JP3032402B2 - 火災判定装置及びニューラルネットワークの学習方法 - Google Patents

火災判定装置及びニューラルネットワークの学習方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニューラルネットワー
クを用いて火災を判定する火災判定装置に関し、更にニ
ューラルネットワークで火災判定ができるように教師デ
ータを投入して学習させるニューラルネットワークの学
習方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、人が火源を見て火災と判断する
基準は、火源の大きさ、延焼の有無、発生箇所などで環
境条件の違いにより異なる。このあいまいである火災検
知に階層型ニューラルネットワークを適用し、人の感覚
に近い火災判定が行える見通しがある。このように火災
判断に階層型ニューラルネットワークを使用した装置と
しては、例えば特開平4−86995号のものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな階層型ニューラルネットワークに、火災実験などで
求めた入力信号と教師信号を投入し、バックプロパゲー
ション法による学習を行ってみたが、望むような結果が
得られず、ニューラルネットワークによる火災判定は期
待される程の成果を得ていない。特にパルス的な入力に
対する応答が不十分であった。
【0004】この原因は、火災判断が温度や煙濃度の検
出値だけでなく、時間の経過に伴ってどのように変化す
れば火災であるとする時間的概念をもっているのに対
し、従来の階層型ニューラルネットワークでは、このよ
うな時間的概念を十分に含んでいないことに起因してい
る。火災判断に必要な検出値の時間的な変化を示す時間
的な概念を導入した階層型ニューラルネットワークとし
ては、ネットワーク出力を遅延回路を介して入力に帰還
する遅延フィードバック型のニューラルネットワークが
考えられる。しかし、遅延フィードバック型のニューラ
ルネットワークについて、火災実験で得た教師信号を用
いて学習を行ってみたが、学習回数が増加しても偏差が
収束せず、逆に偏差が発散してしまうこともあり、期待
するほどの結果が得られていない。
【0005】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、フィードバックを用いずに時間的概念を導
入して適切に火災判断でき、パルス的な入力に対しても
正確に火災が判定できるニューラルネットワークを用い
た火災判定装置を提供する。更に、本発明は、時間的概
念を導入したニューラルネットワークを火災判断可能な
状態に適切に学習させることのできるニューラルネット
ワークの学習方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は次のように構成する。尚、実施例図面中の符号
を併せて示す。まず本発明の火災判定装置は、火災に伴
う複数種類の物理的現象の変化を示す複数種類の検出信
号を正規化して出力する入力処理部と、入力層28、中
間層30および出力層32の各ユニットを完全結合して
構成され、入力層28に入力処理部からの信号を遅延さ
せる遅延部を設け、所定の教師信号を用いて火災判定の
学習が施されたニューラルネットワーク24と、ニュー
ラルネットワーク24の火災判定信号に基づいて火災警
報、防災機器制御などの火災対応判断を行う火災判断部
26とを設けたことを特徴とする。
【0007】ここで入力処理部は、センサ部10に温度
を検出する温度センサ12、煙による減光率を検出する
煙センサ14、およびCOガスの濃度を検出するCOガ
スセンサ16を備える。また検出温度θpから発熱量Q
f、煙の減光率μspから発煙量Qsmk 、およびCOガス
濃度GpからCOガスの発生量Qcoを演算する数学モデ
ル演算部18を備え、正規化部22に、演算で求めた発
熱量Qf、発煙量Qsmk およびCOガス発生量Qco、更
にそれぞれの微分値dQf/dt、dQsmk /dt、d
Qco/dtを出力する。
【0008】更に、数学モデル演算部18で求めた発煙
量Qsmk およびCOガス発生量Gpとそれぞれの微分値
dQsmk /dt、dQco/dtに、警戒区域の使用目的
に応じた所定の環境係数による重み付けを行なって正規
化部22に出力する環境係数重み付け部20を設ける。
またニューラルネットワーク24の入力層28に設けた
遅延部は、正規化部22から並列的に供給される複数の
正規化信号S1 〜S6 を信号ごとに入力して複数段階に
亘り遅延させる遅延ライン35を有し、遅延ライン35
の各遅延段ごとに入力ユニット34を設けて中間層30
の中間ユニット36に各遅延信号を重み係数を介して結
