JP2001287277A - 積層体の製造方法 - Google Patents

積層体の製造方法

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JP2001287277A
JP2001287277A JP2001047648A JP2001047648A JP2001287277A JP 2001287277 A JP2001287277 A JP 2001287277A JP 2001047648 A JP2001047648 A JP 2001047648A JP 2001047648 A JP2001047648 A JP 2001047648A JP 2001287277 A JP2001287277 A JP 2001287277A
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JP2001047648A
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English (en)
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Kenji Nimiya
賢二 仁宮
Tomoyuki Yamamoto
友之 山本
Motohiro Enokida
元博 榎田
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Futamura Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Futamura Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリア性、防湿性、保香性等に優れ、か
つ包装袋としたときにシール性に優れ、外観性にも優れ
た包装袋を得ることができる積層体及びその製造方法を
提供すること。 【解決手段】 ポリプロピレン(PP)層/接着性樹脂
層/エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVO
H)層/接着性樹脂層/ヒートシール層の層構成を有す
る積層体を製造するにあたり、ポリプロピレン(PP)
及び接着性樹脂を共押出して、ポリプロピレン(PP)
/接着性樹脂の層構成を有する多層シートを得た後、該
多層シートを少なくとも押出し方向(MD方向)に延伸
して、次いで該接着性樹脂の表面にエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物(EVOH)及び接着性樹脂を順次
共押出した後に幅方向(TD方向)に延伸して、更に該
接着性樹脂層の表面にヒートシール層を積層してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記する)を
中間層に用いた積層体及びその製造方法に関し、更に詳
しくは、ガスバリア性、防湿性、保香性等に優れ、かつ
シール性や外観性にも優れた包装袋を得ることができ
る、製袋適性に優れた積層体及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、EVOHはその透明性、ガスバ
リア性、保香性、耐溶剤性、耐油性などに優れており、
かかる特性を生かして、食品包装材料、医薬品包装材
料、工業薬品包装材料、農薬包装材料等の各種包装材料
に用いられており、従来の塩化ビニリデンコーティング
フィルムの代替フィルムとしても期待されている。
【0003】すなわち、ポリプロピレン等のポリオレフ
ィンフィルムの表面にEVOH層が接着剤層を介して積
層された積層体であって、通常は積層体の機械的強度等
の向上を目的として延伸処理が施された積層体となって
いる。
【0004】しかしながら、かかる積層体を各種包装用
フィルムとして用いる場合には、該積層体が各構成樹脂
の残存応力差と緩和収縮差が原因で、熱や湿気等の影響
により、カールしたり、ねじれたりしてしまい、これを
包装袋としたときにそのシール部に変形や異常が発生し
てしまい、包装袋の外観や性能に支障をきたしてしまう
ことがある。
【0005】かかる対策として、特開昭58−3342
7号公報には、ポリオレフィン樹脂層と吸湿性樹脂層
(EVOH等)の積層フィルムの該吸湿性樹脂層に0.
5重量%以上の水分を吸収させることが記載されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、バリア層であるEVOH層に水を吸収させて
いるため、折角のEVOH層のバリア性能が低下する結
果となり、EVOH層のバリア性能を十分に生かすこと
が困難であると同時に、水分吸収工程が加わることによ
り積層フィルムの生産性が低下してしまうという問題点
がある。
【0007】そこで、ガスバリア性、防湿性、保香性等
に優れ、更にはシール性や外観性に優れた包装袋を得る
ことができる、製袋適性にも優れた積層体が望まれると
ころである。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、か
かる現況に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、ポリプロピレ
ン(PP)層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂
層/ヒートシール層の層構成を有する積層体を製造する
にあたり、ポリプロピレン(PP)及び接着性樹脂を共
押出して、ポリプロピレン(PP)層/接着性樹脂層の
層構成を有する多層シートを得た後、該多層シートを少
