リプロ材料は、容器1の全層のそれぞれを構成する樹脂組成物を混合したものとなる。最外層7が脂肪酸アミドを含む場合、リプロ材料には必然的に脂肪酸アミドが含まれ、この材料を含む樹脂組成物で構成された中間層3にも必然的に脂肪酸アミドが含まれる。
中間層3を構成する樹脂組成物は、リプロ材料とバージンの熱可塑性樹脂の混合物であることが好ましい。この場合、成形性を維持しつつ、資源の再利用化を図るという観点から、リプロの量は、バージンの熱可塑性樹脂(例えば、最内層2の熱可塑性樹脂)100重量部当り10~60重量部程度にすることが好ましい。なお、中間層3を構成する樹脂組成物は、リプロ材料を含まなくてもよい。この場合、熱可塑性樹脂と、脂肪酸アミドと、移行抑制剤を混合して樹脂組成物が構成される。
バージンの熱可塑性樹脂としては、バイオポリエチレンが挙げられる。バイオポリエチレンの密度は、最外層7のポリエチレンの密度よりも高いことが好ましく、最内層2のポリエチレンの密度よりも高いことがさらに好ましい。密度が高い方が、ブリードアウトが抑制されるため、脂肪酸アミドが最内層2へ移行することを遅らせることができる。
中間層3に脂肪酸アミドが含まれていると、長期保存中に脂肪酸アミドが最内層2に移行し、その表面からブリードアウトすることによって、内容物の滑落性を低下させる場合がある。そこで、本実施形態では、中間層3に移行抑制剤を含有させることによって、脂肪酸アミドの最内層2への移行を抑制し、滑落性の低下を抑制している。
移行抑制剤は、脂肪酸アミドが最内層2に移行することを抑制する機能を有する物質である。移行抑制剤は、好ましくは迷路効果によって上記移行を抑制するものである。迷路効果とは、移行抑制剤によって中間層3内に迷路のような構造が形成され、この構造内に脂肪酸アミドが入り込むことによって、脂肪酸アミドの移行が抑制されるという効果を意味する。
移行抑制剤は、中間層3の熱可塑性樹脂と相溶しない物質で構成されることが好ましい。この場合に、迷路効果が発揮されやすいからである。
移行抑制剤としては、シリコーンのような高分子や、繊維状又は粒子状のフィラーが好ましい。何れの場合にも迷路効果による移行抑制効果が発揮可能であるからである。
フィラーとしては、無機粒子や無機繊維が挙げられる。無機粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。無機繊維としては、炭素繊維やガラス繊維が挙げられる。
シリコーンとしては、例えば、オルガノポリシロキサンが挙げられ、分子構造は直鎖状(線状)または一部分岐状のものを使用することができ、オルガノポリシロキサンの中でも、ジオルガノポリシロキサンを使用することが好ましい。
シリコーンの重量平均分子量(M)は、100万(1000000)以上であることが好ましい。シリコーンの重量平均分子量が100万以上である場合には、迷路効果が顕著に発揮されやすいからである。シリコーンの重量平均分子量は、100万(1000000)~1000万(10000000)とすることが特に好ましい。なお、重量平均分子量の測定は、例えば、ゲルろ過クロマトグラフィー等の従来公知の方法で行うことができる。
また、シリコーンの粘度は、600万(6000000)cS以上であることが好ましく、600万(6000000)~1000万(10000000)cSであることが特に好ましい。
シリコーンの含有量は、中間層3を構成する樹脂組成物全体に対して0.001~15.0質量%とすることが好ましい。滑剤の添加量をかかる範囲とすることにより、滑落性が良好に発揮される。滑剤は、層2全体に対して0.05~6.0質量%とすることがさらに好ましく、0.1~6.0質量%とすることがより好ましく、0.2~5.0質量%であることが特に好ましい。なお、シリコーンはポリエチレン、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィンやこれ以外の樹脂からなるベース樹脂と混合されたマスターバッチ(MB)として使用される場合もありその場合、マスターバッチとシリコーンの配合比(通常、マスターバッチ全体に対してシリコーンは10~70質量%)に応じてシリコーンの含有量を前記した範囲に調整するようにすればいい(目安としては、マスターバッチを層3を構成する樹脂組成物全体に対して0.01~20質量%添加することが好ましく、0.5~8.0質量%添加することが特に好ましいが、特にこの範囲に制限されない。)。
中間層3に含まれる移行抑制剤は、リプロ材料由来のものであってもよく、別途添加したものであってもよい。
中間層3中の脂肪酸アミドの含有量は、中間層3を構成する樹脂組成物全体に対して0.001~10質量%であることが好ましい。この含有量は、具体的には例えば、0.001、0.01、0.02、0.05、0.1、0.2、0.5、1、2、5、10質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。この場合に、移行抑制剤の添加によって移行を抑制することの技術的意義が顕著である。
中間層3は、最内層2に隣接した位置に配置されることが好ましい。このような配置では、中間層3中の脂肪酸アミドが最内層2に移行しやすいので、移行抑制剤の添加によって移行を抑制することの技術的意義が顕著である。
(バリア層5)
バリア層5は、ガスバリア性が高い樹脂で構成される。このような樹脂としては、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH:エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物等を指す。)や芳香族ポリアミド等が挙げられる。バリア層5を設けることによって、酸素透過による内容物の酸化劣化を有効に抑制することができる。
バリア層5は、中間層3と最外層7の間に配置されることが好ましい。この場合、最外層7から中間層3への脂肪酸アミドの移行を抑制できる。また、バリア層5を中間層3よりも最外層7に近い位置に配置することによって、内容物の水分によってバリア層5の相対湿度が高まることが抑制される。EVOHは相対湿度が高くなると酸素透過速度が大きくなるので、バリア層5を中間層3よりも最外層7に近い位置に配置することによって、酸素透過速度の増大を抑制することができる。
