JP7408290B2 - 火災監視システム - Google Patents

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Description

本発明は、火災感知器と匂い検知器の組み合わせにより火災を判断して警報させる火災監視システムに関する。
従来、煙感知器や熱感知器など、火災に伴う煙や温度等の特定の物理量を監視するセンサを用いて、火災を検出する火災監視システムが実用化されている。
また、火災以外の喫煙や調理に伴う誤報(非火災報)を防止するため、煙感知器や熱感知器に加え、炎センサ、COセンサ、COセンサ等を設け、これらのセンサによる検知値との組み合わせにより火災を判断し、火災判断をより確実なものにしている。
WO2016-136434号公報 WO2016-031080号公報 WO2017/085939号公報
しかしながら、煙感知器又は熱感知器に、炎センサ、COセンサ、COセンサ等を組み合わせた火災判断にあっては、何れも火災に伴う煙、熱、ガスといった特定の物理量を検知した火災の判断であり、人間が五感を通じて行う火災判断に比べると限界がある。
ところで、近年にあっては、人間の嗅覚のように、複雑な匂いの集合体から特定の匂いを検出、峻別することを可能とする匂いセンサが実用化されている(特許文献2,3)。このように人間の嗅覚に相当する匂いを検知して峻別できるセンサがあれば、火災判断に匂いといった従来に見られない判断要素を組み合わせることができ、火災を迅速且つ確実に判断し、調理やたばこの煙による誤報を確実に防止することができる。
本発明は、火災判断に匂い要素を組み合わせることで、高い精度で火災を判定可能とする火災監視システムを提供することを目的とする。
(火災監視システム)
本発明は、火災監視システムであって、
監視空間の煙濃度又は温度が所定値以上又は所定値を超えた場合に火災発報する火災感知手段と、
監視空間の匂いを検知する匂い検知手段と、
匂い検知手段の匂い検知値を入力して匂いの種別を判定する匂い判定手段と、
火災感知手段による火災発報の有無と匂い判定手段から出力された匂いの種別に基づいて火災を判定する火災判定手段と、
が設けられたことを特徴とする。
(多層式のニューラルネットワークによる匂い種別の判定)
匂い検知手段は、複数の匂い物質の吸着に応じて複数種類の匂い検知値を出力し、
匂い判定手段は、多層式のニューラルネットワークによって構成され、入力情報である匂い検知手段の複数種類の匂い検知値と出力期待値である所定の匂い種別の組み合わせを学習情報として入力してディープラーニングにより学習し、匂い検知手段の複数種類の匂い検知値を入力情報として入力した場合に匂い種別を推定して出力する。
(判定する匂いの種別)
匂い判定手段の多層式ニューラルネットワークは、
匂い種別として、物の焦げる匂い、タバコの匂い、及び、調理の匂いを学習し、
匂い検知手段の複数種類の匂い検知値を入力した場合に、物の焦げる匂い、タバコの匂い及び調理の匂いを推定して出力する。
(火災判定)
火災判定手段は、火災感知手段による火災発報の有無と、匂い判定手段から出力された物の焦げる匂い、タバコの匂い及び調理の匂いの有無に基づいて火災を判定する。
(火災と非火災の判定)
前記火災判定手段は、
火災発報ありを判定し、且つ、物の焦げる匂いを判定したとき、又は、物の焦げる匂い、タバコの匂い及び調理の匂いを判定したときに火災を判定し、
前記以外は非火災を判定する、
ことを特徴とする火災監視システム。
(火災注意の判定)
火災判定手段は、更に、
火災発報あり又は火災発報なしを判定し、且つ、タバコの匂い又は調理の匂いの少なくとも何れかを判定したときに火災注意を判定する。
(多層ニューラルネットワークによる匂い及び火災の判定)
監視空間の煙濃度又は温度が所定値以上又は前記所定値を超えた場合に火災発報する火災感知手段と、
監視空間の匂いを検知し、複数の匂い物質の吸着に応じて複数種類の匂い検知値を出力する匂い検知手段と
多層式ニューラルネットワークによって構成され、入力情報である火災感知手段の火災発報の有無と匂い検知手段の複数種類の匂い検知値、出力期待値である火災又は非火災と所定の匂い種別の組み合わせを学習情報として入力してディープラーニングにより学習し、火災感知手段の火災発報の有無及び匂い検知手段の複数種類の匂い検知値を入力情報として入力した場合に火災又は非火災を推定して出力する匂い・火災判定手段と、
が設けられたことを特徴とする

(匂い判定手段と火災判定手段の配置場所)
火災感知手段と匂い検知手段は、受信機から引き出された信号回線に接続され、
匂い判定手段は匂い検知手段又は受信機に設けられ、
火災判定手段は受信機に設けられる。
(火災感知手段と匂い検知手段を同じ区画に設置)
火災感知手段は所定の区画毎に設置され、匂い検知手段は、火災感知手段と同じ区画に設置される。
(匂い検知手段を一部の区画に設置)
火災感知手段は所定の区画毎に設置され、
匂い検知手段は複数の区画の一部に設置され、
受信機の匂い判定手段は、火災発報した区画に匂い検知手段が設置されていない場合、周辺の区画に設置された匂い検知手段を選択して匂いの種別を判定する。
(多層式のニューラルネットワークの構成と学習)
多層式のニューラルネットワークは、結合ニューラルネットワークであり、
学習情報を入力した場合に出力される値と所定の期待値との誤差に基づくバックプロパゲーションにより学習する。
