JP4213061B2 - Qcmセンサーおよびqcmセンサー装置 - Google Patents

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    • G01G3/13Weighing apparatus characterised by the use of elastically-deformable members, e.g. spring balances wherein the weighing element is in the form of a solid body stressed by pressure or tension during weighing having piezoelectric or piezoresistive properties

Description

この発明は、ATカット水晶振動子等の圧電振動子への微量な質量の吸着により生じる圧電振動子の共振周波数の変化を検出するQCM(Quartz Crystal Microbalance)センサーおよび共振周波数の変化に基づいて質量を測定するQCMセンサー装置に関する。
上記のQCMセンサー装置の測定原理に関しては、共振周波数をf、吸着質量による共振周波数変化をΔf、質量変化をΔmとすると、Sauerbreyの式(非特許文献2参照)に基づき、下記式(1)で表される。
Δf=−K・f2 ・Δm …(1)
(ただし、Kは水晶の材料の弾性定数、密度、および電極面積により決まる定数である。)
式(1)の関係を用いれば、質量吸着の前後のATカット水晶振動子の共振周波数の差Δfを測定することにより、逆に、吸着した質量Δmを求めることができる。(1)式に示すように、測定される共振周波数の差Δfは共振周波数fの二乗に比例するので、共振周波数の高い圧電振動子を用いれば、単位質量当たりの周波数変化(Δf/Δm)すなわち、検出感度の高い質量検出が原理的には可能となる。例えば、共振周波数9MHzの水晶振動子を用いると、1ngの質量変化に対し1Hz程度の周波数変化を生じることから、水晶振動子を発振回路で発振させ、その出力を周波数カウンターで計測することで手軽にしかも高感度に質量変化を測定できる。また、水晶振動子を液体中で使用する際には、共振周波数は、液体の粘性率や密度にも影響され、共振周波数から逆に液体の粘度や密度に関する情報を得ることも可能である。
応用例として、大気中で微量有毒成分を検出するガスセンサーや匂いセンサー、また近年は特に溶液中で圧電振動子を発振させる技術が進んだことにより、有機化合物や生体分子を対象物としたケミカルセンサーあるいはバイオセンサーとして注目を集めている(例えば非特許文献1および2参照。)。
さらに、近年、ヒトゲノムの解析に見られるように、非常に多くの試料を同時、高速に分析する手法が確立し、DNA配列決定以外のバイオ分析装置に対しても、ハイスループット化の要望が高まっている。QCMセンサー装置においても、プロテオミクス(蛋白質の網羅的解析)や創薬の分野において、多数の蛋白質間の相互作用を、すべての組み合わせにおいて分析する必要性が高まっており、マルチチャンネル化が望まれている。
従来のQCMセンサー装置は、1度に1試料を測定する装置が主流であったが、水晶振動子を搭載した測定セルを複数用意し、同時に複数の振動子の共振周波数を測定する計測回路を用意することで比較的容易にマルチチャンネル化することが可能である。
従来のマルチチャンネルQCMセンサーとして、例えば、1枚の水晶基板2次元配列した複数の振動子の端子をマトリックス状に接続して、X方向の配線とY方向の配線をリレー等のスイッチ回路で切り換え、選択された配線の交点の振動子のみを発振回路に接続することにより配線の数を減らす工夫がなされている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1の図2において、51は1枚の水晶基板上に複数の振動領域を設けたマルチチャンネルQCMセンサーデバイスで、図中A〜Iが作用電極を示し、個々の振動領域となっている。この振動領域の裏面には裏面電極が配設されており、作用電極は図中縦方向に共通接続し、端子521、522、523に接続され、一方裏面電極は横方向に共通接続し、端子531、532、533に接続されている。縦方向配線は切換スイッチ55で選択され、横方向配線は切換スイッチ56で選択され、選択された振動領域の作用電極と裏面電極が発振回路またはインピーダンス測定回路54に接続され共振周波数が測定される。制御部57は複数の圧電振動子領域から縦方向と横方向を指定し、一つの圧電振動子領域を選択するための回路である。
ACOUSTIC WAVE SENSORS、ACADEMIC PRESS(ISBN 0−12−077460−7)p307−308、Examples of Biochemical Acoustic Wave Sensors BUNSEKI KAGAKU Vol.46、No.12、pp.917−930(1997):臨床検査のためのラテックス圧電素子イムノアッセイと圧電素子バイオセンサーの開発(918頁−929頁) 特開2000−338022号公報(図3、段落0048〜0051)
しかしながら、特許文献1に示す従来例においては、9個の圧電振動子領域において、すべての作用電極、裏面電極への配線を取り出すのに必要な配線数18本を、マトリックス状に配線を接続することにより、6本に減少させることが可能であるが、依然として6本の配線と2つの切換スイッチが必要である。さらに、特許文献1では、複数の圧電振動子領域から一つを選択して共振周波数を計測し、これを圧電振動子領域の数だけ繰り返す必要があるので、1計測点に要する時間が長くなる欠点を有している。特に共振周波数を発振周波数で計測する場合、発振停止状態から発振が安定状態に達するまでにかなりの時間を要するため、計測に必要な時間が長くなる欠点が強調されてしまう。しかも切換スイッチの動作も加わるため、計測作業が煩雑になっていた。
本発明は、マルチチャンネル化しても複数の圧電振動子と外部との間の配線数を少なくできるQCMセンサー、および配線数を少なくしても正確な測定が行え、マルチチャンネル化できるQCMセンサー装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかるQCMセンサー装置は、圧電振動子の表面に対する物質の吸着による当該圧電振動子の共振周波数の変化に基づいて前記物質の質量を測定するQCMセンサー装置において、一対の電極を有する複数の圧電振動子を並列接続し、接続端子を設けてなるQCMセンサー部と、前記QCMセンサー部の前記接続端子に接続され、前記複数の圧電振動子それぞれの前記共振周波数の共振周波数の変化量に基づいて前記物質の量または物理特性の変化を演算出力する共振周波数測定手段とを備え、前記共振周波数測定手段は、前記2つの接続端子を介して前記圧電振動子の合成アドミッタンスまたは合成インピーダンスの周波数依存性の情報を計測する計測手段と、前記計測手段により計測された情報に基づいて前記複数の圧電振動子それぞれの前記共振周波数を求める演算処理部とを備え、前記計測手段は、前記複数の圧電振動子の前記共振周波数をカバーする範囲で周波数を掃引して前記複数の圧電振動子それぞれのインピーダンスまたはアドミッタンスを計測し、前記演算処理部は、前記計測手段により計測された情報に基づいて、合成アドミッタンスまたは合成インピーダンスの等価回路定数を求め、前記複数の圧電振動子それぞれの共振周波数を求めることを特徴とする。
また、この発明にかかるQCMセンサーは、上記QCMセンサー装置に用いるQCMセンサーであって、前記複数の圧電振動子に設けられる前記一対の電極の一方を一括して接続し、前記一対の電極の他方を一括して接続する共通配線部と、前記共通配線部を接続する接続端子と、を備えたこと、すなわち前記複数の圧電振動子を並列接続したことを特徴とする。
本発明のQCMセンサーによれば、複数の圧電振動子と共振周波数測定手段との間を接続する配線の数を増やすことなく、外部との間の配線数を少なくでき、簡単にQCMセンサーのマルチチャンネル化を図ることができるという効果を奏する。また、本発明のQCMセンサー装置によれば、QCMセンサーと共振周波数測定手段との間の配線数を少なくし、かつ配線数が少なくてもマルチチャンネル化し、かつ、正確な測定が行えるという効果を奏する。
