JP4238384B2 - 感光性導電ペーストおよびプラズマディスプレイ用電極の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性導電ペーストおよびプラズマディスプレイ用電極の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、回路材料やディスプレイにおいて、小型化や高密度化、高精細化、高信頼性の要求が高まっており、それに伴いパターン加工技術の向上が望まれている。特に、導体回路パターンの微細化は小型化、高密度化には不可欠な要求として各種の方法が提案されている。
【0003】
プラズマディスプレイパネル(以下、プラズマディスプレイまたはPDPという)は液晶パネルに比べて高速の表示が可能であり、かつ大型化が容易であることから、OA機器および広報表示装置などの分野に浸透している。また、高品位テレビジョンの分野などでの進展が非常に期待されている。
【0004】
このような用途の拡大にともなって、繊細で多数の表示セルを有するカラーPDPが注目されている。PDPは、前面板と背面板の2枚のガラス基板の間に作られた僅かな隙間を放電空間とし、アノードおよびカソード電極間にプラズマ放電を生じさせ、放電空間内に封入されているガスから発生した紫外線を、放電空間内に設けた蛍光体にあてて発光させることにより表示を行うものである。この場合、電極は前面板と背面板にそれぞれストライプ状に配置され、複数本の電極が平行に形成され、前面板の電極と背面板の電極は僅かの間隙を介して対抗し、かつ互いに直交するように形成される。PDPの中で、特に蛍光体によるカラー表示に適した3電極構造の面放電型PDPは、互いに平行に隣接した一対の表示電極からなる複数の電極対と、各電極対と直交する複数のアドレス電極とを有する。また、背面板には光のクロストークを防ぎ、放電空間を確保するための隔壁が、電極間のスペースに形成されている。
【0005】
上記した電極のうち前面板に形成される電極には、表示画面のコントラストを向上させるために黒色化する技術が要求されている。例えば、特開昭61−176035号公報、特開平4−272634号公報では、黒色化した銀ペーストによりガラス基板にスクリーン印刷法でパターン形成する方法が提案されている。該方法では、電極パターンに対応する印刷マスクを用いてガラス基板上に銀ペーストなどの導電ペーストを印刷した後、焼成して電極パターンが完成する。しかしながら、スクリーン印刷法ではマスクパターン精度、スクイーズ硬さ、印刷速度、分散性の最適化を図っても電極パターンの幅を60μm以下に細くすることができず、ファインパターン化には限界があった。また、スクリーン印刷法では、印刷マスクの精度は、マスク製版の精度に依存するので印刷マスクが大きくなるとマスクパターンの寸法誤差が大きくなってしまう。このため30インチ以上の大面積のPDPの場合に、高精細のPDP作製がますます技術的に困難となっている。
【0006】
また、上記銀ペーストの黒色化には、銀に鉄、クロム、ニッケル、ルテニウムなどの金属酸化物を銀と等量以上混合する方法が採られている。このため、電極の抵抗値がかなり上がってしまい、電極の厚膜化や、黒電極と通常の白い電極との2層構造化が必須となってくる。しかしながら電極の厚膜化では、電極の上に印刷する誘電体層の表面平坦性が保証できなくなり、また2層構造では工程が複雑になるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、黒色度の高いプラズマディスプレイまたはプラズマアドレス液晶ディスプレイ用の電極を、簡単に精度よく形成するための、感光性導電ペーストおよびプラズマディスプレイ用電極の製造方法を提供することをその目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、導電性金属微粒子と感光性有機成分とを必須成分とする感光性導電ペーストであって、該ペースト中にRu、Cr、Fe、Co、Mn、Cuの群から選ばれた少なくとも1種の金属微粒子および/またはその酸化物を、導電性金属微粒子に対して5重量%より多く20重量%以下含有し、Ru、Cr、Fe、Co、Mn、Cuの群から選ばれた少なくとも1種の金属微粒子および/またはその酸化物が、導電性金属微粒子表面を被覆しており、かつ該ペーストを基板に塗布し、焼成して厚さ1〜10μmの導体膜を形成したときのXYZ表色系における刺激値Yが3〜30であることを特徴とする感光性導電ペーストによって達成される。
【0009】
また、本発明の目的は、導電性金属微粒子と感光性有機成分とを必須成分とし、Ru、Cr、Fe、Co、Mn、Cuの群から選ばれた少なくとも1種の金属微粒子および/またはその酸化物が、導電性金属微粒子表面を被覆しており、ペースト中にRu、Cr、Fe、Co、Mn、Cuの群から選ばれた少なくとも1種の金属微粒子および/またはその酸化物を、導電性金属微粒子に対して5重量%より多く20重量%以下含有する感光性導電ペーストを基板上に塗布し、フォトリソグラフィでパターン形成後、焼成して形成した厚さ1〜10μmの導体膜のXYZ表色系における刺激値Yを3〜30とすることを特徴とするプラズマディスプレイ用電極の製造方法によって達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明の感光性導電ペーストは、導電性金属微粒子と感光性有機成分とを必須成分とし、さらに特定の金属微粒子およびまたはその酸化物を特定量含むものであり、かつ、該ペーストを基板に塗布、焼成し、厚さ1〜10μmの導体膜を形成したときのXYZ表色系における刺激値Yが3〜30であることが、焼成により十分に黒色化し、表示画面のコントラストを向上させるために必要である。
【0012】
刺激値Yが3より小さい場合は黒色度が高すぎて、放電時の反射が少なくなり、コントラストが低下する。また、刺激値が30を超える場合は灰色を帯びるようになり、非放電時の反射が多くなってコントラスト、色純度が低下する。
【0013】
さらに3刺激値XYZをもとに、色度座標値x、yを求めた場合のx、yがそれぞれ0.3〜0.36であることが、プラズマディスプレイの発光色の色純度を向上させることができる点で好ましい。
【0014】
光源色の3刺激値XYZおよびそれらから求められる色度座標x、y、zは、JIS(日本工業規格)Z 8722の6.2(測定値の付記事項)、JIS Z 8717の8.2(測定値の付記事項の表示)の6.2(測定値の付記事項)、JIS Z 8701(色の表示方法−XYZ表色系及びXYZ表色系)に規定される方法で求めることができる。
【0015】
これらの刺激値や色座標を測定する装置としては、一般的に、カラーコンピュータが用いられるが、本発明で表示する値は、スガ試験器(株)製カラーコンピュータ−SM−7−CH(光学条件45°照明、0°受光)を用いて測定したものである。
【0016】
測定試料は、80mm角、厚さ2.6mmの高歪み点ガラス基板(旭硝子社製、PD−200)上に感光性導電ペーストをスクリーン印刷で10μmに塗布し、590℃で15分焼成して導体膜を作製する。この導体膜試料を用いて、C光(北窓光)2度視野、基準として白色板(標準品として硫酸バリウム、X=91.06、Y=93.01、Z=106.90のものを使用)を用いて測定する。測定は、零点合わせ(測定光に試料押さえ板を置いてチェック)−標準合わせ(測定光に白色板を置いてチェック)を行った後、12mmφの測定光を有する試料台に導体膜試料面を光照射方向に置き、そのガラス基板側に白色板を重ねて測定した。測定は、位置を変えて3点の測定を行い平均値を測定値とした。