(基本的な効果)
本発明は、火災監視システムであって、監視空間の煙濃度又は温度が所定値以上又は所定値を超えた場合に火災発報する火災感知手段と、監視空間の匂いを検知する匂い検知手段と、匂い検知手段の匂い検知値を入力して匂いの種別を判定する匂い判定手段と、火災感知手段による火災発報の有無と匂い判定手段から出力された匂いの種別に基づいて火災を判定する火災判定手段とが設けられたため、火災検知手段として機能する煙感知器や熱感知器が火災を感知した場合、これに加えて火災に伴う特有の匂いを判定することで、タバコや調理等の非火災要因に起因した誤った火災判断を防止し、高い精度で火災を判断することができる。
(多層式のニューラルネットワークによる匂い種別の判定の効果)
また、匂い検知手段は、複数の匂い物質の吸着に応じて複数種類の匂い検知値を出力し、匂い判定手段は、多層式のニューラルネットワークによって構成され、入力情報である匂い検知手段の複数種類の匂い検知値と出力期待値である所定の匂い種別の組み合わせを学習情報として入力してディープラーニングにより学習し、匂い検知手段の複数種類の匂い検知値を入力情報として入力した場合に匂い種別を推定して出力するようにしたため、人間の嗅覚のように、複雑な匂いの集合体から特定の匂いを検出、峻別して火災判断に利用することができる。
(判定する匂いの種別の効果)
また、匂い判定手段の多層式ニューラルネットワークは、匂い種別として、物の焦げる匂い、タバコの匂い、及び調理の匂いを学習し、匂い検知手段の複数種類の匂い検知値を入力した場合に、物の焦げる匂い、タバコの匂い、及び調理の匂いを推定して出力するようにしたため、火災判断に必要な物の焦げる匂い、タバコの匂い、及び調理の匂いを判定し、精度の高い火災判断ができる。
(火災判定の効果)
また、火災判定手段は、火災感知手段による火災発報の有無と、匂い判定手段から出力された物の焦げる匂い、タバコの匂い、及び、調理の匂いの有無に基づいて火災を判定し、例えば、火災判定手段は、
(1) 火災発報ありを判定し、且つ、物の焦げる匂いを判定したとき、又は、火災発報ありを判定し、且つ、物の焦げる匂い、タバコの匂い及び調理を判定したときに火災を判定し、
(2) 火災発報あり又は火災発報なしを判定し、且つ、タバコの匂い又は調理の匂いの少なくとも何れかを判定したときに火災注意を判定し、
(3) (1)(2)以外は非火災を判定する、
ようにしたため、例えば、煙が感知され、物の焦げる匂いが判定されたときは間違いなく火災であり、また、煙が感知され、物の焦げる匂いも判定され、更に、タバコや調理の匂いも判定された場合も間違いなく火災であり、このため、タバコや調理の煙が存在しても確実に火災を判断できる。
また、煙が感知され、物の焦げる匂いとタバコ又は調理の匂いが判定されたときは、例えば灰皿でくすぶっている状況が想定されることから、火災注意と判断して注意警報を出力させる。
また、煙が感知されなくとも、物の焦げる匂いに加えてタバコ又は調理の匂いが判定された場合には、火災に繋がる可能性が高いことから、火災注意と判断して注意警報を出力させる。
さらに、煙が感知されるが、物の焦げる匂いは判定されず、タバコ又は調理の匂いが判定されたときには、通常の喫煙又は調理の状態であり、煙が感知されても非火災と判断することで、タバコや調理の煙による誤報(非火災報)を確実に防止できる。
(多層ニューラルネットワークによる匂い及び火災の判定の効果)
また、匂い判定手段と火災判断手段は多層式のニューラルネットワークで構成され、入力情報である火災検知手段の火災発報の有無と匂い検知手段の複数種類の匂い検知値、出力期待値である火災、火災注意又は非火災と所定の匂い種別の組み合わせを学習情報として入力してディープラーニングにより学習し、火災検知手段の火災発報の有無及び匂い検知手段の複数種類の匂い検知値を入力情報として入力した場合に火災、火災注意又は非火災を推定して出力するようにしたため、多層式のニューラルネットワークの学習により、匂い判定手段と火災判断手段の機能が実現され、火災に伴う煙又は熱に加え、火災に関連する所定の匂いを判定することで、高精度の火災判断ができる。
(匂い判定手段と火災判定手段の配置場所による効果)
また、火災感知手段と匂い検知手段は、受信機から引き出された信号回線に接続され、匂い判定手段は匂い検知手段又は受信機に設けられ、火災判定手段は受信機に設けられたため、火災検知手段として機能する煙感知器や熱感知器と共に匂い検知手段として機能する匂い検知器が警戒区域に設置され、受信機に匂い検知信号又は匂い判定信号を送信することで、煙又は熱の感知との組み合わせにより高精度の火災判断ができる。
また、匂い判定手段を匂い検知手段に設けた場合には、多層式のニューラルネットワークを備えた匂い種別の判定をエッジ側で行って受信機に送信することができ、受信機側の構成を簡単にすることができる。
(火災感知手段と匂い検知手段を同じ区画に設置する効果)
また、火災感知手段は所定の区画毎に設置され、匂い検知手段は、火災感知手段と同じ区画に設置されたため、同じ区画の煙又は熱に加え、匂いの種別を判定して高精度の火災判断ができる。
(匂い検知手段を一部の感知器設置区画に設置する効果)
