JPH06155678A - ストレッチラップ多層フィルム - Google Patents

ストレッチラップ多層フィルム

Info

Publication number
JPH06155678A
JPH06155678A JP31334792A JP31334792A JPH06155678A JP H06155678 A JPH06155678 A JP H06155678A JP 31334792 A JP31334792 A JP 31334792A JP 31334792 A JP31334792 A JP 31334792A JP H06155678 A JPH06155678 A JP H06155678A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intermediate layer
weight
film
ethylene
vinyl acetate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP31334792A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2894121B2 (ja
Inventor
Hisashi Oe
尚志 大江
Masaaki Matsushita
正明 松下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=18040160&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH06155678(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP31334792A priority Critical patent/JP2894121B2/ja
Publication of JPH06155678A publication Critical patent/JPH06155678A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2894121B2 publication Critical patent/JP2894121B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Wrappers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルムが本来有する粘着性、透明性、引裂
強度を損なうことなく、弾性回復性がすぐれ、且つヒー
トシール温度範囲の広い、包装特性のすぐれたストレッ
チラップ多層フィルムを提供する。 【構成】 ポリプロピレン系樹脂とスチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体の水素添加物とからなる樹脂組成物
を中間層とし、該中間層の両側にエチレン−酢酸ビニル
共重合体を積層して三層から構成されたストレッチラッ
プ多層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多層フィルムに関し、更
に詳しくは透明性が良く、適度な粘着性があり、引裂強
度のバランスが良く、弾性回復性に優れ、包装時に皺、
弛みの発生が無く包装でき、特にヒートシール温度範囲
が広い食品包装用ストレッチラップフィルムに関するも
のである。
【0002】
【従来技術のおよび問題点】野菜、肉、鮮魚等の生鮮食
品を直接またはトレーに載せた状態でストレッチ包装す
るためのプリパッケージ用フィルムとしては、従来のポ
リ塩化ビニル系フィルムに代わり、ポリプロピレン、低
密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンやエチレン
−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂組成物
のストレッチラップフィルムが多数開発されている。
【0003】ポリオレフィン系のストレッチラップ多層
フィルムは、粘着性、耐寒性、耐突き刺し性等を考慮し
て一般的に中間層にエチレン−α−オレフィン共重合体
を使用し、この層の両側にエチレン−酢酸ビニル共重合
体を積層した物が多い。しかし、これらは包装時の仕上
がり、包装後の防曇性については優れているが、ヒート
シール温度範囲が狭いため、完全に密封できる包装条件
も狭くなり、取り扱い辛く問題が発生する原因になって
いる。
【0004】ここで言うヒートシール温度範囲とは、ヒ
ートシール時に熱融着を開始する温度からピンホールが
発生する温度以下までの範囲である。つまり、熱融着を
開始する温度はあまり低温過ぎると取り扱いが困難とな
るため80℃前後が好ましく、ピンホールが発生する温
度は高い方が好ましい。何故なら、熱融着が充分でない
