JP4244205B2 - 内燃機関用オイルパン - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関用のオイルパンに関するものである。
内燃機関の下部に設けられるオイルパンとしては、オイルパン本体の底部を深絞りされオイルを溜めておくためのオイル溜め部が形成されたオイルパン本体の上方に、中央部から外周縁部に向かって下傾したガイド面と、このガイド面の外周縁部に、オイルパンの内周面に接する個所に間欠的に形成された複数の油排出孔を有するバッフルプレートが取り付けられたものが提案されている。
従来の特許文献1に開示されているようなバッフルプレートを有するオイルパンでは、内燃機関の摺動面のうち、シリンダとピストンの摺動面や、クランクシャフト等の軸受部を潤滑し、クランクケース内をミスト状に浮遊した後の滴下するリターンオイルをバッフルプレートで受け、ガイド面を伝わせて油排出孔からオイルパン本体の内周面に伝わせながらオイル溜め部に戻すため、リターンオイルがオイル溜め部のオイルに落ちる際の衝撃を小として、オイル溜め部内のオイルに気泡が生じるのを防止することができるものとしている。
実開平3−52312号公報
一般に、シリンダブロック下端やオイルパン上方に取り付けられるバッフルプレートは、シリンダブロックの口開き方向に発生する振動等を抑制する構造部材としての機能を有しているが、上記のような従来のオイルパンでは、バッフルプレートが別部材としてオイルパン本体の上方に取り付けられること、及び、このオイルパン本体の上方の一部にしか形成されていないこと等から、上述した振動を抑制する機能を充分に発揮しているとはいい難いものであった。
本発明は、内燃機関の振動防止効果を向上させることを目的の1つとし、その請求項1は、シリンダブロックの底側に直接あるいはアダプタープレートを介して取り付けられるアッパー部と、該アッパー部の底側に覆設されるロワ部で構成され、前記アッパー部の下方には、バッフルプレートが一体形成されているとともに、ロワ部に貯留されたオイルを吸込部により吸い込み、該吸い込んだオイルを内燃機関の各部に送給するオイル送給手段を備えた内燃機関用オイルパンにおいて、前記アッパー部は、前記シリンダブロックと前記ロワ部とを連結する左側壁,右側壁,前側壁および後側壁と、前記バッフルプレートとから構成され、当該バッフルプレートは、その略中央に設けられた前記オイル送給手段の前記吸込部と、該吸込部を頂点として左側壁,右側壁,前側壁および後側壁のそれぞれに向かって下傾する傾斜部とからなり、該傾斜部の前記左側壁近傍,前記右側壁近傍およびシリンダ列方向と直交する方向の両端に、前記シリンダブロックと前記ロワ部とを連通する連通開口部を形成したことである。
また、請求項2は、前記アッパー部の側壁上部には、シリンダブロックに締結手段により締結するための複数の締結孔を有し、該締結孔は、シリンダブロックに形成されたシリンダの列方向の各シリンダ間に位置するように設けられているとともに、前記側壁内側には該締結孔の位置に対応した位置に上下方向に縦リブが形成されてなり、該縦リブは、前記側壁の上端から前記バッフルプレートにかけて傾斜する形状に形成されていることである。
また、請求項3は、前記縦リブは、前記シリンダ列方向に直交状に形成されていることである。
また、請求項は、前記連通開口部は、シリンダ列方向の前記縦リブ間に設けられていることである。
また、請求項は、前記バッフルプレートの吸込部から吸い込んだオイルを前記オイル送給手段に導くオイル通路が、アッパー部下部に一体形成されてなることである。
本発明の内燃機関用オイルパンは、アッパー部と、アッパー部の底側に覆設されるロワ部で構成され、アッパー部の下方には、バッフルプレートが一体形成されているとともに、ロワ部に貯留されたオイルを吸込部により吸い込み、吸い込んだオイルを内燃機関の各部に送給するオイル送給手段を備えた内燃機関用オイルパンにおいて、アッパー部は、シリンダブロックとロワ部とを連結する左側壁,右側壁,前側壁および後側壁と、バッフルプレートとから構成され、当該バッフルプレートは、その略中央に設けられたオイル送給手段の前記吸込部と、吸込部を頂点として左側壁,右側壁,前側壁および後側壁のそれぞれに向かって下傾する傾斜部とからなり、傾斜部の左側壁近傍,前記右側壁近傍およびシリンダ列方向と直交する方向の両端に、シリンダブロックとロワ部とを連通する連通開口部を形成したことにより、アッパー部下部にバッフルプレートを一体化して形成したことで、バッフルプレートを別体で設けた場合に比べて高剛性化を図ることができ、内燃機関の振動や放射音を抑制しやすくなり、部品点数を削減できて内燃機関を軽量化できるものとなる。
