JP2011241795A - 複リンク式ピストン−クランク機構を備えた内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】複リンク機構における機関全高の短縮化により油面レベルが上昇すると、オイルパン内のエンジンオイルと制御リンク(補助リンク)のシャフト側端部とが干渉し、フリクションの増加を招くおそれがある。
【解決手段】複リンク機構は、ピストン12とクランクシャフト16のクランクピン17とを複数のリンク21,22により連係し、クランクシャフト16の下方の制御シャフト(補助シャフト)27とロアリンク21とを制御リンク26により連結している。制御シャフト27の制御偏心軸部28に揺動可能に取り付けられる制御リンク26のシャフト側端部30が、オイルパン内のエンジンオイルと干渉することを抑制するように、制御リンク26のシャフト側端部30の下側を囲うバッフルカップ40を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、複リンク式ピストン−クランク機構を備えた内燃機関に関する。
特許文献1には、ピストンとクランクシャフトのクランクピンとを複数のリンクにより連係し、かつ、これら複数のリンクの一つと、クランクシャフトよりも下方に配置される補助シャフト(制御シャフト)と、を補助リンク(制御リンク)により連結した複リンク式ピストン−クランク機構(以下、単に「複リンク機構」という)を利用して、ピストン上死点位置、ひいては機関圧縮比を変更可能とする内燃機関が記載されている。
特開2003−322036号公報
このような複リンク機構においては、ピストンとクランクピンとを一本のリンク(コネクティングロッド)により連結した単リンク式ピストン−クランク機構(以下、単に「単リンク機構」という)を用いた内燃機関に比して、クランクシャフトよりも下方に補助シャフトや補助リンクなどの部品が存在するために、機関全高が高くなる傾向にあり、車両への搭載性が低下する、という問題がある。
機関全高を低く抑制するために、オイルパンの位置を上方に底上げすると、オイルパン内に溜められたエンジンオイルの油面レベルが上昇する。このため、機関実動中にクランクシャフトの回転に伴って揺動する補助リンクのシャフト側端部が油面と干渉・埋没し、エンジンオイルの撹拌によりフリクションが増大したり、また、補助リンクが油面を叩く形となって、気泡が発生し、オイルへのエアー混入によって、潤滑性能の低下を招くおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、内燃機関のピストンとクランクシャフトのクランクピンとを複数のリンクにより連係するとともに、クランクシャフトよりも下方に配置された補助シャフトと上記複数のリンクの一つとを補助リンクにより連結した複リンク式ピストン−クランク機構を備えてなる内燃機関において、上記補助シャフトに揺動可能に取り付けられる補助リンクのシャフト側端部が、上記補助シャフト下方のオイルパン内に溜められたエンジンオイルと干渉することを抑制するように、上記補助リンクのシャフト側端部の少なくとも一部を囲うバッフルカップを設けたことを特徴としている。
本発明によれば、複リンク機構における機関全高の短縮化の影響で油面レベルが比較的高い位置となっても、バッフルカップによって、機関実動時に高速で揺動する補助リンクのシャフト側端部がオイルパンに溜められているエンジンオイルと干渉することを抑制し、これによるフリクションの増加を抑制することができる。従って、フリクションの増加を伴うことなく、複リンク機構における機関全高を短縮し、車両搭載性を向上することが可能となる。
