JP4960171B2 - 感知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、感知対象物の吸着により固有振動数が変わる圧電振動子を複数チャンネル備え、これらチャンネルを順次切り替えて時分割により、周波数信号を測定部に取り込み、各チャンネルに係る感知対象物を感知するための感知装置に関する。
バイオテクノロジーの分野、食品分野及び環境保全の分野などにおいては、微量な物質の有無あるいは濃度の正確な検出を行わなければならない場合が多く、その手法として水晶振動子を用いた感知装置を利用したQCM(Quartz Crystal Microbalance)測定法が知られている(特許文献1)。この測定法は水晶振動子の表面に前記ダイオキシンなどの感知対象物質を付着させると、その水晶振動子の固有振動数がその付着量に応じて変化する性質を利用したものであり、10−12g/mlオーダの高い分析精度を持つ。従ってこの測定法は高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる公定法(JIS)やELISA法(酵素固定化免疫測定法)に比べてコスト、分析に要する時間の短さ及び分析精度の点で格段に有利である。
そして最近では、ある特定の分子しか化学結合しない抗体の開発も盛んに行われており、予め水晶振動子の表面(詳しくは電極の表面)に、検体に対して抗体抗原反応を起こす抗体を吸着層として形成することで各種分野の分析、解析を行うことが可能になってきている。
ところで水晶振動子を用いて溶液中の汚染物質や血液中の抗原を測定する手法においては、センサ部分を繰り返し使おうとすると洗浄が必要であるし、また抗体抗原反応に長い時間がかかる場合があり、更にまた多数の検体を測定することで分布データを取得して統計的な評価も行うことがあるため、効率的な手法が望まれている。こうしたことから多数の水晶センサを使って同時に測定することが検討されている。多数の水晶センサを用いる技術は、特許文献1などに記載されている。
図17は8つの水晶振動子11a〜11hが接続された8チャンネル構成の感知装置1を示している。図中12a〜12hは水晶振動子11a〜11hの発振回路であり、各発振回路12a〜12hの後段には図に示すようにスイッチ部13a〜13oを備えた信号切り替え部14が設けられている。信号切り替え部14の後段には周波数を計測する周波数計測部を含んだ測定本体部15が設けられている。
スイッチ部13a〜13oは図示しない切り替え制御部により切り替え制御される。具体的には水晶振動子11a〜11hの各々を測定本体部15に順次一個ずつ繰り返し接続するように、即ち8つのチャンネルが例えば順番に1個ずつ接続された状態となるように各スイッチ部13a〜13oに制御信号を出力し、8つの水晶振動子11a〜11hからの周波数信号(8つの発振回路12からの周波数)が時分割して測定本体部15に出力されるようになっている。そして特許文献1においては、測定本体部15は概略的な言い方をすれば各周波数信号の位相に基づいて、8つの水晶振動子11a〜11hの周波数を並行して算出し、算出された周波数に基づいて感知対象物質の定量及び存在の有無の判定が行われる。
ところで後述の評価試験で示すように所定の発振回路12から次の発振回路12に測定本体部15への出力を切り替えた直後は、測定される周波数が一時的に上昇する周波数ジャンプと呼ばれる現象が生じる。この理由について後述の実験例などから次のように推測している。スイッチ部において発振回路が測定部に接続される側の接点をオン接点、発振回路が測定部から切り離される側の接点をオフ接点とすると、発振回路がオフ接点に切り替わっているときには発振回路からの出力を全反射した反射波つまり180°位相がずれた反射波が発生する。このためオン接点からオフ接点に切り替わった直後は、反射波の影響により波形のつながりに乱れが生じると考えられる。このため波形が乱れたままオフ接点からオン接点に切り替わると、測定部に向かう発振出力の周波数信号の波形に乱れが生じる。またオフ接点からオン接点に切り替わった後にも、図18に示すように反射波によって波形のつながりに乱れが生じ、このようにオン接点からオフ接点への切り替わり時とその逆の切り替わり時とにおける波形の乱れが重畳されて、結果として測定部に入力された周波数信号の波形が乱れて周波数ジャンプが起こっているものと推測される。このため水晶振動子に吸着したときにおける感度が劣化し、周波数計測精度が劣化する。