また、火災感知手段は所定の区画毎に設置され、匂い検知手段は複数の区画の一部に設置され、受信機の匂い判定手段は、火災発報した区画に匂い検知手段が設置されていない場合、周辺の区画に設置された匂い検知手段を選択して匂いの種別を判定するようにしたため、匂い検知手段を全ての区画に設けなくとも、火災発報と匂い種別に基づく高精度の火災判断ができ、また、火災検知手段として機能する煙感知器や熱感知器の設置数に対し匂い検知手段として機能する匂い検知器の設置数を低減し、システムコストを抑えることができる。
(多層式のニューラルネットワークの構成と学習による効果)
また、多層式のニューラルネットワークは、結合ニューラルネットワークであり、学習情報を入力した場合に出力される値と所定の期待値との誤差に基づくバックプロパゲーションにより学習するようにしたため、例えば匂い種別の判定にあっては、匂い検知手段から出力される複数の匂い検知値を入力情報として入力した場合に、出力の期待値として物の焦げる匂い、タバコの匂い、又は調理の匂いといった匂い種別の推定値を与えてバックプロパゲーション処理により出力値と期待値の誤差を最小とするように多層式のニューラルネットワークにおけるウェイト(重み)とバイアスが学習され、入力情報からより高い精度で物の焦げる匂い、タバコの匂い、又は調理の匂いを判別して高精度の火災判断に利用できる。
火災監視システムの実施形態を示した説明図 図1の匂い検知器による16チャンネルの匂い検知値をレーダーチャートで示した説明図 火災監視システムによる火災判断の機能構成を示した説明図 図3の匂い判定部の機能構成を示した説明図 図4に示した多層式ニューラルネットワークの機能構成を示した説明図 図3の火災判定部による火災判定処理を一覧で示した説明図 匂い判定部と火災判定部を多層式のニューラルネットワークで構成した火災監視システムの機能構成を示した説明図
[実施形態の基本的な概念]
図1は火災監視システムの実施形態を示した説明図である。本実施形態による火災監視システムの基本概念は、監視空間の煙濃度又は温度が所定値以上又は所定値を超えた場合に火災発報する火災感知手段である火災感知器14に加え、監視空間の匂いを検知する匂い検知手段である匂い検知器18を設け、匂い検知器18の匂い検知値を例えば受信機10に設けた匂い判別手段である匂い判定部40に送信して匂いの種別、例えば、物の焦げる匂い、タバコの匂い、調理の匂いを判別し、火災判定手段である火災判定部42により、火災感知器14による火災発報の有無と匂い判定部40による匂いの種別の判別結果に基づいて火災を判定するというものであり、火災感知器14が火災を感知して火災発報した場合に、これに加えて火災に伴う特有の匂い、例えば物の焦げる匂いを判定することで、タバコや調理等の非火災要因に起因した誤った火災判断を防止し、高い精度で火災を判断することができる。
また、匂い検知器18は、複数の匂い物質の吸着に応じて複数種類の匂い検知値を出力し、匂い判定部40は、多層式のニューラルネットワークによって構成され、入力情報である匂い検知器18の複数種類の匂い検知値と出力期待値である所定の匂い種別(物の焦げる匂い、タバコの匂い、調理の匂い)の組み合わせを学習情報として入力してディープラーニングにより学習することで、匂い検知器18の複数種類の匂い検知値を入力情報として入力した場合に、匂い種別を推定して出力することができ、人間の嗅覚のように、複雑な匂いの集合体から特定の匂いを検出、峻別して火災判断に利用することができる。
[火災報知設備の概要]
図1に示すように、本実施形態はR型の火災監視システムを例にとっており、建物の一階の管理人室などには例えば受信機10が設置され、受信機10から警戒区域に対し系統毎に分けて信号回線12-1~12-3が引き出されている。ここで、信号回線12-1,12-2は火災監視系統となり、信号回線12-3は端末制御系統となる。なお、信号回線12-1~12-3は、区別する必要がないときは信号回線12という場合がある。
信号回線12-1,12-2には固有のアドレスが設定された伝送機能を有する複数のアナログ式の火災感知器14が接続されている。また、信号回線12-1,12-2には、アナログ式の火災感知器14に加え、固有アドレスが設定されると共に伝送機能を備えた中継器16を介して匂い検知器18が接続されている。
信号回線12-1にあっては、監視区画A11,A12毎に火災感知器14と匂い検知器18が設置されており、同じ監視区域の火災と臭いを監視している。これに対し信号回線12-2にあっては、火災感知器14は全ての監視区画A21~AA23に設置されるが、匂い検知器18は例えば監視区画A22に示すように、一部の監視区画に設けられ、監視区画A22の匂い検知器18により設置区画A22に加え、隣接した周辺の監視区画A21,A23の匂いも監視するようにし、匂い検知器18の設置数を低減している。
なお、匂い検知器18は、監視区画の利用状況に合わせて設置しても良い。例えば、喫煙室、調理室、貴重品や重要書類の収納区画などの非火災要因が存在する区画に火災感知器14と共に匂い検知器18を設置する。
また、信号回線12-1,12-2には、必要に応じて中継器から引き出された感知器回線にオンオフ式火災感知器を接続することが可能であり、更に、中継器を介してガス漏れ警報器や発信機を接続することもできる。
信号回線12-3には、固有アドレスが設定されると共に伝送機能を備えた中継器16を介して防火戸や防火ダンパーといった端末制御機器15が接続される。
ここで、信号回線12-1~12-3に接続される火災感知器14、中継器16等の端末機器に設定される最大アドレス数は例えば255としており、信号回線12-1~12-3のそれぞれには最大255台の火災感知器14を含む端末機器が接続できる。