【0017】
また本発明の感光性導電ペーストは、導電性金属微粒子と感光性有機成分に加えて、Ru、Cr、Fe、Co、Mn、Cuの群から選ばれた少なくとも1種の金属微粒子および/またはその酸化物を、導電性金属微粒子に対して5重量%より多く20重量%以下含有する必要がある。
【0018】
すなわち、ペースト中にAg、Al、Ni、Au、Pd、Ptなどの導電性金属微粒子(金属群A)と、Ru、Cr、Fe、Co、Mn、Cu(金属群B)の群から選ばれた少なくとも1種の金属微粒子および/またはその酸化物の双方を含むことにより、導電性金属微粒子の黒色化をはかり、黒色化した導体膜の微細パターンを形成するものである。本発明の感光性導電ペースト中には、金属群Bから選ばれた金属微粒子および/またはその酸化物を3種以上を含むことが好ましく、またRuの酸化物を含むことが好ましい。
【0019】
特に、金属群Bの金属微粒子および/またはその酸化物により金属群Aの導電性金属微粒子を被覆させた形でペースト中に含まれることが黒色化の点で好ましい。例えば、金属群Aの導電性金属微粒子表面に金属群Bの金属微粒子および/またはその酸化物を化学メッキしたのち、400〜500℃で30分〜数時間焼成することにより、被覆させることができる。具体的には、所望の金属塩または金属錯体の水溶液に金属群Aの微粒子を分散させておき、この分散液に還元剤を添加して、水溶液に溶解していた金属群Bの金属微粒子および/またはその酸化物を析出させ、その後焼成することにより析出した金属微粒子を酸化し、黒色とする。
【0020】
焼成することによって、金属群Bの金属微粒子および/またはその酸化物の添加量が少ない場合は、金属群Aの微粒子表面に金属酸化物の粒子が不均一、且つ部分的に付着されるのに対し、添加量が適量であると均一に被覆され、薄膜が形成される。この際、用いる金属群Bの金属微粒子としては、平均粒径が0.5〜4.0μmであることが被覆の容易さから好ましい。
【0021】
上記金属塩または金属錯体は、金属群Bの塩または錯体であり、水溶性であれば特に限定しないが、例えばハロゲン化物、シアン化物、硫酸塩、硝酸塩、アンミン錯体、ニトロシル錯体、カルボニル錯体、アクア錯体が好ましい。例えばRuの場合、特に、2RuCl2(OH)・7NH3・3H2O、RuO2(NH3)2(OH)2、Na2RuO4、K2RuO4、Rb2RuO4、Cs2RuO4、(NH4)2RuO4、Mg2RuO4、Ca2RuO4、Sr2RuO4、Ba2RuO4、Ag2RuO4、Ru(NO)Cl2・H2O、Ru(NO)Br2・H2O、Ru(NO)I3が好ましい。
【0022】
金属群Bの金属微粒子および/またはその酸化物の量は、導電性金属微粒子に対して5重量%より多く20重量%以下であることが、黒色度、パターン形成性、抵抗値、および焼結性の点で必要である。6重量%以上20重量%以下が好ましい。5重量%以下であると、白色に近づきY値が30を越えるため、コントラスト向上に効果がない。20重量%より大きいと、焼結性が低下し抵抗値が大きくなる。このため緻密な膜が得られず、接着強度が低下する。また、黒色度が強くなりすぎて、紫外線が下部まで到達しなくなり、パターン形成性が低下する。
【0023】
また導電性金属微粒子の塩素イオン濃度は、10ppm以下が好ましい。より好ましくは5ppm以下である。10ppmを越えるとペースト中に含有する感光性ポリマーと塩素イオンとがイオン架橋反応を起こすようになり、ペーストの粘度が上昇したり、ゲル化する傾向があるので好ましくない。塩素イオン濃度は、導電性金属微粒子をICP分析によって求めた値とする。
【0024】
導電性金属微粒子としては理論抵抗値の小さいものが好ましく、金属群Aとして上記したようにAg、Al、Ni、Au、Pd、Ptなどが用いられるが、コスト面からAg、Al、Niを用いることが好ましい。
【0025】
本発明で用いられる金属群Aの導電性金属微粒子の平均粒径は、作製しようとするパターン形状を考慮して選ばれるが、好ましくは0.5〜4.0μm、より好ましくは、0.8〜3.5μmである。0.5μm未満であると粒子径が細かすぎて凝集し、粒子と粒子との間に微細な空隙が存在するようになり、露光した光が下部の膜まで到達せずに散乱されることがありパターン形成が難しい。また、4.0μmを超えると、粒子が粗くなりすぎて導体膜の平滑性が低下する傾向があり好ましくない。
【0026】
また導電性金属微粒子のタップ密度は3〜6g/cm3であることが好ましい。より好ましくは、3.5〜5g/cm3の範囲である。タップ密度がこの範囲にあると紫外線透過性がよく、導体膜パターン精度が向上する。さらに、ペーストの印刷後の塗布膜でレベリング性の良い緻密な膜が得られる。
【0027】
導電性金属微粒子の形状としては、粒状(粒子状)、多面体状、球状のものがあげられるが、単分散粒子で凝集が無い球状であることが好ましい。この場合、球形率が90個数%以上が好ましい。球形率は、粉末を光学顕微鏡で300倍の倍率にて撮影し、このうち計数可能な粒子を計数した時の球形のものの比率を意味する。球状であると露光時に紫外線の散乱が非常に少なくなり、高精度のパターンが得られ、照射エネルギーが少なくてすむ。
【0028】
導電性金属微粒子の比表面積は、0.3〜2.5m2/gの範囲が好ましい。より好ましくは、比表面積0.35〜2m2/gである。0.3m2/g未満では、粒子が大きくなり過ぎてパターン精度が低下する傾向がある。また2.5m2/gを超えると粒子の表面積が大きくなり過ぎて、露光の際に紫外線が散乱され、ペーストの下部までの光反応が十分に行われなくなり、断面形状不良や現像時に剥がれが生じたりして歩留まりが悪くなることがある。
【0029】
感光性導電ペースト中には、基板との接着性を高めるためにガラスフリットを1〜5重量%含有することが好ましい。より好ましくは、1〜3重量%である。
【0030】
ガラスフリットを添加しなくても導体膜パターンは基板に密着しているが、接着力が弱く振動、衝撃等で剥離しやすくなる。特に、ガラス基板等は、600℃以下で焼成することが必要であるが、この場合、金属微粒子は完全に焼結せず、密着力が不足しがちである。しかしガラスフリットには焼結助剤として効果があり、また、導体膜と基板界面での接着力を高める効果もあるため含有することが好ましい。なおガラスフリットは電気絶縁性であるので、含有量が5重量%を超えると導体膜の抵抗が大きくなり、10μm以下の薄膜導体では導電性金属微粒子とガラスフリットの熱膨張係数の違いによる膜剥がれが起こりやすくなるので好ましくない。また、1重量%未満であると導体膜と基板との強固な接着強度が得られにくく好ましくない。
【0031】
なおガラスフリットの軟化点(Ts)は焼成温度以下であることが必要である。上記したガラスフリット添加の効果を発揮するためには、軟化点(Ts)が焼成温度より0〜100℃低いことが好ましい。ガラス基板上での焼成温度は540〜600℃であり、ガラスフリットの軟化点が450〜550℃であることが好ましい。軟化点が450℃未満では、ポリマーやモノマーなどの感光性有機成分が熱分解する前にガラスの焼結が始まり有機成分の脱バインダーがスムーズにいかず、焼結後に残留炭素となり、導体膜の剥がれの原因となることがあり、また緻密な膜が得られず好ましくない。550℃を超えるガラスフリットでは、600℃以下の温度で焼き付けたときに導体膜とガラス基板とで十分な接着強度や緻密な膜が得られない。
