JP4349539B2 - 多層中空容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記する)を中間層とした多層中空容器に関し、更に詳しくは、外観性、香気成分や薬効成分のバリア性と非吸着性に優れた多層中空容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、EVOHは、透明性、ガスバリア性、保香性、耐溶剤性、耐油性などに優れており、かかる特性を生かして、食品包装材料、医薬品包装材料、工業薬品包装材料、農薬包装材料等のフィルムやシート、或いはボトル等の容器などに成形されて利用されているが、かかるガスバリア性は、酸素やヘリウム等に対するバリア性だけでなく、香気成分や薬効成分に対するバリア性や非吸着性に優れているため、それらの成分を含有した食品、飲料、医薬品、化粧品、香料、トイレタリー製品等の包装容器(ボトル、チューブ等の中空容器)としても有用である。
【0003】
EVOH層を含む多層中空容器としては、例えば特開昭57−11052号公報には、ポリエチレン樹脂層/変性ポリエチレン樹脂層/EVOH層/変性ポリエチレン樹脂層/再生スクラップ樹脂層/ポリエチレン樹脂層の層構成を有する多層ボトルが、特開昭60−56547号公報には、外層が熱可塑性樹脂で内層が特定のEVOHである包装容器(ボトル)が、特開平6−286072号公報や特開平9−29904号公報にはポリオレフィン系樹脂層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/ポリオレフィン系樹脂層の層構成を有する中空容器が、特開平9−58707号公報にはポリブチレンテレフタレート樹脂層/接着剤層/EVOH層/接着剤層/低密度ポリエチレン樹脂層またはポリブチレンテレフタレート樹脂層/接着剤層/EVOH層/接着性低密度ポリエチレン樹脂層の層構成を有するチューブ容器がそれぞれ記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭60−56547号公報に記載の層構成ではEVOH層が最内層に配されているため、その表面に縦スジが発生し得られる中空容器の外観性に劣り、特開昭57−11052号公報、特開平6−286072号公報、特開平9−58707号公報に記載の層構成では、中間のEVOH層厚みに比べて内層側のポリエチレン樹脂層またはポリブチレンテレフタレート樹脂層の厚みが大きいため内容物の非吸着性に劣り、特開平9−29904号公報に記載の層構成では、内層側のポリエチレン樹脂層の厚みの絶対値が大きいため同様に内容物の非吸着性に劣り、香気成分や薬効成分を含有した内容物の包装容器としてはまだまだ改善の余地が残るところである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者は、かかる現況に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、ポリオレフィン系樹脂層/EVOH層/ポリオレフィン系樹脂層の少なくとも3層構成を有し、内側のポリオレフィン系樹脂層の厚み[TP](単位:μm)が1〜150μmであり、かつEVOH層の厚み[TE](単位:μm)との比(TP/TE)が0.1〜1.0である多層中空容器が、容器の外観性及び香気成分や薬効成分の非吸着性やバリア性に優れ、かかる香気成分や薬効成分を含有した内容物の包装容器に適していることを見出して本発明を完成するに至った。また、本発明においては、上記の内側のポリオレフィン系樹脂層の210℃、せん断速度122sec-1における溶融粘度[VP](単位:Pa・sec)とEVOHの210℃、せん断速度122sec-1における溶融粘度[VE](単位:Pa・sec)の比(VP/VE)が0.4〜2.0であるとき、特に本発明の作用効果に優れる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に述べる。
本発明の多層中空容器は、ポリオレフィン系樹脂層/EVOH層/ポリオレフィン系樹脂層の少なくとも3層構成を有するもので、かかるポリオレフィン系樹脂層に用いられるポリオレフィン系樹脂としては、具体的に直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)及びその部分ケン化物、アイオノマー、エチレン−プロピレン(ブロックまたはランダム)共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテン、ポリメチルペンテン等のオレフィンの単独又は共重合体やこれらのブレンド物などの広義のポリオレフィン系樹脂を挙げることができ、なかでも、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレンが、得られる多層中空容器の剛性や機械的特性等に優れる点で好ましい。
【0007】
また、EVOH層に用いられるEVOHとしては、特に限定されることはないが、エチレン含有量が10〜70モル%(更には20〜60モル%)、ケン化度が90モル%以上(更には95モル%以上)のものが好ましく用いられ、該エチレン含有量が10モル%未満では高湿時の香気成分や薬効成分のバリア性、溶融成形性が低下し、逆に70モル%を越えると充分な香気成分や薬効成分のバリア性が得られず、更にケン化度が90モル%未満では香気成分や薬効成分のバリア性、熱安定性、耐湿性等が低下して好ましくない。
【0008】
また、該EVOHのメルトフローレート(MFR)(210℃、荷重2160g)は、0.1〜100g/10分(更には1〜50g/10分)が好ましく、該メルトフローレートが該範囲よりも小さい場合には、成形時に押出機内が高トルク状態となって押出加工が困難となり、また該範囲よりも大きい場合には、得られる多層中空容器のEVOH層の膜厚が不均一になることがあり好ましくない。