合することで供給する。
【0009】また本発明は、火災判定装置に設けたニュ
ーラルネットワークの学習方法として、次の過程をも
つ。 適宜の部材を火災を想定して燃焼させたときの時間的
に変化する発熱量、発煙量およびCOガス発生量、更に
それぞれの微分値を検出する火災信号生成過程; 火災信号生成過程で得られた前記各発生量ごとに、人
が危険と感じる度合を示す所定のメンバシップ関数に従
って火災判定値を決め、各発生量ごとの火災判定値を合
成して時間的に変化する火災判定教師信号を生成する火
災教師信号生成過程; 適宜の部材を非火災を想定して燃焼させたときの時間
的に変化する発熱量、発煙量およびCOガス発生量、更
にそれぞれの微分値を検出する非火災信号生成過程; 非火災信号生成過程で得られた各発生量ごとに、人が
危険と感じる度合を示す所定のメンバシップ関数に従っ
て火災判定値を決め、各発生量ごとの火災判定値を合成
して時間的に変化する非火災教師信号を生成する非火災
教師信号生成過程; 火災を示す各発生量と火災教師信号の組および非火災
を示す各発生量と非火災教師信号の組をニューラルネッ
トワーク24に投入して学習させる学習過程;ここで火
災データ生成過程にあっては、木材、ウレタンホーム、
布などの通常火災で燃焼が予想される複数種類の材料を
含む複合材料を燃焼させることが望ましい。また火災お
よび非火災教師データ生成過程にあっては、発熱量Qf
の火災判定値の重み付けを大きくして火災および非火災
教師データを生成する。
【0010】さらに本発明は、入力層28、中間層30
および出力層32の各ユニットを重み係数を介して結合
することで構成された階層型ニューラルネットワーク2
4に於いて、入力層24に、入力信号を複数段階に遅延
させる入力ラインごとに設けた遅延手段と、この遅延手
段の各遅延段の出力を入力して中間層のユニット36に
遅延信号を結合により供給する複数の入力ユニット34
を設けたことを特徴とする階層型ニューラルネットワー
クを提供する。
【0011】
【作用】このような構成を備えた本発明の火災判定装置
によれば、ニューラルネットワークの入力層に設けたデ
ィレイラインにより、ある瞬間に遅延段数分の時系列を
もつ一群の入力信号が一挙に入力層から中間層に供給さ
れることとなり、所謂オープンループで時間的な概念を
導入した火災判定ができる。
【0012】またセンサ信号を直接あつかわず、例えば
ASET−Bとして知られた火災シミュレーションの数
学モデルを使用して発熱量、発煙量、COガス発生量と
いう火災の発生源そのものの情報を算出し、これを基に
ニューラルネットワークによって火災判断を行うこと
で、燃焼物質や周囲環境に影響されることなく、火災と
非火災の判断を誤りなく行うことができる。
【0013】入力層にディレイラインをもつ本発明のニ
ューラルネットワークを学習する火災学習データとし
て、木材、ウレタンホーム、布切れなどの複合材料で構
成された部材、例えば椅子を燃焼させた時の各発生量を
使用し、さらに、各発生量に基づく教師信号としての火
災判定値の生成に、各発生量ごとに人間が感ずるあいま
いな危険度の概念を所定のメンバシップ関数として定義
し、このメンバシップ関数に従った複合材料の燃焼に基
づく各発生量から火災判定値の教師信号を生成して学習
させる。
【0014】この複合材料の燃焼で得た教師信号による
ネットワークの学習、即ち、バックプロパゲーション法
に従った学習により、学習回数の増加に伴ってネットワ
ーク出力と教師信号の偏差は速かに収束し、入力層にデ
ィレイラインを設けたネットワークを効率よく学習させ
ることができた。また魚の調理などの非火災データにつ
いても同様にして教師信号を生成して学習に使用する。
【0015】このようにして学習の済んだネットワーク
を使用して各種の火災、非火災を実験的に行って各発生
量をニューラルネットワークで処理したところ、火災の
進展に伴ない適切な時点で火災判定値が誰でも火災と判
断する値1.0に達することが確認された。また非火災
につては、火災判定値は誰でも火災と判断する値1.0
に対し十分に低い値に止まり、非火災を火災と判断して
しまうことはなかった。
【0016】更に、非火災のパルス的な各発生量の入力
に対し、ディレイラインをもたない従来のニューラルネ
ットワークでは、短い時間幅、例えば1秒程度のパルス
的入力でも火災判定値が1.0に達してしまったが、入
力層にディレイラインを備えた本発明のニューラルネッ
トワークでは、非火災のパルス的入力に対し火災判定値
は、ごく低い値に抑えられることが確認できた。
【0017】また火災による各発生量のパルス的な入
力、即ち、パルス振幅とパルス幅の増加に対しては、連
続入力の場合と同様に、適切な時点で火災判定値は1.