そこで従来は、チャンネル切り替え後から周波数が安定するまで、周波数を測定しないガードタイムと呼ばれる信号の安定化時間を確保し、そのガードタイム経過後に周波数の計測を開始している。
しかしガードタイムを長く設定すると、各チャンネルに割り当てられた時分割処理の1スロット分の時間が長くなり、周波数のサンプリングの間隔が長くなる。そうなるとコンピュータのサンプリング値の更新に長い時間がかかってしまう。そのため、測定時間を長くすれば測定精度は低下しないが、同じ測定時間計測すれば、周波数の分解能が低下して、結局測定精度も低下する。
特許文献1では、同様な構成の感知装置においてオフ接点に終端負荷を接続しているが、これは発振回路の発振周波数を少しずらし、測定中の発振回路と切り離された発振回路との間で周波数スペクトラムの重なりを防止しようとするものであり、位相を補正するものではない。従って上述の問題を解決することはできない。
特開2006−184260号公報:図4
本発明は、上述のような事情によりなされたものであり、感知対象物を吸着することで固有振動数が変わる圧電振動子を夫々備えた複数チャンネルの周波数信号を時分割制御で測定部に取り込むにあたって、チャンネルの切り替わり時の周波数ジャンプを抑えて、精度高く感知対象物の感知を行うことができる感知装置を提供することである。
本発明の感知装置は、感知対象物を吸着するための吸着層がその表面に形成され、感知対象物の吸着により固有振動数が変わる圧電振動子を用い、この圧電振動子の固有振動数の変化により感知対象物を感知する感知装置において、
複数の圧電振動子と、
前記複数の圧電振動子を夫々発振させるための複数の発振回路と、
前記複数の発振回路を前記測定部に順次切り替え接続するために各発振回路毎に設けられ、発振回路の出力端を測定部に接続するための第1接点と、この第1接点との間で当該発振回路の出力端が切り替えられて測定部から切り離される第2接点と、を備えた切り替え部と、
前記複数の発振回路からの周波数信号を時分割制御により順次前記測定部に取り込ませるように前記切り替え部に対して切り替え信号を出力する制御部と、
前記第2接点に接続され、前記切り替え部の切り替え時に発振回路からの周波数信号の波形の乱れを抑えるために、前記発振回路からの周波数信号の位相をずらす位相補正回路部と、を備えたことを特徴とする。
前記位相補正回路部は、例えば前記周波数信号の位相のずれが絶対値で17°から41°の範囲となるように構成されていてもよく、前記測定部は、切り替え信号が出力されてから、1ミリ秒以上経過した後の周波数測定値を有効とするように構成されていてもよい。
本発明によれば、圧電振動子及び発振回路を含む複数のチャンネルの切り替え接点について、発振回路が測定部から切り離される側の接点に、発振回路の周波数信号の位相をずらす位相補正回路部を設けているため、後述の実験結果からも分かるように発振回路を測定部に接続したときの波形の乱れが抑えられ、このため周波数ジャンプが低減する。このためチャンネルの切り替わり後に確保される信号安定化時間であるガードタイムが短くても波形の乱れが抑えられるので、結局感知対象物の測定を高精度に行うことができる。
以下に本発明に係る感知装置の実施の形態について説明する。先ず感知装置の全体構造について簡単に説明しておく。この感知装置2Aは図1に示すように、複数例えば8個の水晶センサ2と、これら水晶センサ2が着脱自在に装着される発振回路ユニット3と、発振回路ユニット3に接続される測定器本体4とを備えている。発振回路ユニット3は、後述する発振回路E(E1〜E8)、信号切り替え部32及び切り替え制御部33を備え、測定器本体4は後述する測定本体部40を備えている。
