JP2005119282A - 食肉包装用フィルム - Google Patents

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恭憲 妹尾
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Abstract

【課題】真空包装適性に優れ、食肉からのドリップが目立たない真空包装用フィルム及び
それを用いた包装方法を提供する。
【解決手段】JISK7121に準拠して示差走査式熱量計(DSC)で測定した最大融解ピーク温度が、70〜100℃の範囲にある合成樹脂あるいは、該合成樹脂から主としてなるシーラント層を有するフィルムであって、JISK7125に準拠して測定した、前記シーラント層同士の動摩擦係数が1.2以下であり、しかもフィルム全体をJISK7127に準拠して測定した、1%伸張時の荷重が縦横いずれも1N/cm以上であることを特徴とする食肉包装用フィルム及び当該食肉包装用フィルムを用いて食肉を真空包装した後、加熱することを特徴とする食肉の包装方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は牛肉、豚肉等の生肉の塊(以下、「食肉」と称する。)を真空包装するのに適した食肉包装用フィルムに関するものであり、より詳しくは、包装後において肉塊から滲出する肉汁(ドリップと称す)が目立たず、外観の良い肉塊包装体を得ることができる食肉包装用フィルムに関するものである。
従来から、食肉を、酸素遮断性を有するフィルムからなる袋で真空包装し、流通する形態がとられている。このフィルムには、ポリアミド、アイオノマー、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等を使用した収縮フィルム、あるいは非収縮フィルムが適宜選択されて使用されている。しかしながら、食肉のドリップが食肉とフィルムの隙間や、包装袋のシール部分に溜まったりして外観上良好といえるものではなかった。このような問題を解決するものとして、例えば、特許文献1には、最内層樹脂がエチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体を含有するポリオレフィン系樹脂から成る多層フィルムを用いた生肉の真空包装体が記載されている。これは、当該フィルムと生肉との密着性が優れているので、生肉とフィルムとの密着性が悪いために生肉のドリップが同生肉の表面に出てきて溜り、その結果包装物が古ぼけて見えるという外観上の問題、及び場合によっては細菌の繁殖により保存性が悪くなるという従来の問題、を解決するものである。しかしながら、この包装体によってもフィルム同士の間や包装袋のシール部分にドリップの滲み出しや溜まることは防止できなかった。
従来から食肉の包装用フィルムにおいては、シーラント層同士の滑りを良くして食肉充填時のフィルム開口性や包装適性を改善するために、シーラント層にニッカリコ(登録商標)を噴霧する対応が多くとられていた。しかしながら、ニッカリコの噴霧ばらつきによる滑りのばらつきが生じたり、真空する際にニッカリコが真空ポンプに吸い取られ、機械トラブルにつながるケースがあった。
成形性、シール性に優れた柔軟な多層フィルムに関し、特許文献2には、メタロセン触媒ポリオレフィンをシール層に配置しただけではフィルム成形性、シール性に優れた柔軟な多層フィルムが得難く、更に改善の余地が残されているとして、メタロセン触媒ポリオレフィンを主成分とするシール層と、分子中に酸素原子を含む少なくとも1種の単量体とエチレンとの共重合体を含むシール補助層とからなる多層フィルムであって、シール補助層を構成する共重合体の結晶融点がシール層を構成するメタロセン触媒ポリオレフィンの結晶融点より低いことを特徴とする多層フィルムが提案されている。上記メタロセン触媒ポリオレフィンの製造に用いられるメタロセン触媒は、遷移金属をπ電子系の不飽和環状化合物で挟んだ構造を有する化合物からなる触媒を云う。金属の種類や配位子の構造を変え、特定の助触媒と組み合わせることにより、エチレン系、スチレン系、プロピレン系等各種ポリオレフィンの重合触媒として作用する。またメタロセン触媒は、Kaminsky触媒、Kaminsky−Sinn触媒、シングルサイト触媒、均一系触媒とも呼ばれる。