0に到達することが確認された。
【0018】
【実施例】図1は本発明の火災判定装置の一実施例を示
したブロック図である。図1において、本発明の火災判
定装置はセンサ部10,数学モデル演算部18,環境係
数重み付け部20,正規化部22,ニューラルネットワ
ーク24及び火災判断部26で構成される。この内、セ
ンサ部10,数学モデル演算部18,環境係数重み付け
部20及び正規化部22によって、ニューラルネットワ
ーク24に対する入力処理部を構成している。
【0019】センサ部10には温度センサ12,煙セン
サ14及びCOガスセンサ16が設けられ、それぞれ天
井面に設置される。温度センサ12は周囲温度を検出し
て温度信号θpを出力する。煙センサ14は火災による
煙の減光率μspを出力する。更に、COガスセンサ16
はCOガス濃度Gpを出力する。温度センサ12,煙セ
ンサ14及びCOガスセンサ16からの各センサ出力は
数学モデル演算部18に与えられる。数学モデル演算部
18は火災により2次的に生成される温度,煙濃度であ
るセンサ情報から発熱量Qf,発煙量Qsmk 及びCOガ
ス発生量Qcoという火災発生源そのものの情報を、火災
シミュレーションの数学モデルである例えばASET−
Bを適用し逆演算を行うことで算出する。この数学モデ
ル演算部18の詳細は本願発明者らが既に提案している
特開平2−271879号の火災判断装置に詳細に示さ
れる。
【0020】更に、数学モデル演算部18にあってはセ
ンサ出力から算出した発熱量Qf,発煙量Qsmk 及びC
Oガス発生量Qcoのそれぞれの時間微分量dQf/d
t,dQsmk /dt及びdQco/dtを算出する。数学
モデル演算部18で算出された火災発生源を示す各発生
量及び時間微分量は正規化部22に与えられる。この
内、発煙量とCOガス発生量については発生箇所の環境
条件により人の判断は異なるため、部屋の使用目的に応
じた環境係数による重み付けを環境係数重み付け部20
で行った後に正規化部22に出力する。例えば、会議室
等のように喫煙が予想される場所については発煙量の度
合を低くするように、環境係数による重み付けを行わせ
る。
【0021】正規化部22は火災発生源そのものを示す
発熱量,発煙量,ガス発生量及び各時間微分量の値に対
し所定の閾値を1とする正規化を行って入力信号S1〜
S6を生成して、並列的にニューラルネットワーク24
に投入する。ここで、正規化部22の正規化に使用する
閾値は誰から見ても火災と判断できる値を使用し、この
閾値は発熱量については25[kW]、発煙量について
は0.2[g/s]、COガス発生量については2.5
[g/s]とする。また、それぞれの時間微分量の閾値
は、発熱量については0.21[kW/s]、発煙量に
ついては1.1[mg/s2 ]、COガス発生量につい
ては19[mg/s2 ]としている。勿論、これらの閾
値は一例を示すもので、必要に応じて適宜の閾値を決め
ることができる。
【0022】ニューラルネットワーク24は図2に示す
ように、入力層28,中間層30及び出力層32の3層
で構成された全結合型の階層型ニューラルネットワーク
であり、入力層28にディレイラインを設けたことを特
徴とする。即ち、入力層28には入力信号S1〜S6の
各入力ライン毎にn段の遅延段28−1〜28−nを設
けている。各遅延段の遅延時間はTであり、最初の遅延
段28−1は遅延時間が0であり、2番目以降は遅延時
間Tずつ遅延時間が増加する。
【0023】図3は図2の入力層28に設けたディレイ
ラインの詳細を示す。図3において、入力信号S1〜S
6毎に遅延時間Tを(n−1)個のディレイライン35
−1〜35−(n−1)を直列接続してn個の遅延段2
8−1〜28−nを構成している。最初の入力信号S1
〜S6のそれぞれ及び各ディレイライン35の出力はそ
れぞれ入力ユニット32に入力接続され、その入力ユニ
ット32より図2に示すように、中間層30の中間ユニ
ット36のそれぞれに結合し、ネットワークを構成して
いる。
【0024】このような入力層28に設けたディレイラ