なくとも押出し方向(MD方向)に延伸して、次いで該
接着性樹脂層の表面にEVOH及び接着性樹脂を積層し
た後に幅方向(TD方向)に延伸して、更に該接着性樹
脂層の表面にヒートシール層を積層することにより製造
された積層体が、上記の目的を達成でき、更には該EV
OH層の偏光赤外二色法によるC−O基の配向係数が−
0.4〜−0.01であるとき、本発明の作用効果を顕
著に得ることができることを見いだして本発明を完成す
るに至った。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に述べる。
【0010】本発明に用いられるポリプロピレン(P
P)としては特に限定されず、ホモポリプロピレン、エ
チレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロ
ピレンランダム共重合体、これらのブレンド物、更にこ
れらのPPに高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、
高重合度高密度ポリエチレン、高重合度低密度ポリエチ
レン、不飽和カルボン酸変性ポリエチレン、不飽和カル
ボン酸変性ポリプロピレン等を50%以下の割合でブレ
ンドしたもの等を用いることができ、好適には、メルト
インデックス(MI)(230℃、荷重2160g)
が、0.5〜20g/10分(更には1〜15g/10
分、特には2〜7g/10分)のPPが用いられ、該メ
ルトインデックスが該範囲よりも小さい場合には、押出
し負荷が大きくなりすぎ、また該範囲よりも大きい場合
には、PPフィルムの寸法安定性や機械的強度が低下し
て好ましくない。
【0011】また、本発明に用いられるPPには、必要
に応じて、帯電防止剤、防曇剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、可塑剤、滑剤、核剤、分散剤、着色剤、抗菌剤、
無機充填剤等の添加剤を添加することができる。
【0012】本発明に用いられるEVOHとしては、特
に限定されないが、エチレン含有量が20〜70モル%
(更には25〜60モル%)、ケン化度が80モル%以
上(更には90モル%以上)のものが用いられ、該エチ
レン含有量が20モル%未満では高湿時のガスバリア
性、溶融成形性が低下し、逆に70モル%を越えると充
分なガスバリア性が得られず、更にケン化度が80モル
%未満ではガスバリア性、熱安定性、耐湿性等が低下し
て好ましくない。
【0013】また、該EVOHのメルトインデックス
(MI)(210℃、荷重2160g)は、1〜50g
/10分(更には2〜30g/10分)が好ましく、該
メルトインデックスが該範囲よりも小さい場合には、成
形時に押出機内が高トルク状態となって押出加工が不安
定となり、また該範囲よりも大きい場合には、成形物の
機械強度が不足して好ましくない。
【0014】該EVOHは、エチレン−酢酸ビニル共重
合体のケン化によって得られ、該エチレン−酢酸ビニル
共重合体は、公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、
懸濁重合、エマルジョン重合などにより製造され、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体のケン化も公知の方法で行い
得る。
【0015】また、本発明では、本発明の効果を阻害し
ない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重
合していてもよく、かかる単量体としては、プロピレ
ン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、
(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸
類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまたは
ジアルキルエステル類、アクリルアミド、炭素数1〜1
8のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルア
クリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸
あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミ
ンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルア
ミド類、メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アル
キルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルア
ミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるい
はその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあ
るいはその酸塩あるいはその4級塩等のメタクリルアミ
ド類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミ
ド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、
アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビ
ニル類、炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒ
ドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキル
ビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化
ビニル等のハロゲン化ビニル類、トリメトキシビニルシ
ラン等のビニルシラン類、酢酸アリル、塩化アリル、ア
リルアルコール、ジメチルアリルアルコール、トリメチ
ル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−
アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸等が挙げられる。又、本発明の趣旨を
損なわない範囲で、ウレタン化、アセタール化、シアノ
エチル化などの後変性がされても差し支えない。
【0016】更に本発明においては、EVOHとして、
2種類以上の混合物を用いることも、安定した延伸が可
能となり、得られる成形物の膜厚が均一になる点で好ま
しく、かかる場合は、混合されるEVOHのエチレン含
有量及び/又はケン化度を変えることが好ましく、この
時のエチレン含有量の差は4モル%以上(更には6〜2
0モル%、特に6〜15モル%)とすることが好まし
く、かかる差が4モル%未満では、延伸性の改善効果が
小さくなって好ましくない。混合されるEVOHが3種
類以上の場合は、その中でエチレン含有量が最小のもの
と最大のものとの差が上記の条件を満足すればよい。ま
た、ケン化度も同様にその差を1モル%以上(更には
1.5〜10モル%、特に2〜5モル%)とすることが
好ましく、かかる差が1モル%未満では、同様に延伸性
の改善効果が小さくなって好ましくない。混合されるE
VOHが3種類以上の場合は、上記と同様にその中でケ
ン化度が最小のものと最大のものとの差が上記の条件を
満足すればよい。
【0017】また、本発明においては、上記の如きEV
OHやEVOH組成物に本発明の目的を阻害しない範囲
において、飽和脂肪族アミド(例えばステアリン酸アミ
ド等)、不飽和脂肪酸アミド(例えばオレイン酸アミド
等)、ビス脂肪酸アミド(例えばエチレンビスステアリ
ン酸アミド等)、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸カ
ルシウム、ステアリン酸マグネシウム等)、低分子量ポ
リオレフィン(例えば分子量500〜10,000程度の
低分子量ポリエチレン、又は低分子量ポリプロピレン
等)などの滑剤、無機酸(例えばホウ酸、リン酸等)、
有機酸(例えば酢酸、ステアリン酸等)、無機塩(例え
ばリン酸カルシウム、ハイドロタルサイト等)、有機塩
(例えば酢酸ナトリウム、酢酸マグネシウム等)、可塑
剤(例えばエチレングリコール、グリセリン、ヘキサン
ジオール等の脂肪族多価アルコールなど)、酸素吸収剤
(例えば還元鉄粉類、アスコルビン酸等)、熱安定剤、
光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防
止剤、界面活性剤、抗菌剤、消臭剤(例えば活性炭
等)、アンチブロッキング剤(例えばタルク微粒子
等)、スリップ剤(例えば無定形シリカ等)、充填材
(例えば無機フィラー等)、他樹脂(例えばポリオレフ
ィン、ポリアミド等)などを配合しても良い。
【0018】本発明に用いられる接着性樹脂としては特
に限定されないが、不飽和カルボン酸又はその誘導体で
変性されたポリオレフィン系樹脂が好適に用いられ、か
かる不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリ
ル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン
酸、シトラコン酸等が挙げられ、これらのエステルや無
水物も用いることができ、更に該誘導体としては、アク
リル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリ
ル酸ブチル、酢酸ビニル、グリシジルアクリレート、グ
リシジルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリル
アミド、アクリル酸ナトリウム、等を挙げることがで
き、また、該ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブテン、およびこれらの共
重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ア
クリル酸エステル共重合体等を挙げることができる。こ
のときの、ポリオレフィン系樹脂に含有される不飽和カ
ルボン酸又はその誘導体の量は、0.001〜3重量%
が好ましく、更に好ましくは0.01〜1重量%、特に
好ましくは0.03〜0.5重量%である。該変性物中
の変性量が少ないと、層間接着性の向上効果に乏しく、
逆に多いと架橋反応を起こし、成形性が悪くなることが
あり好ましくない。また、これらの接着性樹脂にはポリ
イソブチレン、エチレン−プロピレンゴム等のゴム・エ
ラストマー成分や、接着性樹脂の母体のポリオレフィン
系樹脂と異なるポリオレフィン系樹脂をブレンドするこ
とにより、接着性が向上することがあり有用である。
【0019】本発明の製造方法においては、先ずPP層
/接着性樹脂層の層構成を有する多層シートを得る必要
があるが、かかる多層シートを得るには、PP及び接着
性樹脂を共押出すればよく、かかる共押出にあたって
は、公知の方法や装置を採用することができる。この時
の溶融温度としては、PPの場合は150〜300℃
