JP5470536B2 - 検出センサ、物質検出システム - Google Patents

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Description

本発明は、VOC(Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物)等の物質の検出等を行うことのできる検出センサ、物質検出システムに関する。
従来より、空気中を漂う各種物質や匂いの存在、あるいはその定量的な濃度を検出するためのセンサが存在した。このセンサでは、ガスに含まれる特定種の分子を吸着し、その吸着の有無、あるいは吸着量を検出することで、特定物質等の存在の有無、あるいはその濃度を検出している。
空気中を漂う分子をその微小な分子質量によって検出するセンサ素子は、これらの分子を含む気体中で振動子を振動させ、分子が振動子表面に付着または吸着された際の振動子の質量変化を振動子の共振周波数変化として検出する。質量検出を行う振動子として、片持ち梁の横振動を利用するカンチレバー型の振動子が存在する(例えば、特許文献1参照)。このようなカンチレバー型の振動子は、シリコン薄膜等を写真技術(フォトリソグラフィ)で精密に加工するMEMS(Micro Electrical Mechanical Systems)と呼ばれる技術を用いることで、μm(マイクロメートル)単位の領域で作製することが可能となってきた。振動子のサイズを小さくすることで振動子質量が大幅に減少し、付着質量に対する検出感度が向上する。
微小質量の付着によって振動特性が変化する振動子を用いたセンサにおいては、さらなる高感度化が常に求められている。ここでカンチレバー型の振動子の表面には、振動子を駆動させるために強誘電体薄膜からなる駆動素子や電極層が設けられている。これら駆動素子や電極層はそれ自体が減衰を有し、カンチレバー型の振動子の振動エネルギーにロスが生じる。その結果、カンチレバー型の振動子のQ値の低下を招き、センサとしての検出感度の低下に繋がる。この駆動素子や電極層による感度低下の影響は、振動子のサイズが小さくなればなるほど相対的に多くなる。
そこで、振動子を駆動素子上に積層することで、振動子の表面に駆動素子や電極層を設けないようにする構成がある(例えば、非特許文献1参照。)。このような構成においては、カンチレバー型の振動子と、Pb(鉛)、Zr(ジルコニウム)、Ti(チタニウム)を含む強誘電体材料からなり、振動子を振動させるための駆動素子であるPZT板とが積層されている。
特開2009−133772号公報
T.Mihara, T.Ikehara, J.Lu, R.Maeda, T.Fukawa, M.Kimura, Y.Liu, T.Hirai, "Sensitivity improvement of a chemical sensor system employing a micro cantilever sensor and an adsorption tube": Proc 25th Sensor symposium, 社団法人・電気学会, pp591-594(2008)
しかしながらこのような構成においては、プレート状のPZT板は、その表面が一様に振動するわけではなく、表面の位置によって振動の状態(振幅および位相)が異なる。このためPZT板上の振動子の位置により、振動子の振動状態が変わってしまうという問題がある。したがって、複数個の検出センサを製作した場合、PZT板上の振動子の取付位置により、検出センサ間で検出感度にばらつきが生じることになる。
さらに、同じ振動子であっても、その表面に形成されて分子を付着または吸着する感応膜の材料によって、振動子の振動状態が変わる。
したがって、同じ駆動信号によって振動子を駆動させたとしても、複数の振動子間において振動状態が異なる。
また、このようなPZT板上に積層された振動子は、フィードバック発振回路を使用した自励振動により駆動させる。このため、PZT板の駆動(振動)により振動子に振動を励起させるには、フィードバック発振回路のゲイン、位相、フィルタ周波数を最適に調整しなければならない。しかし、前述したように、複数の振動子間におけるバラつきがあるため、個々の振動子に合わせてゲイン、位相、フィルタ周波数を最適に調整するのは、トライアンドエラーで行わなければならず、非常に手間のかかるものとなっていた。またこのように、ゲイン、位相、周波数が互いに異なる複数の振動子を同時に動作させることができない場合、あるいは最適に調整が行えないままに無理やりに動作させた場合は、大きな位相ノイズ(大きな短時間周波数変動)や時間的な周波数変動を引き起こした。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、振動子を最適条件で振動させてその検出感度を安定させることのできる検出センサ等を提供することを目的とする。
かかる目的のもとになされた本発明は、振動子と、振動子に振動を加えることで当該振動子を発振させる駆動素子と、駆動素子に駆動信号を入力する駆動回路と、振動子の振動に応じた出力信号を出力する信号出力部と、振動子ごとに設定された駆動回路のパラメータのプリセット値を記憶するメモリと、を備えた検出センサであって、駆動回路は、当該駆動回路のパラメータを、メモリに記憶されたプリセット値に応じて調整するパラメータ調整部と、パラメータが調整された駆動回路で前記出力信号の波形を加工し駆動信号を生成する波形調整部と、を備えることを特徴とする。