以下、本発明のQCMセンサーおよびQCMセンサー装置の各実施の形態を図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
はじめに、本発明の実施の形態1を説明する。図1は、本発明の実施の形態1にかかるQCMセンサー装置に用いられるQCMセンサーを示す図である。図2は、QCMセンサーを用いたセンサー装置の構成例を示す図である。
QCMセンサー部1は、圧電振動子である複数のATカット水晶振動子X(X1、X2〜XN)によって構成され、それぞれの水晶振動子X1、X2〜XNは相互に異なる共振周波数fo1、fo2〜foNを有している。各水晶振動子X1、X2〜XNの電極から引き出された2本の端子は、共通配線部によりすべての水晶振動子X1、X2〜XNと並列接続されて2つの接続端子TA,TBに一括して接続される。
図1で説明したQCMセンサー部1の接続端子TA,TBは、アドミッタンス計測手段2の測定端子に接続されている。QCMセンサー部1では複数の水晶振動子X1、X2〜XNが並列接続されているため、アドミッタンス計測手段2ではすべての水晶振動子X1、X2〜XNの合成アドミッタンスが計測される。測定されたアドミッタンスデータ4は、次に情報処理部3に送られてそれぞれの共振周波数が演算により求められる。これらアドミッタンス計測手段2と、情報処理部3は、共振周波数測定手段を構成している。なお、情報処理部3は、求められた共振周波数に基づいて測定時の試料の質量を演算により求める機能を有している。表示手段3Aには、情報処理部3の演算結果等が表示される。
はじめに、水晶振動子1個の場合の等価回路とアドミッタンス特性について説明する。図3は、QCMセンサーを構成している一つの水晶振動子の等価回路である。水晶振動子Xは、インダクタンスLx、容量Cx、抵抗Rxからなる直列共振回路と、電極容量および電極に接続する配線容量からなる並列容量Cpとからなる並列共振回路で表すことができる。
図4は、図3に示した等価回路のアドミッタンス特性を示す図である。図4において、横軸は周波数、縦軸はアドミッタンスの実数部Gを表す。共振周波数foでアドミッタンスの実数部G(コンダクタンス)が最大値Gmaxとなり、Gが半分に低下する周波数をそれぞれf1、f2とするとf1とf2の周波数差fwはfoをQ値(Quality Factor)で割った値に等しい。また、アドミッタンスの虚数部B(サセプタンス)は周波数f1で最大値Bmaxをとり、f2で最小値Bminをとる。
次に、図5は、4つの水晶振動子を並列接続したときの等価回路である。図1記載のQCMセンサー部1において、共振周波数をfw程度離した4つの水晶振動子を並列接続した場合の等価回路とアドミッタンス特性について説明する。等価回路定数には、水晶振動子X1〜X4に対応してLx1〜Lx4、Cx1〜Cx4、Rx1〜Rx4、Cp1〜Cp4の値を有している。
図6は、図5に示す等価回路のアドミッタンス特性を示す図である。図6(a)は大気中、図6(b)は生理食塩水等のバッファー溶液中、図6(c)はバッファー溶液中に試料を滴下した後のアドミッタンス特性を示している。各図の横軸は周波数(freq)、縦軸はアドミッタンス(実数部Gおよび虚数部B)を表す。実線GAで示すカーブが合成アドミッタンスの実数部(コンダクタンス)、点線BAで示すカーブが合成アドミッタンスの虚数部(サセプタンス)である。図6に示す特性は、図2記載のアドミッタンス計測手段2から出力されるアドミッタンスデータ4を視覚化したものに相当している。
図6(a)に示す大気中においては、4つの水晶振動子の共振点P1,P2,P3,P4がそれぞれ鋭く、明瞭に分離している。図6(b)に示すバッファー溶液中においては、大気中からバッファー溶液中に入れたときに38MHz水晶の場合、各水晶振動子の共振周波数は、それぞれ20KHz程度の周波数の減少(変化量Δf1B,Δf2B,Δf3B,Δf4B)が生じている。この後、図6(c)に示すように、試料を滴下すると、試料に対応する振動子の周波数の変化(変化量Δf1,Δf2,Δf3,Δf4)が生じている。
このように、水晶振動子をバッファー溶液に浸したり、その後試料を滴下することにより、各共振周波数が変動すると共に、共振点同士がなだらかにつながる傾向となる。4つの水晶振動子を並列接続した場合、合成したアドミッタンスは、各水晶振動子X1〜X4の加算で求められる。合成コンダクタンスGAは、4つの山がつながった形状を示す。一方、合成サセプタンスBAは低い共振周波数付近で最大値となり、高い共振周波数にかけて上下しながら高い共振周波数で最小値をとる形状を示す。各水晶振動子の共振周波数をfw(38KHz)程度離すことにより、4つの水晶振動子X1〜X4の各コンダクタンスGの共振点を互いに分離することができる。そして、後述する最小二乗法を用いることにより、図5に示した等価回路の全素子定数を求め、各水晶振動子の共振周波数fo1〜fo4およびQ値をそれぞれ正確に求めることができる。
図7は、アドミッタンス計測手段の構成を示すブロック図である。アドミッタンス計測手段2は、水晶振動子Xを所望の周波数範囲でスイープ駆動するための電圧制御発振器VCO11、出力増幅器12、水晶振動子Xを通過した駆動信号を入力信号として、その入力信号を増幅する入力増幅器13、入力信号の実数部および虚数部の信号強度を検出するための2組の位相検波器PD1(14a)およびPD2(14b)と、2組のA/D変換器AD1(15a)およびAD2(15b)と、全体を制御する制御回路(CONT)16を備えている。
被測定素子であるQCMセンサー部1に設けられた水晶振動子X(図1記載のX1〜XN)は、出力端子17aと入力端子17bの間に水晶振動子Xが接続される。VCO11は、制御回路16から出力された制御電圧SG1により、所望の周波数範囲とスイープ時間で正弦波をスイープ発振し、出力増幅器12で電力増幅された後、出力端子17aより出力される。
出力端子17aから出力された正弦波信号出力は、QCMセンサー部1の水晶振動子Xに供給され、水晶振動子Xの出力は入力端子17bに入力される。入力端子17bに入力された入力信号は入力増幅器13により増幅され、2組の位相検波器PD1(14a),PD2(14b)により位相検波される。VCO11は、実数部の位相検波器PD1(14a)と、虚数部の位相検波器PD2(14b)の位相検波に用いる位相信号を出力する。VCO11は、入力増幅器13で増幅した入力信号SG3に対して同位相(位相差0)の位相を持つ実数部位相信号SG4を実数部の位相検波器PD1(14a)に出力し、入力信号SG3に対して90度の位相差を持つ虚数部位相信号SG5を虚数部の位相検波器PD2(14b)に出力する。
実数部の位相検波器PD1(14a)は、入力信号SG3に対して位相差0の実数部位相信号SG4により位相検波されて、アドミッタンスの実数部に比例するアナログ信号SG6を出力し、一方、虚数部位相検波器PD2(14b)は、入力信号SG3に対して位相差90度の虚数部位相信号SG5により位相検波されて、アドミッタンスの虚数部に比例するアナログ信号SG7を出力する。
アドミッタンスの実数部および虚数部に比例したアナログ信号SG6,SG7は、次に、A/D変換器AD1(15a),AD2(15b)によりデジタルデータSG8,SG9に変換され、制御回路16によって適当なフォーマットに変換された後、デジタルインターフェイス18を介して後段の情報処理部3(図2参照)に出力される。この出力は、図2記載のアドミッタンスデータ4である。
上記構成例では、入力信号SG3と同じ周波数の位相信号SG4,SG5を用いて入力信号SG3を直接、位相検波する構成、いわゆるダイレクトコンバージョンタイプを採用している。これに限らず、一旦、入力信号SG3を中間周波数に変換した後に位相検波するシングルコンバージョンタイプや、2段階に中間周波を変換するダブルコンバージョンタイプを用いることもできる。
アドミッタンス計測手段2は、4つの水晶振動子X1〜X4の共振周波数をfw程度の余裕を持ってカバーするような範囲で周波数をスイープ(掃引)し、図6に示したアドミッタンス特性を計測する。周波数範囲はここでは、連続的な一つの周波数領域でスイープしたが、もちろん個別の水晶振動子の共振周波数に対応して、周波数領域が離れていても構わない。また、実施の形態1では共振周波数測定回路であるアドミッタンス計測手段2によりアドミッタンスを計測したが、本発明はこれに限定されるものではなく、インピーダンス測定等の演算処理により複数の水晶振動子すべての等価回路定数をそれぞれ求めることができる。
