JP5790158B2 - 内燃機関のクランクシャフトのバランスウエイト配置構造 - Google Patents

内燃機関のクランクシャフトのバランスウエイト配置構造 Download PDF

Info

Publication number
JP5790158B2
JP5790158B2 JP2011121391A JP2011121391A JP5790158B2 JP 5790158 B2 JP5790158 B2 JP 5790158B2 JP 2011121391 A JP2011121391 A JP 2011121391A JP 2011121391 A JP2011121391 A JP 2011121391A JP 5790158 B2 JP5790158 B2 JP 5790158B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
balance weight
cylinder
piston
crankshaft
crank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011121391A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012247044A (ja
Inventor
勝敏 中村
勝敏 中村
茂木 克也
克也 茂木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2011121391A priority Critical patent/JP5790158B2/ja
Publication of JP2012247044A publication Critical patent/JP2012247044A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5790158B2 publication Critical patent/JP5790158B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)

Description

本発明は、例えば直列3気筒式内燃機関に好適なクランクシャフトのバランスウエイト(カウンターウエイトとも呼ぶ)の配置構造に関する。
特許文献1には、直列3気筒内燃機関に用いられるクランクシャフトにおいて、3つの気筒のうち、中央に位置する第2気筒のバランスウエイトを省略もしくは大幅に小さくし、両側に位置する第1気筒と第3気筒のバランスウエイトを相対的に大きくすることで、バランスウエイトの重量や大きさを低減する技術が記載されている。
また、特許文献2には、機関圧縮比を変更可能な装置として、ピストンとクランクシャフトとを複数のリンクで連結した複リンク式ピストン−クランク機構を利用したものが記載されている。
特開2008−128486号公報 特開2010−24894号公報
クランクシャフトのバランスウエイトの最外径が大きくなると、このバランスウエイトとピストンの下端部との干渉を回避するために、機関上下方向寸法が大きくなり、内燃機関が大型化するという問題がある。特に、上述したような複リンク式ピストン−クランク機構を用いた内燃機関のクランクシャフトにあっては、クランクピンに取り付けられるロアリンクのクランク軸方向幅が比較的大きいために、その分、バランスウエイトのクランク軸方向幅が小さくなり、バランスウエイトの径方向寸法が大きくなる傾向にある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、直列に配置された3つの気筒を有する内燃機関のクランクシャフトにおけるバランスウエイトの配置構造を適正化することで、バランスウエイトのアンバランスな配置に起因する振動等の発生を抑制した上で、バランスウエイトとピストンとの干渉を回避しつつ、内燃機関の小型化を図ることができる新規なバランスウエイトの配置構造を提供することを目的としている。
本発明に係る内燃機関のクランクシャフトにおいては、3つの気筒に対応する3つのクランクピンがクランク回転方向で120度の位相差をもって直列に設けられるとともに、上記3つの気筒のうち、少なくとも第2気筒の両側に配置される第1気筒と第3気筒に対してバランスウエイトが設けられている。
ここで、本発明が適用可能な内燃機関は、後述する実施例のように直列3気筒式のものに限らず、例えば直列6気筒式の内燃機関のように、爆発間隔が等間隔となるように、直列に並べられた3つのクランクピンが120度の位相差をもってクランク軸方向視で等間隔に配置され、かつ、これらのクランクピンがクランク軸方向に沿って直列に並べられたものであれば適用可能である。
