JP5604976B2 - 内燃機関のオイルパン構造 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のオイルパン構造に関する。
特許文献1には、内燃機関のピストンとクランクシャフトのクランクピンとを複数のリンクにより連係し、かつ、これら複数のリンクの一つと補助シャフト(制御シャフト)とを補助リンク(制御リンク)により連結した複リンク式ピストン−クランク機構(以下、単に「複リンク機構」とも呼ぶ)を利用して、ピストンストローク特性の変化を伴って機関圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構を実現するものが記載されている。
ところで、内燃機関の下部にはエンジンオイルを貯溜するオイルパンが設けられている。このオイルパンは、上記特許文献1の図16にも示すように、浅底部が形成されたオイルパンアッパの底壁部に、トランスミッションが取り付けられる機関後方側とは反対側の機関前方寄りの部分に開口部が形成され、この開口部を塞ぐように、深底部が形成されたオイルパンロアがオイルパンアッパの前部に取り付けられている。
特開2003−322036号公報
内燃機関では、車両への搭載性の向上のために機関全高の短縮化が望まれており、特に、上述したような複リンク機構を備えるものにおいては、ピストンとクランクピンとを一本のリンク(コネクティングロッド)により連結した単リンク式ピストン−クランク機構(以下、単に「単リンク機構」という)を用いた内燃機関に比して、クランクシャフトよりも下方に補助シャフトや補助リンクなどの部品が存在するために、機関全高が高くなる傾向にあり、機関全高の短縮化が難しい。
機関全高を低く抑制するために、オイルパンの位置を上方に底上げすると、オイルパン内に溜められたエンジンオイルの油面レベルが上昇する。このため、機関実動中にクランクシャフトの回転に伴って作動する主運動系部品、つまり複リンク機構の場合にはクランクシャフトよりも下方に配置される補助リンクのシャフト側端部(単リンク機構の場合にはクランクシャフトのカウンターウエイトなど)が油面と干渉・埋没し、エンジンオイルの撹拌によりフリクションが増大したり、また、補助リンクが油面を叩く形となって、気泡が発生し、オイルへのエアー混入によって、潤滑性能の低下を招くおそれがある。
また、機関全高を抑制するためにオイルパン自体の高さ方向寸法を短縮した場合、油量確保が困難となる。油量確保の目的で、オイルパンアッパの下面の広い範囲にわたって開口部を形成して、この開口部に取り付けられるオイルパンロアの深底部を拡大すると、開口部の増加により剛性・強度が低下し、これによって、トランスミッションとの結合剛性が低下し、パワープラントの捩れ、曲げ等の主要モードが悪化し、固体伝播により中周波の加速時騒音が悪化する。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明に係る内燃機関のオイルパン構造においては、シリンダブロックの下方に、オイルパンアッパを挟んで薄皿状をなすオイルパンロアが取り付けられ、これらオイルパンアッパとオイルパンロアとによって、エンジンオイルを貯溜するオイルパンが構成されており、上記オイルパンアッパには、オイル落とし孔が貫通形成されたアッパ底壁部が一体的に形成され、このアッパ底壁部における下面側の周縁部に沿うように、上記オイルパンロアの上端周縁部が取り付けられており、かつ、上記アッパ底壁部上に、クランクシャフトとともに作動する主運動系部品の下部を覆うバッフルカップが設けられている。
このような本発明によれば、必要な油量を確保しつつオイルパンロアの高さ方向寸法を抑制し、ひいては機関全高を抑制して車両への機関搭載性を向上することができる。また、オイルパンアッパがアッパ底壁部により下面側が閉塞された下面クローズド構造を呈しているため、オイルパンロアを幅広く延在させているにもかかわらず、強度・剛性に優れている。このアッパ底壁部は油面の位置変動や波打ちを抑制し、かつ、オイルと主運動系部品との干渉を抑制するバッフルプレートとしても機能する。更に、パワープラントの捻れ,曲げ等による主要モードの振動が低減・抑制されて、個体伝播による中周波の加速時騒音が改善(低減)する。
