JP2000048645A - 感光性導電ペーストおよびプラズマディスプレイ用電極の製造方法 - Google Patents
感光性導電ペーストおよびプラズマディスプレイ用電極の製造方法Info
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Abstract
色純度の高いプラズマディスプレイパネルの製造を容易
に行うために、黒色度の高いプラズマディスプレイまた
はプラズマアドレス液晶ディスプレイ用の電極を形成し
うる感光性導電ペーストを提供する。 【解決手段】導電性金属微粒子と感光性有機成分とを必
須成分とする感光性導電ペーストであって、該ペースト
中にRu、Cr、Fe、Co、Mn、Cuの群から選ば
れた少なくとも1種の金属微粒子および/またはその酸
化物を導電性金属微粒子に対して5重量%より多く20
重量%以下含有し、かつ該ペーストを基板に塗布し、焼
成して厚さ1〜10μmの導体膜を形成したときのXY
Z表色系における刺激値Yを3〜30とする。
Description
トおよびプラズマディスプレイ用電極の製造法に関する
ものである。
て、小型化や高密度化、高精細化、高信頼性の要求が高
まっており、それに伴いパターン加工技術の向上が望ま
れている。特に、導体回路パターンの微細化は小型化、
高密度化には不可欠な要求として各種の方法が提案され
ている。
ズマディスプレイまたはPDPという)は液晶パネルに
比べて高速の表示が可能であり、かつ大型化が容易であ
ることから、OA機器および広報表示装置などの分野に
浸透している。また、高品位テレビジョンの分野などで
の進展が非常に期待されている。
で多数の表示セルを有するカラーPDPが注目されてい
る。PDPは、前面板と背面板の2枚のガラス基板の間
に作られた僅かな隙間を放電空間とし、アノードおよび
カソード電極間にプラズマ放電を生じさせ、放電空間内
に封入されているガスから発生した紫外線を、放電空間
内に設けた蛍光体にあてて発光させることにより表示を
行うものである。この場合、電極は前面板と背面板にそ
れぞれストライプ状に配置され、複数本の電極が平行に
形成され、前面板の電極と背面板の電極は僅かの間隙を
介して対抗し、かつ互いに直交するように形成される。
PDPの中で、特に蛍光体によるカラー表示に適した3
電極構造の面放電型PDPは、互いに平行に隣接した一
対の表示電極からなる複数の電極対と、各電極対と直交
する複数のアドレス電極とを有する。また、背面板には
光のクロストークを防ぎ、放電空間を確保するための隔
壁が、電極間のスペースに形成されている。
極には、表示画面のコントラストを向上させるために黒
色化する技術が要求されている。例えば、特開昭61−
176035号公報、特開平4−272634号公報で
は、黒色化した銀ペーストによりガラス基板にスクリー
ン印刷法でパターン形成する方法が提案されている。該
方法では、電極パターンに対応する印刷マスクを用いて
ガラス基板上に銀ペーストなどの導電ペーストを印刷し
た後、焼成して電極パターンが完成する。しかしなが
ら、スクリーン印刷法ではマスクパターン精度、スクイ
ーズ硬さ、印刷速度、分散性の最適化を図っても電極パ
ターンの幅を60μm以下に細くすることができず、フ
ァインパターン化には限界があった。また、スクリーン
印刷法では、印刷マスクの精度は、マスク製版の精度に
依存するので印刷マスクが大きくなるとマスクパターン
の寸法誤差が大きくなってしまう。このため30インチ
以上の大面積のPDPの場合に、高精細のPDP作製が
ますます技術的に困難となっている。
鉄、クロム、ニッケル、ルテニウムなどの金属酸化物を
銀と等量以上混合する方法が採られている。このため、
電極の抵抗値がかなり上がってしまい、電極の厚膜化
や、黒電極と通常の白い電極との2層構造化が必須とな
ってくる。しかしながら電極の厚膜化では、電極の上に
印刷する誘電体層の表面平坦性が保証できなくなり、ま
た2層構造では工程が複雑になるという問題があった。
度の高いプラズマディスプレイまたはプラズマアドレス
液晶ディスプレイ用の電極を、簡単に精度よく形成する
ための、感光性導電ペーストおよびプラズマディスプレ
イ用電極の製造方法を提供することをその目的とするも
のである。
金属微粒子と感光性有機成分とを必須成分とする感光性
導電ペーストであって、該ペースト中にRu、Cr、F
e、Co、Mn、Cuの群から選ばれた少なくとも1種
の金属微粒子および/またはその酸化物を、導電性金属
微粒子に対して5重量%より多く20重量%以下含有
し、かつ該ペーストを基板に塗布し、焼成して厚さ1〜
10μmの導体膜を形成したときのXYZ表色系におけ
る刺激値Yが3〜30であることを特徴とする感光性導
電ペーストによって達成される。
e、Co、Mn、Cuの群から選ばれた少なくとも1種
の金属微粒子および/またはその酸化物を、導電性金属
微粒子に対して5重量%より多く20重量%以下、ガラ
スフリットを1〜5重量%、導電性金属微粒子を75〜
93重量%および有機成分を含む導電ペーストを、基板
上に塗布してパターンを形成後、焼成し、形成した導体
膜のXYZ表色系における刺激値Yを3〜30とするこ
とを特徴とするプラズマディスプレイ用電極の製造方
法、または導電性金属微粒子と感光性有機成分とを必須
成分とする感光性導電ペーストであって、該ペースト中
にRu、Cr、Fe、Co、Mn、Cuの群から選ばれ
た少なくとも1種の金属微粒子および/またはその酸化
物を、導電性金属微粒子に対して5重量%より多く20
重量%以下含有する感光性導電ペーストを基板上に塗布
し、フォトリソグラフィでパターン形成後、焼成して形
成した導体膜のXYZ表色系における刺激値Yを3〜3
0とすることを特徴とするプラズマディスプレイ用電極
の製造方法によって達成される。
属微粒子と感光性有機成分とを必須成分とし、さらに特
定の金属微粒子およびまたはその酸化物を特定量含むも
のであり、かつ、該ペーストを基板に塗布、焼成し、厚
さ1〜10μmの導体膜を形成したときのXYZ表色系
における刺激値Yが3〜30であることが、焼成により
十分に黒色化し、表示画面のコントラストを向上させる
ために必要である。
すぎて、放電時の反射が少なくなり、コントラストが低
下する。また、刺激値が30を超える場合は灰色を帯び
るようになり、非放電時の反射が多くなってコントラス
ト、色純度が低下する。
値x、yを求めた場合のx、yがそれぞれ0.3〜0.