と融着していない部分から内容物の汁が外に出てしまう
とともに包装の重なりあった部分が剥離してしまい、ま
たピンホールが発生した場合にも内容物の汁漏れの原因
になるため、この温度範囲が広いことが包装適性で非常
に重要な点となっている。
【0005】また、トレーなどに乗せ包装した物を店頭
で段積みしたり、客が包装された内容物を確認するため
に指で押さえた場合、弾性回復性が小さいために、部分
的に押された部分が回復せずそのまま跡が残ってしま
い、商品価値を低下させてしまう問題がある。
【0006】従って、ポリオレフィン系樹脂組成物のス
トレッチラップフィルムの場合、ポリ塩化ビニル系スト
レッチフィルムと比較すると、包装後の重なり合わせた
部分が剥離しないようにするヒートシール時の問題と弾
性回復性が劣る問題がある。つまり、透明性、粘着性お
よび引裂強度が良好で、包装時に皺、弛みの発生しない
良好な状態を保ったままで、弾性回復性を改良し、特に
ヒートシール温度範囲を広くすることが非常に重要であ
る。しかし、従来開発されたストレッチラップ包装用フ
ィルムでは、この点を充分満足出来る物が無い。
【0007】例えば、特開昭61−44635号公報で
はプロピレンとエチレン及びC4 〜C8 のα−オレフィ
ンの少なくとも1種とのプロピレン−α−オレフィンラ
ンダム共重合体を中間層に、エチレン−酢酸ビニル共重
合体を外層とするストレッチ包装用フィルムが提案され
ている。また、特公平02−1668号公報ではポリプ
ロピレン系樹脂と低結晶性エチレン−α−オレフィン共
重合体とを配合した樹脂組成物を中間層に、エチレン−
酢酸ビニル共重合体を外層とする多層フィルムが提案さ
れている。更に、特開昭62−51440号公報ではブ
ロック共重合体の水素添加誘導体として、スチレン−ブ
タジエンブロック共重合体を中間層に、エチレン−酢酸
ビニル共重合体を外層とするストレッチ包装用フィルム
が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特開昭61−4463
5号公報では、プロピレン−エチレン−ブテン−1ラン
ダム共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合
体、プロピレン−ヘキセン−1ランダム共重合体を伸長
性、柔軟性、引裂強度の改良を目的に中間層に使用して
いるが、α−オレフィン含有量が4〜19重量%と比較
的高濃度であり、トレー包装において角部が破れること
なく良好な包装が出来ることを確認しているに過ぎず、
ヒートシール温度範囲を広げ、優れた弾性回復性を得る
点については不十分である。
【0009】特公平02−1668号公報では、特に耐
寒性、剛性の改良を目的になされ、実際にはホモポリプ
ロピレン樹脂に低結晶性エチレン−α−オレフィン共重
合体、つまりゴム成分を使用し剛性を保つためにポリプ
ロピレン系樹脂78〜90重量%と高濃度にしている。
しかしながら、ストレッチラップ多層フィルムの場合、
本件の様に剛性が高いと皺、弛みが発生するために良好
な包装物を得ることは困難である。
【0010】特開昭62−51440号公報では、特に
変形回復性の改良を目的になされ、スチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体の水素添加物を主成分とし、軟化剤
として非芳香族系の鉱物油、液状もしくは低分子量の合
成軟化剤、パラフィン系オイルをスチレン−ブタジエン
ブロック共重合体100重量部に対して300重量部以
下となるように添加した組成物を中間層としているが、
包装性で重要なヒートシール温度範囲を広げる点につい
ては不十分である。
【0011】
【発明の目的】本発明の目的は、従来のストレッチラッ
プ多層フィルムと類似するものの、前記の問題点を解決
し、特に従来のフィルムが有していた粘着性、透明性、
引裂強度等を損なうことなくフィルムの弾性回復性を改
良し、色々な自動突き上げ式包装機、ピロー包装機、手
動包装において皺、弛み等の発生がなく良好な包装物が
得られ、特にヒートシール時における低温での熱融着性
が優れ、ピンホールが発生する温度を高温側になるよう
ヒートシール温度範囲を広くしたフィルムを提供するこ
とにある。
【0012】
【問題点を解決するための手段】そこで、他の特性を悪
化させることなく、この問題を解決する手段として高温
側にヒートシール温度範囲を広げ、優れた弾性回復性を
得ることを目的に鋭意研究を重ねて来た結果、 (1)低温側のヒートシール性確保のため、内外層はエ
チレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とする。 (2)中間層の樹脂を融点の高いポリプロピレン系樹脂
を選択し、高温側のヒートシール温度範囲を広げる。 (3)熱可塑性エラストマーの中から成形安定性が良