メタロセン触媒の特徴は活性点の均一性にあり、生成するポリマーの分子量、分子量分布、組成、組成分布の均一性が高まる。例えばコモノマーの量が多いほど密度とともに融点も低くなり、フィルム強度や透明性が向上するが、耐熱性やフィルム成形性が低下する。メタロセン触媒ポリオレフィンによれば、コモノマーを主鎖に対して均一な分布で導入できるので、部分的に、特に低分子量分子にコモノマー含量が多くなるチーグラ触媒系と較べてフィルムにした際のべたつきなどの問題が生じ難く、袋に成形した場合、フィルム開口性のよい袋が得られる。特許文献2は、このようなメタロセン触媒ポリオレフィンの特徴を生かし、成形性、シール性に優れた柔軟な多層フィルムを提供するものである。
特許第2736093号公報 特開平09-099526号公報
本発明は、このような状況に鑑みなされたもので、真空包装適性に優れ、食肉からのドリップが目立たない真空包装用フィルム及びそれを用いた包装方法を提供することを目的とする。さらに、透明性に優れ、包装後低温(0〜5℃)でも破袋することがない真空包装用フィルム及びそれを用いた包装方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究を行った結果、特定のシーラント層を有する包装用フィルムを使用することにより前記課題が解決できることを見いだし本発明に至った。
すなわち本発明は、
(1)JISK7121に準拠して示差走査式熱量計(DSC)で測定した最大融解ピーク温度が、70〜100℃の範囲にある合成樹脂あるいは、該合成樹脂から主としてなる組成物からなるシーラント層を有するフィルムであって、JISK7125に準拠して測定した、前記シーラント層同士の動摩擦係数が1.2以下であり、しかもフィルム全体をJISK7127に準拠して測定した、1%伸張時の荷重が縦横いずれも1N/cm以上であることを特徴とする食肉包装用フィルム。
(2)前記合成樹脂が、エチレン−α−オレフィン共重合体であることを特徴とする(1)に記載の食肉包装用フィルム。
(3)前記合成樹脂が、メタロセン触媒を使用したエチレン−α−オレフィン共重合体であることを特徴とする(1)に記載の食肉包装用フィルム。
(4)前記合成樹脂が、酢酸ビニル含量が15〜25重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする(1)に記載の食肉包装用フィルム。
(5)前記合成樹脂に滑剤が2000ppm以上、およびアンチブロッキング剤が4000ppm以上配合されていることを特徴とする(2)、(3)または(4)に記載の食肉包装用フィルム。
(6)前記シーラント層のシール面側にエンボス加工が施されていることを特徴とする(1)乃至(6)のいずれかに記載に食肉包装用フィルム。
(7)(1)乃至(6)のいずれかに記載の食肉包装用フィルムを用いて食肉を真空包装した後、加熱することを特徴とする食肉の包装方法。
をその要旨とするものである。
本発明によれば、真空包装適性に優れ、しかも食肉を包装した後にドリップが目立たない食肉包装用フィルム及び食肉の包装方法が提供される。
すなわち、真空包装の後、包装体を加熱トンネルに通過させるなどして加熱すれば、食肉包装用フィルムのシーラント層同士が熱融着し、もはや食肉からのドリップが通過したり溜まる隙間が消滅するのである。
しかも、フィルム自体の腰がある程度以上であって、滑りがよいので真空包装時のシーラント層同士の滑り不良等によって発生する皺(隙間となる。)を抑制でき、ドリップの流路や溜まる隙間となることを防止できる。
さらに、本発明の食肉包装用フィルムはそのシーラント層同士の滑りがよいのでニッカリコを噴霧する必要がなく、滑りのばらつきが小さいものである。
本発明の食肉包装用フィルムの好ましい態様は、シーラント層を設け、そのシーラント層の上部に、バリア層および接着層を設け、さらにその上部に最外層を設けた構成になっており、JISK7125に準拠して測定した、前記シーラント層同士の動摩擦係数が1.2以下であり、しかもフィルム全体をJISK7127に準拠して測定した、1%伸張時の荷重が縦横いずれも1N/cm以上であることを特徴とする。