インにより、現在時刻0Tから(n−1)T前までの時
系列的なnポイントの信号を各ライン毎に一括して中間
層30の中間ユニット36に供給することができ、これ
によって時間的な概念を取り入れた判断ができる。本発
明の実施例にあっては、遅延段28−1〜28−nの段
数は5〜9段の範囲で構成し、従って遅延時間は最大で
4T〜8Tとする。この場合、入力層28の入力ユニッ
ト30の数は30〜54ユニットとなる。更に、中間層
30の中間ユニット36の数は5〜10ユニットの範囲
で決める。更に、出力層32は1つの出力ユニット38
としている。
【0025】出力ユニット38の数は火災警報,防災機
器の制御,避難誘導等で判断基準が異なることから、判
断基準が異なるような場合には各判断基準に応じた判定
出力を生ずる出力ユニットを複数設け、異なった重み付
けによる判定出力を行わせればよい。更に、図3に示し
た1つのディレイライン35のディレイ時間TはT=5
秒としている。
【0026】次に、図2に示したような階層型ニューラ
ルネットワークで火災判定を、可能とするための学習を
行わせるバックプロパゲーション法(誤差逆伝播学習
則)について説明する。バックプロパゲーション法は、
一般的には図4に示すように階層型ニューラルネットワ
ークに入力パターンと、教師信号と呼ばれる目標出力パ
ターンを提示し、そのネットワークが目的とする情報処
理を行うように各層間の重みを最適化するものである。
【0027】この学習アルゴリズムは、図4(a)の順
伝搬ステップとその後に実行される図4(b)(c)の
逆伝搬ステップがある。図4(a)順伝搬ステップは、
ネットワークの入力層28の入力パターンの提示で始ま
り、活性レベルの計算が中間層30を通じて順伝搬して
いく間継続する。それぞれの層の全ての処理ユニット
は、入力の総和を求めて出力関数により出力値を計算す
る。
【0028】逆伝搬ステップは、図4(a)順伝搬ステ
ップが完了したとき始まる。出力層32の各処理ユニッ
トは一つの実数を出力する。これは、目標出力と比較さ
れる。次に図4(b)のように、この差に基づいて出力
層32の各ユニットに対するエラー値が計算される。そ
れから出力層32に入っていく全ての重み係数の調整が
行われる。次に図4(c)のように、出力層32のすぐ
下にある中間層30の全てのユニットに対するエラー値
が計算される。ここで、中間層30に入る全ての重みが
調整される。この過程は重みの最後の層の調整が終了す
るまで続く。また、順伝搬ステップも逆伝搬ステップい
ずれも学習中にパターンの提示を行う度に実行される。
【0029】次にバックプロパゲーション法による重み
係数の修正式を説明する。いま図5に示すようなm個の
ユニット34をもつ入力層、n個のユニット36をもつ
中間層30、ユニット38を1個もつ出力層32の階層
型ニューラルネットワークについて考える。まず、ニュ
ーラルネットワークの信号伝搬について説明する。中間
層30の1つのユニット36について考えてみると、入
力層28と中間層30間の重み係数をωij、中間層のユ
ニットのしきい値をTj とすると、中間層のjユニット
の内部状態uj 、および出力f(uj )は、次式とな
る。
【0030】
【数1】
【0031】また、中間層30と出力層32間の重み係
数をωj * 、出力層32のユニット38のしきい値をT
* とすると、出力層32の内部状態u* 、および出力f
(u * )は、同様に
【0032】
【数2】
【0033】となり、出力信号を得る。バックプロパゲ
ーション法は、出力信号f(u* )と与えられた教師信
号dとの自乗誤差の総和Eを逐次的に減少させるように
結合重みωijとωj * の変更を行う。出力層32におけ
る評価関数は、
【0034】
【数3】
【0035】で与えられる。そして、各層間の重み係数
ωを最適化するには、Eが最小となれば良い。Eが最小
となるには、
【0036】
【数4】
【0037】となればよいが、上式で表される自乗誤差
の変化量が0でないなら、この信号が誤差となるわけで
あるので、