ここでアドミッタンス計測手段2としては、周波数をスイープ(掃引)しながらアドミッタンスを計測可能な装置であり、汎用のネットワークアナライザーや、インピーダンスアナライザー等を用いることも可能である。アドミッタンス計測手段2としては、Agilent社のネットワークアナライザーE5100A等を用いることができる。
アドミッタンス計測手段2から出力されるアドミッタンスデータ4は、図2記載の情報処理部3に入力される。情報処理部3は、パーソナルコンピュータ(PC)、あるいは専用ソフトを組み込んだCPU、あるいは専用ハードウエアなどで構成することが可能である。情報処理部3は、アドミッタンス測定手段2で得られた周波数に対するアドミッタンスの変化から、各水晶振動子X1、X2〜XNの共振回路の等価回路定数を、最小二乗法等を利用した演算処理で求める。そして、この等価回路定数によって共振周波数を演算で求める。そして、情報処理部3では、あらかじめ求めておいた質量感度を用いて、共振周波数の変化を質量変化に換算する演算を行い、質量変化出力OUT1〜OUTNに出力する。アドミッタンス計測手段2と情報処理部3との間は、GPIBインターフェイス等で接続することができる。
情報処理部3においては、アドミッタンス計測手段2で得られた各共振周波数に対するアドミッタンス特性から、各水晶振動子X1〜XNを並列接続したときの等価回路定数を最小二乗法等の数学的手法により推定し、ここで選られた等価回路定数から各水晶振動子X1〜XNの共振周波数を独立して計算する。なお、情報処理部3において等価回路定数を求めずに、直接共振周波数を求める構成にもできるが、等価回路定数に1度変換しておけばQ値なども容易に計算することが可能となり、QCMセンサー装置としての分析能力が高くなる。
図8は、この発明のQCMセンサー装置を用いた試料の測定手順を示すフローチャートであり、図9と共に説明する。図9は、共振周波数が異なる複数の水晶振動子を用いた測定時における共振周波数の変化を示すタイムチャートである。横軸は時間、縦軸は周波数であり、図6(a)〜(c)の各状態に対応する4つの共振周波数の変化の様子が示されている。
はじめに、大気中での水晶パラメータの測定を行う(ステップS1)。水晶パラメータとは、水晶振動子の等価回路定数(Lx,Cx,Rx,Cp)と、共振周波数f,Q値,アドミッタンスの実数部G(コンダクタンス)の最大値Gmax,アドミッタンスの虚数部B(サセプタンス)の最大値Bmax,最小値Bmin,この虚数部Bの最大値Bmaxの周波数f1,最小値Bmin,最小値Bminの周波数f2,最大値Gmaxの共振周波数foを指している。この測定時期は、図9の時期0〜T0の期間であり、水晶振動子X(X1〜X4)それぞれの共振周波数fo1A〜fo4Aが得られる(図6(a)の状態に相当)。得られたパラメータは後で、バッファー溶液中での共振周波数を求めるときの最小二乗法の初期値の推定に利用される。
次に、水晶振動子Xに設けられた容器(後述するウエル等)にバッファー溶液を注入する(ステップS2)。この時期は図9の時期T0である。水晶振動子Xがバッファー溶液に晒されることで、共振周波数は数20KHz程度低下し、同時にQ値は1000程度まで減少する。この減少は振動子の電極に溶液が触れた瞬間に生じるので、共振周波数は急速に低下した後、徐々に変化が緩やかになり安定する。ステップS2において時期T0でバッファー溶液を注入した後、水晶振動子Xの共振周波数が安定するまで数秒程度経過してから共振周波数測定手段(アドミッタンス計測手段2および情報処理部3)により、表示手段3A上に測定結果を数値、あるいはグラフ表示していく。
水晶振動子Xの共振周波数の変化が安定した後、バッファー溶液中での水晶振動子Xの共振周波数を測定する(ステップS3)。共振周波数は、図9の変化量Δf1B,Δf2B,Δf3B,Δf4Bだけ変化する(図6(b)の状態に相当)。
この後、被測定物質を含む試料溶液を添加する(ステップS4)。この時期は、図9の時期T1〜T4である。図9に示すように、試料に対応して振動子の周波数は変化量Δf1,Δf2,Δf3,Δf4を有して変化する。この共振周波数の変化を観察し、変化量Δf1,Δf2,Δf3,Δf4に基づいて試料そのものの質量を演算により求めることができる(図6(c)の状態に相当)。そして、共振周波数の変化が十分安定した後に(図9の時期T5)、測定を終了する(ステップS5)。図9に示す例では、4つの試料を添加(投入)する時間T1〜T4が異なるようにしたが、同時に導入しても測定が可能である。
上記測定処理をより詳細に説明する。特にアドミッタンス計測手段2によるアドミッタンスの計測処理と、情報処理部3による共振周波数の演算処理について詳細に説明する。図10は、複数の水晶振動子の共振周波数が一つあるいは異なる場合の測定手順を示すフローチャートである。図10に示す測定は、図8のステップS3(図9の時期T0〜T1間)の時期に開始して連続的に実行され、図8のステップS5の指示により終了する。
図10に示す連続測定ループは、ステップS11〜ステップS15からなる一連の測定処理(SM0)である。はじめに、情報処理部3(図2参照)からの指示により、アドミッタンス計測手段2は、水晶振動子Xのアドミッタンス特性を測定する(ステップS11)。このアドミッタンス測定は、決められた周波数範囲と時間による周波数掃引(スイープ)で行う。具体的には、図9の時期T0〜T5の期間中に各水晶振動子Xの共振周波数f1〜f4をカバーする周波数範囲をスイープして測定する。
次に、アドミッタンス計測手段2により測定され、デジタルデータに変換されたアドミッタンスデータ4を情報処理部3がデータ取得する(ステップS12)。そして、情報処理部3は、取り込んだアドミッタンスデータ4に対して最小二乗法の演算手法を用いて、複数の各水晶振動子X(X1〜X4)の共振周波数を計算で求める(ステップS13)。なお、この最小二乗法による演算内容の詳細は後述する。
次に、最小二乗法の計算の結果、収束の有無を判断する(ステップS14)。計算により正常な値が得られない等、値が収束せずに異常終了の場合は(ステップS14:No)、測定を中止し、情報処理部3の表示手段3Aにその旨を表示して一連の測定処理(SM0)による連続測定を終了する。また、測定ノイズ等の偶発的問題で異常終了する可能性もあるので、ステップS11からステップS13の処理を何回か再試行したのち収束しなかった場合に(ステップS14:No)、連続測定を終了させてもよい。
ステップS14の判断において、値が収束し(ステップS14:Yes)、正常な値が得られたときには、ステップS13の最小二乗法の演算によって得られた各水晶振動子X(X1〜X4)の共振周波数を表示手段3Aに数値あるいはグラフで表示する(ステップS15)。この後、終了判定(ステップS16)を行う。この終了判定において、測定終了の指示(図8のステップS5)がないときには(ステップS16:No)、測定終了の指示があるまで測定処理SM0を繰り返す。測定終了の指示があれば(ステップS16:Yes)、連続測定を終了する。
次に、情報処理部3が実行する最小二乗法による共振周波数の演算処理について説明する。情報処理部3は、アドミッタンス計測手段2から出力されたアドミッタンスデータに基づいた演算処理を実行する。
アドミッタンスデータ4が示すアドミッタンス特性によって複数の水晶振動子X(X1〜X4)の共振周波数をそれぞれ求めるには次の2段階で処理を行う。
1.非線形最小二乗法を用いて、アドミッタンス特性から複数の水晶振動子X(X1〜X4)の等価回路定数を求める。
2.上記1.により得られた等価回路定数により複数の水晶振動子X(X1〜X4)それぞれの共振周波数foとQ値を計算で求める。
1.非線形最小二乗法で等価回路定数を求める方法
水晶振動子の数学モデルを定めて最小二乗法を適用する。数学モデルは等価回路の周波数に対するアドミッタンスの変化を式で表したものである。今、求めたい未知数は等価回路定数なので、アドミッタンスは等価回路定数の関数として考える。等価回路におけるLx,Cx,Rx,Cpは、それぞれ直列インダクタンス、直列容量、直列抵抗、並列容量である。そして、アドミッタンスデータ4として周波数範囲でのアドミッタンスの測定値が得られている。この測定値に対して最も確からしい等価回路定数を求めるために最小二乗法を用いる。
