JP4239283B2 - 車両のドア構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のドア構造に関し、特に、車体側部に設けられる観音開きタイプのドア構造に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両のインテリアの自由度を高めたり、前後のドア内面に統一感を持たせたり、さらには乗員の乗降性を高めたりすることを目的として、車体をセンターピラーのない構造にするとともに、車体の側面のフロントドアとリヤドアを、観音開き構造にすることが提案されている(例えば特開平10−109662号公報参照)。
【0003】
この公報に示されたドア構造は、フロントドアの後縁部をリヤドアの前縁部に車体の外側から重ねた状態でドアが閉じられるように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の一般的なドア構造において、フロントドア及びリヤドアには、各ドアの高さ方向のほぼ中央部分にロック機構が配置されている。しかし、センターピラーのない観音開きタイプのドア構造では、各ドアパネルだけで側突時の衝撃を受ける構造となるため、各ドアの高さ方向の中央部分にロック機構を配置すると、ロック機構が損傷しやすくなり、その結果、ドアが開きにくくなったり、逆に誤って開いてしまったりするおそれがある。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みて創案されたものであり、その目的とするところは、車体の側部に設けられる観音開きタイプのドア構造において、側突時にロック機構が損傷するのを防止して、ドアが開閉不良になるのを防止することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、観音開きタイプのドア構造において、ロック機構をドアの上端部及び下端部の少なくとも一方に設けるようにしたものである。
【0007】
具体的に、本発明が講じた第1の解決手段は、センターピラーのない車体の側部に開閉可能に設けられるフロントドア及びリヤドアと、フロントドアの前端部を車体に連結する前ヒンジと、上記フロントドア及びリヤドア間に設けられたシール部材とを備えた車両のドア構造を前提としている。
【0008】
そして、各ドアを車体にロックするためのロック機構を、各ドアの上端部及び下端部の少なくとも一方に設けている。また、各ドアに、アウターパネル及びインナーパネルと、両パネル間のスペースに上下方向に延在するように配置された上下補強部材とを設け、これら上下補強部材は、フロントドアの後縁部及びリヤドアの前縁部に沿って配置する。さらに、上下補強部材を、ベルトラインよりも上方の第1上下補強部材と、該第1上下補強部材の下端に連結された第2上下補強部材とを備えた構成とし、第1上下補強部材をパイプ材で構成するとともに、第2上下補強部材をプレス部材で構成する。
【0009】
また、本発明が講じた第2の解決手段は、上記第1の解決手段において、ロック機構を解除するドアハンドルを、上下補強部材に対して車両の前後方向に偏倚した位置に配置したものである。
【0010】
また、本発明が講じた第3の解決手段は、上記第1または第2の解決手段において、上下補強部材を、上端部及び下端部の少なくとも一方が、車体に車幅方向に設けられた左右補強部材に対応する位置に配置された構成としたものである。
【0011】
また、本発明が講じた第4の解決手段は、上記第1乃至第3の何れか1の解決手段において、アウターパネルとインナーパネルとの間のスペースに、ドアの前後方向に延在する前後補強部材を配設し、該前後補強部材と上下補強部材とが連結された構成としたものである。
【0012】
また、本発明が講じた第5の解決手段は、上記第1乃至第4の何れか1の解決手段において、ドアハンドルとロック機構とを連結する連結部材を、アウターパネルとインナーパネルの間で上下補強部材に沿って配置したものである。
【0013】
また、本発明が講じた第6の解決手段は、上記第5の解決手段において、ドアハンドルとロック機構とを連結する連結部材をケーブルとしたものである。
【0014】
また、本発明が講じた第7の解決手段は、上記第1乃至第7の何れか1の解決手段において、フロントドアの後端部とリヤドアの前端部とを側突時に連結する一方、各ドアの開閉時には両ドアの分離が可能に構成された連結手段を備えた構成としたものである。
【0015】
−作用−
上記第1の解決手段では、各ドアを車体にロックするためのロック機構が、各ドアの上端部及び下端部の少なくとも一方に設けられているので、側突時の衝撃はロック機構に直接には作用しない。また、各ドアのアウターパネル及びインナーパネルの間のスペースに、上下補強部材がフロントドアの後縁部及びリヤドアの前縁部に沿って上下方向に延在するように配置されているので、側突時でもドアが変形しにくくなる。このため、ロック機構への衝撃の影響を低減できる。さらに、ベルトラインよりも上方に、パイプ材で構成した第1上下補強部材を設けているので、該パイプ材を比較的細くしても側突の衝撃に耐えることができる。また、ベルトラインよりも下方に、プレス材で構成した第2上下補強部材を設けているので、該プレス材を薄くしてアウターパネル側に配置することができる。