本発明の第1実施例に係る複リンク式ピストン−クランク機構を備えた内燃機関を示す断面図。 上記第1実施例の制御リンクの近傍を示す斜視図。 上記第1実施例の制御リンクの近傍を示す正面図。 上記第1実施例の制御リンクの近傍を示す断面図。 上記第1実施例のバッフルカップを示す斜視図。 図5のバッフルカップの上面図。 本発明の第2実施例に係るバッフルカップを示す断面図。 本発明の第3実施例に係るバッフルカップを示す断面図。 本発明の第4実施例に係るバッフルカップを適用した内燃機関の制御リンク近傍を示す側面図。 上記第4実施例に係るバッフルカップを示す斜視図。 本発明の第5実施例に係るバッフルカップを示す斜視図。 本発明の第6実施例に係るバッフルカップを示す制御リンク近傍の断面図。 本発明の第7実施例に係るバッフルカップを示す制御リンク近傍の断面図。 本発明の第7実施例に係るバッフルカップを示す高圧縮比(a)及び低圧縮比(b)の状態での断面図。 上記第7実施例に係るバッフルカップを示す断面対応図。
以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照して説明する。図1〜図6は、本発明を直列4気筒内燃機関に適用した第1実施例を示している。図1を参照して、シリンダブロック11には、各気筒のピストン12が往復動可能に嵌合するシリンダ13が形成されている。このシリンダブロック11の下面にオイルパンアッパ14が固定され、このオイルパンアッパ14の下面に、浅底状のオイルパンロア15のフランジ部15Aが固定されている。これらオイルパンアッパ14とオイルパンロア15とにより、エンジンオイルが溜められるオイルパンが構成されている。ここで、機関全高を抑制しつつエンジンオイルの油量を確保するように、オイルパンロア15が機関前後方向のほぼ全長にわたって広範囲に延在しており、いわゆる深底部のないフラットなオイルパンとなっている。
可変圧縮比機構は、ピストン12とクランクシャフト16のクランクピン17とを複数のリンク21,22により連係した複リンク式ピストン−クランク機構を利用したものであり、その基本構成は上記の特開2003−322036号公報等により公知であるため、ここでは簡単な説明にとどめる。この機構は、クランクシャフト16のクランクピン17に回転可能に取り付けられるロアリンク21と、上端がピストン12にピストンピン23を介して回転可能に取り付けられるとともに、下端が第1連結ピン24によりロアリンク21に回転可能に取り付けられるアッパリンク22と、上端部がロアリンク21に第2連結ピン25を介して回転可能に連結された制御リンク(補助リンク)26と、を有している。
また、クランクシャフト16の下方には、制御シャフト(補助シャフト)27がシリンダブロック11側に回転可能に支持されている。この制御シャフト27には、制御シャフト27の回転中心に対して偏心する制御偏心軸部28が各気筒毎に設けられており、この制御偏心軸部28に、制御リンク26の下端のシャフト側端部30が回転可能に取り付けられている。図4にも示すように、このシャフト側端部30は、制御偏心軸部28に後から組付可能なように、制御偏心軸部28を挟持する本体の一部30Aとキャップ部30Bとがボルト30Cにより共締め固定される半割構造をなしている。
機関実動時には、クランクシャフト16の回転に伴って、ロアリンク21及びアッパリンク22を介してピストン12が昇降するとともに、ロアリンク21の姿勢の変化に応じて、制御リンク26が制御偏心軸部28を支点として所定範囲内を揺動することとなる。
制御シャフト27には電動モータ等の可変圧縮比アクチュエータ33が連結されている。この可変圧縮比アクチュエータ33は、この実施例では、オイルパンアッパ14の側壁に横付けされており、制御シャフト27に設けられたレバー(図示省略)やオイルパンアッパ14の側壁を貫通するアーム(図示省略)等を介して制御シャフト27に連結されている。このアクチュエータ33により制御シャフト27の回転位置を変更することによって、制御リンク26の揺動支点となるシャフト側端部30の位置が変化して、ロアリンク21の姿勢が変化する。これにより、ピストン上死点位置やピストン下死点位置を含むピストンストローク特性が変化して、機関圧縮比が変化する。