[受信機の機能構成]
(受信機の概要)
受信機10には、メインCPU20と複数のサブCPU基板22-1~22-3が設けられ、サブCPU基板22-1~22-3にはサブCPU24と伝送回路部26が設けられている。
メインCPU20とサブCPU24は、シリアル転送バス25で接続されており、相互にデータを送受信する。シリアル転送バス25としては、例えばコントロールエリアネットワーク(CAN)が使用され、フレーム(メッセージともいう)と呼ばれるパケット単位にデータを送受信する。
メインCPU20には、液晶表示パネル等を用いたタッチパネル付きのディスプレイ28、火災代表灯、ガス漏れ代表灯、障害代表灯等を備えた表示部30、所定の操作スイッチが設けられた操作部32、スピーカが設けられた音響警報部34、及び移報部36が接続されている。
(火災監視制御)
サブCPU基板22-1,22-2に設けられたサブCPU24は、伝送回路部26に指示して火災感知器14及び匂い検知器18を接続した中継器16との間で所定の通信プロトコルに従って信号を送受信することで、火災監視制御を行っている。
伝送回路部26から火災感知器14及び匂い検知器18を接続した中継器16に対する下り信号は電圧モードで伝送している。この電圧モードの信号は、信号回線12の線路電圧を例えば18ボルトと30ボルトの間で変化させる電圧パルスとして伝送される。
これに対し火災感知器14及び匂い検知器18を接続した中継器16から伝送回路部26に対する上り信号は電流モードで伝送される。この電流モードにあっては、信号回線12に伝送データのビット1のタイミングで信号電流を流し、いわゆる電流パルス列として上り信号が受信機10に伝送される。
サブCPU24による火災監視制御は、通常の監視中にあっては、一定周期毎に、伝送回路部26に指示して、一括AD変換コマンドを含むブロードキャストの一括AD変換信号を送信しており、この一括AD変換信号を受信した火災感知器14は、煙濃度又は温度、匂い検知値をセンサデータとして検出して保持し、中継器16は匂い検知器18に指示して匂い検知値をセンサデータとして検出して保持させる。続いて、サブCPU24は、端末アドレスを順次指定したポーリングコマンドを含む呼出信号を送信している。
火災感知器14及び匂い検知器18を接続した中継器16は自己アドレスに一致するアドレスを持つ呼出信号を受信すると、そのとき保持しているセンサデータを含む応答信号を伝送回路部26に送信する。
火災感知器14は例えば煙濃度が所定の注意レベル以上又は注意レベルを超えると、受信機10に対し火災割込み信号を送信する。
サブCPU24は伝送回路部26を介して火災感知器14から火災割込み信号を受信すると、グループ検索信号を送信して火災を検出している火災感知器14を含むグループを特定し、続いて、グループ内検索信号を送信して火災を検出している火災感知器14のアドレスを特定し、火災割込みを行った火災感知器14の煙濃度及び同じ監視区画又は周辺区画に設置した匂い検知器18の匂い検知値を集中的に取集し、火災が検出された感知器アドレス、煙濃度及び匂い検知値を火災検出情報として、シリアル転送バス25を介してメインCPU20に送信する。
メインCPU20には、プログラムの実行により実現される機能として監視制御部38、匂い判定部40、火災判定部42が設けられる。メインCPU20の監視制御部38は、サブCPU24から火災検出情報を受信すると、匂い判定部40及び火災判定部42と連携して火災を判断し、火災判断が確定するとディスプレイ装置28に火災が検出された感知器アドレスに基づき火災発生場所を含む火災警報情報を表示させ、音響警報部34のスピーカから火災発生を示す所定の主音響警報を出力させ、更に、移報部36により火災移報信号を外部に出力して所定の連動制御等を行わせる。
[匂い検知器]
図2は匂い検知器による16チャンネルの匂い検知値をレーダーチャートで示した説明図である。図1の信号回線12-1,12-2に中継器16を介して接続された匂い検知器18は、複数の匂い物質の吸着に応じて複数種類の匂い検知値x1~xnを出力する。
匂い検知器18は、例えば水晶基板上に、異なる匂い分子を選択して吸着させる感応膜を成膜した複数のガスセンサーを設けている。ガスセンサーの感応膜は、アンモニア、トルエン、アセトン、エタノールなど、それぞれの匂い分子に反応し、選択的にガス成分が吸着する材料を用いている。ガスセンサーは、匂い分子の吸着量に比例して、例えば水晶振動子の周波数が変化し、周波数の変化量に応じたレベルを持つ検出値xiを出力する。本実施形態にあっては、例えば16種類の匂い分子に反応して検知値x1~x16を出力する16チャンネルの匂い検知器18を使用している。
また、本実施形態にあっては、火災判断に利用する匂いの種別として、例えば、物の焦げる匂い、タバコの匂い、調理の匂いを判別しており、これら判別対象となる物の焦げる匂い、タバコの匂い、調理の匂いが匂い検知器18に接触したときには、例えば、図2のレーダーチャートに示す固有の検知値x1~x16が出力される。
図2(A)は物の焦げる匂いが接触したときの検知値x1~x16のレーダーチャートを示し、図2(B)はタバコの匂いが接触したときの検知値x1~x16のレーダーチャートを示し、図2(C)は調理の匂いが接触したときの検知値x1~x16のレーダーチャートを示している。なお、図2のレーダーチャートは一例であり、16チャンネルのガスセンサの種類と配置により、様々なパターンとなる。