【0032】
また、ガラスフリットのガラス転移点が400〜500℃であることが好ましい。
【0033】
さらにガラスフリットの平均粒径は、0.5〜1.4μm、トップサイズが4.5μm以下であることが好ましい。平均粒子径が0.5μm未満では、ガラスフリットの粒子サイズが小さくなり過ぎて紫外線が未露光部まで散乱されやすく、現像時に残膜が残ることがある。平均粒子径、トップサイズがそれぞれ、1.4μm、4.5μmを越えると、粗大なガラスフリットと導電性金属微粒子との熱膨張係数が異なることにより、特に5μm以下の薄膜では、導体膜の接着強度が低下し膜剥がれが起こりやすくなる。また、粗大ガラスフリットが導体膜中に残留し、接着強度の低下の傾向が見られたり、導体膜ラインの断線をも引き起こすので好ましくない。
【0034】
さらにガラスフリットの50〜400℃での熱膨張係数(α)50〜400が75〜90×10-7/Kであることが好ましい。電極が形成されるガラス基板の熱膨張係数は80〜90×10-7/Kであるので、ガラスフリットの熱膨張係数(α)50〜400がこの範囲外であると、ガラス基板上に焼き付けた導体膜が、冷却時に、基板とガラスフリットとの熱膨張係数の違いにより剥がれやすくなる。
【0035】
ガラスフリットの組成としては、Bi2O3が30〜95重量%の範囲で配合されたものが好ましくあげられる。30重量%未満では、ガラス転移点や軟化点の制御が容易でなく、基板に対する導体膜の接着強度を高める効果が少ない。また95重量%を超えるとガラスフリットの軟化点が低くなり過ぎてペースト中の有機成分が分解する前にガラスフリットが溶融する。このためぺーストの脱バインダー性が悪くなり、導体膜の焼結性が低下し、また基板との接着強度が低下するので好ましくない。
【0036】
さらに、ガラスフリットが酸化物換算表記で、
Bi2O3 30〜85重量%
SiO2 5〜30重量%
B2O3 5〜20重量%
ZrO2 3〜10重量%
Al2O3 1〜 5重量%
の組成範囲から成るものを80重量%以上含有し、かつプラズマの放電特性を劣化させ、銀粉末が反応しガラス基板が黄色化する恐れのあるNa2O、Li2O、K2Oなどのアルカリ金属酸化物を実質的に含まないことが好ましい。本発明で、実質的に含まないとは、含んだ場合でも0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下である。
【0037】
上記条件を満足すると、550〜600℃で導体膜をガラス基板上に強固に焼き付けできるガラスフリットが得られる。特に、上記のガラスフリット組成を満足すると、感光性有機成分のゲル化反応を起こしやすいPbOなどを用いずに好ましいガラスフリットを得ることができ、ゲル化反応によるペースト粘度上昇やパターン形成が出来ない問題を回避でき、安定な感光性導電ペーストを得ることが出来る。
【0038】
上記組成において、SiO2は5〜30重量%の範囲で配合することが好ましい。5重量%未満であると、基板上に焼き付けたときの接着強度やガラスフリットの安定性の点で好ましくない。また30重量%を越えると、耐熱温度が好ましい範囲とならず、600℃以下でガラス基板上に焼き付けることが難しい。
【0039】
B2O3は、5〜20重量%の範囲で配合することが好ましい。B2O3は感光性導電ペーストの電気絶縁性、接着強度、熱膨張係数などの電気、機械および熱的特性を損なうことなく焼き付け温度を550〜600℃の範囲に制御することができる。5重量%未満であると密着強度が低下する傾向があり、また20重量%を超えるとガラスフリットの安定性が劣る傾向がある。
【0040】
ZrO2は、3〜10重量%の範囲で配合することが好ましい。ZrO2はガラスフリットの耐酸性を向上できる。すなわち、上記したガラスフリット組成を用いるとガラスフリットが感光性有機成分と反応し、ペーストがゲル化反応を起こしやすくなるが、ZrO2を添加することでゲル化が抑制される。3重量%未満であるとゲル化抑制効果が少なく、10重量%を超えるとガラスの耐熱温度が適切な範囲に保たれず、ガラス基板上への焼き付けが難しい。
【0041】
Al2O3は1〜5重量%の範囲で配合するのが好ましい。Al2O3の添加がこの範囲にあるとガラスフリットの熱安定性、熱膨張係数、ガラス転移点、熱軟化点を制御できるので好ましい。
【0042】
また、ガラスフリット中にはBaO、TiO2、ZnO、CaOなどを含有することによって熱膨張係数、ガラス転移点、軟化点を制御できるが、その量は10重量%未満であることが好ましい。
【0043】
さらに、ガラスフリット中にCaO、BaO、Fe2O3、MgOなどの金属または酸化物が微量含有されると、感光性導電ペースト中に含有する感光性ポリマーのカルボキシル基と反応してペーストが短時間でゲル化し、固まりとなったり粘度が上昇する場合がある。その結果、ペーストとして印刷できず、また、現像不能になり、パターン解像度が低下したり、形成できなくなる場合が起こる。これはポリマーのイオン架橋反応によるゲル化と推定されるが、このような反応を防止することが好ましい。すなわち、ゲル化反応を引き起こす金属または酸化物粉末との錯体化あるいは酸官能基との塩形成などの効果のある化合物でガラスフリットを表面処理し、感光性導電ペーストを安定化させることが好ましい。そのような安定化剤としては、トリアゾール化合物が好ましく用いられる。トリアゾール化合物の中でも特にベンゾトリアゾールやリン化合物が有効に作用する。
【0044】
ベンゾトリアゾールによるガラスフリットの表面処理は、次のようにして行うと好ましい。すなわち、ガラスフリットに対して所定の量のベンゾトリアゾールを酢酸メチル、酢酸エチル、エチルアルコール、メチルアルコールなどの有機溶媒に溶解した後、ガラスフリットが十分に浸すことができるようにして溶液中に3〜24時間浸漬する。浸漬後、好ましくは20〜30℃で自然乾燥して溶媒を蒸発させてトリアゾール処理を行った後、50〜80℃で5〜12時間、真空乾燥して粉末を作製する。
【0045】
使用される安定化剤の割合(安定化剤/ガラスフリット)は、0.2〜4重量%が好ましく、さらに0.4〜3重量%であることがより好ましい。0.2重量%未満であるとポリマーの架橋反応が起こり、ゲル化反応を生じるので好ましくない。また4重量%を超えると、非酸化性雰囲気中での導電ペーストの焼成時においてもポリマー、モノマー及び安定化剤などの脱バインダーが難しくなるので好ましくない。
【0046】
また感光性導電ペースト中に微量の水分が存在すると、感光性導電ペーストのゲル化を促進する。これを防止するため感光性有機成分(感光性ポリマー、感光性モノマー、光重合開始剤、増感剤、光重合促進剤、可塑剤、増粘剤、有機溶媒、有機分散剤など)に微量含有する水分を完全に除去することが好ましい。水分除去は、固体か液体化の種類によって異なるが、真空乾燥処理、モレキュラシーブ、ロータリエバポレイターなどで除去する。さらに、ガラスフリットについても、150℃〜400℃で5〜15時間乾燥して水分を十分除去して使用するとゲル化が防止できるので好ましい。
【0047】