本発明の食肉包装用フィルムのシーラント層を主として構成する合成樹脂としては、最大融解ピーク温度が70〜100℃の範囲にあるものであれば特に制限はないが、例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体〔直鎖状低密度ポリエチレン(LL、LLDPE)とも呼ばれている〕、エチレン−酢酸ビニル共重合体、超低密度ポリエチレン、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−メタクリル酸重合体等の軟質ポリオレフィン系樹脂が好適に使用される。中でも、メタロセン触媒を使用したエチレン−α−オレフィン共重合体、酢酸ビニル含量が15〜25重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体が最適である。なお、本発明におけるシーラント層を主として構成する合成樹脂とは、概ね、シーラント層中の当該合成樹脂の占める割合60wt%以上、好ましくは80wt%以上であることを意味しており、上記合成樹脂に、例えば、エチレンと不飽和化合物との共重合体、低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体等のポリエチレン系樹脂等を前述した範囲内で適宜混合することも勿論可能である。
ここで、本発明において最大融解ピーク温度が70〜100℃の範囲のものを使用するのは、食肉を真空包装した後、比較的低温で加熱した場合であってもシーラント層同士を熱融着(ブロッキング状態も含む。)させることを可能にするためである。最大融解ピーク温度が100℃を超える合成樹脂ではシーラント層同士を熱融着させる際に非常に高熱量が要求されることとなるが、これは内容物が生肉であることから好ましくない。また、最大融解ピーク温度が70℃未満の合成樹脂の場合、高温時にベタついたり、ブロッキングしたり、或いは滑りや口開き性が悪くなったりするので好ましくない。
また、シーラント層の厚みは5〜30μmとすることが望ましい。シーラント層の厚みが5μm未満では、袋にした場合のヒートシール強度が不足する恐れがあるので好ましくない。逆に、シーラント層の厚みを30μm以上とした場合は全体厚みに対するシーラント層の厚みが大きくなりすぎるので包装袋として必要な機能を付与するためには全体厚みを厚くする必要が生じ、コストアップ等の原因ともなるので好ましくない。
更に、本発明の食肉包装用フィルムにおけるシーラント層は、シーラント層同士の動摩擦係数が1.2以下、より好ましくは1.0以下、さらに好ましくは0.8以下である必要がある。シーラント層同士の動摩擦係数が1.2を超えると、真空包装時にシーラント層同士の滑りが悪くて皺が発生し易くなったり、エアー残りを生じたりする。その結果、加熱しても皺やエアー残りの部分が融着しないのでドリップの流路や隙間を残存させてしまう結果となり好ましくない。更にまた、動摩擦係数が1.2を超えると食肉充填時の開口性や包装適性が悪くなる等の問題も生じるので好ましくない。
シーラント層にシーラント層同士の動摩擦係数が1.2以下なるように滑り性を付与するには、公知の滑剤、アンチブロッキング剤を共に配合するのが有効である。公知の滑剤としては、ポリエチレンワックス等の炭化水素系滑剤、ステアリルアルコール、ステアリン酸等の脂肪酸系、脂肪族アルコール系滑剤、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の脂肪族アマイド系滑剤、ステアリン酸Ca、ステアリン酸Zn、ステアリン酸Mg,ステアリン酸Pb等の金属せっけん系滑剤、ステアリン酸モノグリセライド、ステアリン酸ブチル、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ステアリルステアレート等のエステル系滑剤が挙げられる。
また公知のアンチブロッキング剤としては、合成シリカ、天然シリカ、合成ゼオライト、天然ゼオライト、ポリマービーズ等が挙げられる。
本発明においてはシーラント層の厚みが5〜30μの場合で、前記合成樹脂が、メタロセン触媒を使用したエチレン−α−オレフィン共重合体であるとき、概ね滑剤の濃度は2000ppm以上、アンチブロッキング剤は4000ppm以上、酢酸ビニル含量が15〜25重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体であるとき、概ね滑剤の濃度は3000ppm以上、アンチブロッキング剤は5000ppm以上、とすると非常に効果的に動摩擦係数を小さくすることが可能である。