く、食品衛生上も問題の無いスチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体水素添加物(以下SEBSと略す)を選択
し、適度な弾性回復性を付与する。 ことを見い出し、本発明に到達した。
【0013】すなわち、本発明は、融点が140℃以上
でメルトインデックスが1〜10g/10分(230
℃)のプロピレン系樹脂を主成分とする樹脂組成物75
〜35重量%と、スチレン−ブタジエンブロック共重合
体の水素添加物(SEBS)25〜65重量%を混合し
てなる樹脂組成物を中間層とし、該中間層の両側に酢酸
ビニル含有量8〜25重量%で、メルトインデックス
0.2〜8g/10分(190℃)であるエチレン−酢
酸ビニル共重合体を主成分とする層を積層し三層を構成
してなるフィルムのTD方向(成形方向と直交する方
向)の平均接線弾性率が14kg/cm2 以上で、引張
弾性率が400〜2000kg/cm2 でかつヒートシ
ール温度範囲が40℃以上のストレッチラップ多層フィ
ルムを提供することにある。
【0014】本発明の中間層の一方の樹脂組成物である
融点140℃以上のポリプロピレン系樹脂を主成分とす
る樹脂組成物を使用することにより、高温側にヒートシ
ール温度範囲を広げたフィルムを提供できる。融点が1
40℃未満の場合には、ヒートシール温度範囲の増幅が
小さく、安定して充分なヒートシール温度範囲を得るこ
とが難しい。この様な融点が140℃以上のポリプロピ
レン系樹脂としてはエチレン含有率4重量%未満のプロ
ピレン−エチレンランダム共重合体およびその他のプロ
ピレン−α−オレフィンランダム共重合体等がある。
【0015】メルトインデックスを1〜10g/10分
(230℃)に限定した理由は、1g/10分未満だと
押出時に混練不良を起こし透明性が悪くなり、10g/
10分を超えると成形時のフィルムの安定性が悪く、品
質も安定せず強度も低下してしまう。また、ポリプロピ
レン系樹脂が35重量%未満の場合には、ヒートシール
温度範囲の高温側が低下してしまい、75重量%を超え
るとフィルムが硬くなり、包装時に皺、弛みの発生が多
発し満足できる包装適性が得られなくなる。
【0016】中間層の他方の樹脂組成物として熱可塑性
エラストマーであるSEBSを使用する。この樹脂は、
室温域では同じ分子内に不連続な状態でポリスチレン部
が、連続した状態でポリブタジエン部とが存在する様な
特殊な構造のため、ポリスチレン部が非常に小さな粒径
であり、可視光を散乱させず、透明性を保持出来る。ま
た、実際成形を行う温度域ではポリプロピレン、ポリエ
チレンと同様に溶融することによりフィルムにすること
ができ、該ストレッチラップ多層フィルムの弾性回復性
を効果的に付与することが出来る。
【0017】また、熱可塑性エラストマーとしてSEB
Sの使用は、ポリプロピレン、ポリエチレンと相溶性が
良く同様に取り扱うことが出来、成形時の熱安定性、食
品衛生上問題がない。この様な樹脂としては、シェルジ
ャパン社のクレイトンG1652、G1657や旭化成
社のタフテックH1041、H1052、H1071等
のメルトインデックス15g/10分(200℃/5k
g)以下で、スチレン含有量8〜35重量%の物が透明
性、弾性回復性および成形安定性を確保するために好ま
しい。
【0018】SEBSの添加量は25〜65重量%が、
好ましくは30〜60重量%であることが好ましい。な
ぜなら、中間層樹脂組成物中のSEBS添加量が25重
量%未満だと弾性回復性において充分な改良効果が得ら
れず、65重量%を越えると他方の樹脂であるポリプロ
ピレンの含有量が少なくなるため、ヒートシール温度範
囲の高温側の低下が大きくなり、充分な包装適性を有し
たフィルムを得ることが困難になるためである。
【0019】本発明の内外層であるエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体としては、酢酸ビニル含量8〜25重量%、
メルトインデックス0.2〜8g/10分(190
℃)、好ましくは0.5〜5g/10分(190℃)が
良い。これは、酢酸ビニル含有量が8重量%未満になる
と粘着性が出現せず、弾性回復性が低下し、熱融着を開
始する温度が高くなり、25重量%を超えると粘着性が
強すぎて包装適性が悪くなる。メルトインデックスが
0.2g/10分未満では押し出し加工性が低下し、8
g/10分を超えるとフィルムの成形安定性が低下しフ
ィルムの物性も安定しない。
【0020】更にまた、耐熱性を改良するために、融点
140℃以上、メルトインデックス1.0〜10g/1
0分(230℃)のプロピレン−エチレンランダム共重
合体または密度0.895〜0.935g/cm3 で、
メルトインデックス0.5〜5g/10分(190℃)
のエチレン−α−オレフィン(C4 〜C8 )共重合体等
を添加しても良い。
【0021】本発明のストレッチラップフィルムの内外