【0016】
また、上記第2の解決手段では、ロック機構を解除するドアハンドルを、上下補強部材に対して車両の前後方向に偏倚した位置に配置することによって、該上下補強部材を上下方向に連続した部材に構成できる。したがって、観音開きタイプのドア構造において耐側突性能をさらに向上させることができる。
【0017】
また、上記第3の解決手段では、側突時の衝撃が上下補強部材から左右補強部材に伝達されて、該衝撃を左右補強部材により受けることができるので、観音開きタイプのドア構造において耐側突性能をさらに向上させることができる。
【0018】
また、上記第4の解決手段では、ドアの内部に前後補強部材を設けて、該前後補強部材を上下補強部材と連結しているため、観音開きタイプのドア構造において耐側突性能をさらに向上させることができる。
【0019】
また、上記第5及び第6の解決手段では、ドアハンドルとロック機構とを連結する連結部材を、アウターパネルとインナーパネルの間で上下補強部材に沿って配置しているので、側突時に連結部材に力が加わるのを防止できる。
【0020】
また、上記第7の解決手段では、フロントドアの後端部とリヤドアの前端部とを側突に連結する連結手段を設けているので、ドアの内部に上下補強部材や前後補強部材を設けていることと相まって、ドアの耐側突性能をさらに向上させることができる。
【0021】
【発明の効果】
上記第1の解決手段によれば、フロントドア及びリヤドアを観音開きとすることができ、側突時の衝撃がロック機構に直接には作用しないので、ロック機構が損傷するのを防止でき、ひいては側突によりドアが開きにくくなったり、逆に誤って開いてしまったりするのを防止できる。また、側突時でもドアが変形しにくくなり、ロック機構への衝撃の影響を低減できるため、ロック機構が損傷したり、ドアが開閉不良になったりするのをより確実に防止できる。さらに、ベルトラインよりも上方の第1上下補強部材をパイプ材で構成したために、ドアサッシュ部を細くできる。また、ベルトラインよりも下方の第2上下補強部材をプレス材にしたので、該プレス材を薄くしてアウターパネル側に配置することができ、側突性能を向上できる。
【0022】
また、上記第2の解決手段によれば、上下補強部材を上下方向に連続した部材に構成して、観音開きタイプのドア構造において耐側突性能をさらに向上させることができるから、側突時のロック機構の損傷や、ドアの開閉不良をさらに確実に防止できる。
【0023】
また、上記第3の解決手段によれば、側突時の衝撃を上下補強部材と左右補強部材とで受けることができ、観音開きタイプのドア構造において耐側突性能をさらに向上させることができるから、側突時のロック機構の損傷や、ドアの開閉不良をさらに確実に防止できる。
【0024】
また、上記第4の解決手段によれば、ドアの内部に前後補強部材と上下補強部材とで側突時の衝撃を受けることができ、観音開きタイプのドア構造において耐側突性能をさらに向上させることができるから、側突時のロック機構の損傷や、ドアの開閉不良をさらに確実に防止できる。
【0025】
また、上記第5及び第6の解決手段によれば、側突時の衝撃でドアが開きにくくなることに加えて、ドアハンドルとロック機構とを連結する連結部材が側突時の衝撃で大きく変形あるいは変移することによってドアが誤って開放されるのも防止できる。
【0026】
また、上記第7の解決手段によれば、フロントドア及びリヤドアの内部に補強部材を設けると共に、側突時には両ドアを連結手段によって連結するようにしたので、ドアの耐側突性能をさらに向上させることができ、側突時のロック機構の損傷や、ドアの開閉不良をさらに確実に防止できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0028】
図1は、本実施形態のドア構造を適用した車両においてドアを閉じた状態を示す部分斜視図、図2は、図1においてドアを開けた状態を示す部分斜視図、そして図3は、図1に示したドアの内部構造の概要を示す部分斜視図である。これらの図に示しているように、車体1の側部には、フロントドア2及びリヤドア3が設けられている。そして、フロントドア2は、前端部を中心として開閉可能に車体1に連結され、リヤドア3は、後端部を中心として開閉可能に車体1に連結されている。
【0029】
フロントドア2の開閉には、図3のIV−IV線断面図である図4と、その分解斜視図である図5に詳細を示した前ヒンジ4が用いられており、リヤドア3の開閉には、図3のVI−VI線断面図である図6と、その分解斜視図である図7に示した後ヒンジ5が用いられている。また、フロントドア2とリヤドア3の間には、図3のVIII−VIII線断面図である図8とIX−IX線断面図である図9に示すように、両ドア2,3を閉じた状態でフロントドア2の後縁部とリヤドア3の前縁部の間の隙間を塞ぐように、シール部材6,7が設けられている。シール部材6,7は、主シール部材6と補助シール部材7とからなり、両シール部材6,7は、フロントドア2の後縁部に装着されている。
【0030】
図4及び図5に示した前ヒンジ4は、フロントドア2の回転中心C1を車両の斜め前後方向に移動させることができるように構成され、フロントドア2を車幅方向外側へ斜め前方に移動してから開く一方、逆の動作でフロントドア2を閉じて車体1の側部開口を閉塞できるように構成されている。
