JP4753039B2 - 車両のスライドドア構造 - Google Patents

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本発明は車体側面にスライドドアを開閉可能に設けたスライドドア構造に係り、詳しくはスライドドアのインナパネルに形成した開口部を閉鎖するようにモジュールパネルを取り付け、このモジュールパネルにスライドドアの機能部品を固定支持したスライドドア構造に関するものである。
この種のスライドドアはドア開放時に側方スペースをほとんど要さずに使い勝手が良好なことから、近年では商用車のみならず自家用車にも広く採用されている(例えば、特許文献1参照)。
当該特許文献1に記載された技術では、スライドドアの内面のインナパネルに第1の開口部を形成し、この第1の開口部に予めドアロック装置、リモコン受信部、ウインドウレギュレータなどを取り付けてモジュール化したモジュールパネルを装着する一方、インナパネルに第2の開口部を形成してモータブラケットを装着し、このモータブラケットにドア内に向けて陥没する凹陥部を形成し、凹陥部内にスライド用モータを取り付けてモータの防水を図っている。
特開2004−142681号公報
上記特許文献1の技術では、モジュールパネルとモータブラケットにそれぞれの部品を取り付けているため、個別に組付作業を実施する必要が生じて煩雑な上に、個別に形成された第1の開口部及び第2の開口部ではインナパネル上の開口面積が狭いため、その後の修理などに際してスライドドア内のメンテナンスを実施し難いという問題があった。
そこで、モジュールパネルとモータブラケットとを一体化することにより、組付作業の簡略化及び開口面積の拡大を図る対策も考えられる。しかしながら、例えばモジュールパネルをモータブラケット側に延設してスライド用モータを取り付けた場合には、モジュールパネルの面積が大幅に拡大して車幅方向に撓み易くなる。モジュールパネルはスライドドアの機能部品、例えばスライド用モータなどの重量物を固定支持するために高い剛性が要求されるが、上記面積拡大に伴って剛性低下を生じることから、車両走行時やドア開閉時のモジュールパネルのブレに起因して異音が発生したり、或いはモジュールパネル上のドアロック装置の位置変位によりドアラッチとの連携が不確実になったりするなどの別の問題が発生してしまう。
また、拡大したモジュールパネルの剛性を確保すべく板厚増加や補強部品の追加などの対策を講じれば、重量増加などの不具合が生じるため、抜本的な対策とは言えない。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、スライドドアの機能部品を単一のモジュールパネルに取り付けることで、組付作業の簡略化及びインナパネルの開口面積の拡大を達成できると共に、重量増加などを生じることなくモジュールパネルの面積拡大に起因する剛性低下を確実に防止することができる車両のスライドドア構造を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、車体側面のドア開口部にスライドドアを配設し、スライドドアのパネルに設けたレール部材に対して車体側に設けたアームを前後方向に案内可能に係合させ、スライドドアをスライドさせてドア開口部を開閉する車両のスライドドア構造において、スライドドアのインナパネルに形成された開口部を閉鎖するように取り付けられて、スライドドアの機能部品が固定支持されると共に、車室内側の面にレール部材が配設された単一のモジュールパネルを備え、レール部材の後部または前部が、モジュールパネルの周縁を越えてインナパネル側に延設され、延設部分がインナパネルに対して直接的に結合されているものである。
従って、スライドドアの機能部品が単一のモジュールパネルに取り付けられるため、これらの機能部品のモジュールパネルに対する組付作業及びモジュールパネルのスライドドアに対する組付作業が簡略化される。
そして、モジュールパネルにはレール部材が配設されているため、レール部材自体がリンフォースとして機能し、モジュールパネルの面積拡大に伴う剛性低下が抑制される。従って、モジュールパネル上でスライドドアの機能部品が確実に固定支持され、車両走行時やドア開閉時のモジュールパネルのブレに起因する異音の発生が防止されると共に、モジュールパネル上の機能部品の位置変位による不具合、例えばドアロック装置の位置変位によりドアラッチとの連携が不確実になるなどの不具合が未然に防止される。