そして、このアッパ底壁部上に設けられたバッフルカップによって、仮にオイルパン内の油面レベルがアッパ底壁部を超えて上昇したとしても、オイルと主運動系部品との干渉をより確実に抑制することができ、これによるフリクションの増加や潤滑性能の低下を抑制することができる。このように本発明によれば、必要な油量を確保した上で、機関全高の短縮化を図りつつ、油面上昇に伴うエンジンオイルと主運動系部品との干渉を抑制することが可能となる。
本発明の第1実施例に係るオイルパン構造を適用した内燃機関を示す断面図。 同じく第1実施例に係るオイルパン構造を適用した内燃機関を示す断面図。 上記第1実施例のオイルパンアッパとオイルパンロアとを示す分解斜視図。 上記第1実施例のオイルパンアッパを単体で示す斜視図。 本発明の第2実施例に係るバッフルカップの近傍を示す断面図。 本発明の第3実施例に係るオイルパン構造を適用した内燃機関を示す断面図。 上記第3実施例のオイルパンアッパ及びクランクシャフトを示す斜視図。
以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照して説明する。図1〜図4は、本発明を直列4気筒内燃機関に適用した第1実施例を示している。シリンダブロック11には、各気筒のピストン12が往復動可能に嵌合するシリンダ13が形成されている。このシリンダブロック11の下方にオイルパンアッパ14を挟んで上方に開口する薄皿状のオイルパンロア15が取り付けられ、これらオイルパンアッパ14とオイルパンロア15とにより、エンジンオイルが溜められるオイルパンが構成されている。後述するように、機関全高を抑制しつつエンジンオイルの油量を確保するように、オイルパンロア15が機関前後方向及び機関幅補方向のほぼ全長にわたって広範囲に延在しており、いわゆる浅底部と深底部とに分かれていないフラットなオイルパンとなっている。
可変圧縮比機構は、ピストン12とクランクシャフト16のクランクピン17とを複数のリンク21,22により連係した複リンク式ピストン−クランク機構を利用したものであり、その基本構成は上記の特開2003−322036号公報等により公知であるため、ここでは簡単な説明にとどめる。この機構は、クランクシャフト16のクランクピン17に回転可能に取り付けられるロアリンク21と、上端がピストン12にピストンピン23を介して回転可能に取り付けられるとともに、下端が第1連結ピン24によりロアリンク21に回転可能に取り付けられるアッパリンク22と、上端部がロアリンク21に第2連結ピン25を介して回転可能に連結された制御リンク(補助リンク)26と、を有している。
また、クランクシャフト16の下方には、制御シャフト(補助シャフト)27がシリンダブロック11側に回転可能に支持されている。この制御シャフト27には、制御シャフト27の回転中心に対して偏心する制御偏心軸部28が各気筒毎に設けられており、この制御偏心軸部28に、制御リンク26の下端のシャフト側端部30が回転可能に取り付けられている。このシャフト側端部30は、制御偏心軸部28に後から組付可能なように、制御偏心軸部28を挟持する本体の一部30Aとキャップ部30Bとがボルト30Cにより共締め固定される半割構造をなしている。
機関実動時には、クランクシャフト16の回転に伴って、ロアリンク21及びアッパリンク22を介してピストン12が昇降するとともに、ロアリンク21の姿勢の変化に応じて、制御リンク26が制御偏心軸部28を支点として所定範囲内を揺動する。
制御シャフト27には電動モータ等の可変圧縮比アクチュエータ33が連結されている。この可変圧縮比アクチュエータ33は、この実施例では、オイルパンアッパ14の側壁に横付けされており、制御シャフト27に設けられたレバー(図示省略)やオイルパンアッパ14の側壁を貫通するアーム(図示省略)等を介して制御シャフト27に連結されている。このアクチュエータ33により制御シャフト27の回転位置を変更することによって、制御リンク26の揺動支点となるシャフト側端部30の位置が変化して、ロアリンク21の姿勢が変化する。これにより、ピストン上死点位置やピストン下死点位置を含むピストンストローク特性が変化して、機関圧縮比が変化する。