【0031】
この前ヒンジ4は、具体的には、車体1に固定された支持部材8と、フロントドア2に固定されるとともに支持部材8に回転可能に連結される支点部材9とから構成されている。支持部材8は、基板部10aとフランジ部10bとからほぼコ字状に形成されたブラケット10にアーム11とレバー12とが連結された構成で、車体1には基板部10aがボルト・ナットなどの締結部品13で固定されている。車体1の取付面1aを挟んで支持部材10の裏面側に設けられているのは補強板14であり、支持部材10と補強板14とをボルト・ナット13で共締めすることにより、支持部材10が車体1に強固に固定されている。
【0032】
ブラケット10のフランジ部10bには、その前端側及び後端側に長孔10c,10dが形成されている。アーム11は、前端側の長孔10cにワッシャやナットなどの締結部品15で装着されたスライドピン16に先端部が連結されている。また、レバー12は、アーム11の中間部に設けられた連結ピン17に先端部が連結されると共に、後端部が、ブラケット10のフランジ部10bに形成された後端側の長孔10dにボルト等の締結部品18で連結されている。また、ブラケット10の基板部10aとスライドピン16の間には引っ張りコイルばね19が装着され、スライドピン16を車両後方側に向かって付勢している。
【0033】
支点部材9はほぼコ字状の本体9Aと座板9Bとからなり、本体9Aの先端部に、上記アーム11の先端部を連結するための連結孔9aが形成されている。そして、アーム11の先端部にも連結孔11aが形成されていて、支点部材9とアーム11は、各連結孔9a,11aに通したボルト・ナット等の締結部品20により、互いに回転可能に連結されている。また、フロントドア2の取付面2aを挟んで支点部材9の裏面側に設けられているのは補強板21であり、支点部材9と補強板21とをボルト・ナット等の締結部品22によって共締めすることにより、支点部材9がフロントドア2に強固に固定されている。
【0034】
なお、支点部材9には、フロントドア2が前方へ移動するときの前位置ストッパ9bが設けられており、アーム11には、フロントドア2を開くときの開位置ストッパ11bが設けられている。また、車体1とフロントドア2の間には、フロントシール部材23が設けられており、このフロントシール部材23により、この間の隙間から室内へ水等が進入するのを防止している。なお、フロントドア2については、その周縁部の全周を1本のシール部材でシールすることが可能であり、その場合は、上記主シール部材6をフロントドアの全周に伸ばして、主シール部材6がフロントシール部材23を兼ねる構成にしてもよい。
【0035】
図6及び図7に示した後ヒンジ5は、リヤドア3の回転中心C2が、フロントドア2とリヤドア3の間の主シール部材6よりも車幅方向内側に位置するように配置されている。つまり、寸法A1が寸法A2(図9参照)よりも大きく設定されている。この後ヒンジ5は、具体的には、車体1に固定された支持部材25と、リヤドア3に固定されるとともに支持部材25に回転可能に連結された支点部材26とから構成されている。
【0036】
支持部材25は、2枚のL形部材25aを、リヤドア3を開くときの開位置ストッパを兼用した連結板25bで連結した構成で、ボルト・ナットなどの締結部品27で車体1に固定されている。この支持部材25とで車体1の取付面1bを挟んでいるのは補強板28であり、支持部材25と補強板28とをボルト・ナット27によって共締めすることにより、支持部材25が車体1に強固に固定されている。なお、支持部材25は、補強板28に形成された開口28aを通って車体1の内部に突出しており、車体1にも同様に開口(図示せず)が形成されている。
【0037】
支点部材26は、ほぼコ字状の2本のアーム26aをピン26bで連結した構成で、該ピン26bが支持部材25の先端部に形成された連結孔25cに連結されている。また、この支点部材26は、車体1の開口と補強板28の開口28aを貫通するように、ボルト・ナットなどの締結部品29によってリヤドア3に固定されている。該支点部材26は、プレート30を介してリヤドア3に固定されると共に、プレート30の裏面側には補強板31が共締めされて、支点部材26がリヤドア3に強固に固定されている。なお、車体1とリヤドア3の間にはリヤシール部材32,33が設けられている。外側のリヤシール部材32はリヤドア32に装着されており、内側のリヤシール部材33は車体1に装着されている。両リヤシール部材32,33は互いに前後方向に偏倚しており、これらのシール部材32,33により、リヤドア3の後縁部と車体1との隙間から室内に水等が進入するのを防止している。
【0038】
図8及び図9に示すように、主シール部材6と補助シール部材7は、フロントドア2の後縁部に装着され、ドア2,3を閉じると、リヤドア3の前縁部に設けられたシール面35に圧接するように構成されている。主シール部材6は、該主シール部材6に一体に形成された突起6aをフロントドア2の後端面に形成された複数の取付穴に押し込んで留めることによりフロントドア2に固定されており、補助シール部材7は、フロントドア2の後縁部において後方に突出する突片36に二股の脚部7aを押し込んで留めることにより、フロントドア2に装着されている。また、補助シール部材7は、主シール部材6に対して車幅方向の内側に位置し、かつ前後のドア2,3の分割位置P1,P2が、室内側と室外側とで車両の前後方向に偏倚して配置されている。このように構成することにより、洗車時などに水が室内に入るのを確実に防止するようにしている。