【0009】
該EVOHは、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化によって得られ、該エチレン−酢酸ビニル共重合体は、公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合などにより製造され、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化も公知の方法で行い得る。
【0010】
また、本発明では、本発明の効果を阻害しない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合していてもよく、かかる単量体としては、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエステル類、アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルアミド類、メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のメタクリルアミド類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類、炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル類、トリメトキシビニルシラン等のビニルシラン類、酢酸アリル、塩化アリル、アリルアルコール、ジメチルアリルアルコール、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。
【0011】
また、EVOH中には、酸又はその金属塩が含有されていることも、得られる多層中空容器の外観やロングラン成形性、層間接着性等が向上する点で好ましく、かかる酸が、酢酸、ホウ酸、リン酸のいずれかで、その塩がこれらのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の少なくとも1種以上であることが更に好ましい。
【0012】
かかる酸としては、具体的に酢酸、プロピオン酸、ホウ酸、リン酸、アジピン酸、安息香酸、クエン酸等を挙げることができ、好適には酢酸、ホウ酸、リン酸が用いられ、また、その塩としては、上記の酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げられ、具体的には、酢酸塩としては酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸マンガン、酢酸銅、酢酸コバルト、酢酸亜鉛などが挙げられ、好適には酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウムが用いられ、ホウ酸塩としてはホウ酸カルシウム、ホウ酸コバルト、ホウ酸亜鉛(四ホウ酸亜鉛,メタホウ酸亜鉛等)、ホウ酸アルミニウム・カリウム、ホウ酸アンモニウム(メタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウム等)、ホウ酸カドミウム(オルトホウ酸カドミウム、四ホウ酸カドミウム等)、ホウ酸カリウム(メタホウ酸カリウム、四ホウ酸カリウム、五ホウ酸カリウム、六ホウ酸カリウム、八ホウ酸カリウム等)、ホウ酸銀(メタホウ酸銀、四ホウ酸銀等)、ホウ酸銅(ホウ酸第2銅、メタホウ酸銅、四ホウ酸銅等)、ホウ酸ナトリウム(メタホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム等)、ホウ酸鉛(メタホウ酸鉛、六ホウ酸鉛等)、ホウ酸ニッケル(オルトホウ酸ニッケル、二ホウ酸ニッケル、四ホウ酸ニッケル、八ホウ酸ニッケル等)、ホウ酸バリウム(オルトホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム、二ホウ酸バリウム、四ホウ酸バリウム等)、ホウ酸ビスマス、ホウ酸マグネシウム(オルトホウ酸マグネシウム、二ホウ酸マグネシウム、メタホウ酸マグネシウム、四ホウ酸三マグネシウム、四ホウ酸五マグネシウム等)、ホウ酸マンガン(ホウ酸第1マンガン、メタホウ酸マンガン、四ホウ酸マンガン等)、ホウ酸リチウム(メタホウ酸リチウム、四ホウ酸リチウム、五ホウ酸リチウム等)などの他、ホウ砂、カーナイト、インヨーアイト、コトウ石、スイアン石、ザイベリ石等のホウ酸塩鉱物などが挙げられ、好適にはホウ砂、ホウ酸ナトリウム(メタホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム等)が用いられ、またリン酸塩としては、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸二水素マグネシウムなどが挙げられ、好適にはリン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素マグネシウムが用いられる。
【0013】
かかる酸またはその金属塩の含有量は、その種類によっても一概に言えないが、例えば酢酸(塩)の時は10〜500ppm(更には20〜300ppm)(金属塩の時は金属換算)程度が好ましく、ホウ酸(塩)の時は10〜10000ppm(更には20〜1000ppm)(ホウ素換算)程度が好ましく、また、リン酸(塩)の時は5〜500ppm(更には20〜300ppm)(リン酸根換算)程度が好ましく、これらの含有量が過少の時は溶融成形時のロングラン性に劣ることがあり、逆に過多の時は得られるEVOHの熱安定性が悪化したり、得られる成形物の外観が悪化することがあり好ましくない。
【0014】