(接着樹脂層4,6)
接着樹脂層4,6は、接着性樹脂で構成される。接着性樹脂としては、酸変性ポリオレフィン樹脂(例:無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン)等が挙げられる。接着樹脂層4,6を設けることによってバリア層5と、最外層7又は中間層3との接着性が向上する。接着樹脂層4,6を設ける代わりに、バリア層5に接着性樹脂を配合してもよい。
2.プラスチック容器の製造方法
容器1は、パリソンのブロー成形によって形成することができる。ブロー成形は、ダイレクトブロー成形であってもよく、インジェクションブロー成形であってもよい。ダイレクトブロー成形では、押出機から押し出された溶融状態の筒状パリソンを一対の分割金型で挟んでパリソン内部にエアーを吹き込むことによって容器1を製造する。インジェクションブロー成形では、プリフォームと呼ばれる試験管状の有底パリソンを射出成形によって形成し、このパリソンを用いてブロー成形を行う。
何れのブロー成形においても、パリソンの層構成は、容器1の層構成と同様である。多層のパリソンは、共押出成形や多層射出成形等によって形成可能である。
ダイレクトブロー成形で容器1を形成する場合、筒状パリソンのうち、一対の分割金型によって形成されるキャビティ内の部位が容器1となり、容器1以外の部位がスクラップとなる。このスクラップには、容器1を構成する全ての層の構成材料が含まれている。このスクラップに対して粉砕等の再生処理を施すことによってリプロ材料が得られる。
1.容器1の製造
図1に示す形状と図2及び表1に示す層構成を有する容器1を製造した。容器1は、構成する樹脂ないし樹脂組成物を共押出成形により多層ダイヘッドから筒状パリソンを押出し、公知のダイレクトブロー成形を行うことによって製造した。表1中のシリコーンMB及び添加剤MBの数値は、各層を構成する樹脂組成物全体に対する質量%を意味する。容器1の厚さ(胴部の厚さ)は、全体を200μmとし、最外層7/接着樹脂層6/バリア層5/接着樹脂層4/中間層3/最内層2の層の厚さ比は、順に、30/1.5/3.0/1.5/54/10とした。
表1中の組成の詳細は、以下の通りである。
オレイン酸アミド含有LDPE:LDPE基材中にオレイン酸アミドを0.1質量%含有。
シリコーンMB:シリコーンマスターバッチ、LDPE基材中にシリコーンを50質量%含有。シリコーンは、重量平均分子量が100万(1000000)以上であり、粘度が600万(6000000)cS以上である。
添加剤MB:LDPEとジグリセリンラウリン酸エステルを質量比90:10で混合して得られたマスターバッチ。
2.滑落性評価
得られた容器を50℃の恒温槽で3週間静置させた後、滑落性を下記の基準で評価した。結果を容器の層構成とあわせて表1に示す。
容器(容量:500g)に油性内容物としてカロリーオフマヨネーズを100g入れて、1回倒置して内容物(マヨネーズ)のほとんどを天面側(キャップがある側)に移動させた。移動させた後、倒置から正置させた状態に戻して、冷蔵庫に入れて12時間保存した。12時間後、質量比として90%以上(90g以上)が容器の底から5分の1の位置までに存在する場合を「○」、70%以上90%未満(70g以上90g未満)が存在する場合を「△」、70%未満(70g未満)を「×」とした。
表1に示すように、中間層3に脂肪酸アミドが含まれていない参考例1では、滑落性が優れていた。一方、中間層3に脂肪酸アミドが含まれており、且つ移行抑制剤が含まれていない比較例1~3では、何れも滑落性が良好でなかった。一方、中間層3に移行抑制剤であるシリコーンが含まれている実施例1では、中間層3に脂肪酸アミドが含まれているにも関わらず、滑落性が良好であった。
1 :プラスチック容器
2 :最内層
3 :中間層
4 :接着樹脂層
5 :バリア層
6 :接着樹脂層
7 :最外層
11 :ねじ山
12 :注出口
13 :キャップ
14 :胴部

Claims (7)

  1. 内容物を収容するプラスチック容器であって、
    前記容器の内面側から順に、最内層と、中間層と、最外層を備え、
    前記最内層及び前記最外層は、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物で構成され、
    前記中間層は、熱可塑性樹脂と、脂肪酸アミドと、移行抑制剤を含む樹脂組成物で構成され、
    前記移行抑制剤は、前記脂肪酸アミドが前記最内層に移行することを抑制する、プラスチック容器。
  2. 請求項1に記載のプラスチック容器であって、
    前記移行抑制剤は、前記中間層の前記熱可塑性樹脂と相溶しない物質で構成される、プラスチック容器。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のプラスチック容器であって、
    前記移行抑制剤は、シリコーンを含む、プラスチック容器。
  4. 請求項1~請求項3の何れか1つに記載のプラスチック容器であって、
    前記中間層は、前記最内層に隣接した位置に配置される、プラスチック容器。
  5. 請求項1~請求項4の何れか1つに記載のプラスチック容器であって、
    前記最内層を構成する樹脂組成物は、前記脂肪酸アミド以外の添加剤を含む、プラスチック容器。
  6. 請求項5に記載のプラスチック容器であって、
    前記添加剤は、多価アルコール脂肪酸エステルである、プラスチック容器。
  7. 請求項1~請求項6の何れか1つに記載のプラスチック容器であって、
    前記最外層を構成する樹脂組成物は、脂肪酸アミドを含み、
    前記中間層は、リプロ材料を含む樹脂組成物で構成されたリプロ層である、プラスチック容器。
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