【0039】
シール面35は、主シール部材6が車両の前方から後方に向かって圧接する第1シール面37と、リヤドア3の第1シール面37側の縁部である前縁部において主シール部材6側へ前方に突出するアウターパネル3A(詳細は後述する)の裏面に設けられた第2シール面38とを備えている。そして、主シール部材6は、第1シール面37に対して車両の前後方向に圧接する第1シール部6bと、第2シール面38に対して車幅方向に圧接する第2シール部6cとを備えている。第2シール部6cは、第1シール部6bよりも厚さが薄く、第1シール部6bよりも変形しやすいように構成されている。
【0040】
また、第1シール面37は、より詳細には、主シール部材6の第1シール部6bが車両の前方から後方に向かって圧接する第1圧接面37aと、第1シール部6bが車幅方向に外側から圧接する第2圧接面37bと、補助シール部材7が車両の前方から後方に向かって圧接する第3圧接面37cとを備えている。第2圧接面37bは、例えば洗車時の水圧が主シール部材6に作用したときに、該主シール部材6が車室側に倒れてしまうのを防止する壁として機能するように構成されている。
【0041】
次に、各ドア2,3の構造について説明する。
【0042】
各ドア2,3は、図4,図6,図9と、図3のX−X線断面図である図10に示しているように、車体外側のアウターパネル2A,3Aと、室内側のインナーパネル2B,3Bとから構成されている。アウターパネル2A,3A及びインナーパネル2B,3Bは、それぞれ、鋼板のプレス成形及び深絞り成形により形成されている。そして、アウターパネル2A,3Aとインナーパネル2B,3Bとは、ベルトラインを除いた三辺でアウターパネル2A,3Aをインナーパネル2B,3Bに折り重ね、スポット溶接や接着などによって互いに接合されている。
【0043】
フロントドア2とリヤドア3には、各インナーパネル2B,3Bの内面に、ドアトリム2C,3Cが設けられている。フロントドア2のドアトリム2Cは、図9に示しているように、インナーパネル2Bの後端よりも車両後方側に突出するように構成されている。このことにより、フロント側のドアトリム2Cとリヤ側のドアトリム3Cの間の隙間が狭く設定されていて、前後のドアトリム2C,3Cの一体感を高め、室内の見映えを良くしている。
【0044】
一方、アウターパネル2A,3Aとインナーパネル2B,3Bとの間のスペースには、図3に示すように、フロントドア2の後縁部及びリヤドア3の前縁部に沿って上下方向に延在するように配置された上下補強部材40F,40Rと、ベルトラインに沿ってドア2,3の前後方向に延在するように配置された前後補強部材41F,41Rと、前後補強部材41F,41Rの下方で該前後補強部材41F,41Rと平行に配置されたサイドインパクトバー42F,42Rとが設けられている。
【0045】
フロントドア2のサイドインパクトバー42Fは、前ヒンジ4が固定された補強部材21(図4参照)に前端部が連結され、上下補強部材40Fに後端部が連結されている。また、リヤドア3のサイドインパクトバー42Rは、上下補強部材40Rに前端部が連結され、後ヒンジ5が固定された補強部材31(図6参照)に後端部が連結されている。
【0046】
フロント側及びリヤ側とも、前後補強部材41F,41Rと上下補強部材40F,40Rとは互いに連結されている。前後補強部材41F,41Rは、フロント側及びリヤ側とも、図10に示しているように、ウインドウガラス43F,43Rを挟んで配置された2枚のプレス部材44a,44b及び45a,45bにより構成されている。また、上下補強部材40F,40Rは、ベルトラインよりも上方の第1上下補強部材46a,46bと、該第1上下補強部材46a,46bの下端に連結された第2上下補強部材47a,47bとから構成されており、第1上下補強部材46a,46bには図8に示すように断面円形のパイプ材が用いられ、第2上下補強部材47a,47bには、図9に示すように幅が広くて厚さが薄く成形されたプレス部材が用いられている。上下補強部材40F,40Rは、それぞれ2部材で構成されているが、互いに接合して一体化することによって、センターピラーに代わる強度部材を構成している。
【0047】
また、ベルトラインよりも上のドアサッシ部分は細い方が良いため、第1上下補強部材46a,46bには細くても強度の高い中空の丸パイプを使用しており、ベルトラインよりも下のドアパネル部分では、強度部材をなるべく外面側に配置して、側面衝突が起こってもその初期の段階から力を受けるようにすると共に、ドア内部の部品との干渉を避ける目的で、厚さが薄く幅の広いプレス部材を使用している。
【0048】
なお、車体1のルーフパネル48とフロアパネル49には、車幅方向に延びる左右補強部材50,51(図12及び図13参照)が設けられている。そして、上記上下補強部材40F,40Rは、上端部及び下端部が、左右補強部材50,51に対応する位置に配置されている。