また、シーラント層の動摩擦係数を小さくする方法として上記添加剤を配合するものの他にシール面側にエンボス加工を施して表面に極めて微細な凹凸を付与することも有効な方法である。
さらに、本発明の食肉包装用フィルムはフィルム全体としての1%伸張時の荷重が縦横いずれも1N/cm以上であることが重要である。1%伸張時の荷重が1N/cm未満であると真空包装時に皺が発生しやすくなり、しかも、その際生じた皺がドリップの流路やドリップが溜まる隙間となるので好ましくない。好ましい、1%伸張時の荷重は1〜3N/cmである。1%伸張時の荷重が3N/cmを超えると、全体に腰がありすぎて複雑な形状の食肉に対する追従性が低下し、隙間の発生の原因となるので好ましくない。
また本発明の食肉包装用フィルムは、内容物の腐敗を避ける目的で、ガスバリア性、とりわけ酸素バリア性を備えているバリア層を設けていることが望ましい。ガスバリア性を有する合成樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエステル、ポリアミド等が挙げられるが、中でもエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)が最適である。このガスバリア性を有する合成樹脂から構成される層の厚みは1〜20μmの範囲にあることが望ましい。
さらに本発明の食肉包装用フィルムは、フィルム強度を上げるために、ポリアミドやポリエステルからなる合成樹脂層を含むことが望ましい。ポリアミドとしては、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン12,12、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12等のホモポリマー、ナイロン6/ナイロン6,6、ナイロン6,6/ナイロン6,10、ナイロン6,6/ナイロン6,12、ナイロン6/ナイロン6,10、ナイロン6/ナイロン12等のコポリマーが挙げられ、一種以上組み合わされて用いられるが、中でも耐ピンホール性に優れるナイロン6/ナイロン6,6、ナイロン6,6/ナイロン6,10、ナイロン6,6/ナイロン6,12、ナイロン6/ナイロン6,10、ナイロン6/ナイロン12等のコポリマーが、とりわけナイロン6/ナイロン6,6が好ましい。ポリアミド層の厚みは、5〜20μmの範囲にあることが望ましい。
ここで前記したポリエステルは、ジオールとジカルボン酸とから縮重合によって得られるポリマーであり、ジカルボン酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等で代表されるものであり、またジオールは、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等で代表されるものである。具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(ポリエチレンナフタレート)等を使用することができる。これらのポリエステルは、ホモポリエステルであっても、コポリエステルであってもよく、共重合成分として、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール等のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成分を用いたものを用いることもできる。
また本発明の食肉包装用フィルムは、低温時の破袋を防止するために、最外層にエチレン−α−オレフィン共重合体を使用することが好ましい。特に、柔軟性の面から低密度のものがよい。密度が高くなると、フィルムが硬くなり、衝撃に対して弱い。ただし、密度が低くても、外面同士が融着してはならない。破袋防止と、外面融着防止の兼ね合いで該当するエチレン−α−オレフィン共重合体が決められる。