36であることが、プラズマディスプレイの発光色の色
純度を向上させることができる点で好ましい。
求められる色度座標x、y、zは、JIS(日本工業規
格)Z 8722の6.2(測定値の付記事項)、JI
SZ 8717の8.2(測定値の付記事項の表示)の
6.2(測定値の付記事項)、JIS Z 8701
(色の表示方法−XYZ表色系及びXYZ表色系)に規
定される方法で求めることができる。
しては、一般的に、カラーコンピュータが用いられる
が、本発明で表示する値は、スガ試験器(株)製カラー
コンピュータ−SM−7−CH(光学条件45°照明、
0°受光)を用いて測定したものである。
の高歪み点ガラス基板(旭硝子社製、PD−200)上
に感光性導電ペーストをスクリーン印刷で10μmに塗
布し、590℃で15分焼成して導体膜を作製する。こ
の導体膜試料を用いて、C光(北窓光)2度視野、基準
として白色板(標準品として硫酸バリウム、X=91.
06、Y=93.01、Z=106.90のものを使
用)を用いて測定する。測定は、零点合わせ(測定光に
試料押さえ板を置いてチェック)−標準合わせ(測定光
に白色板を置いてチェック)を行った後、12mmφの
測定光を有する試料台に導体膜試料面を光照射方向に置
き、そのガラス基板側に白色板を重ねて測定した。測定
は、位置を変えて3点の測定を行い平均値を測定値とし
た。
性金属微粒子と感光性有機成分に加えて、Ru、Cr、
Fe、Co、Mn、Cuの群から選ばれた少なくとも1
種の金属微粒子および/またはその酸化物を、導電性金
属微粒子に対して5重量%より多く20重量%以下含有
する必要がある。
i、Au、Pd、Ptなどの導電性金属微粒子(金属群
A)と、Ru、Cr、Fe、Co、Mn、Cu(金属群
B)の群から選ばれた少なくとも1種の金属微粒子およ
び/またはその酸化物の双方を含むことにより、導電性
金属微粒子の黒色化をはかり、黒色化した導体膜の微細
パターンを形成するものである。本発明の感光性導電ペ
ースト中には、金属群Bから選ばれた金属微粒子および
/またはその酸化物を3種以上を含むことが好ましく、
またRuの酸化物を含むことが好ましい。
はその酸化物により金属群Aの導電性金属微粒子を被覆
させた形でペースト中に含まれることが黒色化の点で好
ましい。例えば、金属群Aの導電性金属微粒子表面に金
属群Bの金属微粒子および/またはその酸化物を化学メ
ッキしたのち、400〜500℃で30分〜数時間焼成
することにより、被覆させることができる。具体的に
は、所望の金属塩または金属錯体の水溶液に金属群Aの
微粒子を分散させておき、この分散液に還元剤を添加し
て、水溶液に溶解していた金属群Bの金属微粒子および
/またはその酸化物を析出させ、その後焼成することに
より析出した金属微粒子を酸化し、黒色とする。
粒子および/またはその酸化物の添加量が少ない場合
は、金属群Aの微粒子表面に金属酸化物の粒子が不均
一、且つ部分的に付着されるのに対し、添加量が適量で
あると均一に被覆され、薄膜が形成される。この際、用
いる金属群Bの金属微粒子としては、平均粒径が0.5
〜4.0μmであることが被覆の容易さから好ましい。
塩または錯体であり、水溶性であれば特に限定しない
が、例えばハロゲン化物、シアン化物、硫酸塩、硝酸
塩、アンミン錯体、ニトロシル錯体、カルボニル錯体、
アクア錯体が好ましい。例えばRuの場合、特に、2R
uCl2(OH)・7NH3・3H2O、RuO2(N
H3)2(OH)2、Na2RuO4、K2RuO4、Rb2R
uO4、Cs2RuO4、(NH4)2RuO4、Mg2Ru
O4、Ca2RuO4、Sr2RuO4、Ba2RuO4、A
g2RuO4、Ru(NO)Cl2・H2O、Ru(NO)
Br2・H2O、Ru(NO)I3が好ましい。
酸化物の量は、導電性金属微粒子に対して5重量%より
多く20重量%以下であることが、黒色度、パターン形
成性、抵抗値、および焼結性の点で必要である。6重量
%以上20重量%以下が好ましい。5重量%以下である
と、白色に近づきY値が30を越えるため、コントラス
ト向上に効果がない。20重量%より大きいと、焼結性
が低下し抵抗値が大きくなる。このため緻密な膜が得ら
れず、接着強度が低下する。また、黒色度が強くなりす
ぎて、紫外線が下部まで到達しなくなり、パターン形成
性が低下する。
は、10ppm以下が好ましい。より好ましくは5pp
m以下である。10ppmを越えるとペースト中に含有
する感光性ポリマーと塩素イオンとがイオン架橋反応を
起こすようになり、ペーストの粘度が上昇したり、ゲル
化する傾向があるので好ましくない。塩素イオン濃度
は、導電性金属微粒子をICP分析によって求めた値と
する。
さいものが好ましく、金属群Aとして上記したようにA
g、Al、Ni、Au、Pd、Ptなどが用いられる
が、コスト面からAg、Al、Niを用いることが好ま
しい。
微粒子の平均粒径は、作製しようとするパターン形状を
考慮して選ばれるが、好ましくは0.5〜4.0μm、
より好ましくは、0.8〜3.5μmである。0.5μ
m未満であると粒子径が細かすぎて凝集し、粒子と粒子
との間に微細な空隙が存在するようになり、露光した光
が下部の膜まで到達せずに散乱されることがありパター
ン形成が難しい。また、4.0μmを超えると、粒子が
粗くなりすぎて導体膜の平滑性が低下する傾向があり好
ましくない。
6g/cm3であることが好ましい。より好ましくは、
3.5〜5g/cm3の範囲である。タップ密度がこの
範囲にあると紫外線透過性がよく、導体膜パターン精度
が向上する。さらに、ペーストの印刷後の塗布膜でレベ
リング性の良い緻密な膜が得られる。
(粒子状)、多面体状、球状のものがあげられるが、単
分散粒子で凝集が無い球状であることが好ましい。この
場合、球形率が90個数%以上が好ましい。球形率は、
粉末を光学顕微鏡で300倍の倍率にて撮影し、このう
ち計数可能な粒子を計数した時の球形のものの比率を意
味する。球状であると露光時に紫外線の散乱が非常に少
なくなり、高精度のパターンが得られ、照射エネルギー
が少なくてすむ。
2.5m2/gの範囲が好ましい。より好ましくは、比
表面積0.35〜2m2/gである。0.3m2/g未満
では、粒子が大きくなり過ぎてパターン精度が低下する
傾向がある。また2.5m2/gを超えると粒子の表面
積が大きくなり過ぎて、露光の際に紫外線が散乱され、
ペーストの下部までの光反応が十分に行われなくなり、
断面形状不良や現像時に剥がれが生じたりして歩留まり
が悪くなることがある。
性を高めるためにガラスフリットを1〜5重量%含有す
ることが好ましい。より好ましくは、1〜3重量%であ
る。
ターンは基板に密着しているが、接着力が弱く振動、衝
撃等で剥離しやすくなる。特に、ガラス基板等は、60
0℃以下で焼成することが必要であるが、この場合、金
属微粒子は完全に焼結せず、密着力が不足しがちであ
る。しかしガラスフリットには焼結助剤として効果があ
り、また、導体膜と基板界面での接着力を高める効果も
あるため含有することが好ましい。なおガラスフリット
は電気絶縁性であるので、含有量が5重量%を超えると
導体膜の抵抗が大きくなり、10μm以下の薄膜導体で
は導電性金属微粒子とガラスフリットの熱膨張係数の違
いによる膜剥がれが起こりやすくなるので好ましくな
い。また、1重量%未満であると導体膜と基板との強固
な接着強度が得られにくく好ましくない。
成温度以下であることが必要である。上記したガラスフ
リット添加の効果を発揮するためには、軟化点(Ts)
が焼成温度より0〜100℃低いことが好ましい。ガラ
ス基板上での焼成温度は540〜600℃であり、ガラ
スフリットの軟化点が450〜550℃であることが好
ましい。軟化点が450℃未満では、ポリマーやモノマ
ーなどの感光性有機成分が熱分解する前にガラスの焼結
が始まり有機成分の脱バインダーがスムーズにいかず、
焼結後に残留炭素となり、導体膜の剥がれの原因となる
ことがあり、また緻密な膜が得られず好ましくない。5
50℃を超えるガラスフリットでは、600℃以下の温
度で焼き付けたときに導体膜とガラス基板とで十分な接
着強度や緻密な膜が得られない。
00〜500℃であることが好ましい。
5〜1.4μm、トップサイズが4.5μm以下である
ことが好ましい。平均粒子径が0.5μm未満では、ガ
ラスフリットの粒子サイズが小さくなり過ぎて紫外線が
未露光部まで散乱されやすく、現像時に残膜が残ること
がある。平均粒子径、トップサイズがそれぞれ、1.4
μm、4.5μmを越えると、粗大なガラスフリットと
導電性金属微粒子との熱膨張係数が異なることにより、
特に5μm以下の薄膜では、導体膜の接着強度が低下し
膜剥がれが起こりやすくなる。また、粗大ガラスフリッ
トが導体膜中に残留し、接着強度の低下の傾向が見られ
たり、導体膜ラインの断線をも引き起こすので好ましく
ない。
の熱膨張係数(α)50〜400が75〜90×10-7/K
であることが好ましい。電極が形成されるガラス基板の
熱膨張係数は80〜90×10-7/Kであるので、ガラ
スフリットの熱膨張係数(α)50〜400がこの範囲外で
あると、ガラス基板上に焼き付けた導体膜が、冷却時
に、基板とガラスフリットとの熱膨張係数の違いにより