はじめに、アドミッタンスは水晶の等価回路定数に対して非線形であるため、このままでは最小二乗法を適応することができない。そこで、数学モデルを線形化するために、初期値(推定値)Lx0,Cx0,Rx0,Cp0を設定する。最確値は初期値に補正値δLx,δCx,δRx,δCpを加えたものからなる。
そして、アドミッタンス関数をこの初期値の周りでテーラー展開して線形化することにより、アドミッタンスの差分(アドミッタンス測定値と初期値によるアドミッタンス計算値との差)δYiと等価回路の補正値δPjを線形関係とする。そして、最小二乗法を適用することで、補正値δPj(δLx,δCx,δRx,δCp)を求めることができる。
このように、水晶振動子Xの等価回路定数は、初期値を用意しておくことで最小二乗法を用いて最確値を求めることができる。ただし、初期値が真の値からずれている場合は、1回の補正だけでは不十分となる。この後、収束判定と反復処理を行う。反復判定においては、反復処理が不能なときには、異常終了とする。そして、反復処理を行うときには、前回の計算で得られた最確値を初期値として初期値を更新して再度補正計算を行う。
収束判定において収束と判定されたときには、等価回路定数を計算する。等価回路定数は、初期値に補正値を加えて得られる。直列インダクタンスLxはLx0+δLx、直列容量CxはCx0+δCx、直列抵抗RxはRx0+δRx、並列容量CpはCp0+δCpにより得られる。上記説明では、水晶振動子Xが1個の場合の等価回路定数の演算について説明したが、この水晶振動子が複数並列接続されている場合(X1〜XN)であっても等価回路定数の数が増えるだけであり数学的な取扱が同じであるため、上記と同様の処理により求めることができる。
2.等価回路定数より共振周波数foとQ値を求める方法
上記の処理で得られた等価回路定数をLx,Cx,Rx,Cpとすると、下記式(2),式(3)により得ることができる。
共振周波数f=1/(2π√(Lx・Cx)) …(2)
Q値=2π・f・Lx/Rx=1/(2π・f・Cx・Rx) …(3)
以上説明したように、非線形最小二乗法を用いた数学的処理により、アドミッタンス特性から水晶振動子Xの共振周波数fとQ値を求めることができる。
図11は、最小二乗法による共振周波数の演算処理手順を示すフローチャートである。
はじめに、アドミッタンス計測手段2で測定したアドミッタンスデータ4が示すアドミッタンス特性に基づいて、最小二乗法に用いる初期値を取得する(ステップS21)。次に、初期値に対する補正量を最小二乗法で計算する(ステップS22)。この後、収束判定を行う(ステップS23)。ここでは、補正量が初期値と比較して十分小さくなったかどうかを判断し、もし補正量が十分小さければ収束と判断し(ステップS23:Yes)、大きければまだ収束していないと判断する(ステップS23:No)。この場合には、さらに補正を継続する。
補正を継続する場合には、反復判定を行い、補正が規定回数に達したかを判断する(ステップS24)。反復判定の判断において、補正が規定回数に達した場合は(ステップS24:No)、補正を続けても収束の見込みがないと判断し、異常終了として処理を終了する。補正が規定回数に達していない場合は(ステップS24:Yes)、さらに補正を続ける。補正を続けるときには、初期値の更新を行う(ステップS25)。この際、ステップS22において求めた補正値を初期値に加えたものを新たな初期値として採用する。
以上で、1回の補正が終了するが、再度の補正を行うときには、ステップS22に復帰する。再度の補正後、ステップS23において収束と判断されれば(ステップS23:Yes)、共振周波数を計算するため、ステップS26を実行する。収束しない場合は(ステップS23:No)、ステップS24の反復判定においてあらかじめ規定した反復回数に達するまで補正を繰り返す。ステップS26では初期値に補正値を加えたものを等価回路定数として計算することにより、必要な水晶振動子Xに関する等価回路定数を求める。この後、共振周波数fや、Q値の計算を行い(ステップS27)、処理を終了する。
次に、図11における等価回路定数の初期値を取得する方法について説明する。水晶振動子Xの共振点が一つの場合と、2つ以上の複数の場合では、初期値の求め方が異なる。はじめに共振点が一つの場合を説明する。
(1)共振点が一つの場合の等価回路定数の初期値の求め方について
共振点が一つの場合は、測定したアドミッタンス特性から特徴的な3個所の周波数を選び出し、各点でのアドミッタンス値に基づく演算により等価回路定数の初期値を求めることができる。初期値は、アドミッタンス計測手段2から出力されるアドミッタンスデータ4のアドミッタンス特性に基づいて特徴的な3個所の周波数を選び出し、各点でのアドミッタンス値から計算して求める。図4に示したアドミッタンス特性上に描いた3つの周波数fo,f1,f2を選択して行う。
1.アドミッタンスの実数部Gが最大になる周波数foの実数部Gの値をGmax、アドミッタンスの虚数部B0とする。
2.アドミッタンスの虚数部Bが最大になる周波数f1の虚数部Bの値をBmaxとする。
3.アドミッタンスの虚数部Bが最小になる周波数f2の虚数部Bの値をBminとする。
以上の各値から次式(4)〜式(9)を用いて等価回路定数の初期値を求める。
共振周波数f=foまたは√(f1・f2) …(4)
直列抵抗Rx=1/Gmax …(5)
Q値(Q)=f/(f2−f1) …(6)
直列インダクタンスLx=Q・Rx/(2π・f) …(7)
直列容量Cx=1/(2π・f・Q・Rx) …(8)
並列容量Cp=B0/(2π・f)または
=(Bmax+Bmin)/(4π・f)…(9)
図12は、共振点が一つの場合における等価回路定数の初期値を求める手順を示すフローチャートである。この「初期値」とは、上述した最小二乗法の演算処理を開始するために用いる等価回路定数の「概略値」としての意味を有している。なお、この初期値は、バッファー溶液中、あるいは大気中を問わずに求めることができる。
はじめに、測定したアドミッタンスデータの実数部G(コンダクタンス)をサーチしてその最大値(ピーク値)Gmaxと、そのときの周波数foと、虚数部(サセプタンス)B0を決定する(ステップS31)。次に、アドミッタンスデータの虚数部B(サセプタンス)をサーチしてその正負のピーク値(最大値Bmaxおよび最小値Bmin)の周波数f1,f2を決定する(ステップS32)。そして、前記式(4)〜式(9)にしたがって共振周波数f、直列抵抗Rx、Q値、直列インダクタンスLx、直列容量Cx、および並列容量Cpを計算により求める(ステップS33)。
(2)共振点が複数(この例では4個)の場合のバッファー溶液中での等価回路定数の初期値の求め方について
図13は、共振点が複数ある場合における等価回路定数の初期値を求める手順を示すフローチャートである。図14は、複数の水晶振動子Xの各共振状態を説明するためのアドミッタンス特性を示す図である。また、等価回路は、図5に示す回路と同じである。但し、並列容量Cp1〜Cp4は、1つにまとめることができるので、その値をCpとする。以後、個々の水晶振動子のパラメータは添え字1〜4をつけて表現する。
はじめに、複数の各共振点の最大値の周波数f1〜f4と、各周波数f1〜f4におけるアドミッタンスデータの実数部G(コンダクタンス)の最大値Gmax1〜Gmax4を決定する(ステップS41)。次に、あらかじめ大気中で測定したそれぞれの共振点におけるコンダクタンスの最大値との比較から、直列抵抗Rx1〜Rx4と、Q値Q1〜Q4を計算する(ステップS42)。ここで、大気中においては共振のQ値が通常十分大きく、共振点は完全に分離しているので個別に共振点のコンダクタンスGとQ値を得ることができる。
ここで、バッファー溶液中での直列抵抗は、大気中での共振点の最大コンダクタンスとバッファー溶液中での共振点の最大コンダクタンスの比に反比例すると仮定する。また、バッファー溶液中でのQ値は、大気中での共振点の最大コンダクタンスとバッファー溶液中での共振点の最大コンダクタンスの比に比例すると仮定する。なお、バッファー溶液中に水晶振動子を晒したとしても直列インダクタンスLxと直列容量Cxの値は変化しないと仮定する。実際には大気中とバッファー溶液中では、直列インダクタンスLxと直列容量Cxは変化すると考えられるが、初期値としては高くない精度であってもよい。
次に、アドミッタンス特性の特定周波数領域における虚数部(サセプタンス)BAの平均値を求めて、並列容量Cpの計算を行う(ステップS43)。サセプタンスの平均値をB0とすると、下記式(10)、式(11)により計算する。
並列容量Cp=B0/(2π・f)…(10)
