JP4203882B2 - 自動車ドアのチャイルドプルーフ機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用車等の車両、特にセンタピラーレス車両のサイドドアに装備されるチャイルドプルーフ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
乗用車等の車両においては、たとえばリヤサイドドアにチャイルドプルーフ機構が装備される。このようなチャイルドプルーフ機構は、特に図3に示したようなリヤスライドサイドドア100では、ドア本体101の前端部(A部)に設けられる。
【0003】
ここで、図4はチャイルドプルーフ機構の構成例を示している。図4において実線で示すように、ドア本体101の内部にはウィンドウガラス102が装着され、ドア本体101の内側にはドアトリム103が添設される。ドア本体101の前端部には、チャイルドプルーフ機構を操作するための操作レバー1が、枢軸2のまわりに回動可能に支持されている。この操作レバー1を図5のように上下に回動させることで、コントロールレバー3がドアのロックON/OFFを切り換えるようになっている。
【0004】
このようなチャイルドプルーフ機構を、スライドドア内に設けた技術が、特許文献1などにより従来知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭56−105079号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ボディにセンタピラーを持たない、所謂センタピラーレス車両にあっては、図4の例で二点鎖線で示すように、ドア本体101の前端部付近にセンタピラー104′が配置される。このセンタピラー104′が追加されることで、ドア本体101の前後長(ガラスフレーム105およびオープニングフランジ端間の長さ)がセンタピラー104′の前後長L1だけ長くなり、上記図4に示した操作レバー1(センタピラーを備えたボディに、取り付けられるドア本体に適用した操作レバー)をそのまま用いることができない、すなわち操作レバー1の長さが不足することになる。
この対策として、操作レバー1を単に長くすると、その回動距離Y(図5参照)が大きくなり、そのままでは操作レバー1の回動動作を許容する開口部、つまり「逃げ穴」が拡大し、それに伴って見栄えの悪化及び操作ストローク増大による操作性悪化が発生する。
【0007】
本発明は以上の点に鑑み、簡素で省スペース化を図りながら、センタピラーレス車両に有効に適用可能な自動車ドアのチャイルドプルーフ機構を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の自動車ドアのチャイルドプルーフ機構は、センタピラーレス車両のサイドドアに装備され、チャイルドプルーフによるドアロックのON/OFF切換用のコントロールレバーを有するチャイルドプルーフ機構であって、ドア本体の前端部付近にセンタピラー相当部材が配置されることで該センタピラー相当部材の前後長だけ長く形成された該ドア本体の前端部において、当該ドア本体の前端部に回動可能に支持された操作レバーと、この操作レバー及び上記コントロールレバーに連結されたリンク機構と、を備え、上記リンク機構が、上記操作レバーと共に回動する第一リンクと、上記コントロールレバーと共に回動する第二リンクと、上記第一リンクと上記第二リンクとの間に介装された第三リンクと、により構成されていて、上記操作レバーの回動に連動して上記コントロールレバーが回動することで、チャイルドプルーフによるドアロックのON/OFF切り換えれることを特徴とする。
【0009】
前記リンク機構は、好ましくは、前記操作レバーの枢軸が前記コントロールレバーの枢軸とほぼ同一高さ位置に設定される。
【0010】
前記リンク機構は、好ましくは、平板部材により構成され、車幅方向にその板厚を持つように配置される。
【0012】
本発明によれば、操作レバーに連結されたリンクを介して、機構作動のON/OFFを切り換える。操作レバーとコントロールレバーとをリンクを介して連結することで、簡素な構成でありながらセンタピラーレス車両に有効に対応することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基き、従来例と実質的に同一または対応する部材には同一符号を用いて、本発明による自動車ドアのチャイルドプルーフ機構の好適な実施の形態を説明する。
【0014】
この実施形態の説明においては、センタピラーレス車両に本発明を適用するものとし、図1は本発明の実施の形態に係るチャイルドプルーフ機構20を適用したセンタピラーレス車両ドアの部分断面を示しており、図2は本発明の実施形態に係るチャイルドプルーフ機構の要部構成例を示している。
【0015】
図1に示すようにドア本体101の前端部付近にセンタピラー相当部材104が配置される。前述のようにセンタピラー相当部材104が追加されることで、ドア本体101の前後長(ガラスフレーム105およびオープニングフランジ端間の長さ)がセンタピラー相当部材104の前後長Lだけ長くなっている。また、これに対応してドアトリム103の端部103aも前方へ延出している。
【0016】
このようなドア本体101の前端部において、図1及び図2に示すように、チャイルドプルーフ機構20を操作するための操作レバー10が、枢軸11のまわりに回動可能に支持されている。
この操作レバー10は、図2に示すように、枢軸11を備えた円形状の基部10aと、この基部10aの周縁から突出した操作部10bと、同様に基部10aの周縁から突出した第一リンク12aと、を備えて構成され、第一リンク12aは操作部10bの枢軸11まわりの回動に連動して共に回動するようになっている。
【0017】