(更には180〜280℃)から選択することができ、
接着性樹脂の場合は150〜300℃(更には180〜
280℃)から選択すればよい。
【0020】次に、上記で得られた多層シートを少なく
とも押出し方向(MD方向)に延伸するのであるが、か
かる延伸に当たっては、特に限定されず、公知の方法や
装置を採用することができ、ロール延伸法、テンター延
伸法、チューブラー延伸法等のうち延伸倍率の高いもの
も採用できる。
【0021】上記の多層シートを押出し方向(MD方
向)に延伸する時の延伸倍率は、2〜10倍(更には3
〜7倍)が好ましく、2倍未満では、延伸による機械的
強度や防湿性の向上の効果が不十分となり、逆に10倍
を越えると、得られる延伸多層シートの耐引裂性が低下
したり、続いて幅方向(TD方向)に延伸する場合には
その延伸が不安定となって好ましくない。次いで、得ら
れた多層シートの接着性樹脂層の表面にEVOH及び接
着性樹脂を積層するのであるが、この場合も、上記の多
層シート作製時と同様にEVOH及び接着性樹脂を押出
しラミネートしたり、EVOH/接着性樹脂の共押出シ
ートをドライラミネートしたりすればよく、EVOHの
溶融温度としては、170〜300℃(更には200〜
280℃)から選択することができる。
【0022】なお、上記の多層シートには、EVOH及
び接着性樹脂が積層される前に、必要に応じて、コロナ
放電処理、クロム酸処理、火炎処理、オゾン処理、サン
ドブラスト処理、アンカーコート処理、真空蒸着処理等
の表面処理を行っても良い。EVOH及び接着性樹脂を
ラミネートした後に、得られたPP層/接着性樹脂層/
EVOH層/接着性樹脂層の多層シートを幅方向(TD
方向)に延伸するのであるが、このときの延伸倍率は、
2〜20倍(更には4〜15倍)が好ましく、2倍未満
では、延伸による機械的強度やガスバリア性、防湿性の
向上の効果が不十分となり、逆に20倍を越えると、得
られる延伸多層シートの局部的偏肉や破断が生じて好ま
しくない。
【0023】上記のいずれの延伸においても、延伸温度
は60〜170℃、好ましくは80〜160℃程度の範
囲から選ばれる。延伸が終了した後、次いで熱固定を行
うことも好ましい。熱固定は周知の手段で実施可能であ
り、上記の延伸多層シートを緊張状態を保ちながら80
〜170℃、好ましくは100〜160℃で2〜600
秒間程度熱処理を行う。
【0024】また、かかる延伸多層シートは、必要に応
じて、コロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、オゾ
ン処理、サンドブラスト処理、アンカーコート処理、真
空蒸着処理等の表面処理を行っても良い。
【0025】かかる延伸多層シートの全体の厚みは10
〜60μm(更には15〜40μm)で、各層の厚み
は、PP層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層
=8μm以上(更には10〜50μm)/0.2〜5μ
m(更には0.3〜2μm)/1〜20μm(更には1
〜10μm)/0.2〜5μm(更には0.3〜2μ
m)の範囲から選択すればよい。
【0026】全体の厚みが10μm未満では該シートの
腰がなくなり取り扱いに支障をきたすことがあり、60
μmを越えると該シートの柔軟性が不足気味となる。P
P層の厚みが8μm未満では防湿性が不足する傾向にあ
る。接着性樹脂層の厚みが0.2μm未満ではEVOH
層との層間接着性に劣り、5μmを越えると該シートの
透明性が低下することがある。EVOH層の厚みが1μ
m未満ではガスバリア性が不足し、20μmを越えると
該シートの耐屈曲性が悪化する傾向にある。
【0027】かくして、PP層/接着性樹脂層/EVO
H層/接着性樹脂層からなる延伸多層シートが得られる
のであるが、本発明では、かかる延伸多層シートの該接
着性樹脂表面にヒートシール層を積層したことも特徴と
するもので、かかる積層について説明する。
【0028】ヒートシール層に使用される樹脂として
は、ヒートシールが可能であれば特に制限されないが、
エチレン系重合体、プロピレン系重合体、ブテン系重合
体、あるいはこれらの共重合体、エチレンを主成分とし
て炭素数3〜10のα−オレフィン類、炭素数4〜15
のジエン類、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタク
リル酸エステル等の内から選ばれた1種または2種以上
のコモノマーとの共重合体等のオレフィン系重合体や、
ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル等が
挙げられる。この中で好適には、無延伸ポリプロピレン
系樹脂(CPP)層、エチレン−ブテン−ポリプロピレ
ン共重合体系樹脂層又は直鎖状低密度ポリエチレン系樹
脂(LLDPE)層が用いられ、更にはメタロセン触媒
中で重合されたLLDPEも好適に用いられる。また、
ヒートシール層の厚みは特に限定されないが、積層体お
よび包装袋の変形を防止するためには5μm以上(更に
は10〜80μm)が好ましい。
【0029】更にヒートシール層に使用される樹脂の融
点は150℃以下(更には70〜150℃)が好まし
い。融点が150℃を越えると、基材のPPとの融点差
が小さくなるため、ヒートシール時に基材のPPが収縮
しやすくなり、包装袋としたときの外観が悪化すること
がある。
【0030】積層に当たっては、公知の方法を採用する
ことができ、例えばドライラミネート法、ポリサンドラ
ミネート法、押出ラミネート法等の方法を挙げることが
できるが、得られる積層体の臭気と寸法変化が少ない点