または、
Cp=(Bmax+Bmin)/(4π・f)…(11)
ここで、fは4つの共振周波数f1〜f4の平均値であり、特性周波数領域は、このfを中心とし4つの共振点を包含する領域を選ぶ。図14における周波数f1〜f4を含む領域に相当する。また、上記式(11)を用いる場合には、あらかじめ虚数部(サセプタンス)BAの最大値と、最小値を求めておく。
次に、バッファー溶液中での各共振周波数F(f1〜f4)、Rx(Rx1〜Rx4)、Q値(Q1〜Q4)を用いて、直列インダクタンスLxと直列容量Cxを下記式(12),式(13)を用いて計算する(ステップS44)。下記式(12)では、共振点f1における計算式であるが、他の共振点f2〜f4においても同様の計算により求めることができる。
直列インダクタンスLx1=Q1・Rx1/(2π・f1)…(12)
直列容量Cx1=1/(2π・f1・Q1・Rx1)…(13)
以上の手順により、バッファー溶液中であっても最小二乗法の演算を適用する際の初期値を求めることができる。ところで、図14に示したような複数の水晶振動子X(X1〜X4)に関するアドミッタンス特性(共振周波数f1〜f4と、アドミッタンスの実数部(コンダクタンス)G1〜G4と、アドミッタンスの虚数部(サセプタンス)B1〜B4等)の特性曲線は、上述した最小二乗法による演算後に情報処理部3(図2参照)の表示手段3Aに表示することができる。
実施の形態1では複数の水晶振動子X1、X2〜XNの共振周波数を相互に異なる値にした。その共振周波数の設定は、バッファー溶液中における水晶振動子のQ値を考慮してある一定値以上の間隔が空くような値に設定する。一例として、水晶振動子の共振周波数が38MHzで、試料中でのQ値がおよそ1000とすると、共振周波数の半値幅程度、すなわち共振周波数をQ値で割った値、38MHz/1000=38KHz程度離しておく。この例では、4つの水晶振動子の共振周波数が38.038MHz、38.076MHz、38.104MHz、38.142MHzになる。
また、実施の形態1においては、複数の水晶振動子の共振周波数の間隔fwを狭くすれば、より多くの水晶振動子を同時に計測可能であるが、周波数間隔が狭くなると、アドミッタンス特性上、共振カーブが重なってしまい、分離することが難しくなってくる。周波数間隔fwの最小値は、アドミッタンス特性から共振周波数を求める計算方法や、共振周波数の変化幅により異なってくるが、一般には半値幅程度の間隔があれば容易に分離可能である。複数の水晶振動子のQ値がお互いに異なっていれば、同一の場合よりもさらに狭くすることが可能である。結局、複数の水晶振動子の周波数間隔fwは、共振周波数の変化量を見込んで、変化後でも最小値よりも広くなるように設定しておくことが望ましい。
図15は、実施の形態1におけるQCMセンサー部の具体的な構成を示す平面図であり、図16は、図15のa−a’線断面図である。4つの水晶振動子X1〜X4を搭載した基板25の上に、厚さ10mmのアクリル製のブロック26が接着してある。このブロック26には水晶振動子X1〜X4の位置(振動領域)に合わせて、直径6mm程度の穴が開けられており、この試料保持部26a1〜26a4が試料を保持するウエルとして機能する。それぞれの試料保持部26a1〜26a4の底面には水晶振動子X1〜X4が位置し、試料保持部26a1〜26a4に導入した試料(バッファー溶液を含む)中に含まれる検出対象の物質を、水晶振動子X1〜X4の表面電極に形成したセンサー膜(詳細は後述する)に吸着させて検出を行う。図15に示すように、基板25の表面には、共通配線部27としての金属配線パターンが形成され、接続端子TA,TBに接続されている。
図17は、水晶振動子の一つの振動領域を示す側断面図である。水晶振動子X1は、金属配線パターンでできたパッド30、31の上に導電性接着剤32、あるいはACF(異方導電フィルム)を用いて接着および導通をとる。水晶振動子X1の裏面電極29bに対向する基板25には空気穴25aを空けて、水晶振動子X1の振動面が基板25に触れないようにしてある。パッド30は、水晶振動子X1の表面電極29a、裏面電極29bと電気的接続をとるための接続パッドである。パッド31は、水晶振動子X1の高さを調整するためのダミーパッドであり、表面電極29a、裏面電極29bは接触しないようになっている。パッド30は共通配線部(金属配線パターン)27を通じて接続端子TA、あるいはTBに接続される。導電性接着剤32を用いた場合は、パッド30、31の周りをシリコーン樹脂等33でシールして、試料との電気的絶縁を保つようにする必要がある。この図17には、一つの試料保持部26a1(水晶振動子X1)部分を示してあるが、他の水晶振動子X2〜X4部分も同様の構成である。
図18は、水晶振動子の表面(溶液に触れる側)を示す図であり、図19は、水晶振動子の裏面を示す図であり、図20は、水晶振動子の側面図であり、図19の矢印で示した側から見た図である。水晶振動子Xは、水晶基板40の表面に形成した表面電極29aおよび裏面電極29bより構成される。表面電極29aは、斜めの取り出し配線29cを介して裏面の接続パッドPAに接続されている。裏面電極29bは斜めの取り出し配線29dを介して裏面の接続パッドPBに接続されている。接続パッドPA、PBは、図17に示したパッド30に接続される。裏面電極29bは、表面側に回り込んでいない。つまり、試料に触れるのは表面電極29aのみとなるような構造とすることで、試料を含む溶液による表面電極29aと裏面電極29b間の短絡を防いでいる。図18および図19中の点線41は、基板25(図17参照)と接着する領域を示し、点線より外周部が基板25と接着される。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2を説明する。実施の形態2において、実施の形態1と異なるのは、複数の水晶振動子X1〜X4の共振周波数を、ほぼ同一にしたものである。例えば、4チャンネルのQCMセンサー装置において、4つの水晶振動子X1〜X4の共振周波数に、すべて38.000MHz近傍のものを用いる。
図21は、本発明の実施の形態2にかかる共振周波数を一致させた複数の水晶振動子を用いた測定時における共振周波数の変化を示すタイムチャートである。横軸は時間、縦軸は周波数である。複数の水晶振動子X1〜X4の共振周波数foが一致している場合は、図21に示すように時間が経過すると共に、共振点の数が変化する。図15および図16に示した4つのウエル(試料保持部26a1〜26a4)に時期T0でバッファー溶液を導入してから、4つの水晶振動子X1〜X4の共振周波数が安定するのを待つ。この際の共振周波数の変化分はΔfBである。この後試料を投入したとき、例えば、時期T1〜時期T2で共振点は2つ、時期T2〜時期T3では共振点が3つ生じる。そのため、共振周波数の測定にも工夫が必要になる。
共振周波数を一致させてあるので、共振を分離することができないが、もともと共振周波数が一致しているので分離する必要はない。共振周波数が図21中に示す時期T0で安定したところで、被測定の試料を含む試料溶液を試料保持部26a1に導入すると、水晶振動子X1の共振周波数f1が変化する。共振周波数f1がfoから変化すればアドミッタンス特性上、2つの共振に分離可能となり、共振周波数f1の変化が計測可能となる。以降、時刻T2〜T4で順次、異なる試料溶液を試料保持部26a2〜26a4に導入していけば、その都度、共振の分離が可能となり、水晶振動子X1〜X4に対応した共振周波数f1〜f4の変化を計測することが可能となる。
試料を滴下する時間に差をつけることで、共振周波数f1〜f4がどの水晶振動子X1〜X4に対応しているかは明らかである。共振周波数測定手段(情報処理部3)は、求めた共振周波数の変化量Δf1〜Δf4から、さらにあらかじめ求めておいた質量感度を用いて、周波数変化を質量変化に換算する演算を行う。
図21の箇所Aに示すように、共振周波数f1とf3がクロスするようなことがあっても、クロスする近傍では、2つの共振を分離できないが、その前後では分離可能であり、共振周波数の全体の変化を見れば、クロスしたことを容易に認識できる。また、図21の箇所Bに示すように共振周波数f2とf4が一致したような場合は、共振点の分離ができなくなるが、もともと一致しているものであるため分離の必要はなく、水晶振動子X2とX4の周波数の変化量Δf2とΔf4は等しい。このように複数の水晶振動子の共振周波数を一致させておいても、それぞれの水晶振動子の共振周波数の変化を計測することが可能である。