そして、本発明のクランクシャフトにおいては、直列に並んだ3つの気筒のうちで、両側に位置する第1気筒と第3気筒に対してバランスウエイトを設けており、換言すると、両者の間に位置する第2気筒に対するバランスウエイトを小型化もしくは省略しており、これによってクランクシャフトの軽量化することができる。
ここで、クランクシャフトの回転中心を基点とし、クランクピンの中心と反対方向へ延びる線をバランスウエイト基準配置ラインとして各バランスウェイト毎に定義すると、直列3気筒のレイアウトでは、周知のように、3つの気筒に対してそれぞれ均一な慣性質量のバランスウエイトをバランスウエイト標準配置ライン上に設けるレイアウトが、振動やクランクジャーナル部への荷重入力を打ち消すことのできるバランスの良いレイアウトとなる。
これに対して、本発明においては、主に軽量化の目的で第2気筒に対するバランスウエイトを小型化もしくは省略しているために、第1気筒と第3気筒のバランスウエイトを、上記のバランスウエイト標準配置ラインに対し、クランク回転方向で進み側と遅れ側とにオフセットさせている。具体的には、第1気筒のバランスウエイトを、そのバランスウエイト基準配置ラインに対し、クランク回転方向の進み側にオフセットさせているとともに、第3気筒のバランスウエイトを、そのバランスウエイト基準配置ラインに対し、クランク回転方向の遅れ側にオフセットさせている。このようなバランスウエイトの配置構造によって、中央の第2気筒に対するバランスウエイトを省略もしくは小型化したものでありながら、クランクシャフトの運動を、いわゆるスリコギ運動に近い適正なものとして、振動源となるモーメントの入力を抑制することが可能となり、また、第1気筒と第3気筒のバランスウエイトを、第2気筒のクランクピンと反対側の位相位置までオフセットさせることで、第2気筒に対するカウンターウエイトとしての機能をも兼用させて、第2気筒のクランクジャーナル部の軸受部分への荷重入力を低減することが可能となる。
そして本発明においては、第1気筒のバランスウエイトは、クランク回転方向の進み側の部分が、クランク回転方向の遅れ側の部分に比して、外径が大きく設定されており、この進み側の部分の外径の回転軌跡が、ピストンの下端部の往復軌跡とクランク軸方向視で部分的に重なるように設定されている。このように、進み側にオフセットされる第1気筒のバランスウエイトにおいては、遅れ側の部分の外径を相対的に小さくしてピストンとの干渉を回避しつつ、進み側の部分の外径を大きくすることによって、効率的にバランスウエイトの重心位置を進み側にオフセットさせることができる。これにより、ピストン下死点近傍のクランク角では、バランスウエイトの進み側の部分が既にピストンの下端部の往復軌跡を通り越して進み側に回転している形となり、コンパクトなレイアウトでピストンとの干渉を回避することができる。
このような第1気筒のバランスウエイトとは逆に、第3気筒のバランスウエイトは、クランク回転方向の遅れ側の部分が、クランク回転方向の進み側の部分に比して、外径が大きく設定されており、この遅れ側の部分の外径の回転軌跡が、ピストンの下端部の往復軌跡とクランク軸方向視で部分的に重なるように設定されている。このように、遅れ側にオフセットされる第3気筒のバランスウエイトにおいては、進み側の部分の外径を相対的に小さくしてピストンとの干渉を回避しつつ、遅れ側の部分の外径を大きくすることによって、効率的にバランスウエイトの重心位置を遅れ側にオフセットさせることができる。これにより、ピストン下死点近傍のクランク角では、バランスウエイトの遅れ側の部分が未だピストン下端部の往復軌跡まで回転していない形となり、コンパクトなレイアウトでピストンとの干渉を回避することができる。
この結果、バランスウエイトを含めたクランクシャフトを機関上下方向でピストン側と十分に接近して配置させることが可能となり、機関全高を低く抑制して、内燃機関の小型化、ひいては車両搭載性の向上を図ることができる。
さらに、本発明では、上記ピストンの往復軸線が、上記クランクシャフトの回転中心に対し、クランク回転方向の遅れ側にオフセットしており、上記第3気筒のバランスウエイトのバランスウエイト標準配置ラインに対する遅れ量が、上記第1気筒のバランスウエイトのバランスウエイト標準配置ラインに対する進み量よりも大きく設定されている。
なお、本発明における「第1気筒」は、一般的に第1気筒と呼ばれている機関最前部の気筒に限定されるものではなく、例えば直列3気筒内燃機関で一般的に第3気筒と呼ばれている機関最後尾の気筒を本発明における「第1気筒」として適用しても良い。
本発明によれば、直列に配置された3つの気筒を有する内燃機関のクランクシャフトにおけるバランスウエイトの配置構造を適正化することで、クランクジャーナル部の軸受部分への荷重入力や振動を抑制するバランスの良いレイアウトとした上で、バランスウエイトとピストンとの干渉回避しつつ、バランスウエイトを含めたクランクシャフトをピストン側に近接配置して、機関全高を抑制し、内燃機関の小型化を図ることができる。