【0049】
一方、図11に示すように、フロントドア2の後縁部とリヤドア3の前縁部には、側突時に両ドア2,3を一体化して強度を高める目的で、連結部材(連結手段)52が設けられている。連結部材52は、フロントドア2の後縁部に固定され、車幅方向の外向きに開口した断面コ字状の第1連結部材52aと、リヤドア3の前縁部に固定され、車幅方向の内向きに開口した断面コ字状の第2連結部材52bとから構成され、それぞれ、フロントドア2の後端部及びリヤドア3の前端部と一体的に設けられている。
【0050】
そして、連結部材52は、側突時には第1,第2連結部材52a,52bが噛み合って両ドア2,3が一体化するようになっている一方で、ドア2,3を普通に閉じた状態では互いに隙間を隔てており、フロントドア2の開閉を妨げないように配置されている。
【0051】
次に、フロントドア2及びリヤドア3を車体1にロックするためのロック機構55,56の構成について説明する。なお、本実施形態において、ロック機構55,56は、フロントドア2とリヤドア3の両方とも、上部と下部に設けられている。また、以下の説明において、フロント側とリヤ側とを特に区別して表す場合のみ、符号にF(フロント)とR(リヤ)を付することとする。
【0052】
図12は上部ロック機構55のフロント側部分を主に示す分解斜視図、図13は下部ロック機構56のフロント側部分を示す分解斜視図、図14は、フロントドア2の上下のロック機構55F,56Fとドアハンドル57Fとの連結関係を示す斜視図である。なお、リヤドア3側の上下ロック機構55R,56Rについては全体を示していないが、具体的な構成はフロントドア2のロック機構55F,56Fと実質的に同じである。
【0053】
図12に示した上部ロック機構55は、車体1のルーフサイド48aに設けられたストライカー58と、ドア2,3のサッシ部分に設けられたロックユニット(ラッチ)59とから構成されている。ルーフサイドには、ストライカー58用の補強部材60が内側から固定されており、この補強部材60により、フロント側とリヤ側のストライカー58F,58Rが車体1に強固に固定されている。
【0054】
ロックユニット59は、ストライカー58と噛み合うように、ドア2,3のサッシのコーナー部に配置されている。ロックユニット59は、第1上下補強部材46a,46bの上端に連結され、且つ、ケーブル(連結部材)61を介して、ドアハンドル57と連結されている。なお、シール部材6,7は、フロントドア2の後縁部から、上縁部及び下縁部に回り込むように設けられている。
【0055】
図13に示した下部ロック機構56は、車体1のサイドシル49aに設けられたストライカー62と、ドア2,3のインナーパネル2B,3Bの下面に設けられたロックユニット(ラッチ)63とから構成されている。サイドシル49aには、ストライカー62用の補強部材64が内側から固定されており、この補強部材64により、フロント側とリヤ側(図示せず)のストライカー62が強固に固定されている。
【0056】
ロックユニット63は、ストライカー62と噛み合うように、ドア2,3のコーナー部分に配置され、また、ケーブル(連結部材)65を介してドアハンドル57と連結されている。
【0057】
ドアハンドル57は、取っ手66を手前に引くことによりストライカー58,62とラッチ59,63のかみ合いを外す機構部品である。本実施形態において、ドアハンドル57は、上下補強部材40に対して車両の前後方向に偏倚した位置に設けられている。より具体的には、図3に示すように、フロントドア2については、ドアハンドル57Fが上下補強部材40Fから前方に偏倚し、リヤドア3については、ドアハンドル57Rが上下補強部材40Rから後方に偏倚している。
【0058】
このため、ドアハンドル57と上部ロック機構55のロックユニット59及び下部ロック機構56のロックユニット63とを連結するケーブル61,65は、各ロックユニット59からドアハンドル57側に向かって上下補強部材40Fに沿って所定長さ延在した後屈曲して、ドアハンドル57に連結されている。なお、ケーブル61,65は、図示していないが心線と被覆材とからなり、被覆材がドア2に固定されていて、取っ手66を操作すると心線が被覆材の中で動いてロックユニット59,63のロックを解除するようになっている。また、ドアハンドル57と下部ロックユニット56の間には、従来と同様に、ケーブルの動作方向を変換するためのレバー67が設けられている。
【0059】
次に、本実施形態のドア構造におけるドア2,3の開閉動作について説明する。
【0060】
まず、フロントドア2を閉じた状態でドアハンドル57Fの取っ手66Fを手前に引くと、上下のロック機構55,56のストライカー58F,62Fとロックユニット59F,63Fの噛み合い状態が解除される。このようにロックが解除されると、前ヒンジ4のアーム11が車両後方側へ下がりながら立ち上がる方向に付勢されているために、フロントドア2は、図4に仮想線で示すように閉じた状態から姿勢(開閉角度)を殆ど変えずに、車体1の外側斜め前方に向かって、前位置ストッパ9bで規制される位置までほぼ平行に移動する。つまり、フロントドア2は、ロックを解除するとほぼ自動的に斜め前方外側に向かって移動することになる。
【0061】