層を構成する樹脂組成物は、エチレン−酢酸ビニル共重
合体を主成分とし、特に食品衛生上問題の無い脂肪酸エ
ステル、特にソルビタン、グリセリン、ポリグリセリン
等の脂肪酸エステルやエチレンオキサイド付加物、例え
ば、グリセリンモノオレート、ソルビタンラウレート、
ソルビタンオレート、ジグリセリンラウレート、ジグリ
セリンオレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
等の界面活性剤を約0.5〜5重量%添加するのが好ま
しい。界面活性剤の添加は、ストレッチラップ多層フィ
ルムの光沢、透明性を阻害せず、自己粘着性、滑り性、
防曇性を改良するために好ましい。
【0022】また、中間層を構成する樹脂組成物に、触
媒残渣等の悪影響を防止するために中和剤、酸化防止剤
等を添加するのが好ましい。更に、上記内外層に添加し
ている物と同様の界面活性剤を0.5〜5重量%添加し
ても良い。
【0023】本発明のストレッチラップ多層フィルム
は、中間層とその両側に積層される外層、内層の三層か
ら構成され、その合計の厚さは、好ましくは5〜25μ
mである。厚みを5〜25μmに限定した理由は、5μ
m未満ではフィルムが破れ易くなり、包装時の穴開きの
問題が大きくなる。また、25μmを超えるとフィルム
の伸びに対する応力が大きくなり、ストレッチ包装性が
悪化する。外層:中間層:内層の層厚比は特に制限され
るものでないが、好ましくは1:0.2〜2:0.5〜
3が良い。
【0024】また、本発明のストレッチラップ多層フィ
ルムは、上記した中間層樹脂組成物と内外層樹脂組成物
を複数の押出機を用いてインフレーション成形またはT
−ダイ成形による共押出成形等の公知の方法で積層成形
することができる。MD方向(成形方向)とTD方向
(成形方向と直交する方向)の引裂強度等のバランスの
良いフィルムを得るためには、インフレーション法の共
押出成形法を適用するのが好ましい。
【0025】インフレーション多層成形は、2台または
3台の押出機を使用し、環状の3層ダイから同時に樹脂
を3層をなす層構成で押し出し、ブロー比3〜15で成
形する。ここでブロー比3未満の場合は、フィルムの物
性において重要な引裂強度のバランスが悪くなり、包装
時または包装品を取扱い中に、フィルムが裂け易くな
る。また、15を越える場合は装置上の改造点が多く、
実際の生産機とすることは困難である。
【0026】本発明によって構成された三層フィルムの
TD方向の30%から60%伸び時の平均接線弾性率
が、14kg/cm2 以上になるのが好ましい。ここで
言う平均接線弾性率とは以下に述べる方法で求めた値
で、特にTD方向に限定した理由は、当該フィルムを得
る方法としてインフレーション法とT−ダイ法がある
が、いずれの成形法においてもTD方向の平均接線弾性
率がMD方向と比較すると明らかに小さく、弾性回復性
と強く関連しており、実験結果ともよく一致しているた
めである。
【0027】TD方向の平均接線弾性率は、ストレッチ
ラップ三層フィルムから幅10mm、長さ100mmの
試験片を切り出す。この試験片をJIS K7127に
準じて調整した後、測定雰囲気温度23℃、相対湿度5
0%に調節された測定室内でインストロン型万能引張試
験機の試験片つかみ部の間隔を40mmに設定し、弛
み、片張りが無いように試験片を取り付け、引張速度2
00mm/分で試験片つかみ部の間隔が80mmになる
まで記録計を応力−歪曲線を記録する。この応力−歪曲
線より試験片つかみ部の間隔が52m(30%延伸)と
64mm(60%延伸)の応力30(kg)とM60
(kg)を読み取り、次式にて平均接線弾性率を求め
る。
【0028】応力−歪曲線の30%、60%延伸時の応
力により平均接線弾性率を求めているのは、30%未満
の場合には応力−歪曲線の変極点の影響を受け、60%
を越えると永久歪が大きく、例えば、100%延伸だと
指押し回復性の優れたポリ塩化ビニル系ストレッチラッ
プフィルムでさえ、永久歪が10%を越えてしまい、実
際の評価に適していないためである。また、応力−歪曲
線において30%から60%延伸までの間では、この曲
線はほとんど直線と見なすことが出来、上記した式によ
り簡単に平均接線弾性率を求めることが出来るためであ
る。
【0029】平均接線弾性率が14kg/cm2 未満の
ストレッチラップ多層フィルムの場合、ストレッチ包装
において充分な包装適性を示す物もあるが、トレーに乗
せ包装した物をフィルムの上から少し強く押したとき、
部分的に伸びてしまう現象が発生し易く、その部分が元
の状態に戻らず跡が残り、包装物の製品としての価値を
損なってしまう。従って、包装物を段積みしたり、指で
押した時の跡を無くすためには、この値は大きくするこ
とが好ましい。
【0030】また、本発明によって構成された三層フィ
ルムの以下に述べる方法で求めた引張弾性率が400〜
