JPWO2018181011A1 - 二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルム - Google Patents

二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルム Download PDF

Info

Publication number
JPWO2018181011A1
JPWO2018181011A1 JP2019509716A JP2019509716A JPWO2018181011A1 JP WO2018181011 A1 JPWO2018181011 A1 JP WO2018181011A1 JP 2019509716 A JP2019509716 A JP 2019509716A JP 2019509716 A JP2019509716 A JP 2019509716A JP WO2018181011 A1 JPWO2018181011 A1 JP WO2018181011A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
layer
copolymer
propylene
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019509716A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6996554B2 (ja
Inventor
今井 徹
徹 今井
山田 浩司
浩司 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Publication of JPWO2018181011A1 publication Critical patent/JPWO2018181011A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6996554B2 publication Critical patent/JP6996554B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/32Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising polyolefins
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D65/00Wrappers or flexible covers; Packaging materials of special type or form
    • B65D65/38Packaging materials of special type or form
    • B65D65/40Applications of laminates for particular packaging purposes

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Wrappers (AREA)

Abstract

重量物を包装するのに十分なヒートシール強度と密封性を有し、自動包装加工にも適したポリプロピレン系樹脂フィルムを提供すること。基材層(A)、中間層(B)及びシール層(C)からなる二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルムの、基材層(A)及びシール層(C)を構成する樹脂の融点を特定の範囲にし、さらに中間層(B)及びシール層(C)のそれぞれの厚みを全層厚みに対する比率を特定の範囲とする二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルム。