更に該EVOHには、必要に応じて、飽和脂肪族アミド(例えばステアリン酸アミド等)、不飽和脂肪酸アミド(例えばオレイン酸アミド等)、ビス脂肪酸アミド(例えばエチレンビスステアリン酸アミド等)、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等)、低分子量ポリオレフィン(例えば分子量500〜10,000程度の低分子量ポリエチレン、又は低分子量ポリプロピレン等)などの滑剤、無機塩(例えばハイドロタルサイト等)、可塑剤(例えばエチレングリコール、グリセリン、ヘキサンジオール等の脂肪族多価アルコールなど)、酸素吸収剤〔例えば無機系酸素吸収剤として、還元鉄粉類、さらにこれに吸水性物質や電解質等を加えたもの、アルミニウム粉、亜硫酸カリウム、光触媒酸化チタン等が、有機化合物系酸素吸収剤として、アスコルビン酸、さらにその脂肪酸エステルや金属塩等、ハイドロキノン、没食子酸、水酸基含有フェノールアルデヒド樹脂等の多価フェノール類、ビス−サリチルアルデヒド−イミンコバルト、テトラエチレンペンタミンコバルト、コバルト−シッフ塩基錯体、ポルフィリン類、大環状ポリアミン錯体、ポリエチレンイミン−コバルト錯体等の含窒素化合物と遷移金属との配位結合体、テルペン化合物、アミノ酸類とヒドロキシル基含有還元性物質の反応物、トリフェニルメチル化合物等が、高分子系酸素吸収剤として、窒素含有樹脂と遷移金属との配位結合体(例:MXDナイロンとコバルトの組合せ)、三級水素含有樹脂と遷移金属とのブレンド物(例:ポリプロピレンとコバルトの組合せ)、炭素−炭素不飽和結合含有樹脂と遷移金属とのブレンド物(例:ポリブタジエンとコバルトの組合せ)、光酸化崩壊性樹脂(例:ポリケトン)、アントラキノン重合体(例:ポリビニルアントラキノン)等や、更にこれらの配合物に光開始剤(ベンゾフェノン等)や過酸化物補足剤(市販の酸化防止剤等)や消臭剤(活性炭等)を添加したものなど〕、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤(例えばチバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1098など)、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、消臭剤(例えば活性炭等)、アンチブロッキング剤(例えばタルク微粒子など)、スリップ剤(例えば無定形シリカ微粒子など)、充填材(例えば無機フィラー等)、他樹脂(例えばポリオレフィン、ポリアミド等)などを配合しても良い。
【0015】
また、EVOHとして、異なる2種以上のEVOHを用いることも可能で、このときは、エチレン含有量が5モル%以上異なり、及び/又はケン化度が1モル%以上異なり、及び/又はMFRの比が4以上であるEVOHのブレンド物を用いることにより、香気成分や薬効成分のバリア性を保持したまま、更に加熱延伸成形性、膜厚安定性等が向上するので有用である。
【0016】
本発明の多層中空容器は、上記の如くポリオレフィン系樹脂層/EVOH層/ポリオレフィン系樹脂層の少なくとも3層構成を有するものであるが、本発明においては、かかる層構成において内側のポリオレフィン系樹脂層の厚み[TP](単位:μm)が1〜150μm(更には5〜100μm、特には10〜80μm)であり、かつEVOH層の厚み[TE](単位:μm)との比(TP/TE)が0.1〜1.0(更には0.15〜1.0、特には0.2〜1.0)であることを最大の特徴とするものであり、かかる[TP]が1μm未満では外観性が不充分となり、またその厚みのコントロールが困難となり、逆に150μmを越えると香気成分や薬効成分の非吸着性が不充分となって本発明の目的を達成することができず、また、かかる比(TP/TE)が0.1未満では外観性が不充分となったり、或いは香気成分や薬効成分のバリア性が不充分となり、逆に2.0を越えると香気成分や薬効成分の非吸着性が不充分となったり、或いはそのバリア性が不充分となって、このときも本発明の目的を達成することができない。
【0017】
尚、ここで言う内側のポリオレフィン系樹脂層とは、ポリオレフィン系樹脂層/EVOH層/ポリオレフィン系樹脂層の積層体を多層中空容器に用いたときに、容器の内側(中間層のEVOH層よりも内側。EVOH層が2層以上ある時は、最も内側に位置するEVOH層より内側)に配される全てのポリオレフィン系樹脂層の厚みの合計を指すものである。すなわち内側のポリオレフィン系樹脂層が2層以上(例えば、ポリオレフィン系樹脂層/酸変性ポリオレフィン系樹脂層など)からなる場合は、各層の厚みの合計を[TP]とするものである。
【0018】
また、内側のポリオレフィン系樹脂層の210℃、せん断速度122sec-1における溶融粘度[VP](単位:Pa・sec)とEVOHの210℃、せん断速度122sec-1における溶融粘度[VE](単位:Pa・sec)の比(VP/VE)が0.4〜2.0(更には0.5〜1.5、特には0.5〜1.3)であることが好ましく、かかる比(VP/VE)が上記の範囲外では得られる多層中空容器の外観性に劣ることがあり好ましくない。
尚、内側のポリオレフィン系樹脂層が2層以上(同上)からなる場合は、少なくともEVOH層に隣接した層のポリオレフィン系樹脂が上記の関係を満足することが好ましく、各層のポリオレフィン系樹脂がそれぞれ上記の関係を満足することが特に好ましい。
【0019】
上記の条件を満足するように内側のポリオレフィン系樹脂層やEVOH層の厚み、更には溶融粘度を調整することにより、本発明の多層中空容器が得られるのであって、かかる多層中空容器を製造するに当たっては、公知の方法を採用することができ、例えば、イ)EVOHからなる層の両面にポリオレフィン系樹脂を積層した多層構造体(シート、フィルム、パリソン等)を作製した後に容器に成形する方法、ロ)EVOH及びポリオレフィン系樹脂を共射出成形機等に共して直接多層容器を成形する方法、等を挙げることができる。