で、ドライラミネート法が好ましく、有機チタン化合
物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化合物、ポ
リウレタン化合物等の公知の接着剤を用いることができ
る。
【0031】また、接着性樹脂層とヒートシール層の間
に印刷層を設けることも好ましい。印刷面は接着性樹脂
層側、ヒートシール層側どちらでも可能であり、印刷に
ついてはグラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷
等公知の印刷方法と装置、インキを用いることが可能で
ある。
【0032】かくして、目的とする積層体が得られるの
であるが、本発明においては、かかる積層体におけるE
VOH層の偏光赤外二色法によるC−O基の配向係数が
−0.4〜−0.01(更には−0.3〜−0.05)
であることが好ましく、かかるC−O基の配向係数が−
0.4未満では積層体の耐引裂性が低下する傾向にあ
り、逆に−0.01を越えると延伸によるガスバリア性
の向上効果が不十分となる傾向にあり好ましくない。こ
こで言う偏光赤外二色法による配向係数(F)は、以下
の(1)式により求めることができる。
【0033】 F=(1−D)/(1+2D) ・・・(1) ここで、Fは配向係数、Dは二色比を表し、D=At/
Amで、更にAt、Amは該積層体のIR吸収スペクト
ルにおける、延伸方向に平行(Am)および垂直(A
t)方向のC−O伸縮振動の吸収ピーク(1090cm
-1付近)の吸光度を表す。吸光度の算出においては、7
80cm-1と1550cm-1付近のピークの谷間を直線
で結んだ線をベースラインとして求める。また、ここで
言う延伸方向とは横方向(TD方向)のことを表す。
【0034】かかる配向係数を調整するには、EVOH
の組成、延伸条件(延伸温度、延伸速度、延伸倍率)等
をコントロールすればよく、中でもEVOH組成物中の
主成分のEVOHのエチレン含有量を20〜40モル
%、ケン化度を98モル%以上とし、延伸倍率を4倍以
上とする方法が好適に用いられる。
【0035】かくして、本発明の方法で積層体が得られ
るわけであるが、本発明では、包装袋に遮光性や高級感
を付与する目的で、かかる積層体のPP層表面に半透明
層を設けて、積層体のヘイズ値を30%以上(更には4
0〜90%、特には50〜80%)とすることも好まし
く、かかるヘイズ値が30%未満では遮光性に劣り、か
つ高級感に乏しくなって好ましくない。かかる半透明層
としては、積層体のヘイズ値を上記の範囲にできるもの
であれば特に限定されず、例えば、PP−他成分のブロ
ック共重合体、前述のPPにLDPE等のポリオレフィ
ン,キナクリドン誘導体等の特殊な核剤,無機充填剤,
発泡剤などをブレンドしたもの、更には前述のPPを使
用してフィルムを得た後に機械的にエンボス処理したも
の等を用いることができるが、中でもエチレン−プロピ
レンブロック共重合体あるいはエチレン−プロピレン共
重合体とLDPEのブレンド物が好適に用いられる。
【0036】PP層の表面に半透明層を設けるに当たっ
ては、特に限定されず、延伸前のPP層/接着性樹脂層
の多層シートに予め積層しておく方法、PP層/接着性
樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層からなる延伸多層シ
ートを得た後に積層する方法、最終的にPP層/接着性
樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/ヒートシール層か
らなる積層体を得た後に積層する方法等が挙げられる。
また、かかる半透明層の厚みは特に限定されないが、最
終的に得られる積層体において、半透明層とPP層の合
計の厚みが8μm以上(更には10〜50μm)が好ま
しく、更に半透明層とPP層の厚み比は、9/1〜1/
9とすることが、遮光性・高級感と経済性のバランス上
好ましい。
【0037】かくして本発明の方法で得られた積層体
は、食品や医薬品の防湿包装、熱殺菌包装、高温充填包
装、ピロー包装、電子レンジ用包装、PTP包装、バッ
グインボックスなど各種包装用途に有用で、中でも特に
従来の塩化ビニリデンコーティングポリプロピレンフィ
ルム(KOP)の代替フィルムとしての包装袋として有
用で、かかる包装袋の製造法と使用法について説明す
る。
【0038】製袋に当たっては、通常の製袋機を採用す
ることができ、例えばホットバーシール式やホットロー
ル式の製袋機が使用でき、側面シール形、2方シール
形、3方シール形、合掌シール形等の袋に加工して利用
される。また、製袋と充填を同時に行うピロー包装、三
方シール包装、四方シール包装などの自動製袋充填機を
用いることもできる。
【0039】得られた包装袋は、従来の塩化ビニリデン
コーティングポリプロピレンフィルム(KOP)の代替
フィルムとして、ガスバリア性や防湿性の要求される食
用油、食用油脂製品、畜肉加工品、水産加工品、味噌、
漬物、各種調味料、香辛料、ケチャップ、マヨネーズ、
ソース、ドレッシング、チーズ、バター、ゼリー、カレ
ールー、ジャム、スープ、珍味、菓子、茶、コーヒー、
飲料水、酒類等の食品の他、芳香剤、歯磨粉、洗剤等の
トイレタリー製品類、化粧品類、香水、医薬品類、農薬
類、工業用油脂類、工業薬品類などの包装袋として有用
である。
【0040】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特に断り
のない限り重量基準を示す。
【0041】実施例1 多層Tダイ共押出製膜装置に、ポリプロピレン[融点1