クランクシャフト16のメインジャーナル部は、シリンダブロック11のバルクヘッド部35と、その下面に取り付けられるメインベアリングキャップ36と、により回転可能に支持されている。また、図2にも示すように、制御シャフト27のジャーナル部27Aは、メインベアリングキャップ36と、その下面に取り付けられるサブベアリングキャップ37と、により回転可能に支持されている。ここで、制御シャフト27は、クランクシャフト16の直下位置、つまりシリンダ軸方向に沿う下方位置に配置されている。従って、両ベアリングキャップ36,37を貫通してバルクヘッド部35に螺合する共通の一対の固定ボルト38によって、両ベアリングキャップ36,37をシリンダブロック側へ固定しつつ、クランクシャフト16と制御シャフト27の双方のジャーナル軸受部分の剛性を確保することができる。このように、制御シャフト27をクランクシャフト16の直下位置に配置することで、固定ボルト38を共用化し、部品点数の削減や軽量化,簡素化が図られている。
そして、本実施例の要部をなす構成として、制御シャフト27に回転可能に取り付けられる制御リンク26のシャフト側端部30が、クランクシャフト16や制御シャフト27の下方のオイルパン内に溜められているエンジンオイルと干渉することを抑制するように、制御リンク26のシャフト側端部30の下方を囲う撹拌抵抗低減部材としてのバッフルカップ40が設けられている。
この実施例では、各気筒毎に設けられた複数のバッフルカップ40が連結ビーム41によって一体的に連結された構造となっている。この連結ビーム41は、剛性・強度を確保するために、バッフルカップ40よりも厚肉化されており、5つのメインベアリングキャップ36の側方に段付状に形成された取付部42にそれぞれ固定ボルト43によって固定されている。このように連結ビームにより複数のバッフルカップ40を一体化することで、部品点数が削減されるとともに、組付作業性も向上する。
バッフルカップ40は、制御リンク26のシャフト側端部30の両側面に所定の間隙を隔てて対向する半円弧状をなす一対の側壁部44と、両側壁部44の外周縁に掛け渡されるとともに、制御リンク26のシャフト側端部30の外周を覆う外周壁部45と、を有し、円弧状に湾曲しつつ制御リンク26の外周壁部45の三方を液密に囲うチャンネル形状をなしている。そして、外周壁部45の一方の端部が径方向外方へ折曲して、上記の連結ビーム41の下面に一体的に接続している。
側壁部44の中央部には、制御シャフト27が貫通する半円状の切欠部46が同心円状に形成されている。図3に示すように、バッフルカップ40の上端位置は、少なくとも制御シャフト27のジャーナル部27Aの中心よりも高い位置とされており、切欠部46の下端位置46Aは、少なくとも制御リンク26のシャフト側端部30の下端位置よりも上方に位置し、かつ、制御シャフト27の回転に伴って変位する制御偏心軸部28の回転軌跡の最下端位置よりも低く設定されている。
また、制御シャフト27における第2気筒と第3気筒の間の位置にアクチュエータ用のレバーが設けられている関係で、図5及び図6に示すように、第2気筒に対応するバッフルカップ40(図6の左から2つ目のバッフルカップ)における第3気筒寄りの側壁部44に、上記のレバーとの干渉回避用の開口部49が大きく形成されており、大半の側壁部44が省略された構造となっており、他のバッフルカップに比してエンジンオイルの干渉抑制効果に劣るものとなっている。また、アクチュエータ用のレバーが存在する第2気筒と第3気筒の間を除き、隣り合うバッフルカップ40が連結プレート47により連結されており、この連結プレート47がボルト孔48を貫通するボルトによってサブベアリングキャップ37に固定されている。これによって、支持剛性が向上し、バッフルカップ40がふらつくことなく安定して支持される。
制御リンク26のシャフト側端部30は、クランクシャフト16の回転に伴って揺動するとともに、制御シャフト27の回転に伴って揺動支点の位置が変化するものであり、その全ての運動軌跡と干渉することのないように、バッフルカップ40の寸法・形状が設定されている。