【0020】
イ)の方法においては、先ずEVOHからなる層の両面にポリオレフィン系樹脂を積層して多層構造体を作製するのであるが、積層方法としては、例えばEVOHからなるフィルムやシートにポリオレフィン系樹脂を溶融押出する方法、逆にポリオレフィン系樹脂の層にEVOHを溶融押出する方法、EVOHとポリオレフィン系樹脂とを共押出する方法、あるいは両樹脂を共射出する方法、更にはEVOHからなるフィルムやシートとポリオレフィン系樹脂からなるフィルムやシートとを有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン化合物等の公知の接着剤を用いてドライラミネートする方法等が挙げられる。
【0021】
次いで、得られた多層構造体を容器に成形するのであるが、該成形に当たっては加熱延伸処理を施すことにより好適に多層中空容器を得ることができる。
ここで加熱延伸成形とは、該多層構造体を種々のヒーターで均一に加熱して、チャック、プラグ、真空力、圧空力、ブローなどにより、各種形状に均一に成形する操作を意味する。
【0022】
加熱延伸については、一軸延伸、二軸延伸のいずれであってもよく、加熱延伸方法としては、ロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法、延伸ブロー法、深絞成形法、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法等のものが採用できる。二軸延伸の場合は同時二軸延伸方式、逐次二軸延伸方式のいずれの方式も採用できる。加熱延伸時の多層構造体の温度は80〜170℃、好ましくは100〜160℃程度の範囲から選ばれる。
【0023】
本発明においては、特にブロー成形によりボトル、タンク、チューブ等の中空容器を得ることが好ましく、その製造法についても特に限定はされず、ダイレクトブロー成形法、インジェクションブロー成形法、二軸延伸ブロー成形法等が挙げられ、更に二軸延伸ブロー成形法については、コールドパリソン法とホットパリソン法が挙げられる。またブロー成形により得られた中空容器をさらに熱処理することも、耐衝撃層間剥離性やガスバリア性の向上が認められる点で好ましい。熱処理温度は100〜240℃、熱処理時間は1秒以上である。
【0024】
ロ)の方法においては、共射出成形機等を用いて、加熱延伸処理することなしに直接カップ、トレー等の多層容器を得ることが出来る。また、イ)と同様に得られた多層容器をさらに熱処理することも好ましい。
【0025】
かくして本発明の多層中空容器が得られるわけであるが、本発明においては、かかるポリオレフィン系樹脂として酸変性ポリオレフィンまたは酸変性ポリオレフィンと未変性ポリオレフィン系樹脂のブレンド物を用いることも好ましく、かかる酸変性ポリオレフィンとしては、不飽和カルボン酸またはその無水物をオレフィン系重合体(上述の広義のポリオレフィン系樹脂)に付加反応やグラフト反応等により化学的に結合させて得られるカルボキシル基を含有する変性オレフィン系重合体を挙げることができ、具体的には、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−ポリプロピレン(ランダムまたはブロック)共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−エチルアクリレート共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−酢酸ビニル共重合体等から選ばれた1種または2種以上の混合物が好適なものとして挙げられる。このときの、オレフィン系重合体に含有される不飽和カルボン酸又はその無水物の量は、0.001〜1重量%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5重量%である。該量が少ないと、得られる多層中空容器の外観性に劣ることがあり、逆に多いと架橋反応を起こし、成形性が悪くなることがあり好ましくない。
【0026】
かかる酸変性ポリオレフィンは、ポリオレフィン系樹脂層/EVOH層/ポリオレフィン系樹脂層からなる積層体のいずれか一方のポリオレフィン系樹脂層又は両方のポリオレフィン系樹脂層に用いることが可能である。
【0027】
本発明の多層中空容器の層構成としては、EVOHからなる層をa、ポリオレフィン系樹脂(酸変性ポリオレフィンまたは酸変性ポリオレフィンと未変性ポリオレフィン系樹脂のブレンド物も含む)からなる層をbとするとき、b/a/bの三層構造のみならず、b/b/a/b、b/a/b/b、b/b/a/b/b、b/a/b/a/b、b/b/a/b/a/b、b/a/b/a/b/b、b/b/a/b/a/b/b、b/a/b/a/b/a/b、b/b/a/b/a/b/a/b、b/a/b/a/b/a/b/b、b/b/a/b/a/b/a/b/b等の任意の組み合わせが可能で、特に[内側]ポリオレフィン系樹脂層/酸変性ポリオレフィン層/EVOH層/ポリオレフィン系樹脂層[外側]または[内側]ポリオレフィン系樹脂層/酸変性ポリオレフィン層/EVOH層/酸変性ポリオレフィン層/ポリオレフィン系樹脂層[外側]とするとき、得られる多層中空容器の外観性に優れる点で好ましく、また、リグラインド(再生スクラップ)層や、EVOHやポリオレフィン系樹脂以外の熱可塑性樹脂層を設けることも可能で、特にリグラインド層を設けることは容器成形時に発生する多量のスクラップ(EVOHとポリオレフィン系樹脂からなる)を有効に活用できる点で工業上好ましく、その層構成としては、[内側]ポリオレフィン系樹脂層/EVOH層/ポリオレフィン系樹脂層/リグライド層/ポリオレフィン系樹脂層[外側]、[内側]ポリオレフィン系樹脂層/酸変性ポリオレフィン層/EVOH層/ポリオレフィン系樹脂層/リグライド層/ポリオレフィン系樹脂層[外側]、[内側]ポリオレフィン系樹脂層/EVOH層/酸変性ポリオレフィン層/リグライド層/ポリオレフィン系樹脂層[外側]、[内側]ポリオレフィン系樹脂層/酸変性ポリオレフィン層/EVOH層/酸変性ポリオレフィン層/リグライド層/ポリオレフィン系樹脂層[外側]などが挙げられる。