【0038】
【数5】
【0039】となり、式(7)の誤差信号を中間層30
に逆伝搬させる。次に、中間層30と出力層32との層
間の重みの修正量を考える。重みの修正量Δωj * は、
【0040】
【数6】
【0041】となる。次に、入力層28と中間層30間
の誤差信号は、式(7)と同様に
【0042】
【数7】
【0043】となる。よって、入力層28と中間層30
間の重みωijの修正量は、式(8)と同様に
【0044】
【数8】
【0045】で表される。しかし、実際には重みの修正
量Δωは、前回の修正量を用いて Δωj * (n)=ηδ・f(uj )+αΔωj * (n−1)・・・(11) Δωij(n)=ηδj i +αΔωij(n−1) ・・・(12) n:学習回数 η:学習定数 α:収束定数 が用いられている。よって、修正後の各重み係数は、 ωj * (n+1)=ωj * (n)+Δωj * (n) ・・・(13) ωij(n+1)=ωij(n)+Δωij(n) ・・・(14) となる。
【0046】以上のような演算を、全ての学習パターン
について繰り返し(これを一回の学習とする)、自乗誤
差Eが大きな場合には学習を何回でも繰り返す方法であ
る。また、自乗誤差Eが十分に小さくなったところで学
習を打ち切る。図6はバックプロパゲーション法により
図2に示した本発明のニューラルネットワークの学習に
使用する火災データと火災判定の教師信号の一例を示
す。図6は火災の例として木材,ウレタンホーム,布切
れ等の複合材料で構成されている例えば椅子を燃焼させ
たときの発熱量Qf,発煙量Qsmk 及びCOガス発生量
Qcoの時間変化を示す。このような複合材料の燃焼で得
られた発熱量,発煙量及びCOガス発生量の時間変化を
示すデータについて、図7に示す火災判定値の教師信号
を作る。
【0047】図6のデータから図7の教師信号の作成に
ついては、例えば発熱量Qfについては、図8に示すよ
うな人間の判断の曖昧さを考慮したメンバシップ関数を
使用する。また、発煙量Qsmk についても、図9に示す
ような人間の判断の曖昧さを示すメンバシップ関数を使
用する。図8,図9に示す危険度0〜1.0がほぼ図7
の教師信号の値0〜1.0に相当する。尚、COガス発
生量についても図9とほぼ同様なメンバシップ関数が使
用される。
【0048】このような発熱量Qf,発煙量Qsmk 及び
COガス発生量Qcoについて定義されたメンバシップ関
数を図6の各発生量に適用して教師信号としての火災判
定値の各成分を求め、最終的に3つの発生量の火災判定
成分を合成して、図7に示す火災判定値を作る。発熱
量,発煙量及びCOガス発生量の各火災判定値の合成に
ついては、本発明にあっては発熱量Qfの火災判定値の
比率を十分大きくする。
【0049】例えば、発熱量Qfの火災判定値を80
%、残り20%を発煙量Qsmk 及びまたはCOガス発生
量Qcoの火災判定値として構成する。その結果、図7に
示す火災判定値の教師信号は図6に示す火災時の各発生
量の内の発熱量Qfを主要因とした値をもち、これを補
う形で煙発生量Qsmk 及びCOガス発生量Qcoに基づく
判定値が加えられている。このような図6に示す火災を
示す各発生量から図7に示す火災判定値の教師信号の生
成は、各成分の発生状態を考慮しながら柔軟に行う必要
があり、あくまで人間の判断として火災と判断してよい
か否かを基準にして定めなければならない。
【0050】図10は図2に示した本発明のニューラル
ネットワークの学習に使用する非火災における各発生量
の時間変化を示したもので、図11に図10の各発生量
から得た火災判定値の非火災教師信号の時間変化を示
す。図10は非火災の例として、非火災であっても煙が
大量に発生し、現在設置している火災感知器が発報して
しまうような、魚をガスコンロで調理したときの発熱量
Qf,発煙量Qsmk 及びCOガス発生量Qcoの時間変化
を示している。このような非火災時の各発生量につい
て、図7の場合と同様に、各発生量に対するメンバシッ
プ関数に基づいた火災判定値の各成分の生成と合成を行