図22は、共振周波数を一致させた複数の水晶振動子を用いた測定手順を示すフローチャートである。共振点の数が時間経過とともに変化する場合の手順を示したもので、前述した図10における測定手順ステップS13およびステップS14部分における最小二乗法を用いた処理に相当するものである。
図22の処理手順では、共振点の数を変化させながら最小二乗法による演算を試みて、共振点の数が多いものを採用する構成となっている。はじめに、共振点が一つとして最小二乗法を用いた演算処理を行い(ステップS51)、次に、得られた結果の値が収束したか判断する(ステップS52)。共振点が一つとして処理をして値が収束しない場合は(ステップS52:No)、異常終了となる。値が収束した場合は(ステップS52:Yes)、共振点が2つとして、再び最小二乗法の処理を行う(ステップS53)。
2度目の処理の結果、収束しなかった場合は(ステップS54:No)、共振点は一つと判断し(ステップS55)、共振周波数はステップS51で得た結果を採用して処理を終了する。2度目の処理(ステップS53)でも収束した場合は(ステップS54:Yes)、さらに共振点が3つ、4つと一つずつ増やしながら同様の処理を繰り返す(ステップS56〜ステップS59)。共振点が4つとして処理し(ステップS59)、値が収束した場合は(ステップS60:Yes)、これ以上に共振点の数は増やさずに、共振周波数はステップS59で得た結果を採用して処理を終了する。
最小二乗法を用いた演算により共振周波数を求める処理ステップS51,ステップS53,ステップS56,ステップS59の処理内容は、図11に説明した方法を用いることができる。ただし、最小二乗法の演算に用いる初期値の取得には工夫が必要になる。共振点が一つの場合の初期値の取得は、図12を用いることが可能であるが、共振点が2つ以上の場合は、前述した図13を用いて説明した方法では初期値を取得することができない。
図13を用いて説明した初期値の算出方法は、大気中での共振周波数があらかじめ明瞭に分離していたものであるのに対し、この実施の形態2の構成では、複数の水晶振動子X1〜X4の共振周波数が一致しているからである。このような場合には、以下に示す方法により共振周波数の初期値を求める。
アドミッタンス特性において4つの共振周波数の最大値は、ほとんど一つに重なって見えているのが、実際は4つの共振点の位置がわずかにずれている。したがって、共振点が一つとして最小二乗法でフィッティングした共振周波数をfoとして、これにわずかなずれを加えた周波数を用いればよい。このわずかな量は数Hzから数KHzと適宜選んで最小二乗法を試行して収束したものを用いる方法でもよい。
あるいは、共振点が一つとして最小二乗法で求めた半値幅と、アドミッタンス特性の測定値から得た半値幅の差は、共振周波数のずれと同程度と考えて用いる方法でもよい。半値幅fwd、共振周波数をf、Q値をQとしてfwd=f/Qで求めることができる。以上説明した手順を用いることで、共振点の数が時間経過と共に変化する場合のそれぞれの共振周波数を測定することができる。
実施の形態2においては、共振周波数の測定精度は、共振の分離性能に依存するが、アドミッタンス特性から水晶振動子の等価回路定数を求める演算方法を工夫することにより、精度を向上させることが容易に可能である。実施の形態2によれば、水晶振動子の共振周波数は同一のものを用いればよいので、共振周波数が異なる複数の水晶振動子を用意する必要がなく、コスト低減に効果がある。さらに、水晶振動子の製造過程において周波数調整工程を省略した場合は、個々の水晶振動子の共振周波数がばらつくことになるが、ばらついた場合でも、測定精度の範囲で共振周波数を分離できるので、測定精度が許容される範囲において応用することが可能である。この場合、周波数調整工程が不要となりコスト低減により大きな効果がある。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3において、実施の形態1、2と異なるのはQCMセンサー部1の構成である。図23は、本発明の実施の形態3によるQCMセンサーの構成を示す平面図であり、図24は、図23の側面図である。実施の形態3では、1枚の水晶基板40上に4つの振動領域53a1〜53a4を設け、それぞれの振動領域53a1〜53a4を駆動するための電極を振動子の表面、および裏面に設けることで、水晶基板40上に4つの水晶振動子X1〜X4を形成したものである。
水晶振動子X1〜X4の表面電極と裏面電極は、それぞれ水晶基板40上の共通配線部52a,52bによって一括(並列)接続され、接続端子(接続パッド)PA、およびPBに導出されている。また、試料は、図15および図16に示した試料保持部26a1〜26a4を設けて保持するに限らない。例えば、図24に示すように、水晶振動子X1〜X4上にそれぞれ滴下した試料54a1〜54a4を、水晶基板40の表面張力を利用して保持する方式を用いることも可能である。この場合、意識的に水晶基板40の表面を疎水処理することで試料保持がより確実になる。
実施の形態3において説明した複数の水晶振動子X(X1〜X4)は、直線状に配置したが、マトリックス状に配置しても構わない。また、複数の水晶振動子Xの電極の表面に形成するセンサー膜は同一のものでもよいし、それぞれ別々の目的物質を吸着するセンサー膜を形成してもよい。
なお、上記各実施の形態では、複数の水晶振動子の電極をセンサー部側で一括に共通接続して接続端子を形成していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、共振周波数測定回路側で一括に共通接続してもよい。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について説明する。実施の形態4では、複数(2つ)の水晶振動子X1,X2の一方を基準測定用(リファレンス)として用いる構成である。前述した水晶振動子Xの共振周波数は、水晶振動子Xの電極上に吸着した質量のみならず、水晶振動子自体の温度や溶液の温度、溶液の粘度などによっても変化するため、共振周波数の測定結果にノイズやドリフト等の周波数変動を生じることが多く、これを取り除くために試料を含む溶液や水晶振動子Xの温度を一定に保つ等の工夫が必要となる。
溶液や水晶振動子Xの温度を完全に一定に保つことは困難であり、温度以外の要因として共振周波数を測定するための発振回路の温度依存性や、溶液中でのQ値の減少に伴う発振振幅の変動や、電磁ノイズの影響、溶液量の増減による発振回路への負荷の変動など様々な変動要因が考えられる。これらすべての要因を完全に取り除くことは極めて困難である。
被測定の物質を計測する水晶振動子X(以降ターゲット振動子と表記する)と、リファレンスとして用いる振動子(以降、リファレンス振動子と表記する)は、別体の振動子とすると、それぞれが受ける周波数変動も異なるために正確に周波数変動の影響をキャンセルすることが不可能な場合が多い。また、2つの振動子の共振周波数を測定するために、それぞれ個別の水晶発振回路を用いて発振させ、発振周波数を周波数カウンターで測定して共振周波数とみなす方式の場合は、これら個別の発振回路の特性差に基づく変動要因をキャンセルすることが困難となる。
また、発振回路を一つにして、時分割でターゲット振動子とリファレンス振動子を切り換えて発振させることで発振回路の特性差による変動要因を減少させることが考えられる。しかし、2つの水晶振動子の切り換える前の配線は、2つの水晶振動子で当然異なるため、この配線の相違によって生じる変動は2つの振動子で異るので、完全にキャンセルすることは困難となる。
図25は、実施の形態4によるQCMセンサー装置の構成を示す図である。この図25に示すQCMセンサー(水晶振動子)60は、単一の水晶基板40上に2つ(2ch)の振動領域を形成し、一方をリファレンスとして用いる構成例である。
図25に示すXTは被測定物質を検出するためのターゲット振動子であり、XRはリファレンス振動子である。これら一対のターゲット振動子XTと、リファレンス振動子XRに対して一つの試料保持部(ウエル)26aを設ける。ターゲット振動子XTと、リファレンス振動子XRの電極は、共通配線部27を構成している配線XAとXBとに並列接続されて、アドミッタンス計測手段2に接続される。前述した実施の形態同様に、アドミッタンス計測手段2は、ターゲット振動子XTと、リファレンス振動子XRのアドミッタンス特性を測定し、アドミッタンスデータ4を情報処理部3に送る。情報処理部3では上述した最小二乗法等の演算手法を用いてアドミッタンス特性に基づき、ターゲット振動子XTと、リファレンス振動子XRを、複数の共振回路を有する共振回路とみなしてその等価回路定数を最小二乗法を用いて計算する。そして、得られた等価回路定数から水晶振動子の共振周波数やQ値などの水晶振動子の等価回路定数を求め、表示手段3Aに表示する。