【0028】
また、本発明においては、aにb、bにaをブレンドしたり、aやbの少なくとも一方に両層面の密着性を向上させる樹脂を配合することも可能である。
また、本発明の多層中空容器のポリオレフィン系樹脂やリグラインド層の樹脂(組成物)には、本発明の目的を逸脱しない範囲において、前述の可塑剤、滑剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、無機フィラーなどの添加剤を配合したり、他樹脂をブレンドすることも可能である。特にリグラインド層のゲル発生防止剤として、ハイドロタルサイト類、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系熱安定剤、高級脂肪族カルボン酸の金属塩を添加することもできる。
【0029】
かかるハイドロタルサイト類として具体的には、一般式MxAly(OH)2x+3y-2z(E)z・aH2O(式中MはMg,Ca又はZn、EはCO3又はHPO4、x,y,zは正数、aは0又は正数)で示されるハイドロタルサイト系化合物、及び/又は一般式[〔(M2+)y1(M2+)y21-x3+(OH)2x/n・mH2O](但し M2+はMg、Ca、Sr及びBaから選ばれる金属の少なくとも1種、M2+はZn、Cd、Pb、Snから選ばれる金属、M3+は3価金属、An-はn価のアニオン、x、y1、y2、mはそれぞれ0<x≦0.5、0.5<y1<1、y1+y2=1、0≦m<2で示される正数)で表されるハイドロタルサイト系固溶体が挙げられる。
【0030】
かかる化合物の実例としては、例えば、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O,Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O,Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O,Mg8Al2(OH)20CO3・5H2O,Mg10Al2(OH)22(CO3)2・4H2O,Mg6Al2(OH)16HPO4・4H2O,Ca6Al2(OH)16CO3・4H2O,Zn6Al6(OH)16CO3・4H2O,などが挙げられる。又、以上に限らず例えばMg2Al(OH)9・3H2O中のOHの一部がCO3又はHPO4に置換された如き化学式の明確に示されないものや更には結晶水の除去されたもの(a=0)であっても同等の効果が期待できる。特にこれらのうちMがMgであり、EがCO3である化合物が最も顕著な効果を示す。
【0031】
更にかかる固溶体の上記一般式において、M2+としてはMg、Caが好ましい。またM2+としてはZn、Cdが望ましい。M3+はAl、Bi、In、Sb、B、Ga、Tiが例示されるが、Alが実用的である。更にAn-としては CO3 2-、OH-、HCO3 -、サリチル酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、NO3 -、I-、(OOC−COO)2-、〔Fe(CN)64-、ClO4 -、CH3COO-、CO3 2-、(OOCHC=CHCOO)2-やOH-が有用である。その具体的実例としては、[Mg0.75Zn0.250.67Al0.33(OH)2(CO30.165・0.45H2O,[Mg0.79Zn0.210.7 Al0.3(OH)2(CO30.15,[Mg1/7Ca3/7Zn3/70.7Al0.3(OH)2(OOCHC=CHCOO)0.15・0.41H2O,[Mg6/7Cd1/70.7Al0.3(OH)2(CH3COO)0.3・0.34H2O,[Mg5/7Pb2/70.7Al0.3(OH)2(CO30.15・0.52H2O,[Mg0.74Zn0.260.68Al0.32(OH)2(CO30.16,[Mg0.56Zn0.440.68Al0.32(OH)2(CO30.16・0.2H2O,[Mg0.81Zn0.190.74Al0.26(OH)2(CO30.13,[Mg0.75Zn0.250.8Al0.2(OH)2(CO30.10・0.16H2O,[Mg0.71Zn0.290.7Al0.3(OH)2(NO30.30,[Mg0.71Zn0.290.7Al0.3(OH)2 (OOCHC=CHCOO)0.15,[Mg0.14Ca0.57Zn0.290.7Al0.3(OH)2.3・0.25H2Oなどが挙げられる。
【0032】
これら化合物や固溶体は、高級脂肪酸類、アニオン系界面活性剤類、シランカップリング剤類、チタネート系カップリング剤、グリセリン脂肪酸エステル等で表面処理されていても良い。
【0033】
該化合物及び/又は固溶体の添加量は、リグラインド層の樹脂組成物100重量部に対して0.005〜5重量部、更に好ましくは0.01〜1重量部の範囲で用いられる。該化合物及び/又は固溶体の添加量が0.005重量部未満ではその添加効果に乏しく、一方、5重量部を越えると得られる多層中空容器の透明性や柔軟性が低下する傾向にある。
該化合物及び/又は固溶体はリグラインド層の樹脂組成物中に任意の形で存在しておれば良く、その添加時期に特に制限はないが、その添加効果の点で有利には予めポリオレフィン系樹脂に混合しておく方法が採用される。
【0034】
