JP5083984B2 - 検出センサ、振動子 - Google Patents

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Description

本発明は、質量を有した物質の有無の検出、物質の質量の検出等を行うために用いるのに適した検出センサ等に関する。
従来より、爆発危険性や有害性のあるガス等の存在、あるいはその定量的な濃度を検出するためのセンサが存在した。このセンサでは、ガスに含まれる特定種の分子を吸着し、その吸着の有無、あるいは吸着量を検出することで、ガス等の存在の有無、あるいはその濃度を検出している。このようなセンサは、ガス等を取り扱う施設、設備、装置等に設置され、ガスの漏れやガス量のコントロールに用いられている。
また近年、燃料電池の開発が盛んに行われている。燃料電池は水素を用いるため、水素ステーションや、燃料電池を使用する車両や装置、機器等において、水素の漏れが無いか監視するのが好ましい。このような用途にも、上記センサは適用できる。
上記用途以外にも、特定種の分子を吸着することで、その吸着の有無あるいは吸着量を検出するセンサは、例えば食物の鮮度や成分分析、快適空間を提供・維持するための環境制御、さらには、人体等、生体の状態検知等に用いることが考えられる。
このようなセンサの方式の一つにカンチレバーを用いるものがある。これは、カンチレバー上に、特定種の分子を吸着する分子吸着膜(感応膜)を設け、分子吸着膜に分子が吸着されたときのカンチレバーの状態変化から、分子の吸着を検出するものである。分子吸着膜に分子が吸着されると、分子吸着膜の応力が変化する。これにより、カンチレバーのたわみ量が変化するので、その変化量から、特定種の分子の吸着を検出できる。また、分子の吸着により分子吸着膜の質量が増加すると、カンチレバーと分子吸着膜とからなる系の共振周波数が変化するので、その変化から特定種の分子の吸着を検出することもできる(例えば、非特許文献1参照。)。
このような方式を採用することで、白金やパラジウムを水素分子の吸着膜として適用した水素ガス検知や、PMMAポリマーを用いたアルコール成分検知、また食物の匂い検知等が実現できることが既に報告されている。カンチレバーの共振周波数変化を検出する方法では、特定分子が吸着膜に吸着して微小な質量変化が生じた際に、高い振動Q値を有するカンチレバーの共振周波数がその質量変化に極めて敏感に反応して変化を生じるため、高感度な検知が可能になっている。
こうした従来のカンチレバーの共振周波数変化を用いてガス検知をする方法においては、センサ自体を、微細加工技術で製作する大きさ数十〜数百μmのカンチレバーで構成することができる。したがって、センサの小型化が可能であり、また前述のように振動Q値も高くできる特徴があるので、小型化、高感度化の面で優れた構成であると言える。
このようなカンチレバーにおいて検知を行うにあたってカンチレバーを振動(駆動)させるには、SiO(二酸化ケイ素)等のシリコン系材料で形成されたカンチレバー本体の表面に、各種圧電材料からなる圧電層と金属からなる電極層とを設けている。そして、電極層から圧電層に電圧を印加することでカンチレバーを振動させ、共振周波数の変化をモニタリングするようになっている。
圧電層を形成する圧電材料としては、Pb(鉛)、Zr(ジルコニウム)、Ti(チタニウム)を含む原料から形成した、いわゆる強誘電体薄膜が注目されている。
Suman Cherian, Thomas Thundat、"Determination of adsorption-induced variation in the spring constant of a microcantilever"、Applied Physics Letter、2002年、Vol.80、No.12、pp.2219-2221
しかしながら、上記したような、微小質量の付着によって振動特性が変化する振動子を用いたセンサにおいては、さらなる高感度化が常に求められている。
ここで、カンチレバー表面には、強誘電体薄膜からなる圧電層や電極層が設けられている。これら圧電層や電極層は、それ自体が減衰を有し、カンチレバーの振動エネルギにロスが生じる。その結果、カンチレバーのQ値の低下を招き、センサとしての感度の低下につながる。この点において、現状の技術には改善の余地がある。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、より高感度化を図ることのできる検出センサ、振動子を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明の検出センサは、梁状で、その長手方向の中間部において、幅方向両側で支持され、質量を有した物質の付着または吸着により振動特性が変化する振動子と、振動子の近傍に設けられて、設定された振動特性で振動するアクチュエータと、アクチュエータと振動子の中間部を連結することで振動子を支持するとともに、アクチュエータの振動を振動子に伝達することで振動子を振動させる連結部材と、振動子における振動の変化を検出することで、物質を検出する検出部と、を備えることを特徴とする。