2000kg/cm2 の範囲にある物が、ストレッチラ
ップ包装用フィルムとして好適である。引張弾性率を4
00〜2000kg/cm2が好ましい理由は、三層フ
ィルムの引張弾性率が2000kg/cm2 を越える
と、フィルムのMD、TD方向とも包装時に皺、弛みが
発生し良好な包装物が得られないためである。また、引
張弾性率が400kg/cm2 未満になるとフィルムが
柔らかくなり過ぎ、フィルムの取り扱い性が悪くなるた
め好ましくない。
【0031】ここで言う引張弾性率とは、試験速度5m
m/分、つかみ具間距離40mmにした他はJIS K
7127に準じて求めた引張割腺弾性率(2%歪)であ
る。
【0032】更にまた、本発明によって構成されている
三層フィルムは、ヒートシール温度範囲が40℃以上で
あることが好ましい。なぜなら、自動包装機や手動包装
する装置の場合、ヒートシール部の温度調節の振れ幅お
よび包装頻度によりシール温度が約30℃も差を生じ、
従って、安定したシールが可能となるためには、フィル
ムのヒートシール温度範囲は40℃以上必要となるため
である。
【0033】なお、本発明においては、実際の商業ベー
スにおける歩留り向上を目的として、製品フィルムから
取り除いた耳部、中抜き部をペレット化し内層、外層に
混合することもできる。また、もし中間層に戻す場合に
は、中間層の組成が本特許の請求範囲から外れることが
ない範囲において混合することが可能である。この範囲
を超えて混合した場合には、ヒートシール温度範囲、弾
性回復性がバラツクための悪影響が発生する。
【0034】
【発明の効果】本発明は、透明性、粘着性、引裂強度が
良好で、包装時に皺、弛みの生じないもので、特に従来
のポリオレフィン系ストレッチラップフィルムで不十分
であった弾性回復性の改良とヒートシール温度範囲の増
幅がバランス良くなされたフィルムを提供出来る。従っ
て、ポリ塩化ビニル系フィルムに代替することが可能で
ある。さらに、適度な酸素透過性およびポリ塩化ビニル
より低い水分透過率のため、肉、魚、野菜、果物、惣菜
などの鮮度を保持する点については、より優れている物
である。
【0035】
【実施例】
実施例1 エチレン含有量3.3重量%、メルトインデックス2.
3g/10分(230℃)、融点143℃のプロピレン
−エチレンランダム共重合体65重量%、SEBS(シ
ェルジャパン社 クレイトンG−1657)34重量
%、界面活性剤ジグリセリンオレート(理研ビタミン
製;商品名 O−71DE)1.0重量%を混合し中間
層樹脂組成物を得た。
【0036】一方、酢酸ビニル含有量15重量%、メル
トインデックス0.8g/10分(190℃)のエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体98重量%および界面活性剤ジ
グリセリンオレート(理研ビタミン製:商品名 O−7
1DE)2重量%を混合し、外層・内層樹脂組成物を得
た。次いで、上記の様にして得られた樹脂組成物をスク
リュー径55mmφの押出機3台を使用し、押出温度を
中間層200℃、外層・内層190℃で押し出し、中間
層を4μm、外層・内層をそれぞれ5μmで積層される
ように、一台の環状ダイスに供給しブロー比5.0でイ
ンフレーション成形してストレッチラップ多層フィルム
を得た。
【0037】得られた三層フィルムの各物性測定と、石
田衡機製WminiMARKIIを用いた自動包装機適性
を各種ポリスチレントレーを使用し評価、(有)サンパ
ック製のハンドラッパーARC450型プリックEを用
いて各種ポリスチレントレーに包装し、ハンドラッパー
適性の評価と熱板温度を変化させヒートシール温度範囲
をそれぞれ測定した。それらの結果を表1に示した。な
お、各物性は下記の方法により測定した。 メルトインデックス JIS K7210に準じて行
った。 密度 JIS K7112に準じて測
定した。 融点 ASTM D3418に準じ降
温速度2℃/分に変え測定した。 引張破断点伸び JIS K7127に準じて測
定した。 衝撃強度 JIS P8134に準じ振子
貫通部の三角錘を1インチ球に変え測定した。 透明性(ヘイズ) JIS K7105に準じて測
定した。 衝撃強度においては、5k・cm以上あれば実用上問題
ない。透明性についても、3%以下であれば実用上問題
無い。
【0038】実施例2 中間層樹脂組成物としてエチレン含有量3.3重量%、
メルトインデックス2.3g/10分(230℃)、融
点143℃のプロピレン−エチレンランダム共重合体5
0重量%、SEBS(クレイトンG−1657)49重
量%、界面活性剤ジグリセリンオレート1重量%とした
以外は、実施例1と同様に成形しストレッチラップ多層
フィルムを得た。得られた多層フィルムの物性、包装特
性、ヒートシール温度範囲を実施例1と同様に測定しそ
の結果を表1に示した。
【0039】実施例3 エチレン含有量2.2重量%、メルトインデックス2.