図2のレーダーチャートから明らかなように、多チャンネル構成(複数ガスセンサー構成)の匂い検知器18の検知値x1~x16は、物の焦げる匂い、タバコの匂い、調理の匂いを、異なったパターンとして視覚的に捉えることができ、この視覚的なパターンの相違が、人間の嗅覚のように、複雑な匂いの集合体から特定の匂いを検出、峻別することを意味する。
ここで、物の焦げる匂いとは、火災による燃焼物の種類により異なる多種多様な匂いが含まれ、また、調理の匂いとは、調理している食物の匂いであり、料理の種類に応じた多種多様な匂いが含まれ、その結果、図2(A)(C)に示す物の焦げる匂いや調理の匂いのパターンに限定されず、多種多様なパターンとなる。これに対し、タバコの匂いは、ニコチンを含む特徴的な匂いであり、図2(B)に示すタバコの匂いのパターンに類似したパターンとなる。
このような匂い検知器18の検知値x1~x16から、物の焦げる匂い、タバコの匂い、調理の匂いといった匂いの種別を判別するため、本実施形態にあっては、匂い判定部40に多層式のニューラルネットワークを設けている。
なお、匂い検知器18は、本実施形態の16チャンネル以外に、32チャンネル、64チャンネルといった更に高分解能の物を使用しても良い。
[火災判断の機能構成]
図3は火災監視システムによる火災判断の機能構成を示した説明図、図4は図3の匂い判定部の機能構成を示した説明図、図5は図4に示した多層式ニューラルネットワークの機能構成を示した説明図である。
図1に示した火災監視システムによる火災判断の機能は、図3のように、火災感知器14、匂い検知器18、匂い判定部40及び火災判定部42で構成される。
火災感知器14は例えば煙感知器又は熱感知器であり、煙濃度又は温度が所定の火災閾値以上又は火災閾値を超えた場合に火災発報し、火災発報信号Sを火災判定部42に出力する、と見做すことができる。
匂い検知器18は、火災感知器14と同じ監視空間の匂いを検知し、16チャンネルの匂い検知器18を例にとると、匂い検知値x1~x16を匂い判定部40に出力する。
匂い判定部40は匂い検知器18からの匂い検知値x1~x16を入力して匂いの種別を判定するもので、本実施形態にあっては、物の焦げる匂い推定値y1、タバコの匂い推定値y2、調理の匂い推定値y3を、匂いの種別として出力する。
匂い判定部40は、多層式ニューラルネットワーク46を備える。多層式ニューラルネットワーク46を備えた匂い判定部40は、図4に示すように、多層式ニューラルネットワーク46、入力部56、学習制御部58及び学習情報保持部60で構成され、これらの機能は、ニューラルネットワークの処理に対応したコンピュータ回路のCPUによるプログラムの実行により実現される。
匂い検知器18からの匂い検知値x1~x16は入力部56を介して多層式ニューラルネットワーク46に入力し、物の焦げる匂い推定値y1、タバコの匂い推定値y2及び調理の匂い推定値y3を出力する。
学習制御部58は、火災実験等により、物の焦げる匂い、タバコの匂い、調理の匂いを発生して検知された匂い検知器18の複数組の匂い検知値x1~x16を学習情報として学習情報保持部60に一時的に記憶保持させ、学習情報保持部60に記憶した匂い検知値x1~x16と出力期待値である物の焦げる匂い、タバコの匂い、調理の匂いの組み合わせを教師ありの学習情報として入力部56を介して多層式ニューラルネットワーク46に入力し、例えばバックプロパゲーション法(誤差逆伝搬法)等の学習法により多層式ニューラルネットワーク46のウエイト(重み)とバイアスを学習させる。
この教師ありの学習情報を用いて学習の済んだ多層式ニューラルネットワーク46に、匂い検知器18から任意の匂い検知値x1~x16を入力すると、物の焦げる匂い推定値y1、タバコの匂い推定値y2及び調理の匂い推定値y3が出力される。
ここで、物の焦げる匂い推定値y1、タバコの匂い推定値y2及び調理の匂い推定値y3は、理想的には次のようになる。
物の焦げる匂いの場合は(y1,y2,y3)=(1,0,0)
タバコの匂いの場合は (y1,y2,y3)=(0,1,0)
調理の匂いの場合は (y1,y2,y3)=(0,0,1)
実際に匂い検知器18の匂い検知値x1~x16を多層式ニューラルネットワーク46に入力した場合は、推定値y1,y2,y3の総和は1で、それぞれ0~1の間の値をとる。
(全結合ニューラルネットワーク)
図5に示すように、多層式ニューラルネットワーク46は、全結合ニューラルネットワークであり、入力層62、全結合64、中間層66と全結合64の繰り返し、及び出力層68で構成されている。
ここで、全結合ニューラルネットワークは、入力情報である匂い検知値x1~x16を物の焦げる匂い、タバコの匂い、調理の匂いの3クラスに分類する多クラス分類を行うことから、最後の出力層68には、目的とする3クラスと同じ3ユニットを配置し、これらのユニットへの入力を、ソフトマックス関数を用いて、総和が1の出力y1,y2,y3となるようにしており、各ユニットの出力y1,y2,y3はそのクラスに属する確率を示すことになる。
(バックプロパゲーションによる学習)