このような検出センサにおいては、アクチュエータを振動させると、アクチュエータの振動が連結部材を介して振動子に伝達され、これによって振動子を駆動することができる。このようにして、振動子とは別体に設けたアクチュエータで振動子を振動させることで、従来のように振動子の表面に圧電材料からなる圧電層や駆動電極等を設ける必要がなくなる。その結果、振動子の振動特性が阻害されることなく、高い振動特性で振動子を駆動することができる。
検出部は、振動子の少なくとも一方の端部と、端部に間隔を隔てて対向する検出子との間の静電容量を検出することで、振動子における振動の変化を検出するのが好ましい。
これにより、より高い感度での検出が可能となる。
より高い感度での検出のため、さらに、振動子の端部と、検出子を、それぞれ櫛歯状に形成し、互いに間隔を隔てた状態で噛み合うように配置するのが好ましい。
また、アクチュエータは、一端部または両端部が固定された梁状のアクチュエータ本体と、アクチュエータ本体に振動を生じさせるためにアクチュエータ本体の表面に設けられ、圧電材料からなる圧電層と、アクチュエータ本体の表面に設けられ、圧電層に電圧を印加する駆動電極と、を備えるのが好ましい。
つまりアクチュエータを、振動子と同様のカンチレバー式とするのである。
ところで、アクチュエータ本体の表面に圧電層を設けると、圧電層に内在する残留応力によってアクチュエータ本体に反りが生じる。そこで、アクチュエータ本体を矯正するための矯正部材を設けるのが好ましい。
検出部は、振動子に対する物質の付着または吸着の有無を検出することもできるが、振動子に付着した物質の量を検出することもできる。ここで、振動子上に、特定の分子、あるいは特定の特性または特徴を有する複数種の分子を吸着または付着させるようにすれば、検出センサにおいては、前記の特定の分子、あるいは特定の特性または特徴を有する複数種の分子の検出が可能となる。
本発明は、梁状で、その長手方向の中間部において、幅方向両側で支持され、質量を有した物質の付着または吸着により振動特性が変化する振動子と、振動子の近傍に設けられて、設定された振動特性で振動するアクチュエータと、アクチュエータと振動子の中間部を連結することで振動子を支持するとともに、アクチュエータの振動を振動子に伝達することで振動子を振動させる連結部材と、を備えることを特徴とする振動子とすることもできる。
このような振動子は、前記したような検出センサの他、振動子の振動特性の変化をモニタリングすることで行える様々な用途に用いることが可能である。
本発明によれば、振動子の表面には圧電層や駆動電極等を設けず、振動子とは別に設けたアクチュエータによって振動子を駆動させる方式とすることで、圧電層や駆動電極等によって振動子の振動が阻害されるのを抑えることができる。
また、検出部は、振動子の少なくとも一方の端部と、端部に間隔を隔てて対向する検出子との間の静電容量を検出することで、振動子における振動の変化を高感度に検出できる。
その結果、振動子およびこれを用いた検出センサを高感度なものとすることができる。また、同等の感度であれば従来よりもはるかに小型な検出センサ、振動子を実現することができる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態における検出センサ10の構成を説明するための図である。
この図1に示すように、検出センサ10は、検知対象となる特定種の分子(以下、単に分子と称する)を吸着することで、ガスや匂い等の存在(発生)の有無、あるいはその濃度の検出を行うものである。この検出センサ10は、分子を吸着する吸着部20を備えた振動子30と、振動子30を駆動するアクチュエータ(アクチュエータ本体)40と、吸着部20への分子の吸着を検出する検出部50とから構成されている。これら振動子30、アクチュエータ40、検出部50は、シリコン系材料からなる基板60に、MEMS技術を用いることによって形成されている。
振動子30は、一定長を有した板状で、基板60に形成された開口部61の内方に配置されている。振動子30は、その中間部において、幅方向両側が連結ビーム70A、70Bを介して基板60の開口部61に支持されている。これにより、振動子30は、一端が連結ビーム70A、70Bにより固定された固定端とされ、両端部30a、30bが自由端とされた、一対の片持ち梁状のカンチレバーを備えたような構成となっている。