剥がれやすくなる。
が30〜95重量%の範囲で配合されたものが好ましく
あげられる。30重量%未満では、ガラス転移点や軟化
点の制御が容易でなく、基板に対する導体膜の接着強度
を高める効果が少ない。また95重量%を超えるとガラ
スフリットの軟化点が低くなり過ぎてペースト中の有機
成分が分解する前にガラスフリットが溶融する。このた
めぺーストの脱バインダー性が悪くなり、導体膜の焼結
性が低下し、また基板との接着強度が低下するので好ま
しくない。
で、 Bi2O3 30〜85重量% SiO2 5〜30重量% B2O3 5〜20重量% ZrO2 3〜10重量% Al2O3 1〜 5重量% の組成範囲から成るものを80重量%以上含有し、かつ
プラズマの放電特性を劣化させ、銀粉末が反応しガラス
基板が黄色化する恐れのあるNa2O、Li2O、K2O
などのアルカリ金属酸化物を実質的に含まないことが好
ましい。本発明で、実質的に含まないとは、含んだ場合
でも0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下で
ある。
で導体膜をガラス基板上に強固に焼き付けできるガラス
フリットが得られる。特に、上記のガラスフリット組成
を満足すると、感光性有機成分のゲル化反応を起こしや
すいPbOなどを用いずに好ましいガラスフリットを得
ることができ、ゲル化反応によるペースト粘度上昇やパ
ターン形成が出来ない問題を回避でき、安定な感光性導
電ペーストを得ることが出来る。
量%の範囲で配合することが好ましい。5重量%未満で
あると、基板上に焼き付けたときの接着強度やガラスフ
リットの安定性の点で好ましくない。また30重量%を
越えると、耐熱温度が好ましい範囲とならず、600℃
以下でガラス基板上に焼き付けることが難しい。
ることが好ましい。B2O3は感光性導電ペーストの電気
絶縁性、接着強度、熱膨張係数などの電気、機械および
熱的特性を損なうことなく焼き付け温度を550〜60
0℃の範囲に制御することができる。5重量%未満であ
ると密着強度が低下する傾向があり、また20重量%を
超えるとガラスフリットの安定性が劣る傾向がある。
することが好ましい。ZrO2はガラスフリットの耐酸
性を向上できる。すなわち、上記したガラスフリット組
成を用いるとガラスフリットが感光性有機成分と反応
し、ペーストがゲル化反応を起こしやすくなるが、Zr
O2を添加することでゲル化が抑制される。3重量%未
満であるとゲル化抑制効果が少なく、10重量%を超え
るとガラスの耐熱温度が適切な範囲に保たれず、ガラス
基板上への焼き付けが難しい。
のが好ましい。Al2O3の添加がこの範囲にあるとガラ
スフリットの熱安定性、熱膨張係数、ガラス転移点、熱
軟化点を制御できるので好ましい。
O2、ZnO、CaOなどを含有することによって熱膨
張係数、ガラス転移点、軟化点を制御できるが、その量
は10重量%未満であることが好ましい。
O、Fe2O3、MgOなどの金属または酸化物が微量含
有されると、感光性導電ペースト中に含有する感光性ポ
リマーのカルボキシル基と反応してペーストが短時間で
ゲル化し、固まりとなったり粘度が上昇する場合があ
る。その結果、ペーストとして印刷できず、また、現像
不能になり、パターン解像度が低下したり、形成できな
くなる場合が起こる。これはポリマーのイオン架橋反応
によるゲル化と推定されるが、このような反応を防止す
ることが好ましい。すなわち、ゲル化反応を引き起こす
金属または酸化物粉末との錯体化あるいは酸官能基との
塩形成などの効果のある化合物でガラスフリットを表面
処理し、感光性導電ペーストを安定化させることが好ま
しい。そのような安定化剤としては、トリアゾール化合
物が好ましく用いられる。トリアゾール化合物の中でも
特にベンゾトリアゾールやリン化合物が有効に作用す
る。
の表面処理は、次のようにして行うと好ましい。すなわ
ち、ガラスフリットに対して所定の量のベンゾトリアゾ
ールを酢酸メチル、酢酸エチル、エチルアルコール、メ
チルアルコールなどの有機溶媒に溶解した後、ガラスフ
リットが十分に浸すことができるようにして溶液中に3
〜24時間浸漬する。浸漬後、好ましくは20〜30℃
で自然乾燥して溶媒を蒸発させてトリアゾール処理を行
った後、50〜80℃で5〜12時間、真空乾燥して粉
末を作製する。
ラスフリット)は、0.2〜4重量%が好ましく、さら
に0.4〜3重量%であることがより好ましい。0.2
重量%未満であるとポリマーの架橋反応が起こり、ゲル
化反応を生じるので好ましくない。また4重量%を超え
ると、非酸化性雰囲気中での導電ペーストの焼成時にお
いてもポリマー、モノマー及び安定化剤などの脱バイン
ダーが難しくなるので好ましくない。
存在すると、感光性導電ペーストのゲル化を促進する。
これを防止するため感光性有機成分(感光性ポリマー、
感光性モノマー、光重合開始剤、増感剤、光重合促進
剤、可塑剤、増粘剤、有機溶媒、有機分散剤など)に微
量含有する水分を完全に除去することが好ましい。水分
除去は、固体か液体化の種類によって異なるが、真空乾
燥処理、モレキュラシーブ、ロータリエバポレイターな
どで除去する。さらに、ガラスフリットについても、1
50℃〜400℃で5〜15時間乾燥して水分を十分除
去して使用するとゲル化が防止できるので好ましい。
は、次のものがあげられる。
群Bの金属微粒子で被覆した導電性粉末、(b)感光性
ポリマーと感光性モノマー、(c)ガラスフリット、
(d)光重合開始剤とした場合、 (a):(a)、(b)および(c)の和に対して84
〜95重量%、より好ましくは86〜93重量% (b):(a)、(b)および(c)の和に対して20
〜8重量%、より好ましくは15〜9重量% (c):(a)、(b)および(c)の和に対して1〜
5重量%、より好ましくは1〜3重量% (d):(b)対して5〜20重量%である。
にあると、露光時において紫外線がよく透過し、光硬化
の機能が十分に発揮され、現像時における露光部の膜強
度が高くなり、微細な解像度を有する導体膜パターンが
形成できる。また、焼成後の導体膜の接着強度が高くな
るので好ましい。上記組成に、さらに必要に応じて増感
剤、紫外線吸収剤、可塑剤、分散剤、安定化剤、チキソ
トロピー剤、および有機あるいは無機の沈殿防止剤等を
添加し、混合物のスラリーとし、感光性導電ペーストを
作製することが好ましい。このとき、所定の組成となる
ように調整されたスラリーはホモジナイザーなどの攪拌
機で均質に混合した後、3本ローラーや混練機で均質に
分散された後、感光性導電ペーストとすることができ
る。
れる感光性有機成分について、さらに述べる。
液晶ディスプレイの導体膜に用いる場合、感光性導電ペ
ースト中の感光性有機成分の量は40重量%以下にする
ことが好ましい。40重量%を超えると、焼成収縮率が
大きくなり、電極が断線する原因となるので好ましくな
い。また、導電性金属微粒子間の隙間が大きくなるので
抵抗が大きくなるので好ましくない。
モノマー、感光性オリゴマー、感光性ポリマーのうち少
なくとも1種類から選ばれる感光性成分を含有するもの
であり、さらに必要に応じて、バインダー、光重合開始
剤、紫外線吸収剤、増感剤、増感助剤、重合禁止剤、可
塑剤、増粘剤、有機溶媒、酸化防止剤、分散剤、消泡
剤、有機あるいは無機の沈殿防止剤などの添加剤成分を
加えたものである。
光可溶化型のものがあり、光不溶化型のものとして、 (A)分子内に不飽和基などを1つ以上有する官能性の
モノマー、オリゴマー、ポリマーを含有するもの (B)芳香族ジアゾ化合物、芳香族アジド化合物、有機
ハロゲン化合物などの感光性化合物を含有するもの (C)ジアゾ系アミンとホルムアルデヒドとの縮合物な
どいわゆるジアゾ樹脂といわれるもの等がある。
ス、キノンジアゾ類を含有するもの (E)キノンジアゾ類を適当なポリマーバインダーと結
合させた、例えばフェノール、ノボラック樹脂のナフト
キノン−1,2−ジアジド−5−スルフォン酸エステル
等がある。
てのものを用いることができるが、無機粉末と混合して
簡便に感光性ペーストとすることができる感光性成分と
して(A)のものが好ましくあげられる。
和結合を含有する化合物で、その具体的な例として、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピル
アクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチル
アクリレート、sec−ブチルアクリレート、イソ−ブ
チルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n
−ペンチルアクリレート、アリルアクリレート、ベンジ
ルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキ
シトリエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジ
シクロペンテニルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルア
クリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソデシ
ルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリル
アクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メト
キシエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチ
レングリコールアクリレート、オクタフロロペンチルア
クリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリ
ルアクリレート、トリフロロエチルアクリレート、アリ
ル化シクロヘキシルジアクリレート、1,4−ブタンジ
オールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
アクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジ
エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリ
コールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアク
リレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレー
ト、グリセロールジアクリレート、メトキシ化シクロヘ
キシルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、プロピレングリコールジアクリレート、ポリ
プロピレングリコールジアクリレート、トリグリセロー
ルジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリ
レート、アクリルアミド、アミノエチルアクリレート、
フェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレー
ト、ベンジルアクリレート、1−ナフチルアクリレー
ト、2−ナフチルアクリレート、ビスフェノールAジア
クリレート、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付
加物のジアクリレート、ビスフェノールA−プロピレン
オキサイド付加物のジアクリレート、チオフェノールア
クリレート、ベンジルメルカプタンアクリレート等のア
クリレート、また、これらの芳香環の水素原子のうち、
1〜5個を塩素または臭素原子に置換したモノマー、も
しくは、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルス
チレン、m−メチルスチレン、塩素化スチレン、臭素化
スチレン、α−メチルスチレン、塩素化α−メチルスチ
レン、臭素化α−メチルスチレン、クロロメチルスチレ
ン、ヒドロキシメチルスチレン、カルボキシメチルスチ
レン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニル
カルバゾール、および、上記化合物の分子内のアクリレ
ートを一部もしくはすべてをメタクリレートに変えたも
の、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
1−ビニル−2−ピロリドンなどがあげられる。本発明
ではこれらを1種または2種以上使用することができ
る。
和酸を加えることによって、感光後の現像性を向上する
ことができる。不飽和カルボン酸の具体的な例として
は、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロト
ン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、またはこれ
らの酸無水物などがあげられる。
フリットと感光性成分の和に対して、5〜40重量%が
好ましい。この範囲外では、パターンの形成性の悪化、
硬化後の硬度不足が発生するため好ましくない。
ル、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合
体、アクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル−
メタクリル酸エステル共重合体、α−メチルスチレン重
合体、ブチルメタクリレート樹脂などが使用できる。
る化合物のうち少なくとも1種類を重合して得られたオ
リゴマーやポリマーを用いることができる。重合する際
に、これら感光性モノマーの含有率が、10重量%以
上、さらに好ましくは35重量%以上になるように、他
の感光性モノマーあるいは非感光性モノマーと共重合す
ることができる。
ボン酸等の不飽和酸を用いることによって、感光後の現
像性を向上することができる点で好ましい。不飽和カル
ボン酸の具体的な例としては、アクリル酸、メタアクリ
ル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル
酸、ビニル酢酸、またはこれらの酸無水物などがあげら
れる。
の酸性基を有するポリマーもしくはオリゴマーの酸価
(AV)は50〜180、さらには70〜140の範囲
が好ましい。酸価が50未満であると、現像許容幅が狭
くなる。また、酸価が180を越えると、未露光部の現
像液に対する溶解性が低下するようになるため、現像液
濃度を濃くすると露光部まで剥がれが発生し、高精細な
パターンが得られにくい。
中に上記したような不飽和二重結合を持つ重量平均分子
量500〜5万のオリゴマーまたはポリマーを10〜9
0重量%含有することが好ましい。
に対して、光反応性基を側鎖または分子末端に付加させ
ることによって、感光性を持つ感光性ポリマーや感光性
オリゴマーとして用いることができる。好ましい光反応
性基は、エチレン性不飽和基を有するものである。エチ
レン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリ
ル基、メタクリル基などがあげられる。
付加させる方法は、ポリマー中のメルカプト基、アミノ
基、水酸基やカルボキシル基に対して、グリシジル基や
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やア
クリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはア
リルクロライドを付加反応させる方法がある。
合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グ
リシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル
酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロト
ン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエ
ーテルなどがあげられる。
和化合物としては、(メタ)アクリロイルイソシアネー
ト、(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート等があ
る。
有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライ
ド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライド
は、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカ
ルボキシル基に対して0.05〜1モル当量付加させる
ことが好ましい。
感光性オリゴマーおよびバインダーからなるポリマー成
分の量としては、パターン形成性、焼成後の収縮率の点
で優れていることから、金属微粒子と感光性成分の和に
対して、5〜30重量%であることが好ましい。この範
囲外では、パターン形成ができなかったり、形成したパ
ターンの焼結性が悪くなることがあるため好ましくな
い。
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,
4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−
ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジク
ロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフ
ェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,
2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−
2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒド
ロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチル
ジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチル
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソ
プロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベ
ンジル、ベンジルジメチルケタノール、ベンジルメトキ
シエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエ
ーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、
2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキ
ノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズ
アントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、
4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p
−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビ
ス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキ
サノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o
−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロ
パンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシ
ム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o
−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−
エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)
オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−[4−(メチ
ルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノ
ン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホ
ニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4
−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィ
ド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホス
フィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモ
フェニルスルホン、過酸化ベンゾインおよびエオシン、
メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビン
酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組合せなどが
あげられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使
用することができる。
5〜30重量%の範囲で添加することが好ましく、より
好ましくは2〜20重量%である。光重合開始剤の量が
少なすぎると、光感度が不良となり、光重合開始剤の量
が多すぎれば、露光部の残存率が小さくなりすぎるおそ
れがある。
れる。増感剤の具体例としては、2,4−ジエチルチオ
キサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビ
ス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、
2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘ
キサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザ
ル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、
4,4−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、
4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビ
ス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシ
ンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリ
デンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビ
ニレン)−イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−
ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニ
ル−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、
3,3−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリ
ン)、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N
−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノール
アミン、N−フェニルエタノールアミン、ジメチルアミ
ノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソア
ミル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオテトラゾー
ル、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオテトラ
ゾールなどがあげられる。
用することができる。なお、増感剤の中には光重合開始
剤としても使用できるものがある。増感剤を本発明の感
光性導電ペーストに添加する場合、その添加量は感光性
成分に対して0.05〜10重量%が好ましく、より好
ましくは0.1〜10重量%である。増感剤の量が少な
すぎれば光感度を向上させる効果が発揮されず、増感剤
の量が多すぎれば露光部の残存率が小さくなりすぎるお
それがある。
向上させるため、重合禁止剤を添加するとよい。重合禁
止剤の具体的な例としては、ヒドロキノン、ヒドロキノ
ンのモノエステル化物、N−ニトロソジフェニルアミ
ン、フェノチアジン、p−t−ブチルカテコール、N−
フェニルナフチルアミン、2,6−ジ−t−ブチル−p
−メチルフェノール、クロラニール、ピロガロールなど
があげられる。重合禁止剤を添加する場合、その添加量
は、感光性導電ペースト中に、0.001〜5重量%が
好ましく、より好ましくは0.1〜3重量%である。重
合禁止剤の量が少なすぎれば、保存時の熱的な安定性を
向上させる効果が発揮されず、熱重合禁止剤の量が多す
ぎれば、露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれがあ
る。
タレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DO
P)、ポリエチレングリコール、グリセリンなどがあげ
られる。
レングリコール(分子量400〜800)などのアルキ
レングリコール系の消泡剤を添加するのが効果的であ
る。ペースト中の気泡を減少させ、焼成前の電極パター
ン中の空孔を減少させることができる。
共重合体の酸化を防ぐために添加される。酸化防止剤の
具体的な例として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ
ール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t
−4−エチルフェノール、2,2−メチレン−ビス−
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−
メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノ
ール)、4,4−ビス−(3−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2
−メチル−4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)ブタ
ン、ビス[3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−3−t−
ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエス
テル、ジラウリルチオジプロピオナート、トリフェニル
ホスファイトなどがあげられる。酸化防止剤を添加する
場合、その添加量は、感光性導電ペースト中に0.01
〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜1重
量%である。酸化防止剤の量が少なければ保存時のアク
リル系共重合物の酸化を防ぐ効果が得られず、酸化防止
剤の量が多すぎると露光部の残存率が小さくなりすぎる
おそれがある。
粘度を調整したい場合、有機溶媒を加えてもよい。この
とき使用される有機溶媒としては、メチルセロソルブ、
エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエチルケ
トン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シク
ロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルア
ルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシ
ド、γ−ブチロラクトン、ブロモベンゼン、クロロベン
ゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安
息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上
を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
粘剤、有機溶媒、可塑剤および沈殿防止剤などの添加割
合によって適宜調整されるが、その範囲は2000〜2
0万cps(センチ・ポイズ)である。例えばガラス基
板への塗布をスピンコート法で行う場合は、200〜5
000cpsが好ましい。スクリーン印刷法で1回塗布
して膜厚10〜20μmを得るには、5万〜20万cp
sが好ましい。
極の製造方法について説明する。
n、Cuの群から選ばれた少なくとも1種の金属微粒子
および/またはその酸化物を導電性金属微粒子に対して
5重量%より多く20重量%以下、ガラスフリットを1
〜5重量%、導電性金属微粒子を75〜93重量%およ
び有機成分を含む導電ペーストを基板上に塗布してパタ
ーンを形成後、焼成し、形成した導体膜のXYZ表色系
における刺激値Yを3〜30とすることを特徴とするプ
ラズマディスプレイ用電極の製造方法である。
は、上記した感光性導電ペーストに加え、上記した感光
性導電ペーストと同様のガラスフリット、導電性金属微
粒子とRu、Cr、Fe、Co、Mn、Cuの群から選
ばれた少なくとも1種の金属微粒子および/またはその
酸化物を、セルロース樹脂やアクリル系(ポリメチルメ
タアクリレート(PMMA)など)の樹脂等の有機バイ
ンダーに分散させたものがあげられ、塗布方法に応じて
有機溶媒で粘度を調整し、基板上に塗布することができ
る。
ずれかの塗布方法により、基板上に塗布することがで
き、スクリーン印刷法など公知の方法でパターンを形成
した後、乾燥、焼成して電極を製造することができる。
より高精細なPDPを製造できる点で、上記した感光性
導電ペーストを用い、フォトリソグラフィでパターンを
形成するプラズマディスプレイ用電極の製造方法が好ま
しい。
機成分とを必須成分とする感光性導電ペーストであっ
て、該ペースト中にRu、Cr、Fe、Co、Mn、C
uの群から選ばれた少なくとも1種の金属微粒子および
/またはその酸化物を導電性金属微粒子に対して5重量
%より多く20重量%以下含有する感光性導電ペースト
を基板上に塗布し、フォトリソグラフィでパターン形成
後、焼成して形成した導体膜のXYZ表色系における刺
激値Yを3〜30とするプラズマディスプレイ用電極の
製造方法である。
造方法においては、まず、本発明の感光性導電ペースト
を基板上に全面塗布、もしくは部分的に塗布する。塗布
方法としては、スクリーン印刷、バーコーター、ロール
コーター、ダイコーター、ブレードコーター等の方法を
用いることができる。基板としては、ガラス基板やセラ
ミックスの基板、もしくはポリマー製フィルムが使用で
きる。塗布厚みは、塗布回数、スクリーンのメッシュ、
ペーストの粘度を選ぶことによって調整できる。
基板と塗布膜との密着性を高めるために基板の表面処理
を行うことができる。表面処理液としてはシランカップ
リング剤、例えばビニルトリクロロシラン、ビニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリス−
(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキ
シプロピル)トリメトキシシラン、γ(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ランなど、あるいは有機金属例えば有機チタン、有機ア
ルミニウム、有機ジルコニウムなどを使用したものがあ
げられる。シランカップリング剤あるいは有機金属を有
機溶媒、例えばエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルア
ルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブ
チルアルコールなどで0.1〜5%の濃度に希釈して使
用することができる。この表面処理液をスピナーなどで
基板上に均一に塗布した後に、80〜140℃で10〜
60分間乾燥することによって表面処理ができるなお、
ペーストをフィルム上に塗布した場合、そのままフィル
ム上で乾燥を行った後、次の露光工程を行う場合と、ガ
ラスやセラミックの基板上に張り付けた後、露光工程を
行う方法がある。
う。露光は通常のフォトリソグラフィーで行われるよう
に、フォトマスクを用いてマスク露光する方法が一般的
である。用いるマスクは、感光性有機成分の種類によっ
て、ネガ型もしくはポジ型のどちらかを選定する。
ロキシミティ露光機等を用いることができる。また、大
面積の露光を行う場合は、ガラス基板などの基板上に感
光性導電ペーストを塗布した後に、搬送しながら露光を
行うことによって、小さな露光面積の露光機で、大きな
面積を露光することができる。
可視光線、近紫外線、紫外線、電子線、X線、レーザー
光などがあげられるが、これらの中で紫外線が好まし
く、その光源としてはたとえば低圧水銀灯、高圧水銀
灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯などが使用
できる。これらのなかでも超高圧水銀灯が好適である。
露光条件は塗布厚みによって異なるが、1〜100mW
/cm2の出力の超高圧水銀灯を用いて0.5〜30分
間露光を行なう。
蔽膜を設けることによって、パターン形状を向上するこ
とができる。酸素遮蔽膜の一例としては、ポリビニルア
ルコール(PVA)やセルロースなどの膜、あるいは、
ポリエステルなどのフィルムがあげられる。
%の水溶液をスピナーなどの方法で基板上に均一に塗布
した後に70〜90℃で10〜60分間乾燥することに
よって水分を蒸発させて行うことができる。また水溶液
中にアルコールを少量添加すると絶縁膜との塗れ性が良
くなり蒸発が容易になるので好ましい。さらに好ましい
PVAの溶液濃度は、1〜3重量%である。この範囲に
あると感度が一層向上する。PVA塗布によって感度が
向上するのは次の理由が推定される。すなわち感光性成
分が光反応する際に、空気中の酸素があると光硬化の感
度を妨害すると考えられるが、PVAの膜があると余分
な酸素を遮断できるので露光時に感度が向上すると考え
られる。
ロピレン、ポリエチレン等の透明なフィルムを用いる場
合は、塗布後のペーストの上に、これらのフィルムを張
り付けて用いることができる。
対する溶解度差を利用して、現像を行なうが、この場
合、浸漬法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法で行な
う。
有機成分が溶解可能である有機溶媒を使用できる。また
該有機溶媒にその溶解力が失われない範囲で水を添加し
てもよい。感光性導電ペースト中にカルボキシル基等の
酸性基を持つ化合物が存在する場合、アルカリ水溶液で
現像できる。アルカリ水溶液として水酸化ナトリウムや
炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム水溶液などのような
金属アルカリ水溶液を使用できるが、有機アルカリ水溶
液を用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去しやすいの
で好ましい。
いることができる。具体的には、テトラメチルアンモニ
ウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウム
ヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノール
アミンなどがあげられる。アルカリ水溶液の濃度は0.
01〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜
5重量%である。アルカリ濃度が低すぎると可溶部が除
去されず、アルカリ濃度が高すぎると、パターン部を剥
離させ、また非可溶部を腐食させるおそれがあり好まし
くない。また、現像時の現像温度は、20〜50℃で行
うことが工程管理上好ましい。
や、温度はペーストや基板の種類によって異なるが、空
気中、窒素、水素等の雰囲気中で焼成する。焼成炉とし
ては、バッチ式の焼成炉やベルト式の連続型焼成炉を用
いることができる。
540〜600℃の温度で10〜60分間保持して焼成
を行う。
1〜10μmとすることが好ましい。より好ましくは2
〜5μmである。特に、プラズマディスプレイ用導体膜
では、銀導体膜上に誘電体ガラス層を形成するが、導体
膜厚みが10μmを超えると銀導体膜層と誘電体ガラス
層との熱膨張係数の不一致により、誘電体ガラス層に亀
裂が発生するようになる。さらに、誘電体ガラス層表面
の平滑性が損なわれ、誘電体ガラス層上での隔壁形成不
良の原因となる。また、白色の電極上に黒色の導体膜を
形成したいわゆる2層構造の電極形成が可能である。そ
の場合は、2層を合わせた電極厚みが10μm以下であ
ることが好ましい。特に黒色の導体膜の厚みは2〜5μ
mの範囲であることが誘電体層の亀裂発生を回避する上
で好ましい。
工程中に、乾燥、予備反応の目的で、50〜300℃加
熱工程を導入しても良い。
説明する。ただし、本発明はこれに限定はされない。な
お、実施例、比較例中の濃度(%)は特にことわらない
限り重量%である。
Ru換算で10重量%になるように均一にRuO2を被
覆したAg粉末を使用した。被覆前のAg粉末の特性は
次の通りである。単分散球状、球形率95個数%、平均
粒子径1.4μm、比表面積1.1m2/g及びタップ
密度4.17g/cm3であった。Ruの被覆は、Ag
粉末を分散させた水溶液中にRuCl3を原料としたR
uのキレート化合物を添加し、還元剤を加えてキレート
を還元することによって行った。このままでは不純物も
多く、Ruが水酸化物の状態であるため、十分水洗し乾
燥した後、400℃で2時間加熱処理をすることによっ
て均一なRuO2被覆Ag粉末を得た。なお、この時の
RuO2被覆Ag粉末の塩素イオン濃度は、0.2pp
mであった。
重量部、ガラスフリット3重量部、感光性ポリマー(X
4007)8重量部、感光性モノマー(トリメチロール
プロパントリアクリレート)5重量部、光重合開始剤
(2−メチルー1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2
−モルフォリノ−プロパン−1)2重量部、可塑剤(ジ
ブチルフタレート)0.6重量部、チキソ剤(2−(2
−ブトキシエトキシ)エチルアセテートに溶解したSi
O2(濃度15%))4重量部、有機レベリング剤(L
C951)2重量部及び溶媒(γ−ブチロラクトン)8
重量部を溶解・混合・分散し3本ローラで均質に混練し
て黒色化した感光性銀ペーストを作製した。ペースト粘
度は8000cpsであった。
特徴は次の通りである。
化ビスマス(66.9)、酸化珪素(10.0)、酸化
ホウ素(11.8)、酸化ジルコニウム(4.8)、酸
化亜鉛(2.6)及び酸化アルミニウム(2.8)のも
のを用いた。
℃、軟化点538℃、平均粒子径(D50)0.8μm、
トップサイズ3.9μm及びα50〜40075×10-7/
Kであった。
cm角のソーダガラス基板にスクリーン印刷機で塗布し
た。塗布は380メッシュのポリエステルスクリーン製
印刷版を用い、塗布厚み6μmの塗布膜を作製した。次
に、塗布膜を80℃で40分乾燥をした。
20μm、線幅80μm)を有するネガ型のフォトマス
クを介して出力50mW/cm2の超高圧水銀灯で30
秒間紫外線露光を行った。
0.1%水溶液のシャワーで行い、露光されなかった部
分を除去した。その後、純水のシャワーで現像液を洗い
流し、80℃で20分間乾燥した。焼成は、250℃/
時間の速さで昇温し、最高温度580℃、15分間保持
で行った。さらに、上記と同じ条件でXYZ表色系の3
刺激値測定用及び比抵抗測定用導体膜試料を作製した。
5.2μmであり、導体膜ラインの断面が矩形であり、
Y値6.5、色度座標値x、yが0.33、0.33
で、黒色度は高かった。また、比抵抗値は、5.2×1
0-2Ω・cmであった。プラズマディスプレイとしてのコ
ントラストは150:1であった。
い、導電性金属微粒子表面にRu換算で15重量%にな
るように均一にRuO2を被覆したAg粉末を使用した
以外は実施例1と同様に導体膜を作製した。このRuO
2被覆銀粉末の塩素イオン濃度は0.4ppmであっ
た。
膜塗布厚みが6μm、焼成後の厚みが5.2μmであっ
た。パターン形成性は良好で導体膜ラインの断面は矩形
であった。Y値は15.3であり、色度座標値x、yが
0.32、0.32で黒色度は高かった。比抵抗値は、
184μΩ・cmであり実用に耐えうるものであった。
トは120:1であった。
1μm、比表面積1.2m2/g及びタップ密度4.1
4g/cm3のものを用い、粉末表面にRu換算で15
重量%になるように均一にRuO2を被覆したAg粉末
を使用した以外は実施例1と同様に導体膜を作製した。
このRuO2を被覆した銀粉末中の塩素イオン濃度は
0.3ppmであった。
膜塗布厚みが6.6μm、焼成後の厚みが5.4μmで
あった。パターン形成性は良好で導体膜ラインの断面は
矩形であった。Y値は、15.6であり、色度座標値
x、yが0.32、0.32で、黒色度は高かった。比
抵抗値は、150μΩ・cmであり実用に耐えうるもの
であった。プラズマディスプレイとしてのコントラスト
は120:1であった。
をAg粉末表面に均一に被覆した以外は、実施例1と同
様にして導体膜を作製した。ペースト粘度は、1200
0cpsであった。導体膜塗布厚みが5.5μm、焼成
後の厚みが4μmであった。パターン形成性は良好で、
導体膜ラインの断面は矩形であった。Y値は18.0で
あり、色度座標値x、yが0.33、0.34で黒色度
は高かった。比抵抗値は、18μΩ・cmであり、実用
に耐えうるものであった。プラズマディスプレイとして
のコントラストは120:1であった。
い、粉末表面にRu換算で6重量%になるように均一に
RuO2を被覆したAg粉末を用意した。このRuO2を
被覆したAg粉末中の塩素イオン濃度は0.4ppmで
あった。さらにガラスフリットとして、次の組成と特性
を有するものを用いた。その他は実施例1と同様に導体
膜を作製した。
化ビスマス(53.9)、酸化珪素(7.0)、酸化ホ
ウ素(14.3)、酸化亜鉛(9.4)及び酸化バリウ
ム(15.4)のものを用いた。
℃、軟化点495℃、平均粒子径(D50)0.8μm、
トップサイズ3.0μm及びα50〜40085×10-7/
Kであった。
膜塗布厚みが5.0μm、焼成後の厚みが4.1μmで
あった。パターン形成性は良好で導体膜ラインの断面は
矩形であった。Y値は、10.0であり、色度座標値
x、yが0.31、0.33で黒色度は高かった。比抵
抗値は、15μΩ・cmであり実用に耐えうるものであ
った。プラズマディスプレイとしてのコントラストは1
20:1であった。
12重量%で被覆したニッケルを使用した。Ni粉末と
して、単分散で平均粒子径3.5μm、比表面積0.4
4m2/g、タップ密度4.66g/cm3のものを使用
した以外は、実施例1と同様にして導体膜の作製を行っ
た。ペースト粘度は10000cpsで塗布厚みが6μ
m、焼成後の厚みが3.5μmであった。
断面は矩形であった。Y値は7.0であり、色座標値
x、yが0.32、0.34で黒色度は高かった。比抵
抗値は、5.5Ω・cmであり、実用できるレベルであ
った。プラズマディスプレイとしてのコントラストは1
50:1であった。
表面にRuO2を25重量%になるよう均一に被覆した
銀粉末を使用した以外は、実施例1と同様にして、導体
膜を作製した。このRuO2を被覆したAg粉末中の塩
素イオン濃度は2.7ppmであった。導体膜の塗布厚
みは、7μmであった。この場合のパターン形成性は不
良であった。Y値は2.0となり、黒色度が高くなりす
ぎた。比抵抗値は120Ω・cmであり、プラズマディ
スプレイとして評価できなかった。
表面にRuO2を4重量%になるよう均一に被覆したA
g粉末を使用した以外は、実施例1と同様にして、導体
膜の作製を行った。この場合、パターン形成性は良好
で、導体膜ラインの断面は矩形であった。Y値は45.