水晶センサ2は、図1及び図2に示すように配線基板例えばプリント基板21を備えており、このプリント基板21は、その表面側に凹部23が設けられたゴムシート22が重ねられ、ゴムシート22の下面側の突出部位が、プリント基板21の開口部23aに嵌合している。そして前記凹部23を塞ぐように圧電振動子である水晶振動子24が設けられており、水晶振動子24の下面側は気密空間に面し、水晶振動子24の上面側の空間には注入口25aから注入された試料溶液が満たされるようになっている。図中25bは前記空間における試料溶液の有無を確認するための確認口である。水晶振動子24は、円形の水晶片の両面に夫々不図示の電極が設けられ、これら電極は導電性接着剤26を介して基板21に設けられている一対の導電路であるプリント配線27a,27bに夫々電気的に接続されている。また上面側の電極には試料液の測定対象物質に応じて、その物質を吸着するための吸着層が設けられる。
図3は、感知装置のブロック図である。このブロック図において発振回路ユニット3に装着される8個の水晶センサ2は便宜上F1〜F8の番号を付して示している。水晶センサF(F1〜F8)は、試料液中の感知対象物を水晶振動子24の上面側の電極表面に吸着させることによって、その固有周波数の変化を検知する感知センサとして用いられる。
発振回路ユニット3は、水晶センサF1〜F8を夫々発振させるため8チャンネルの発振回路E1〜E8を備えており、図1に示す発振回路ユニット3の差込口に水晶センサF1〜F8が差し込まれることにより、差込口に設けられた端子部(不図示)と水晶センサF1〜F8のプリント配線27a,27bが夫々電気的に接続され、水晶センサF1〜F8が各発振回路31と電気的に接続されて、各水晶振動子2が発振する。そして各水晶センサF1〜F8の電気信号(周波数信号)が、発振回路E1〜E8の後段の信号切り替え部32へと出力される。
信号切り替え部32はスイッチSW1〜SW15を備え、各発振回路E1〜E8の後段には夫々スイッチSW1〜SW8が設けられているが、図示の便宜上信号切り替え部32の構造は簡略化して示しており、発振回路E3〜E8の後段の枠D2〜D3内は、発振回路E1及びE2の後段の点線の枠D1内と同様にスイッチSW及び後述する位相補正終端回路Gが接続されることにより構成されている。SW1及びSW2の後段にSW9が接続されているように、SW3及びSW4の後段にはSW10、SW5及びSW6の後段にはSW11、SW7及びSW8の後段にはSW12が夫々接続されている。そしてSW9及びSW10の後段にはSW13が、SW11及びSW12の後段にはSW14が夫々接続され、図に示すようにSW14及びSW14の後段にはSW15が接続されている。
スイッチSW1〜SW8の各接点Aは、後段のスイッチSW9〜12、スイッチSW13、スイッチSW15が夫々切り替わることにより測定本体部40に接続される、オン接点となっている。またスイッチSW1〜SW8のオフ接点である各接点Bの後段には位相補正終端回路G(G1〜G8)が接続されている。スイッチSW1〜SW15は後述する切り替え制御部33からの切り替え信号(制御信号)を受けて切り替わる。
位相補正回路部である位相補正終端回路G1〜G8は、各々例えばコンデンサ、抵抗及びインダクタなどを含んでいる。作用で説明するように各スイッチSWが切り替わり、各発振回路Eが、その発振回路Eに対応する位相補正終端回路Gから測定本体部40に接続される。そして測定本体部40に接続されたときに測定本体部40に出力される周波数信号の波形の乱れが抑えられるように、各発振回路Eから位相補正終端回路Gに出力される周波数信号の位相が、測定本体部40に出力される周波数信号の位相に対して例えば40°進むように(+40°ずれるように)各位相補正終端回路Gが構成されている。
信号切り替え部32のスイッチSW15の後段の測定本体部40は、アナログ/ディジタル(A/D)コンバータ41、周波数測定部42、周波数演算部43及び図示しない表示部により構成されている。A/Dコンバータ41は各発振回路Eから順に出力される周波数信号(アナログ信号)をディジタル信号に変換する。