この移動に伴って、主シール部材6の第2シール部6cは、少し撓みながらリヤドア3の第2シール面38から離れ、主シール部材6の第1シール部6bと補助シール部材7は、リヤドア3の第1シール面35から斜め前方に離れていく。この場合、第2シール部6cは厚さが薄いため、変形が比較的容易で、フロントドア2の動作を妨げることはない。また、第1連結部材52aも第2連結部材52bから離れて、両部材52a,52bはオーバーラップした状態でなくなり、完全に分離する。このようにしてフロントドア2の後縁部がリヤドア3の前縁部から離れるので、回転中心C1が前方へ移動した前ヒンジ4を中心として無理なくフロントドア2を開くことができる。なお、その際、フロントドア2は、開位置ストッパー11bで規制される位置まで開放することができる。
【0062】
フロントドア2を閉じるときに、フロントドア2の後縁部を車幅方向内側に向かって押し込むと、フロントドア2は、まず、前位置ストッパ9bで規制される位置までは、前ヒンジ4の回転中心C1が前方に位置した状態のまま回転する。そして、フロントドア2が前ヒンジの回転中心C1に対してそれ以上回転しなくなると、次にアーム11がブラケット10側へ格納されながら回転中心C1が車幅方向内側に向かって斜め後方へ移動して、フロントドア2が閉じられる。このとき、主シール部材6の第1シール部6bと補助シール部材7はリヤドア3の第1シール面35(第1〜第3圧接面37a〜37c)に圧接し、主シール部材6の第2シール部6cはリヤドア3の第2シール面38に圧接する。また、車体1とフロントドア2との間でもシール部材23が圧縮されて、室内が室外に対して密閉される。
【0063】
また、リヤドア3を開くときは、従来と同様に、該リヤドア3側のドアハンドル57Rの取っ手66Rを持って手前に引くとよく、閉じるときは、リヤドア3の前縁部を車幅方向の内側に押し込めばよい。閉じた状態では各シール部材6,7,32,33が圧縮されて、室内が室外に対して密閉される。
【0064】
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、以下のような効果が発揮される。
【0065】
まず、前ヒンジ4の回転軸C1を前後方向へ可動に構成して、フロントドア2を、リヤドア3から前後方向に離した状態で開閉するようにしているので、フロントドア2の後縁部の外面側にリヤドア3の前縁部が重なる構造とした場合でも、前後どちらのドア2,3からでも開閉することが可能となり、観音開きタイプのドア構造において、ドア2,3の開閉の自由度を高められる。
【0066】
また、フロントドア2に装着した主シール部材6の第1シール部6bと補助シール部材7とを、リヤドア3の第1シール面35で車両の前後方向に圧縮するようにしているので、ドア2,3の開閉の際に各シール部材6,7に無理な力が加わるのを防止できる。
【0067】
また、主シール部材6に、第1シール部6bに加えて第2シール部6cを設け、この第2シール部6cを第2シール面38で車幅方向に圧縮することにより、シール方向を2方向にしているため、シール性能を高めることができる。さらに、第1シール部6bを、第1シール面35の第1圧接面37aと第2圧接面37bに2方向から圧接するようにしていることでも高いシール性能を得ることができ、主シール部材6に対して車幅方向の内側に位置する補助シール部材7を設けるとともに、前後のドア2,3の分割位置P1,P2を室内側と室外側とで車両の前後方向にずらしていることでも高いシール性能を得ることができる。
【0068】
また、シール部材6,7をフロントドア2に設けるとともに、前ヒンジ4の回転軸C1を可動にして、シール部材6,7が、リアドア3の第1シール面35に車両の前方から後方に向かって圧接するようにしているので、車両の走行中に、フロントドア2とリヤドア3の間から風が室内に進入してくるのを容易に防止できる。
【0069】
また、フロントドア2のインナーパネル2Bの内面に設けられるドアトリム2Cを、該インナーパネル2Bの後端よりも車両後方側に突出するように構成しているので、ドア2,3を閉じた状態で、フロント側とリヤ側のドアトリム2C,3C間の隙間が狭くなり、室内の見映えを良くすることができる。しかも、フロントドア2を前後方向に可動にしているので、両ドアトリム2C,3Cが干渉することもない。
【0070】
また、後ヒンジ5を、回転中心C2が主シール部材6よりも車幅方向内側に位置するように配置しているので、リヤドア3を開くときに、該リヤドア3の第1シール面35が主シール部材6から斜め後方へ離れる軌跡を描いて移動する。これに対して、仮に後ヒンジ5の回転中心C2が主シール部材6よりも車幅方向の外側に位置していると、リヤドア3を開閉する際に、第1シール面35がリヤドア3を閉じた状態よりも一旦前方に出るため、シール部材6,7が必要以上に圧縮された状態でドア3を回動させることになり、シール部材6,7に対して車幅方向に大きな引っ張り力が加わることになるが、本実施形態では、そのような無駄な動作は行われない。したがって、シール部材6,7に無理な力が加わるのを防止でき、シール部材6,7の損傷などの問題が発生するのを防止できる。
【0071】