この振動子30は、平面視長方形状で、基板60を構成するシリコン系材料、特に好ましくは単結晶シリコンから形成されている。振動子30の寸法の一例を挙げると、厚さは2〜5μm、長さは30〜1000μm、幅は10〜300μmとするのが好ましい。
なお、図1(b)に示すように、振動子30を軽量化するために、貫通孔31を振動子30に形成しても良い。これにより、検知対象となる分子が振動子30に吸着した場合の振動子30に対する質量比が大きくなり、検出感度が高まる。
振動子30の上面には吸着部20が形成されている。ここで、振動子30の表面には、吸着部20を形成する材料の振動子30の表面に対する付着性を高めるために、Au(金)/Cr(クロム)の膜を形成するのが好ましい。吸着部20は、振動子30の両端部30a、30b近傍に、所定の面積を有して設けるのが好ましい。
吸着部20は、無機系材料や、有機系材料からなる膜によって形成することができる。吸着部20を構成する無機系材料とすれば、代表的なものに二酸化チタン(TiO)があり、吸着効率を高めるために二酸化チタンを多孔体状とするのが好ましい。そして、この吸着部20を、振動子30の上面を覆うように形成するのが好ましい。吸着部20を構成する有機系材料としては、ポリアクリル酸、ポリスチレン、ポリアクリルアミン、ポリジメチルシロキサン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリブタジエン、ポリスチレン重合体等のあらゆる高分子等がある。この吸着部20では、特定種の分子、あるいは特定の特性または特徴を有する複数種の分子のみを吸着する、分子に対する選択性を有したものとすることができ、その選択性は、高分子を形成する官能基や、架橋の状態等の様々な要素で決まると考えられる。
アクチュエータ40は、基板60の開口部61の周囲において、連結ビーム70A、70Bの基端部の近傍にそれぞれ設けられている。
各アクチュエータ40は、振動子30と同様、一端が固定端40a、他端が自由端40bとされたカンチレバー状をなしている。ここで、アクチュエータ40は、固定端40aと自由端40bを結ぶ軸線が、振動子30の長手方向にほぼ直交する方向に一致するように設けられている。
図2に示すように、アクチュエータ40は、シリコン系材料、好ましくは単結晶シリコンまたはSiOからなる基材41上に、SiOからなる絶縁層42、Pt(白金)からなる電極層(駆動電極)43、圧電材料からなる圧電層44、Ptからなる電極層(駆動電極)46、SiOからなる表面保護層48が順次積層されて形成されている。なお、基材41をSiOから形成する場合、絶縁層42を省略することができる。また、基材41と電極層43、圧電層44と電極層46、電極層46と表面保護層48の密着性をそれぞれ高めるため、Ti等からなるバインダ層を設けても良い。
圧電層44を形成する圧電材料としては、Pb、Zr、Tiを含む原料から形成した、いわゆる強誘電体薄膜が注目されている。より詳しくは、圧電層44は、Pb、Zr、Tiを含む材料(以下、これをPZT材料と称することがある)から形成され、これが結晶化した状態で、例えば500nm〜2μm程度の厚さに形成されている。この圧電層44は、例えば一層当たり100〜130nmの薄膜を複数層積層することで、上記の厚さを実現することができる。
このような材料としては、例えば、Pbペロブスカイト二成分・三成分系強誘電体セラミックス、非鉛系ペロブスカイト構造強誘電体セラミックス、BaTiO(チタン酸バリウム)セラミックス、KNbO(ニオブ酸カリウム)−NaNbO系強誘電体セラミックス、(Bi1/2Na1/2)TiO系強誘電体セラミックス、タングステン・ブロンズ型強誘電体セラミックス、(Ba1−xSrNaNb15[BSNN]、BaNa1−xBix/3Nb15[BNBN]、ビスマス層状構造強誘電体と粒子配向型強誘電体セラミックス、ビスマス層状構造強誘電体(BLSF)等を用いることができる。
また、PZT材料以外にも、ZnO(酸化亜鉛)や、AlN(窒化アルミニウム)等を圧電層44に用いても良い。
このようなアクチュエータ40は、所定の周波数を有した電気的な信号を電源から電極層43、46に印加すると、圧電層44が変位を生じ、これにより前記の周波数で振動する。