また、バッフルプレート上に滴下するオイルは、バッフルプレートの外周部の左右および前後の連通開口部から早急にロワ部に戻され、ロワ部の側壁面及び底面に沿って流れるため、この流下時に外気に放熱されて、良好にオイルが冷却される。
また、アッパー部の側壁上部には、シリンダブロックに締結手段により締結するための複数の締結孔を有し、締結孔は、シリンダブロックに形成されたシリンダの列方向の各シリンダ間に位置するように設けられているとともに、側壁内側には締結孔の位置に対応した位置に上下方向に縦リブが形成されてなり、縦リブは、側壁の上端からバッフルプレートにかけて傾斜する形状に形成されていることにより、縦リブにより側壁とバッフルプレートを結合し、バッフルプレートを高剛性化することができる。
また、前記縦リブは、前記シリンダ列方向に直交状に形成されていることにより、縦リブによりオイルパンのアッパー部の剛性が高められたものとなる。
また、前記連通開口部は、シリンダ列方向の前記縦リブ間に設けられていることにより、バッフルプレートに滴下したオイルを、縦リブに案内させて、早急に下方のロワ部に導くことで、高温のオイルはロワ部の側面及び底面を介して外気に放熱されて、オイルが良好に冷却されることとなる。
また、バッフルプレートの吸込部から吸い込んだオイルをオイル送給手段に導くオイル通路が、アッパー部下部に一体形成されてなることにより、オイル通路を介してオイル送給手段に良好にオイルを供給できるものとなり、また、オイル通路が一体形成されているのでバッフルプレートの剛性が向上し、内燃機関の振動防止効果を向上させることができるものとなる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、内燃機関のオイルパンの正面縦断面構成図であり、図2は、側面縦断面構成図であり、図3は、平面構成図である。
図において、オイルパン1は、上方のアッパーオイルパン(アッパー部)2と、このアッパーオイルパン2の下部にボルト4を介して接合されるロワオイルパン(ロワ部)3で構成されている。
アッパーオイルパン2はクランクケースを兼用し、このアッパーオイルパン2の上部には、ボルトを介しシリンダブロックが結合されるものである。
アッパーオイルパン2は、左側壁2aと右側壁2bと前側壁2cと後側壁2dに囲まれ、上端外周にフランジ部2eが一体形成されており、このフランジ部2eには、間隔をおいて複数の締結孔8,8,8が貫通形成されて、各締結孔8内にボルトを入れて、フランジ部2eを上部の図示しないシリンダブロックに結合することができるものである。
このアッパーオイルパン2の下面には、バッフルプレート5が一体状に形成されており、バッフルプレート5は、略中央部に、オイルストレーナ7を取り付けた吸込部5bが設けられ、この吸込部5bを頂点として、左側壁2a及び右側壁2bに向かって下向きに傾斜状の傾斜部5cが形成され、また、前側壁2c及び後側壁2dに向かっても下向きに傾斜して傾斜部5cが形成されており、傾斜した傾斜部5cの外周部には複数のオイル落とし用穴(連通開口部)5a,5a,5aが上下に貫通形成されて、この複数の連通開口部5a,5a,5aを介して、上方からバッフルプレート5上に滴下したオイルを下方のロワオイルパン3内に戻すことができるように構成されている。
ロワオイルパン3は有底椀状に形成されており、その内部にオイルを溜めることができ、溜められたオイル内に浸漬するように前記吸込部5bに取り付けられたオイルストレーナ7が垂下状に配置されている。なお、オイルストレーナ7内にはフィルター7aが設けられている。
また、吸込部5bからアッパーオイルパンの右側壁2bに向かってオイル通路6aがバッフルプレート5上面に一体形成されており、また、このオイル通路6aと連通状に、アッパーオイルパンの右側壁2bの内側に沿ってオイル通路6bが形成されており、オイルストレーナ7から吸い上げられたオイルを、このオイル通路6a,6bを通し、良好に図示しないオイルポンプ(オイル送給手段)へ供給できるように構成されている。
また、本例では、アッパーオイルパン2の左側壁2aと右側壁2bの内側に、それぞれ対向状に複数の縦リブ9,9,9が一体形成されており、各縦リブ9は、図1に示すように、アッパーオイルパン2の上端側の幅が短く、バッフルプレート5側の幅が長い形状に形成されている。
なお、複数の縦リブ9,9,9は、前述した締結孔8,8,8の位置にそれぞれ形成されたものであり、図3に想像線で示す4個のシリンダ10a,10b,10c,10dの配列方向に、間隔をおいて各シリンダ10a,10b,10c,10d間に位置するように縦リブ9,9と締結孔8,8がそれぞれ形成されて、各縦リブ9はシリンダ列方向に直交状にアッパーオイルパン2の内側へ突出状に形成されている。