A/Dコンバータ41の後段には周波数測定部42が設けられている。周波数測定部42はFPGAにより構成されており、A/Dコンバータ41からのディジタル信号を処理し、例えば2006−184260号公報に記載されている手法により発振回路Eの周波数を計測する。なおこの周波数の計測手法については公知の種々の手法を採用することができる。また周波数測定部42は、切り替え制御部33に接続されており、当該切り替え制御部33に制御信号を送る。
切り替え制御部33は周波数測定部42からの制御信号に基づいて、発振回路E1〜E8が測定本体部40に順次一個ずつ接続される、つまり検出端側の8つのチャンネルが順番に一個ずつ接続された状態となると共に測定本体部40に接続されているチャンネルの発振回路以外の発振回路Eについては対応する位相補正終端回路Gに接続されるように、各スイッチSWに切り替え信号(制御信号)を出力する機能を有しており、この切り替え信号によって各スイッチSWは、例えば後段側から順に、つまりSW15、SW13及び14、SW9〜SW12、SW1〜8の順に切り替わるようになっている。
測定本体部40に接続される各チャンネルの切り替えは例えば12.5nsecで行われ、周波数測定部42は8つの水晶センサF1〜F8からの周波数信号(8つの発振回路E1〜E8からの周波数)を時分割して取り込み、これにより周波数測定部42にて、8つの水晶センサF1〜F8の周波数を並行して求めることができるようになっている。チャンネルの切り替え時間である12.5nsecは例えば発振回路Eの周波数の41°〜42°分のずれに対応しており、またこのチャンネルの切り替え時間は、後述のガードタイムよりもはるかに短く、実質ゼロとなるように設定されている。
周波数測定部42の後段には例えばCPUを含んだ周波数演算部43が設けられており、周波数演算部43は各チャンネルの周波数を演算して求める。演算された周波数は表示部に表示される。
次に上述の感知装置2Aの作用について説明する。先ず発振回路ユニット3と測定器本体4とを接続し、水晶センサF1〜F8を発振回路ユニット3に差込み、水晶振動子24を例えば空の状態で発振させる。
その後、例えば測定本体器4に設けられた測定を開始するためのボタン(不図示)をユーザが押すと、周波数測定部42から切り替え制御部33に制御信号が出力され、順次発振回路E1〜E8がスイッチSW1〜SW15の切り替わりにより測定本体部40に接続される。測定本体部40では各チャンネルごとに周波数の計測が行われる。ある時刻t1でユーザが各水晶センサF1〜F8に測定対象物を含まない例えば純水を注入して、水晶振動子24の発振周波数が低下し、発振が安定した後、続いてある時刻t2で測定対象物質例えばダイオキシンを含んだ試料溶液を水晶センサF1〜F8に注入する。測定対象物質は水晶振動子24の励振電極に設けられた吸着層に吸着し、水晶振動子24の発振周波数が低下する。図4は表示部に表示された周波数のグラフを表示したものであり、ユーザは時刻t1〜t2間での安定した周波数とt2の後の安定した周波数との差qから、予め求めておいた検量線などを用いて各チャンネルのダイオキシンの濃度を測定する。
今、発振回路E8の測定が行われているとすると、発振回路E1の経路におけるスイッチSW1は図5(a)に示した状態になっている。発振回路E8の測定が終了すると、切り替え制御部33が各スイッチSWに切り替え信号を出力し、各スイッチSWが図5(b)に示すように切り替わり、発振回路E8の接続が測定本体部40から位相補正終端回路G8に切り替わると共に発振回路E1の接続が位相補正終端回路G1から測定本体部40に切り替わる。
図6に示すように周波数測定部42から切り替え制御部33に制御信号が出力されてから予め設定された所定の時間(ガードタイム)である例えば少なくとも1msecが経過すると、周波数測定部42が周波数を計測し、詳しくは発振回路E1からの周波数と基準信号の周波数との差分の周波数を計測し、計測された周波数が時分割データとしてメモリに記憶されると共に表示部に表示される。