なお、バッフルカップ40の寸法・形状は、制御リンク26のシャフト側端部30と干渉することのないものであれば、上記の第1実施例に限られるものではなく、例えば図7に示す第2実施例のように、制御リンク26のシャフト側端部30の外周を覆うバッフルカップ40の外周壁部45Aが、平坦な底壁部50に対して両側の垂直壁部51が垂直に立ち上がる矩形のチャンネル形状をなすものであってもよい。更には図8に示す第3実施例のように、外周壁部45Bにおける両側の傾斜壁部52が底壁部50に対して上方へ向かうにしたがって外側へ傾斜する皿状の形状のものであっても良い。
また、図9及び図10に示す第4実施例では、上記第1実施例の連結ビーム41に代えて、連結プレート54が各バッフルカップ40の外周壁部45の底部に一体的に接続されている。この連結プレート54は、5つのサブベアリングキャップ37にボルト53で固定されるようになっている。なお、この実施例では図9に示すように制御シャフト27の軸方向一端部に可変圧縮比アクチュエータ33Aが設けられている。
スペースやレイアウトの関係で、上述したように複数のバッフルカップ40をビームやプレートにより一体に連結することが困難な場合には、図11に示す第5実施例のように、各バッフルカップ40を個別にサブベアリングキャップ37に固定するようにすることもできる。この例では、個々のバッフルカップ40に、ボルト孔55Aを貫通するボルトによりサブベアリングキャップ37などに固定されるプレート55が一体に設けられている。この例ではバッフルカップ40の両側にそれぞれプレート55が設けられている。
次に、図示実施例を参照して本発明の特徴的な構成及び作用効果について説明する。但し、本発明は図示実施例の構成に限定されるものではない。
(1)上述した実施例のように、クランクシャフト16よりも下方に制御シャフト(補助シャフト)27を配置した複リンク機構においては、機関全高が高くなる傾向にあることから、オイルパンロア15を深底部のないフラットな形状として、油量を確保しつつオイルパンの全高を短くして、オイルパン全体を底上げし、これにより機関全高を短縮して、機関搭載性を向上させている。この影響で、機関実動時における油面レベルが上昇し、クランクシャフト16の回転に連動して高速に揺動する制御リンク26のシャフト側端部30が、オイルパン内に溜まるエンジンオイルに干渉・埋没すると、オイルの撹拌抵抗が増加して、フリクションが増大する。
そこで、このようなエンジンオイルとシャフト側端部30との干渉を抑制するように、制御リンク26のシャフト側端部30の少なくとも一部を囲うバッフルカップ40を設けている。これによって、図3にも示すように、機関実動時における油面レベルL1がシャフト側端部30と干渉し得るような高い位置にあったとしても、バッフルカップ40によって、エンジンオイルがシャフト側端部30側へ浸入することを抑制・回避し、オイルとの干渉によるフリクションの増加を抑制することができる上、制御リンク26が油面を叩くこともなく、エンジンオイル中へのエアー混入を抑制することができる。
ここで、上記の複リンク機構においては、その構造上、制御リンク26のシャフト側端部30がクランクシャフト16の回転に伴って所定範囲内を揺動するもので、その運動軌跡も比較的狭い範囲であるために、比較的小さなバッフルカップ40によってエンジンオイルが浸入しないように囲うことが可能となっている。
(2)バッフルカップ40は、所定範囲内を揺動する制御リンク26のシャフト側端部30の運動軌跡を避けるような形状・寸法に設定されるもので、制御リンク26のシャフト側端部30の側面に所定の間隙を隔てて対面する一対の側壁部44と、これら一対の側壁部44に掛け渡されるとともに、制御リンク26のシャフト側端部30の外周を覆う外周壁部45と、を有し、かつ、側壁部44には、制御シャフト27が貫通する切欠部46が形成されている。このように、バッフルカップ40を、シャフト側端部30の外周及び両側面の三方を囲う形状とすることで、バッフルカップ40内へのエンジンオイルの浸入をより確実に抑制することが可能となる。