このように、振動子ごとにメモリに記憶された駆動回路のパラメータのプリセット値を用いて駆動回路のパラメータを調整し、これによって生成された駆動信号により駆動素子を駆動することで、振動子の材質、寸法、振動子の表面に形成された感応膜の種類、振動子を振動させるときの振動モード、振動子に対する駆動素子の位置等に関わらず、振動子を最適な条件で振動させることができる。
ここで、振動子を複数備えることもできる。その場合、メモリは、それぞれの振動子に応じたプリセット値を記憶し、パラメータ調整部は、それぞれの振動子に対応したプリセット値をメモリから読み出して、駆動回路のパラメータを調整する。
また、複数の振動子のうちの一つを選択的に駆動回路に接続する切替部をさらに備え、パラメータ調整部は、切替部により選択されて接続された振動子に対応したプリセット値をメモリから読み出して、駆動回路のパラメータを調整することもできる。
調整する駆動回路のパラメータとしては、いかなるものがあっても良いが、駆動回路を構成する位相シフト回路の位相シフト量、バンドパス型周波数フィルタの周波数範囲、増幅器のゲインの少なくとも一つを含むのが好ましい。
本発明は、検出対象のガスに含まれる物質の種類および濃度の少なくとも一方を検出し、システム内に導入したガスに含まれる物質を吸着する吸着部と、吸着部で吸着した物質を吸着部から脱離させるヒータと、一端部または両端部が基板に固定された梁状で、吸着部から脱離した物質を吸着または付着する感応膜を備え、感応膜に物質が吸着または付着することにより振動周波数が変化する振動子と、振動子に振動を加えることで当該振動子に振動を励起させる駆動素子と、駆動素子に駆動信号を印加する駆動回路と、振動子の振動に応じた出力信号を出力する信号出力部と、振動子ごとに設定された駆動回路のパラメータのプリセット値を記憶するメモリと、信号出力部から出力される出力信号に基づいて振動子の振動周波数の変化を検出する検出部と、を備えた物質検出システムであって、駆動回路は、当該駆動回路のパラメータを、メモリに記憶されたプリセット値に応じて調整するパラメータ調整部と、パラメータが調整された駆動回路で出力信号の波形を加工し駆動信号を生成する波形調整部と、を備え、当該波形調整部で生成された駆動信号を駆動素子に印加することを特徴とすることもできる。
ここで、感応膜は、いかなる材料で形成しても良いが、ポリブタジエン(PBD)、ポリアクリルニトリル−ブタジエン(PAB)、のいずれかとするのが好ましい。
また、振動子は、一つのシリコンチップに複数が形成される。シリコンチップは、駆動素子の上に積層され、メモリは、それぞれの振動子に応じたプリセット値を記憶し、パラメータ調整部は、それぞれの振動子に対応したプリセット値をメモリから読み出して、駆動回路のパラメータを調整する。
また、システム内に導入するとともに、導入したガスを圧縮して吸着部に送り込む圧縮部或いは吸引して吸着部に導入する吸引部をさらに備えることもできる。
本発明によれば、振動子ごとに設定されたプリセット値によりパラメータが調整された駆動回路によって駆動信号によって駆動素子を駆動することで、振動子の材質、寸法、振動子の表面に形成された感応膜の種類、振動子を振動させるときの振動モード、振動子のPZT板上の位置等に関わらず、振動子を最適な条件で振動させることができる。これにより、検出感度を安定させることができる。
本実施の形態における物質検出システムの構成を示す図である。 吸着部を示す断面図である。 センサ部を構成する振動子、PZT板の積層構造を示す斜視図である。 第一の実施形態における振動子の駆動回路の構成を示す図である。 第二の実施形態における振動子の駆動回路の構成を示す図である。 マルチプレクサで駆動する振動子を切り替えるときの出力電圧変動の例を示す図である。 プリセット値による調整を行わない場合における、複数の振動子の周波数変化を示す図である。 図7に示した各振動子における出力電圧変動を示す図である。 プリセット値による調整を行った場合における、複数の振動子の周波数変化を示す図である。 プリセット値による調整を行わない場合における、VOCガスを吸着したときの周波数変化を示す図である。 プリセット値による調整を行った場合における、VOCガスを吸着したときの周波数変化を示す図である。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
[第一の実施形態]
図1は、本実施の形態における物質検出システム10の全体構成を説明するための図である。
この図1に示す物質検出システム10は、検知対象となる特定種の分子を吸着することで、ガス自体あるいはガスに含まれる複数種の特定物質や匂い等の存在(発生)の有無、あるいはその濃度の検出を行うものである。
この物質検出システム10は、検知対象のガスを吸い込むとともに、システム内でガスの流れを生じさせるポンプ(圧縮部)20と、ポンプ20で吸い込んだガスを吸着する吸着部30と、吸着部30で吸着したガス中から、ガス成分中に含まれる特定種の分子を吸着し、その分子の吸着に応じた検出信号を出力するセンサ部40と、センサ部40を駆動するとともに、センサ部40における検出信号に基づき、特定種の分子の有無またはその量を測定する測定制御部50と、を備えている。