しかも、レール部材はモジュールパネルの剛性を直接的に向上させるだけでなく、モジュールパネルとインナパネルとを結合する役割を果たすことで、間接的にもモジュールパネルの剛性向上に貢献する。
請求項の発明の車両のスライドドア構造によれば、請求項1において、モジュールパネルの前部または後部が、車体側に対するインナパネルのウェザーストリップ箇所近傍に取り付けられると共に、インナパネルへの取付箇所からレール部材の取付面にかけて車室外側に変位する変位部を形成して、レール部材の取付面をインナパネルへの取付箇所に対して車室外側に位置させ、且つ前方または後方に延設しているものである。
レール部材の車室内側への張り出しを防止するにはレール部材を車室外側に配置することが望ましく、スライドドアのスライド量を拡大するにはレール部材を前後方向に延設することが望ましく、そのためにはモジュールパネルのレール部材取付面を車室外側に位置させると共に前後方向に延設する必要がある。
一方、車体側のドア開口部とスライドドアとの間にウェザーストリップを配置するために、インナパネルのウェザーストリップ箇所はある程度車室内側に位置させる必要があり、それに伴ってモジュールパネルを車室内側に位置させることが制限されるが、モジュールパネルの前部または後部(後方にスライド開放されるスライドドアでは前部、前方にスライド開放されるスライドドアでは後部)が、変位部によりウェザーストリップ箇所近傍の取付箇所からガイドレール取付面にかけて車室外側に変位しているため、結果としてガイドレール取付面が車室外側に位置してレール部材の車室内側への張り出しが防止されると共に、レール部材が前方または後方に延設されてスライドドアのスライド量が拡大される。
請求項の発明の車両のスライドドア構造によれば、請求項1または2において、レール部材と対応するように上記スライドドア内に配設され、上記モジュールパネルを挟んで上記レール部材に対して結合されるレールリンフォースを備え、レールリンフォースが、スライドドアの前部ドアリンフォース及び後部ドアリンフォースを相互に連結しているものである。
従って、前部及び後部のドアリンフォースを連結したレールリンフォースによりサイドインパクトバーの機能が奏され、車両側突時の衝撃が吸収される。
以上説明したように請求項1の発明の車両のスライドドア構造によれば、スライドドアの機能部品を単一のモジュールパネルに取り付けることで、組付作業の簡略化を達成できると共に、モジュールパネルにレール部材を配設することにより、重量増加などを生じることなくモジュールパネルの剛性を確実に向上でき、しかも、レール部材を介してモジュールパネルとインナパネルとを結合することにより、モジュールパネルの剛性を一層向上させることができる。
請求項の発明の車両のスライドドア構造によれば、請求項1に加えて、モジュールパネルの前部または後部に車室外側に変位する変位部を形成することで、レール部材の車室内側への張り出しを防止できると共に、レール部材を前方または後方に延設してスライドドアのスライド量を拡大することができる。
請求項の発明の車両のスライドドア構造によれば、請求項1または2に加えて、レールリンフォースにより前部及び後部のドアリンフォースを連結することでサイドインパクトバーの機能を得ることができる。
以下、本発明を具体化したスライドドア構造の一実施形態を説明する。
図1は本実施形態のスライドドア構造が適用された車両の左側面を示す正面図である。車両のフロントドア1は所謂スイングドアとして構成されて前席乗降口2に相当する位置に配設され、前側に装着された図示しない一対のヒンジを中心として開閉される。リアドア3は所謂スライドドアとして構成されて後席乗降口4(ドア開口部)に相当する位置に配設され、車室外側に引出されて前後方向にスライドして開閉される。リアドア3はスライドガイド機構5〜7に案内されながらパワースライド機構8の駆動によりスライドすると共に、乗員による手動操作でもスライド可能となっている。
図2はリアドア3のアウタパネル11を一部破断して車室外側より見た正面図、図3はリアドア3を車室内側より見た背面図、図4はセンタレール6a、モジュールパネル16、レールリンフォース10の関係を示す図2のIV−IV線断面図、図5はレールリンフォース10とパワースライド機構8のモータ27との関係を示す図2のV−V線断面図である。
特に図2に示すように、上記スライドガイド機構5〜7はリアドア3の上段、中段、下段に設けられ、それぞれ前後方向に延びるレールと当該レール上を案内されるアームとから構成されている。上段及び下段のスライドガイド機構5,7は、車体側の後席乗降口4に設けたアッパレール5a及びロアレール7aによりドア3側のアッパアーム5bやロアアーム7bが案内されるように構成され、中段のスライドガイド機構6は、ドア3側に設けたセンタレール6a(レール部材)により車体側のセンタアーム6bが案内されるように構成され、これによりリアドア3が前後方向にスライドして後席乗降口4を開閉する。
そして、本実施形態では、リアドア3のセンタレール6a付近の補強機能、サイドインパクトバーの機能、上記パワースライド機構8のモータの防水機能、及びセンタレール6aの取付機能を奏するように、リアドア3内にレールリンフォース10が配設されており、以下、当該レールリンフォース10周辺の構造を説明する。
図3,4に示すように、リアドア3は全体として車室外側のアウタパネル11及び車室内側のインナパネル12をモナカ状に接合して構成され、リアドア3の上部半分にはサイドウインドウ13が設けられ、リアドア3の下部半分は上記レールリンフォース10などを収容すべく空洞になっている。アウタパネル11にはリアドア3を開閉操作するためのアウタハンドル3aが設けられ、一方、インナパネル12には開口部12aが形成され、この開口部12aを介してリアドア3内の後部側を除く大半の箇所が車室内側に向けて開放されている。
図2,4に示すように、リアドア3の前側及び後側はドアリンフォース14,15により補強されている。前部ドアリンフォース14はインナパネル12の内面に重なって配設されて適宜スポット溶接で接合されており、ドアリンフォース14の後縁はインナパネル12の開口部12aから離間してドア3内に位置し、この箇所の車室外側の面をレールリンフォース固定用の取付座14aとしている。また、後部ドアリンフォース15の前縁(即ち、インナパネル12の開口部12a)の車室外側の面をレールリンフォース固定用の取付座15aとしている。上記レールリンフォース10は鋼板をプレス成型して製作され、リアドア3内で前後方向に延びるように配設されている。レールリンフォース10の前端は前部ドアリンフォース14の取付座14aにスポット溶接されると共に、後端は後部ドアリンフォース15の取付座15aにスポット溶接されている(図2中に×印で溶接箇所を示す)。これによりレールリンフォース10は前後のドアリンフォース14,15を連結してリアドア3全体の剛性向上の貢献すると共に、車両側突時には衝撃を吸収するサイドインパクトバーの機能を奏する。
図3,4に示すように、インナパネル12の開口部12aには車室内側よりモジュールパネル16が配設され、モジュールパネル16は開口部12aと対応する形状をなすように鋼板をプレス成型して製作されている。モジュールパネル16は周囲を多数のボルト17によりインナパネル12に固定され、これにより開口部12aが閉鎖されている。モジュールパネル16の車室内側には、レールリンフォース19の上縁と対応する上下位置に上記したセンタレール6aが配設されている。センタレール6aは鋼板をプレス成型して製作され前後方向に直線状に延び、その後部はモジュールパネル16の後縁を越えてインナパネル12上を後方に延設されている。センタレール6aの延設箇所は、インナパネル12(後部ドアリンフォース15)の表面に沿いながら車室外側に向けて円弧状に湾曲している。
図4に示すように、センタレール6aは直線部分の等分3箇所でレールリンフォース10及びモジュールパネル16に対して重なり合い、各箇所においてセンタレール6a、レールリンフォース10及びモジュールパネル16に貫設されたボルト孔18には車室内側からボルト19が挿入され、ボルト19の先端はレールリンフォース10の車室外側の面に溶接されたナット20に螺合している。また、センタレール6aの湾曲部分はインナパネル12と重なり合い、この箇所においてセンタレール6a及びインナパネル12に貫設されたボルト孔21には車室内側からボルト22が挿入され、ボルト22の先端はインナパネル12の車室外側の面に溶接されたナット23に螺合している。
従って、モジュールパネル16を挟んでセンタレール6aとレールリンフォース10とが共締めされ、モジュールパネル16はその上下方向の略中央を横切るようにセンタレール6a及びレールリンフォース10により強固に挟持されることから、十分な剛性が確保されている。
図3,4に示すように、インナパネル12にはリアドア3の周囲に沿ってウェザーストリップ24が装着され(図3では一部のみ示す)、ウェザーストリップ24はリアドア3の全閉時に車体側の後席乗降口4の周囲に当接する。モジュールパネル16の前部はインナパネル12のウェザーストリップ装着箇所の直後に取り付けられ、このインナパネル12への取付箇所16aより若干離間した後方位置に上記センタレール6aの取付面16bが位置している。モジュールパネル16の前部には、インナパネル12への取付箇所16aからセンタレール6aの取付面16bにかけて変位部16cが折曲形成されており、この変位部16cはインナパネル12への取付箇所16aから車室外側且つ斜め後方に向けて延設されてセンタレール6aの取付面16bに連続している。
なお、変位部16cは斜状の断面形状に限ることはなく種々に変更可能であり、例えばクランク状の断面形状をなすように形成してもよい。
ここで、センタレール6aの車室内側への張り出しを防止するにはセンタレール6aを車室外側に配置することが望ましく、リアドア3のスライド量を拡大するにはセンタレール6aを前方に延設することが望ましく、そのためにはモジュールパネル16のセンタレール取付面16bを車室外側に位置させると共に前方に延設する必要がある。一方、上記ウェザーストリップ24の配置のために、インナパネル12のウェザーストリップ装着箇所はある程度車室内側に位置させる必要があり、それに伴ってモジュールパネル16の前部を車室内側に位置させることが制限される。
センタレール6aの位置にはこのような条件があるが、モジュールパネル16の前部に変位部16cが形成されることにより、インナパネル12のウェザーストリップ装着箇所を最適位置としたまま、インナパネル12への取付箇所16aに対してセンタレール6aの取付面16bを車室外側に位置させた上で前方に延設可能となる。これによりセンタレール6aの車室内側への張り出しを防止できると共に、センタレール6aを前方に延設してリアドア3のスライド量を拡大できる。
センタレール取付面16bの車室外側への変位と前方への延設とを両立させるには、かなり急角度で変位部16cを折曲する必要がある。このような急角度の成形は、それほど大型でないためプレス成型し易く、且つ成形性の良好な材質を任意に選択可能なモジュールパネル16であるから実現できるものである。例えばモジュールパネルを廃した一般的なドアのインナパネルに直接変位部16cを形成しても、大型パネルで且つ他の優先すべき要件により材質変更の余地がほとんどないため、成形性の限界により適切な変位部16cを形成できず、本実施形態ほど際立った作用効果は得られない。
一方、レールリンフォース10は剛性確保のために主に前後方向に多数のプレスラインが形成されており、図5に示す前後方向の略中央では、上縁のボルト19及びナット20による結合箇所から車室外側に向けて下方に傾斜するように折曲された上で、アウタパネル11近傍で下方に向けて折曲された断面形状をなしている。これによりレールリンフォース10とモジュールパネル16との間には下方に開口する収容空間Sが形成されている。図2,5に示すように、アウタパネル11に対するレールリンフォース10の対向面にはコイン状をなす4つのシール面25が突出形成され、各シール面25は柔軟性を有するシール材26を介してアウタパネル11に接着されている。よって、アウタパネル11の略中央付近がシール材26を介してレールリンフォース10に固定されることになり、車両走行時やドア開閉時のアウタパネル11のブレに起因する異音の発生が抑制される。
図4,5に示すように、センタレール6aは車室内側に開口する断面形状をなし、センタアーム6bの図示しないローラがセンタレール6a内で転動することにより、上段及び下段のスライドガイド機構5,7と協調してリアドア3の前後方向へのスライドが案内される。図4はリアドア3の全閉位置を示しているが、全閉位置ではセンタアーム6bがセンタレール6aの湾曲部分に位置しており、センタレール6aの湾曲部分に倣ってリアドア3は車室外且つ斜め後方に向けて案内された後に、センタレール6aの直線部分に沿って後方に案内されて開放され、逆の閉鎖時にはセンタレール6aの直線箇所に沿って前方に案内された後に、湾曲部分に倣って車室内且つ斜め前方に向けて案内されて閉鎖される。
図5に示すように、上記レールリンフォース10の収容空間S内にはパワースライド機構8のモータ27が配設されており、モータ27はモジュールパネル16に対して固定されている。レールリンフォース10はモータ27を上方から覆うように配置されることになり、後述のようにモータ27の防水機能を奏する。モジュールパネル16のモータ27を挟んだ車室内側にはパワースライド機構8のワイヤ駆動用のドラム28が固定され、モータ27によりドラム28が回転駆動される。詳細は説明しないが、ドラム28からは前方及び後方にワイヤが延出され、これらのワイヤはセンタアーム6bとの間で環状をなすように架設されている。モータ27により駆動されたドラム28によりワイヤが一方から引込まれて他方へと繰出されると、対応する方向にリアドア3とセンタアーム6bとの前後位置が変化し、これにより上記スライドガイド機構5〜7の案内によるリアドア3のスライドが電動で行われる。無論、乗員のスライド操作によりリアドア3を手動で開閉することも可能である。
一方、図3に示すように、モジュールパネル16の車室内側の面には、ロック用アクチュエータ29、リリース用アクチュエータ30、各アクチュエータと連動するリンク機構31,32、各アクチュエータ29,30やパワースライド機構8のモータ27などを駆動制御するECU(電子制御ユニット)33、リアドア3を開閉操作するためのインナハンドル3bなどが所定位置に固定されている。ロック用アクチュエータ29は前後のドアラッチ34を施錠・解錠するための装備であり、リリース用アクチュエータ30は、リアドア3を全閉位置でロックしている前後ラッチ34を解除するための装備であり、また、全開位置で自動ロックして降坂路での自重によるドア閉鎖を防止する図示しないオープンロック機構をドア閉操作に伴って解除するための装備である。これらの各部材はリアドア内面に装着された図示しない内装材によりモジュールパネル16と共に隠蔽されており、インナハンドル3bのみが操作可能なように車室内に露出している。
以上のように構成された本実施形態の車両のスライドドア構造では、リアドア3に装着したモジュールパネル16により以下の機能が奏される。
1)元々モジュールパネル16は、モジュールパネル16単体でスライド用モータ27などの機能部品を組み付け、その後にリアドア3に対してモジュールパネル16を装着することで組立作業の簡略化を図ったものであるが、本実施形態では単一のモジュールパネル16とすることにより、例えば複数のモジュールパネルを有する特許文献1の技術と比較して、モジュールパネル16に対する機能部品の組付作業及びモジュールパネル16のリアドア3に対する組付作業を簡略化できる。
2)単一のモジュールパネルの採用によりインナパネル12の開口部12aを拡大しているため、修理などに際してリアドア3内のメンテナンスを容易に実施できる。
3)モジュールパネル16の面積拡大は剛性低下の要因となるが、モジュールパネル16をセンタレール6a及びレールリンフォース10と共締めして、両部材6a,10により強固に挟持しているため、十分なモジュールパネル16の剛性を確保できる。従って、モジュールパネル16上でリアドア3の機能部品が確実に固定支持され、車両走行時やドア開閉時のモジュールパネル16のブレに起因する異音の発生が防止されると共に、モジュールパネル16上の機能部品の位置変位による不具合、例えばロック用のリンク機構31の位置変位によりドアラッチ34との連携が不確実になるなどの不具合を未然に防止できる。
4)同じくモジュールパネルの剛性向上による利点であるが、図4から明らかなように中段のスライドガイド機構6では、センタレール6aをリアドア3に固定する4本のボルト19,22の内、3本をモジュールパネル16に固定しているため、リアドア3は主にモジュールパネル16を介して車体側に支持されている。従って、モジュールパネル16の剛性向上はリアドア3の支持剛性の向上に繋がり、ひいてはドア開閉時の操作感を良好なものとすることができる。
5)モジュールパネル16の剛性向上に貢献するセンタレール6aは既存の部材であり、レールリンフォース10も本来はセンタレール6aを裏面側から補強する既存の部材である。よって、新たな部品の追加による重量増加などの不具合を未然に防止した上で、上記剛性向上の効果を得ることができる。
6)センタレール6aの後部をモジュールパネル16の後縁を越えてインナパネル12側に延設してボルト22で固定しているため、モジュールパネル16とインナパネル12がセンタレール6aを介して連結され、この要因もモジュールパネル16の剛性向上に貢献する。
7)モジュールパネル16の前部に変位部16cを形成することにより、センタレール6の取付面16bを車室外側に位置させた上で前方に延設したため、センタレール6aの車室内側への張り出しを防止して車室の居住性を向上できると共に、リアドア3のスライド量を拡大して乗降性を向上できる。
8)前後のドアリンフォース14,15をレールリンフォース10により連結することで、センタレール6aがサイドインパクトバーの役割を果たして車両側突時の衝撃を効果的に吸収できる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、センタレール6a、レールリンフォース10及びモジュールパネル16をボルト19及びナット20により3箇所で共締めしたが、これに限ることはなく、例えば共締め箇所の数を増減したり、或いはボルト19及びナット20に代えてリベットやスポット溶接を利用して共締めしたりしてもよい。
また、上記実施形態では、鋼板をプレス成型してレールリンフォース10を製作したが、その材質や製法に関してはこれに限ることはなく、例えばアルミダイキャストによりレールリンフォース10を一体成形してもよい。
また、上記実施形態では、後方にスライドして開放されるリアドア3に本発明を適用したが、対象となるドアの種別やドアのスライド方向はこれに限ることはなく、例えばフロントドア1に適用し、このフロントドア1を前方にスライドして開放されるように構成してもよい。無論、このようにドアスライド方向を逆転させた場合には、センタレール6aの形状や変位部16cの位置も前後方向で反転することになり、図4において、センタレール6aの円弧状の湾曲部分は左方(車両前方)に位置し、モジュールパネル16のインナパネル12への取付箇所16a、センタレール6aの取付面16b、変位部16cは右方(車両後方)に位置することになる。
また、上記実施形態では、パワースライド機構8の駆動によりリアドア3を電動スライド可能に構成したが、この機能を省略して、乗員の手動操作のみでリアドア3をスライドさせるように構成してもよい。
実施形態のスライドドア構造が適用された車両の左側面を示す正面図である。 リアドアのアウタパネルを一部破断して車室外側より見た正面図である。 リアドアを車室内側より見た背面図である。 センタレール、モジュールパネル、レールリンフォースの関係を示す図2のIV−IV線断面図である。 レールリンフォースとパワースライド機構のモータとの関係を示す図2のV−V線断面図である。
符号の説明
3 リアドア(スライドドア)
4 後席乗降口(ドア開口部)
6a センタレール(レール部材)
6b センタアーム
10 レールリンフォース
12 インナパネル
12a 開口部
14 前部ドアリンフォース
15 後部ドアリンフォース
16 モジュールパネル
16a インナパネルへの取付箇所
16b センタレールの取付面
16c 変位部

Claims (3)

  1. 車体側面のドア開口部にスライドドアを配設し、該スライドドアのパネルに設けたレール部材に対して車体側に設けたアームを前後方向に案内可能に係合させ、該スライドドアをスライドさせて上記ドア開口部を開閉する車両のスライドドア構造において、
    上記スライドドアのインナパネルに形成された開口部を閉鎖するように取り付けられて、上記スライドドアの機能部品が固定支持されると共に、車室内側の面に上記レール部材が配設された単一のモジュールパネルを備え、
    上記レール部材の後部または前部は、上記モジュールパネルの周縁を越えて上記インナパネル側に延設され、該延設部分がインナパネルに対して直接的に結合されていることを特徴とする車両のスライドドア構造。
  2. 上記モジュールパネルの前部または後部は、上記車体側に対する上記インナパネルのウェザーストリップ箇所近傍に取り付けられると共に、該インナパネルへの取付箇所から上記レール部材の取付面にかけて車室外側に変位する変位部を形成して、該レール部材の取付面を上記インナパネルへの取付箇所に対して車室外側に位置させ、且つ前方または後方に延設していることを特徴とする請求項1記載の車両のスライドドア構造。
  3. 上記レール部材と対応するように上記スライドドア内に配設され、上記モジュールパネルを挟んで上記レール部材に対して結合されるレールリンフォースを備え、
    上記レールリンフォースは、上記スライドドアの前部ドアリンフォース及び後部ドアリンフォースを相互に連結していることを特徴とする請求項1または2記載の車両のスライドドア構造。
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