(3)図3を参照して、機関実動中における油面レベルL1が切欠部46の下端位置46Aよりも低くなるように、各部品の寸法・レイアウトや油量が設定されている場合には、シリンダブロック内に飛散する多少のエンジンオイルがバッフルカップ40内に浸入するものの、オイルパン内に溜まるエンジンオイルが切欠部46を通してバッフルカップ40内へ流れ込むことはないため、エンジンオイルとの干渉によるフリクションは十分に低く抑制される。本発明者等の試験によれば、バッフルカップのないものに比して30%以上のフリクション低減効果が得られることが確認されている。更に、少なくとも所定の運転条件において油面レベルが制御シャフト27の下端位置よりも高くなるように設定されている場合には(図3のL1)、制御シャフト27のジャーナル部がエンジンオイル内に浸かる形となり、その潤滑性が向上する。
(4)一方、機関全高の短縮化のために、機関実動中における油面レベルL2が切欠部46の下端位置46Aよりも高い位置となり得るように設定されている場合、油面レベルが切欠部46の下端位置46Aよりも低い運転状況ではバッフルカップ40内へのエンジンオイルの浸入を防ぐことができるものの、油面レベルL2が切欠部46の下端位置46Aよりも上昇すると、切欠部46を通してエンジンオイルがバッフルカップ40内に浸入してしまう。この場合、バッフルカップ40内に溜まったエンジンオイルが揺動するシャフト側端部30に撹拌され、フリクションが増加する。
(5)そこで、好ましくは後述する第6〜第8実施例のように、バッフルカップ40内に浸入したエンジンオイルを排出するオイル排出手段を有する構成とする。これによって、バッフルカップ40内に溜まったエンジンオイルとシャフト側端部30との干渉によるフリクションの増加を抑制することが可能となる。
(6)オイル排出手段として、図12に示す第6実施例及び図13に示す第7実施例では、クランクシャフト16の回転に連動して高速で揺動する制御リンク26の揺動動作を利用して、バッフルカップ40内のエンジンオイルを排出するようになっている。このように制御リンク26を利用してオイル排出を行うことで、排出のための部品点数の増加を低減・解消し、かつ、制御リンク26はエンジン回転速度と同期して高速で揺動するために、そのエネルギーが大きく、高い排出性能を得ることができる。
(7)図12の第6実施例では、バッフルカップ40の外周壁部45の内面に、制御リンク26が一方(図の時計回り方向)へ揺動した際に、この制御リンク26のシャフト側端部30の一部、具体的には固定ボルト30Cの頭部及びその周辺部分に設けた面60に僅かな間隙を隔てて対面するように、外周壁部45より立ち上がる対向面部56が設けられている。つまり、外周壁部45を内側に部分的に厚肉化することで対向面部56が形成されている。更に、バッフルカップ40の外周壁部45の内部には、周方向に延びる油路57が形成されている。この油路57は、一端が上記の対向面部56に開口し、他端が外周壁部45の上端に開口している。これによって、図12に示すように、バッフルカップ40内にエンジンオイルが溜まっている状態で、高速に揺動する制御リンク26が対向面部56へ向かって回転すると、油路57の一端が開口する対向面部56近傍の油圧が高くなって、油路57の一端から他端へ向けてエンジンオイルが流れ、外周壁部45の上端に開口する他端よりエンジンオイルが外部へ噴出される。すなわち、オイル排出手段が、バッフルカップの内面に設けられ、補助リンクが一方へ揺動した際に、この補助リンクのシャフト側端部の一部に対面する対向面と、一端がこの対向面に開口する油路と、を有し、この油路を介してバッフルカップ内のエンジンオイルを排出するように構成されている。