本発明の一実施例に係る内燃機関のクランクシャフトの第1気筒のバランスウエイトの配置構造を示す断面図。 本実施例に係る内燃機関のクランクシャフトの第3気筒のバランスウエイトの配置構造を示す断面図。 比較例(A)及び本実施例(B)のクランクシャフトを単体で示す側面図。 第1〜第3気筒のバランスウエイトの重量配分を模式的に示す説明図。 本実施例のクランクシャフトのクランクピン及びバランスウエイトの配置を模式的に示す斜視図。 本実施例のクランクシャフトのクランクピン及びバランスウエイトの配置をクランク軸方向視で模式的に示す説明図。
以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照して説明する。なお、本明細書では基本的に、ピストン往復軸線に沿う方向を「上下方向」、ピストン上死点側を「上」、ピストン下死点側を「下」とし、クランクシャフトの軸方向に沿う方向を「前後方向」として説明している。
図1及び図2を参照して、この内燃機関は、後述するように3つの気筒が直列に配置された直列3気筒式のものであり、ピストンの往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換する主運動系として、上記の特開2010−248954号公報等にも記載さているように、シリンダブロック1の各気筒(#1〜#3)のシリンダ2内に嵌合するピストン3とクランクシャフト20とを複数のリンクで連結した複リンク式ピストン−クランク機構が設けられている。この複リンク式ピストン−クランク機構は、クランクシャフト20のクランクピン21に回転可能に取り付けられるロアリンク11と、ピストン3とロアリンク11とを連結するアッパリンク12と、一端がロアリンク11に連結されるとともに、他端がシリンダブロック1等の機関本体側に回転可能に支持された制御リンク13と、を有している。アッパリンク12の一端はピストンピン14を介してピストン3の回転可能に連結されており、他端はアッパリンク連結ピン15を介してロアリンク11に回転可能に連結されている。制御リンク13の一端は制御リンク連結ピン16を介してロアリンク11に回転可能に連結されている。
また、制御リンク13の他端の支持位置を変更することによって、機関圧縮比を変更する可変圧縮比機構が設けられている。この可変圧縮比機構は、シリンダブロック1側に回転可能に支持される制御軸17を有し、この制御軸17に偏心して設けられる制御偏心軸部17Aに、上記の制御リンク13の他端が回転可能に取り付けられている。従って、オイルパンアッパ4の外壁に取り付けられる可変圧縮比アクチュエータ18により連結レバー19を介して制御軸17の回転位置を変更することによって、制御リンク13の他端の支持位置が変化し、制御リンク13に連結するロアリンク11の姿勢が変化することによって、ピストン3の上死点位置及び下死点位置の変化を伴って機関圧縮比を変更することができる。
次に、本実施例の要部をなす直列3気筒式内燃機関のクランクシャフト20について、図1〜図6を参照して説明する。この内燃機関は、第1気筒#1、第2気筒#2及び第3気筒#3の3つの気筒が機関前後方向(クランク軸方向)に直列に並べられた直列3気筒式の内燃機関であり、図6にも示すように、クランクシャフト20には、各気筒に対応する3つのクランクピン21#1,22#2,22#3が、クランク回転方向で120度の位相差をもって等間隔置きに設けられている。なお、以下の説明において、気筒毎の構成要素を明示する場合、参照符号後に、対応する気筒を示す符号#1〜#3を適宜付記している。
図3(B)にも示すように、このクランクシャフト20には、シリンダブロック側に回転可能に支持される4つのクランクジャーナル部22がクランクシャフト20の回転中心20Aと同軸上に設けられており、各クランクピン21とクランクジャーナル部22との端部同士がクランクウェブ23により一体的に接続されている。クランクジャーナル部22には、軸受部分等へ潤滑油を供給するための油路24が形成されている。
そして、クランクウェブ23には、クランクジャーナル部22の軸受部分への荷重入力の低減及び振動入力の低減の目的で、バランスウエイト25が一体的に設けられている。ここで本実施例では、3つの気筒のうち、両側の第1気筒#1と第3気筒#3に大きなバランスウエイト25#1,25#3を設けており、中央の第2気筒#2については、バランスウエイトを大幅に小型化して、実質的に省略している。
なお、図3において、(A)はクランクウェブ23の厚さを均一化した比較例のクランクシャフト20’を示し、(B)は本実施例のクランクシャフト20を示している。本実施例では、第2気筒#2のバランスウエイトを省略している分、軽量な第2気筒#2のクランクウェブ23を相対的に薄肉化し、両側の第1,第3気筒#1,#3のクランクウェブ23を相対的に厚肉化している。