図2にも示すように、クランクシャフト16のメインジャーナル部は、シリンダブロック11のバルクヘッド部35と、その下面に取り付けられるメインベアリングキャップ36と、により回転可能に支持されている。また、制御シャフト27のジャーナル部27Aは、メインベアリングキャップ36と、その下面に取り付けられるサブベアリングキャップ37と、により回転可能に支持されている。ここで、制御シャフト27は、クランクシャフト16の直下位置、つまりシリンダ軸方向に沿う下方位置に配置されている。従って、両ベアリングキャップ36,37を貫通してバルクヘッド部35に螺合する共通の一対の固定ボルト38によって、両ベアリングキャップ36,37をシリンダブロック側へ固定しつつ、クランクシャフト16と制御シャフト27の双方のジャーナル軸受部分の剛性を確保することができる。このように、制御シャフト27をクランクシャフト16の直下位置に配置することで、固定ボルト38を共用化し、部品点数の削減や軽量化,簡素化が図られている。
図3及び図4を参照して、オイルパンアッパ14は、アルミ合金等の金属材料により一体的に鋳造されるものであり、上端のアッパフランジ部51でシリンダブロック11の下面にボルト結合されている。オイルパンロア15は、例えば板金製のもので、その上端周縁部に形成された取付フランジ部15Aがオイルパンアッパ14のアッパ底壁部52の下面に設けられた帯状の取付部53に複数のボルトにより固定されている。これらの取付フランジ部15Aと取付部53には、ボルトが挿通・螺合するボルト孔54が形成されている。
オイルパンロア15が取り付くオイルパンアッパ14の取付部53は、アッパ底壁部52における周縁部に沿って設けられており、従って、オイルパンロア15は、オイルパンアッパ14のアッパ底壁部52のほぼ全面、つまり、クランク軸方向に沿う機関前後方向及び機関幅方向の全長にわたって延在し、上面側が開放するとともに底面が平坦な一定深さの薄皿状に構成されている。つまり、このオイルパンは、油量を確保しつつ機関全高を抑制するように、浅底部と深底部とにわかれておらず、オイルパンロア15の底面がオイルパンロアの平坦な単一の底面を構成した構造となっている。
オイルパンアッパ14は、上方側及び前方側が開口するブロック形状をなしており、具体的には、アッパ底壁部52と、このアッパ底壁部52の機関幅方向の両側より上方へ一体的に立ち上がる一対のアッパ側壁部55と、アッパ底壁部52の後端より上方へ一体的に立ち上がるアッパ後壁部56と、を有しており、かつ、大きく開放する機関前側にはフロントカバー(図示省略)が取り付けられる。このように、オイルパンアッパ14は、下面全体にわたってアッパ底壁部52が延在する下面クローズド構造を呈し、特に、トランスミッションが取り付けられる機関後方寄りの部分では、アッパ底壁部52と一対のアッパ側壁部55とアッパ後壁部56とにより四方が閉塞する構造をなしており、剛性に優れたものとなっている。
アッパ底壁部52は、平坦な板状をなし、エンジンオイルをオイルパンロア15へ滴下させる油落とし孔として、機関前方寄りの開口部57と、機関後方寄りのスリット58と、が貫通形成されている。開口部57は、図示せぬオイルストレーナやオイルポンプの駆動チェーン等を設けるために比較的大きく開口しており、具体的には機関前側部分における機関幅方向の全長にわたって開口したものとなっている。一方、機関後側のスリット58は、剛性を確保するために、比較的開口面積の小さいものとなっており、この実施例では、機関幅方向に延びる複数本のスリット58が機関前後方向で所定間隔置きに形成されている。