また、ドア本体101の前端部には、図1及び図2に示すように、ドアのロックON/OFFを切り換えるコントロールレバー13が枢軸2のまわりに回動可能に支持されている。
このコントロールレバー13は、図2に示すように、枢軸2を備えた円形状の基部13aと、この基部13aの周縁から突出し、ドアのロックON/OFFを切り換える切換部13bと、同様に基部13aの周縁から突出し、先端に向けて弓なりに曲がった第二リンク12bと、を備えており、切換部13bは第二リンク12bの枢軸2まわりの回動に連動して共に回動するようになっている。
【0018】
さらに、ドア本体101の前端部には、上記操作レバー10とコントロールレバー13とを連結する第三リンク12cが、それらの間に介装されている。
この第三リンク12cは、幅狭の薄板であり、その両端を各第一及び第二リンク12a,12bに回動可能に枢支されて取り付けられる。
これら第一リンク12aと第二リンク12bと第三リンク12cとにより、リンク機構12が構成される。
【0019】
なお、操作レバー10の枢軸11は、図2に示されるように、コントロールレバー13の枢軸2とほぼ同一高さ位置Hに設定される。また、各リンク12a〜12cは平板部材により構成されるが、図1に示されるように車幅方向にその板厚を持つように配置される。
【0020】
上記構成において、操作レバー10を図2のように上下に回動させる(回動角度β)ことで、リンク機構12を介して、チャイルドプルーフ機構の作動のON/OFFが切り換えられる。この操作レバー10の回動角度βは、従来の操作レバー1と実質的にほぼ同一回動角度α程度に設定される。
【0021】
即ち、使用者が、チャイルドプルーフによるドアロックのON/OFFを切り換えるために、操作レバー10の操作部10bを例えば二点鎖線に示す上側に回動させると、その回動に連動して第一リンク12aも回動する。この第一リンク12aのシフト量は、操作レバー10とコントロールレバー13との間に介装された第三リンク12cにより、コントロールレバー13の第二リンク12bに伝えられて、この第二リンク12bも同様に回動する。よって、切換部13bがドアのロックON/OFFを切り換える。
【0022】
このように本発明のチャイルドプルーフ機構20によれば、前述したようにドア本体101の前端部が前方へ長くなっているにもかかわらず、操作レバー10とコントロールレバー13をリンク機構12を介して連結し、更にそのリンク機構12の動作スペースを小さく設定したことで、ドア本体101を左右方向に厚さを増加することなく、チャイルドプルーフ機構を設けることができる。また、構成が極めて簡素であるため、製造も容易である。
【0023】
以上、本発明を実施形態とともに説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。たとえば、リンク機構12は上記実施形態では枢軸2あるいは枢軸11の上側に配置される例を説明したが、スペース等との関係で下側に配置することも可能であり、上記実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、この種のチャイルドプルーフ機構において操作レバーとコントロールレバーとをリンクを介して連結することで、簡素な構成でありながら有効に省スペース化を図り、センタピラーレス車両に有効に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るチャイルドプルーフ機構を適用したセンタピラーレス車両ドアの部分断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るチャイルドプルーフ機構の要部構成例を示す側面図である。
【図3】従来のリヤスライドサイドドアを示す側面図である。
【図4】従来のチャイルドプルーフ機構の要部構成例を示す平面図である。
【図5】従来のチャイルドプルーフ機構に係る操作レバーの動作を示す側面図である。
【符号の説明】
2,11 枢軸
10 操作レバー
10a,13a 基部
10b 操作部
12 リンク機構
12a 第一リンク
12b 第二リンク
12c 第三リンク
13 コントロールレバー
13a コントロールレバーの基部
13b 切換部
20 チャイルドプルーフ機構
100 リヤスライドサイドドア
101 ドア本体
102 ウィンドウガラス
103 ドアトリム
104 センタピラー相当部材

Claims (3)

  1. センタピラーレス車両のサイドドアに装備され、チャイルドプルーフによるドアロックのON/OFF切換用のコントロールレバーを有するチャイルドプルーフ機構であって、
    ドア本体の前端部付近にセンタピラー相当部材が配置されることで該センタピラー相当部材の前後長だけ長く形成された該ドア本体の前端部において、当該ドア本体の前端部に回動可能に支持された操作レバーと、この操作レバー及び上記コントロールレバーに連結されたリンク機構と、を備え、
    上記リンク機構が、上記操作レバーと共に回動する第一リンクと、上記コントロールレバーと共に回動する第二リンクと、上記第一リンクと上記第二リンクとの間に介装された第三リンクと、により構成されていて、
    上記操作レバーの回動に連動して上記コントロールレバーが回動することで、チャイルドプルーフによるドアロックのON/OFF切り換えれることを特徴とする、自動車ドアのチャイルドプルーフ機構。
  2. 記操作レバーの枢軸が前記コントロールレバーの枢軸とほぼ同一高さ位置に設定されることを特徴とする、請求項1に記載の自動車ドアのチャイルドプルーフ機構。
  3. 前記リンク機構は、平板部材により構成され、車幅方向にその板厚を持つように配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動車ドアのチャイルドプルーフ機構。
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