Description

本発明は二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルムに関し、さらに詳しくは、重量物を包装するのに十分なヒートシール強度及び密封性を有し、かつ自動充填包装にも好適に用いることができる二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルムに関する。
従来から、包装用に使用するヒートシーラブルフィルムとしては、無延伸ポリエチレン系樹脂フィルム又は無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムと延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムとをラミネートした積層ポリプロピレン系樹脂フィルム、若しくは高融点のポリプロピレン系樹脂からなる層に低融点のポリオレフィン系樹脂層を積層共押出しし、延伸して得た積層ポリプロピレン系樹脂フィルム、が広く用いられている。
しかしながら、無延伸ポリエチレン系樹脂フィルム又は無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムと延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムとをラミネートした積層ポリプロピレン系樹脂フィルムは、十分なシール強度はあるものの、有機溶剤等を使用するラミネート工程が必要であり、経済的にも地球環境に与える影響の面からも好ましくない。
また、高融点のポリプロピレン系樹脂層に低融点のポリオレフィン系樹脂層を積層共押出しし、延伸して得た積層ポリプロピレン系樹脂フィルムでは、ある程度のシール強度はあるものの、水物などの重量物を包装するまでのシール強度はなかった。
ポリプロピレン系樹脂からなる基材層と、低融点のポリオレフィン系樹脂からなるシール層の間に中間層を積層することでヒートシール強度と密封性を改善され、重量物を包装した場合でもシール部が剥がれることがなく、また内容物がシールから漏れることもないことが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、このフィルムは内容物を包装した後、連続してヒートシールを行う製袋加工、いわゆる自動包装加工により得られた製袋品にはしわが入ったり、あるいは自動包装加工工程中にフィルムがスムーズに搬送されないという問題がある。
特許4894340号公報
本発明は、上記従来の積層ポリプロピレン系フィルムの有する問題点を解決し、重量物を包装するのに十分なヒートシール強度と密封性を有し、自動包装加工をスムーズに行え、得られた製袋品にしわが少ないのに加え、真空脱気された製袋品への空気戻りが少ない二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルムを提供することを目的とする。
発明者らは、かかる目的を達成するため、鋭意検討した結果、基材層(A)、中間層(B)及びシール層(C)からなる二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルムの、基材層(A)及びシール層(C)を構成する樹脂の融点を特定の範囲にし、さらに中間層(B)及びシール層(C)のそれぞれの厚みの全層厚みに対する比率とフィルム全層厚みを特定の範囲とすることで重量物を包装するのに十分なシール強度と密封性を有し、自動包装加工におけるフィルムの搬送をスムーズにすることができ、得られた製袋品にしわが入りにくいことに加え、真空脱気された製袋品への空気戻りが少ないことを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、
1.基材層(A)、中間層(B)及びシール層(C)からなる二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルムであって、下記1)〜5)を満たすことを特徴とする二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルム。
1)基材層(A)を構成する樹脂組成物がポリプロピレン樹脂を主体とし、融点が156℃以上である。
2)中間層(B)を構成する樹脂組成物が、プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、及びプロピレン・エチレン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の共重合体を30重量%以上含有する。
3)シール層(C)を構成する樹脂組成物がプロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体、及びプロピレン・エチレン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の共重合体を主体とし、その融点が135℃以下である。
4)シール層(C)の厚みがフィルム全層に対し2%以上、8%以下である。
5)中間層(B)の厚みがフィルム全層に対し5%以上、18%以下である。
6)シール層(C)の厚みと中間層(B)の厚みの合計がフィルム全層に対し22%以下である。
7)フィルム全層の厚みが33μm以下である。
2.シール層(C)に防曇剤を含有する項1に記載のポリプロピレン系樹脂フィルム。
本発明により、重量物を包装するのに十分なシール強度と密封性を有し、自動包装加工をスムーズに行え、得られた製袋品にしわが少ないのに加え、真空脱気された製袋品への空気戻りが少ない二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルムを提供することができる。
実施例で作成した袋の形状とヒートシール強度測定用の試験片の模式図である。 密封性評価方法の模式図である。
発明の詳細な説明
以下、本発明の二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルムの実施の形態を説明する。
(基材層(A))
基材層(A)に使用される樹脂組成物はポリプロピレン系樹脂を主体とする。ここでいうポリプロピレン系樹脂とはn−へプタン不溶性のアイソタクチックのプロピレン単独重合体及びプロピレンを70モル%以上含有するプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂よりなることが好ましい。
このようなポリプロピレン系樹脂は基材層(A)を構成する樹脂組成物に対し80重量%以上含むことが好ましく、90重量%以上がより好ましい。
基材層(A)に使用されるポリプロピレン系樹脂の融点は156℃以上であることが必要である。融点は後述する実施例に記載の方法で測定される。融点が156℃未満であると、自動包装加工におけるフィルムの搬送をよりスムーズにすることができず、得られた製袋品にしわもより入りやすい。
n−ヘプタン不溶性とは、ポリプロピレンの結晶性を指標すると同時に食品包装用として使用する際の安全性を示すものであり、本発明では、昭和57年2月厚生省告示第20号によるn−ヘプタン不溶性(25℃、60分抽出した際の溶出分が150ppm以下〔使用温度が100℃を超えるものは30ppm以下〕)に適合するものを使用することが好ましい態様である。
プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体のα−オレフィン共重合成分としては、炭素数が2〜8のα−オレフィン、例えば、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−1−ペンテンなどが好ましい。ここで共重合体とは、プロピレンに上記に例示されるα−オレフィンを1種又は2種以上重合して得られたランダム又はブロック共重合体であることが好ましい。
プロピレン単独重合と、プロピレンを70モル%以上含有するプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体を混合して使用する場合は、基材層(A)に使用される樹脂組成物全体に対して、プロピレンを70モル%以上含有するプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体の含有量を20重量%以下とすることが望ましい。より好ましくは10重量%以下である。