うと、図11に示す非火災の火災判定値の教師信号の時
間変化を得ることができる。
【0051】そこで本発明にあっては、図6に示した火
災時の各成分の入力信号とその教師信号である図7の火
災判定値を時系列的に図2のニューラルネットワークに
投入し、バックプロパゲーション法により学習を行っ
た。同時に、図10に示す非火災時の各成分と図11の
非火災時の教師信号を時系列的に図2のニューラルネッ
トワークに投入して、非火災の学習を行った。
【0052】図12はこのニューラルネットワークの学
習における学習回数と教師信号に対するネットワーク出
力として得られる信号との偏差を示したグラフ図であ
り、中間層30のユニット数を5〜10の範囲で変えて
学習を1000回まで行ったときの状態を示している。
図12から明らかなように、偏差は中間層30のユニッ
ト数によらず、ほぼ同じ値を示しており、同様の学習効
果が得られていることが判る。この図12の学習結果に
あっては、中間層のユニット数を7ユニットとした場合
に、学習回数が1000回のときの偏差が最小となった
ことから、図2の中間層30の中間ユニット36の数は
7ユニットとする。
【0053】図13は火災判定及び非火災判定の学習が
済んだ図2のニューラルネットワークを検証するため
に、火災現象の例としてカーテンを燃焼させたときの各
発生量の時間変化を示している。この図13に示すカー
テン燃焼時の各発生量を図2の学習済みのニューラルネ
ットワークに投入すると、図14に示す火災判定値の時
間変化を得ることができた。
【0054】図13の時間0はカーテンの下部に着火し
た時刻を示しており、着火後、約45秒から各発生量は
上昇を始め、約55秒後には発熱量Qfは全ての人が危
険と感じる25[kW]を越えている。発煙量Qsmk も
同様に、67秒後に全ての人が危険と感ずる0.2[g
/s]を越えている。これに対し、図14のニューラル
ネットワークから出力された火災判定値は着火から約7
0秒後に火災判定値は1.0を示し、危険な状態と判断
していることが判る。
【0055】また、図13において、カーテンがほぼ燃
え尽き燻焼状態となった約75秒後にCOガス発生量Q
coは約2.6[g/s]に達している。このとき発熱量
Qf及び発煙量Qsmk は共に減少しているが、その値は
依然として大きいので、図14によるニューラルネット
ワークの火災判定値は依然として危険な状態にあること
を示す1.0を示す結果となっている。
【0056】図15は学習済みの図2のニューラルネッ
トワークの非火災判断の検証に用いる非火災時の各発生
量の時間変化を示す。即ち図15は、非火災であっても
火災現象と誤認し易い、ガスコンロによる焼鳥を調理し
たときの各発生量の変化を示しており、このような非火
災の各発生量の時系列信号を図2の学習済みのニューラ
ルネットワークに投入すると、図16に示す火災判定値
の時間変化を得ることができた。
【0057】図15の焼鳥の調理にあっては、ガスコン
ロの熱により発熱量Qfは約8[KW]まで上昇してい
るが、発煙量Qsmk 及びCOガス発生量Qcoは若干上昇
するものの、その値は小さい。このときの図16に示す
ニューラルネットワークが出力する火災判定値は発熱量
Qfの影響を受けて大きく変動しているが、図13及び
図14に示したカーテンの燃焼の場合と比べると判定値
は小さく、火災とは判断していないことが明らかであ
る。
【0058】次にセンサにパルス的な入力が入ったこと
を想定し、一例として図17に示す非火災状態でのパル
ス的な入力を想定して図2の学習済みのニューラルネッ
トワークで火災判定を行った。図17にあっては、各発
生量を1秒間のパルス的な変化としている。即ち、図1
7のパルス入力は発熱量Qf,発煙量Qsmk 及びCOガ
ス発生量Qcoの各成分毎にパルス的に入力したもので、
例えば発熱量Qfを例にとると、1番目のパルスは火災
判定値1.0となる閾値の30%の振幅入力、2番目の
パルスは閾値の70%のパルス入力、3番目のパルスは
閾値に一致する100%の振幅入力の場合である。この