ポンプ20は、例えば電動であり、印加電圧・電流を制御することで、その吸入・吐出量を調整できる。図示しない吸い込みノズルから周囲雰囲気ガス、あるいは吸い込みノズルに接続されたサンプル容器15内のガスを吸い込み、吐出口から吐出する。また、ポンプ20の吸い込みノズルには、開閉バルブ等を設け、ポンプ20内へのガスの吸い込みを遮断できるようにするのが好ましい。なお、ポンプ20は、吸着部30の下流側に設けても良い。
吸着部30は、ポンプ20の吐出口に、ガス搬送管60によって接続されている。
図2に示すように、吸着部30は、例えばステンレス製の円筒状の筒体31の内部に、吸着体として、例えばカーボンファイバーが充填されている。吸着体としては、もちろんこれ以外のものを適宜用いることができる。
ポンプ20から吐出されたガスは筒体31内に送り込まれ、吸着体と接触することで吸着体にガス中の成分分子が低い選択性で物理吸着により吸着される。ここで、筒体31の管径が小さすぎると、ガスの流路抵抗が大きくなり、管径が大きすぎても筒体31内におけるガスの拡散に時間差が生じガス分離能の低下につながる。また、検出精度を高めるには、筒体31の体積やセンサ部40のチャンバ45の体積で決定される最適なガス流量を採用するとともに、吸着体であるカーボンファイバーの比表面積を高めて、単位時間あたりの分子吸着量を高めるのが好ましい。
吸着部30においては、ポンプ20を所定時間作動させ、その作動中に送り込まれたガス中の分子を吸着体で吸着する。ポンプ20の作動時間、すなわち吸着部30における吸着時間の長さにより、ガスのサンプリング量を決定することができる。ここでポンプ20は、サンプル容器15が大きくない場合は、サンプル容器15を薄いプラスチックで作成されたサンプルバッグとすることが出来、サンプルバッグに圧力を掛けて気体試料を吸着部30に導入することが出来るので省略が可能となる。
筒体31の外周面には、シースヒータ(ヒータ)34が巻きつけられている。シースヒータ34は、図示しない熱伝導セメントにより筒体31に固定され、その外周側が、断熱材33により熱絶縁され、さらに空気層を介してケース36に収容されている。また、シースヒータ34の近傍には、温度計35を設ける。
このシースヒータ34に電圧が印加されることで、吸着体に吸着された成分分子が脱離し、ポンプ20によって生じる流れによって成分分子はセンサ部40へと搬送される。
図1に示したように、センサ部40は、ガス搬送管60により吸着部30と接続されている。センサ部40は、機械的振動を生じる振動子41と、振動子41の表面に形成され、吸着部30で脱離した分子を吸着する感応膜42と、を備える。センサ部40は、所定の容積(例えば0.1〜0.5cc)を有したチャンバ45内に設けられている。
図3に示すように、振動子41は、シリコン系材料からなるシリコンチップ70に形成されている。振動子41は、シリコンチップ70を、フォトリソグラフィ法等によりパターン形成し、エッチング等により不要部分を除去することで形成され、基板本体71に一端41aが固定された固定端とされ、他端41bがオーバーハングした自由端とされた片持ち梁状のカンチレバー型とされている。このような振動子41は、例えば、幅20〜400μm、長さ100〜1000μm、厚さ2〜10μmとされる。
このようなシリコンチップ70は、PZT板(駆動素子)75上に設けられている。PZT板75は、圧電材料であるPZT材料からなる板状体で、その両面に電極層が設けられている。測定制御部50の駆動回路51から出力される駆動信号(交流電圧)が電極層に印加されると、その電圧に応じた所定の周波数で振動を発生する。PZT板75は、0.1mmから1mm程度の板状が好ましい。また印加電圧を低くするためにPZT板75は積層化しても良い。積層化においては一層あたりのPZT材料は薄膜化する必要があって、例えば一層当たり100〜数百nmの薄膜を複数層積層することで、単層の上記の厚さと同様なものを実現することができる。
このような材料としては、例えば、Pbペロブスカイト二成分・三成分系強誘電体セラミックス、非鉛系ペロブスカイト構造強誘電体セラミックス、BaTiOセラミックス、KNbO−NaNbO系強誘電体セラミックス、(Bi42Na42)TiO系強誘電体セラミックス、タングステン・ブロンズ型強誘電体セラミックス、(Ba1−xSrNaNb15[BSNN]、BaNa1−xBix/3Nb15[BNBN]、ビスマス層状構造強誘電体と粒子配向型強誘電体セラミックス、ビスマス層状構造強誘電体(BLSF)等を用いることができる。
また、PZT材料以外にも、ZnO(酸化亜鉛)や、AlN(窒化アルミニウム)等をPZT板75に用いても良い。
感応膜42は、有機系材料や、無機系材料で形成することができる。本実施の形態においては、感応膜42として、ポリブタジエン(PBD)、ポリアクリルニトリル−ブタジエン(PAB)、ポリイソプレン(PIP)、ポリスチレン(PS)等を用いることができる。この他、感応膜42として採用できる材料としては、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体などの金属錯体、ポリチオフェン、ポリアニリンなどの導電性高分子、酸化チタン多孔質膜などの無機材料がある。PABは、オクタン、プロパノール等のVOCに選択性を有する。PBDやPIPはトルエンに選択性を有し、PSはnプロパノールやエタノールに高い選択性を有する。また、PSは応答時間が遅い。これらの選択性の違いに基づき、複数種の感応膜を組み合わせることで、物質の選択精度を高めることができる。