0となり灰色であった。また、比抵抗値は、37.8μ
Ω・cmであった。プラズマディスプレイのコントラス
トは、50:1で低かった。
するものとする。
(MAA)、30%のメチルメタアクリレート(MM
A)および30%のスチレン(St)からなる共重合体
のカルボキシル基に対して0.4当量のグリシジルメタ
アクリレート(GMA)を付加反応させた重量平均分子
量43000、酸価95の感光性ポリマー
金属微粒子と感光性有機成分とを必須成分とする感光性
導電ペーストであって、該ペースト中にRu、Cr、F
e、Co、Mn、Cuの群から選ばれた少なくとも1種
の金属微粒子および/またはその酸化物を導電性金属微
粒子に対して5重量%より多く20重量%以下含有し、
かつ該ペーストを基板に塗布し、焼成して厚さ1〜10
μmの導体膜を形成したときのXYZ表色系における刺
激値Yが3〜30であることを特徴とするものである。
本発明の感光性導電ペーストにより黒色度の高いプラズ
マディスプレイまたはプラズマアドレス液晶ディスプレ
イ用の電極を、簡単に精度よく形成することができる。
電極の厚膜化や、黒電極と通常の白い電極との2層構造
化する必要がないため、表示画面のコントラストが高
く、カラー表示の色純度の高いプラズマディスプレイパ
ネルの製造が容易に行える。
極の製造方法は、Ru、Cr、Fe、Co、Mn、Cu
の群から選ばれた少なくとも1種の金属微粒子および/
またはその酸化物を導電性金属微粒子に対して5重量%
より多く20重量%以下、ガラスフリットを1〜5重量
%、導電性金属微粒子を75〜93重量%および有機成
分を含む導電ペーストを基板上に塗布してパターンを形
成後、焼成し、形成した導体膜のXYZ表色系における
刺激値Yを3〜30とすることを特徴とするものであ
る。この方法によれば、黒色度の高い電極を簡単に製造
できる。特に上記本発明の感光性導電ペーストを基板上
に塗布し、フォトリソグラフィでパターン形成後、焼成
してプラズマディスプレイ用電極を製造すると、電極を
精度よく製造できる。
Claims (14)
- 【請求項1】導電性金属微粒子と感光性有機成分とを必
須成分とする感光性導電ペーストであって、該ペースト
中にRu、Cr、Fe、Co、Mn、Cuの群から選ば
れた少なくとも1種の金属微粒子および/またはその酸
化物を、導電性金属微粒子に対して5重量%より多く2
0重量%以下含有し、かつ該ペーストを基板に塗布し、
焼成して厚さ1〜10μmの導体膜を形成したときのX
YZ表色系における刺激値Yが3〜30であることを特
徴とする感光性導電ペースト。 - 【請求項2】導電性金属微粒子の塩素イオン濃度が10
ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の感
光性導電ペースト。 - 【請求項3】Ru、Cr、Fe、Co、Mn、Cuの群
から選ばれた少なくとも1種の金属微粒子および/また
はその酸化物が、導電性金属微粒子表面を被覆している
ことを特徴とする請求項1または2に記載の感光性導電
ペースト。 - 【請求項4】導電性金属微粒子が、Ag、Au、Pd、
Pt、Ni、Alの群から選ばれた少なくとも1種の金
属を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか1
項に記載の感光性導電ペースト。 - 【請求項5】導電性金属微粒子の平均粒径が0.5〜4
μmであり、かつタップ密度が3〜6g/cm3である
ことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の感
光性導電ペースト。 - 【請求項6】導電性金属微粒子の形状が球状であり、球
形率が90個数%以上、比表面積が0.3〜2.5m2
/gであることを特徴とする請求項5に記載の感光性導
電ペースト。 - 【請求項7】ガラスフリットを1〜5重量%含有するこ
とを特徴とする請求項1に記載の感光性導電ペースト。 - 【請求項8】ガラスフリットのガラス転移点が400〜
500℃、軟化点が450〜550℃であることを特徴
とする請求項7に記載の感光性導電ペースト。 - 【請求項9】ガラスフリットの平均粒径が0.5〜1.
4μmで、かつトップサイズが4.5μm以下であるこ
とを特徴とする請求項7または8に記載の感光性導電ペ
ースト。 - 【請求項10】感光性有機成分中に、不飽和二重結合を
持つ重量平均分子量500〜5万のオリゴマーまたはポ
リマーを10〜90重量%含有することを特徴とする請
求項1に記載の感光性導電ペースト。 - 【請求項11】Ru、Cr、Fe、Co、Mn、Cuの
群から選ばれた少なくとも1種の金属微粒子および/ま
たはその酸化物を、導電性金属微粒子に対して6重量%
以上20重量%以下含有することを特徴とする請求項1
〜10いずれか1項に記載の感光性導電ペースト。 - 【請求項12】プラズマディスプレイに用いられること
を特徴とする請求項1〜11いずれか1項に記載の感光
性導電ペースト。 - 【請求項13】Ru、Cr、Fe、Co、Mn、Cuの
群から選ばれた少なくとも1種の金属微粒子および/ま
たはその酸化物を、導電性金属微粒子に対して5重量%
より多く20重量%以下、ガラスフリットを1〜5重量
%、導電性金属微粒子を75〜93重量%および有機成
分を含む導電ペーストを、基板上に塗布してパターンを
形成後、焼成し、形成した導体膜のXYZ表色系におけ
る刺激値Yを3〜30とすることを特徴とするプラズマ
ディスプレイ用電極の製造方法。 - 【請求項14】導電性金属微粒子と感光性有機成分とを
必須成分とする感光性導電ペーストであって、該ペース
ト中にRu、Cr、Fe、Co、Mn、Cuの群から選
ばれた少なくとも1種の金属微粒子および/またはその
酸化物を、導電性金属微粒子に対して5重量%より多く
20重量%以下含有する感光性導電ペーストを基板上に
塗布し、フォトリソグラフィでパターン形成後、焼成し
て形成した導体膜のXYZ表色系における刺激値Yを3
〜30とすることを特徴とするプラズマディスプレイ用
電極の製造方法。
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