ここで、アクチュエータ40の自由端40bは、振動子30に対し、所定のクリアランスを隔てて対向している。アクチュエータ40や振動子30が振動するときには、アクチュエータ40や振動子30の表面近傍には、アクチュエータ40や振動子30に接触する雰囲気(空気)との間で生じる摩擦により境界層が存在する。前記のクリアランスを境界層の厚さよりも大きく設定することで、アクチュエータ40と振動子30の挙動が境界層によって互いに影響を受けないようにするのが好ましい。
なお、アクチュエータ40は、一端が固定端40a、他端が自由端40bとされたカンチレバー状のものに限らず、両端が固定され、中間部が変位するものとすることもできる。
アクチュエータ40の側部には、矯正ビーム(矯正部材)49を設けるのが好ましい。矯正ビーム49は、一端がアクチュエータ40に連結され、他端は基板60等に連結されている。アクチュエータ40は、圧電層44に内在する残留応力等によって製造段階から反りが生じることがある。そこで、矯正ビーム49でアクチュエータ40を基板60等に連結することで、アクチュエータ40の反りを抑える。
なお、この矯正ビーム49は、アクチュエータ40に反りが生じていても問題にならないような反り量である場合や、アクチュエータ40の反りを抑えることができた場合には、これを省略することも可能である。
アクチュエータ40の自由端40bと振動子30との間には、これらを連結する連結ビーム(連結部材)70A、70Bが設けられている。この連結ビーム70A、70Bにより、アクチュエータ40の振動による自由端40bの変位が振動子30に伝達される。その結果、振動子30がアクチュエータ40と同じ周波数で振動する。
このようにして、振動子30は、振動子30とは別に設けられたアクチュエータ40によって駆動されるのである。このとき、振動子30上の吸着部20に質量を有した物質が付着すると、その質量の影響を受けて振動子30の振動数が変化する。
図3に示すように、検出部50は、振動子30において、自由端となる両端部30a、30bと、基板60の開口部61において、両端部30a、30bに対向する部分とに、それぞれ、櫛歯状の櫛歯状部50A、50Bが設けられている(図3においては、振動子30の一方の端部30aのみを示している。)。櫛歯状部50A、50Bは、それぞれ、両端部30a、30bと、基板60の開口部61において両端部30a、30bに対向する部分(辺)に沿って、一定ピッチごとに設けられている。一方の櫛歯状部50Aと、他方の櫛歯状部50Bは、半ピッチ分だけずらして配置されており、一方の櫛歯状部50Aの先端部と、他方の櫛歯状部50Bの先端部とが、微小間隔(例えば1〜2μm)を隔てて非接触で噛み合うようになっている。
このような検出部50の櫛歯状部50A、50Bは、微小間隔で電極を形成するため、極めてスムースな断面表面を持つ必要があって、単一のシリコン材料で構成することが望ましい。また、表面には、接触した場合の電気的な短絡防止のために、表面に50nm〜200nm程度の酸化処理をしても良い。
検出部50においては、基板60側の櫛歯状部50Bにおいて、櫛歯状部50Aとの間の静電容量の変化を検出することで、吸着部20に質量を有した物質が付着することによる振動子30の振動数の変化を検出することができる。これによって、吸着部20への分子の吸着の有無またはその量を測定することが可能となっている。
図1は、上記したような検出センサ10の基板レイアウト例を示すものであり、符号80A、80Bは、アクチュエータ40に電圧を印加するための駆動電極、符号90Aは、一方の検出部50における静電容量変化を検出するための検出電極であり、他方の検出部50においても、同様の検出電極が設けられている。
ここで、上記したような構成の方式における振動子30の挙動を、有限要素法解析プログラムANSYS(商品名)を使用して解析した。その結果、図4に示すように、アクチュエータ40により振動子30が1次、2次の振動モードで駆動可能であることが確認された。なおここで、図4(a)は、1次の振動モードにおける解析結果、(b)は2次の振動モードにおける解析結果である。
ここで、図4は、アクチュエータ40に静的な駆動力を与えたときの、アクチュエータ40および振動子30の挙動の解析結果である。なお、アクチュエータ40および振動子30の挙動は、S1〜S9の9段階の変位で示した(S1が最小、S9が最大であり、濃色であるほど変位が大きい。)。この図4に示すように、振動子30は、1次モードにおいて、連結ビーム70A、70Bによって支持された中間部から、両端部30a、30bの自由端に行くにしたがいその変位が大きくなっていることがわかる。
また、図4に示すように、2次モードにおいて、連結ビーム70A、70Bによって支持された中間部と、両端部30a、30bの自由端との中間部において、その変位が最も大きくなっていることが分かる。