感応膜42は、滴下法、スピンコート法等、適宜の手法で振動子41の表面に形成すればよい。
振動検出素子43は、ピエゾ抵抗層からなり、振動子41の固定端側の一端41a上に設けられている。この振動検出素子43は自身の振動状態(振動変位)に比例した出力信号を出力する。
図1に示した物質検出システム10においては、測定制御部50によりその作動が制御され、以下のような動作が行われる。
すなわち、まず、予め定めた一定時間の間、ポンプ20でガスを吸い込み、ガスに含まれる分子を吸着部30で吸着する。前記の一定時間の経過後、ポンプ20を作動させたまま、ポンプ20からのガスの吸い込みを中止する。
次いで、予め設定した流量でポンプ20から空気、あるいは別に用意した不活性ガスを流し、シースヒータ34に通電して吸着部30を加熱し、吸着部30で吸着した成分分子を分離させる。すると、分離した成分分子は、ガス搬送管60によりセンサ部40に搬送され、振動子41の感応膜42に吸着される。
センサ部40の振動子41は、測定制御部50の駆動回路51の制御により所定周波数で自励発振させた状態とされている。この振動子41に、感応膜42に質量を有した分子等の検出対象物が付着すると、振動子41の共振周波数が変化する。測定制御部50の検出回路(検出部)52は、振動検出素子43から出力される出力信号を受け、その出力信号の変化(振動周波数変化)を検出する。測定制御部50には、感応膜42を備えた振動子41のそれぞれにおいて、予め測定された、成分分子の種類、量(濃度)に応じた、振動周波数変化量、変化応答タイミング等のデータが記憶されている。測定制御部50では、検出された振動子41の振動周波数変化と、予め記憶されたデータを比較することで、感応膜42に吸着された成分分子の種類、量(濃度)を測定(特定)する。
測定制御部50における測定結果は、表示部53において、ランプ、ブザー等のON/OFF、測定値、測定レベルの表示、検出物質名称・濃度(量)の表示等によって出力できるようにするのが好ましい。
さて、駆動回路51について詳述する。
図4に示すように、駆動回路51は、振動子41側のセンサ側回路51Aと、振動検出素子43からの出力信号から制御・駆動信号を生成する制御回路51Bとを有している。
振動子41側のセンサ側回路51Aは、振動検出素子43から出力される出力信号を増幅するアンプ100と、アンプ100のゲインを調整するゲイン可変器(波形調整部)102とを備えている。
制御回路51Bはマイコン、パーソナルコンピュータ装置等からなる処理部101と、信号を増幅するアンプ106、低周波信号をフィルタリングするハイパスフィルタ107、自動ゲインコントローラ108、位相シフタ103およびその抵抗可変器(波形調整部)103C、バンドパスフィルタ104およびそのゲイン可変器(波形調整部)104Cを備えている。
位相シフタ103は、通過する出力信号の位相をシフトさせる。その位相シフト量は、抵抗可変器103Cにより設定される。
バンドパスフィルタ104は、振動子41における振動の次数を選択するために、特定の周波数域の信号のみを通過させる。バンドパスフィルタ104で通過させる周波数域は、ゲイン可変器104Cによりその中心周波数が設定される。なお、本実施形態では、バンドパスフィルタ104は2段を直列に設けている。
また、処理部101と、ゲイン可変器102、抵抗可変器103C、ゲイン可変器104Cとの間には、AD/DAコンバータ105A、105B、105Cがそれぞれ設けられている。
処理部(パラメータ調整部)101は、予め定められたプログラムに基づいた所定の処理を実行する。処理部101には、不揮発性の記憶領域であるメモリ101mが備えられている。メモリ101mには、物質検出システム10で用いる振動子41について、アンプ100のゲイン、位相シフタ103の位相シフト量、バンドパスフィルタ104の中心周波数のプリセット値が駆動回路のパラメータとして記憶されている。
処理部101では、アンプ100のゲイン、位相シフタ103の位相シフト量、バンドパスフィルタ104の中心周波数、の少なくともひとつをプリセットして振動子41を発振させる。
ここで、メモリ101mに記憶されるアンプ100のゲイン、位相シフタ103の位相シフト量、バンドパスフィルタ104の中心周波数のそれぞれプリセット値は、以下のような作業により、事前に求めることができる。
まず、振動子41の共振周波数に基づき、バンドパスフィルタ104の中心周波数を仮設定する。そして位相シフタ103の位相シフト量を仮設定する。そして振動子41を発振させてその出力をオシロスコープで観測する。そしてオシロスコープで観測される振動子41の出力波形が最大値になるように、位相シフト量を設定する。
その後、更に振動子41を振動させ、今度はバンドパスフィルタ104の中心周波数を調整して、PZT板75への印加電圧が最大になるようにする。そして再び、振動子41を振動させ、その出力信号にピークが存在するか(すなわち最大値を取っているか)否かを判定する。出力信号にピークが存在しない(すなわち最大値ではない)場合、ピークが出現するまで、上記の調整処理を繰り返す。
一方、出力信号にピークが存在した場合、次にアンプ100のゲインを調整する。そして、アンプ100のゲインを調整することで出力信号のピークが予め定めた範囲内となるようにする。