図5に示した入力層62、複数の中間層66及び出力層68で構成される多層式ニューラルネットワーク46は、各層に複数のユニットを設けて他の層の複数のユニットと結合し、各ユニットには重みとバイアス値が設定され、複数の入力値と重みとのベクトル積を求めてバイアス値を加算して総和を求め、これを所定の活性化関数に通して次の層のユニットに出力するようにしており、最終層に到達するまで値が伝搬するフォワードプロパゲーションが行われる。
このようなニューラルネットワークのウエイトやバイアスを変更するには、バックプロパゲーションとして知られている学習アルゴリズムを使用する。バックプロパゲーションでは、入力値xと期待される出力値(期待値)yというデータセットをネットワークに与えた場合の教師ありの学習と、入力値xのみをネットワークに与えた場合の教師なしの学習があり、本実施形態は、教師ありの学習を行う。
教師ありの学習でバックプロパゲーションを行う場合は、ネットワークを通ってきたフォワードプロパゲーションの結果である推定値y*と期待値yの値を比較する誤差として、例えば、平均二乗誤差の関数を使用する。
バックプロパゲーションでは、推定値y*と期待値yの誤差の大きさを使い、ネットワークの後方から前方までウエイトとバイアスを補正しながら値を伝播させる。各ウエイトとバイアスについて補正した量は、誤差への寄与として扱われ、最急降下法で計算され、ウエイトとバイアスの値を変更することにより、誤差関数の値を最小化する。
ニューラルネットワークに対するバックプロパゲーションによる学習の手順は次にようになる。
(1) 入力値xをニューラルネットワークに入力して、フォワードプロパゲーションを行い推定値y*を求める。
(2) 推定値y*と期待値yに基づき誤差関数で誤差を計算する。
(3) ウエイトとバイアスを更新しながら、ネットワークにて、バックプロパゲーションを行う。
この手順は、ニューラルネットワークのウエイトとバイアスの誤差が可能な限り最小になるまで、異なる入力値xと期待値yの組み合わせを使って繰り返し、誤差関数の値を最小化する。
図4に示す多層式ニューラルネットワーク46の教師ありの学習制御では、
物の焦げる匂いの場合は(y1,y2,y3)=(1,0,0)
タバコの匂いの場合は (y1,y2,y3)=(0,1,0)
調理の匂いの場合は (y1,y2,y3)=(0,0,1)
を出力値(期待値)として使用し、前述したバックプロパゲーションを行う。
(匂い判定部の実装位置)
図3に示した多階層ニューラルネットワーク46の学習は、受信機10では行わず、別のコンピュータ装置で学習し、学習済みの多階層ニューラルネットワーク46を受信機10に匂い判定部40として実装することになる。
また、学習済みの多層式ニューラルネットワーク46を備えた匂い判定部40は、警戒区域に設置している匂い検知器18に実装し、多層式ニューラルネットワーク46による匂い種別の判定をエッジ処理により行うようにしても良い。これにより受信機10の処理負担を大幅に軽減することができる。
[火災判定部]
図3に示すように、火災判定部42は、比較器48,50,52と判断部54で構成される。匂い判定部40の多層式ニューラルネットワーク46から出力される物の焦げる匂い推定値y1、タバコの匂い推定値y2及び調理の匂い推定値y3は、総和が1でそれぞれ0~1の間の値をとることから、比較器48,50,52により、0,1の何れかを示すように2値化する。
比較器48,50,52には基準電圧源48a,50a,52aによって基準値1/3が設定されており、推定値y1,y2,y3は3ビット推定値(Y1,Y2,Y3)に2値化され、物の焦げる匂い、タバコの匂い及び調理の匂いの有無を示すことになる。
判断部54は2値化した値である火災発報信号S、焦げる匂い推定値Y1、タバコの匂い推定値Y2及び調理の匂い推定値Y3に基づき、換言すると4ビット入力情報(S,Y1,Y2,Y3)に基づき、火災D1、火災注意D2又は非火災D3を判定して出力する。
図6は図3の火災判定部による火災判定処理を一覧で示した説明図であり、モード1~16に分類され、4ビット入力情報(S,Y1,Y2,Y3)につきビット1に対応した「有り」を〇印で示し、ビット0に対応した「無し」を×印で示している。
(火災判定)
図6のモード1,4の判定出力は「火災」となり、受信機10から火災警報が出力される。
モード1は、
(火災発報=有り)(物の焦げる匂い=有り)(タバコの匂い=有り)(調理の匂い=有り)
であり、この場合も判定出力は「火災」となる。即ち、モード1は、火災発報があり、物の焦げる匂いが判別され、更に、タバコ及び調理の匂いも判別されていることから、この場合も間違いなく火災と判断できる。
モード4は
(火災発報=有り)、(物の焦げる匂い=有り)、
(タバコの匂い=無し)、(調理の匂い=無し)
であり、判定出力は「火災」となる。即ち、モード4は、火災発報があり、物の焦げる匂いが判別されていることから、間違いなく火災と判断できる。
(火災注意判定)
図6のモード2,3,9~12の判定出力は「火災注意」となり、受信機10から火災注意警報(プリアラーム又は火災予兆警報ともいう)が出力される。火災注意とは、火災ではないが、火災になる可能性が高く、注意を要することを意味する。
モード2は
(火災発報=有り)、(物の焦げる匂い=有り)、(タバコの匂い=有り)、
(調理の匂い=無し)
であり、例えば、灰皿でタバコの吸い殻が燻って多量に煙が出ている状況等が想定され、火災に発展する可能性が高いことから、注意を喚起する必要がある。
モード3は、
(火災発報=有り)、(物の焦げる匂い=有り)、(調理の匂い=有り)、