また、食肉を真空包装する方法としては、例えば、市販の真空包装機に上述した食肉包装用フィルムを用いて食肉を真空包装し、次いで加熱する方法が挙げられる。ここで、真空包装した後で加熱するのは袋の内面を構成するシーラント層同士を融着させることを目的とするものであり、通常の熱風トンネル等を用いるのが好ましい。また、その際の温度としては、内容物である生肉に影響を与えない程度であって、袋のシーラント層同士が融着、若しくはブロッキングする温度であれば特に制限はないが70〜120℃で1〜10秒程度通過させるのが一般的である。
以下実施例により本発明をより詳細に説明する。合成樹脂としては次に示すものを用い、次に示すごとく略称する。
Ny:ナイロン6/ナイロン6,6(宇部興産(株)製、5023B)
PET−G:非晶性ポリエステル樹脂(イーストマンケミカル社製、PETG6763)
EVOH:エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物((株)クラレ製、T101B)
Ad:接着性樹脂(三井化学(株)製、アドマー NF518)、
EVA1:エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル(株)製、V430RC、酢酸ビニル含量:19重量%、最大融解ピーク温度:84℃)
EVA2:EVA1に滑剤としてエルカ酸アミド6000ppm、アンチブロッキング剤としてシリカ10000ppm添加したもの。
LL:エチレン−α−オレフィン共重合体(三井住友ポリオレフィン(株)製、2022L、最大融解ピーク温度:125℃)
LL1:エチレン−α−オレフィン共重合体(宇部興産(株)製、ユメリット0540F、最大融解ピーク温度:93℃)
LL2:エチレン−α−オレフィン共重合体(宇部興産(株)製、ユメリット2525F、最大融解ピーク温度:122℃)
LL3:エチレン−α−オレフィン共重合体(宇部興産(株)製、ユメリット2040FC、最大融解ピーク温度:117℃)
[実施例1〜3、比較例1]
表1に示す層構成で、700mm幅のTダイキャスト機を用いて共押出法により、多層フィルムを作製した。作成した多層フィルムについて、JISK7125に準拠してシーラント層同士の動摩擦係数を測定するとともに、JISK7127に準拠して1%伸長時の荷重を測定した。また以下の方法で食肉の真空包装適性を評価した。この結果を表2に示す。
<食肉の真空包装適性評価方法>
卓上真空包装機を用いて牛生肉のブロック(約2kg)を真空包装した。その包装体のシール部の状態、及び真空の仕上がり状態を目視でチェックすることにより包装適性を評価した。
その後、包装体をシュリンクトンネルに、85℃、6秒の条件下で通過させた。次いで、この包装体を5℃の保冷庫に7日間保管後、食肉からのドリップ滲出の有無と量を評価した。これらの結果を同じく表2に示す。
表2に示すように、実施例1〜3に係る本発明の食肉包装用フィルムは包装適性も良く、また皺の発生も少なかった。また、包装袋の内面のシーラント層同士が融着していてドリップの滲出も見られなかった。一方、動摩擦係数が2.5である比較例1に係るフィルムは滑りが悪いため包装後に皺が多く発生し、ドリップの発生も見られるなど食肉包装用フィルムとしては不適切であった。更に、1%伸張時の荷重が1N/cm未満であり、動摩擦係数が1.2を超え、しかもシーラント層に用いた合成樹脂の融解ピーク温度が125℃と高い比較例2に係るフィルムは滑りが悪い上に腰が弱いので包装適性が悪く、また包装後の皺が多かった。そして、多量の皺の発生と、シーラント層同士が加熱によっても融着しないことが原因で多量のドリップの発生が見られた。
[実施例4、比較例3〜5]
表3に示す層構成で、700mm幅のTダイキャスト機を用いて共押出法により、多層フィルムを作製した。作成した多層フィルムについて、JISK7125に準拠してシーラント層同士の動摩擦係数を測定するとともに、JISK7127に準拠して1%伸長時の荷重を測定した。
また以下の方法で食肉の真空包装適性を評価した。この結果を表4に示す。
<食肉の真空包装適性評価方法>
卓上真空包装機を用いて牛生肉のブロック(約2kg)を真空包装した。その包装体のシール部の状態、及び真空の仕上がり状態を目視でチェックすることにより包装適性を評価した。
その後、包装体をシュリンクトンネルに、85℃、6秒の条件下で通過させた。次いで、この包装体を5℃の保冷庫に7日間保管後、食肉からのドリップ滲出の有無と量を評価した。これらの結果を同じく表4に示す。