これら一連の調整を繰り返すことで、アンプ100のゲイン、位相シフタ103の位相シフト量、バンドパスフィルタ104の中心周波数、の最適値を設定する。そしてこの最適値を、アンプ100のゲイン、位相シフタ103の位相シフト量、バンドパスフィルタ104の中心周波数のプリセット値として処理部101のメモリ101mに入力し記憶させる。
このようにして事前に処理部101のメモリ101mに記憶されたプリセット値は、物質検出システム10の起動時に、処理部101の処理により、自動的にメモリ101mから読み出される。そして、読み出されたプリセット値は、アンプ100のゲイン可変器102、位相シフタ103の抵抗可変器103C、バンドパスフィルタ104のゲイン可変器104Cに対して自動的に設定される。このとき、メモリ101mから読み出されたプリセット値は、AD/DAコンバータ105A、105B、105Cにおいてデジタル値からアナログ量に変換され、ゲイン可変器102、位相シフタ103、バンドパスフィルタ104に入力される。
これらプリセット値の設定後、制御回路51Bから駆動信号をPZT板75に出力して振動子41を発振させ、振動子41における分子の検出処理を開始する。
まず、制御回路51Bから出力された駆動信号をPZT板75に印加する。この駆動信号は、PZT板75を駆動できるよう、予め設定されたデフォルトの信号である。すると、PZT板75が駆動されて変位(振動)を生じ、これに応じて振動子41が振動する。すると、振動子41に設けられた振動検出素子43のピエゾ抵抗効果により、振動検出素子43から出力信号が出力される。この出力信号は、アンプ100により増幅され、制御回路51Bに出力される。
制御回路51Bでは、センサ側回路51Aから受け取った出力信号を、アンプ106でさらに増幅し、位相シフタ103でその位相シフト量をプリセット値に応じてシフトする。出力信号は、さらに、バンドパスフィルタ104でその中心周波数がプリセット値に応じてシフトされ、出力アンプ109を経て再びPZT板75に駆動信号として送られる。これにより、駆動信号が、振動子41に応じた最適な信号に調整され、振動子41が効率良く自励発振する。
なお、このとき、ゲイン可変器102、位相シフタ103、バンドパスフィルタ104を経て調整された駆動信号は、周波数カウンタ110により周波数が測定され、そのパラメータが処理部101に転送される。処理部101では、転送された駆動信号のパラメータをメモリ101mに記憶させる。
ここで、駆動素子に駆動信号を与える駆動回路はフィードバック回路となっており、振動子の信号出力部から出力される振動状態を示す信号を加工して作られる。振動状態を示す信号は必要な大きさまで増幅され、発振条件を満たす位相に位相シフトされることで、発振が可能となる。この増幅回路のゲイン、位相シフト回路の位相シフト量が適切に設定されなければならない。また、複数ある振動モードから選択的に特定の振動を駆動するため、フィードバック回路にはバンドパス型周波数フィルタが必要である。この周波数範囲も適切に設定されなければならない。
これらの設定値が適切でない場合、振動子は希望しない振動モードで発振したり、安定に発振する共振周波数帯の中央でない周波数で発振したりするため、発振が不安定になったり、温度変化に対して異常なふるまいを示すことになる。その結果、周波数ドリフトが大きくなったり、検出感度が安定しなくなる。
これに対し、上述したような構成によれば、アンプ100のゲイン、位相シフタ103の位相シフト量、バンドパスフィルタ104の中心周波数を、振動子41に応じて設定されたプリセット値に調整することによって、振動子41を最適な条件で駆動することができる。その結果、振動子41を良好に自励発振させることができる。これにより、感応膜42に分子が付着または吸着された時の質量変化に応じた振動子41の振動周波数変化の感度を最適状態とすることができ、検出感度を高く維持できる。
また、同じ振動子41を用いる複数の物質検出システム10間において、それぞれの振動子41に応じたプリセット値を用いることで、複数の振物質検出システム10間でばらつきが生じるのを抑え、検出性能の安定化を図ることができる。
[第2の実施形態]
次に本発明にかかる第2の実施形態について説明する。
なお、以下の説明において上記第1の実施形態との相違点は振動子41を複数個備えることにある。それに関わる以外の構成は上記第1の実施形態で示した構成と共通する。従って、以下の説明においては、上記第1実施形態との相違点を中心に説明を行い、上記第1の実施形態と共通する構成については同一符号を付してその説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態においてセンサ部40には複数個の振動子41が設けられている。これら複数個の振動子41は、一つのシリコンチップ70に形成されて、PZT板75上に設けられている。
各振動子41は、振動検出素子43、アンプ100をそれぞれ備えている。
これら複数個の複数の振動子41はアンプ100の出力側がマルチプレクサ(切替部)90に接続されている。一方、制御回路51Bはこれら複数個の振動子41に対し1組のみが設けられている。そしてマルチプレクサ90はこの制御回路51B側のアンプ106に接続されている。