図4は、3気筒直列内燃機関のクランクシャフトにおける各気筒#1〜#3のクランクウェブを含めたバランスウエイトの質量を模式的に示している。図中の破線の特性L1は、クランシャフトへの振動入力や荷重入力を最も打ち消すことができる参考例を示しており、実線の特性L2が本実施例のものである。本実施例L2では、参考例L1に比して、第2気筒#2のバランスウエイトの質量を大幅に低減しており、これに伴って、クランクシャフトの運動をいわゆるスリコギ運動と呼ばれる適正なものとして振動の発生を抑制するように、両側の第1,第3気筒#1,#3についてもクランクシャフトの重量を相対的に低減している。
図5及び図6は、本実施例のクランクシャフト20における各気筒のクランクピン及びバランスウエイトの配置を模式的に示している。図6のクランク軸方向視において、クランクシャフトの回転中心20Aを基点とし、クランクピン21#1〜21#3の中心と反対方向へ延びる線を、それぞれバランスウエイト基準配置ライン26#1〜26#3とすると、上述した図4(A)の参考例のように、各気筒のバランスウエイトの質量が均一である場合に、各バランスウエイトの重心位置を、それぞれのバランスウエイト基準配置ライン26#1〜26#3上に配置した場合に、クランクシャフトの荷重や振動を打ち消すことができるバランスの良いレイアウトとなる。
これに対して本実施例では、中央の第2気筒のバランスウエイトを実質的に省略しているために、図6に示すように、第1気筒のバランスウエイト25#1の重心位置を、そのバランスウエイト基準配置ライン26#1に対し、所定のオフセット量θ1(クランク角)、クランク回転方向αの進み側(図6の時計回り方向)に大幅にオフセットさせている。具体的には、第1気筒のバランスウエイト25#1が第2気筒#2のカウンターウエイトの一部としても機能するように、第2気筒のバランスウエイト基準配置ライン26#2と直交するライン27に対して、少なくとも第2気筒のクランクピン21#2と反対側に位置するように、第1気筒のバランスウエイト25#1の進み側へのオフセット量θ1を設定している。
同様に、第3気筒のバランスウエイト25#3の重心位置を、そのバランスウエイト基準配置ライン26#3に対し、所定のオフセット量θ2(クランク角)、クランク回転方向αの遅れ側(図6の反時計回り方向)に大幅にオフセットさせている。具体的には、第3気筒のバランスウエイト25#3が第2気筒#2のカウンターウエイトの一部としても機能するように、第2気筒のバランスウエイト基準配置ライン26#2と直交するライン27に対し、第2気筒のクランクピン21#2と反対側に位置するように、第3気筒のバランスウエイト25#3の遅れ側へのオフセット量θ2(クランク角)を設定している。
このような構成によって、中央の第2気筒に対するバランスウエイトを省略もしくは大幅に小さくして、軽量化を図りつつ、これに伴うアンバランスな力の発生を抑制し、振動や荷重入力の少ないバランスの良いレイアウトを実現することができる。また、両側の第1,第3気筒のバランスウエイト25#1,25#3を、そのバランスウエイト標準配置ライン26#1,26#3に対して遅れ側,進み側にオフセットさせているために、ピストン下死点近傍のクランク角においては、バランスウエイト25がピストン3に対して進み側,遅れ側に離れる傾向となり、ピストン3との干渉の回避にも有利である。
ここで、バランスウエイトの具体的な形状について説明すると、図1に示すように、第1気筒のバランスウエイト25#1は、略扇状の板状をなしており、そのクランク回転方向αの進み側の部分28#1が、クランク回転方向αの遅れ側の部分29#1に比して、外径が大きく設定されている。つまり、遅れ側の部分29#1の外周部に、進み側の部分28#1に対して部分的に切り欠かれた切欠部30#1が形成された形状となっている。
そして、このバランスウエイト25#1の最外径の回転軌跡、つまり進み側の部分28#1の外径の回転軌跡31#1が、ピストン3の下端部の往復軌跡とクランク軸方向視で部分的に重なるように設定されている。つまり、図1に示すように、ピストン3が最も下方に位置する最低圧縮比の設定におけるピストン下死点近傍で、ピストン3の下端部の一部32#1が、バランスウエイト25#1の最外径の回転軌跡31#1よりも下方へ入り込み、両者がクランク軸方向視で部分的に重なるように設定されている。
このようにピストンとバランスウエイトとの運動軌跡が部分的に重なるように設定されているものの、図1に示すように、この第1気筒のバランスウエイト25#1は所定量θ1だけ進み側にオフセットして設けられているために、ピストン下死点近傍では、バランスウエイトの進み側の部分28#1が既にピストン3の下端部の往復軌跡を通り越して進み側に回転している形となり、ピストン3との干渉を招くことはない。また、このように進み側の部分28#1の外径を大きくすることによって、バランスウエイトの重心位置25A#1を効率的に進み側にオフセットさせることが可能となっている。