発振回路E1の周波数の計測を開始してから予め設定された時分割処理、即ち各チャンネルに割り当てられたスロットの時間が経過すると切り替え制御部33からの切り替え信号に基づいて先ずスイッチSW9の接点が切り替えられ、その後スイッチSW1の接点がAからB側に切り替えられ、続いてスイッチSW2の接点がBからA側に切り替えられ、発振回路E2が周波数測定部42に接続される。そして発振回路E2からの出力信号に基づいて発振回路E2に対応する周波数の計測が行われる。
この実施形態によれば、水晶センサF及び発振回路Eの後段側のスイッチSW1〜SW8について、発振回路Eが測定本体部40から切り離される側の接点に、発振回路Eの周波数信号の位相をずらす位相補正終端回路Gを設けているため、信号切り替え部32により発振回路Eが各々位相補正終端回路Gから周波数測定部42に接続されたときに、後述の実験結果からも示されるように周波数の波形が乱れることが抑えられる。これは周波数信号の位相がずれることによりその反射波の位相が180°からずれ、その影響が少なくなるためであると考えられる。従ってスイッチ切り替え後における安定化時間であるガードタイムを短くしながら、スイッチ切り替え直後の周波数ジャンプを抑えることができる。この結果高精度な周波数測定を行うことができ、試料溶液の測定対象物質の濃度を高精度で測定することができると共に測定時間の短縮化を図ることができる。
図7は他の感知装置の構成を示したものであり、この感知装置5のスイッチSW1の接点Bには回路55a、回路56aが互いに並列に接続されており、これら回路55a、56aにより位相補正終端回路部57aが構成されている。また同様にスイッチSW2の接点Bには回路55b、回路56bが互いに並列に接続されており、これら回路55b、56bは位相補正終端回路部57bを構成している。位相補正終端回路部57a、57bは位相補正終端回路Gと同様に測定本体部40に流れる電流の位相に対して、これら位相補正終端回路部57a,57bに流れる電流の位相をずらす役割を有し、各回路55a,56a,55b,56bは、夫々例えばコンデンサ、抵抗及びインダクタなどを含んだ回路である。
図8は感知装置5による周波数計測のタイムチャートである。スイッチSW9に出力される制御信号を出力信号選択制御信号、スイッチSW1及びSW2に出力される制御信号を位相補正制御信号として夫々示しており、各制御信号は互いに対応して切り替え制御部33から出力され、図8中Hで示す値の出力信号選択制御信号がスイッチSW9に出力されると、スイッチSW9が発振回路E1側の接点Cに接続され、また図8中Hで示す値の位相補正制御信号がスイッチSW1,SW2に出力されると、スイッチSW1が接点AにスイッチSW2が接点Bに夫々接続されて、図9(a)に示すように発振回路E1が測定本体部40に接続される。
また図中Lで示す値の出力信号選択制御信号がスイッチSW9に出力されると、スイッチSW9が発振回路E2側の接点Dに接続され、図10中Lで示す値の位相補正制御信号がスイッチSW1,SW2に出力されると、スイッチSW1が接点BにスイッチSW2が接点Aに夫々接続されて、図9(b)に示すように発振回路E2が測定本体部40に接続される。この感知装置5においてもタイムチャートに示すように各スイッチSWの切り替え動作は出力側から行われ、各スロットにおいて出力信号選択制御信号の出力後、ガードタイムが経過したら周波数が計測される。このような構成の感知装置5においても発振回路E1,E2からの周波数を測定するにあたり、発振回路Eを切り替えた直後の周波数ジャンプの発生が抑えられる。
(評価試験1−1)
従来の感知装置1において、各水晶センサ11に試料液を入れて発振させ、信号切り替え部14により測定本体部15に接続される発振回路12を切り替え、各発振回路12a〜12dから発振される周波数を測定した。発振回路12b〜12dから出力される周波数は9167000Hzで安定していたが、発振回路12aから出力される周波数については、図10に示すように周波数ジャンプが観察された。なおグラフにおいて発振回路12b〜12dから検出された周波数は便宜上省略している。