制御回路51Bは前記のマルチプレクサ90を介して複数個の振動子41に接続されている。マルチプレクサ90は複数の振動子41のうち、いずれか一つに接続されるよう切り替え可能となっている。
処理部101のメモリ101mには、各振動子41に応じた、アンプ100のゲイン、位相シフタ103の位相シフト量、バンドパスフィルタ104の中心周波数のプリセット値がそれぞれ記憶されている。
制御回路51Bは、処理部101における処理を実行することで、マルチプレクサ90の切り替えにより接続された1つの振動子41に対し、上記第1の実施形態と同様の制御を行い、接続された振動子41に応じたプリセット値をプリセットする。そしてマルチプレクサ90で接続する振動子41を順次切り替えていくことで複数個の振動子41を順次発振させていく。
マルチプレクサ90を順次切り替えていく毎に、マルチプレクサ90で接続される振動子41に対応したプリセット値を、処理部101がメモリ101mから読み出し、これをアンプ100のゲイン可変器102、位相シフタ103の抵抗可変器103C、バンドパスフィルタ104のゲイン可変器104Cにそれぞれ設定する。
なお、マルチプレクサ90の切り替えは処理部101の制御により行われる。また、図6に示すように、マルチプレクサ90で接続する振動子41を順次切り替えていくと、信号が安定するまでの微小なディレイ時間が存在する。そこで処理部101では、このディレイ時間の間に、プリセット値のプリセットを行うようにするのが好ましい。
ここで、複数の振動子41を備えた場合、複数の振動子41を1つのPZT板75上に設けると、当然のことながらPZT板75に対する振動子41の取り付け位置が互いに異なる。PZT板75は一様に振動するわけではなくPZT板75上の位置によってその振動変位が異なる。この場合にも事前にそれぞれの振動子41においてPZT板75に取り付けられた状態で調整して最適なプリセット値を設定しておく。
このような複数の振動子41を備える構成においては、マルチプレクサ90で制御回路51Bに接続する振動子41を順次切り替えていくことで、振動子41のサイズ、材質、振動子41を発振させる駆動信号の振動モード、振動子41の材料、振動子41上に形成される感応膜42の材料、感応膜42の膜厚等が、互いに異なる場合にあっても、それぞれの振動子41に最適な条件で発振させることができる。これにより各振動子41における感度が最大となる。
また複数の振動子41がある場合においても制御回路51Bは1つで済むので、装置のコンパクト化でコスト化を図ることができる。
さて、これら複数組の振動子41間においては、例えば、感応膜42の種類を互いに異ならせることができる。成分分子に対する感度(成分分子の吸着・捕捉度合い)が互いに異なる複数種の感応膜42を用い、それぞれ感応膜42を備えた振動子41の振動変化を測定制御部50の検出回路52で処理することで、捕捉した成分分子の種類を特定することができる。このようにして、様々な種類の成分分子に対し、分析・識別機能を向上させることができる。
このようにして、ガス中に含まれる物質の特定、及びその濃度を測定することができる。このとき、感応膜42の材質を異ならせることで、その識別能は高まる。また、シースヒータ34の加熱により吸着体から物質を脱離させたときの脱離タイミングをセンサ部40、測定制御部50の検出回路52で検出することで、物質の種類の識別能が高まる。
また、ポンプ20においてガスを圧縮して送り込むことで、微小なガス量でも高感度な検出が可能となり、物質検出システム10を、小型ながら、従来にない高感度な検出性能を備えるものとすることができる。このような物質検出システム10は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術等の微細加工技術により製造する振動子41を除けば、簡易に製造することが可能であり、これによって低コスト化が可能となる。
ここで、上記したように駆動信号をプリセット値により調整することの効果を確認したので、その結果を以下に示す。
まず、プリセット値を用いずに振動子41を駆動した場合について検証した。
振動子41は、厚さ5μmのSOI層を持つSOI基板から製作した。SOI層をフォトリソグラフィ技術によって振動子41の形状にエッチングし、微細な振動子構造を製作した。振動子41の下部にあたるシリコンチップ70の層は裏面からエッチングすることでキャビティを形成し、振動子41が空気中で自由に振動できるようにした。
振動子41の振動による変形を検出するために、振動子41の根元に振動検出素子43としてピエゾ抵抗素子を配置した。ピエゾ抵抗素子はシリコンチップ70の表面に不純物をドーピングすることによって作製した。ピエゾ抵抗素子には、シリコンチップ70の表面に成膜した金属薄膜をパターニングすることにより電気的配線を接続した。ピエゾ抵抗素子は振動子41の変形による根元の応力を感じ、その抵抗値が変化するので、これを計測することで振動子41の振動を検出した。
また、各振動子41上には感応膜42を塗布するために、Au薄膜の塗布用下地膜を形成した。
このような、振動子41は、幅100μm×長さ500μmとしたものを4本用意した。
このような振動子41を有するシリコンチップ70は、PZT板75上に接着した。
振動子41に設けたPZT板75への印加電圧は1V、それぞれを3次の振動モードで発振させた。マルチプレクサ90を切り替えた時に計測を開始するまでのディレイ時間は100ms、計測時間は800msとした。