(中間層(B))
中間層(B)を構成する樹脂組成物はプロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、及びプロピレン・エチレン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の共重合体を30重量%以上含有する必要がある。このことにより、シール到達強度と密封性を向上させることができる。好ましくは65重量%以上であり、より好ましくは80重量%以上であり、特に好ましくは90重量%以上である。
プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体、及びプロピレン・エチレン共重合体のさらに好適な形態を下記1)〜3)で述べる。
1)プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体
プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体におけるブテン含有量は5重量%以上であるのが好ましい。ブテン含有量は5モル%以上であるとシール層(C)との層間の密着力が向上しヒートシール強度や密封性が向上しやすい。
ブテン含有量の上限は特に限定されないが、ブテン含有量が多すぎると結晶化が抑制されすぎて、プロピレン単独重合体に比べて結晶性が低く、結果としてフィルムの腰感を低下させることとなる。
上記ブテン含有量の多いプロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体としては、例えば、住友化学(株)製「FSX66E8」などを例示することができる。
プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体は、中間層(B)を構成する樹脂成分中、65重量%以上配合することが好ましい。より好ましくは70重量%以上であり、99重量%以下であるのがさらに好ましく、より好ましくは95重量%以下である。プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体の配合65重量%以上とすることでシール層(C)との層間強度を高めることにより、ヒートシール強度を高くしたり、密封性をより高めやすい。一方、95重量%以下とすることで基材層(A)との層間強度を高めることができる。
2)プロピレン・ブテン−1共重合体
プロピレン・ブテン−1共重合体におけるブテン含有量は20モル%以上であるのが好ましい。ブテン含有量は20モル%以上であるとシール層(C)との層間の密着力が向上しヒートシール強度や密封性が向上する。
ブテン含有量の上限は特に限定されないが、ブテン含有量が多すぎると結晶化が抑制されすぎて、プロピレン単独重合体に比べて結晶性が低く、結果としてフィルムの腰感を低下させることとなる。
上記ブテン含有量の多いプロピレン・ブテン−1共重合体としては、例えば、住友化学(株)製「SPX78J1」、三井化学(株)製「XR110H」などを例示することができる。
プロピレン・ブテン−1共重合体は、中間層(B)を構成する樹脂成分中、65重量%以上配合することが好ましい。より好ましくは70重量%以上であり、99重量%以下であるのがさらに好ましく、より好ましくは95重量%以下である。プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体の配合65重量%以上とすることでシール層(C)との層間強度を高めることにより、ヒートシール強度を高くしたり、密封性を高めやすい。一方、95重量%以下とすることで基材層(A)との層間強度を高めることができる。
3)プロピレン・エチレン共重合体
プロピレン・エチレン共重合体におけるエチレン含有量は4モル%以上であるのが好ましい。エチレン含有量は4モル%以上であるとシール層(C)との層間の密着力が向上しヒートシール強度や密封性が向上する。
エチレン含有量の上限は特に限定されないが、エチレン含有量が多すぎると結晶化が抑制されすぎて、プロピレン単独重合体に比べて結晶性が低く、結果としてフィルムの腰感を低下させることとなる。
上記エチレン含有量の多いプロピレン・エチレン共重合体としては、例えば、サンアロマー(株)製「PC540R」、三井化学(株)製「VM3588FL」などを例示することができる。
プロピレン・エチレン共重合体は、中間層(B)を構成する樹脂成分中、65重量%以上配合することが好ましい。より好ましくは70重量%以上であり、99重量%以下であるのがさらに好ましく、より好ましくは95重量%以下である。プロピレン・エチレン:ブテン−1共重合体の配合65重量%以上とすることでシール層(C)との層間強度を高めることにより、ヒートシール強度を高くしたり、密封性を高めやすい。一方、95重量%以下とすることで基材層(A)との層間強度を高めることができる。
上記プロピレン共重合体の冷キシレン可溶分(CXS)が3重量%以下のプロピレン−α−オレフィン共重合体であることが好ましい。冷キシレン可溶分(CXS)が3重量%を越えるプロピレン−α−オレフィン共重合体を用いる場合は、腰がなくなる傾向にあり好ましくない。
上記「冷キシレン可溶分」とは、α−オレフィン共重合体に含まれる非晶部の量を示しており、「冷キシレン可溶分が3重量%以下」であると言うことは、非晶部が少なく結晶性の高いα−オレフィン共重合体を意味している。
ここで、冷キシレン可溶分とは、試料1gを沸騰キシレン100mlに完全に溶解させた後、20℃に降温し、4時間放置、その後、これを析出物と溶液とにろ別し、ろ液を乾固して減圧下70℃で乾燥した際の重量を測定して重量%を求めたもののことをいう。
このとき中間層全体の冷キシレン可溶分(CXS)が2.5重量%以下であることが好ましく、2.4重量%以下であることがより好ましい。さらに、2.2重量%以下であることがより好ましい。
(シール層(C))
シール層(C)を構成する樹脂組成物はプロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体、及びプロピレン・エチレン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の共重合体を主体とし、その共重合体の融点は135℃以下とすることが必要である。融点は後述する実施例に記載の方法で測定される。融点が135℃を超えるとヒートシールとヒートシール強度の向上が期待できない。
プロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体、及びプロピレン・エチレン共重合体のさらに好適な形態を下記1)〜3)で述べる。
1)プロピレン・ブテン−1共重合体におけるブテン含有量は20モル%以上であるのが好ましい。20モル%以上にすることで、ヒートシール強度を高くしたり、密封性を高めやすい。
ブテン含有量の上限は特に限定されないが、ブテン含有量が多すぎるとフィルム表面がべたつき、滑り性や耐ブロッキング性が低下する場合があるため、かかる不良を生じない範囲で適宜決定すればよい。上記ブテン含有量の多いプロピレン・ブテン−1共重合体としては、例えば、住友化学(株)製「SPX78J1」、三井化学(株)製「XR110H」などを例示することができる。
プロピレン・ブテン−1共重合体は、シール層(C)を構成する樹脂成分中、65重量%以上配合することが好ましい。より好ましくは、70重量%以上である。、99重量%以下であるのが好ましく、より好ましくは95重量%以下である。プロピレン・ブテン共重合体の配合65重量%以上とすることでヒートシール強度を高くしたり、密封性を高めやすい。一方、95重量%以下とすることで中間層(B)との層間強度を高めることができる。
2)プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体
プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体におけるブテン含有量は5mol%以上であるのが好ましい。なお、ブテン含有量の上限は特に限定されないが、ブテン含有量が多すぎるとフィルム表面がべたつき、滑り性や耐ブロッキング性が低下する場合があるため、かかる不良を生じない範囲で適宜決定すればよい。上記ブテン含有量の多いプロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体としては、例えば、住友化学(株)製「FSX66E8」などを例示することができる。
3)プロピレン・エチレン共重合体
プロピレン・エチレン共重合体におけるエチレン含有量は4mol%以上であるのが好ましい。なお、エチレン含有量の上限は特に限定されないが、エチレン含有量が多すぎるとフィルム表面がべたつき、滑り性や耐ブロッキング性が低下する場合があるため、かかる不良を生じない範囲で適宜決定すればよい。上記エチレン含有量の多いプロピレン・エチレン共重合体としては、例えば、サンアロマー(株)製「PC540R」、三井化学(株)製「VM3588FL」などを例示することができる。
本発明のシール層(C)を構成するポリプロピレン系樹脂の融点は135℃以下とすることが必要である。融点は後述する実施例に記載の方法で測定される。融点が135℃を超えるとヒートシールとヒートシール強度の向上が期待できない。
本発明において、各層を形成する樹脂には、必要に応じて各層の特性を阻害しない範囲で、各種添加材、充填材、例えば、防曇剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、核剤、難燃剤、顔料、染料、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、マイカ、タルク、クレー、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、抗菌剤、防曇剤、自然分解性を付与する添加材等を添加することができる。さらにまた、その他の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム類、炭化水素樹脂、石油樹脂等を本発明のフィルムの特性を害さない範囲で配合してもよい。
(二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルム)
本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムは上述の基材層(A)、中間層(B)及びシール層(C)からなる。
シール層(C)の厚みがフィルム全層に対し2%以上、8%以下である必要がある。
ここで、シール層(A)の厚みが5%未満の場合、ヒートシール強度及び密封性が十分に得られない。シール層(A)の厚みが8%を越える場合は自動包装加工におけるフィルムの搬送をスムーズにすることができ、得られた製袋品にしわが入りにくい。より好ましくは2%以上、5%以下である。
中間層(B)の厚みがフィルム全層に対し5%以上、18%以下である必要がある。
ここで、中間層(B)の厚みが5%未満の場合、シール到達強度及び密封性が十分に得られない。中間層(B)の厚みが18%以下の場合は自動包装加工におけるフィルムの搬送をスムーズにすることができ、得られた製袋品にしわが入りにくい。より好ましくは5%以上、15%以下である。
中間層(B)の厚みとシール層(C)の厚みとの合計がフィルム全層の厚みに対し7%以上、22%以下であるのが必要である。中間層(B)の厚みとシール層(C)の厚みとの合計がフィルム全層の厚みに対し7%以上の場合は、真空脱気された製袋品への空気戻りが少なくなる。中間層(B)の厚みとシール層(C)の厚みとの合計がフィルム全層の厚みに対し22%以下の場合は、自動包装加工におけるフィルムの搬送をよりスムーズにすることができ、得られた製袋品にしわもより入りにくい。好ましくは10%以上、22%以下である。より好ましく10%以上、20%以下であり、特に好ましくは15%以上、18%以下である。
本発明の二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルムの厚みは15μm以上、33μm以下である必要がある。この範囲の場合は、腰感と真空脱気された製袋品への空気戻り低減をバランスする。より好ましく15μm以上、30μm以下であり、 特に好ましく15μm以上、28μm以下である。
(製造方法)
本発明の二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルムは以下に示す製膜方法で製造することができるが、これらに制限するものではない。
例えば、積層数に見合う押出し機を用いてTダイ法又はインフレーション法等で溶融積層した後、冷却ロール法、水冷法又は空冷法で冷却して積層フイルムとし、逐次2軸延伸法、同時2軸延伸法、チューブラ延伸法等で延伸する方法を例示することができる。
ここで、逐次2軸延伸法にて製造する際の条件を例示すると、T型のダイスより溶融押出しした樹脂をキャスティング機にて冷却固化させて、原反シートを作成する。
溶融積層する際の温度は、240℃から300℃の範囲で、各層に使用される原料樹脂の融点を目安にして設定することが好ましい。また、キャスティングするロール温度は、樹脂の結晶化を抑え、透明性を向上させる目的で15℃から40℃の間に設定する事が好ましい。
次に、延伸に適した温度まで原反シートを加熱後、延伸ロール間の速度差を利用してシートの流れ方向に延伸する、この際の延伸倍率は、延伸のムラがなく安定して製造する事を考えると3倍から6倍の間に設定することが好ましい。延伸温度も、延伸のムラがなく安定して製造する事を考えると100℃から150℃の間に設定することが好ましい。
次に、縦延伸したシートの両耳部をテンタークリップで把持し、熱風で延伸に適した温度まで加熱しながらシートの流れと直角方向に、順次拡げながら延伸する。この際の横延伸倍率は、厚み変動と生産性を考慮して7倍から10倍の間に設定することが好ましい。延伸温度も、延伸のムラがなく安定して製造する事を考えると130℃から180℃の間に設定することが好ましい。
最後に、熱固定処理を150℃から200℃の範囲で行うことが好ましい。
本発明の二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルムは、印刷性、ラミネート性等を向上させるために表面処理を行うことができる。表面処理の方法としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、酸処理等が例示でき、特に制限はない。連続処理が可能であり、このフィルムの製造過程の巻き取り工程前に容易に実施できるコロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理を行うのが好ましい。
(フィルム特性)
(防曇性)
本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムは、後述する測定方法で得られた防曇性の評価がランク3以上であることが好ましい。より好ましくはランク2以上である、さらに好ましくはランク1である。
(ヒートシール立上がり温度)
本発明の二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルムは、後述する測定方法で得られたヒートシール立上がり温度が120℃以下であることが好ましい。より好ましくは115℃以下である。
(到達ヒートシール強度)
本発明の二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルムは、後述する測定方法で得られた到達ヒートシール強度4.5N/15mm以上であることが好ましい。より好ましくは5N/15mm以上であり、さらに好ましくは6N/15mm℃以上である。
(密封性)
本発明の二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルムは、後述する測定方法で得られた密封性の評価がランク3以上であることが好ましい。より好ましくはランク2以上である、さらに好ましくはランク1である。
(製袋品腰感)