感光性導電ペーストの好ましい組成としては、次のものがあげられる。
【0048】
(a)金属群Aの導電性金属微粒子を金属群Bの金属微粒子で被覆した導電性粉末、(b)感光性ポリマーと感光性モノマー、(c)ガラスフリット、(d)光重合開始剤とした場合、
(a):(a)、(b)および(c)の和に対して84〜95重量%、より好ましくは86〜93重量%
(b):(a)、(b)および(c)の和に対して20〜8重量%、より好ましくは15〜9重量%
(c):(a)、(b)および(c)の和に対して1〜5重量%、より好ましくは1〜3重量%
(d):(b)対して5〜20重量%である。
【0049】
感光性導電ペーストの組成がこれらの範囲にあると、露光時において紫外線がよく透過し、光硬化の機能が十分に発揮され、現像時における露光部の膜強度が高くなり、微細な解像度を有する導体膜パターンが形成できる。また、焼成後の導体膜の接着強度が高くなるので好ましい。上記組成に、さらに必要に応じて増感剤、紫外線吸収剤、可塑剤、分散剤、安定化剤、チキソトロピー剤、および有機あるいは無機の沈殿防止剤等を添加し、混合物のスラリーとし、感光性導電ペーストを作製することが好ましい。このとき、所定の組成となるように調整されたスラリーはホモジナイザーなどの攪拌機で均質に混合した後、3本ローラーや混練機で均質に分散された後、感光性導電ペーストとすることができる。
【0050】
以下、本発明の感光性導電ペーストに含まれる感光性有機成分について、さらに述べる。
【0051】
プラズマディスプレイやプラズマアドレス液晶ディスプレイの導体膜に用いる場合、感光性導電ペースト中の感光性有機成分の量は40重量%以下にすることが好ましい。40重量%を超えると、焼成収縮率が大きくなり、電極が断線する原因となるので好ましくない。また、導電性金属微粒子間の隙間が大きくなるので抵抗が大きくなるので好ましくない。
【0052】
本発明において感光性有機成分は、感光性モノマー、感光性オリゴマー、感光性ポリマーのうち少なくとも1種類から選ばれる感光性成分を含有するものであり、さらに必要に応じて、バインダー、光重合開始剤、紫外線吸収剤、増感剤、増感助剤、重合禁止剤、可塑剤、増粘剤、有機溶媒、酸化防止剤、分散剤、消泡剤、有機あるいは無機の沈殿防止剤などの添加剤成分を加えたものである。
【0053】
感光性成分としては、光不溶化型のものと光可溶化型のものがあり、光不溶化型のものとして、
(A)分子内に不飽和基などを1つ以上有する官能性のモノマー、オリゴマー、ポリマーを含有するもの
(B)芳香族ジアゾ化合物、芳香族アジド化合物、有機ハロゲン化合物などの感光性化合物を含有するもの
(C)ジアゾ系アミンとホルムアルデヒドとの縮合物などいわゆるジアゾ樹脂といわれるもの等がある。
【0054】
また、光可溶型のものとしては、
(D)ジアゾ化合物の無機塩や有機酸とのコンプレックス、キノンジアゾ類を含有するもの
(E)キノンジアゾ類を適当なポリマーバインダーと結合させた、例えばフェノール、ノボラック樹脂のナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルフォン酸エステル等がある。
【0055】
本発明において、感光性成分に上記のすべてのものを用いることができるが、無機粉末と混合して簡便に感光性ペーストとすることができる感光性成分として(A)のものが好ましくあげられる。
【0056】
感光性モノマーとしては、炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物で、その具体的な例として、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、イソ−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシトリエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、オクタフロロペンチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、トリフロロエチルアクリレート、アリル化シクロヘキシルジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセロールジアクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アクリルアミド、アミノエチルアクリレート、フェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、1−ナフチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物のジアクリレート、チオフェノールアクリレート、ベンジルメルカプタンアクリレート等のアクリレート、また、これらの芳香環の水素原子のうち、1〜5個を塩素または臭素原子に置換したモノマー、もしくは、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、塩素化スチレン、臭素化スチレン、α−メチルスチレン、塩素化α−メチルスチレン、臭素化α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、カルボキシメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルカルバゾール、および、上記化合物の分子内のアクリレートを一部もしくはすべてをメタクリレートに変えたもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドンなどがあげられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。
【0057】
これら以外に、不飽和カルボン酸等の不飽和酸を加えることによって、感光後の現像性を向上することができる。不飽和カルボン酸の具体的な例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、またはこれらの酸無水物などがあげられる。
【0058】
これら感光性モノマーの含有率は、ガラスフリットと感光性成分の和に対して、5〜40重量%が好ましい。この範囲外では、パターンの形成性の悪化、硬化後の硬度不足が発生するため好ましくない。
【0059】
バインダーとして、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、α−メチルスチレン重合体、ブチルメタクリレート樹脂などが使用できる。
【0060】
また、上記した炭素−炭素二重結合を有する化合物のうち少なくとも1種類を重合して得られたオリゴマーやポリマーを用いることができる。重合する際に、これら感光性モノマーの含有率が、10重量%以上、さらに好ましくは35重量%以上になるように、他の感光性モノマーあるいは非感光性モノマーと共重合することができる。
【0061】
共重合するモノマーとしては、不飽和カルボン酸等の不飽和酸を用いることによって、感光後の現像性を向上することができる点で好ましい。不飽和カルボン酸の具体的な例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、またはこれらの酸無水物などがあげられる。
【0062】