(評価試験1−2)
続いて評価試験1−1と同様に感知装置1を用いて、発振回路12a〜12dから出力される各周波数の計測を行った。ただし周波数計測中は信号切り替え部14による測定本体部15への切り替えを行わず、発振回路12a〜12dについて個別に周波数の測定を行った。図11は、発振回路12aから出力された周波数を示したグラフである。このグラフに示されるように周波数ジャンプは測定されなかった。また便宜上表示を省略しているが、発振回路12b〜12cから出力された周波数も発振回路12aから出力された周波数と同じく一定であり、周波数ジャンプは観察されなかった。評価試験1−1及び1−2の結果から各発振回路12の測定本体部15への接続の切り替えにより周波数ジャンプが起きていることが分かる。
(評価試験1−3)
図12(a)、(b)は、感知装置1を便宜上簡略して示した図であり、図中H1が水晶振動子11a〜11dに、H2が水晶振動子11e〜11hに、I1が発振回路12a〜12dに、I2が12e〜12hに夫々相当する。つまり4つのチャンネルについて夫々同じように測定を行っている。点Jは、発振回路I1とその後段のスイッチとの間の点、点Kはそのスイッチとさらに後段のスイッチとの間の点、点Lはスイッチのオフ端である。図12(a)、(b)に示すように信号切り替え部14の各スイッチを切り替え、点JK間の電流の位相と点JL間の電流の位相とを測定した。位相の測定は、各スイッチが切り替わってから所定の時間が経過した後に行った。
図13(a)は点JK間の周波数及びその位相を示したグラフであり、図13(b)は点JL間の周波数及びその位相を示したグラフである。各グラフの縦軸は位相、横軸は周波数を夫々示しており、各グラフの点P1、P2における周波数は夫々7.908MHz、9.182500MHzである。点P1に対応するJK間の周波数の位相は85.963°、JL間の周波数の位相は87.69°であり、点P2に対応する点JK間の周波数の位相は71.271°、JL間の周波数の位相は72.218°であった。同一の周波数でこのように位相は略同じであっても評価試験1−1で示されるように周波数ジャンプが発生していることから、スイッチの切り替え後、所定の時間が経過すると周波数の乱れが収まるが、スイッチの切り替え直後には周波数の乱れが起こっていると考えられる。
(評価試験2)
評価試験1−3と同様に感知装置5について各スイッチSWを切り替えて発振回路E1、E2の周波数を測定する場合における、図14で示した点MN間及び点MO間の電流の位相を測定した。なお図14に示すようにここでは点LはスイッチSW1と位相補正終端回路部57aとの間に設定している。
図15(a)は点MN間の周波数及びその位相を、図16(b)は点MO間の周波数及びその位相を夫々示したグラフであり、各グラフの縦軸、横軸は図14のグラフと同じように位相、周波数を夫々示している。点P3、P4における周波数は夫々7.908MHz、9.18MHzである。点P3において点MN間の周波数の位相は87.005°、MO間の周波数の位相は49.275°であり、点P4において点MN間の周波数の位相は71.389°、MO間の周波数の位相は30.773°である。従って位相差は41°〜42°であった。このとき評価試験1−2と同様に発振回路E1、E2から出力された周波数を測定したが周波数ジャンプは測定されなかった。従ってこのように位相差が設けられると、周波数ジャンプが低減されることが分かる。なお図16のグラフにはこの評価試験を行ったときの時間と電流強度とを示しており、L1は点MN間の電流強度、L2は点MO間の電流強度、L3はスイッチSW9を切り替えるための位相補正制御信号のパルスを夫々示している。上記41°〜42°の位相差はこの評価試験では約12.5nsecの波形のずれに対応しており、また前記位相補正制御信号のパルスの立ち上がり時間が約12.4nsecであり、このように位相差と前記立ち上がり時間は略一致していた。
(評価試験3−1〜3−4)
感知装置5において位相補正回路部57aを調整し、評価試験2で示した点MN間とMO間との電流の位相のずれを夫々変化させて、ガードタイム経過後の周波数測定時間における周波数のずれ量の平均値を測定した。また試験3−1〜3−4についてガードタイムの長さについては試験3−1<試験3−2<試験3−3<試験3−4の順に長く設定した。
下記の表1はその結果を示しており、この表に示すように位相のずれの大きさによって抑えられる周波数ずれ量の平均は変動し、位相のずれが−17°〜−41°及び16°〜39°である場合に特にその周波数ずれ量は小さく、評価試験3−4ではその位相のずれの範囲において周波数ずれ量は0.03Hz以下に抑えられていることが分かる。この結果から位相のずれは絶対値で17°から41°の範囲が好ましいといえる。
Figure 0004960171
本発明の実施の形態に係る感知装置の全体構成図である。 前記感知装置を構成する水晶センサの縦断側面図である。 前記感知装置の構成を示すブロック図である。 前記感知装置の表示部に示される測定時の周波数と時間とのグラフである。 前記周波数計測部に接続される発振回路が切り替わる様子を示した作用図である。 前記感知装置における測定のタイムチャートである。 他の構成の感知装置のブロック図である。 前記感知装置における測定のタイムチャートである。 前記検知装置の周波数計測部に接続される発振回路が切り替わる様子を示した作用図である。 従来の感知装置により測定された周波数を示したグラフである。 従来の感知装置においてスイッチの切り替えを行わずに測定された周波数を示したグラフである。 従来の感知装置において位相を測定するポイントを示した説明図である。 従来の感知装置において測定された位相を示したグラフである。 本発明の感知装置において位相を測定するポイントを示した説明図である。 前記感知装置において測定された位相を示したグラフである。 前記感知装置において位相を測定した各ポイントの電流強度を示したグラフである。 従来の感知装置の一例のブロック図である。 前記従来の感知装置において発振回路から出力された周波数を示した説明図である。
符号の説明
2A 感知装置
2,F1〜F8 水晶センサ
24 水晶振動子
E1〜E8 発振回路
32 信号切り替え部
33 切り替え制御部
G1〜G8 位相補正終端回路
40 測定本体部
42 周波数測定部

Claims (3)

  1. 感知対象物を吸着するための吸着層がその表面に形成され、感知対象物の吸着により固有振動数が変わる圧電振動子を用い、この圧電振動子の固有振動数の変化により感知対象物を感知する感知装置において、
    複数の圧電振動子と、
    前記複数の圧電振動子を夫々発振させるための複数の発振回路と、
    前記複数の発振回路を前記測定部に順次切り替え接続するために各発振回路毎に設けられ、発振回路の出力端を測定部に接続するための第1接点と、この第1接点との間で当該発振回路の出力端が切り替えられて測定部から切り離される第2接点と、を備えた切り替え部と、
    前記複数の発振回路からの周波数信号を時分割制御により順次前記測定部に取り込ませるように前記切り替え部に対して切り替え信号を出力する制御部と、
    前記第2接点に接続され、前記切り替え部の切り替え時に発振回路からの周波数信号の波形の乱れを抑えるために、前記発振回路からの周波数信号の位相をずらす位相補正回路部と、を備えたことを特徴とする感知装置。
  2. 前記位相補正回路部は、前記周波数信号の位相のずれが絶対値で17°から41°の範囲となるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の感知装置。
  3. 前記測定部は、切り替え信号が出力されてから、1ミリ秒以上経過した後の周波数測定値を有効とするように構成されている請求項1または2記載の感知装置。
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