点は残りの発煙量Qsmk 及びCOガス発生量Qcoについ
ても同様に、閾値の30%、70%及び100%と振幅
を増加させた場合のパルス入力としている。
【0059】図17に示すパルス的な各発生量の入力に
対し、ディレイラインを入力層にもたない従来のニュー
ラルネットワークによる火災判定値は図18(a)に示
すようになる。一方、入力層にディレイラインをもつ図
2の本発明のニューラルネットワークにあっては、図1
8(b)に示す火災判定値が得られた。図18(a)の
ディレイラインをもたないことで時間的概念を導入して
いない従来のニューラルネットワークにあっては、各発
生量のパルス入力の振幅の増加に伴って火災判定値もほ
ぼ同等に増加しており、パルス入力に対する抑制効果が
ないことが判る。尚、4〜6の発煙量Qsmk と7〜9の
COガス発生量Qcoに対する火災判定値については、発
熱量に対する重み係数を大きくとっていることから、火
災判定値の割合は低い値に制限されている。
【0060】これに対し、図18(b)に示す入力層に
ディレイラインを設けることで時間的概念を導入した本
発明のニューラルネットワークにあっては、火災判定に
占める割合の大きい発熱量Qfのパルス入力を示す1〜
3番目のパルスについて、火災判定値が十分に抑制され
ており、パルス的な入力に対しては応答しない良好な結
果が得られている。
【0061】更に本発明のニューラルネットワークにあ
っては、火災を示すパルス入力、即ち各発生量の振幅及
びパルス幅が増加した場合には、パルス入力であっても
危険な状態である火災判定値1.0の火災判断を得るこ
とができる。図19は発熱量Qfのパルス入力につい
て、パルス振幅とパルス幅を増加させたときの本発明の
ニューラルネットワークによる火災判定値の変化を示し
た3次元グラフ図である。図19から明らかなように、
発熱量Qfを示すパルス入力の振幅及び幅の増加に伴っ
て、縦軸に示す火災判定値が明らかに1.0に向かって
上昇している。
【0062】図20は発煙量Qsmk のパルス振幅及びパ
ルス幅の増加に対する本発明のニューラルネットワーク
による火災判定値の変化を示した3次元グラフ図であ
る。更に、図21はCOガス発生量Qcoのパルス入力に
おけるパルス振幅及びパルス幅に対する本発明のニュー
ラルネットワークによる火災判定値の変化を示した3次
元グラフ図である。
【0063】図20及び図21から明らかなように、発
煙量Qsmk 及びCOガス発生量Qcoについては、火災判
定値に占める度合を低めに抑えているため、パルス振幅
及びパルス幅の増加に対し、ある程度の火災判定値の増
加が得られる結果となっている。このように本発明にお
いては、発熱量Qf、発煙量Qsmk 、COガス発生量Q
coとそれぞれの微分量と時間的変化に基づいて総合的に
ニューラルネットワークで火災判定を行っているので、
パルス的入力であっても火災に伴うパルス振幅及びパル
ス幅の増加に対し確実に火災と判断することができる。
【0064】更に本発明は火災判定装置に用いるニュー
ラルネットワークを例にとるものであったが、図2及び
図3に示した入力層にディレイラインを設けた階層型ニ
ューラルネットワークは火災判定に限定されず、時系列
的な一群のデータからある結果を判定する場合にそのま
ま適用でき、従来、考えられているフィードバック型の
ニューラルネットワークに比べ、時間的概念、即ち時系
列としての過去の経歴を含めた判断処理に最適なネット
ワークを構築することができる。従って、本発明の入力
層にディレイラインを備えたニューラルネットワーク
は、その用途に限定されないことは明らかである。
【0065】また、火災判定に用いた本発明のニューラ
ルネットワークにおけるディレイラインの段数、入力ラ
インの数、中間ユニットの数、等は必要に応じて定めら
れ、実施例に示された数値で限定されないことは勿論で
ある。この点はディレイラインの遅延時間Tについても
同様である。また本発明のニューラルネットワークの学
習に使用する入力信号及び教師信号を作るための火災デ