このようにして、振動子30の表面に圧電層や駆動電極等を設けず、振動子30とは別に設けたアクチュエータ40によって振動子30を駆動させる方式とすることで、圧電層や駆動電極等によって振動子30の振動が阻害されるのを抑え、振動子30のQ値を向上することができる。
また、櫛歯状部50A、50Bを櫛歯状とした静電容量式の検出部50を用いることで、高感度な検出が行える。
このようにして、検出センサ10をより高感度なものとすることができる。また、同等の感度であれば従来よりもはるかに小型な検出センサ10を実現することができる。
なお、上記各実施の形態では、検出センサ10の構成について例示して説明したが、例えば振動子30、アクチュエータ40、検出部50の形状等については、例示した以外の構成に適宜変更しても良い。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
本実施の形態における検出センサの概略構成を示す斜視図である。 アクチュエータの構造を示す断面図である。 検出部の構成を示す拡大図である。 本実施の形態における検出センサを、有限要素法により解析した結果を示す図であり、(a)は1次モードでの解析結果、(b)は2次モードでの解析結果である。
符号の説明
10…検出センサ、20…吸着部、30…振動子、30a、30b…両端部、40…アクチュエータ(アクチュエータ本体)、40a…固定端、40b…自由端、41…基材、43…電極層(駆動電極)、44…圧電層、46…電極層(駆動電極)、49…矯正ビーム(矯正部材)、50…検出部、50A…櫛歯状部、50B…櫛歯状部、60…基板、61…開口部、70A、70B…連結ビーム(連結部材)、80A、80B…電極(駆動電極)、90A…電極(検出電極)

Claims (8)

  1. 梁状で、その長手方向の中間部において、幅方向両側で支持され、質量を有した物質の付着または吸着により振動特性が変化する振動子と、
    前記振動子の近傍に設けられて、設定された振動特性で振動するアクチュエータと、
    前記アクチュエータと前記振動子の前記中間部を連結することで前記振動子を支持するとともに、前記アクチュエータの振動を前記振動子に伝達することで前記振動子を振動させる連結部材と、
    前記振動子における振動の変化を検出することで、前記物質を検出する検出部と、
    を備えることを特徴とする検出センサ。
  2. 前記検出部は、前記振動子の少なくとも一方の端部と、前記端部に間隔を隔てて対向する検出子との間の静電容量を検出することで、前記振動子における振動の変化を検出することを特徴とする請求項1に記載の検出センサ。
  3. 前記振動子の前記端部と、前記検出子は、それぞれ櫛歯状に形成され、互いに間隔を隔てた状態で噛み合うように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の検出センサ。
  4. 前記アクチュエータは、一端部または両端部が固定された梁状のアクチュエータ本体と、
    前記アクチュエータ本体に振動を生じさせるために前記アクチュエータ本体の表面に設けられ、圧電材料からなる圧電層と、
    前記アクチュエータ本体の表面に設けられ、前記圧電層に電圧を印加する駆動電極と、
    を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の検出センサ。
  5. 前記圧電層に内在する残留応力による前記アクチュエータ本体の反りを矯正するための矯正部材が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の検出センサ。
  6. 前記検出部は、前記振動子に付着した前記物質の量を検出することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の検出センサ。
  7. 前記物質が特定の分子、あるいは特定の特性または特徴を有する複数種の分子であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の検出センサ。
  8. 梁状で、その長手方向の中間部において、幅方向両側で支持され、質量を有した物質の付着または吸着により振動特性が変化する振動子と、
    前記振動子の近傍に設けられて、設定された振動特性で振動するアクチュエータと、
    前記アクチュエータと前記振動子の前記中間部を連結することで前記振動子を支持するとともに、前記アクチュエータの振動を前記振動子に伝達することで前記振動子を振動させる連結部材と、
    を備えることを特徴とする振動子。
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