(8)図13を参照して、機関実動時に高速で揺動する制御リンク26では、揺動支点となる下側のシャフト側端部30に対し、高速で大きく移動する上端部、すなわち第2連結ピン25の軸受端部25A側に近づくに従って、遠心力が大きくなる。そこで、この第7実施例では、制御リンク26の内部に、一端58Aが制御リンク26のシャフト側端部30の下面側に開口するとともに、他端58Bが制御リンク26の上端の軸受端部25Aの近傍に開口する内部油路58が貫通形成されている。この場合、機関実動時に高速で揺動する制御リンク26の遠心力によって、バッフルカップ40内に溜まっているエンジンオイルがシャフト側端部30に開口する一端58Aより内部油路58内に吸引され、他端58Bより外部へ排出される。すなわち、オイル排出手段が、補助リンク内に形成され、一端が上記補助リンクのシャフト側端部に開口するとともに、他端が上記補助リンクの他方の端部の近傍に開口する内部油路を有する。
(9)上記の実施例では、複リンク機構を利用して機関圧縮比を可変とする可変圧縮比機構を実現している。具体的には、制御シャフト27に偏心して設けられた制御偏心軸部28に制御リンク26のシャフト側端部30が揺動可能に取り付けられており、可変圧縮比アクチュエータ33により制御シャフト27の回転位置を変更することで、機関圧縮比を変化させるようになっている。
しかしながら、本発明はこれに限らず、可変圧縮比の機能を有さない複リンク機構、つまり、上記の制御シャフト27に相当する補助リンクがシリンダブロック側に回転不能に固定されており、上記の制御リンク26に相当する補助リンクのシャフト側端部が、補助シャフトに揺動可能に取り付けられているものであっても良い。このような複リンク機構であっても、可変圧縮比の機能はないものの、単リンク機構に比して、ピストンストローク特性の適正化や高圧縮比化などの作用効果が得られる。
(10)更に、上記のオイル排出手段として、図14及び図15の第8実施例では、制御シャフト27の回転動作を利用して、バッフルカップ40内のエンジンオイルを排出している。このように、アクチュエータ33による制御シャフト27の回転動作を利用してオイル排出を行うことで、排出のための部品点数の増加を抑制することができる。
(11)また、アクチュエータ33による制御シャフト27の回転方向について着目すると、筒内圧の高い高圧縮比側から筒内圧の低い低圧縮比側へ回転するときに、アクチュエータ33の駆動力に上乗せされる形で筒内圧が低圧縮比側へ作用するために、低圧縮比側から高圧縮比側へ回転するときに比して、回転速度が速くなる傾向にある。そこで、制御シャフト27が高圧縮比側(a)から低圧縮比側(b)へ回転するときに、バッフルカップ40内のエンジンオイルを排出するように構成することで、効率よくオイルを排出することができる。
(12)圧縮比制御では、例えば、制御シャフト27の実回転角を検出するセンサ(図示省略)を備え、このセンサの出力信号に基づいて制御シャフト27の回転角がフィードバック制御される。この場合、機関始動時に行われる圧縮比制御のセンサ位置のイニシャライズ時に、制御シャフト27を初期位置へ向けて所定方向(低圧縮比方向もしくは高圧縮比方向)へ回動させるときに、バッフルカップ40内のエンジンオイルを排出するように構成することで、機関始動時、つまり機関実動直前にバッフルカップ40内のエンジンオイルを排出することができ、バッフルカップ40内にエンジンオイルが溜まった状態で運転が行われることを効果的に抑制することができる。
(13)制御シャフト27の回転動作を利用するオイル排出手段として、図14及び図15に示す第8実施例においては、制御シャフト27を支点として揺動する排出用パドル59が設けられている。この排出用パドル59は、ロッド59Aの基端が制御シャフト27の外周に固定されるとともに、ロッド49Aの揺動する先端に、オイル捕獲用に適宜に湾曲するブレード59Bが取り付けられており、このブレード59Bがシャフト側端部30に隣接してバッフルカップ40内に入り込んでいる。そして、制御シャフト27の高圧縮比側(a)から低圧縮比側(b)への回転に伴って、ブレード59Bがバッフルカップ40内のエンジンオイルを外部へ掻き出すようになっている。すなわち、オイル排出手段が、補助シャフトに一端が取り付けられ、この補助シャフトを支点として揺動して、バッフルカップ内のエンジンオイルを排出する排出用パドルを備える。