上記のアッパ底壁部52は、オイルパンに溜められるエンジンオイルの油面の位置変動や波立ちを抑制する、いわゆるバッフルプレートとしても機能する。そして、このアッパ側壁部55上に、制御リンク26のシャフト側端部30の下方を囲う撹拌抵抗低減部材としてのバッフルカップ40が、オイルパンアッパ14上に取り付けられている。この実施例では、機関前側に大きな開口部57が設けられているために、機関前側の第1気筒にはバッフルカップが設けられておらず、第2〜第4気筒に対してそれぞれバッフルカップ40が設けられている。
各バッフルカップ40は、制御シャフト27に回転可能に取り付けられる制御リンク26のシャフト側端部30が、クランクシャフト16や制御シャフト27の下方のオイルパン内に溜められているエンジンオイルと干渉することを抑制する機能を有するものである。このバッフルカップ40は、制御リンク26のシャフト側端部30の両側面に所定の間隙を隔てて対向する半円弧状をなす一対の側壁部44と、両側壁部44の外周縁に掛け渡されるとともに、制御リンク26のシャフト側端部30の外周を覆う外周壁部45と、を有し、円弧状に湾曲しつつ制御リンク26のシャフト側端部30の三方を液密に囲う湾曲す断面チャンネル形状をなしている。また、側壁部44の中央部には、制御シャフト27が貫通する半円状の切欠部46が同心円状に形成されている。図4にも示すように、外周壁部45には、側方へ延びる取付プレート部47が一体的に形成されており、この取付プレート部47がボルト48によってアッパ底壁部52上に共締め固定されている。
制御リンク26のシャフト側端部30は、クランクシャフト16の回転に伴って揺動するとともに、制御シャフト27の回転に伴って揺動支点の位置が変化するものであり、その全ての運動軌跡と干渉することのないように、バッフルカップ40の寸法・形状が設定されている。
図5は、本発明の第2実施例に係るバッフルカップ60を示している。このバッフルカップは、オイルパンアッパ14のアッパ底壁部52に一体的に成形されており、その下面がアッパ底壁部52の上面側に一体的に接続している。このバッフルカップ60の外周壁部61の内面61Aは、上記第1実施例と同様、制御リンク26のシャフト側端部30の回転軌跡に沿う形で円弧状に形成される一方、バッフルカップ60の外周壁部61の外面61Bは、鋳造による型抜き性などを考慮して、アッパ底壁部52の上面から略垂直に起立するフラットな平面となっている。このため、このバッフルカップ60の外周壁部61は、アッパ底壁部52と接続する下方へ向かうに従って厚肉化された厚肉部61Cを有するものとなっており、バッフルカップ60がオイルパンアッパ14に安定して取り付けられるとともに、バッフルカップ60がオイルパンアッパ14の強度・剛性の向上にも寄与するものとなっている。
図6及び図7は、単リンク式のピストン−クランク機構を備えた内燃機関に本発明を適用した第3実施例を示している。このような単リンク機構においては、クランクシャフト16の下方に制御リンク等の部品が設けられていないため、主運動系部品として、クランクシャフト16のクランクピン17の両側に設けられたカウンターウエイト18が最も下方に位置することとなる。そこで、この第3実施例では、クランクシャフト16とともに回転するカウンターウェイト18の回転軌跡の最下部を覆うように、バッフルカップ62をオイルパンアッパ14のアッパ底壁部52上に設けている。
この第3実施例のように単リンク機構を備えた内燃機関においても、上記第1,第2実施例と同様、機関全高の短縮化に伴いオイルパン内の油面レベルが上昇しても、バッフルプレートとしても機能するオイルパンアッパ14のアッパ底壁部52上に、カウンターウェイト18の回転軌跡の最下部を覆うバッフルカップ62を設けているために、カウンターウェイト18と油面との干渉を抑制し、これによるフリクションの増加を抑制することができる。
次に、図示実施例を参照して本発明の特徴的な構成及び作用効果について説明する。但し、本発明は図示実施例の構成に限定されるものではない。