その結果を図7、図8に示す。
図7に示すように4本の振動子41(Ch1〜Ch4)は、振動子41の大きさと振動モードは共通でありながら、温度変化による振動周波数変化量を主要因とする時間変化量は4本の振動子41間で大きく異なった。複数の振動子41のうち、最も振動する変化の少ないものはその変化量が10Hz以内と安定しているが、他の振動子41(Ch4)では最大100Hzの振動子41変動が観察された。
また、図8に示すように、これら複数の振動子41においては出力電圧が大きく違い、また、その出力信号の位相もわずかにずれていた。この位相のずれのために各振動子41での発振動作条件が変わってしまい、周波数変化などに影響が出ていると考えられる。なお、図8の素子毎による位相差(チャネルによる差)は小さいが、実際に測定した多くのチップでは、同一チップに搭載した素子毎(チャネルによる差)位相は−180度から+180度まで大きくばらついていた。そのため、4つの振動子41を個別の位相調整なしに同時に発振させることは出来なかった。図7、図8は比較的4つの素子特性が揃っていて、良好であり、4つの振動子41の位相が比較的良く揃っていて、同時に発振可能な希なケースである。
次に、上記のようにプリセット値により駆動信号の調整を行った場合について検証を行った。
ここで振動子41は3本を設けた。これら3本の振動子41を1つのPZT板75上に形成した。
3本の振動子41は以下のような構成となっている。
(Ch11)幅50μm×長さ200μm、共振周波数は925kHzとし、3次の振動モードで発振させた。
(Ch12)振動子41は幅50μm×長さ100μmとし、共振周波数は527kHzとし、2次の振動モードで発振させた。
(Ch13)振動子41は幅50μm×長さ300μmとし、共振周波数は1226kHzとし、4次の振動モードで振動させた。
これら3本の振動子41は、事前にPZT板75上で発振させて、アンプ100のゲイン、位相シフタ103の位相シフト量、バンドパスフィルタ104の中心周波数について最適発振条件を設定し、これをプリセット値として用い、PZT板75の駆動信号を調整した。
その結果を図9に示す。
図9に示すようにプリセットを行った場合、3本の振動子41においては振動子41の周波数が長い時間に亘って安定した。
しかもこれらの振動子41は、サイズも、発振させる振動モードも全く異なる。このような場合であっても、発振条件のプリセット値による調整を行うことで、ばらつきが小さくしかも安定した周波数で振動子41を発振させることが可能となった。
次に、振動子41上に、感応膜42として、PAB、PBDを塗布し、VOCガスを吸着させたときの周波数変化について、プリセット値による調整を行わない場合と、プリセット値による調整を行った場合とで比較した。
プリセット値による調整を行わない場合の2本の振動子41は、以下のような構成とした。
(Ch21)幅100μm×長さ500μm、共振周波数は419kHzとし、感応膜42としてPAB(膜厚1.2μm)を塗布し、3次の振動モードで発振させた。
(Ch22)幅100μm×長さ500μm、共振周波数は381kHzとし、感応膜42としてPBD(膜厚2.5μm)を塗布し、3次の振動モードで発振させた。
プリセット値による調整を行った場合の2本の振動子41は、以下のような構成とした。
(Ch31)幅50μm×長さ200μm、共振周波数は937kHzとし、感応膜42としてPAB(膜厚1.3μm)を塗布し、2次の振動モードで発振させた。
(Ch32)幅50μm×長さ500μm、共振周波数は812kHzとし、感応膜42としてPBD(膜厚3μm)を塗布し、4次の振動モードで発振させた。
そして、VOCガスを0.1グラムの炭素繊維を充填した吸着部30の筒体31内に導入して吸着させた後、その筒体31を毎秒1℃の温度上昇速度で450℃まで加熱して成分分子を脱離させ、振動子41が収められたチャンバ45内に導入した。
ここで、プリセット値による駆動信号の調整を行わなかった場合については、エタノール5ppm、アセトン18ppm、プロパノール5ppmの混合ガス1リットルをVOCガスとして用いた。プリセット値により駆動信号の調整を行った場合については、エタノール0.5ppm、アセトン1.8ppm、トルエン0.5ppmの混合ガス10リットルをVOCガスとして用いた。
このときの、プリセット値により駆動信号の調整を行った場合(Ch31、32)と、プリセット値による駆動信号の調整を行わなかった場合(Ch21、22)のそれぞれについて、振動子41の周波数変化を計測した。
その結果を図10、図11に示す。
図10に示すように、プリセット値による駆動信号の調整を行わなかった場合、周波数変動が大きい。ここで、図10と図11は条件が違っていて直接比較はできないが、図10では幅100μm×長さ500μmで3次モードと同じ大きさの振動子41を同じ次数(同じ共振周波数)で動作させている。それにも関わらず、振動子41毎に異なった感応膜材料を異なった膜厚で塗布しているので、3次モードの400kHz付近でしか同時に発振させることは出来なかった。また発振はしているが、時間応答において周波数変動が大きいと言う結果になった。
一方、図11に示すように、プリセット値により駆動信号の調整を行った場合、周波数変動が小さく、安定した検出が行えた。図11では、振動子41を異なる長さ、異なる材料で形成し、さらに互いに異なる次数で発振されているために、共振周波数も大きく違っている。それにも関わらず、非常に安定した発振がなされており、短時間周波数変動も少ない。