こうして得られた側鎖にカルボキシル基等の酸性基を有するポリマーもしくはオリゴマーの酸価(AV)は50〜180、さらには70〜140の範囲が好ましい。酸価が50未満であると、現像許容幅が狭くなる。また、酸価が180を越えると、未露光部の現像液に対する溶解性が低下するようになるため、現像液濃度を濃くすると露光部まで剥がれが発生し、高精細なパターンが得られにくい。
【0063】
本発明においては、特に、感光性有機成分中に上記したような不飽和二重結合を持つ重量平均分子量500〜5万のオリゴマーまたはポリマーを10〜90重量%含有することが好ましい。
【0064】
以上示した、ポリマーもしくはオリゴマーに対して、光反応性基を側鎖または分子末端に付加させることによって、感光性を持つ感光性ポリマーや感光性オリゴマーとして用いることができる。好ましい光反応性基は、エチレン性不飽和基を有するものである。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基などがあげられる。
【0065】
このような側鎖をオリゴマーやポリマーに付加させる方法は、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドを付加反応させる方法がある。
【0066】
グリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエーテルなどがあげられる。
【0067】
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリロイルイソシアネート、(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート等がある。
【0068】
また、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドは、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して0.05〜1モル当量付加させることが好ましい。
【0069】
感光性導電ペースト中の感光性ポリマー、感光性オリゴマーおよびバインダーからなるポリマー成分の量としては、パターン形成性、焼成後の収縮率の点で優れていることから、金属微粒子と感光性成分の和に対して、5〜30重量%であることが好ましい。この範囲外では、パターン形成ができなかったり、形成したパターンの焼結性が悪くなることがあるため好ましくない。
【0070】
光重合開始剤としての具体的な例として、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジル、ベンジルジメチルケタノール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾインおよびエオシン、メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組合せなどがあげられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。
【0071】
光重合開始剤は、感光性成分に対し0.05〜30重量%の範囲で添加することが好ましく、より好ましくは2〜20重量%である。光重合開始剤の量が少なすぎると、光感度が不良となり、光重合開始剤の量が多すぎれば、露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれがある。
【0072】
増感剤は、感度を向上させるために添加される。増感剤の具体例としては、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)−イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニル−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオテトラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオテトラゾールなどがあげられる。
【0073】
本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。なお、増感剤の中には光重合開始剤としても使用できるものがある。増感剤を本発明の感光性導電ペーストに添加する場合、その添加量は感光性成分に対して0.05〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10重量%である。増感剤の量が少なすぎれば光感度を向上させる効果が発揮されず、増感剤の量が多すぎれば露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれがある。
【0074】
感光性導電ペーストの保存時の熱安定性を向上させるため、重合禁止剤を添加するとよい。重合禁止剤の具体的な例としては、ヒドロキノン、ヒドロキノンのモノエステル化物、N−ニトロソジフェニルアミン、フェノチアジン、p−t−ブチルカテコール、N−フェニルナフチルアミン、2,6−ジ−t−ブチル−p−メチルフェノール、クロラニール、ピロガロールなどがあげられる。重合禁止剤を添加する場合、その添加量は、感光性導電ペースト中に、0.001〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3重量%である。重合禁止剤の量が少なすぎれば、保存時の熱的な安定性を向上させる効果が発揮されず、熱重合禁止剤の量が多すぎれば、露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれがある。
【0075】
可塑剤の具体的な例としては、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ポリエチレングリコール、グリセリンなどがあげられる。
【0076】
電極の空孔を減少させるために、ポリエチレングリコール(分子量400〜800)などのアルキレングリコール系の消泡剤を添加するのが効果的である。ペースト中の気泡を減少させ、焼成前の電極パターン中の空孔を減少させることができる。
【0077】
酸化防止剤は、保存時におけるアクリル系共重合体の酸化を防ぐために添加される。酸化防止剤の具体的な例として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−4−エチルフェノール、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)ブタン、ビス[3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、ジラウリルチオジプロピオナート、トリフェニルホスファイトなどがあげられる。酸化防止剤を添加する場合、その添加量は、感光性導電ペースト中に0.01〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜1重量%である。酸化防止剤の量が少なければ保存時のアクリル系共重合物の酸化を防ぐ効果が得られず、酸化防止剤の量が多すぎると露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれがある。
【0078】