本発明の二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルムは、後述する測定方法で得られた製袋品腰感の評価がランク3以上であることが好ましい。より好ましくはランク2以上である、さらに好ましくはランク1である。
(自動包装適性)
本発明の二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルムは、後述する測定方法で得られた自動包装適性の評価が○又は△であることが好ましい。より好ましくは○である。
(脱気包装後の空気戻り)
本発明の二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルムは、後述する測定方法で得られた真空脱気包装後の空気戻りの評価が◎又は○であることが好ましい。より好ましくは◎である。
空気戻りは上記密封性と関係しており、実用レベルでの真空包装適性の評価となる。
(用途)
本発明の二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルムは重量物を包装するのに十分なヒートシール強度を有するのは勿論のこと、取扱い性にも優れ、また密封性も良好であるため、小麦粉、米、麦などの穀物類、ジャガイモ、ダイコン・ニンジンなどの根菜類、板・糸こんにやく類、たくあん漬、醤油漬、奈良漬などの各種漬物類、各種味噌類、だしのもと・めんつゆ、醤油、またはソース、ケチャップ、マヨネーズなど各種調味料の包装材、若しくはラーメン等の個包装を数個まとめて包装する集合包装用包装材に好適に用いることが出来る。
また、フィルムの搬送性に優れるため野菜などの自動包装に使用される包装材料にも好適に用いることが出来る。
以下、本発明の具体例を実施例によってさらに説明するが、本発明は、その要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、本明細書中における特性は下記の方法により評価をおこなった。
(1)融点Tm
JIS K 7121に従い、示差走査熱量計(DSC)により測定を行った。
状態調整として、室温から200℃まで30℃/分で昇温し、200℃で5分間保持し、10℃/分で−100℃まで、降温し、−100℃で5分間保持した後、吸熱曲線の測定として、−100℃から200℃まで10℃/分で昇温した。
なお、融解ピークが複数ある場合は、ヒートシール層(C)の場合は温度が最大の融解ピークを融点とした。基材層(A)の場合は温度が最小の融解ピークを融点とした。
(2)層厚み
サンプルフィルムを1cm×1cmのサイズに切り出し、UV硬化性樹脂に包埋し、UVを5分間照射し固化させた。その後、ミクロトームにて断面試料を作製し、微分干渉顕微鏡にて観察し、中間層(B)、シール層(C)の厚みを測定した。サンプルは5点測定し、平均値を算出した。
(3)防曇性
1)500ccの上部開口容器に50℃の温水を300cc入れる。
2)フィルムの防曇性測定面を内側にしてフィルムで容器開口部を密閉する。
3)5℃の冷室中に放置する。
4)容器内温水が完全に雰囲気温度まで冷却された状態で、フィルム面の露付着状況を5段階で評価した。
ランク1:全面露なし(付着面積0)
ランク2:多少の露付着(付着面積1/4まで)
ランク3:約1/2の露付着(付着面積2/4まで)
ランク4:ほとんど露付着(付着面積3/4まで)
ランク5:全面露付着(付着面積3/4以上)
(4)ヒートシール立上がり温度
サンプルフィルムのヒートシール層同士を向かい合わせて重ね、熱傾斜試験機(東洋精機社製)を用いて、ヒートシール圧力1kg/cm、時間は1秒で、温度は80℃から5℃づつ高い温度で、ヒートシールしたときの、ヒートシール強度が1N/15mmとなる温度を云い、5cm×20cmのフィルムのヒートシール層面同士を向かい合わせ、5℃ピッチで温度設定したヒートシールバー(シール面1cm×3cm)5個で同時にヒートシールして、その中央部を15mmの幅にカットし、引張試験機の上下チャックに取付け、引張速度200mm/minで引張った際のそれぞれの強度を測定し、ヒートシール強度を算出した(単位はN/15mm)。
横軸に温度、縦軸にヒートシール強度をとった線形グラフを描き、ヒートシール強度が2.5N/15mmを超える温度をヒートシール立上がり温度とした。
(5)ヒートシール到達強度
サンプルフィルムのヒートシール層同士を向かい合わせて重ね、熱傾斜試験機(東洋精機社製)を用いて、ヒートシール圧力1kg/cm、時間は1秒で、温度は80℃から5℃づつ高い温度で150℃までヒートシールし、その中央部を15mmの幅にカットし、引張試験機の上下チャックに取付け、引張速度200mm/minで引張った際のヒートシール強度から算出した(単位はN/15mm)。
シール温度の上限を150℃とした際の最大強度となった数値を到達ヒートシール到達強度とした。
(6)密封性
上記ヒートシール強度測定法と同様にして作成した袋の長さ方向(MD)と幅方向(TD)のシール部がそれぞれ重なった部分に赤インキ(CHUGAI KASEI CO.LTD製 RECORDER INK)を袋内側から垂らし袋の外側への抜け具合を評価した。
ランク1:袋の内側にインキが溜まり、シール部への浸透もなく、袋の外側にはもれない
ランク2:インキのシール部への浸透は少しあるが、袋の外側には漏れ出さない
ランク3:インキのシール部への浸透はあるが、袋の外側には漏れ出さない
ランク4:インキのシール部への浸透がり、袋の外側には漏れ出しもわずかにある
ランク5:インキが袋の外側に漏れ出す。
(7)製袋品腰感
上記ヒートシール強度測定法と同様にして作成した袋の中に、重量約4g、大きさ25mm×75mmの米菓を、厚み25μm、大きさ80mm×140mmのポリエチレンフィルムでひねり包装したものを入れて、商品の取り扱い性を評価した。
ランク1:フィルムに腰があり、箱詰め、箱だし、陳列作業が容易にできる
ランク2:袋を持ったとき、多少たよりなく感じるが、作業は問題なく行える
ランク3:腰がない感じがして、手に持った際たよりなく感じ多少、作業がしづらい
ランク4:腰がなく、手に持った際たよりなく感じ、作業しづらい
ランク5:腰がまったくなく、作業が困難
(8)自動包装適性
横ピロー製袋機(共栄印刷機械材料(株)製:PP500型)を用いて、ピロー包装体を作製した。
条件:
溶断刃;刃先角度60°
シール温度;370℃
ショット数;120袋/分
フィルム搬送時の滑らかさ、製袋品のシワの程度から以下の3段階で評価した。
○:フィルム搬送性良好・製袋品シワなし
△:フィルム搬送性、製袋品シワのいずれか不良
×:フィルム搬送性不良・製袋品シワあり
(9)脱気包装後の空気戻り
上記自動包装適性測定法と同様に製袋する際、ガラス製おはじき(直径1.5cm)2個を封入した。その後シリンジで内部のエアを抜き針孔にテープを貼って真空状態とした。24時間後におはじきの動きやすさの程度で空気戻りの程度を評価した。
◎:真空状態が保たれており、空気戻りがない。
○:真空状態が保たれているが、わずかに空気戻りが確認される。
△:部分的には真空状態が保たれているが、空気戻りが確認される。
×:真空状態は保たれていない。
(使用ポリプロピレン系樹脂)
実施例で使用した各層を構成ポリプロピレン系樹脂は次の通りである。
[PP−1]:プロピレン単独重合体:住友化学(株)製「FS2011DG3」,MFR:2.5g/10分,融点:158℃
[PP−2]:プロピレン・エチレン・ブテンランダム共重合体:住友化学(株)製「FSX66E8」,エチレン含有量:2.5モル%,ブテン含有量:7モル%,MFR:3.1g/10分,融点:133℃
[PP−3]:プロピレン・ブテン−1共重合体:住友化学(株)製「SPX78J1」,ブテン含有量:25モル%,MFR:8.5g/10分,融点:128℃
(実施例1)
実施例1で使用した各層を構成する樹脂組成物は次の通りである。
(1)基材層(A)構成樹脂組成物
[PP−1]に、防曇剤としてグリセリンモノステアレート(松本油脂製薬(株)、TB−123)を0.16重量%、ポリオキシエチレン(2)ステアリルアミン(松本油脂製薬(株)、TB−12)を0.2重量%、ポリオキシエチレン(2)ステアリルアミンモノステアレート(松本油脂製薬(株)、エレックス334)を0.6重量%添加したものを[PP−4]として、基材層(A)構成樹脂組成物として100重量%使用した。
