JP4228107B2 - 防汚塗料組成物、該組成物の製造方法、該組成物を用いて形成される防汚塗膜、該塗膜を表面に有する塗装物、及び該塗膜を形成する防汚処理方法 - Google Patents

防汚塗料組成物、該組成物の製造方法、該組成物を用いて形成される防汚塗膜、該塗膜を表面に有する塗装物、及び該塗膜を形成する防汚処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、防汚塗料組成物、該組成物の製造方法、該組成物を用いて形成される防汚塗膜、該塗膜を表面に有する塗装物、及び該塗膜を形成する防汚処理方法に関する。
フジツボ、セルプラ、ムラサキイガイ、フサコケムシ、ホヤ、アオノリ、アオサ、スライム等の水棲汚損生物が、船舶(特に船底部分)や漁網類、漁網付属具等の漁業具や発電所導水管等の水中構造物に付着することにより、それら船舶等の機能が害される、外観が損なわれる等の問題がある。
従来、有機錫含有共重合体を含む防汚塗料を船舶、漁業具及び水中構造物の表面に塗布することにより、水棲汚損生物の付着の防止を図っている。例えば、トリブチル錫基を有する重合体を含む防汚塗料を塗布して形成された塗膜は、該重合体成分が海水中に除々に溶出し、塗膜表面が常に更新されることにより、塗膜に対する水棲汚損生物の付着防止を図ることができる。また、溶解後、塗膜を上塗りすることにより、継続的に防汚性能を発揮することができる。しかし、前記防汚塗料の使用は、海洋汚染の問題から中止されている。
近年、有機錫含有共重合体に替わる加水分解性共重合体として、有機スズ基に比べて毒性が低く環境への負荷が少ないトリオルガノシリル基を有するトリオルガノシリルエステル含有共重合体が開発され使用されている(特許文献1〜15)。しかし、トリオルガノシリルエステル含有共重合体を含む塗膜は、初期からある一定の期間は海水中で一定の速度で溶解するものの、長期間経過すると、塗膜の溶解速度が徐々に大きくなり塗料設計が困難になる点で問題がある。そのため、トリオルガノシリルエステル含有共重合体は、ロジン、ロジン誘導体又はそれらの金属塩と併用して用いられる(特許文献5〜13)。ロジン、ロジン誘導体又はそれらの金属塩と併用して用いると長期間安定した塗膜溶解が得られ塗膜設計が容易になる効果が得られる。
ロジン及びロジン誘導体を用いる場合、塗料製造中や塗料の保存中に、ロジン又はロジン誘導体の遊離のカルボン酸の一部と防汚塗料組成物中に含まれる金属化合物とが反応して金属塩と共に、水が生成する。そのため、防汚塗料を長期貯蔵する場合、トリオルガノシリルエステル含有共重合体が、生成した水によって徐々に加水分解され、組成物中に含まれる金属と塩を形成し、前記共重合体同士が金属を介して架橋し該塗料の粘度が上昇する。塗装を容易にするために該塗料をシンナーで希釈して使用しても、このような塗料によって形成された塗膜は、塗膜物性や防汚効果が低いという問題がある。そこで、ロジン及びロジン誘導体に加え、無機脱水剤を使用するという提案がなされている(特許文献2、8〜11及び14)。しかし、無機脱水剤を使用する場合、ロジンの含有量が少ないと、ある程度脱水することができるものの、塗料設計が困難になるという上記問題を避けられない。ロジン量が多いと、十分に脱水することが出来ず塗料の粘度上昇を止めることができない。
また、ロジン、ロジン誘導体又はそれらの金属塩は、それらの種類(例えば金属の種類等)によって、海水への溶解度が異なる。しかも、防汚塗料の製造条件、貯蔵条件等により、前記ロジン等の存在割合や金属塩の種類が変化する。これらの理由から、加水分解速度が抑制された安定した溶解性を示す塗膜を設計することは困難である。
特に、船底塗料を製造する際、亜酸化銅、酸化亜鉛、弁柄等の顔料を多く使用する。そのため、接着性、耐クラック性等の塗膜物性を改良するために、通常、可塑剤を使用する。また、ロジン、ロジン誘導体またはそれらの金属塩を多量に使用する場合、可塑剤を使用しないと塗膜が脆くなり、クラックやハガレが生じやすくなる。
従来から使用されている可塑剤としては、燐酸エステル類(トリクレジルフォスフェートなど)、フタル酸エステル類(ジオクチルフタレートなど)、アジピン酸エステル(ジオクチルアジペートなど)、ポリブテン、エポキシ化油脂類(エポキシ化大豆油など)、アルキルビニルエーテル重合体(ルトナールA25:BASF社商品名、エチルビニルエーテル重合体、など)、塩素化パラフィン等が挙げられる。
しかしながら、トリクレジルフォスフェート、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート等の可塑剤を使用した場合、塗膜形成初期における塗膜物性は多少改善されるものの、海水中で長期間塗膜物性及び溶解性を維持することは困難である。すなわち、前記可塑剤が塗膜から徐々に溶出することにより、塗膜が脆弱になり、クラックやハガレが生じてしまい、防汚効果を発揮できなくなるおそれがある。
しかも、塗膜にクラックやハガレが生じた場合、防汚塗料を直接上塗りすることが困難になる(リコート性が悪い)。そのため、継続的に防汚性能を維持するためには、塗膜を完全に除去した後あらためて塗膜を形成する等の煩雑でかつコストのかかる作業が必要となる。
また、ポリブテン、ルトナールA25等の可塑剤を使用した場合は、耐水性が低下し長期使用においてブリスター、ハガレ等が生じ易くなる等の問題がある。
更に、塩素化パラフィンを可塑剤として使用することが提案されているが(特許文献3〜4)、有機塩素系化合物である塩素化パラフィンは、毒性が高いため環境安全性の面で問題がある。
また、(メタ)アクリル酸エステル重合体を添加した、トリオルガノシリルエステル含有共重合体を含む防汚塗料が提案されている(特許文献1〜4及び15)。しかしながら、これらの特許文献では、(メタ)アクリル酸エステル重合体をコバインダーとして使用しており、可塑剤を使用した場合のような接着性、耐クラック性等の物性改良の効果は基本的にない。
特開平8−269390公報 特開平9−48946公報 特開平9−48947公報 特開平9−194790公報 特開平10−30071公報 特開平11−116857公報 特開平11−116858公報 特開2000−248228公報 特開2000−265107公報 特開2001−26729公報 EP1016681A2 特開2002−53796公報 特開2002−53797公報 特開2003−261816公報 特表2006−503115公報
本発明は、海水中において、長期間、防汚性能を有効に発揮できる、環境安全性の高い防汚塗膜を形成するための組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の可塑剤を含む組成物が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の防汚塗料組成物、該組成物の製造方法、該組成物を用いて形成される防汚塗膜、該塗膜を表面に有する塗装物、及び該塗膜を形成する防汚処理方法に係る。
1. (1)ガラス転移温度が−20℃以下で、数平均分子量が500〜20000であるエチレン性不飽和カルボン酸エステル重合体からなる高分子可塑剤、
(2)一般式(I):
Figure 0004228107
(式中、Rは水素原子又はメチル基、R〜Rはそれぞれ同一又は異なって炭素数3〜8の分岐アルキル基又はフェニル基を示す)
で表される(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル単量体Aと、前記単量体A以外のエチレン性不飽和単量体Bとの共重合体であって、ガラス転移温度が0℃以上で、数平均分子量が5000〜100000である、(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル共重合体、並びに
(3)防汚薬剤
を含む防汚塗料組成物。
2. 前記高分子可塑剤が、ガラス転移温度が−40℃以下で、かつ数平均分子量が1000〜10000の(メタ)アクリル酸エステル重合体である、上記項1に記載の防汚塗料組成物。
3. 前記(メタ)アクリル酸エステル重合体が、(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル単量体と前記(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル単量体以外の(メタ)アクリル酸エステル単量体とを共重合させて得られるものである、上記項2に記載の防汚塗料組成物。
4. 前記単量体Aが(メタ)アクリル酸トリイソプロピルシリルである上記項1に記載の防汚塗料組成物。
5.更に、ロジン亜鉛塩、ロジン誘導体の亜鉛塩、ロジン銅塩及びロジン誘導体の銅塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、上記項1に記載の防汚塗料組成物。