(1)シリンダブロック11の下方には、オイルパンアッパ14を挟んで薄皿状をなすオイルパンロア15が取り付けられ、これらオイルパンアッパ14とオイルパンロア15とによって、エンジンオイルを貯溜するオイルパンが構成されている。ここで、オイルパンアッパ14には、オイル落とし孔としての開口部57やスリット58が貫通形成されたアッパ底壁部52が一体的に形成されており、このアッパ底壁部52における下面側の周縁部に沿うように、オイルパンロア15の上端周縁部のフランジ部15Aが取り付けられている。つまり、オイルパンロア15がアッパ底壁部52の周縁部に取り付けられて、実質的にアッパ底壁部52の下面全体を覆うように幅広く延在している。このようにオイルパンロア15を幅広く延在させることで、必要な油量を確保しつつ、オイルパンロア15を含めたオイルパンの高さ方向寸法を抑制し、ひいては機関全高を抑制することができる。
また、オイルパンアッパ14は、その下面側にアッパ底壁部52が一体的に形成された下面クローズド構造をなしているため、オイルパンロア15を幅広く延在させているにもかかわらず、強度・剛性に優れたものとなっている。更に、このアッパ底壁部52が油面の位置変動や波打ちを抑制し、かつ、アッパ底壁部52上に存在する主運動系部品としての制御リンク26とオイルとの干渉を抑制するバッフルプレートとしても機能するため、別途バッフルプレートを設ける場合に比して、部品点数が削減され、構成が簡素化される。更に、パワープラントの捻れ,曲げ等による主要モードの振動が低減・抑制されて、個体伝播による中周波の加速時騒音が改善(低減)する。
そして、このアッパ底壁部52上に、クランクシャフト16とともに作動する主運動系部品の下部、例えば図1〜図4に示す第1実施例においては複リンク機構における制御リンク26のシャフト側端部30を覆うバッフルカップ40が設けられている。従って、仮にオイルパン内の油面レベルがアッパ底壁部52を超えて上昇したとしても、バッフルカップ40によりオイルと主運動系部品との干渉をより確実に抑制することができ、これによるフリクションの増加を抑制することができる。
さらに、機関全高を抑制するために主運動系部品としての制御リンク26のシャフト側端部30がアッパ底壁部52に近接して配置されていることから、バッフルカップ40をアッパ底壁部52上に容易に固定あるいは一体形成することができる。
(2)より具体的には、オイルパンロア15は、アッパ底壁部52の下面全体を覆うように延在しており、このオイルパンロア15のロア底壁部15Bによって、単一の平坦なオイルパンの底面が構成されている構造、つまり、オイルパンアッパによる浅底部とオイルパンロアによる深底部とに分かれていない構造となっている。これによって、上述したように、油量を確保しつつ機関全高を抑制することが可能となっている。
(3)また、図5に示す第2実施例のように、バッフルカップ60をオイルパンアッパ14のアッパ底壁部52と一体的に成形することにより、部品点数が削減するとともに、バッフルカップ60をアッパ底壁部52に固定する必要がなく、その固定作業が不要になり、かつ、バッフルカップ及びアッパ底壁部を含めたオイルパンアッパの剛性や強度も向上する。
(4)特に、上述した第1実施例のように、クランクシャフト16よりも下方に制御シャフト(補助シャフト)27を配置した複リンク機構においては、機関全高が高くなる傾向にあることから、油量を確保しつつ機関全高を抑制しようとすると、制御リンク26のシャフト側端部30とオイルとの干渉を回避することが難しいものの、上記実施例のように、アッパ底壁部52上に設けたバッフルカップ40により制御リンク26のシャフト側端部30を覆うことで、上記の干渉を抑制し、これによるフリクションの増加を抑制することができる。
なお、本発明はこのように複リンク機構を備えるものに限らず、図6及び図7に示すような単リンク式のピストン−クランク機構を備える内燃機関にも同様に適用可能である。
(5)また、上記の第1実施例においては、制御シャフト(補助シャフト)27が、クランクシャフト16の直下位置に配置されている。この場合、上述したように、共通の一対の固定ボルト38とベアリングキャップ36,37とを用いた簡素な構成で、クランクシャフト16と制御シャフト27との軸受部分の支持剛性を確保することが可能となるものの、機関全高が更に高くなる傾向にあり、本発明の適用が極めて有効である。