またかかる高級脂肪族カルボン酸の金属塩としては、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ノナデカン酸、オレイン酸、カプリン酸、ベヘニン酸、リノール酸等の炭素数8以上の高級脂肪族カルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩の他、亜鉛金属塩等も使用される。かかる中でもステアリン酸またはヒドロキシステアリン酸のカルシウムまたはマグネシウム金属塩がその効果の点で特に顕著である。
【0035】
かかる高級脂肪族カルボン酸の金属塩の添加量は、リグラインド層の樹脂組成物100重量部に対して0.005〜5重量部、更に好ましくは0.01〜1重量部の範囲で用いられる。該金属塩の添加量が0.005重量部未満ではその添加効果に乏しく、一方、5重量部を越えると得られる多層中空容器の層間接着性や外観が低下する傾向にある。
【0036】
かくして得られた本発明の多層中空容器は、一般的な食品や薬品等の容器に有用であるが、本発明の多層中空容器は、香気成分や薬効成分に対するバリア性や非吸着性に優れているため、特にそれらの成分を含有した食品、飲料、医薬品、化粧品、香料、トイレタリー製品等の包装容器(ボトル、チューブ等の中空容器)としても有用で、香水・香料の容器、ワインやオレンジジュース等の容器、レモン果汁等の容器、調味料・香辛料の容器、化粧水の容器、入浴剤(薬用を含む)の容器、芳香剤・消臭剤の容器、練り歯磨き・ゲル状歯磨きの容器、液体石鹸やシャンプー・リンス等の容器、沈痛消炎剤の容器等に有用である。
【0037】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特に断りのない限り重量基準を示す。
【0038】
実施例1
EVOH[日本合成化学工業社製『ソアノールAT4403B』、エチレン含有量44モル%、ケン化度99.6モル%、MFR3.5g/10min(210℃、荷重2160g)]、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン、日本ポリケム社製『ノバテックPP EA8A』)、酸変性ポリオレフィン(無水マレイン酸変性ポリプロピレン、三菱化学社製『モディックAP P503』)を用いて、共押出多層ダイレクトブロー成形機(プラコー社製『5B−30、30、30、30』)に供給して、[内側]酸変性ポリオレフィン層/EVOH層/酸変性ポリオレフィン層/ポリオレフィン系樹脂層[外側]の構成の多層パリソン(外径15mm)を押し出した後、金型で挟み込み空気を吹き込んで膨らませ、金型に密着させて、多層ボトル(多層中空容器:内容積約500cc、胴部の径80mm、高さ165mm)を得た。
尚、上記のパリソン成形から吹き込み成形時の条件は、以下の通りであった。
【0039】
Figure 0004349539
【0040】
Figure 0004349539
【0041】
得られた多層ボトルのボトル胴部の層厚み構成は、[内側]酸変性ポリオレフィン層/EVOH層/酸変性ポリオレフィン層/ポリオレフィン系樹脂層[外側]=50/50/50/80(μm)であった。
かかる多層ボトルの内側のポリオレフィン系樹脂(酸変性ポリオレフィン)層の厚み[TP]は50μmで、またEVOH層の厚み[TE]が50μmであるからこれらの比(TP/TE)は1.0で本発明の条件を満足するものであった。
また、内側層のポリオレフィン系樹脂(酸変性ポリオレフィン)の210℃、せん断速度122sec-1における溶融粘度[VP]は1450Pa・secで、EVOHの210℃、せん断速度122sec-1における溶融粘度[VE]は1250Pa・secで、その比(VP/VE)は1.16であった。
得られた多層ボトルについて以下の評価を行った。
【0042】
(外観性▲1▼)
得られた多層ボトルの胴部内側を目視観察して、以下の通り評価した。
○ ・・・ ボトル内側表面は平滑であり縦スジや凹凸は認められない
△ ・・・ ボトル内側表面に縦スジや凹凸が若干認められる
× ・・・ ボトル内側表面に縦スジや凹凸が著しく認められる
(外観性▲2▼)
得られた多層ボトルの胴部外側を光源を通して目視観察して、以下の通り評価した。
○ ・・・ ボトル外側表面に縦スジや凹凸の模様は認められない
△ ・・・ ボトル外側表面に縦スジや凹凸の模様が僅かに浮き上がって認められ商品価値に若干劣る
× ・・・ ボトル外側表面に縦スジや凹凸の模様が浮き上がって認められ商品価値に著しく劣る
【0043】
(香気成分バリア性)
多層ボトルにl−メントールの1%水溶液を入れて密封した後、2リットルのガラス容器に入れて密栓して23℃で保管して、その香気成分バリア性能を以下の通り評価した。
○ ・・・ 試験開始2ヶ月後においてもガラス容器中にl−メントールの香りは感知されなかった
△ ・・・ 試験開始1ヶ月後にはガラス容器中にl−メントールの香りが多少漏れ出した
× ・・・ 試験開始1週間後にはガラス容器中にl−メントールの香りが漏れ出した
【0044】
(香気成分非吸着性)
多層ボトルに市販の果汁100%のオレンジジュース(香気成分としてd−リモネン含有)を入れて密封した後、5℃で保管して、その香気成分の非吸着性能を以下の通り評価した。
○ ・・・ 試験開始2ヶ月後においても新鮮なオレンジジュースの味・香りと同じであった
△ ・・・ 試験開始1ヶ月後には新鮮なオレンジジュースの味・香りとは多少異なっていた
× ・・・ 試験開始1週間後には新鮮なオレンジジュースの味・香りとは異なっていた
【0045】
実施例2
実施例1において、EVOH[日本合成化学工業社製『ソアノールET3803B』、エチレン含有量38モル%、ケン化度99.6モル%、MFR3.2g/10min(210℃、荷重2160g)]、ポリオレフィン系樹脂(HDPE、日本ポリケム社製『ノバテックHD HB431』)、酸変性ポリオレフィン(無水マレイン酸変性ポリエチレン、三菱化学社製『モディックAPL502』)を用いた以外は同様に行って多層ボトルを得て、同様に評価を行った。
得られた多層ボトルのボトル胴部の層厚み構成は、[内側]酸変性ポリオレフィン層/EVOH層/酸変性ポリオレフィン層/ポリオレフィン系樹脂層[外側]=50/50/50/850(μm)であった。
かかる多層ボトルの内側のポリオレフィン系樹脂層の厚み[TP]は50μmで、またEVOH層の厚み[TE]が50μmであるからこれらの比(TP/TE)は1.0で本発明の条件を満足するものであった。
尚、該酸変性ポリオレフィンの210℃、せん断速度122sec-1における溶融粘度[VP]は1410Pa・secで、EVOHの210℃、せん断速度122sec-1における溶融粘度[VE]は1470Pa・secで、その比(VP/VE)は0.96であった。
【0046】
実施例3
実施例1に準じて、[内側]ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン、日本ポリケム社製『ノバテックPP EA80A』)50部と酸変性ポリオレフィン(ポリプロピレン系、三菱化学社製『モディックAP P503』)50部のブレンド物層/EVOH(実施例1に同じ)層/酸変性ポリオレフィン(ポリプロピレン系、三菱化学社製『モディックAP P503』)層/ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン、日本ポリケム社製『ノバテックPP EA80A』)層[外側]の多層ボトル(多層中空容器)を得て、同様に評価した。
尚、得られた多層ボトルの胴部の層厚み構成は、[内側]ポリオレフィン系樹脂と酸変性ポリオレフィンのブレンド物層/EVOH層/酸変性ポリオレフィン層/ポリオレフィン系樹脂層[外側]=30/60/30/800(μm)であった。
かかる多層ボトルの内側のポリオレフィン系樹脂と酸変性ポリオレフィンのブレンド物層の厚み[TP]は30μmで、またEVOH層の厚み[TE]が60μmであるからこれらの比(TP/TE)は0.5で本発明の条件を満足するものであった。
また、内側層のポリオレフィン系樹脂と酸変性ポリオレフィンのブレンド物の210℃、せん断速度122sec-1における溶融粘度[VP]は1350Pa・secで、EVOHの210℃、せん断速度122sec-1における溶融粘度[VE]は1250Pa・secで、その比(VP/VE)は1.08であった。
【0047】
実施例4
実施例1に準じて、[内側]ポリオレフィン系樹脂(実施例1に同じ)層/酸変性ポリオレフィン(実施例1に同じ)層/EVOH(実施例1に同じ)層/酸変性ポリオレフィン(同上)層/ポリオレフィン系樹脂(同上)層[外側]の多層ボトル(多層中空容器)を得て、同様に評価した。
尚、得られた多層ボトルの胴部の層厚み構成は、[内側]ポリオレフィン系樹脂層/酸変性ポリオレフィン層/EVOH層/酸変性ポリオレフィン層/ポリオレフィン系樹脂層[外側]=20/20/40/20/80(μm)であった。
かかる多層ボトルの内側のポリオレフィン系樹脂層の厚みと酸変性ポリオレフィン層の厚みの合計[TP]は40μmで、またEVOH層の厚み[TE]が μmであるからこれらの比(TP/TE)は1.0で本発明の条件を満足するものであった。
また、内側層のポリオレフィン系樹脂の210℃、せん断速度122sec-1における溶融粘度[VP]は1350Pa・secで、EVOHの210℃、せん断速度122sec-1における溶融粘度[VE]は1250Pa・secで、その比(VP/VE)は1.08であった。さらに、該酸変性ポリオレフィンの210℃、せん断速度122sec-1における溶融粘度[VP]は1250Pa・secで、EVOHの溶融粘度[VE]との比(VP/VE)は1.0であった。
【0048】
実施例5
実施例1に準じて、[内側]酸変性ポリオレフィン(実施例1に同じ)層/EVOH(実施例1に同じ)層/酸変性ポリオレフィン(同上)層/リグラインド(再生スクラップ)層/ポリオレフィン系樹脂(同上)層[外側]の多層ボトル(多層中空容器)を得て、同様に評価した。ただし、リグラインド層には実施例1で得られた多層ボトルの粉砕物を使用した。
尚、得られた多層ボトルの胴部の層厚み構成は、[内側]酸変性ポリオレフィン層/EVOH層/酸変性ポリオレフィン層/リグラインド層/ポリオレフィン系樹脂層[外側]=30/30/20/400/400(μm)であった。
かかる多層ボトルの内側の酸変性ポリオレフィン層の厚み[TP]は30μmで、またEVOH層の厚み[TE]が30μmであるからこれらの比(TP/TE)は1.0で本発明の条件を満足するものであった。
また、内側層の酸変性ポリオレフィンの210℃、せん断速度122sec-1における溶融粘度[VP]は1250Pa・secで、EVOHの210℃、せん断速度122sec-1における溶融粘度[VE]は1250Pa・secで、その比(VP/VE)は1.0であった。
【0049】
実施例6
実施例1に準じて、[内側]ポリオレフィン系樹脂と酸変性ポリオレフィンのブレンド物(実施例3に同じ)層/EVOH(実施例3に同じ)層/酸変性ポリオレフィン(実施例3に同じ)層/リグラインド(再生スクラップ)層/ポリオレフィン系樹脂(実施例3に同じ)層[外側]の多層ボトル(多層中空容器)を得て、同様に評価した。ただし、リグラインド層には実施例3で得られた多層ボトルの粉砕物を使用した。
尚、得られた多層ボトルの胴部の層厚み構成は、[内側]ポリオレフィン系樹脂と酸変性ポリオレフィンのブレンド物層/EVOH層/酸変性ポリオレフィン層/リグラインド層/ポリオレフィン系樹脂層[外側]=20/30/20/400/400(μm)であった。
かかる多層ボトルの内側のポリオレフィン系樹脂と酸変性ポリオレフィンのブレンド物層の厚み[TP]は20μmで、またEVOH層の厚み[TE]が30μmであるからこれらの比(TP/TE)は0.67で本発明の条件を満足するものであった。
尚、該ポリオレフィン系樹脂と酸変性ポリオレフィンのブレンド物の210℃、せん断速度122sec-1における溶融粘度[VP]は1350Pa・secで、EVOHの210℃、せん断速度122sec-1における溶融粘度[VE]は1250Pa・secで、その比(VP/VE)は1.08であった。
【0050】
実施例7
実施例1に準じて、[内側]ポリオレフィン系樹脂(実施例1に同じ)層/酸変性ポリオレフィン(実施例1に同じ)層/EVOH(実施例1に同じ)層/酸変性ポリオレフィン(同上)層/リグラインド(再生スクラップ)層/ポリオレフィン系樹脂(同上)層[外側]の多層ボトル(多層中空容器)を得て、同様に評価した。ただし、リグラインド層には実施例4で得られた多層ボトルの粉砕物を使用した。
尚、得られた多層ボトルの胴部の層厚み構成は、[内側]ポリオレフィン系樹脂層/酸変性ポリオレフィン層/EVOH層/酸変性ポリオレフィン層/ポリオレフィン系樹脂層[外側]=20/20/40/20/800(μm)であった。
かかる多層ボトルの内側のポリオレフィン系樹脂層の厚みと酸変性ポリオレフィン層の厚みの合計[TP]は40μmで、またEVOH層の厚み[TE]が40μmであるからこれらの比(TP/TE)は1.0で本発明の条件を満足するものであった。
尚、内側層のポリオレフィン系樹脂の210℃、せん断速度122sec-1における溶融粘度[VP]は1450Pa・secで、EVOHの210℃、せん断速度122sec-1における溶融粘度[VE]は1250Pa・secで、その比(VP/VE)は1.16であった。さらに、該酸変性ポリオレフィンの210℃、せん断速度122sec-1における溶融粘度[VP]は1250Pa・secで、EVOHの溶融粘度[VE]との比(VP/VE)は1.0であった。
【0051】
比較例1
実施例1において、内側のポリオレフィン系樹脂(酸変性ポリオレフィン)層の厚み[TP]を0.5μmにした以外は同様に行って多層ボトルを得て、同様に評価を行った。
【0052】
比較例2
実施例1において、内側のポリオレフィン系樹脂(酸変性ポリオレフィン)層の厚み[TP]を200μmにした以外は同様に行って多層ボトルを得て、同様に評価を行った。
【0053】
比較例3
実施例1において、内側のポリオレフィン系樹脂(酸変性ポリオレフィン)層の厚み[TP]を5μmにし、更にEVOH層の厚み[TE]を150μmとして、比(TP/TE)を0.03とした以外は同様に行って多層ボトルを得て、同様に評価を行った。
【0054】
比較例4
実施例1において、内側のポリオレフィン系樹脂(酸変性ポリオレフィン)層の厚み[TP]を100μmにし、更にEVOH層の厚み[TE]を10μmとして、比(TP/TE)を10とした以外は同様に行って多層ボトルを得て、同様に評価を行った。
実施例及び比較例の評価結果を表1にまとめて示す。
【0055】
【表1】
Figure 0004349539
【0056】
【発明の効果】
本発明の多層中空容器は、特定の層構成を有しているため、外観性、香気成分や薬効成分に対するバリア性や非吸着性に優れており、特にそれらの成分を含有した食品、飲料、医薬品、化粧品、香料、トイレタリー製品等の包装容器(ボトル、チューブ等の中空容器)としても有用で、香水・香料の容器、ワインやオレンジジュース等の容器、レモン果汁等の容器、調味料・香辛料の容器、化粧水の容器、入浴剤(薬用を含む)の容器、芳香剤・消臭剤の容器、練り歯磨き・ゲル状歯磨きの容器、液体石鹸やシャンプー・リンス等の容器、沈痛消炎剤の容器等に有用である。

Claims (6)

  1. ポリオレフィン系樹脂層/エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物層/ポリオレフィン系樹脂層の少なくとも3層構成を有し、内側のポリオレフィン系樹脂層の厚み[TP](単位:μm)が1〜150μmであり、かつエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物層の厚み[TE](単位:μm)との比(TP/TE)が0.1〜1.0であることを特徴とする多層中空容器。
  2. 内側のポリオレフィン系樹脂層の210℃、せん断速度122sec-1における溶融粘度[VP](単位:Pa・sec)とエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の210℃、せん断速度122sec-1における溶融粘度[VE](単位:Pa・sec)の比(VP/VE)が0.4〜2.0であることを特徴とする請求項1記載の多層中空容器。
  3. ポリオレフィン系樹脂が酸変性ポリオレフィンであることを特徴とする請求項1または2記載の多層中空容器。
  4. 内側のポリオレフィン系樹脂層が酸変性ポリオレフィンを含有してなることを特徴とする請求項1または2記載の多層中空容器。
  5. 内側のポリオレフィン系樹脂層が酸変性ポリオレフィンからなり、更に該ポリオレフィン系樹脂層の内側にポリオレフィン系樹脂層を設けてなることを特徴とする請求項1または2記載の多層中空容器。
  6. 外側のポリオレフィン系樹脂層の更に外側に再生スクラップ層/ポリオレフィン系樹脂層[最外層側]の2層を積層してなることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の多層中空容器。
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