図2に示すように、第3気筒のバランスウエイト25#3は、第1気筒とは逆に、クランク回転方向αの遅れ側の部分29#3が、クランク回転方向αの進み側の部分28#3に比して、外径が大きく設定されており、このバランスウエイトの最外径である遅れ側の部分29#3の外径の回転軌跡31#3が、ピストン3の下端部の往復軌跡とクランク軸方向視で部分的に重なるように設定されている。つまり、図2に示すように、ピストン3が最も下方に位置する最低圧縮比の設定におけるピストン下死点近傍で、ピストン3の下端部の一部32#3が、バランスウエイト25#3の最外径の回転軌跡31#3よりも下方へ入り込み、両者がクランク軸方向視で部分的に重なるように設定されている。
このようにピストンとバランスウエイトとの運動軌跡が部分的に重なるように設定されているものの、図2に示すように、この第3気筒のバランスウエイト25#3は所定量θ2だけ遅れ側にオフセットして設けられているために、ピストン下死点近傍では、バランスウエイトの遅れ側の部分29#3が未だピストン3の下端部の往復軌跡に達していない形となり、ピストン3との干渉を招くことはない。また、このように遅れ側の部分29#3の外径を大きくすることによって、バランスウエイトの重心位置25A#3を効率的に遅れ側にオフセットさせることができる。
なお、本実施例においては、慣性力や燃焼荷重が最も大きくなる最大圧縮比の設定状態においては、バランスウエイト25とピストン3との干渉をより確実に回避するように、ピストン3の下端部の往復軌跡がバランスウエイト25の最外径の軌跡31#3よりも外側(上側)に外れており、両者がクランク軸方向視で重ならないように設定されている。
次に、本実施例のように複リンク式ピストン−クランク機構を適用した場合の特徴的な構造について、以下に説明する。
図1及び図2に示すように、本実施例の複リンク式ピストン−クランク機構にあっては、クランク回転中心20Aに対して、ピストン往復軸線3A(シリンダボア中心線)をクランク回転方向αの遅れ側(図の左側)にオフセットさせたオフセットクランク構造としている。これによって、最も大きな燃焼荷重が作用する圧縮上死点近傍における燃焼行程(ピストン下り区間)において、アッパリンク12がピストン往復軸線3A(シリンダボア中心線)とほぼ平行に直立する姿勢となり、アッパリンク12の傾きに起因するスラスト−反スラスト方向(図の左右方向)の荷重を低減し、燃焼荷重を有効にクランクシャフト側へ伝達することができる。
また、本実施例のロアリンク11にあっては、アッパリンク12の揺動角度を小さくしてスラスト−反スラスト荷重を抑制するように、クランクピン21の中心からアッパリンク連結ピン15までの腕長さが、クランクピン21の中心から制御リンク連結ピン16までの腕長さよりも長く設定されており、この関係で、ロアリンク11の重心位置11Aが、バランスウエイト標準配置ライン26に対し、クランク回転方向αで進み側の位置、つまり制御リンク連結ピン16寄りの位置に設定されている。
そして、第3気筒のバランスウエイト重心位置25A#3のバランスウエイト標準配置ライン26#3に対するオフセット量θ2を、第1気筒のバランスウエイト重心位置25A#1のバランスウエイト標準配置ライン26#1に対する進み側へのオフセット量θ1よりも大きく設定している(θ2>θ1)。
ピストン3をクランク回転中心20Aに対して遅れ側にオフセットさせているため、第1気筒と第3気筒のバランスウエイトのうち、遅れ側にオフセットさせた第3気筒のバランスウエイト25#3が下死点近傍でピストン3と近づく形となるものの、本実施例では、この第3気筒のバランスウエイト25#3の遅れ側へのオフセット量θ2を、第1気筒のバランスウエイト25#1の進み側へのオフセット量θ1よりも大きく設定しているために、ピストン3との干渉を有効に回避することができる。
また、ロアリンク11の重心位置11Aが進み側に配置されているために、全体の慣性質量が遅れ側に偏る傾向にあるが、本実施例では、遅れ側の第3気筒のバランスウエイト25#3のオフセット量θ2を、進み側の第1気筒のバランスウエイト25#1のオフセット量θ1よりも大きく設定しているために、このようなロアリンク11の重心位置による慣性質量の偏りの影響を相殺して、バランスの良い重量配分を実現し、クランクシャフトへの荷重入力や振動の発生を有効に抑制・低減することができる。
1…シリンダブロック
2…シリンダ(気筒)
3…ピストン
11…ロアリンク
20…クランクシャフト
21…クランクピン
22…クランクジャーナル部
23…クランクウェブ
25…バランスウエイト
26…バランスウエイト標準配置ライン
28…バランスウエイトの進み側の部分
29…バランスウエイトの遅れ側の部分