(タバコの匂い=無し)
であり、例えば、調理中に鍋が過熱して調理物が燻って多量に煙が出ている状況等が想定され、火災に発展する可能性が高いことから、注意を喚起する必要がある。
モード9~12は、火災発報は無いが、物の焦げる匂いがあり、更に、タバコと調理の匂いの両方が検知されないか、何れか一方又は両方が検知された場合であり、前述したモード2,3の前段階に相当することから、この場合にも、判定出力を「火災注意」として、注意を喚起するようにしている。なお、モード10~14は火災発報が無いことから、判定出力を「非火災」としても良い。
図6の残りのモード5~8,13~16の判定出力は「非火災」となる。このうちモード5~8は火災発報はあるが、少なくとも物の焦げる匂いは無く、タバコの匂いと調理の匂いの何れか一方又は両方があっても、これは通常の喫煙による煙や調理による煙や熱と判断できることから、判定出力を「非火災」とし、受信機10から誤って火災警報が出力される非火災報を確実に防止することができる。
なお、図6に示した火災判定部42による火災発報と匂いの種別を組み合わせた火災判定は一例であり、火災注意は判定せず、火災と非火災のみの判定としても良い。
また、火災又は火災注意を判定した場合、受信機10のディスプレイ28に、火災又は火災注意の判定に利用した匂いの種別として、物の焦げる匂い、タバコの匂い、調理の匂い等を表示し、火災原因や燃焼物等が何であるかを担当者が判断できるようにしてもよい。
[火災監視システムの制御動作]
図1の火災監視システムによる制御動作を説明する次のようになる。いま、信号回線12-1が引き出された監視区画A11で火災が発生したとすると、受信機10で監視区画A11に設置した火災感知器14の火災発報を受信し、また、監視区域A11に設置した匂い検知器18の匂い検知値x1~x16を受信する。
受信機10の匂い判定部40は匂い検知値x1~x16を入力して物の焦げる匂いを判定し、火災判定部42は火災発報と匂い判定部40で判定された物の焦げる匂いに基づき火災を判定し、これを受けて監視制御部38が火災警報を出力させる警報制御を行う。
一方、信号回線12-2が引き出された監視区域A21で火災が発生したとすると、受信機10で監視区画A21に設置した火災感知器14の火災発報を受信し、また、監視区域A21に隣接した周辺の監視区画A22に設置した匂い検知器18の匂い検知値x1~x16を受信する。受信機10の周辺の監視区画A22に設置した匂い判定部40による匂い検知値x1~x16を入力して物の焦げる匂いを判定し、火災判定部42は監視区域A21に設置された火災感知器14の火災発報と匂い判定部40で判定された隣接する監視区域A22での物の焦げる匂いに基づき火災を判定し、これを受けて監視制御部38が火災警報を出力させる警報制御を行う。
[匂い判定部と火災判定部を多階層ニューラルネットで構成した実施形態]
図7は匂い判定部と火災判定部を多層式のニューラルネットワークで構成した火災監視システムの機能構成を示した説明図である。
図7に示すように、本実施形態は、火災感知器14からの火災発報信号Sと匂い検知器18からの匂い検知値x1~x16の全てを匂い・火災判定部70に設けた多層式ニューラルネットワーク46に入力し、火災推定値y1と非火災推定値y2を出力し、火災判断部72で火災か非火災か判定している。
多階層ニューラルネットワーク46を備えた匂い・火災判定部70の機能構成は図3と同じであり、多階層ニューラルネットワーク46は学習制御部58により、入力情報である火災発報信号Sと匂い検知値x1~x16と出力期待値である火災、非火災を組み合わせた教師ありの学習情報を入力部56を介して多層式ニューラルネットワーク46に入力し、例えばバックプロパゲーション法(誤差逆伝搬法)等の学習法により多層式ニューラルネットワーク46のウエイト(重み)とバイアスを学習させる。
これにより実際に火災感知器14からの火災発報信号Sと匂い検知器18からの匂い検知値x1~x16が多層式ニューロネットワーク46に入力されると、0~1の範囲の値をもつ火災推定値y1と非火災推定値y2が出力され、火災判断部72に設けた比較器74,76の基準電圧源74a,76aにより設定した基準値1/2と比較して2値化し、火災判定値Y1と非火災判定値Y2として、火災判定結果(Y1,Y2)=(1,0)又は非火災判定結果(Y1,Y2)=(0,1)を出力するようにしている。
なお、本実施形態の匂い・火災判定部70は、図1に示した警戒区域に設置した匂い検知器18に設けてエッジ処理を行うことはできないので、受信機10に設けることになる。また、多層式ニューラルネットワーク46の学習は、受信機10では行わず、別のコンピュータ装置で学習し、学習済みの多層式ニューラルネットワーク46を受信機10に実装することになる。
[本発明の変形例]
(火災報知設備)
上記の実施形態は、火災感知器等の端末アドレスを取得して火災発生場所を特定可能なR型の火災報知設備を例にとるものであったが、これに限定されず、受信機から引き出され信号回線単位に火災を検出して警報するP型の火災報知設備についても、回線単位に匂い検知器を設け、受信機で匂いの種別を判定することで、同様に適用できる。
(その他)
また、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:受信機
12-1~12-3:信号回線
14:火災感知器
16:中継器
18:匂い検知器