5g/10分(230℃)、融点150℃のプロピレン
−エチレンランダム共重合体40重量%、SEBS(ク
レイトンG−1657)59重量%、界面活性剤ジグリ
セリンオレート1重量%とした以外は、実施例1と同様
に成形したストチッチラップ多層フィルムを得た。得ら
れた多層フィルムの物性、包装特性、ヒートシール温度
範囲を実施例1と同様に測定しその結果を表1に示し
た。
【0040】実施例4 中間層樹脂組成物としてエチレン含有量3.3重量%、
メルトインデックス2.3g/10分(230℃)、融
点143℃のプロピレン−エチレンランダム共重合体4
0重量%、SEBS(クレイトンG−1657)59重
量%、界面活性剤ジグリセリンオレート1重量%とした
以外は、実施例1と同様に成形しストレッチラップ多層
フィルムを得た。得られた多層フィルムの物性、包装特
性、ヒートシール温度範囲を実施例1と同様に測定しそ
の結果を表1に示した。
【0041】比較例1 中間層樹脂組成物としてエチレン含有量3.3重量%、
メルトインデックス2.3g/10分(230℃)、融
点143℃のプロピレン−エチレンランダム共重合体8
0重量%、SEBS(クレイトンG−1657)8重量
%、密度0.905g/cm3 、メルトインデックス
1.5g/10分(190℃)のエチレン−ブテン−1
共重合体11重量%および界面活性剤ジグリセリンオレ
ートとした以外は、実施例1と同様に成形しストレッチ
ラップ多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの物
性、包装特性、ヒートシール温度範囲を実施例1と同様
に測定しその結果を表1に示した。このフィルムは、引
張弾性率が高いため、自動包装機、手動包装機とも包装
時に皺や弛みが発生し、弾性回復性も悪く満足すべきも
のは出来なかった。
【0042】比較例2 中間層樹脂組成物として密度0.905g/cm3 、メ
ルトインデックス1.5g/10分(190℃)のエチ
レン−ブテン−1共重合体99重量%、界面活性剤ジグ
リセリンオレート1重量%とした以外は、実施例1と同
様に成形しストレッチラップ多層フィルムを得た。得ら
れた多層フィルムの物性、包装特性、ヒートシール温度
範囲を実施例1と同様に測定しその結果を表1に示し
た。このフィルムは、中間層樹脂組成物に融点140℃
以上のポリプロピレン系樹脂を使用していないため、ヒ
ートシール温度範囲が狭く、自動包装機でのヒートシー
ル時にピンホールが発生し、良好な包装範囲を見いだす
のが難しい。
【0043】比較例3 中間層樹脂組成物としてSEBS(クレイトンG−16
57)単独体を使用した以外は、実施例1と同様に成形
しストレッチラップ多層フィルムを得た。得られた多層
フィルムの物性、包装特性、ヒートシール温度範囲を実
施例1と同様に測定しその結果を表1に示した。このフ
ィルムも中間層樹脂組成物に融点140℃以上のポリプ
ロピレン系樹脂を使用していないため、ヒートシール温
度範囲が狭く、取り扱い辛いフィルムとなった。また、
フィルム成形時における高速成形性が劣るため、生産性
を上げるためには成形条件、成形装置の検討が必要とな
る。
【0044】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が140℃以上でメルトインデック
    スが1〜10g/10分(230℃)のポリプロピレン
    系樹脂75〜35重量%と、スチレン−ブタジエンブロ
    ック共重合体の水素添加物25〜65重量%を混合して
    なる樹脂組成物を中間層とし、該中間層の両側に酢酸ビ
    ニル含有量8〜25重量%で、メルトインデックス0.
    2〜8g/10分(190℃)のエチレン−酢酸ビニル
    共重合体を主成分とする層を積層し三層を構成してなる
    ストレンチラップ多層フィルム。
JP31334792A 1992-11-24 1992-11-24 ストレッチラップ多層フィルム Expired - Lifetime JP2894121B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31334792A JP2894121B2 (ja) 1992-11-24 1992-11-24 ストレッチラップ多層フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31334792A JP2894121B2 (ja) 1992-11-24 1992-11-24 ストレッチラップ多層フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06155678A true JPH06155678A (ja) 1994-06-03
JP2894121B2 JP2894121B2 (ja) 1999-05-24