また、バッフルプレート5の外周に形成された複数の連通開口部5a,5a,5aは、左側壁2a及び右側壁2bに一体形成された各縦リブ9,9間に、シリンダ10a,10b,10c,10dの配列方向に沿って設けられているとともに、シリンダの配列方向と直交する前後方向側にも開設されている。
このような構成においては、バッフルプレート5がアッパーオイルパン2の下部に一体形成されているため、アッパーオイルパン2の剛性が高められ、しかもアッパーオイルパンの内側には複数の縦リブ9,9が一体形成されて、各縦リブ9の下端はバッフルプレート5に連続しているため、この複数の縦リブ9,9により更にアッパーオイルパン2の剛性が高められたものとなっており、振動や放射音を良好に抑制することができるものとなり、しかも一体化されていることにより全体を軽量化できるものとなる。
また、上方からバッフルプレート5上に滴下する高温のオイルは、外周側に複数形成した連通開口部5a,5aに導かれて、複数の連通開口部5a,5aから素早く下方のロワオイルパン3に戻されることとなり、戻されたオイルは、ロワオイルパン3の側壁面及び底面に沿って流れるため、この流下時に外気に放熱されて、良好にオイルが冷却されることとなり、オイルストレーナ7へは良好に冷却されたオイルが吸い込まれることとなり、潤滑性能の低下やオイルの劣化を良好に防ぐことができるものとなる。
また、複数の縦リブ9,9が設けられているため、この縦リブ9,9に案内させて、バッフルプレート上に滴下したオイルを良好に外周側の連通開口部5a,5aに導くことができるものとなる。
オイルパンの正面縦断面構成図である。 オイルパンの側面縦断面構成図である。 オイルパンの平面構成図である。
符号の説明
1 オイルパン
2 アッパーオイルパン(アッパー部)
2a 左側壁
2b 右側壁
2c 前側壁
2d 後側壁
2e フランジ部
3 ロワオイルパン(ロワ部)
4 ボルト
5 バッフルプレート
5a 連通開口部
5b 吸込部
5c 傾斜部
6a,6b オイル通路
7 オイルストレーナ
8 締結孔(シリンダブロック取付用孔)
9 縦リブ
10a,10b,10c,10d シリンダ

Claims (5)

  1. シリンダブロックの底側に直接あるいはアダプタープレートを介して取り付けられるアッパー部と、該アッパー部の底側に覆設されるロワ部で構成され、前記アッパー部の下方には、バッフルプレートが一体形成されているとともに、ロワ部に貯留されたオイルを吸込部により吸い込み、該吸い込んだオイルを内燃機関の各部に送給するオイル送給手段を備えた内燃機関用オイルパンにおいて、
    前記アッパー部は、前記シリンダブロックと前記ロワ部とを連結する左側壁,右側壁,前側壁および後側壁と、前記バッフルプレートとから構成され、
    当該バッフルプレートは、その略中央に設けられた前記オイル送給手段の前記吸込部と、該吸込部を頂点として左側壁,右側壁,前側壁および後側壁のそれぞれに向かって下傾する傾斜部とからなり、
    該傾斜部の前記左側壁近傍,前記右側壁近傍およびシリンダ列方向と直交する方向の両端に、前記シリンダブロックと前記ロワ部とを連通する連通開口部を形成したことを特徴とする内燃機関用オイルパン。
  2. 前記アッパー部の側壁上部には、シリンダブロックに締結手段により締結するための複数の締結孔を有し、該締結孔は、シリンダブロックに形成されたシリンダの列方向の各シリンダ間に位置するように設けられているとともに、前記側壁内側には該締結孔の位置に対応した位置に上下方向に縦リブが形成されてなり、該縦リブは、前記側壁の上端から前記バッフルプレートにかけて傾斜する形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用オイルパン。
  3. 前記縦リブは、前記シリンダ列方向に直交状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関用オイルパン。
  4. 前記連通開口部は、シリンダ列方向の前記縦リブ間に設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の内燃機関用オイルパン。
  5. 前記バッフルプレートの吸込部から吸い込んだオイルを前記オイル送給手段に導くオイル通路が、アッパー部下部に一体形成されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれかに記載の内燃機関用オイルパン。
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