Claims (4)

  1. 3つの気筒に対応する3つのクランクピンがクランク回転方向で120度の位相差をもって直列に設けられるとともに、上記3つの気筒のうち、少なくとも第2気筒の両側に配置される第1気筒と第3気筒に対してバランスウエイトが設けられた内燃機関のクランクシャフトのバランスウエイト配置構造において、
    クランクシャフトの回転中心を基点とし、クランクピンの中心と反対方向へ延びる線をバランスウエイト基準配置ラインとして各バランスウェイト毎に定義すると、
    上記第1気筒のバランスウエイトが、上記バランスウエイト基準配置ラインに対し、クランク回転方向の進み側にオフセットしているとともに、
    上記第3気筒のバランスウエイトが、上記バランスウエイト基準配置ラインに対し、クランク回転方向の遅れ側にオフセットしており、
    かつ、上記第1気筒のバランスウエイトは、クランク回転方向の進み側の部分が、クランク回転方向の遅れ側の部分に比して、外径が大きく設定されており、この進み側の部分の外径の回転軌跡が、ストンの下端部の往復軌跡とクランク軸方向視で部分的に重なるように設定されるとともに、
    上記第3気筒のバランスウエイトは、クランク回転方向の遅れ側の部分が、クランク回転方向の進み側の部分に比して、外径が大きく設定されており、この遅れ側の部分の外径の回転軌跡が、上記ピストンの下端部の往復軌跡とクランク軸方向視で部分的に重なるように設定されていて、
    ピストン下死点近傍で上記第1気筒のバランスウエイトの進み側の部分が既にピストンの下端部の往復軌跡を通り越して進み側に回転している形となり、かつ、ピストン下死点近傍で上記第3気筒のバランスウエイトの遅れ側の部分が未だピストンの下端部の往復軌跡に達していない形となるように構成され、
    さらに、上記ピストンの往復軸線が、上記クランクシャフトの回転中心に対し、クランク回転方向の遅れ側にオフセットしており、
    上記第3気筒のバランスウエイトのバランスウエイト標準配置ラインに対する遅れ量が、上記第1気筒のバランスウエイトのバランスウエイト標準配置ラインに対する進み量よりも大きく設定されていることを特徴とする内燃機関のクランクシャフトのバランスウエイト配置構造。
  2. ピストンの往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換して伝達する複リンク式ピストン−クランク機構を備え、
    このピストン−クランク機構は、各気筒のクランクピンに回転可能に取り付けられるロアリンクと、このロアリンクの一端とピストンとを連結するアッパリンクと、一端がロアリンクに連結され、他端が機関本体側に支持される制御リンクと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のクランクシャフトのバランスウエイト配置構造。
  3. 少なくともピストン下死点近傍におけるロアリンクの重心位置が、上記バランスウエイト標準配置ラインよりもクランク回転方向で進み側に配置されていることを特徴とする請求項に記載の内燃機関のクランクシャフトのバランスウエイト配置構造。
  4. 上記制御リンクの他端の支持位置を変更することによって、ピストンの上死点位置及び下死点位置の変化を伴って機関圧縮比を可変とする可変圧縮比手段を有し、
    少なくとも最低圧縮比の設定状態のときに、上記第1気筒のバランスウエイトの最外径の回転軌跡が、上記ピストンの下端部の往復軌跡とクランク軸方向視で部分的に重なるように設定されるとともに、上記第3気筒のバランスウエイトの最外径の回転軌跡が、上記ピストンの下端部の往復軌跡とクランク軸方向視で部分的に重なるように設定されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の内燃機関のクランクシャフトのバランスウエイト配置構造。
JP2011121391A 2011-05-31 2011-05-31 内燃機関のクランクシャフトのバランスウエイト配置構造 Expired - Fee Related JP5790158B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011121391A JP5790158B2 (ja) 2011-05-31 2011-05-31 内燃機関のクランクシャフトのバランスウエイト配置構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011121391A JP5790158B2 (ja) 2011-05-31 2011-05-31 内燃機関のクランクシャフトのバランスウエイト配置構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012247044A JP2012247044A (ja) 2012-12-13
JP5790158B2 true JP5790158B2 (ja) 2015-10-07