なお、上記実施の形態において、振動検出素子43を設ける位置、範囲等は上記した以外のものとすることもできる。この他、振動子41の振動変化の検出方式は、上記以外の方式を採用することもできる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
10…物質検出システム、20…ポンプ(圧縮部)、30…吸着部、34…シースヒータ(ヒータ)、40…センサ部、41…振動子、41a…一端、41b…他端、42…感応膜、43…振動検出素子(信号出力部)、50…測定制御部、51…駆動回路、51A…センサ側回路、51B…制御回路、52…検出回路(検出部)、70…シリコンチップ、71…基板本体、75…PZT板(駆動素子)、90…マルチプレクサ(切替部)、100…アンプ、101…処理部(パラメータ調整部)、101m…メモリ、102…ゲイン可変器(波形調整部)、103…位相シフタ、103C…抵抗可変器(波形調整部)、104…バンドパスフィルタ、104C…ゲイン可変器(波形調整部)

Claims (8)

  1. 振動子と、
    前記振動子に振動を加えることで当該振動子を発振させる駆動素子と、
    前記駆動素子に駆動信号を入力する駆動回路と、
    前記振動子の振動に応じた出力信号を出力する信号出力部と、
    前記振動子ごとに設定された駆動回路のパラメータのプリセット値を記憶するメモリと、を備えた検出センサであって、
    前記駆動回路は、当該駆動回路のパラメータを、前記メモリに記憶された前記プリセット値に応じて調整するパラメータ調整部と、
    パラメータが調整された前記駆動回路で前記出力信号の波形を加工し駆動信号を生成する波形調整部と、を備えることを特徴とする検出センサ。
  2. 前記振動子を複数備え、
    前記メモリは、それぞれの前記振動子に応じた前記プリセット値を記憶し、
    前記パラメータ調整部は、それぞれの前記振動子に対応した前記プリセット値を前記メモリから読み出して、前記駆動回路のパラメータを調整することを特徴とする請求項1に記載の検出センサ。
  3. 複数の前記振動子のうちの一つを選択的に前記駆動回路に接続する切替部をさらに備え、
    前記パラメータ調整部は、前記切替部により選択されて接続された前記振動子に対応した前記プリセット値を前記メモリから読み出して、前記駆動回路のパラメータを調整することを特徴とする請求項2に記載の検出センサ。
  4. 前記駆動回路のパラメータが、前記出力信号の位相シフト量、前記出力信号の周波数範囲、ゲインの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の検出センサ。
  5. 検出対象のガスに含まれる物質の種類および濃度の少なくとも一方を検出し、
    前記システム内に導入した前記ガスに含まれる前記物質を吸着する吸着部と、
    前記吸着部で吸着した前記物質を前記吸着部から脱離させるヒータと、
    一端部または両端部が基板に固定された梁状で、前記吸着部から脱離した前記物質を吸着または付着する感応膜を備え、前記感応膜に前記物質が吸着または付着することにより振動周波数が変化する振動子と、
    前記振動子に振動を加えることで当該振動子に振動を励起させる駆動素子と、
    前記駆動素子に駆動信号を印加する駆動回路と、
    前記振動子の振動に応じた出力信号を出力する信号出力部と、
    前記振動子ごとに設定された前記駆動回路のパラメータのプリセット値を記憶するメモリと、
    前記信号出力部から出力される前記出力信号に基づいて前記振動子の振動周波数の変化を検出する検出部と、を備えた物質検出システムであって、
    前記駆動回路は、当該駆動回路のパラメータを、前記メモリに記憶された前記プリセット値に応じて調整するパラメータ調整部と、
    パラメータが調整された前記駆動回路で前記出力信号の波形を加工し駆動信号を生成する波形調整部と、を備え、当該波形調整部で生成された前記駆動信号を前記駆動素子に印加することを特徴とする物質検出システム。
  6. 前記感応膜は、ポリブタジエン(PBD)、ポリアクリルニトリル−ブタジエン(PAB)、のいずれかであることを特徴とする請求項5に記載の物質検出システム。
  7. 前記振動子は、一つのシリコンチップに複数が形成され、
    前記シリコンチップは、前記駆動素子の表面に設けられ、
    前記メモリは、それぞれの前記振動子に応じた前記プリセット値を記憶し、
    前記パラメータ調整部は、それぞれの前記振動子に対応した前記プリセット値を前記メモリから読み出して、前記出力信号の前記駆動回路のパラメータを調整することを特徴とする請求項5または6に記載の物質検出システム。
  8. 前記ガスを前記システム内に導入するとともに、導入した前記ガスを圧縮して前記吸着部に送り込む圧縮部、あるいは前記ガスを吸引して前記吸着部に導入する吸引部をさらに備えることを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の物質検出システム。
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