20:メインCPU
22-1~22-3:サブCPU基板
24:サブCPU
25:シリアル転送バス
26:伝送回路部
28:ディスプレイ装置
30:表示部
32操作部
34:音響警報部
36:移報部
38:監視制御部
40:匂い判定部
42:火災判定部
46:多層式ニューラルネットワーク
48,50,52,74,76:比較器
48a,50a,52a,74a,76a:基準電圧源
54:判断部
56:入力部
58:学習制御部
60:学習情報保持部
62:入力層
64:全結合
66:中間層
68:出力層
70:匂い・火災判定部
72:火災判断部

Claims (11)

  1. 監視空間の煙濃度又は温度が所定値以上又は前記所定値を超えた場合に火災発報する火災感知手段と、
    前記監視空間の匂いを検知する匂い検知手段と、
    前記匂い検知手段の匂い検知値を入力して匂いの種別を判定する匂い判定手段と、
    前記火災感知手段による前記火災発報の有無と前記匂い判定手段から出力された前記匂いの種別に基づいて火災を判定する火災判定手段と、
    が設けられたことを特徴とする火災監視システム。
  2. 請求項1記載の火災監視システムに於いて、
    前記匂い検知手段は、複数の匂い物質の吸着に応じて複数種類の匂い検知値を出力し、
    前記匂い判定手段は、多層式ニューラルネットワークによって構成され、入力情報である前記匂い検知手段の前記複数種類の匂い検知値と、出力期待値である所定の匂い種別の組み合わせを学習情報として入力してディープラーニングにより学習し、前記匂い検知手段の前記複数種類の匂い検知値を入力情報として入力した場合に前記匂い種別を推定して出力することを特徴とする火災監視システム。
  3. 請求項2記載の火災監視システムに於いて、
    前記匂い判定手段の前記多層式ニューラルネットワークは、
    前記匂い種別として、物の焦げる匂い、タバコの匂い、及び調理の匂いを学習し、
    前記匂い検知手段の前記複数種類の匂い検知値を入力した場合に、物の焦げる匂い、タバコの匂い及び調理の匂いを推定して出力することを特徴とする火災監視システム。
  4. 請求項3記載の火災監視システムに於いて、
    前記火災判定手段は、前記火災感知手段による前記火災発報の有無と、前記匂い判定手段から出力された前記物の焦げる匂い、前記タバコの匂い及び前記調理の匂いの有無に基づいて火災を判定することを特徴とする火災監視システム。
  5. 請求項記載の火災監視システムに於いて、
    前記火災判定手段は、
    前記火災発報ありを判定し、且つ、前記物の焦げる匂いを判定したとき、又は、前記物の焦げる匂い、前記タバコの匂い及び前記調理の匂いを判定したときに火災を判定し、
    前記以外は非火災を判定する、
    ことを特徴とする火災監視システム。
  6. 請求項記載の火災監視システムに於いて、
    前記火災判定手段は
    前記火災発報あり又は火災発報なしを判定し、且つ、前記タバコの匂い又は前記調理の匂いの少なくとも何れかを判定したときに火災注意を判定することを特徴とする火災監視システム。
  7. 監視空間の煙濃度又は温度が所定値以上又は前記所定値を超えた場合に火災発報する火災感知手段と、
    前記監視空間の匂いを検知し、複数の匂い物質の吸着に応じて複数種類の匂い検知値を出力する匂い検知手段と
    多層式ニューラルネットワークによって構成され、入力情報である前記火災感知手段の前記火災発報の有無と前記匂い検知手段の前記複数種類の匂い検知値と、出力期待値である火災又は非火災の組み合わせを学習情報として入力してディープラーニングにより学習し、前記火災感知手段の前記火災発報の有無及び前記匂い検知手段の前記複数種類の匂い検知値を入力情報として入力した場合に火災又は非火災を推定して出力する匂い・火災判定手段と、
    が設けられたことを特徴とする火災監視システム。
  8. 請求項1記載の火災監視システムに於いて、
    前記火災感知手段と前記匂い検知手段は、受信機から引き出された信号回線に接続され、
    前記匂い判定手段は前記匂い検知手段又は前記受信機に設けられ、
    前記火災判定手段は前記受信機に設けられたことを特徴とする火災監視システム。
  9. 請求項1又は7記載の火災監視システムに於いて、
    前記火災感知手段は所定の感知器設置区画毎に設置され、前記匂い検知手段は、前記火災感知手段と同じ感知器設置区画に設置されたことを特徴とする火災報知システム。
  10. 請求項記載の火災監視システムに於いて、
    前記火災感知手段は所定の感知器設置区画毎に設置され、
    前記匂い検知手段は前記感知器設置区画の一部に設置され、
    前記受信機の前記匂い判定手段は、火災発報した区画に前記匂い検知手段が設置されていない場合、周辺の区画に設置された前記匂い検知手段を選択して匂いの種別を判定することを特徴とする火災報知システム。
  11. 請求項2又は7記載の火災監視システムに於いて、
    前記多層式のニューラルネットワークは、結合ニューラルネットワークであり、
    前記学習情報を入力した場合に出力される値と所定値の期待値との誤差に基づくバックプロパゲーションにより学習することを特徴とする火災監視システム。
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