また、各ドア2,3を車体1にロックするためのロック機構55,56を、各ドア2,3の上端部と下端部に設けているので、側突時の衝撃がロック機構55,56に直接に作用しない。このため、ロック機構55,56をバンパーレベルに設ける場合とは違ってロック機構55,56が損傷しにくくなり、ひいては側突によりドア2,3が開きにくくなったり、逆に誤って開いてしまったりするのを防止できる。
【0072】
また、各ドアの2,3のアウターパネル2A,3A及びインナーパネル2B,3Bの間のスペースに、上下補強部材40F,40Rをフロントドア2の後縁部及びリヤドア3の前縁部に沿って上下方向に延在するように配置し、さらに、ドア2,3の内部に前後補強部材41F,41Rをベルトラインに沿って設け、該前後補強部材41F,41Rを上下補強部材40F,40Rと連結しているので、耐側突性能が向上する。このため、側突時のロック機構55,56への衝撃を緩和でき、側突時にロック機構55,56が損傷したり、ドア2,3が開閉しにくくなったりするのをより確実に防止できる。
【0073】
また、ドアハンドル57を、上下補強部材40F,40Rに対して車両の前後方向に偏倚した位置に配置することで、上下補強部材40F,40Rを上下方向に連続した部材に構成しているので、耐側突性能がさらに向上し、側突時のロック機構55,56の損傷や、ドア2,3の開閉不良をさらに確実に防止できる。このようにドアハンドル57を上下補強部材40F,40Rから前後にずらすと、ドアハンドル57とロック機構55,56との間の連結部材としてロッドを使った場合には構成が複雑になりやすいのに対し、本実施形態ではケーブル61,65を使っているために、構成が複雑化するのを避けることができる。
【0074】
また、上下補強部材40F,40Rをルーフパネル48及びフロアパネル49の左右補強部材50,51と重なる位置に配置しているので、側突時の衝撃を上下補強部材40F,40Rと左右補強部材50,51とで受けることができ、耐側突性能がさらに向上する。また、このことにより、側突時のロック機構55,56の損傷や、ドア2,3の開閉不良をさらに確実に防止できる。
【0075】
また、ドアハンドル57とロック機構55,56とを連結するケーブル61,65を上下補強部材40F,40Rに沿って配置しているため、側突時にケーブル61,65に力が加わり、ケーブル61,65が大きく変形、変移するのを防止できる。したがって、ケーブル61,65を単独で設けると誤作動のおそれが高いのに対して、側突時の衝撃でドア2,3が誤って開放されるのを防止できる。
【0076】
また、ベルトラインよりも上方の第1上下補強部材46a,46bをパイプ材で構成して、比較的細くても側突の衝撃に耐えることができるようにしているので、車室内の開放感を向上させるためにドアサッシ部分を細くでき、ベルトラインよりも下方の第2上下補強部材47a,47bを厚さの薄いプレス材で構成して、アウターパネル2A,3A側に配置することができるようにしているので、耐側突性能を向上できる。
【0077】
また、フロントドア2及びリヤドア3を、側突時には連結手段52によって連結するようにしたので、ドア2,3の内部に補強部材40F,40R,41F,41Rを設けていることと相まってドア2,3の耐側突性能をさらに向上させることができ、側突時のロック機構55,56の損傷や、ドア2,3の開閉不良をさらに確実に防止できる一方、ドア2,3を普通に閉めた状態では両ドア2,3が連結されないので、ドア2,3の開閉が妨げられるのを防止できる。
【0078】
【発明のその他の実施の形態】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施することが可能である。
【0079】
例えば、連結手段は、図15及び図16に示すように、アクチュエータ70を用いて、ドア2,3を閉じると前後でロックされるように構成することができる。図示の例では、フロントドア2側の第1連結部材71は、基部71aと、該基部71aから車体1の後方側に延びる連結ピン71bとから構成され、基部71aがアクチュエータ70と連結されて、車体1の前後方向へスライド可能に構成されている。また、リヤドア3側の第2連結部材72は、連結ピン71bが嵌合する連結孔72aを有し、サイドインパクトバー42R及び上下補強部材40Rに固定されている。
【0080】
アクチュエータ70は、ドアハンドル57F,57Rに設けられた開閉スイッチ(図示せず)にリレー70aを介して電気的に接続されており、取っ手66F,66Rを手前に引くと第1連結部材71が前方へスライドして連結ピン71bと連結孔72aの係合状態が解除される一方、ドア2,3を閉じると第1連結部材71が後方へスライドして連結ピン71bが連結孔72aに係合するように構成されている。このように構成しても、ドア2,3の耐側突性能を向上させることができる。
【0081】
また、上記実施形態では、前ヒンジ4の回転軸C1を斜め前後方向へ可動に構成して、フロントドア2が開閉時に斜め前後方向に移動するようにしているが、必ずしも斜めに動かす必要はなく、単に前後方向に動作するようにしてもよい。また、前ヒンジ4の代わりに後ヒンジ5の回転軸C2を可動に構成してリヤドア3が前後方向または斜め前後方向に移動するようにしてもよい。さらに、前ヒンジ4と後ヒンジ5の両方の回転軸C1,C2を可動に構成してもよく、そうすると、フロントドア2とリヤドア3の両方を移動させることができるので、ドア2,3の開閉の際のフロントドア2の後縁部とリヤドア3の前縁部の干渉をより容易に防止することができる。このため、フロントドア2の後縁部とリヤドア3の前縁部の形状をより自由に設計することが可能となる。