(2)中間層(B)構成樹脂組成物
[PP−2]に、有機ポリマー微粒子(CS30:住友化学(株):粒子径3.5μm)1.5重量%、防曇剤としてグリセリンモノステアレート(松本油脂製薬(株)、TB−123)を0.45重量%を樹脂温度240℃になるようにして溶融混合しペレット状にした。
この原料を[PP−5]として、中間層(B)構成樹脂組成物として100重量%使用した。
(3)シール層(C)構成樹脂組成物
[PP−3]に、有機ポリマー微粒子(CS30:住友化学(株):粒子径3.5μm)1.5重量%、防曇剤としてグリセリンモノステアレート(松本油脂製薬(株)、TB−123)を0.50重量%を樹脂温度240℃になるようにして溶融混合しペレット状にした原料を[PP−6]とした。
[PP−3]を50重量%、[PP−6]を50重量%混合したものをシール層(C)構成樹脂組成物として使用した。
3台の溶融押出機を用い、第1の押出機より基材層(A)構成樹脂組成物を280℃の樹脂温度で溶融押出しし、第2の押出機により中間層(B)構成樹脂組成物250℃の樹脂温度にて溶融押出しし、第3の押出機よりシール層(C)構成樹脂組成物を250℃の樹脂温度にて溶融押出しし、チルロール接触面から表面層(B)/基材層(A)/シール層(C)の順番に、Tダイ内に厚み比が基材層(A)/中間層(B)/シール層(C)=21/3/1になるように積層して押出し、30℃の冷却ロールにて冷却固化し未延伸シートを得た。引き続き、130℃に加熱された金属ロール間で、周速差を利用して縦方向に4.5倍延伸し、さらにテンター延伸機に導入し、横方向に9.5倍の延伸を行った。テンター延伸機の予熱部温度は168℃、延伸部温度は155℃であった。
さらに、テンター延伸機の後半では、熱固定を163℃にて実施した後、基材層(A)表面に春日電機社製のコロナ放電処理機によるコロナ放電処理を実施し、次いで、シール層(C)に同様にコロナ放電処理を実施し、フィルムワインダーにより巻き取ってポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。最終的なフィルム厚みは25μmであり、各層の厚みはそれぞれ基材層(A)/中間層(B)/シール層(C)=21/3/1(μm)であった。
得られたフィルムは本発明の要件を満足するものであり、低温での十分なヒートシール強度と到達強度を有し、密封性、自動包装適性、製袋品腰感、脱気包装後の空気戻りを両立するものとなった。また防曇性も青果物包装に問題の無いレベルとなった。フィルム組成と物性結果を表1に示す。
(実施例2)
中間層(B)の構成樹脂組成物を[PP−1]10重量%と[PP−5]90重量%の混合物とした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムは、実施例1と同様に低温での十分なヒートシール強度と到達強度を有し、密封性、自動包装適性、製袋品腰感、脱気包装後の空気戻りを両立するものとなった。また防曇性も青果物包装に問題の無いレベルとなった。フィルム組成と物性結果を表1に示す。
(実施例3)
中間層(B)の構成樹脂組成物を[PP−1]50重量%と[PP−5]50重量%の混合物とした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムは、実施例1と同様に低温での十分なヒートシール強度と到達強度を有し、密封性、自動包装適性、製袋品腰感、脱気包装後の空気戻りを両立するものとなった。また防曇性も青果物包装に問題の無いレベルとなった。フィルム組成と物性結果を表1に示す。
(実施例4)
中間層(B)の構成樹脂組成物を[PP−1]70重量%と[PP−5]30重量%の混合物とした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムは、密封性が若干低下したが、実施例1と同様に低温での十分なヒートシール強度と到達強度を有し、自動包装適性、製袋品腰感、脱気包装後の空気戻りを両立するものとなった。また防曇性も青果物包装に問題の無いレベルとなった。フィルム組成と物性結果を表1に示す。
(実施例5)
基材層(A)の厚みを22.5μm、中間層(B)の厚みを1.5μmとした以外は、実施例2と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムは、密封性が若干低下したが、実施例2と同様に低温での十分なヒートシール強度と到達強度を有し、自動包装適性、製袋品腰感、脱気包装後の空気戻りを両立するものとなった。また防曇性も青果物包装に問題の無いレベルとなった。フィルム組成と物性結果を表1に示す。
(実施例6)
基材層(A)の厚みを20.5μm、中間層(B)の厚みを3.5μmとした以外は、実施例2と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムは、製袋品腰感が若干低下したが、実施例2と同様に低温での十分なヒートシール強度と到達強度を有し、密封性、自動包装適性、製袋品腰感、脱気包装後の空気戻りを両立するものとなった。また防曇性も青果物包装に問題の無いレベルとなった。フィルム組成と物性結果を表1に示す。
(比較例1)
基材層(A)の厚みを24μmとし、中間層(B)を設置しない以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムは、密封性と脱気包装後の空気戻りが劣るものとなった。フィルム組成と物性結果を表2に示す。
(比較例2)
基材層(A)の厚みを22μmとし、中間層(B)を設置せず、シール層(C)の厚みを3μmにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムは、密封性と脱気包装後の空気戻りが劣るものとなった。フィルム組成と物性結果を表2に示す。
(比較例3)
基材層(A)の厚みを15μm、中間層(B)の厚みを4μmに、シール層(C)の厚みを1μmにした以外は、実施例2と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムは、製袋品腰感に劣るものとなった。フィルム組成と物性結果を表2に示す。
(比較例4)
基材層(A)の構成樹脂組成物を[PP−5]100重量%にした以外は、実施例2と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムは製袋品腰感に劣るものとなった。フィルム組成と物性結果を表2に示す。
(比較例5)
中間層(B)の構成樹脂組成物を[PP−4]100重量%にした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムは、密封性と自動包装適性、脱気包装後の空気戻りが劣るものとなった。フィルム組成と物性結果を表2に示す。
(比較例6)
基材層(A)の厚みを23μmとし、中間層(B)の厚みを1μmとし、シール層(C)の厚みを1μmとした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムは、密封性と自動包装適性、脱気包装後の空気戻りが劣るものとなった。フィルム組成と物性結果を表2に示す。
(比較例7)
基材層(A)の厚みを35μmとし、中間層(B)の厚みを5μmとし、シール層(C)の厚みを2μmとした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムは、密封性と脱気包装後の空気戻りに劣るものとなった。フィルム組成と物性結果を表2に示す。
Figure 2018181011
Figure 2018181011
本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムは、重量物を包装するのに十分なシール強度と密封性を有し、自動包装加工をスムーズに行え、得られた製袋品にしわが少ないのに加え、真空脱気された製袋品への空気戻りが少ない二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルムを提供することができる。

Claims (2)

  1. 基材層(A)、中間層(B)及びシール層(C)からなる二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルムであって、下記1)〜5)を満たすことを特徴とする二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルム。
    1)基材層(A)を構成する樹脂組成物がポリプロピレン系樹脂を主体とし、融点が156℃以上である。
    2)中間層(B)を構成する樹脂組成物が、プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、及びプロピレン・エチレン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の共重合体を30重量%以上含有する。
    3)シール層(C)を構成する樹脂組成物がプロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体、及びプロピレン・エチレン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の共重合体を主体とし、その融点が135℃以下である。
    4)シール層(C)の厚みがフィルム全層に対し2%以上、8%以下である。
    5)中間層(B)の厚みがフィルム全層に対し5%以上、18%以下である。
    6)シール層(C)の厚みと中間層(B)の厚みの合計がフィルム全層に対し22%以下である。
    7)フィルム全層の厚みが33μm以下である。
  2. シール層(C)に防曇剤を含有する請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂フィルム。
JP2019509716A 2017-03-28 2018-03-23 二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルム Active JP6996554B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017062984 2017-03-28
JP2017062984 2017-03-28
PCT/JP2018/011749 WO2018181011A1 (ja) 2017-03-28 2018-03-23 二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2018181011A1 true JPWO2018181011A1 (ja) 2020-02-06
JP6996554B2 JP6996554B2 (ja) 2022-01-17