60℃、密度0.90g/cm3、MI3g/10分
(230℃、荷重2160g)、アミン系帯電防止剤1
%配合]及び接着性樹脂[密度0.89g/cm3、M
I4g/10分(230℃、荷重2160g)、無水マ
レイン酸濃度0.05%、エチレン含有量3モル%の変
性エチレン−プロピレン共重合体]を供給して、PP層
/接着性樹脂層(厚み構成は600μm/32μm)の
積層シートを得た後、加熱ロール上で縦方向(MD方
向)に5倍延伸した。次いで、得られた延伸積層シート
の接着性樹脂層表面に、多層Tダイ共押出ラミネート装
置を用いて、EVOH[エチレン含有量34モル%、ケ
ン化度99.5モル%、MI8g/10分(210℃、
荷重2160g)のEVOH60部とエチレン含有量3
8モル%、ケン化度99.5モル%、MI8g/10分
(同上)のEVOH15部とエチレン含有量44モル
%、ケン化度96.2モル%、MI6.5g/10分
(同上)のEVOH25部の溶融混合物]/接着性樹脂
[上記と同じ](厚み構成は32μm/6.4μm)の
積層体を120m/分の速度で積層した後、速度14m
/分、温度150℃で8倍に延伸して、PP層/接着性
樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層(厚み構成は15μ
m/0.8μm/4μm/0.8μm、EVOH層の偏
光赤外二色法による配向係数は−0.15)の延伸多層
シートを得た。
【0042】得られた延伸多層シートの接着性樹脂層の
表面にドライラミネート用接着剤[ポリエステル系2液
溶剤型]を、固形分として2g/m2塗布し、乾燥して
溶剤を蒸発させた後、その塗布面にドライラミネート法
にて厚み20μmのエチレン−ブテン−ポリプロピレン
共重合体[エチレン含有量3%、ブテン含有量2%]の
無延伸フィルムを積層して目的とする積層体を得た。得
られた積層体について、酸素透過度(20℃、50%R
H下で測定)及び水蒸気透過度(40℃、90%RH下
で測定)を測定した。
【0043】また、自動充填製袋機(フジキカイ社製の
横形ピロー包装機「FW3400」)を用いて、シール
温度160℃、ショット数50個/分の条件で、得られ
た積層体のエチレン−ブテン−ポリプロピレン共重合体
層をシール層として、縦20cm×横10cmの包装袋
(口貼り及び背貼りからなる3方シール、充填物なし)
を作製した。
【0044】かかる包装袋について、その背貼りシール
強度(引張速度200mm/min、23℃で測定)を
測定した。また包装袋の状態を目視で観察して、その外
観性を以下の通り評価した。 ○ ・・・ 口貼り及び背貼りともにシワ等の異常は認
められず外観性は良好である △ ・・・ 製袋時に積層体がカールして背貼り部分に
シワが入っている部分があり、若干外観性に問題がある × ・・・ 製袋時に積層体がカールして背貼り部分に
シワが入ったり、積層体がカールしたままヒートシール
されている部分もあり、極めて外観性に問題がある
【0045】更に上記の包装袋の一方の口貼り部分を切
開してパラジクロルベンゼン(PDCB)3gを入れて
切開部分をヒートシールして密封した後、2リットルの
ガラス容器に入れて密栓して23℃で保管して、その保
香性能を以下の通り評価した。 ○ ・・・ 試験開始2ヶ月後においてもガラス容器中
にPDCBの香りは感知されず保香性能は良好である △ ・・・ 試験開始1ヶ月後にはガラス容器中にPD
CBの香りが漏れており保香性能は不良である × ・・・ 試験開始1週間後にはガラス容器中にPD
CBの香りが漏れており保香性能は極めて不良である
【0046】実施例2 多層Tダイ共押出製膜装置に、実施例1と同じPPおよ
び接着性樹脂を供給して、PP層/接着性樹脂層の積層
シート(厚み構成は600μm/32μm)を得た後、
加熱ロール上で縦方向(MD方向)に4倍延伸した。次
いで、得られた延伸積層シートの接着性樹脂層表面に、
多層Tダイ共押出ラミネート装置を用いて、EVOH/
接着性樹脂[共に実施例1と同じ](厚み構成は32μ
m/6.4μm)の積層体を100m/分の速度で積層
して多層シートを得た後、横方向(TD方向)に速度2
7m/分、温度150℃で10倍に延伸して、PP層/
接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層(厚み構成は
15μm/0.8μm/4μm/0.8μm、EVOH
層の偏光赤外二色法による配向係数は−0.16)の延
伸多層シートを得た。
【0047】得られた延伸多層シートの接着性樹脂層の
表面に、実施例1と同様にして、ドライラミネート用接
着剤を塗布し、乾燥して溶剤を蒸発させた後、その塗布
面にドライラミネート法にて厚み20μmのエチレン−
ブテン−ポリプロピレン共重合体の無延伸フィルムを積
層して目的とする積層体を得た。得られた積層体につい
て、実施例1と同様に酸素透過度及び水蒸気透過度を測
定した。また、実施例1と同様にして、自動充填製袋機
を用いて包装袋を作製して、その背貼りシール強度を測
定した。更に包装袋の外観性および保香性能について同
様に評価した。
【0048】実施例3 多層Tダイ共押出製膜装置に、実施例1と同じPPおよ
び接着性樹脂を供給して、PP/接着性樹脂(厚み構成
は600μm/42μm)の積層シートを得た後、加熱
ロール上で縦方向(MD方向)に6倍延伸した。次い
で、得られた延伸積層シートの接着性樹脂層表面に、多
層Tダイ共押出ラミネート装置を用いて、EVOH[エ
チレン含有量34モル%、ケン化度99.5モル%、M
I8g/10分(210℃、荷重2160g)のEVO
H80部とエチレン含有量44モル%、ケン化度96.
2モル%、MI6.5g/10分(同上)のEVOH2
0部の溶融混合物]/接着性樹脂[実施例1と同じ]
(厚み構成は21μm/7μm)の積層を120m/分
の速度で行って多層シートを得た後、横方向(TD方
向)に速度21m/分、温度145℃で7倍に延伸し
て、PP層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層
(厚み構成は14μm/1μm/3μm/1μm、EV
OH層の偏光赤外二色法による配向係数は−0.12)
の延伸多層シートを得た。
【0049】得られた延伸多層シートの接着性樹脂層の
表面にドライラミネート用接着剤[ポリエステル系2液
溶剤型]を、固形分として1.5g/m2塗布し、乾燥
して溶剤を蒸発させた後、その塗布面にドライラミネー
ト法にて厚み40μmの直鎖状低密度ポリエチレン(L
LDPE)の無延伸フィルムを積層して目的とする積層
体を得た。得られた積層体について、実施例1と同様に
酸素透過度及び水蒸気透過度を測定した。また、実施例
1と同様にして、得られた積層体のLLDPE層をシー
ル層として、縦25cm×横5cmの包装袋(口貼り及
び背貼りからなる3方シール、充填物なし)を作製し
て、その背貼りシール強度を測定した。更に包装袋の外
観性及び保香性能について同様に評価した。ただし、保
香性能の評価については、パラジクロルベンゼン3gの
替わりにショウノウ3gを密封して行った。
【0050】実施例4 多層Tダイ共押出製膜装置に、実施例1と同じPPおよ
び接着性樹脂を供給して、PP層/接着性樹脂層の積層
シート(厚み構成は800μm/50μm)を得た後、
加熱ロール上で縦方向(MD方向)に5倍延伸した。次
いで、得られた延伸積層シートの接着性樹脂層表面に、
多層Tダイ共押出ラミネート装置を用いて、EVOH
[エチレン含有量29モル%、ケン化度99.7モル
%、MI12g/10分(210℃、荷重2160g)
のEVOH60部とエチレン含有量36モル%、ケン化
度99.5モル%、MI8g/10分(210℃、荷重
2160g)のEVOH20部とエチレン含有量42モ
ル%、ケン化度97.5モル%、MI13g/10分
(同上)のEVOH20部の溶融混合物]/接着性樹脂
[上記と同じ](厚み構成は60μm/10μm)の積
層を120m/分の速度で行って多層シートを得た後、
横方向(TD方向)に速度38m/分、温度155℃で
12倍に延伸して、PP層/接着性樹脂層/EVOH層
/接着性樹脂層(厚み構成は13μm/0.8μm/5
μm/0.8μm、EVOH層の偏光赤外二色法による
配向係数は−0.19)の延伸多層シートを得た。
【0051】得られた延伸多層シートの接着性樹脂層の
表面にドライラミネート用接着剤[ポリエステル系2液
溶剤型]を、固形分として2g/m2塗布し、乾燥して
溶剤を蒸発させた後、その塗布面にドライラミネート法
にて厚み25μmのポリプロピレンの無延伸フィルム
(CPP)を積層して目的とする積層体を得た。得られ
た積層体について、実施例1と同様に酸素透過度及び水
蒸気透過度を測定した。また、実施例1と同様にして、
得られた積層体のCPP層をシール層として、縦25c
m×横5cmの包装袋(口貼り及び背貼りからなる3方
シール、充填物なし)を作製して、その背貼りシール強
度を測定した。更に包装袋の外観性および保香性能につ
いて同様に評価した。ただし、保香性能の評価について
は、パラジクロルベンゼン3gの替わりに緑茶10gを
密封して行った。
【0052】実施例5 実施例2において、多層Tダイ共押出製膜装置に、PP
[実施例1と同じ]、エチレン−プロピレンブロック共
重合体(PE−PP)[融点158℃、密度0.91g
/cm3、MI6.5g/10分(230℃、荷重21
60g)、エチレン含有量25%]、及び接着性樹脂
[実施例1と同じ]を供給して、PE−PP層/PP層
/接着性樹脂層(厚み構成は80/520μm/32μ
m)の積層シートを得た以外は同様にして、PE−PP
層/PP層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層
(厚み構成は2μm/13μm/0.8μm/4μm/
0.8μm、EVOH層の偏光赤外二色法による配向係
数は−0.16)の延伸多層シートを得た。更に実施例
1と同様にして、厚み20μmのエチレン−ブテン−ポ
リプロピレン共重合体の無延伸フィルムを積層して目的
とする積層体を得た。尚、得られた積層体のヘイズ値は
50%であった。得られた積層体について、実施例1と
同様に酸素透過度及び水蒸気透過度を測定した。また、
実施例1と同様にして、自動充填製袋機を用いて包装袋
を作製したところ、該包装袋は優れた遮光性と高級感の
ある外観性を示した。更に包装袋の背貼りシール強度、
外観性および保香性能について同様に評価した。
【0053】実施例6 実施例3において、多層Tダイ共押出製膜装置に、PP
[実施例1と同じ]、エチレン−プロピレンブロック共
重合体(PE−PP)[融点158℃、密度0.91g
/cm3、MI6.5g/10分(230℃、荷重21
60g)、エチレン含有量25%]85%と低密度ポリ
エチレン(LDPE)[融点113℃、密度0.925
g/cm3]15%の溶融混合物及び接着性樹脂[実施
例1と同じ]を供給して、(PE−PP+LDPE)層
/PP層/接着性樹脂層(厚み構成は90/510μm
/42μm)の積層シートを得た以外は同様にして、
(PE−PP+LDPE)層/PP層/接着性樹脂層/
EVOH層/接着性樹脂層(厚み構成は2μm/12μ
m/1μm/3μm/1μm、EVOH層の偏光赤外二
色法による配向係数は−0.13)の延伸多層シートを
得た。更に実施例3と同様にして、厚み40μmのLL
DPEの無延伸フィルムを積層して目的とする積層体を
得た。尚、得られた積層体のヘイズ値は60%であっ
た。得られた積層体について、実施例1と同様に酸素透
過度及び水蒸気透過度を測定した。また、実施例3と同
様にして、自動充填製袋機を用いて包装袋を作製したと
ころ、該包装袋は優れた遮光性と高級感のある外観性を
示した。更に包装袋の背貼りシール強度、外観性および
保香性能について同様に評価した。
【0054】比較例1 多層Tダイ共押出製膜装置に、実施例1と同じPP、E
VOH及び接着性樹脂を供給して、PP層/接着性樹脂
層/EVOH層/接着性樹脂層の多層シート(厚み構成
は600μm/32μm/160μm/32μm)を得
た後、加熱ロール上で縦方向(MD方向)に5倍延伸し
てから、更にテンター法にて横方向(TD方向)に速度
9m/分、温度170℃で8倍に延伸して、PP/接着
性樹脂/EVOH/接着性樹脂(厚み構成は15μm/
0.8μm/4μm/0.8μm、EVOH層の偏光赤
外二色法による配向係数は−0.03)の延伸多層シー
トを得た。得られた延伸多層シートにヒートシール層を
設けずに、実施例1と同様にして評価を行った。但し、
包装袋を作製にあたっては、接着性樹脂層面同士をヒー
トシールすることにより行った。
【0055】実施例及び比較例の評価結果を表1に示
す。 [表1] 積層体の評価 包装袋の評価 酸素透過度 水蒸気透過度 シール強度 外観性 保香性能 実施例1 4.1 5.5 2000 ○ ○ 〃 2 4.5 5.5 2000 ○ ○ 〃 3 5.2 4.5 4000 ○ ○ 〃 4 3.2 4.5 2700 ○ ○ 〃 5 4.5 5.5 2000 ○ ○ 〃 6 5.2 4.5 4000 ○ ○ 比較例1 5.0 8.5 200 × × 1)酸素透過度の単位:cc/m2・day・atm 2)水蒸気透過度の単位:cc/m2・day 3)シール強度の単位:g/15mm
【0056】
【発明の効果】本発明の積層体は、ガスバリア性、防湿
性、保香性等に優れており、更に包装袋としたときにシ
ール性に優れ、外観性にも優れた包装袋を得ることがで
き、各種包装用途をはじめとして、食品や医薬品の包装
袋等に有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 65/40 B65D 65/40 D C08L 23/08 C08L 23/08 // B29K 23:00 B29K 23:00 29:00 29:00 B29L 9:00 B29L 9:00 31:00 31:00 (72)発明者 榎田 元博 愛知県海部郡大治町大字西条字笠見立1番 地1号 二村化学工業株式会社名古屋工場 内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン(PP)層/接着性樹脂
    層/エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVO
    H)層/接着性樹脂層/ヒートシール層の層構成を有す
    る積層体を製造するにあたり、ポリプロピレン(PP)
    及び接着性樹脂を共押出して、ポリプロピレン(PP)
    層/接着性樹脂層の層構成を有する多層シートを得た
    後、該多層シートを少なくとも押出し方向(MD方向)
    に延伸して、次いで該接着性樹脂層の表面にエチレン−
    酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)及び接着性樹
    脂を積層した後に幅方向(TD方向)に延伸して、更に
    該接着性樹脂層の表面にヒートシール層を積層すること
    を特徴とする積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
    (EVOH)層の偏光赤外二色法によるC−O基の配向
    係数が−0.4〜−0.01であることを特徴とする請
    求項1記載の積層体の製造方法。
  3. 【請求項3】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
    (EVOH)が2種のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
    ン化物(EVOH)からなり、それぞれのエチレン含有
    量の差が4モル%以上及び/又はそれぞれのケン化度の
    差が1モル%以上であることを特徴とする請求項1また
    は2記載の積層体の製造方法。
  4. 【請求項4】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
    (EVOH)が3種以上のエチレン−酢酸ビニル共重合
    体ケン化物(EVOH)からなり、エチレン含有量の最
    大値と最小値の差が4モル%以上及び/又はケン化度の
    最大値と最小値の差が1モル%以上であることを特徴と
    する請求項1〜3いずれか記載の積層体の製造方法。
  5. 【請求項5】 更にポリプロピレン(PP)層の外側に
    半透明層を設けてなり、かつ積層体のヘイズ値が30%
    以上であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載
    の積層体の製造方法。
  6. 【請求項6】 包装袋に用いることを特徴とする請求項
    1〜5いずれか記載の積層体の製造方法。
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