図26は、実施の形態4によるQCMセンサーを示す側断面図である。ターゲット振動子XTの表面電極29a1には、被測定物質と特異的に結合するセンサー膜61が付与されている。一方、リファレンス振動子XRにはセンサー膜61が付与されていない。情報処理部3は、ターゲット振動子XTと、リファレンス振動子XRの共振周波数の変化の差を求めることで、センサー膜61に結合(吸着)した質量に基づく周波数変化のみを取り出すことができる。
図27は、実施の形態4による水晶振動子を用いた測定時における共振周波数の変化を示すタイムチャートである。横軸は時間、縦軸は周波数である。水晶振動子X(ターゲット振動子XTとリファレンス振動子XR)には38MHz付近のものを用いている。
大気中(時期0〜時期T0)の期間においては、水晶振動子の共振周波数の最大値はいずれも鋭く、2つに明瞭に分離している。このとき、リファレンス振動子XRの共振周波数はfo1Aであり、ターゲット振動子XTの共振周波数はfo2Aである。
この後、時期T0で試料保持部26aにバッファー溶液を加えると、これら水晶振動子X(XR、XT)は、共に20KHz程度の周波数減少がある。リファレンス振動子XRの周波数の変化量はΔf1Bであり、ターゲット振動子XTの周波数の変化量はΔf2Bである。
この後、時期T1でバッファー溶液中に試料を含む溶液を添加すると、ターゲット振動子XTの共振周波数f2側は大きく変化(変化量Δf2)し、リファレンス振動子XRの共振周波数f1はわずかに変化する(変化量Δf1)。これは、試料を含む溶液を加えることによる温度変化や、バッファー溶液の粘性変化に基づく変化が要因と思われる。
したがって、情報処理部3では、これらターゲット振動子XTの共振周波数f2の変化量Δf2を、リファレンス振動子XRの共振周波数f1の変化量Δf1を用いて補正する。すなわち、変化量の差Δf2−Δf1を演算することにより、ターゲット振動子XTに吸着した質量変化に基づく共振周波数の変化を簡単、かつ正確に求めることができる。
このように、実施の形態4では、ターゲット振動子XTと、リファレンス振動子XRを、同一の水晶基板上に形成し、共通配線部27を介してアドミッタンス計測手段2内部の発振回路に共通接続し、得られた2つの共振周波数の差をとることにより、質量をさらに正確に測定できるようになる。この際、水晶振動子X(XT,XR)は、アドミッタンス計測手段2内部の単一の発振回路を用い、かつこれら2つの水晶振動子XT,XRに対して共通配線部27を介して駆動するため、複数の水晶発振回路で水晶振動子を発振させた場合や、異なる配線経路、配線回路の切り換え等によって生じる変動要因を未然に回避できる。
図28は、本実施の形態4におけるQCMセンサー部1の具体的な構成を示す平面図であり、図29は、図28のa−a’線断面図である。一対の水晶振動子Xであるターゲット振動子XTと、リファレンス振動子XRを搭載した基板25の上に、厚さ10mmのアクリル製のブロック26を接着してある。このブロック26にはこれら一対の水晶振動子X(XR,XT)を含むように試料保持部(ウエル)26aを設ける。試料保持部26aに導入した試料(バッファー溶液を含む)中に含まれる検出対象の物質を、一対の水晶振動子X(XR,XT)によって検出を行う。図28に示すように、基板25の表面には、共通配線部27としての金属配線パターンが形成され、接続端子TA,TBに接続されている。
図30は、本発明の実施の形態4における水晶振動子の構成を示す平面図である。水晶振動子60は、単一の水晶基板40に一対のターゲット振動子XTと、リファレンス振動子XRを形成してなる。水晶基板40の表面は、ターゲット振動子XTの表面電極29a1と、リファレンス振動子XRの表面電極29a2が形成されている。水晶基板40の裏面には、ターゲット振動子XTの裏面電極29b1と、リファレンス振動子XRの裏面電極29b2が形成されている。
表面電極29a1,29a2は、それぞれ斜めの取り出し配線29c1,29c2を介して裏面の接続パッドPA1,PA2に接続されている。裏面電極29b1,29b2は、斜めの取り出し配線29d1,29d2を介して裏面の接続部PB1,PB2に接続されている。図30中の点線41は、例えば、図17に示した基板25と接着する領域を示し、点線より外周部が基板25と接着される。
図31は、図30の水晶振動子に対する配線状態を示す図である。図示のように、共通配線部27は、表面電極29a1,29a2の接続パッドPA1,PA2を共通接続して接続端子TAに導出し、裏面電極29b1,29b2の接続パッドPB1,PB2を共通接続して接続端子TBに導出する。
図32は、実施の形態4における水晶振動子の他の構成例を示す図である。この図に示す例では、共通配線部27による共通配線の機能を水晶基板40上に形成している。ターゲット振動子XTの表面電極29a1と、リファレンス振動子XRの表面電極29a2は、これら電極29a1,29a2と同一の電極膜により形成された接続部29a3により接続されている。ターゲット振動子XTの裏面電極29b1と、リファレンス振動子XRの裏面電極29b2についても、これら電極29b1,29b2と同一の電極膜により形成された接続部29b3により接続されている。
そして、表面電極29a1,29a2は、一つの取り出し配線29cを介して裏面の接続パッドPA1に接続されている。裏面電極29b1,29b2は、斜めの取り出し配線29dを介して裏面の接続パッドPB1に接続されている。このような構成によれば、水晶基板40の外部位置での配線を行う必要がない。なお、接続部29a3,29b3は、水晶基板40を挟んで異なる位置に設けており、水晶基板40を共振させることがない。好ましくは、接続部29a3,29b3同士をできるだけ離すように形成することが望ましい。例えば、接続部29a3,29b3の形状は、互いに離れる方向に円弧状等に形成してもよい。
図33は、実施の形態4における水晶振動子の他の構成例を示す図である。図示の構成は、図30を用いて説明した水晶振動子60とほぼ同じ構成であるが、ターゲット振動子XTと、リファレンス振動子XRの面積が異なる構成である。具体的には、ターゲット振動子XTの表面電極29a1と裏面電極29b1の面積を大きく形成し、リファレンス振動子XRの表面電極29a2と裏面電極29b2の面積を小さく形成している。水晶振動子の共振周波数は、一般に電極面積を小さくすると高くなる特性を有している。このように、ターゲット振動子XTと、リファレンス振動子XRの面積が異なることにより、これらターゲット振動子XTと、リファレンス振動子XRの共振周波数を異なるように構成できるようになる。上記構成例に限らず、ターゲット振動子XTの面積を小さくし、リファレンス振動子XRの面積を大きくすることもできる。
なお、図23、図30、図31、図32、図33は、便宜上、表面電極側と裏面電極側をずらして記載してあるが、実際には水晶基板40を挟む同一位置に形成されている。
本発明によれば、圧電振動子とアドミッタンス計測手段とを接続する配線の数を増やすことなく、また圧電振動子を切り換えるためのスイッチ回路を用いることなく、1台のアドミッタンス計測手段において1回のスイープで得たアドミッタンス特性から、複数の振動子の共振周波数を取得することが可能となる。したがって、1チャンネルQCMセンサーと同じシステム構成、コストでマルチチャンネルQCMセンサー装置を実現することが可能になる。その際、共振周波数の変化だけでなく、試料溶液の粘度変化を反映するQ値の変化も同時に取得することができる。
この発明は、水晶振動子等の圧電振動子に吸着した物質の質量を検出する質量測定装置に用いることができ、特に、圧電振動子を複数用いて同時に多数の試料を測定するマルチチャンネル化された質量測定装置に用いることができる。