Family

ID=47467670

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011121391A Expired - Fee Related JP5790158B2 (ja) 2011-05-31 2011-05-31 内燃機関のクランクシャフトのバランスウエイト配置構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5790158B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6011393B2 (ja) * 2013-03-01 2016-10-19 日産自動車株式会社 可変圧縮比内燃機関の潤滑構造

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS571846A (en) * 1980-06-06 1982-01-07 Hino Motors Ltd Flat type counterweight used for internal combustion engine
JPS59113313A (ja) * 1982-12-17 1984-06-30 Kawasaki Heavy Ind Ltd クランク軸
JPH094464A (ja) * 1995-06-19 1997-01-07 Yanmar Diesel Engine Co Ltd 内燃機関
JP4984574B2 (ja) * 2006-03-03 2012-07-25 日産自動車株式会社 ピストンクランク機構のクランクシャフト
JP2008032177A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Toyota Motor Corp カウンタウェイト
EP1923600B1 (de) * 2006-11-20 2018-09-19 Ford Global Technologies, LLC Gegengewichtsanordnung für einen Verbrennungsmotor in einem Kraftfahrzeug
JP2009257315A (ja) * 2008-03-25 2009-11-05 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012247044A (ja) 2012-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7392781B2 (en) Crankshaft of piston crank mechanism
US9915181B2 (en) Internal combustion engine
RU2467186C1 (ru) Многозвенный двигатель
JP4300749B2 (ja) レシプロ式内燃機関のリンク機構
EP1798396A1 (en) Internal combustion engine
JP5696741B2 (ja) エンジン
JP4967733B2 (ja) クランクシャフト
JP5790157B2 (ja) 内燃機関のクランクシャフト
JP6695622B2 (ja) 内燃機関
JP5790158B2 (ja) 内燃機関のクランクシャフトのバランスウエイト配置構造
JP6028571B2 (ja) 内燃機関
JP4271138B2 (ja) エンジンの振動除去装置
JP4534759B2 (ja) 内燃機関
JP2004044776A (ja) ピン連結構造
JP5696573B2 (ja) 内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構
JP5126100B2 (ja) 複リンク機構
JP4822183B2 (ja) ストローク特性可変エンジン
JP2008069656A (ja) ストローク特性可変エンジン
JP4430462B2 (ja) V型2気筒エンジンのバランサ構造
JP4344648B2 (ja) エンジンのバランサ装置
JP2013167214A (ja) 内燃機関
JP2010203345A (ja) 複リンク式内燃機関の軸受構造
JP5293856B2 (ja) 複リンク式エンジンの振動低減構造
JP4581675B2 (ja) 内燃機関
WO2019150150A1 (ja) 3気筒可変圧縮比内燃機関及び3気筒可変圧縮比内燃機関の設計方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140318

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150707

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150720

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5790158

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees