JP4768168B2 - 自動車の車体側部構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体側部構造に関し、特に車体側方からサイドドアに衝撃荷重が作用した際に、該サイドドアの車室内への侵入を抑制し得る自動車の車体側部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に自動車のサイドドアは、前部が上下に離間して設けられた複数のヒンジによってセンタピラーに開閉自在に取り付けられ、後部に設けられたドアロック機構によって閉状態に保つように構成されている。
【0003】
このようなサイドドアは、車体側方から衝撃荷重を受けた際に、ドア本体が変形して車室内へ侵入するのを防止するためにドア本体の後部に係合ピンを設け、かつ係合ピンと係合する係合孔を車体本体側に設けたものがある。
【0004】
この係合ピン及び係合孔を設けた車体側部構造としては、例えば特開平6−40259号公報がある。この車体側部構造は、図7に自動車の側面図を示し、かつ図8に図7のIV−IV線断面図を示すように、サイドドア101は、インナパネル102とアウタパネル103によって形成され、インナパネル102の後端に折曲形成された壁部102aはリンフォース104によって補強され、この補強された部分に係合ピン105が後方に向かって突設されている。
【0005】
一方、壁部102aに対向するリヤクォータ106のホイールエプロン部107の後面側に下部がサイドシル111に接合されたリンフォース108を接合し、ホイールエプロン部107及びリンフォース108の後方に屈曲されたコーナ部109にサイドドア101を閉じた際に、係合ピン105の大径に形成された頭部105aが侵入可能な係合孔110が開口形成されている。
【0006】
そして、このサイドドア101に対して車体側方から衝撃荷重が作用した際に、係合ピン108の頭部105aが係合孔110に係合して、サイドドア101の後端部が車室内方向及び前方へ移動する変形を規制してサイドドア101が車室内への侵入を防止するものである。
【0007】
また、米国特許明細書第530607号には、サイドドアのインナパネルに折り曲げ形成された後端の壁部に係合孔を設け、リヤクォータのホイールエプロン部に係合ピンを前方に向かって突設し、車体側方から衝撃荷重が作用した際に、係合ピンと係合孔が係合してサイドドアが車室内に侵入するのを防止する車体側部構造が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開平6−40259号公報によると、リヤクォータ106のホイールアーチ部107の後面側にリンフォース108を接合し、ホイールエプロン部107及びリンフォース108の後方に折曲されたコーナ部109に、サイドドア101に設けた係合ピン105の頭部105aが進入する係合孔110を形成して、サイドドア101に車体側方から衝撃荷重が作用した際に、係合ピン105が係合孔110に係合してサイドドア101の後端部の車室方向及び前方への移動を規制してサイドドア101の変形に伴う車室内侵入が抑制できる。
【0009】
しかし、係合孔110が開口するホイールアーチ部107のコーナ部109がリンフォース108によって補強されるものの、ホイールアーチ部107とリンフォース108が重ね合わされて接合することから、十分な剛性が得難く、かつ係合孔110がサイドシル111から離れたホイールアーチ部107の上方部に形成されることから、係合ピン105からの衝撃荷重を効率的にサイドシル111へ伝達されず、ホイールアーチ部107の局部的な変形が誘発されてサイドドア101の後部が車室内方へ侵入して乗員に影響を及ぼすことが懸念される。また、サイドシル111に連結するリンフォース108に大きな剛性が要求される結果、リンフォース108の板厚の増加及び大型化に伴う車体重量の増加が懸念される。
【0010】
一方、米国特許明細書第530607号によると、サイドドアの後端の壁部に設けた係合孔が係合する係合ピンをリヤクォータのホイールアーチ部に突設させることによって、サイドドアに車体側方から衝撃荷重が作用した際、係合孔が係合ピンに係止してサイドドアの車室内侵入を抑制できる。
【0011】
しかし、係止ピンがサイドシルから離れてホイールアーチ部の上方部に設けられることから、係止ピンからの衝撃荷重をサイドシルに円滑に荷重伝達することが阻害されてホイールアーチ部が局部的に変形して、サイドドアの後部が車室内に侵入することが懸念される。また、リヤクォータから係止ピンが突出することから、サイドドア開放時に係止ピンが露出して外観品質の低下を招くおそれがある。
【0012】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、サイドドア開放時の外観品質低下及び車体重量の増加を招くことなく、車体側方から衝撃荷重がサイドドアに作用した際、サイドドアの車室内侵入を有効的に防止して、乗員への影響が回避乃至軽減できる安全性に優れた自動車の車体側部構造を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項に記載の発明は、車体本体の側部にドア開口部及び該ドア開口部を開閉するサイドドアを備え、該サイドドアのドア本体後部に係合手段が配設されると共に、上記ドア本体に車体側方から衝撃荷重が作用した際に、上記係合手段と係合して上記ドア本体後部の車室内方及び前方への移動を規制する係合孔が車体本体側に配設された自動車の車体側部構造において、上記車体本体は、上記ドア開口部の下縁に沿って前後方向に延在するサイドシルアウタ部及び該サイドシルアウタ部の後端から上記ドア開口部の後縁に沿って上方に延在するホイールアーチ部を有すると共に、上記サイドシルアウタ部及びホイールアーチ部から上記ドア開口部の後側下方隅部内に突出するドア受け及び該ドア受け面の上縁に沿って延在する第1折曲線を介して車室内方に折曲形成されて上記サイドシル部の上面に連続するサイドシル上面部及び該サイドシル上面部に連続形成されて上記ホイールアーチ部の前面に連続するホイールアーチ前面部を備えたリヤクォータパネルと、上記サイドシル上面部からホイールアーチ前面部へ移行する移行部分と上記ドア受け面に亘って連続して形成された上記係合孔と、該係合孔を跨いで上記ドア受け面と上記移行部分に掛け渡されると共に、上記ドア受け面及び移行部分と協働して上記ドア開口部に沿って延在する中空閉断面形状を形成する第1リンフォースと、を備え、上記第1リンフォースは、上記係合孔の下縁に沿って上記ドア受け面に接合される外方結合部と、該外方結合部の上縁に沿って上記第1折曲線と略平行に延在する第2折曲線を介して上記移行部分と略対向して車室内方に折曲形成された下面部と、該下面部に連続形成されて上記ドア受け面と対向する内側面部と、該内側面部に連続形成されて上記移行部に折曲形成されたフランジ部に接合する上方結合部と、が一体形成された断面略L字状に形成されたことを特徴とする。
【0017】
請求項の発明によると、ドア本体に車体側方から衝撃力が作用した場合、係合手段が係合孔に係合することによってドア本体の車室内方に移動するのを抑制する。この際、リヤクォータパネルのドア受け面と移行部分及び第1リンフォースによってドア開口部に沿って中空閉断面形状が形成されて剛性が確保され、この剛性が確保された移行部分に係合孔が形成されることから、局部的な変形が回避され、係合手段から受ける衝撃荷重は移行部分からサイドシル及びホイールアーチ部に効率的に分散伝達されると共に、第1リンフォースを介してドア受け面に伝達されてリヤクォータパネルの広範囲に分散伝達され、かつ係合孔がサイドシルアウタ部とホイールアーチ部の連続部の近傍に位置することからサイドシル及びホイールアーチ部に効率的に衝撃荷重が伝達されて車体全体に有効的に分散伝達される。この結果、リヤクォータパネルの局部的な変形が回避されてドア本体の車室内侵入が有効的に防止でき、乗員への影響が回避乃至軽減でき安全性が確保できる。更に、第1リンフォースは第1折曲線と略平行に係合孔に沿って第1リンフォースの下面部と外方結合部によって第2折曲線が形成されることから、係合孔によって分断された第1折曲線の剛性低下が有効的に補完できる。
【0020】
請求項に記載の発明は、請求項1の自動車の車体側部構造において、上記移行部分に接面して接合される係合孔補強部と、上記第1リンフォースの少なくとも下面部に接合される結合フランジと、上記係合孔補強部の周縁及び結合フランジに連結されて上記中空閉断面形状内に掛け渡された側壁部とが一体形成された第2リンフォースを備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項の発明によると、係合手段から衝撃荷重が入力される係合孔が形成される移行部分が係合孔補強部によって補剛され、かつ互いに対向する移行部分と下面部が少なくとも中空閉断面形状内に掛け渡された第2リンフォースの側壁部によって連結されて該部の剛性が確実に確保でき、より局部的な変形が回避されて係合孔に作用した衝撃荷重をより効率的に分散伝達することができる。
【0024】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかの自動車の車体側部構造において、上記ドア本体にドア閉動作時に上記ドア受け面に当接するドアストッパを備え、該ドアストッパは、側面視上記第1リンフォースの上記ドア受け面と接合する端部と重合することを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による自動車の車体側部構造の実施の形態を図1乃至図6を参照して説明する。なお、図中矢印Fは車体前方方向、矢印OUTは外側方向、矢印UPは上方方向を示している。
【0027】
図1は、本実施の形態による車体側部構造が適用される自動車の概略側面図であり、車体本体1の側面にはドア開口部2が開口し、ドア開口部2の上側及び下側は各々剛性強度に優れて前後方向に延在するサイドレール3及びサイドシル4によって構成され、前側が上端及び下端が各々サイドレール3及びサイドシル4に結合されて上下に延在するセンタピラー5によって構成されている。
【0028】
ドア開口部2の後側下方隅部は、後輪6のホイールアーチを構成する車体構成部材で剛性強度に優れたリヤクォータパネル21の前部によって構成される一方、ドア開口部2を開閉するサイドドア10は、ドア本体11が前部がセンタピラー5に上下2個のドアヒンジ(図示せず))によって支持され、後端近傍に設けられたドアロック機構(図示せず)によってリヤクォータパネル21に係止されて閉鎖状態に保持される。
【0029】
次に、ドア本体11の後部構造及び、ドア開口部2の後側下方隅部の構造20について、図1のA部拡大を示す図2、図2のI−I線断面を示す図3、図2のII−II線断面を示す図4、図3のIII−III線断面を示す図5及び、要部分解斜視図を示す図6によって説明する。なお、説明の便宜上各図においてドア本体11は二点鎖線によって示し、スポット溶接を×印で示してある。
【0030】
ドア本体11は、ドアアウタパネル12とドアインナパネル13によって中空状に形成され、ドアインナパネル13の後端及び下端はドアアウタパネル11側に屈曲されて連続形成される壁部14及びこの壁部14の外方端から後方に折曲形成された延設部15を有し、延設部15の端部が更に外方に折曲してドアアウタパネル12に接合されている。
【0031】
更に、ドアインナパネル13の壁部14の後側下端近傍は、その内面側は接合されたリンフォース(図示せず)によって補強され、この補強された部分に係合手段となる係合ピン16が下方に傾斜し、かつ後方に向かって突出して設けられている(図3及び図5参照)。係合ピン16は、壁部14に結合される小径の軸部16aと、軸部16aの先端に形成された大径の頭部16bを備えている。
【0032】
また、ドアアウタパネル12とドアインナパネル13によって形成された空間S内には、ドアロック機構、ウインドレギュレータ等の艤装部品(図示せず)と共にサイドドアインパクトビーム17が配設されている。サイドドアインパクトビーム17は、パイプ状の部材をドアアウタパネル12の内面に沿って後端部17aが前端部(図示せず)よりも低く全体として後ろ下がりに傾斜して略前後方向に延在し、前端部がヒンジ近傍でドアインナパネル13の前部に接合され、後端部17aはドア本体11の下部後端近傍まで延在してドアインナパネル13の延設部15にブラケット等を介して結合されている。また、延設部15には、リヤクォータパネル21に当接してサイドドア10の閉鎖時の位置を規制するゴム製のドアストッパ18が設けられている。
【0033】
車体本体1を形成するドア開口部2の後側下方隅部の構造20は、リヤクォータパネル21、第1リンフォース31及び第2リンフォース41を主構成部材として形成されている。
【0034】
リヤクォータパネル21は、サイドシルインナ(図示せず)と協働してドア開口部2の下縁に沿って前後方向に延在する中空状のサイドシル4を形成するサイドシルアウタ部22と、サイドシルアウタ部22の後端からドア開口部2の後縁に沿って上方に延在してホイールアーチの前部を形成するホイールアーチ部23を有し、サイドシルアウタ部22とホイールアーチ部23の連続部に沿ってドア開口部2の後側下方隅部内に突出する突出部24が連続形成されている。
【0035】
突出部24は、サイドシルアウタ部22の後部及びホイールアーチ部23の下部に掛け渡されるように連続形成された略垂直な平面形状のドア受け面25と、ドア受け面25の上縁に沿って延在する第1折曲線aを介して折曲形成されると共にサイドシルアウタ部22の上面に連続するサイドシル上面部26及びホイールアーチ部23の前面に連続するホイールアーチ前面部27とを有し、サイドシル上面部26とホイールアーチ前面部27は滑らかに連続形成され、かつサイドシル上面部26及びホイールアーチ前面部27の車室内側端縁に沿ってフランジ部28が連続して折曲形成されている。
【0036】
サイドドア10のドア閉時において、この突出部24のドア受け面25にドアインナパネル13の延設部15が車幅方向外側に対向して重なるように位置し、かつサイドシル上面部26及びホイールアーチ前面部27と壁部14が対向するように位置する。
【0037】
更に、サイドシル上面部26からホイールアーチ前面部27に徐徐に移行する移行部分29からドア受け面25に連続して係止ピン16の頭部16bが進入すると共にその係止ピン16を受け止める係合孔30が切り欠き形成されている。この係合孔30は、第1折曲線aに沿ってドア受け面25及び移行部分29に連続して形成された略矩形の第1孔部30aと、この第1孔部30aに連接して移行部分29に室内方向に向かって略U字状に切り欠き形成された第2孔部30bによって形成されている(図6参照)。
【0038】
第1孔部30aは、サイドドア10の開閉に際して係合ピン16の頭部16bの通過を許容すべく第1折曲線aの延在方向の幅が係合ピン16の頭部16bの外径よりも若干広く切り欠き形成され、第2孔部30bはサイドドア10の開閉に際して係合ピン16の軸部16aの通過を許容する第1折曲線aの延在方向の幅が軸部16aの外径よりも若干広く、かつ係合ピン16の頭部16bの外径よりも狭くなっている(図3及び図5参照)。
【0039】
第1リンフォース31は、図2及び図6に示すように、リヤクォータパネル21に開口する係合孔30の第1孔部30aの下縁に沿ってドア受け面25に接合される外方結合部32と、外方結合部32の上縁に沿って略第1折曲線aと平行に延在する第2折曲線bを介して移行部29と略対向するように折曲形成された略矩形の下面部33と、第2折曲線bと略平行な下面部33の室内方の端縁に沿って斜め上方に折曲形成された略矩形の傾斜面部34と、第2折曲線bと略平行な傾斜面部34の上縁に沿ってドア受け面25と略対向するように折曲形成された略矩形の内側面部35と、内側面部35の上縁に連続形成されてフランジ部28に接合される上方結合部36とが連続形成された断面略L字状に形成されている。更に、下面部33から傾斜面部34を経て内側面部35の両側縁に沿って補強フランジ37、38が下方に折曲形成され、補強フランジ37及び38の外方端は各々外方結合部32の両端に各々結合されている。
【0040】
第2リンフォース41は、リヤクォータパネル21の移行部分29の下面に接合すると共に第1折曲線a側が直線状の略半円状で、係合孔30の第2孔部30bに倣って第3孔部42bがU字状に切り欠き形成された係合孔補強部42と、係合孔補強部42の円弧状の周縁に沿って下方に折曲形成されてドア受け面25に開口する第2孔部30aと対向する側が開放されると共に係合孔補強部42から離反するに従って次第に拡径された断面U字状乃至円弧状の側壁部43と、側壁部43の端縁に沿って略U字状乃至円弧状に連続して折曲形成されて第1リンフォース31の下面部33に接合する下面接合部44a、傾斜面部34に接合する傾斜面接合部44b、内側面部35に接合する内側面接合部44cからなる結合フランジ44とが一体に形成された断面略ハット状に形成されている。また、ドア受け面25と対向する側に係合ピン16の頭部16bが通過可能な開口部45が形成される。
【0041】
このように形成されたリヤクォータパネル21、第1リンフォース31及び第2リンフォース41の結合は、予め、図6に仮想線で示すように第2リンフォース41の開口部45が第2折曲線b側に位置して、結合フランジ44の下面接合面44a、傾斜面接合部44b、内側面接合部44cの接合面を、各々第1リンフォース31の下面部33、傾斜面部34、内側面部35の上面にアーク溶接等によって接合して第1リンフォース31と第2リンフォース41を結合してユニット化する。
【0042】
このユニット化された第2リンフォース41の係合孔補強部42に略U字状に切り欠き形成された第3孔部42bとリヤクォータパネル21の移行部分29に形成された第2孔部30bを対応させ、かつ開口部45を第1孔部30aと対向させて移行部29の下面に係合孔補強部42を重ねて接面すると共に、第1リンフォース31の外方結合部32を第1孔部30aの下縁に沿ってドア受け面25に重ねる一方、上方結合部36をフランジ部28に重ね合わせてリヤクォータパネル21と第1リンフォース31と第2リンフォース41の相対位置決めを行う。
【0043】
そして、互いに重ね合わされた係合孔補強部42と移行部分29、外方結合部32とドア受け面25、上方結合部36とフランジ部28を互いにスポット溶接してリヤクォータパネル21と第1リンフォース31と第2リンフォース41を一体に結合する。
【0044】
なお、ドア本体11内に配設されるサイドドアインパクトビーム17の後端部17a及びドアインナパネル12に設けられるドアストッパ18は、サイドドア10を閉鎖した状態で、側面視各々第1リンフォース31のドア受け面25と接合する端部、例えば下面部33と補強フランジ37によって形成される折曲部の外方端部c及び下面部33と補強フランジ38によって形成される折曲部の外方端部dに重合するように配置される。
【0045】
このように構成された自動車の車体側部構造によると、ドア本体11に突設された係合ピン16が係合する係合孔30が、リヤクォータパネル21のサイドシルアウタ部22とホイールアーチ部23の連続部分に近接して第1折曲線aの部分にドア受け面25と移行部分29に亘って開口形成され、かつ係合孔30を跨ぐようにドア受け面25とフランジ部28を略断面L字状の第1リンフォース31によって連結してリヤクォータパネル21のドア受け面25、移行部分29及び第1リンフォース31の下面部33、傾斜面部34、内側面部35によってドア開口部2の後側下方隅部に沿って延在する矩形の閉断面形状が形成されて係合孔30の周囲の剛性が向上する。また、第1折曲線aと略平行に第2孔部30bに沿って下面部33と外側結合部32によって第2折曲線bが形成されることから、係合孔30のよって分断された第1折曲線aの剛性が有効的に補完される。
【0046】
更に、第2リンフォース41の係合孔補強部42を移行部分29に重ね合わせて接合されて係合孔30周辺の剛性が確保され、かつ移行部分29と第1リンフォース31の下面部33、傾斜面部34、内側面部35との間に上記ドア受け面25、移行部分29、下面部33、傾斜面部34、内側面部35によって形成された閉断面形状内を区画するように断面略U字状乃至円弧状の側壁部43が掛け渡されてこの閉断面形状の変形を拘束することによってより該部の剛性強度が確保される。
【0047】
従って、ドア本体11に対して車体側方から衝撃力が作用した場合、係合ピン16の軸部16aがリヤクォータパネル21に開口する係合孔30の第2孔部30b及び第2リンフォース41の第3孔部42bの内端に当接することによって、ドア本体11がそれ以上車室内方に移動するのを抑制する。
【0048】
この際、係合孔30の第2孔部30b及び第3孔部42bが係合ピン16から受ける衝撃荷重は、係合孔30が形成される部分が、リヤクォータパネル21のドア受け面25、移行部分29、第1リンフォース31の下面部33、傾斜面部34、内側面部35によって中空断面形状に形成されて剛性強度が確保されることから、第2孔部30bが形成される移行部分29からサイドシル上面部26及びホイールアーチ前面部27を介してサイドシル4及びホイールアーチ部22に分散伝達されると共に、第2リンフォース41から第1リンフォース31を介してフランジ部28及びドア受け面25に伝達されてリヤクォータパネル21の広範囲に分散伝達される。また、係合ピン16からの衝撃荷重を受ける第2孔部30b及び第3孔部42bがサイドシルアウタ部22とホイールアーチ部23の連続部の近傍に位置することからサイドシル4及びホイールアーチ部23に効率的に荷重伝達されて車体全体に有効的に衝撃荷重が分散され、リヤクォータパネル21の局部的な変形が抑制されてドア本体11の車室内侵入を有効的に防止できる。よって、乗員への影響が回避乃至軽減できる安全性が確保できる。
【0049】
更に、ドア本体11の中央部が車室内方に侵入する中折れ変形が生じようとしてドア本体11の後端部が前方へ移動しようとする場合、係合ピン16の大径に形成された頭部16bが第3係合孔42bの周縁に係合してドア本体11の前方移動が規制されてドア本体11の中折れ変形が防止される。
【0050】
また、サイドドアインパクトビーム17に作用した衝撃荷重の一部は前端部からヒンジ等を介してセンタピラー5に分散伝達されて車体全体に分散伝達され、かつ衝撃荷重の一部は、後端部17aから第1リンフォース31の下面部33と補強フランジ37によって形成される折曲部の外方端部c乃至この外方端部cの近傍に荷重伝達され、第1リンフォース31を介してリヤクォータパネル21に分散伝達して確実に受け止めると共に、下面部33及び補強フランジ37の座屈変形によって衝撃エネルギーを吸収して衝撃を緩和する。
【0051】
一方、サイドドア10の閉動作時には、その衝撃荷重がドアインナパネル13の延接部15に設けられたドアストッパ18がドア受け面25を介して第1リンフォース31の下面部33と補強フランジ38によって形成される剛性強度に優れた折曲部の外方端部dによって受け止められ、第1リンフォース31を介して広範囲に分散伝達され、ドア受け面25の局部的な変形が回避されてサイドドア10のオーバーランが確実に防止できると共に、サイドドア10の閉動作時に発生する振動及び騒音が抑制されてサイドドア閉動作の操作感が向上する。
【0052】
また、リアクォータパネル21の裏面側に第1リンフォース31及び第2リンフォース41が格納されて、リヤクォータパネル21から突出する部材がなくサイドドア10の開放時の外観品質が向上すると共に、第1リンフォース31及び第2リンフォース41により各部の板厚等の増加を招くことなく有効的に剛性強度が確保される結果、車体重量の軽減化が期待できると共に、各部を作業性に優れたアーク溶接或いはスポット溶接等によって結合することによって、ボルト及びナット等による結合が不要になり、製造コストの削減が得られる。
【0053】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば上記実施の形態ではサイドドアインパクトビーム17の後端部17a及びドアストッパ18を各々第1リンフォース31の下面部33と補強フランジ37によって形成される折曲部の外方端部c及び下面部33と補強フランジ38によって形成される折曲部の外方端部dに対向させて配置したが、サイドドアインパクトビーム17の後端17aを折曲部の外方端部dに、ドアストッパ18を折曲部の外方端部cに各々対向させて配置することも、またサイドドアインパクトビーム17の後端部17a及びドアストッパ18を共に折曲部の外方端部cまたはdの一方に対向配置することもできる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明した本発明による自動車の車体側部構造によると、ドア本体に対して車体側方から衝撃力が作用した場合、係合手段が係合孔に係合することによってドア本体の車室内方に移動するのを抑制する。この際、リヤクォータパネルのドア受け面と移行部分及び第1リンフォースによって中空閉断面形状に形成されて剛性が確保され、この剛性強度が確保された移行部分に係合孔が形成されることから係合孔の局部的な変形が回避され、衝撃荷重はサイドシル及びホイールアーチ部に分散伝達されてリヤクォータパネルの広範囲に分散伝達され、かつ係合孔がサイドシルアウタ部とホイールアーチ部の連続部の近傍に位置することからサイドシル及びホイールアーチ部に効率的に衝撃荷重が伝達されて車体全体に有効的に分散されてドア本体の車室内侵入を有効的に防止でき、乗員への影響が回避乃至軽減できる安全性が確保できる。
【0055】
また、リアクォータパネルから係合ピン等が突出することなく、サイドドアの開放時の外観品質が向上すると共に、有効的に剛性強度が確保される結果、車体重量の軽減化が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動車の車体側部構造の実施の形態の概要を示す自動車の概略側面図である。
【図2】同じく、図1のA部拡大図である。
【図3】同じく、図2のI−I線断面図である。
【図4】同じく、図2のII−II線断面図である。
【図5】同じく、図3のIII−III線断面図である。
【図6】同じく、要部分解斜視図である。
【図7】従来の車体側部構造の概要を示す自動車の側面図である。
【図8】同じく、図7のIV−IV線断面図である。
【符号の説明】
1 車体本体
2 ドア開口部
3 サイドレール
4 サイドシル
10 サイドドア
11 ドア本体
16 係合ピン(係合手段)
16a 軸部
16b 頭部
17 サイドドアインパクトビーム
17a 後端部
18 ドアストッパ
20 ドア開口部の後側下方隅部の構造
21 クォータパネル
22 サイドシルアウタ部
23 ホイールアーチ部
24 突出部
25 ドア受け面
26 サイドシル上面部
27 ホイールアーチ前面部
28 フランジ部
29 サイドシル上面部からホイールアーチ前面部への移行部分
30 係合孔
30a 第1孔部
30b 第2孔部
31 第1リンフォース
32 外方結合部
33 下面部
34 傾斜面部
35 内側面部
36 上方結合部
37、38 補強フランジ
41 第2リンフォース
42 係合孔補強部
42b 第3孔部
43 側壁部
44 結合フランジ
a 第1折曲線
b 第2折曲線

Claims (2)

  1. 車体本体の側部にドア開口部及び該ドア開口部を開閉するサイドドアを備え、該サイドドアのドア本体後部に係合手段が配設されると共に、上記ドア本体に車体側方から衝撃荷重が作用した際に、上記係合手段と係合して上記ドア本体後部の車室内方及び前方への移動を規制する係合孔が車体本体側に配設された自動車の車体側部構造において、
    上記車体本体は、
    上記ドア開口部の下縁に沿って前後方向に延在するサイドシルアウタ部及び該サイドシルアウタ部の後端から上記ドア開口部の後縁に沿って上方に延在するホイールアーチ部を有すると共に、上記サイドシルアウタ部及びホイールアーチ部から上記ドア開口部の後側下方隅部内に突出するドア受け及び該ドア受け面の上縁に沿って延在する第1折曲線を介して車室内方に折曲形成されて上記サイドシル部の上面に連続するサイドシル上面部及び該サイドシル上面部に連続形成されて上記ホイールアーチ部の前面に連続するホイールアーチ前面部を備えたリヤクォータパネルと、
    上記サイドシル上面部からホイールアーチ前面部へ移行する移行部分と上記ドア受け面に亘って連続して形成された上記係合孔と、
    該係合孔を跨いで上記ドア受け面と上記移行部分に掛け渡されると共に、上記ドア受け面及び移行部分と協働して上記ドア開口部に沿って延在する中空閉断面形状を形成する第1リンフォースと、を備え、
    上記第1リンフォースは、
    上記係合孔の下縁に沿って上記ドア受け面に接合される外方結合部と、
    該外方結合部の上縁に沿って上記第1折曲線と略平行に延在する第2折曲線を介して上記移行部分と略対向して車室内方に折曲形成された下面部と、
    該下面部に連続形成されて上記ドア受け面と対向する内側面部と、
    該内側面部に連続形成されて上記移行部に折曲形成されたフランジ部に接合する上方結合部と、が一体形成された断面略L字状に形成されたことを特徴とする自動車の車体側部構造。
  2. 上記移行部分に接面して接合される係合孔補強部と、
    上記第1リンフォースの少なくとも下面部に接合される結合フランジと、
    上記係合孔補強部の周縁及び結合フランジに連結されて上記中空閉断面形状内に掛け渡された側壁部と、
    が一体形成された第2リンフォースを備えたことを特徴とする請求項に記載の自動車の車体側部構造。
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