Family

ID=18040160

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31334792A Expired - Lifetime JP2894121B2 (ja) 1992-11-24 1992-11-24 ストレッチラップ多層フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2894121B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003246021A (ja) * 2002-02-26 2003-09-02 Asahi Kasei Corp 多層フィルム・シート
JP2005119282A (ja) * 2003-09-22 2005-05-12 Okura Ind Co Ltd 食肉包装用フィルム
KR100714656B1 (ko) * 2001-04-03 2007-05-07 세이코 엡슨 가부시키가이샤 잉크 카트리지, 잉크젯 기록 장치 및 잉크 카트리지 세트

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100714656B1 (ko) * 2001-04-03 2007-05-07 세이코 엡슨 가부시키가이샤 잉크 카트리지, 잉크젯 기록 장치 및 잉크 카트리지 세트
JP2003246021A (ja) * 2002-02-26 2003-09-02 Asahi Kasei Corp 多層フィルム・シート
JP2005119282A (ja) * 2003-09-22 2005-05-12 Okura Ind Co Ltd 食肉包装用フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2894121B2 (ja) 1999-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1992008611A1 (en) Multilayered stretchable shrink film
WO2006118030A1 (ja) ヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フイルム及び包装体
JPS6079932A (ja) 高延伸・ストレツチ性多層フイルム及びその製造法
WO2005092612A1 (ja) ヒートシール性ポリプロピレン系樹脂積層フィルム及び包装体
JPWO2018181011A1 (ja) 二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルム
JP4613571B2 (ja) ヒートシール性ポリプロピレン系樹脂積層フィルム及び包装体
JP2019194105A (ja) ストレッチ包装用フィルム
JP2008080744A (ja) ストレッチシュリンク積層フィルム及びその製造方法
JP4721933B2 (ja) ストレッチシュリンク積層フィルム及びその製造方法
JP2894120B2 (ja) ストレッチラップ多層フィルム
JP2894121B2 (ja) ストレッチラップ多層フィルム
JP3497767B2 (ja) ポリオレフィン系ストレッチ包装用フィルム
JPH07329260A (ja) ヒートシーラブル延伸積層フィルム
JP4721925B2 (ja) ストレッチシュリンク積層フィルム及びその製造方法
JP4692818B2 (ja) 共押出積層フィルム並びにそれを用いたラミネートフィルム及び包装容器
JP2663319B2 (ja) ストレッチラップ多層フィルム
JP2017087467A (ja) ストレッチ包装用フィルム
JP2013095074A (ja) ストレッチ包装用フィルム
JP3746405B2 (ja) 食品包装用フィルム
JP3961194B2 (ja) 食品包装用ストレッチフィルム
JP2000044696A (ja) ポリオレフィン系ストレッチ包装用フィルム
JP3794521B2 (ja) 食品包装用フィルム
JP3529455B2 (ja) 食品包装用ストレツチフイルム
JPH11227117A (ja) 食品包装用フィルム
JP3124346B2 (ja) ストレッチラップ多層フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090305

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090305

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100305

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110305

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110305

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 13

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120305

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 13

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120305

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120305

Year of fee payment: 13

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305

Year of fee payment: 14

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 14

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305