本発明の感光性導電ペーストには、溶液の粘度を調整したい場合、有機溶媒を加えてもよい。このとき使用される有機溶媒としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロラクトン、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
【0079】
感光性導電ペーストの粘度は無機粉末、増粘剤、有機溶媒、可塑剤および沈殿防止剤などの添加割合によって適宜調整されるが、その範囲は2000〜20万cps(センチ・ポイズ)である。例えばガラス基板への塗布をスピンコート法で行う場合は、200〜5000cpsが好ましい。スクリーン印刷法で1回塗布して膜厚10〜20μmを得るには、5万〜20万cpsが好ましい。
【0080】
次に、本発明のプラズマディスプレイ用電極の製造方法について説明する。
【0081】
すなわち、Ru、Cr、Fe、Co、Mn、Cuの群から選ばれた少なくとも1種の金属微粒子および/またはその酸化物を導電性金属微粒子に対して5重量%より多く20重量%以下、ガラスフリットを1〜5重量%、導電性金属微粒子を75〜93重量%および有機成分を含む導電ペーストを基板上に塗布してパターンを形成後、焼成し、形成した導体膜のXYZ表色系における刺激値Yを3〜30とすることを特徴とするプラズマディスプレイ用電極の製造方法である。
【0082】
この方法に使用される導電ペーストとしては、上記した感光性導電ペーストに加え、上記した感光性導電ペーストと同様のガラスフリット、導電性金属微粒子とRu、Cr、Fe、Co、Mn、Cuの群から選ばれた少なくとも1種の金属微粒子および/またはその酸化物を、セルロース樹脂やアクリル系(ポリメチルメタアクリレート(PMMA)など)の樹脂等の有機バインダーに分散させたものがあげられ、塗布方法に応じて有機溶媒で粘度を調整し、基板上に塗布することができる。
【0083】
導電ペーストは、従来から行われているいずれかの塗布方法により、基板上に塗布することができ、スクリーン印刷法など公知の方法でパターンを形成した後、乾燥、焼成して電極を製造することができる。より高精細なPDPを製造できる点で、上記した感光性導電ペーストを用い、フォトリソグラフィでパターンを形成するプラズマディスプレイ用電極の製造方法が好ましい。
【0084】
具体的には、導電性金属微粒子と感光性有機成分とを必須成分とする感光性導電ペーストであって、該ペースト中にRu、Cr、Fe、Co、Mn、Cuの群から選ばれた少なくとも1種の金属微粒子および/またはその酸化物を導電性金属微粒子に対して5重量%より多く20重量%以下含有する感光性導電ペーストを基板上に塗布し、フォトリソグラフィでパターン形成後、焼成して形成した導体膜のXYZ表色系における刺激値Yを3〜30とするプラズマディスプレイ用電極の製造方法である。
【0085】
後述したプラズマディスプレイ用電極の製造方法においては、まず、本発明の感光性導電ペーストを基板上に全面塗布、もしくは部分的に塗布する。塗布方法としては、スクリーン印刷、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、ブレードコーター等の方法を用いることができる。基板としては、ガラス基板やセラミックスの基板、もしくはポリマー製フィルムが使用できる。塗布厚みは、塗布回数、スクリーンのメッシュ、ペーストの粘度を選ぶことによって調整できる。
【0086】
ここでペーストを基板上に塗布する場合、基板と塗布膜との密着性を高めるために基板の表面処理を行うことができる。表面処理液としてはシランカップリング剤、例えばビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリス−(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなど、あるいは有機金属例えば有機チタン、有機アルミニウム、有機ジルコニウムなどを使用したものがあげられる。シランカップリング剤あるいは有機金属を有機溶媒、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコールなどで0.1〜5%の濃度に希釈して使用することができる。この表面処理液をスピナーなどで基板上に均一に塗布した後に、80〜140℃で10〜60分間乾燥することによって表面処理ができる
なお、ペーストをフィルム上に塗布した場合、そのままフィルム上で乾燥を行った後、次の露光工程を行う場合と、ガラスやセラミックの基板上に張り付けた後、露光工程を行う方法がある。
【0087】
塗布した後、露光装置を用いて露光を行う。露光は通常のフォトリソグラフィーで行われるように、フォトマスクを用いてマスク露光する方法が一般的である。用いるマスクは、感光性有機成分の種類によって、ネガ型もしくはポジ型のどちらかを選定する。
【0088】
露光装置としては、ステッパー露光機、プロキシミティ露光機等を用いることができる。また、大面積の露光を行う場合は、ガラス基板などの基板上に感光性導電ペーストを塗布した後に、搬送しながら露光を行うことによって、小さな露光面積の露光機で、大きな面積を露光することができる。
【0089】
この際使用される活性光源は、たとえば、可視光線、近紫外線、紫外線、電子線、X線、レーザー光などがあげられるが、これらの中で紫外線が好ましく、その光源としてはたとえば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯などが使用できる。これらのなかでも超高圧水銀灯が好適である。露光条件は塗布厚みによって異なるが、1〜100mW/cm2の出力の超高圧水銀灯を用いて0.5〜30分間露光を行なう。
【0090】
なお、ペースト塗布膜表面に、予め酸素遮蔽膜を設けることによって、パターン形状を向上することができる。酸素遮蔽膜の一例としては、ポリビニルアルコール(PVA)やセルロースなどの膜、あるいは、ポリエステルなどのフィルムがあげられる。
【0091】
PVA膜の形成は、濃度が0.5〜5重量%の水溶液をスピナーなどの方法で基板上に均一に塗布した後に70〜90℃で10〜60分間乾燥することによって水分を蒸発させて行うことができる。また水溶液中にアルコールを少量添加すると絶縁膜との塗れ性が良くなり蒸発が容易になるので好ましい。さらに好ましいPVAの溶液濃度は、1〜3重量%である。この範囲にあると感度が一層向上する。PVA塗布によって感度が向上するのは次の理由が推定される。すなわち感光性成分が光反応する際に、空気中の酸素があると光硬化の感度を妨害すると考えられるが、PVAの膜があると余分な酸素を遮断できるので露光時に感度が向上すると考えられる。
【0092】
酸素遮光膜として、ポリエステルやポリプロピレン、ポリエチレン等の透明なフィルムを用いる場合は、塗布後のペーストの上に、これらのフィルムを張り付けて用いることができる。
【0093】
露光後、感光部分と非感光部分の現像液に対する溶解度差を利用して、現像を行なうが、この場合、浸漬法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法で行なう。
【0094】