6. 前記高分子可塑剤(1)を、前記共重合体(2)及び前記塩の合計量100重量部に対して1〜100重量部含む、上記項5に記載の防汚塗料組成物。
7. 脱水剤及び/又は水結合剤を含む、上記項1に記載の防汚塗料組成物。
8. 上記項1に記載の防汚塗料組成物を用いて被塗膜形成物の表面に防汚塗膜を形成することを特徴とする防汚処理方法。
9. 上記項1に記載の防汚塗料組成物を用いて形成される防汚塗膜。
10. 上記項9に記載の防汚塗膜を表面に有する塗装物。
11. (1)ガラス転移温度が−20℃以下で、数平均分子量が500〜20000であるエチレン性不飽和カルボン酸エステル重合体からなる高分子可塑剤、
(2)一般式(I):
Figure 0004228107
(式中、Rは水素原子又はメチル基、R〜Rはそれぞれ同一又は異なって炭素数3〜8の分岐アルキル基又はフェニル基を示す)
で表される(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル単量体Aと、前記単量体A以外のエチレン性不飽和単量体Bとの共重合体であって、ガラス転移温度が0℃以上で、数平均分子量が5000〜100000である、(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル共重合体、並びに
(3)防汚薬剤
を含む混合液を混合分散することを特徴とする防汚塗料組成物の製造方法。
本発明の防汚塗料組成物は、
(1)ガラス転移温度が−20℃以下で、数平均分子量が500〜20000であるエチレン性不飽和カルボン酸エステル重合体からなる高分子可塑剤、
(2)一般式(I):
Figure 0004228107
(式中、Rは水素原子又はメチル基、R〜Rはそれぞれ同一又は異なって炭素数3〜8の分岐アルキル基又はフェニル基を示す)
で表される(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル単量体Aと、前記単量体A以外のエチレン性不飽和単量体Bとの共重合体であって、ガラス転移温度が0℃以上で、数平均分子量が5000〜100000である、(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル共重合体、並びに
(3)防汚薬剤
を含む。
<(1)高分子可塑剤>
本発明の防汚塗料組成物は、ガラス転位温度(Tg)が−20℃以下、好ましくは−40℃以下、より好ましくは−50℃以下で、かつ、数平均分子量が500〜20000、好ましくは1000〜10000のエチレン性不飽和カルボン酸エステル重合体からなる高分子可塑剤を含有する。
Tgが−20℃より高い場合、本発明の組成物に十分な可塑性を付与できない。そのため、形成された塗膜は、脆弱で、クラックやハガレが生じやすい。また、被塗膜形成物に対する接着性が十分ではない。Tgが−40℃以下の場合、より確実に本発明の組成物に可塑性を付与し、結果、接着性、耐クラック性等の物性を改良することができる。
数平均分子量(Mn)が500未満の高分子可塑剤を用いた場合、海水中で長期間経過後、塗膜から前記高分子可塑剤が優先して抜け、塗膜が脆くなる傾向がある。Mnが20000を超える高分子可塑剤は、本発明の組成物に十分な可塑性を付与できない。そのため、形成された塗膜は、脆弱であり、クラックやハガレが生じやすい。また、被塗膜形成物に対する接着性が十分ではない。この場合、前記高分子可塑剤の添加量を多くすることにより、前記問題を有効に回避できる。しかし、前記高分子可塑剤の添加量が多すぎる場合、塗膜の加水分解速度が極端に低下し、防汚効果を有効に発揮できない。Mnが1000〜10000の場合、より確実に本発明の組成物に可塑性を付与できる。また、前記高分子可塑剤の添加量をより抑えることができ、形成される塗膜は、防汚効果を有効に発揮できる。
前記高分子可塑剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル重合体、マレイン酸エステル重合体、フマル酸エステル重合体等が挙げられる。これらの前記可塑剤は、1種または2種以上併用して使用することができる。前記高分子可塑剤としては、特に、(メタ)アクリル酸エステル重合体が好ましく、アクリル酸エステル重合体がより好ましい。
前記(メタ)アクリル酸エステル重合体は、アクリル酸エステル重合体、又はメタアクリル酸エステル重合体を意味する。
前記高分子可塑剤は、単量体を1種類で重合して得られる重合体でもよいし、単量体を2種以上で重合して得られる共重合体でもよい。前記高分子可塑剤が共重合体である場合、前記高分子可塑剤は、交互共重合体、周期的共重合体、又はブロック共重合体のいずれの共重合体であってもよい。
前記高分子可塑剤を構成する単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2一エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−フェノキシシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチルアクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、 (メタ)アクリル酸トリオルガノシリル等の(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2一エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエトキシエチル、アクリル酸2−フェノキシシエチル、アクリル酸2−メトキシプロピル、アクリル酸4−メトキシブチル、アクリル酸4−メトキシブチルアクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、アクリル酸トリオルガノシリル等のアクリル酸エステルがより好ましい。
前記(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステル、又はメタアクリル酸エステルを意味する。
前記高分子可塑剤は、後記(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル共重合体(及び後記塩)と相溶性の良いものが好ましい。また、有機溶剤中で分離しないものが好ましい。更に、乾燥塗膜においても均一な塗膜状態になるものが好ましい。ここで、「均一な塗膜状態」とは、乾燥後の塗膜が、部分的に白濁していたり、透明であるといった不均一な状態(ウミシマ)ではなく、乾燥塗膜全体が無色透明であるか、又は、均一に白濁している状態を意味する。
例えば、前記高分子可塑剤である(メタ)アクリル酸エステル重合体を構成する単量体として、(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル単量体を使用する場合、該(メタ)アクリル酸エステル重合体は、(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル単量体と前記(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル単量体以外の(メタ)アクリル酸エステル単量体とを共重合させて得られるものが好ましい。特に、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体は、(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル単量体1〜30重量%、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%と前記(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル単量体以外の(メタ)アクリル酸エステル単量体70〜99重量%、好ましくは90〜99重量%、より好ましくは95〜99重量とを共重合させて得られるものが望ましい。なお、コストの面から、前記(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル単量体の使用量は10重量%以下が好ましい。
前記高分子可塑剤は、例えば、重合開始剤の存在下、前記単量体を重合させることにより得ることができる。
前記重合反応において使用される重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオクトエート、等の過酸化物が挙げられる。これら重合開始剤は、単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。重合開始剤としては、特に、tert−ブチルパーオクトエートが好ましい。
重合開始剤の使用量を適宜設定することにより、高分子可塑剤であるエチレン性不飽和カルボン酸エステル重合体の分子量を調整することができる。
重合方法としては、簡便に、且つ、精度良く、前記高分子可塑剤を得ることができる点で、溶液重合又は高温塊状重合が好ましい。溶液重合の場合、必要に応じて、α−メチルスチレンダイマー等の重合調整剤を添加してもよい。
溶液重合の場合、重合反応における反応温度は、重合開始剤の種類等に応じて適宜設定すればよく、通常70〜140℃であり、好ましくは80〜120℃である。反応時間は、反応温度等に応じて適宜設定すればよく、通常4〜8時間程度である。溶液重合における重合反応は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。
高温塊状重合の場合、反応温度は200〜300℃が好ましい。反応時間は、反応温度等に応じて適宜設定すればよい。
<(2)(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル共重合体>
(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル共重合体(以下、共重合体(2)と略記する場合がある)は、上記一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル単量体A(以下、「単量体A」と略記する場合がある)と、前記単量体A以外のエチレン性不飽和単量体B(以下、「単量体B」と略記する場合がある)との共重合体である。
(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル共重合体は、アクリル酸トリオルガノシリル共重合体、又はメタアクリル酸トリオルガノシリル共重合体を意味する。(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル単量体Aは、アクリル酸トリオルガノシリル単量体A、又はメタアクリル酸トリオルガノシリル単量体Aを意味する。
一般式(I)中、R〜Rはそれぞれ同一又は異なって炭素数3〜8の分岐アルキル基又はフェニル基を示す。炭素数3〜8の分岐アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、2−メチルブチル基、2−エチルブチル基、3−メチルペンチル基等が挙げられる。R〜Rとして好ましいものは、イソプロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基及びフェニル基である。特に好ましいものは、イソプロピル基である。
単量体Aとしては、例えば、(メタ)アクリル酸トリイソプロピルシリル、(メタ)アクリル酸トリイソブチルシリル、(メタ)アクリル酸トリs−ブチルシリル、(メタ)アクリル酸トリイソペンチルシリル、(メタ)アクリル酸トリフェニルシリル、(メタ)アクリル酸ジイソプロピルイソブチルシリル、(メタ)アクリル酸ジイソプロピルs−ブチルシリル、(メタ)アクリル酸ジイソプロピルイソペンチルシリル、(メタ)アクリル酸ジイソプロピルフェニルシリル、(メタ)アクリル酸イソプロピルジイソブチルシリル、(メタ)アクリル酸イソプロピルジs−ブチルシリル、(メタ)アクリル酸t−ブチルジイソプチルシリル、(メタ)アクリル酸t−ブチルジイソペンチルシリル、(メタ)アクリル酸t−ブチルジフェニルシリルなどが挙げられる。好ましくは、(メタ)アクリル酸トリイソプロピルシリル、(メタ)アクリル酸トリs−ブチルシリル、(メタ)アクリル酸t−ブチルジフェニルシリル等が挙げられる。これらの単量体Aは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
単量体Aとしては、特に、製造工程、製造コスト、原料入手容易性、環境安全性の観点から、R〜R全てがイソプロピル基である(メタ)アクリル酸トリイソプロピルシリルが好ましい。
単量体Bとしては、前記単量体A以外のエチレン性不飽和単量体であり、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、ビニル化合物、芳香族化合物、二塩基酸のジアルキルエステル化合物等が挙げられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステル、又はメタアクリル酸エステルを意味する。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2一エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル等が挙げられる。
ビニル化合物としては、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ビニルブチレート、ブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン等の官能基を有するビニル化合物が挙げられる。
芳香族化合物としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
二塩基酸のジアルキルエステル化合物としては、ジメチルマレエート、ジブチルマレエート、ジメチルフマレエート等が挙げられる。
本発明においては、これら単量体Bを単独又は二種以上で用いることができる。特に、単量体Bとしては、(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、メタクリル酸メチル、 (メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル等がより好ましい。
本発明の組成物中に含まれる共重合体(2)の好ましい態様は、(メタ)アクリル酸トリイソプロピルシリル、(メタ)アクリル酸トリs−ブチルシリル及び(メタ)アクリル酸t−ブチルジフェニルシリルから選ばれる少なくとも1種の単量体Aと、メタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシプロピル及び(メタ)アクリル酸2−メトキシエチルから選ばれる少なくとも1種の単量体Bとの共重合体である。
共重合体(2)は、単量体A30〜65重量%及び単量体B35〜70重量%を共重合して得られるものであることが好ましい。単量体Aが30重量%〜65重量%の場合、所望の防汚効果を有効に発揮することができる。また、塗膜の加水分解速度を好適に抑制でき、長期間、防汚効果を発揮することができる。
共重合体(2)のガラス転移温度(Tg)は0℃以上であり、好ましくは20℃以上、より好ましくは30℃以上である。共重合体(2)のTgが0℃未満の場合、塗膜が脆弱になりやすいという問題がある。塗膜が脆弱である場合、塗装時に盤木跡が大きく付いたり、該塗膜を船底に形成した船舶を高速で運行する際、気温によっては(特に、気温が高い場合には)、コールドフローを起こしやすい。
共重合体(2)の数平均分子量(Mn)は5000〜100000であり、好ましくは、10000〜50000である。Mnが5000未満の場合、塗膜が脆くなりやすい。数平均分子量が100000を越える場合、海水中へ塗膜が溶解しにくく、所望の防汚効果を有効に発揮できない。
Mnの測定方法としては、例えばゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)が挙げられる。
共重合体(2)は、単量体Aと単量体Bとのランダム共重合体、交互共重合体、周期的共重合体、又はブロック共重合体のいずれの共重合体であってもよい。
共重合体(2)は、例えば、重合開始剤の存在下、単量体A及び単量体Bを重合させることにより得ることができる。
前記重合反応において使用される重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオクトエート等の過酸化物が挙げられる。これら重合開始剤は、単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。重合開始剤としては、特に、AIBN及びtert−ブチルパーオクトエートが好ましい。
重合開始剤の使用量を適宜設定することにより、(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル共重合体の分子量を調整することができる。
重合方法としては、例えば、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等が挙げられる。この中でも特に、簡便に、且つ、精度良く、共重合体(2)を得ることができる点で、溶液重合が好ましい。
前記重合反応においては、必要に応じて有機溶媒を用いてもよい。有機溶剤としては、例えば、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶剤;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸メトキシプロピル等のエステル系溶剤;イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤;ジオキサン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。この中でも特に、芳香族炭化水素系溶剤が好ましく、キシレンがより好ましい。これら溶媒については、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
重合反応における反応温度は、重合開始剤の種類等に応じて適宜設定すればよく、通常70〜140℃であり、好ましくは80〜120℃である。重合反応における反応時間は、反応温度等に応じて適宜設定すればよく、通常4〜8時間程度である。
重合反応は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。
<(3)防汚薬剤>
防汚薬剤としては、海棲汚損生物に対して殺傷又は忌避作用を有する物質であればよく、特に限定されない。例えば無機薬剤及び有機薬剤が挙げられる。
無機薬剤としては、例えば、亜酸化銅、チオシアン酸銅(一般名:ロダン銅)、キュプロニッケル、銅粉等が挙げられる。この中でも特に、亜酸化銅とロダン銅が好ましい。
有機薬剤としては、例えば、2−メルカプトピリジン−N−オキシド銅(一般名:カッパーピリチオン)等の有機銅化合物、2−メルカプトピリジン−N−オキシド亜鉛(一般名:ジンクピリチオン)、ジンクエチレンビスジチオカーバメート(一般名:ジネブ)、ビス(ジメチルジチオカルバミン酸)亜鉛(一般名:ジラム)、ビス(ジメチルジチオカルバメート)エチレンビス(ジチオカーバメート)二亜鉛(一般名:ポリカーバメート)等の有機亜鉛化合物;ピリジン・トリフェニルボラン、4−イソプロピルピリジル−ジフェニルメチルボラン、4−フェニルピリジル−ジフェニルボラン、トリフェニルボロン−n−オクタデシルアミン、トリフェニル[3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン]ボロン等の有機ボロン化合物;2,4,6−トリクロロマレイミド、N−(2,6ジエチルフェニル)2,3−ジクロロマレイミド等のマレイミド系化合物;その他、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3−イソチアゾロン(一般名:シーナイン211)、3,4−ジクロロフェニル−N−N−ジメチルウレア(一般名:ジウロン)、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン(一般名:イルガロール1051)、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル(一般名:クロロタロニル)、Nージクロロフルオロメチルチオ−N’,N’−ジメチル−N―p−トリルスルファミド(一般名:トリフルアニド)、Nージクロロメチルチオ−N’,N’−ジメチル−N−フェニルスルファミド(一般名:ジクロフルアニド)、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾ−ル(一般名:チアベンダゾール)、3−(ベンゾ〔b〕チエン−2−イル)−5,6−ジヒドロ−1,4,2−オキサチアジン−4−オキシド(一般名:ベトキサジン)、2−(p−クロロフェニル)−3−シアノー4−ブロモー5−トリフルオロメチル ピロール(一般名:エコニア028)等が挙げられる。この中でも特に、ジンクピリチオン、カッパーピリチオン、ピリジン・トリフェニルボラン、4−イソプロピルピリジル−ジフェニルメチルボラン、ベトキサジン、ジネブ、シーナイン211及びイルガロール1051が好ましく、カッパーピリチオン、ジンクピリチオン、ピリジン・トリフェニルボラン、ベトキサジン及びシーナイン211がより好ましい。
これらの防汚薬剤は1種又は2種以上併用して使用できる。
<ロジン塩及びロジン誘導体の塩>
本発明の防汚塗料組成物は、更に、ロジン塩及び/又はロジン誘導体の塩を含むことが好ましい。前記ロジン塩及びロジン誘導体の塩は、上記高分子可塑剤との相溶性が高く、塗膜中において安定して存在することができるため、本発明の組成物の長期貯蔵性が優れたものとすることができるためである。
特に、ロジン塩及びロジン誘導体の塩として、ロジン亜鉛塩、ロジン誘導体の亜鉛塩、ロジン銅塩及びロジン誘導体の銅塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含むことが好ましい。
ロジン銅塩(及びロジン誘導体の銅塩)は、ロジン亜鉛塩(及びロジン誘導体の亜鉛塩)に比べ、水に対する溶解性が低い。本発明では、前記亜鉛塩及び銅塩の種類及び使用量を適宜選択することにより塗膜の加水分解速度を調整でき、適度な安定した溶解性を示す塗膜を設計することができる。例えば、本発明の組成物を船底塗料として用いる場合、組成物中における前記亜鉛塩及び銅塩の含有比は、100:0〜20:80が好ましい。
ロジン亜鉛(又は銅)塩としては、例えば、ガムロジン亜鉛(又は銅)塩、ウッドロジン亜鉛(又は銅)塩、トール油ロジン亜鉛(又は銅)塩等が挙げられる。これらは1種又は2種以上で用いることができる。
ロジン誘導体の亜鉛(又は銅)塩としては、マレイン化ロジン亜鉛(又は銅)塩、フォルミル化ロジン亜鉛(又は銅)塩、重合ロジン亜鉛(又は銅)塩、水添ロジン亜鉛(又は銅)塩、不均化ロジン亜鉛(又は銅)塩等が挙げられる。これらは1種又は2種以上で用いることができる。
特に、本発明の組成物は、ガムロジン亜鉛(又は銅)塩、ウッドロジン亜鉛(又は銅)塩、トール油ロジン亜鉛(又は銅)塩、水添ロジン亜鉛(又は銅)塩及び不均化ロジン亜鉛(又は銅)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩を含むことが好ましく、ガム ロジン亜鉛(又は銅)塩、水添ロジン亜鉛(又は銅)塩及び不均化ロジン亜鉛(又は銅)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩を含むことがより好ましく、ガムロジン亜鉛塩、水添ロジン亜鉛塩及び不均化ロジン亜鉛塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩を含むことがさらに好ましい。
前記ロジン塩及びロジン誘導体の塩には、市販品を用いることができる。また、公知の方法により製造することもできる。例えば、ロジン(又はロジン誘導体)の亜鉛塩は、遊離のカルボキシル基(COO基)を有するロジン(又はロジン誘導体)を溶液中で加熱しながら酸化亜鉛と反応させることにより合成できる。
<防汚塗料組成物>
本発明の防汚塗料組成物は、前記高分子可塑剤、前記共重合体(2)、並びに前記防汚薬剤を含む。
本発明の防汚塗料組成物の好ましい態様は、
(1)ガラス転移温度が−40℃以下で、数平均分子量が1000〜10000であるエチレン性不飽和カルボン酸エステル重合体からなる高分子可塑剤、
(2)(メタ)アクリル酸トリイソプロピルシリル、(メタ)アクリル酸トリs−ブチルシリル及び(メタ)アクリル酸t−ブチルジフェニルシリルからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体Aと、メタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル及び(メタ)アクリル酸2−メトキシプロピルからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体Bとの共重合体であり、単量体A30〜65重量%及び単量体B35〜70重量%を共重合して得られ、Tgが20℃以上で、Mnが10000〜50000である、(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル共重合体、並びに
(3)亜酸化銅、ロダン銅、ジンクピリチオン、カッパーピリチオン、ピリジン・トリフェニルボラン、4−イソプロピルピリジル−ジフェニルメチルボラン、ベトキサジン、ジネブ、シーナイン211及びイルガロール1051からなる群より選ばれる少なくとも1種の防汚薬剤
を含む組成物である。
より好ましい態様は、
(1)ガラス転移温度が−50℃以下で、数平均分子量が2000〜4000であるエチレン性不飽和カルボン酸エステル重合体からなる高分子可塑剤、
(2)(メタ)アクリル酸トリイソプロピルシリル(単量体A)と、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル及び(メタ)アクリル酸2−メトキシエチルからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体Bとの共重合体であり、単量体A30〜65重量%及び単量体B35〜70重量%を共重合して得られ、Tgが30℃以上で、Mnが16000〜20000である、(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル共重合体、
(3)、亜酸化銅、ロダン銅、ジンクピリチオン、カッパーピリチオン、ピリジン・トリフェニルボラン、ベトキサジン及びシーナイン211からなる群より選ばれる少なくとも1種の防汚薬剤、並びに
(4)ロジン亜鉛塩、ロジン誘導体の亜鉛塩、ロジン銅塩及びロジン誘導体の銅塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む組成物である。
本発明の防汚塗料組成物中、前記高分子可塑剤(1)の含有量は、特に限定されないが、前記共重合体(2)及び前記塩の合計量100重量部に対して1〜100重量部が好ましく、10〜50重量部がより好ましい。前記高分子可塑剤(1)の含有量が前記共重合体(2)及び前記塩の合計量100重量部に対して、1重量部未満の場合、本発明の組成物に十分な可塑性を付与できず、そのため、形成された塗膜は、脆弱で、クラックやハガレが生じやすい。前記高分子可塑剤(1)の含有量が前記共重合体(2)及び前記塩の合計量100重量部に対して、100重量部を超える場合は、塗膜が軟弱となり、高温海水域でコールドフロー等の塗膜異常を起こすことがあり、実用に耐えない。前記高分子可塑剤(1)の含有量が、前記共重合体(2)及び前記塩の合計量100重量部に対して、1〜100重量部の範囲内であれば、塗膜を適度な硬さに保つことができるため、船舶の航行時にコールドフロー等の塗膜異常を起こさず、クラックやハガレを効果的に防止できる。
本発明の防汚塗料組成物中の前記共重合体(2)及び前記ロジン塩の合計含有量は、5〜30重量%が好ましく、10〜20重量%がより好ましい。前記合計含有量が5重量%未満の場合、塗膜が脆弱になりクラックやハガレが生じやすくなる。また、前記合計含有量が30重量%を超える場合、塗膜の更新性が悪くなるため、長期間防汚効果を発揮することが困難になる。また、汚損生物が特に多く存在する海域で防汚効果を十分に発揮できない。
前記共重合体(2)の含有量と前記ロジン塩の含有量との重量比(前記共重合体(2):前記ロジン塩)は100:0〜20:80が好ましく、95:5〜30:70がより好ましい。前記重量比が100:0〜20:80の場合、塗膜の硬度及び強靭性が良好であるため、塗膜が長期間防汚効果を好適に発揮することができる。
本発明の防汚塗料組成物中の防汚薬剤の含有量は、特に制限されないが、防汚塗料組成物中、1〜80重量%が好ましく、5〜70重量%がより好ましい。
防汚薬剤の含有量が1重量%未満の場合は、防汚効果を十分に発揮できない。防汚薬剤の含有量が80重量%を超える場合は、塗膜が脆弱になり実用化に耐えない。
本発明の防汚塗料組成物は、さらに、該組成物中の水を除去するための薬剤(以下、「除水剤」と略記する場合がある)を含むことが好ましい。具体的には、除水剤として、脱水剤及び/又は水結合剤を含むことが好ましい。
脱水剤は、水を結晶水として取り込むことにより塗料組成物中の水を除く性質を持つ化合物である。水結合剤は水と反応することにより塗料組成物中の水を除く性質を持つ化合物である。
脱水剤としては、無水石膏、モレキュラーシーブ、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムが挙げられ、水結合剤としては、オルト蟻酸メチル、オルト蟻酸エチル等のオルト蟻酸アルキルエステル類、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラキス(2−エトキシブトキシ)シラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等のアルコキシシラン類、無水マレイン酸、無水フタル酸等の酸無水物が挙げられる。この中でも特に、無水石膏とテトラエトキシシランが好ましい。これらの脱水剤と水結合剤は、1種または2種以上併用して使用できる。
前記組成物中の除水剤の含有量は、特に制限されないが、防汚塗料組成物中、0.1〜20重量%が好ましく、0.2〜5重量%がより好ましい。除水剤の含有量が0.1重量%未満の場合は、塗料の貯蔵安定性が実用上十分ではない。除水剤の含有量が20重量%を超える場合は、塗膜が脆弱になり実用に耐えない。
本発明の防汚塗料組成物は、さらに、公知の顔料、上記可塑剤を除く公知の可塑剤及び揺変剤を含んでいてもよい。
前記顔料としては、例えば、酸化亜鉛、ベンガラ、タルク、酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化カルシウム等が挙げられる。これら顔料は、1種又は2種以上で使用できる。
公知の可塑剤としては、例えば、トリクレジルフォスフェート、トリオクチルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート等の燐酸エステル類、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等のフタル酸エステル類、ジブチルアジペート、ジオクチルアジペート等のアジピン酸エステル類、ジブチルセバケート、ジオクチルセバケート等のセバシン酸エステル類、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ化油脂類、メチルビニルエーテル重合体、エチルビニルエーテル重合体等のアルキルビニルエーテル重合体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、t-ノニルペンタスルフィド、ワセリン、ポリブテン、トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)、シリコーンオイル、流動パラフィン、塩素化パラフィン等が挙げられる。好ましくは、燐酸エステル類及びエポキシ化油脂類である。これらは単独又は2種以上で使用できる。
前記揺変剤としては、例えば、ベントナイト、酸化ポリエチレン、各種のアミド化合物等が挙げられる。これら揺変剤は1種又は2種以上で用いるもとができる。前記揺変剤は、キシレン等の有機溶媒に分散して使用できる。
その他、必要に応じて、染料、消泡剤等を含んでいてもよい。
本発明の組成物は、通常、有機溶剤に溶解乃至分散させておく。これにより、塗料として好適に用いることができる。有機溶剤としては、例えば、キシレン、トルエン、ミネラルスピリット、MIBK、酢酸ブチル等が挙げられる。この中でも特に、キシレン又はMIBKが好ましい。これら有機溶剤は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明の防汚塗料組成物は、安定性に優れており、長期間保存しても、増粘したり、ゲル化・固化することがほとんどない。
<防汚塗料組成物の製造方法>
本発明の防汚塗料組成物の製造方法は、
(1)ガラス転移温度が−20℃以下で、数平均分子量が500〜20000であるエチレン性不飽和カルボン酸エステル重合体からなる高分子可塑剤、
(2)一般式(I):
Figure 0004228107
(式中、Rは水素原子又はメチル基、R〜Rはそれぞれ同一又は異なって炭素数3〜8の分岐アルキル基又はフェニル基を示す)
で表される(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル単量体Aと、前記単量体A以外のエチレン性不飽和単量体Bとの共重合体であって、ガラス転移温度が0℃以上で、数平均分子量が5000〜100000である、(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル共重合体、並びに
(3)防汚薬剤
を含む混合液を混合分散することを特徴とする。
すなわち、本発明の製造方法によれば、上記高分子可塑剤、上記共重合体(2)、並びに上記防汚薬剤を含む混合物を混合分散することにより上記防汚塗料組成物を製造することができる。
混合物中における上記高分子可塑剤、上記防汚薬剤等の含有量は、特に限定されず、それぞれ上記防汚塗料組成物中の上記高分子可塑剤、上記防汚薬剤等の含有量となるよう適宜調整すればよい。
前記混合物は、必要に応じて、上記塩、顔料等を含んでいてもよい。
本発明の製造方法においては、上記混合物を、攪拌機(ディスパー)等で混合後、ミル(ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ダイノーミル等)で混合分散することが好ましい。例えば、上記高分子可塑剤、上記共重合体(2)、上記塩、上記防汚薬剤、上記除水剤、顔料並びにその他添加剤をそれぞれ溶媒に溶解乃至分散させた状態で混合し、ミルを使用して混合分散することができる。使用する溶媒としては、例えばキシレン、トルエン、ミネラルスピリット、MIBK、酢酸ブチル等が挙げられる。この中でも特にキシレンが好ましい。これら溶媒は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
<防汚処理方法、防汚塗膜、及び塗装物>
本発明の防汚処理方法は、上記防汚塗料組成物を用いて被塗膜形成物の表面に防汚塗膜を形成することを特徴とする。本発明の防汚処理方法によれば、前記防汚塗膜が表面から徐々に溶解し塗膜表面が常に更新されることにより、水棲汚損生物の付着防止を図ることができる。また、塗膜を溶解させた後、上記組成物を上塗りすることにより、継続的に防汚効果を発揮することができる。
被塗膜形成物としては、例えば、船舶(特に船底)、漁業具、水中構造物等が挙げられる。漁業具としては、例えば、養殖用又は定置用の漁網、該漁網に使用される浮き子、ロープ等の漁網付属具等が挙げられる。水中構造物としては、例えば、発電所導水管、橋梁、港湾設備等が挙げられる。
防汚塗膜は、上記防汚塗料組成物を被塗膜形成物の表面(全体又は一部)に塗布することにより形成できる。
塗布方法としては、例えば、ハケ塗り法、スプレー法、ディッピング法、フローコート法、スピンコート法等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を併用して行ってもよい。
塗布後、乾燥させる。乾燥温度は、室温でよい。乾燥時間は、塗膜の厚み等に応じて適宜設定すればよい。
上記防汚塗料組成物を用いて形成される本発明の防汚塗膜は、1)海水と長期間接触しても、クラック、ハガレ等が生じにくい、2)適度な硬さを有するため、コールドフロー等の塗膜異常を起こしにくい、3)被塗膜形成物に対する接着性が高い、4)耐水性に優れている、且つ、5)加水分解速度が好適に抑制されているため、長期間、防汚性能を維持できるという利点を有する。
防汚塗膜の厚みは、被塗膜形成物の種類、船舶の航行速度、海水温度等に応じて適宜設定すればよい。例えば、被塗膜形成物が船舶の船底の場合、防汚塗膜の厚みは通常50〜500μm、好ましくは100〜400μmである。
本発明の防汚塗膜は、適度な硬さを有する。すなわち、本発明の防汚塗膜は、コールドフロー等の塗膜異常を起こさない程度の硬さを有する。
本発明の塗装物は、前記防汚塗膜を表面に有する。本発明の塗装物は、前記防汚塗膜を表面の全体に有していてもよく、一部に有していてもよい。
本発明の塗装物は、上記1)〜5)の利点を有する防汚塗膜を備えているため、上記船舶(特に船底)、漁業具、水中構造物等として好適に使用できる。
例えば、船舶の船底表面に上記防汚塗膜を形成した場合、前記防汚塗膜が表面から徐々に溶解し塗膜表面が常に更新することにより、水棲汚損生物の付着防止を図ることができる。
しかも、前記防汚塗膜は、加水分解速度が好適に抑制されているため、該船舶は、防汚性能を長期間維持でき、例えば、停泊中、艤装期間中等の静止状態においても、水棲汚損生物の付着・蓄積がほとんどなく、長期間、防汚効果を発揮できる。
また、表面の防汚塗膜は、長時間経過後においても、基本的にクラックやハガレが生じない。そのため、塗膜を完全に除去した後あらためて塗膜を形成する等の作業を行う必要がなく、上記防汚塗膜組成物を直接上塗りすることにより好適に防汚塗膜を形成できる。これにより、簡便にかつ低コストでの継続的な防汚性能の維持が可能になる。
本発明の防汚塗料組成物によれば、塗膜の加水分解速度を好適に抑制できる。そのため、前記組成物により形成された塗膜は、長期間、安定した防汚性能を維持することができる。また、本発明の組成物は、長期保存性に優れている。すなわち、本発明の組成物は、長期間保存しても、増粘したり、ゲル化・固化することがほとんどない。さらに、本発明の防汚塗料組成物は、環境安全性が高く、海水中に溶解しても、海洋汚染の問題がほとんどない。
本発明の防汚塗料組成物を用いて形成される防汚塗膜は、1)海水と長期間接触しても、クラック、ハガレ等が生じにくい、2)適度な硬さを有するため、コールドフロー等の塗膜異常を起こしにくい、3)被塗膜形成物に対する接着性が高い、4)耐水性に優れている、且つ、5)加水分解速度が好適に抑制されているため、長期間、防汚性能を維持できるという利点を有する。
本発明の塗装物は、上記1)〜5)の利点を有する防汚塗膜を備えているため、上記船舶(特に船底)、漁業具、水中構造物等として好適に使用できる。例えば、船舶の船底表面に上記防汚塗膜を形成した場合、前記防汚塗膜が表面から徐々に溶解し塗膜表面が常に更新することにより、水棲汚損生物の付着防止を図ることができる。
しかも、前記防汚塗膜は、適度な溶解性を有するため、該船舶は、防汚性能を長期間維持でき、例えば、停泊中、艤装期間中等の静止状態においても、水棲汚損生物の付着・蓄積がほとんどなく、長期間、防汚効果を発揮できる。これにより、船舶の摩擦抵抗が減少し、航行時における燃料の節約が期待できる。
また、表面の防汚塗膜は、長時間経過後においても、基本的に塗膜欠陥が発生していないため、前記塗装物を一定期間使用後、上記防汚塗膜組成物を直接上塗りすることにより好適に防汚塗膜を形成できる。これにより、簡便にかつ低コストでの継続的な防汚性能の維持が可能になる。
以下に、実施例等を示し本発明の特徴とするところをより一層明確にする。ただし、本発明は実施例等に限定されるものではない。
各製造例、比較製造例、実施例及び比較例中の%は重量%を示す。粘度は、25℃での測定値であり、B形粘度計により求めた値である。数平均分子量(Mn)は、GPCにより求めた値(ポリスチレン換算値)である。GPCの条件は下記の通りである。
装置・・・HLC-8220GPC(東ソー株式会社製)
カラム・・・TSKgel SuperHZM-M 2本
流量・・・0.35 mL/min
検出器・・・RI
カラム恒温槽温度・・・40℃
遊離液・・・THF
加熱残分は、110℃で3時間加熱して求めた値である。
また、表1中の各成分の配合量の単位はgであり、括弧書きは、単量体A及び単量体Bの合計量に対する重量割合を示す。
製造例1(共重合体(2)−1の製造)
温度計、還流冷却器、撹拌機及び滴下ロートを備えた1000mlのフラスコに、キシレン350gを仕込んだ後、窒素雰囲気下で攪拌しながら85〜90℃に昇温し、85〜90℃に保ちながら該フラスコに、アクリル酸トリイソプロピルシリル225g、メタクリル酸メチル200g、アクリル酸n−ブチル25g、アクリル酸2−メトキシエチル50g及びAIBN4g(第1添加)の混合液を1時間かけて滴下した。滴下後、85〜90℃で2時間重合反応を行った。次いで、AIBN2g(第2添加)を添加し85〜90℃で更に2時間重合反応を行った後、キシレン150gを添加し溶解させることにより、共重合体溶液(2)−1を得た。(2)−1の粘度は460mPa・s/25℃、加熱残分は50.8%、Mnは17000、Tgは39℃であった(表1)。
製造例2〜6、比較製造例1〜2(共重合体溶液(2)−2〜(2)−6及びH−1〜H−2の製造)
表1に示す有機溶剤、単量体及び重合開始剤を用いて、製造例1と同様の操作(重合開始剤がAIBNの場合は85〜90℃、t−ブチルパーオクトエートの場合は、95〜100℃)で重合を行い、共重合体溶液(2)−2〜(2)−6及びH−1〜H−2を得た。得られた各共重合体溶液の粘度、加熱残分、Mn、Tgを表1に示す。
Figure 0004228107
Figure 0004228107
製造例7(高分子可塑剤(1)−1の製造)
温度計、還流冷却器、撹拌機及び滴下ロートを備えた1000mlのフラスコに、キシレン500gを仕込んだ後、窒素雰囲気下で攪拌しながら125〜130℃に昇温し、125〜130℃に保ちながら該フラスコに、2一メトキシエチルアクリレート350g、n−ブチルアクリレート150g及びt−ブチルパーオクトエート15g、α−メチルスチレンダイマー(製品名「ノフマーMSD」日本油脂製)1gの混合液を滴下した。滴下後、得られた反応液を125〜130℃に保ちながらt−ブチルパーオクトエート1gを1時間毎に3回添加し、更に2時間攪拌することにより高分子可塑剤であるアクリル樹脂溶液(1)−1を得た。(1)−1の粘度は45mPa・s/25℃、加熱残分は52.6%、Mnは3500、Tgは−51℃であった。
製造例8(可塑剤(1)−2の製造)
温度計、還流冷却器、撹拌機及び滴下ロートを備えた1000mlのフラスコに、キシレン500gを仕込んだ後、窒素雰囲気下で攪拌しながら125〜130℃に昇温し、125〜130℃に保ちながら、該フラスコに、n−ブチルアクリレート500g、及びt−ブチルパーオクトエート20gの混合液を滴下した。滴下後、得られた反応液を125〜130℃に保ちながらt−ブチルパーオクトエート1gを1時間毎に3回添加し、更に2時間攪拌することにより高分子可塑剤であるアクリル樹脂溶液(1)−2を得た。(1)−2の粘度は22mPa・s/25℃、加熱残分は52.2%、Mnは2900、Tgは−54℃であった。
製造例9(可塑剤(1)−3の製造)
温度計、還流冷却器、撹拌機及び滴下ロートを備えた1000mlのフラスコに、キシレン500gを仕込んだ後、窒素雰囲気下で攪拌しながら125〜130℃に昇温し、125〜130℃に保ちながら、該フラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート500g、及びt−ブチルパーオクトエート20gの混合液を滴下した。滴下後、得られた反応液を125〜130℃に保ちながらt−ブチルパーオクトエート1gを1時間毎に3回添加し、更に2時間攪拌することにより高分子可塑剤であるアクリル樹脂溶液(1)−3を得た。(1)−3の粘度は12mPa・s/25℃、加熱残分は51.0%、Mnは2300、Tgは−85℃であった。
製造例10(可塑剤(1)−4の製造)
温度計、還流冷却器、撹拌機及び滴下ロートを備えた1000mlのフラスコに、キシレン500gを仕込んだ後、窒素雰囲気下で攪拌しながら125〜130℃に昇温し、125〜130℃に保ちながら、該フラスコに、n−ブチルアクリレート490g、アクリル酸トリイソプロピルシリル10g、及びt−ブチルパーオクトエート20gの混合液を滴下した。滴下後、得られた反応液を125〜130℃に保ちながらt−ブチルパーオクトエート1gを1時間毎に3回添加し、更に2時間攪拌することにより高分子可塑剤であるアクリル樹脂溶液(1)−4を得た。(1)−4の粘度は24mPa・s/25℃、加熱残分は51.3%、Mnは2600、Tgは−49℃であった。
比較製造例3(Tg20℃のアクリル樹脂溶液の製造)
温度計、還流冷却器、撹拌機及び滴下ロートを備えた1000mlのフラスコに、キシレン500gを仕込んだ後、窒素雰囲気下で攪拌しながら125〜130℃に昇温し、125〜130℃に保ちながら、該フラスコに、n−ブチルメタアクリレート500g、及びt−ブチルパーオクトエート20gの混合液を滴下した。滴下後、得られた反応液を125〜130℃に保ちながらt−ブチルパーオクトエート1gを1時間毎に3回添加し、更に2時間攪拌することによりアクリル樹脂溶液を得た。粘度は200mPa・s/25℃、加熱残分は51.0%、Mnは2300、Tgは20℃であった。
製造例11(ガムロジン亜鉛塩の製造)
温度計、還流冷却器及び撹拌機を備えた1000mlのフラスコに、ガムロジンキシレン溶液(固形分50%) 400g、ZnO100g及びキシレン50gを加え、減圧下70〜80℃で3時間還流脱水後、室温(25℃)まで冷却し濾過することにより、ガムロジン亜鉛塩のキシレン溶液(濃褐色透明溶液、固形分約50%)を得た。得られたガムロジン亜鉛塩キシレン溶液の加熱残分は50.5%であった。
製造例12(水添ロジン亜鉛塩の製造)
温度計、還流冷却器及び撹拌機を備えた1000mlのフラスコに、水添ロジンキシレン溶液(固形分50%) 400g、ZnO100g及びキシレン50gを加え、減圧下70〜80℃で3時間還流脱水後、室温(25℃)まで冷却し濾過することにより、水添ロジン亜鉛塩のキシレン溶液(濃褐色透明溶液、固形分約50%)を得た。得られた水添ロジン亜鉛塩キシレン溶液の加熱残分は50.3%であった。
製造例13(不均化ロジン亜鉛塩の製造)
温度計、還流冷却器及び撹拌機を備えた1000mlのフラスコに、不均化ロジンキシレン溶液(固形分50%) 400g、ZnO100g及びキシレン50gを加え、減圧下70〜80℃で3時間還流脱水後、室温(25℃)まで冷却し濾過することにより、不均化ロジン亜鉛塩のキシレン溶液(濃褐色透明溶液、固形分約50%)を得た。得られた不均化ロジン亜鉛塩キシレン溶液の加熱残分は50.1%であった。
製造例14(ガムロジン銅塩の製造)
温度計、還流冷却器及び撹拌機を備えた1000mlのフラスコに、ガムロジンキシレン溶液(固形分50%) 400g、CuO200g及びメタノール100gにガラスビーズ(直径2.5〜3.5mm)を加え、70〜80℃で8時間撹拌後50℃で2日間保温し、室温(25℃)まで冷却濾過後、減圧濃縮によりメタノール分を留去後キシレンを加えることにより、ガムロジン銅塩のキシレン溶液(濃青色透明溶液、固形分約50%)を得た。得られたガムロジン銅塩のキシレン溶液の加熱残分は50.8%であった。
製造例15(水添ロジン銅塩の製造)
温度計、還流冷却器及び撹拌機を備えた1000mlのフラスコに、水添ロジンキシレン溶液(固形分50%) 400g、CuO200g及びメタノール100gにガラスビーズ(直径2.5〜3.5mm)を加え、70〜80℃で8時間撹拌後50℃で2日間保温し、室温(25℃)まで冷却濾過後、減圧濃縮によりメタノール分を留去後キシレンを加えることにより、水添ロジン銅塩のキシレン溶液(濃青色透明溶液、固形分約50%)を得た。得られた水添ロジン銅塩のキシレン溶液の加熱残分は50.3%であった。
製造例16(不均化ロジン銅塩の製造)
温度計、還流冷却器及び撹拌機を備えた1000mlのフラスコに、不均化ロジンキシレン溶液(固形分50%) 400g、CuO200g及びメタノール100gにガラスビーズ(直径2.5〜3.5mm)を加え、70〜80℃で8時間撹拌後50℃で2日間保温し、室温(25℃)まで冷却濾過後、減圧濃縮によりメタノール分を留去後キシレンを加えることにより、不均化ロジン銅塩のキシレン溶液(濃青色透明溶液、固形分約50%)を得た。得られた不均化ロジン銅塩のキシレン溶液の加熱残分は50.2%であった。
実施例1〜12及び比較例1〜6(塗料組成物の製造)
共重合体(2)として、製造例1〜6で得た共童合体溶液(2)−1〜(2)−6及び比較製造例1〜2で得た共重合体溶液H−1〜H−2を用い、ロジン亜鉛塩又はロジン誘導体の亜鉛塩として、製造例11〜16で得た亜鉛塩、銅塩及びガムロジンのキシレン溶液(固形分約50%)、水添ロジンのキシレン溶液(固形分約50%)、不均化ロジンのキシレン溶液(固形分約50%)を用い、前記可塑剤として、製造例7〜10で得た可塑剤(1)−1〜(1)−4、比較製造例3で得たTg20℃のアクリル樹脂溶液、アクリル樹脂(製品名「ARUFON UP−1080」東亜合成株式会社製、固形分100%)、Tg:−61℃、Mn:2400)、トリクレジルフォスフェート、エチルビニルエーテル共重合体(製品名「ルトナールA−25」BASF社製)、エポキシ化大豆油(製品名「サンソサイザーE−2000H」新日本理化製)、塩素化パラフィン(塩素含量約40%)を用い、その他、表2に記載の防汚薬剤、顔料、添加物、溶剤を表2に示す割合(重量%)で配合し、実験用の小型卓上サンドミル(直径1.5〜2.5mmのガラスビーズを使用)で混合分散することにより塗料組成物を調製した。
Figure 0004228107
Figure 0004228107
Figure 0004228107
試験例1(塗料の安定性試験)
実施例1〜12及び比較例1〜6で得られた塗料組成物を、100mlの広口ブリキ缶に入れ密封し40℃の恒温器に1ヶ月保存後、塗料をB形粘度計で測定した。
1ヶ月保存後、塗料の粘度変化が500mPa・s/25℃未満のもの(塗料状態が殆ど変化しなかったもの)を◎、塗料の粘度変化が500〜5000mPa・s/25℃のものを(わずかに増粘したもの)を○、塗料の粘度変化が5000〜100000mPa・s/25℃のもの(大きく増粘したもの)を△、塗料粘度が測定不能まで変化したもの(ゲル状になったもの又は固化したもの)を×とした。
結果を表3に示す。
表3から、本発明の塗料組成物(実施例1〜12)は、長期保存性に優れていることがわかる。
試験例2(塗膜硬度)
実施例1〜12及び比較例1〜6で得られた防汚塗料組成物を、乾燥塗膜としての厚みが約100μmとなるよう透明ガラス板(75×150×1mm)上に塗布し、40℃で1日乾燥させた後、振り子式硬度計(ペンジュラム硬度計)にて、温度25℃下、塗膜硬度を測定した。結果(カウント数)を表3に示す。カウント数20〜50が実用上好ましい。
表3から、本発明の塗料組成物(実施例1〜12)を用いて形成された塗膜は、適度な硬さを有することがわかる。
試験例3(塗膜の付着性試験)
JIS K−5600-5-6の規定に従って、塗膜の付着性試験を行った。具体的には、実施例1〜12及び比較例1〜6で得られた塗料組成物を、ブラスト仕上げをした繊維強化プラスチック板(FRP板)(75×150×2mm) 及びブリキ板(75×150×2mm)上に、乾燥塗膜としての厚みが約100μmとなるよう塗布し40℃で1日乾燥させた後、付着性試験を行った(2mm×2mm、マス目数=100個)。
剥離しなかったごばん目の数が70〜100個の場合を◎、剥離しなかったごばん目の数が40〜69個の場合を○、剥離しなかったごばん目の数が20〜39個の場合を△、及び剥離しなかったごばん目の数が0〜19の場合を×とした。
結果を表3に示す。
表3から、本発明の塗料組成物(実施例1〜12)を用いて形成された塗膜は、FRP板及びブリキ板のいずれに形成された場合であっても、強固に接着することがわかる。
試験例4(塗膜の屈曲性試験)
実施例1〜12及び比較例1〜6で得られた塗料組成物を、ブラスト仕上げをしたブリキ板(75×150mm)に、乾燥塗膜としての厚みが約100μmとなるよう塗布し40℃で1日間乾燥させた後、90度に折り曲げ塗膜の状態を肉眼観察により確認した。
殆どクラックが生じなかったものを◎、微細なクラックが生じたものを○、大きなクラックが生じたものを△、及び塗膜の一部が容易に剥離したものを×とした。
結果を表3に示す。
表3から、本発明の塗料組成物(実施例1〜12)を用いて形成された塗膜は、脆弱でない強靱な塗膜であることがわかる。
試験例5(塗膜の耐水性試験)
すりガラス板(75×150×1mm)上に、防錆塗料(ビニル系A/C)を乾燥後の厚みが約50μmとなるよう塗布し、乾燥させた後、実施例1〜12及び比較例1〜6で得られた防汚塗料組成物を、乾燥塗膜としての膜厚が約100μmとなるよう塗布し40℃で1日間乾燥させることにより試験片を作製した。試験片を35℃の天然海水中に3ヶ月間、浸漬した後、塗膜の状態を肉眼観察により確認した。
塗膜に変化がないものを◎、わずかに変色したものを○、わずかにブリスターが生じたものを△、及びクラック、膨潤、剥離等の異常を確認したものを×とした。
結果を表3に示す。
表3から、本発明の塗料組成物(実施例1〜12)を用いて形成された塗膜は、耐水性に優れていることがわかる。
Figure 0004228107
試験例6(塗膜の溶解性試験(ロータリー試験))
水槽の中央に直径515mm及び高さ440mmの回転ドラムを取付け、これをモーターで回転できるようにした。また、海水の温度を一定に保つための冷却装置、及び海水のpHを一定に保つためのpH自動コントローラーを取付けた。
硬質塩ビ板(75×150×1mm)上に、防錆塗料(ビニル系A/C)を乾燥後の厚みが約50μmとなるよう塗布し乾燥させた後、実施例1〜12及び比較例1〜6で得られた防汚塗料組成物を、乾燥後の厚みが約300μmとなるよう塗布し40℃で3日乾燥させることにより試験板を作製した。作製した試験板を上記装置の回転装置の回転ドラムに海水と接触するように固定して、20ノットの速度で回転ドラムを回転させた。その間、海水の温度を25℃に、pHを8.0〜8.2に保ち、一週間毎に海水を入れ換えた。各試験板の初期の膜厚と毎6ケ月後の残存膜厚をレーザーフォーカス変位計で測定し、その差から溶解した塗膜厚を計算することにより塗膜溶解量を求めた。
塗膜溶解量は、1ヶ月あたりの塗膜溶解量(μm/月)で表した。結果を表4に示す。
表4から、本発明の塗料組成物(実施例1〜12)を用いて形成された塗膜は、海水中での溶解量が、一月当たり3〜8μm程度であり、加水分解速度がある程度抑制されているため、長期間安定して溶解することがわかる。しかも、本発明の塗料組成物(実施例1〜12)を用いて形成された塗膜は、24ヶ月後、クラックの発生や剥離が見られなかった。よって、防汚塗膜組成物を直接上塗りすることにより好適に防汚塗膜を形成でき、防汚性能を維持することができる。
比較例1の塗料組成物を用いて形成された塗膜は、海水中で溶解しにくく、防汚効果を有効に発揮できないことがわかる。比較例2の塗料組成物を用いて形成された塗膜は、塗膜が脆弱であるため、コールドフローが生じてしまうことがわかる。比較例3〜6の塗料組成物を用いて形成された塗膜は、耐水性が低いため、途中で、クラック・ハガレが生じてしまうことがわかる。
Figure 0004228107
試験例7(防汚試験)
実施例1〜12及び比較例1〜6で得られた防汚塗料組成物を、硬質塩ビ板(100×200×2mm)の両面に乾燥塗膜としての厚みが約200μmとなるよう塗布し乾燥させることにより、試験板を作製した。この試験板を三重県尾鷲市の海面下1.5mに浸漬して付着物による試験板の汚損を24ケ月観察した。
結果を表5に示す。
なお、表中の数字は汚損生物の付着面積(%)を表す。
表5から、比較例1〜6の塗料組成物を用いて形成された塗膜に比べ、本発明の塗料組成物(実施例1〜12)を用いて形成された塗膜には、ほとんど水棲汚損生物が付着していないことがわかる。これは、本発明の塗料組成物(実施例1〜12)を用いて形成された塗膜は、加水分解速度がある程度抑制されており、一定の速度で長期間安定して溶解するためである。
Figure 0004228107

Claims (11)

  1. (1)ガラス転移温度が−20℃以下で、数平均分子量が500〜20000であるエチレン性不飽和カルボン酸エステル重合体からなる高分子可塑剤、
    (2)一般式(I):
    Figure 0004228107
    (式中、Rは水素原子又はメチル基、R〜Rはそれぞれ同一又は異なって炭素数3〜8の分岐アルキル基又はフェニル基を示す)
    で表される(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル単量体Aと、前記単量体A以外のエチレン性不飽和単量体Bとの共重合体であって、ガラス転移温度が0℃以上で、数平均分子量が5000〜100000である、(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル共重合体、並びに
    (3)防汚薬剤
    を含む防汚塗料組成物。
  2. 前記高分子可塑剤が、ガラス転移温度が−40℃以下で、かつ数平均分子量が1000〜10000の(メタ)アクリル酸エステル重合体である、請求項1に記載の防汚塗料組成物。
  3. 前記(メタ)アクリル酸エステル重合体が、(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル単量体と、前記(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル単量体以外の(メタ)アクリル酸エステル単量体とを共重合させて得られるものである、請求項2に記載の防汚塗料組成物。
  4. 前記単量体Aが(メタ)アクリル酸トリイソプロピルシリルである請求項1に記載の防汚塗料組成物。
  5. 更に、ロジン亜鉛塩、ロジン誘導体の亜鉛塩、ロジン銅塩及びロジン誘導体の銅塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、請求項1に記載の防汚塗料組成物。
  6. 前記高分子可塑剤(1)を、前記共重合体(2)及び前記塩の合計量100重量部に対して1〜100重量部含む、請求項5に記載の防汚塗料組成物。
  7. 更に、脱水剤及び/又は水結合剤を含む、請求項1に記載の防汚塗料組成物。
  8. 請求項1に記載の防汚塗料組成物を用いて被塗膜形成物の表面に防汚塗膜を形成することを特徴とする防汚処理方法。
  9. 請求項1に記載の防汚塗料組成物を用いて形成される防汚塗膜。
  10. 請求項9に記載の防汚塗膜を表面に有する塗装物。
  11. (1)ガラス転移温度が−20℃以下で、数平均分子量が500〜20000であるエチレン性不飽和カルボン酸エステル重合体からなる高分子可塑剤、
    (2)一般式(I):
    Figure 0004228107
    (式中、Rは水素原子又はメチル基、R〜Rはそれぞれ同一又は異なって炭素数3〜8の分岐アルキル基又はフェニル基を示す)
    で表される(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル単量体Aと、前記単量体A以外のエチレン性不飽和単量体Bとの共重合体であって、ガラス転移温度が0℃以上で、数平均分子量が5000〜100000である、(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル共重合体、
    並びに
    (3)防汚薬剤
    を含む混合液を混合分散することを特徴とする防汚塗料組成物の製造方法。
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