本発明の実施の形態1にかかるQCMセンサー装置に用いられるQCMセンサーを示す図である。 QCMセンサーを用いたセンサー装置の構成例を示す図である。 QCMセンサーを構成している一つの水晶振動子の等価回路である。 図3に示した等価回路のアドミッタンス特性を示す図である。 4つの水晶振動子を並列接続したときの等価回路である。 図5に示す等価回路のアドミッタンス特性を示す図である。 アドミッタンス計測手段の構成を示すブロック図である。 この発明のQCMセンサー装置を用いた試料の測定手順を示すフローチャートである。 共振周波数が異なる複数の水晶振動子を用いた測定時における共振周波数の変化を示すタイムチャートである。 複数の水晶振動子の共振周波数が一つあるいは異なる場合の測定手順を示すフローチャートである。 最小二乗法による共振周波数の演算処理手順を示すフローチャートである。 共振点が一つの場合における等価回路定数の初期値を求める手順を示すフローチャートである。 共振点が複数ある場合における等価回路定数の初期値を求める手順を示すフローチャートである。 複数の水晶振動子Xの各共振状態を説明するためのアドミッタンス特性を示す図である。 実施の形態1におけるQCMセンサー部の具体的な構成を示す平面図である。 図15のa−a’線断面図である。 水晶振動子の一つの振動領域を示す側断面図である。 水晶振動子の表面(溶液に触れる側)を示す図である。 水晶振動子の裏面を示す図である。 水晶振動子の側面図である。 本発明の実施の形態2にかかる共振周波数を一致させた複数の水晶振動子を用いた測定時における共振周波数の変化を示すタイムチャートである。 共振周波数を一致させた複数の水晶振動子を用いた測定手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3によるQCMセンサーの構成を示す平面図である。 図23の側面図である。 実施の形態4によるQCMセンサー装置の構成を示す図である。 実施の形態4によるQCMセンサーを示す側断面図である。 実施の形態4による水晶振動子を用いた測定時における共振周波数の変化を示すタイムチャートである。 本実施の形態4におけるQCMセンサー部の具体的な構成を示す平面図である。 図28のa−a’線断面図である。 本発明の実施の形態4における水晶振動子の構成を示す平面図である。 図30の水晶振動子に対する配線状態を示す図である。 実施の形態4における水晶振動子の他の構成例を示す図である。 実施の形態4における水晶振動子の他の構成例を示す図である。
符号の説明
1 QCMセンサー部
2 アドミッタンス計測手段
3 情報処理部
3A 表示手段
4 アドミッタンスデータ
11 電圧制御発振器(VCO)
12 出力増幅器
13 入力増幅器
14a,14b 位相検波器(PD1,PD2)
15a,15b A/D変換器(AD1,AD2)
16 制御回路(CONT)
25 基板
26 ブロック
26a1,26a2,26a3,26a4 試料保持部
27 共通配線部
29a 表面電極
29b 裏面電極
29c,29d 取り出し配線
40 水晶基板
53a1,53a2,53a3,53a4 振動領域
54a1,54a2,54a3,54a4 試料
X(X1,X2,X3,X4) 水晶振動子
TA,TB 接続端子
PA,PB 接続パッド

Claims (17)

  1. 圧電振動子の表面に対する物質の吸着によ当該圧電振動子の共振周波数の変化に基づいて前記物質の質量を測定するQCMセンサー装置において、
    一対の電極を有する複数の圧電振動子を並列接続し、接続端子を設けてなるQCMセンサー部と、
    前記QCMセンサー部の前記接続端子に接続され、前記複数の圧電振動子それぞれの前記共振周波数の共振周波数の変化量に基づいて前記物質の量または物理特性の変化を演算出力する共振周波数測定手段とを備え、
    前記共振周波数測定手段は、
    前記2つの接続端子を介して前記圧電振動子の合成アドミッタンスまたは合成インピーダンスの周波数依存性の情報を計測する計測手段と、
    前記計測手段により計測された情報に基づいて前記複数の圧電振動子それぞれの前記共振周波数を求める演算処理部とを備え、
    前記計測手段は、
    前記複数の圧電振動子の前記共振周波数をカバーする範囲で周波数を掃引して前記複数の圧電振動子それぞれのインピーダンスまたはアドミッタンスを計測し、
    前記演算処理部は、
    前記計測手段により計測された情報に基づいて、合成アドミッタンスまたは合成インピーダンスの等価回路定数を求め、前記複数の圧電振動子それぞれの共振周波数を求めることを特徴とするQCMセンサー装置
  2. 前記演算処理部は、
    前記計測手段により計測された前記複数の圧電振動子それぞれのインピーダンスまたはアドミッタンスの情報を用いた最小二乗法に基づく演算の実行により、合成アドミッタンスまたは合成インピーダンスの等価回路定数を求めることを特徴とする請求項1に記載のQCMセンサー装置。
  3. 1つの圧電素子基板上、または複数の圧電振動子基板上毎に少なくとも2つ以上複数の振動領域と、
    前記複数の振動領域を駆動するための複数の電極とを備え、
    前記複数の振動領域のうち一つを基準用の振動領域とし、
    前記複数の振動領域のうち残りを試料測定用の振動領域として用い、
    前記共振周波数測定手段は、
    前記試料測定用の振動領域によって計測された情報を、前記基準用の振動領域によって補正することを特徴とする請求項1に記載のQCMセンサー装置。
  4. 前記基準用の振動領域と、前記試料測定用の振動領域毎に同じ試料を保持する試料保持部を設けたことを特徴とする請求項3に記載のQCMセンサー装置。
  5. 請求項1に記載のQCMセンサー装置に用いるQCMセンサーであって、
    前記複数の圧電振動子に設けられる前記一対の電極の一方を一括して接続し、前記一対の電極の他方を一括して接続する共通配線部と、
    前記共通配線部を接続する接続端子と、
    を備えたことを特徴とするQCMセンサー。
  6. 前記電極は、前記圧電振動子の表裏両面にそれぞれ配設され、
    前記共通配線部は、前記表面の前記電極を一括して接続する第1の共通配線部と、前記裏面の前記電極を一括して接続する第2の共通配線部と、
    を有することを特徴とする請求項5に記載のQCMセンサー。
  7. 前記圧電振動子の表裏両面に前記電極をそれぞれ配設し、
    前記圧電振動子の表面に配設された電極を裏面に導出させる取り出し配線を備えたことを特徴とする請求項5に記載のQCMセンサー。
  8. 前記圧電振動子基板上に、複数の振動領域を形成する前記複数の電極を設けたことを特徴とする請求項5に記載のQCMセンサー。
  9. 前記複数の振動領域には、それぞれ試料を保持する試料保持部が設けられたことを特徴とする請求項8に記載のQCMセンサー。
  10. 前記試料保持部毎に一対以上の前記振動領域を設け、
    当該振動領域の一つを前記試料測定時の基準用振動領域として用いることを特徴とする請求項9に記載のQCMセンサー。
  11. 一対の電極を有する複数の圧電振動子と、
    前記複数の圧電振動子の前記一対の電極の一方と他方がそれぞれ一括して接続される接続端子とを備え、
    前記複数の圧電振動子が、
    各圧電振動子基板上毎に少なくとも2つ以上複数の振動領域と、
    前記複数の振動領域を駆動するための複数の電極とを備え、
    前記複数の振動領域のうち一つを基準用の振動領域とし、
    前記複数の振動領域のうち残りを試料測定用の振動領域として用いることを特徴とする請求項5に記載のQCMセンサー。
  12. 前記基準用振動領域に設けられる前記電極の表面には、前記試料中の被測定物質と特異的に結合するセンサー膜が形成されていることを特徴とする請求項10または11に記載のQCMセンサー。
  13. 前記複数の振動領域は、それぞれ共振周波数が異なるよう構成されたことを特徴とする請求項8に記載のQCMセンサー。
  14. 前記複数の振動領域は、前記電極の面積あるいは形状が異なることを特徴とする請求項13に記載のQCMセンサー。
  15. 前記複数の振動領域は、いずれも共振周波数が略同一となるよう構成されたことを特徴とする請求項8に記載のQCMセンサー。
  16. 前記圧電振動子の基板上に前記共通配線部を形成したことを特徴とする請求項5に記載のQCMセンサー。
  17. 前記圧電振動子の基板外で前記共通配線部を配線したことを特徴とする請求項5に記載のQCMセンサー。
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