用いる現像液は、感光性導電ペースト中の有機成分が溶解可能である有機溶媒を使用できる。また該有機溶媒にその溶解力が失われない範囲で水を添加してもよい。感光性導電ペースト中にカルボキシル基等の酸性基を持つ化合物が存在する場合、アルカリ水溶液で現像できる。アルカリ水溶液として水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム水溶液などのような金属アルカリ水溶液を使用できるが、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去しやすいので好ましい。
【0095】
有機アルカリとしては、アミン化合物を用いることができる。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどがあげられる。アルカリ水溶液の濃度は0.01〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%である。アルカリ濃度が低すぎると可溶部が除去されず、アルカリ濃度が高すぎると、パターン部を剥離させ、また非可溶部を腐食させるおそれがあり好ましくない。また、現像時の現像温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい。
【0096】
次に焼成炉にて焼成を行う。焼成雰囲気や、温度はペーストや基板の種類によって異なるが、空気中、窒素、水素等の雰囲気中で焼成する。焼成炉としては、バッチ式の焼成炉やベルト式の連続型焼成炉を用いることができる。
【0097】
ガラス基板上にパターン加工する場合は、540〜600℃の温度で10〜60分間保持して焼成を行う。
【0098】
また、本発明においては、導体膜の厚みを1〜10μmとすることが好ましい。より好ましくは2〜5μmである。特に、プラズマディスプレイ用導体膜では、銀導体膜上に誘電体ガラス層を形成するが、導体膜厚みが10μmを超えると銀導体膜層と誘電体ガラス層との熱膨張係数の不一致により、誘電体ガラス層に亀裂が発生するようになる。さらに、誘電体ガラス層表面の平滑性が損なわれ、誘電体ガラス層上での隔壁形成不良の原因となる。また、白色の電極上に黒色の導体膜を形成したいわゆる2層構造の電極形成が可能である。その場合は、2層を合わせた電極厚みが10μm以下であることが好ましい。特に黒色の導体膜の厚みは2〜5μmの範囲であることが誘電体層の亀裂発生を回避する上で好ましい。
【0099】
なお、以上の塗布や露光、現像、焼成の各工程中に、乾燥、予備反応の目的で、50〜300℃加熱工程を導入しても良い。
【0100】
【実施例】
以下に、本発明を実施例を用いて、具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定はされない。なお、実施例、比較例中の濃度(%)は特にことわらない限り重量%である。
【0101】
実施例1
黒色化した導電性金属微粒子として、金属微粒子表面にRu換算で10重量%になるように均一にRuO2を被覆したAg粉末を使用した。被覆前のAg粉末の特性は次の通りである。単分散球状、球形率95個数%、平均粒子径1.4μm、比表面積1.1m2/g及びタップ密度4.17g/cm3であった。Ruの被覆は、Ag粉末を分散させた水溶液中にRuCl3を原料としたRuのキレート化合物を添加し、還元剤を加えてキレートを還元することによって行った。このままでは不純物も多く、Ruが水酸化物の状態であるため、十分水洗し乾燥した後、400℃で2時間加熱処理をすることによって均一なRuO2被覆Ag粉末を得た。なお、この時のRuO2被覆Ag粉末の塩素イオン濃度は、0.2ppmであった。
【0102】
次に、RuO2を被覆した導電性粉末88重量部、ガラスフリット3重量部、感光性ポリマー(X4007)8重量部、感光性モノマー(トリメチロールプロパントリアクリレート)5重量部、光重合開始剤(2−メチルー1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1)2重量部、可塑剤(ジブチルフタレート)0.6重量部、チキソ剤(2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテートに溶解したSiO2(濃度15%))4重量部、有機レベリング剤(LC951)2重量部及び溶媒(γ−ブチロラクトン)8重量部を溶解・混合・分散し3本ローラで均質に混練して黒色化した感光性銀ペーストを作製した。ペースト粘度は8000cpsであった。
【0103】
ペーストに用いたガラスフリットの組成と特徴は次の通りである。
【0104】
ガラス成分(酸化物換算表記、%)は、酸化ビスマス(66.9)、酸化珪素(10.0)、酸化ホウ素(11.8)、酸化ジルコニウム(4.8)、酸化亜鉛(2.6)及び酸化アルミニウム(2.8)のものを用いた。
【0105】
ガラス粉末の特性は、ガラス転移点457℃、軟化点538℃、平均粒子径(D50)0.8μm、トップサイズ3.9μm及びα50〜40075×10-7/Kであった。
【0106】
この感光性導電ペーストを25cm×35cm角のソーダガラス基板にスクリーン印刷機で塗布した。塗布は380メッシュのポリエステルスクリーン製印刷版を用い、塗布厚み6μmの塗布膜を作製した。次に、塗布膜を80℃で40分乾燥をした。
【0107】
導体膜パターン(ストライプ状、ピッチ220μm、線幅80μm)を有するネガ型のフォトマスクを介して出力50mW/cm2の超高圧水銀灯で30秒間紫外線露光を行った。
【0108】
現像は、30℃のモノエタノールアミン0.1%水溶液のシャワーで行い、露光されなかった部分を除去した。その後、純水のシャワーで現像液を洗い流し、80℃で20分間乾燥した。焼成は、250℃/時間の速さで昇温し、最高温度580℃、15分間保持で行った。さらに、上記と同じ条件でXYZ表色系の3刺激値測定用及び比抵抗測定用導体膜試料を作製した。
【0109】
このようにして得られた導体膜は、膜厚が5.2μmであり、導体膜ラインの断面が矩形であり、Y値6.5、色度座標値x、yが0.33、0.33で、黒色度は高かった。また、比抵抗値は、5.2×10-2Ω・cmであった。プラズマディスプレイとしてのコントラストは150:1であった。
【0110】
実施例2
被覆前のAg粉末として、実施例1と同様のものを用い、導電性金属微粒子表面にRu換算で15重量%になるように均一にRuO2を被覆したAg粉末を使用した以外は実施例1と同様に導体膜を作製した。このRuO2被覆銀粉末の塩素イオン濃度は0.4ppmであった。
【0111】
ペースト粘度は、4400cpsで、導体膜塗布厚みが6μm、焼成後の厚みが5.2μmであった。パターン形成性は良好で導体膜ラインの断面は矩形であった。Y値は15.3であり、色度座標値x、yが0.32、0.32で黒色度は高かった。比抵抗値は、184μΩ・cmであり実用に耐えうるものであった。
【0112】
プラズマディスプレイとしてのコントラストは120:1であった。
【0113】
実施例3
被覆前のAg粉末として、単分散粒状、平均粒子径2.1μm、比表面積1.2m2/g及びタップ密度4.14g/cm3のものを用い、粉末表面にRu換算で15重量%になるように均一にRuO2を被覆したAg粉末を使用した以外は実施例1と同様に導体膜を作製した。このRuO2を被覆した銀粉末中の塩素イオン濃度は0.3ppmであった。
【0114】