そのほか食肉包装用フィルムについて、ヘーズ、落袋試験、引裂荷重の試験をした。その結果を表5に示す。
測定方法
I) ヘーズ : JIS K 7105 A法に準拠して測定
II)落袋試験、
1)落袋試験(食肉包装用フィルム)
袋 : 900mm×450mm ・・ 三方シール
内容物 : 牛もも肉(ブロック) ・・ 10kg
2)落下サンプルの作成
(i) 牛もも肉を袋の中央部付近に入れ、真空包装機にて真空包装を行う。
(ii) 包装体を85℃に設定した収縮トンネルを、6秒間通過させ、袋の内面同士を融着させる。
(iii) 5℃の保冷庫に24時間保管する。
3)落下テスト
(i) 5℃の保冷庫内で、包装体を1.2mの高さから水平に落下させる。
(ii) 落下後、3分間静置する。
(iii) ピンホール発生の有無を目視で確認する。
4)落下テストの評価
○:落下テストを7回繰り返しても、ピンホールが発生しない。
×:7回以内で、ピンホールが発生。
※最終的に×評価のものは、2〜3回落下させるとピンホールが発生する。
真空包装されているので、ピンホールが発生するとフィルムと肉の間に空気が入り、目視で容易に確認できる。
III) 引裂荷重 : JIS K 7128に準拠して測定。
表4に示すように、実施例4に係る本発明の食肉包装用フィルムは包装適性も良く、また皺の発生も少なかった。また、包装袋の内面のシーラント層同士が融着していてドリップの滲出も見られなかった。一方、シーラント層がLL3である比較例3に係るフィルムは包装袋の内面のシーラント層同士の融着が十分でなくドリップの発生が見られるなど食肉包装用フィルムとしては不適切であった。更に、シーラント層がEVA2である比較例4に係るフィルムは落袋強度が弱く、低温保管中などにおいて取扱中に落下すると、破袋するおそれがある。また、低温時の引裂荷重(縦方向)が弱く、EVAは縦横の強度のバランスがよくない。最外層がLL3である比較例5に係るフィルムは、外面同士が融着するため食肉包装用フィルムとしては不適切であった。
以上説明したように、本発明の食肉包装用フィルムは食肉を真空包装するのに適した食肉包装用フィルムを提供する。また、包装後において食肉から滲出するドリップが目立たず、外観の良い食肉包装体を得ることができる。

Claims (7)

  1. JISK7121に準拠して示差走査式熱量計(DSC)で測定した最大融解ピーク温度が、70〜100℃の範囲にある合成樹脂あるいは、該合成樹脂から主としてなるシーラント層を有するフィルムであって、JISK7125に準拠して測定した、前記シーラント層同士の動摩擦係数が1.2以下であり、しかもフィルム全体をJISK7127に準拠して測定した、1%伸張時の荷重が縦横いずれも1N/cm以上であることを特徴とする食肉包装用フィルム。
  2. 前記合成樹脂が、エチレン−α−オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の食肉包装用フィルム。
  3. 前記合成樹脂が、メタロセン触媒を使用したエチレン−α−オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の食肉包装用フィルム。
  4. 前記合成樹脂が、酢酸ビニル含量が15〜25重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の食肉包装用フィルム。
  5. 前記合成樹脂に滑剤が2000ppm以上、およびアンチブロッキング剤が4000ppm以上配合されていることを特徴とする請求項2、3または4に記載の食肉包装用フィルム。
  6. 前記シーラント層のシール面側にエンボス加工が施されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載に食肉包装用フィルム。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の食肉包装用フィルムを用いて食肉を真空包装した後、加熱することを特徴とする食肉の包装方法。











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