(6)バッフルカップ40は、例えば、図1、図3及び図4に示すように、制御リンク26のシャフト側端部30の側面に所定の間隙を隔てて対面する一対の側壁部44と、これら一対の側壁部44に掛け渡されるとともに、制御リンク26のシャフト側端部30の外周を覆う外周壁部45と、を有し、かつ、側壁部44には、制御シャフト27が貫通する切欠部46が形成されており、断面チャンネル形状で全体として円弧状に湾曲するリング状をなす簡素な形状をなしている。
(7)また、本発明は、上記第1実施例のように複リンク機構を利用して機関圧縮比を可変とする可変圧縮比機構を実現するものに特に好適である。この可変圧縮比機構では、制御シャフト27に偏心して設けられた制御偏心軸部28に制御リンク26のシャフト側端部30が揺動可能に取り付けられており、可変圧縮比アクチュエータ33により制御シャフト27の回転位置を変更することで、機関圧縮比を変化させるようになっている。
16…クランクシャフト
21…ロアリンク
22…アッパリンク
26…制御リンク(補助リンク)
27…制御シャフト(補助シャフト)
30…シャフト側端部
40,60,62…バッフルカップ
44…側壁部
45…外周壁部
46…切欠部
52…アッパ底壁部
57…開口部(オイル落とし孔)
58…スリット(オイル落とし孔)
55…アッパ側壁部

Claims (5)

  1. シリンダブロックの下方に、オイルパンアッパを挟んで薄皿状をなすオイルパンロアが取り付けられ、これらオイルパンアッパとオイルパンロアとによって、エンジンオイルを貯溜するオイルパンが構成されており、
    上記オイルパンアッパには、オイル落とし孔が貫通形成されたアッパ底壁部が一体的に形成され、このアッパ底壁部における下面側の周縁部に沿うように、上記オイルパンロアの上端周縁部が取り付けられており、
    かつ、上記アッパ底壁部上に、クランクシャフトとともに作動する主運動系部品の下部を覆うバッフルカップが設けられ、
    内燃機関のピストンとクランクシャフトのクランクピンとを複数のリンクにより連係するとともに、クランクシャフトよりも下方に配置された補助シャフトと上記複数のリンクの一つとを補助リンクにより連結した複リンク式ピストン−クランク機構を備え、
    上記補助シャフトに揺動可能に取り付けられる補助リンクのシャフト側端部が、上記バッフルカップに覆われており、
    上記バッフルカップは、上記補助リンクのシャフト側端部の側面に所定の間隙を隔てて対面する一対の側壁部と、これら一対の側壁部に掛け渡されるとともに、上記補助リンクのシャフト側端部の外周を覆う外周壁部と、を有し、上記側壁部には、上記補助シャフトが貫通する切欠部が形成されていることを特徴とする内燃機関のオイルパン構造。
  2. 上記オイルパンロアは、上記アッパ底壁部の下面全体を覆うように延在しており、このオイルパンロアの底面が、単一の平坦なオイルパンの底面を構成していることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のオイルパン構造。
  3. 上記バッフルカップが、上記オイルパンアッパのアッパ底壁部と一体的に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関のオイルパン構造。
  4. 上記補助シャフトは、クランクシャフトの直下位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関のオイルパン構造。
  5. 上記補助リンクのシャフト側端部が、上記補助シャフトに偏心して設けられた制御偏心軸部に揺動可能に取り付けられており、
    かつ、上記補助シャフトの回転位置を変更することで、機関圧縮比を可変とする可変圧縮比アクチュエータを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関のオイルパン構造。
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