ペースト粘度は、7000cpsで、導体膜塗布厚みが6.6μm、焼成後の厚みが5.4μmであった。パターン形成性は良好で導体膜ラインの断面は矩形であった。Y値は、15.6であり、色度座標値x、yが0.32、0.32で、黒色度は高かった。比抵抗値は、150μΩ・cmであり実用に耐えうるものであった。プラズマディスプレイとしてのコントラストは120:1であった。
【0115】
実施例4
黒色化するための金属酸化物としてMnO2を7重量%をAg粉末表面に均一に被覆した以外は、実施例1と同様にして導体膜を作製した。ペースト粘度は、12000cpsであった。導体膜塗布厚みが5.5μm、焼成後の厚みが4μmであった。パターン形成性は良好で、導体膜ラインの断面は矩形であった。Y値は18.0であり、色度座標値x、yが0.33、0.34で黒色度は高かった。比抵抗値は、18μΩ・cmであり、実用に耐えうるものであった。プラズマディスプレイとしてのコントラストは120:1であった。
【0116】
実施例5
被覆前のAg粉末として、実施例1と同様のものを用い、粉末表面にRu換算で6重量%になるように均一にRuO2を被覆したAg粉末を用意した。このRuO2を被覆したAg粉末中の塩素イオン濃度は0.4ppmであった。さらにガラスフリットとして、次の組成と特性を有するものを用いた。その他は実施例1と同様に導体膜を作製した。
【0117】
ガラス成分(酸化物換算表記、%)は、酸化ビスマス(53.9)、酸化珪素(7.0)、酸化ホウ素(14.3)、酸化亜鉛(9.4)及び酸化バリウム(15.4)のものを用いた。
【0118】
ガラス粉末の特性は、ガラス転移点469℃、軟化点495℃、平均粒子径(D50)0.8μm、トップサイズ3.0μm及びα50〜40085×10-7/Kであった。
【0119】
ペースト粘度は、6000cpsで、導体膜塗布厚みが5.0μm、焼成後の厚みが4.1μmであった。パターン形成性は良好で導体膜ラインの断面は矩形であった。Y値は、10.0であり、色度座標値x、yが0.31、0.33で黒色度は高かった。比抵抗値は、15μΩ・cmであり実用に耐えうるものであった。プラズマディスプレイとしてのコントラストは120:1であった。
【0120】
実施例6
黒色化した導電性金属微粒子として、表面をRuO2を12重量%で被覆したニッケルを使用した。Ni粉末として、単分散で平均粒子径3.5μm、比表面積0.44m2/g、タップ密度4.66g/cm3のものを使用した以外は、実施例1と同様にして導体膜の作製を行った。ペースト粘度は10000cpsで塗布厚みが6μm、焼成後の厚みが3.5μmであった。
【0121】
パターン形成性は良好で、導体膜ラインの断面は矩形であった。Y値は7.0であり、色座標値x、yが0.32、0.34で黒色度は高かった。比抵抗値は、5.5Ω・cmであり、実用できるレベルであった。プラズマディスプレイとしてのコントラストは150:1であった。
【0122】
比較例1
黒色化した導電性金属微粒子として、導電性金属微粒子表面にRuO2を25重量%になるよう均一に被覆した銀粉末を使用した以外は、実施例1と同様にして、導体膜を作製した。このRuO2を被覆したAg粉末中の塩素イオン濃度は2.7ppmであった。導体膜の塗布厚みは、7μmであった。この場合のパターン形成性は不良であった。Y値は2.0となり、黒色度が高くなりすぎた。比抵抗値は120Ω・cmであり、プラズマディスプレイとして評価できなかった。
【0123】
比較例2
黒色化した導電性金属微粒子として、導電性金属微粒子表面にRuO2を4重量%になるよう均一に被覆したAg粉末を使用した以外は、実施例1と同様にして、導体膜の作製を行った。この場合、パターン形成性は良好で、導体膜ラインの断面は矩形であった。Y値は45.0となり灰色であった。また、比抵抗値は、37.8μΩ・cmであった。プラズマディスプレイのコントラストは、50:1で低かった。
【0124】
なお実施例中の略称は次に示すものを意味するものとする。
【0125】
X−4007 :40%のメタアクリル酸(MAA)、30%のメチルメタアクリレート(MMA)および30%のスチレン(St)からなる共重合体のカルボキシル基に対して0.4当量のグリシジルメタアクリレート(GMA)を付加反応させた重量平均分子量43000、酸価95の感光性ポリマー
【0126】
【発明の効果】
本発明の感光性導電ペーストは、導電性金属微粒子と感光性有機成分とを必須成分とする感光性導電ペーストであって、該ペースト中にRu、Cr、Fe、Co、Mn、Cuの群から選ばれた少なくとも1種の金属微粒子および/またはその酸化物を導電性金属微粒子に対して5重量%より多く20重量%以下含有し、かつ該ペーストを基板に塗布し、焼成して厚さ1〜10μmの導体膜を形成したときのXYZ表色系における刺激値Yが3〜30であることを特徴とするものである。本発明の感光性導電ペーストにより黒色度の高いプラズマディスプレイまたはプラズマアドレス液晶ディスプレイ用の電極を、簡単に精度よく形成することができる。電極の厚膜化や、黒電極と通常の白い電極との2層構造化する必要がないため、表示画面のコントラストが高く、カラー表示の色純度の高いプラズマディスプレイパネルの製造が容易に行える。
【0127】
また、本発明のプラズマディスプレイ用電極の製造方法は、Ru、Cr、Fe、Co、Mn、Cuの群から選ばれた少なくとも1種の金属微粒子および/またはその酸化物を導電性金属微粒子に対して5重量%より多く20重量%以下、ガラスフリットを1〜5重量%、導電性金属微粒子を75〜93重量%および有機成分を含む導電ペーストを基板上に塗布してパターンを形成後、焼成し、形成した導体膜のXYZ表色系における刺激値Yを3〜30とすることを特徴とするものである。この方法によれば、黒色度の高い電極を簡単に製造できる。特に上記本発明の感光性導電ペーストを基板上に塗布し、フォトリソグラフィでパターン形成後、焼成してプラズマディスプレイ用電極を製造すると、電極を精度よく製造できる。
Claims (2)
- 導電性金属微粒子と感光性有機成分とを必須成分とする感光性導電ペーストであって、該ペースト中にRu、Cr、Fe、Co、Mn、Cuの群から選ばれた少なくとも1種の金属微粒子および/またはその酸化物を、導電性金属微粒子に対して5重量%より多く20重量%以下含有し、Ru、Cr、Fe、Co、Mn、Cuの群から選ばれた少なくとも1種の金属微粒子および/またはその酸化物が、導電性金属微粒子表面を被覆しており、かつ該ペーストを基板に塗布し、焼成して厚さ1〜10μmの導体膜を形成したときのXYZ表色系における刺激値Yが3〜30であることを特徴とする感光性導電ペースト。
- 導電性金属微粒子と感光性有機成分とを必須成分とし、Ru、Cr、Fe、Co、Mn、Cuの群から選ばれた少なくとも1種の金属微粒子および/またはその酸化物が、導電性金属微粒子表面を被覆しており、ペースト中にRu、Cr、Fe、Co、Mn、Cuの群から選ばれた少なくとも1種の金属微粒子および/またはその酸化物を、導電性金属微粒子に対して5重量%より多く20重量%以下含有する感光性導電ペーストを基板上に塗布し、フォトリソグラフィでパターン形成後、焼成して形成した厚さ1〜10μmの導体膜のXYZ表色系における刺激値Yを3〜30とすることを特徴とするプラズマディスプレイ用電極の製造方法。
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