Family

ID=63675690

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019509716A Active JP6996554B2 (ja) 2017-03-28 2018-03-23 二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルム

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP6996554B2 (ja)
CN (1) CN110505960B (ja)
TW (1) TWI749199B (ja)
WO (1) WO2018181011A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7471053B2 (ja) * 2018-12-25 2024-04-19 グンゼ株式会社 青果物の包装袋に用いるフィルム
TW202037489A (zh) * 2019-01-29 2020-10-16 日商東洋紡股份有限公司 聚丙烯系樹脂多層膜以及包裝體
TW202110646A (zh) * 2019-07-10 2021-03-16 日商東洋紡股份有限公司 雙軸配向聚丙烯系樹脂膜及使用該雙軸配向聚丙烯系樹脂膜之包裝體
KR20220161357A (ko) * 2020-03-30 2022-12-06 도요보 가부시키가이샤 폴리올레핀계 수지 필름
US20230415463A1 (en) 2020-12-23 2023-12-28 Toray Industries, Inc. Polypropylene film, laminate, packaging material, and packing body

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03240533A (ja) * 1990-02-19 1991-10-25 Toray Ind Inc 包装用積層フィルム
JP2005305998A (ja) * 2004-03-26 2005-11-04 Toyobo Co Ltd ヒートシール性ポリプロピレン系樹脂積層フィルム及び包装体
JP2006327183A (ja) * 2005-04-28 2006-12-07 Toyobo Co Ltd ヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フイルム及び包装体
JP2007160530A (ja) * 2005-12-09 2007-06-28 Toyobo Co Ltd 包装用フィルム及び包装体
JP2007283698A (ja) * 2006-04-19 2007-11-01 Toyobo Co Ltd 積層ポリプロピレン系樹脂フィルム
JP2011088375A (ja) * 2009-10-23 2011-05-06 Sumitomo Chemical Co Ltd ポリプロピレン延伸多層フィルム

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101096846B1 (ko) * 2004-03-26 2011-12-22 토요 보세키 가부시기가이샤 열 밀봉성 폴리프로필렌계 수지 적층 필름 및 포장체
JP2012523324A (ja) * 2009-04-10 2012-10-04 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 高性能シール性共押出2軸配向ポリプロピレンフィルム
CN104105746B (zh) * 2012-01-24 2017-09-01 东洋纺株式会社 拉伸聚丙烯薄膜
KR102242396B1 (ko) * 2013-07-23 2021-04-20 도요보 가부시키가이샤 히트 시일성 폴리프로필렌 적층 연신 필름
WO2016174219A1 (en) * 2015-04-30 2016-11-03 Cryovac, Inc. A multilayer coextruded heat-shrinkable barrier foamed film and foamed flexible containers made therefrom for packaging applications
JP6413913B2 (ja) * 2015-05-07 2018-10-31 三菱ケミカル株式会社 トップシール用蓋材フィルム
JP6984593B2 (ja) * 2016-03-30 2021-12-22 東洋紡株式会社 ポリプロピレン系樹脂多層フィルム及びそれを用いた包装体
CN106364093A (zh) * 2016-08-26 2017-02-01 上海紫江新材料科技有限公司 一种流延聚丙烯膜及其制备方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03240533A (ja) * 1990-02-19 1991-10-25 Toray Ind Inc 包装用積層フィルム
JP2005305998A (ja) * 2004-03-26 2005-11-04 Toyobo Co Ltd ヒートシール性ポリプロピレン系樹脂積層フィルム及び包装体
JP2006327183A (ja) * 2005-04-28 2006-12-07 Toyobo Co Ltd ヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フイルム及び包装体
JP2007160530A (ja) * 2005-12-09 2007-06-28 Toyobo Co Ltd 包装用フィルム及び包装体
JP2007283698A (ja) * 2006-04-19 2007-11-01 Toyobo Co Ltd 積層ポリプロピレン系樹脂フィルム
JP2011088375A (ja) * 2009-10-23 2011-05-06 Sumitomo Chemical Co Ltd ポリプロピレン延伸多層フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
WO2018181011A1 (ja) 2018-10-04
TWI749199B (zh) 2021-12-11
JP6996554B2 (ja) 2022-01-17
CN110505960B (zh) 2022-05-10
CN110505960A (zh) 2019-11-26
TW201900420A (zh) 2019-01-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4894340B2 (ja) ヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フイルム及び包装体
JP6996554B2 (ja) 二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルム
JP6302726B2 (ja) 二軸延伸ポリプロピレン系フィルム及び包装用袋
EP1728626B1 (en) Heat-sealable layered polypropylene resin film and package
WO2017170330A1 (ja) ポリプロピレン系樹脂多層フィルム及びそれを用いた包装体
JP7114838B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂多層フィルム
JP4613571B2 (ja) ヒートシール性ポリプロピレン系樹脂積層フィルム及び包装体
TWI439369B (zh) Packaging Materials
JP6994398B2 (ja) ポリプロピレン系フィルム
US20220348752A1 (en) Polyolefin-based resin film and laminate including the same
JP4747538B2 (ja) ヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フィルム及び包装体
WO2021200593A1 (ja) ポリオレフィン系樹脂フィルム、及びそれを用いた積層体
JP4239067B2 (ja) 積層ポリプロピレン系樹脂フイルム及びそれを用いた包装体
JP2020151889A (ja) ポリプロピレン系縦一軸延伸フィルムの製造方法
JP2019166830A (ja) 二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルム及びそれを用いた包装体
WO2022153782A1 (ja) 積層体、及びそれを用いた包装体
JP2007021814A (ja) 容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルム
JP2006305884A (ja) ヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フイルム及び包装体
WO2024157762A1 (ja) 無延伸ポリオレフィン系樹脂フィルム、積層体、及び包装体
US20220356335A1 (en) Polyolefin-based resin film and laminate including the same
TW202411077A (zh) 蒸煮包裝(retort packaging)用聚丙烯系薄膜、及積層體
JP2024108771A (ja) 積層フィルム、および、包装袋
JP2021169197A (ja) 二軸延伸ポリプロピレン系フィルム及び包装体
JP2006150737A (ja) ヒートシール性積層体及び包装体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211025

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211129

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6996554

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350