以上のように本発明を具体的な実施例に基づいて説明したきたが、本発明は図示実施例の構成に限定されるものではなく、種々の変形、変更を含むものである。例えば、上記実施例では補助リンクとしての制御リンク26をロアリンク22に連結しているが、アッパリンク21に連結することも可能である。また、上記実施例では補助シャフトとしての制御シャフト27をクランクシャフトの直下位置に配置しているが、クランクシャフトの斜め下方に配置してもよい。
16…クランクシャフト
21…ロアリンク
22…アッパリンク
26…制御リンク(補助リンク)
27…制御シャフト(補助シャフト)
30…シャフト側端部
33…可変圧縮比アクチュエータ
40…バッフルカップ
44…側壁部
45…外周壁部
46…切欠部

Claims (9)

  1. 内燃機関のピストンとクランクシャフトのクランクピンとを複数のリンクにより連係するとともに、クランクシャフトよりも下方に配置された補助シャフトと上記複数のリンクの一つとを補助リンクにより連結した複リンク式ピストン−クランク機構を備えてなる内燃機関において、
    上記補助シャフトに揺動可能に取り付けられる補助リンクのシャフト側端部が、上記補助シャフト下方のオイルパン内に溜められたエンジンオイルと干渉することを抑制するように、上記補助リンクのシャフト側端部の少なくとも一部を囲うバッフルカップを設けたことを特徴とする複リンク式ピストン−クランク機構を備えた内燃機関。
  2. 上記バッフルカップは、上記補助リンクのシャフト側端部の側面に所定の間隙を隔てて対面する一対の側壁部と、これら一対の側壁部に掛け渡されるとともに、上記補助リンクのシャフト側端部の外周を覆う外周壁部と、を有し、上記側壁部には、上記補助シャフトが貫通する切欠部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の複リンク式ピストン−クランク機構を備えた内燃機関。
  3. 機関実動中における油面レベルが上記切欠部の下端位置よりも低い位置となるように設定されていることを特徴とする請求項2に記載の複リンク式ピストン−クランク機構を備えた内燃機関。
  4. 機関実動中における油面レベルが、所定の機関運転条件において上記切欠部の下端位置よりも高い位置となるように設定されていることを特徴とする請求項2に記載の複リンク式ピストン−クランク機構を備えた内燃機関。
  5. 上記バッフルカップ内に浸入したエンジンオイルを排出するオイル排出手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複リンク式ピストン−クランク機構を備えた内燃機関。
  6. 上記オイル排出手段が、クランクシャフトの回転に連動して揺動する上記補助リンクの揺動動作を利用して、上記バッフルカップ内のエンジンオイルを排出するものであることを特徴とする請求項5に記載の複リンク式ピストン−クランク機構を備えた内燃機関。
  7. 上記補助リンクのシャフト側端部が、上記補助シャフトに偏心して設けられた制御偏心軸部に揺動可能に取り付けられており、
    かつ、上記補助シャフトの回転位置を変更することで、機関圧縮比を可変とする可変圧縮比アクチュエータを備え、
    上記オイル排出手段が、上記補助シャフトの回転動作を利用して、上記バッフルカップ内のエンジンオイルを排出するものであることを特徴とする請求項5に記載の複リンク式ピストン−クランク機構を備えた内燃機関。
  8. 上記オイル排出手段は、上記補助シャフトが高圧縮比側から低圧縮比側へ回転するときに、上記バッフルカップ内のエンジンオイルを排出するものであることを特徴とする請求項7に記載の複リンク式ピストン−クランク機構を備えた内燃機関。
  9. 上記オイル排出手段は、圧縮比制御のイニシャライズ時に上記補助シャフトが所定方向へ回転するときに、上記バッフルカップ内のエンジンオイルを排出するものであることを特徴とする請求項7又は8に記載の複リンク式ピストン−クランク機構を備えた内燃機関。
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