【0082】
また、上記実施形態では、ロック機構55,56を各ドア2,3の上端部と下端部の両方に設けているが、少なくとも一方に設ければよい。さらに、上記実施形態では、上端部及び下端部とも、ストライカー58,62を車体1側に設け、ロックユニット59,63をドア2,3側に設けるようにしているが、例えばドア2,3の下端部ではストライカー62を車体1側に設けると共にロックユニット63をドア2,3側に設ける一方、ドア2,3の上端部ではフロントドア2にストライカー58(またはロックユニット59)を設け、リヤドア3にロックユニット59(またはストライカー58)を設けるような構成も可能である。
【0083】
また、上記実施形態では、上下補強部材40F,40Rの上端部及び下端部の両方が、ルーフ側及びフロア側の左右補強部材50,51とオーバーラップする構成としたが、片側のみが左右補強部材と対応するように、つまり左右補強部材50,51が互いに前後にずれた配置としてもよい。さらに、上下補強部材は、サイドインパクトバー42F,42Rと、前後補強部材41F,41Rの何れか一方とのみ連結した構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るドア構造を適用した車両においてドアを閉じた状態を示す部分斜視図である。
【図2】 図1においてドアを開けた状態を示す部分斜視図である。
【図3】 図1に示したドアの内部構造の概要を示す部分斜視図である。
【図4】 図3のIV−IV線断面図である。
【図5】 図4の分解斜視図である。
【図6】 図3のVI−VI線断面図である。
【図7】 図6の分解斜視図である。
【図8】 図3のVIII−VIII線断面図である。
【図9】 図3のIX−IX線断面図である。
【図10】 図3のX−X線断面図である。
【図11】 連結部材の構造を示す部分斜視図である。
【図12】 フロントドアの上部ロック機構の分解斜視図である。
【図13】 フロントドアの下部ロック機構の分解斜視図である。
【図14】 フロントドアの上下ロック機構とドアハンドルとの連結関係を示す斜視図である。
【図15】 変形例に係る連結手段の概略構造を示す部分斜視図である。
【図16】 図15の部分拡大図である。
【符号の説明】
1 車体
2 フロントドア
3 リヤドア
2A,3A アウターパネル
2B,3B インナーパネル
2C,3C ドアトリム
4 前ヒンジ
5 後ヒンジ
6 主シール部材
6b 第1シール部
6c 第2シール部
7 補助シール部材
35 第1シール面
37a 第1圧接面
37b 第2圧接面
37c 第3圧接面
38 第2シール面
40F,40R 上下補強部材
41F,41R 前後補強部材
46a,46b 第1上下補強部材
47a,47b 第2上下補強部材
50,51 左右補強部材
55,56 ロック機構
57 ドアハンドル
61,65 連結部材(ケーブル)
Claims (7)
- センターピラーのない車体の側部に開閉可能に設けられるフロントドア及びリヤドアと、フロントドアの前端部を車体に連結する前ヒンジと、上記フロントドア及びリヤドア間に設けられたシール部材とを備えた車両のドア構造であって、
各ドアを車体にロックするためのロック機構が、各ドアの上端部及び下端部の少なくとも一方に設けられ、
上記各ドアは、アウターパネル及びインナーパネルと、両パネル間のスペースに上下方向に延在するように配置された上下補強部材とを備え、該上下補強部材は、フロントドアの後縁部及びリヤドアの前縁部に沿って配置され、
上記上下補強部材は、ベルトラインよりも上方の第1上下補強部材と、該第1上下補強部材の下端に連結された第2上下補強部材とを備え、第1上下補強部材がパイプ材で構成され、第2上下補強部材がプレス部材で構成されている車両のドア構造。 - ロック機構を解除するドアハンドルが、上下補強部材に対して車両の前後方向に偏倚した位置に配置されている請求項1記載の車両のドア構造。
- 上下補強部材は、上端部及び下端部の少なくとも一方が、車体に車幅方向に設けられた左右補強部材に対応する位置に配置されている請求項1または2記載の車両のドア構造。
- アウターパネルとインナーパネルとの間のスペースに、ドアの前後方向に延在する前後補強部材が配設され、該前後補強部材と上下補強部材とが連結されている請求項1乃至3の何れか1記載の車両のドア構造。
- ドアハンドルとロック機構とを連結する連結部材が、アウターパネルとインナーパネルの間で上下補強部材に沿って配置されている請求項1乃至4の何れか1記載の車両のドア構造。
- ドアハンドルとロック機構とを連結する連結部材がケーブルである請求項5記載の車両のドア構造。
- フロントドアの後端部とリヤドアの前端部とを側突時に連結する一方、各ドアの開閉時には両ドアの分離が可能に構成された連結手段を備えている請求項1乃至7の何れか1記載の車両のドア構造。
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