ータとして、木材、ウレタンホーム、布切れで構成され
ている椅子を複合材料として燃焼させているが、このネ
ットワーク学習のデータ収集に使用する複合材料として
は、実際の火災の状況を想定した複合材料を使用するこ
とが望ましい。
【0066】即ち、最適な形態にあっては、火災を監視
している部屋で主に使用されている材料から複合材料を
作って燃焼させ、この燃焼で得られた各発生量とその教
師信号でニューラルネットワークを学習すれば、その部
屋の火災状況に合わせた最適な火災判定が可能となる。
更にまた、本発明で使用するニューラルネットワークに
ついては、ハードウェアで構成してもよいしソフトウェ
アで構成してもよい。
【0067】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、時間的概念を導入したニューラルネットワークによ
る火災判定を人間の火災に対する判断に近い、より正確
な判断結果が得られ、また、非火災については誤った火
災判定が確実に回避できる。また、時間的概念を導入し
た階層型ニューラルネットワークにより、従来、非火災
としてのパルス的な入力を火災と判定していたものが、
非火災のパルス入力による火災判定が十分に抑制でき、
一方、火災に伴うパルス振幅及びパルス幅の増加に対し
ては確実に火災判定が得られ、パルス入力についても火
災と非火災を正確に区別することが可能となる。
【0068】更に、時間的概念を導入した階層型ニュー
ラルネットワークの学習方法として、木材、ウレタンホ
ーム、布切れ等の複合材料を燃焼させたネットワーク入
力信号とその教師信号を生成して学習させることで、適
切な学習回数の段階で偏差が許容できる値以下に収束で
き、時間的概念を導入したニューラルネットワークの火
災判定機能を確実に作り出すことができる。
【0069】更にまた本発明にあっては、入力層にディ
レイラインを用いた階層型ニューラルネットワークとす
ることで、時系列的な物理量の変化から物事を判断す
る、あらゆる用途に最適な時間的概念を導入した階層型
ニューラルネットワークを構築でき、これによって、従
来、時系列信号の取扱いが適切にできなかった階層型ニ
ューラルネットワークの活用範囲を大きく広げることが
期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成を示したブロック図
【図2】図2のニューラルネットワークを示した説明図
【図3】図2の入力層の詳細を示した説明図
【図4】ニューラルネットワークの学習原理の説明図
【図5】階層型ニューラルネットワークの原理説明図
【図6】本発明の火災判定の教師データの作成に用いる
複合材料(椅子)の燃焼で得た各発生量の時間変化を示
したグラフ図
【図7】図6の火災データから作成した教師信号の時間
変化を示したグラフ図
【図8】本発明の教師信号の作成に使用する発熱量に対
する危険度のメンバシップ関数を示したグラフ図
【図9】本発明の教師信号の作成に使用する発煙量に対
する危険度のメンバシップ関数を示したグラフ図
【図10】本発明の非火災判定の教師データの作成に用
いる非火災データとしての各発生量の時間変化を示した
グラフ図
【図11】図6の非火災データから作成した非火災判定
の教師信号の時間変化を示したグラフ図
【図12】本発明によるニューラルネットワークの中間
層ユニット数を変えて学習を行った際の学習回数に対す
る教師信号との偏差を示したグラフ図
【図13】カーテンの燃焼による火災時の各発生量の時
間変化を示したグラフ図
【図14】図13の火災データを学習済みのニューラル
ネットワークに投入して得た火災判定値の時間変化を示
したグラフ図
【図15】非火災として焼鳥を調理した場合の各発生量
の時間変化を示したグラフ図
【図16】図15の非火災データを学習済みのニューラ
ルネットワークに投入して得た火災判定値の時間変化を
示したグラフ図
【図17】パルス的に入力する非火災データとしての各
発生量を示した説明図
【図18】ニューラルネットワークに図17のパルス的
入力を与えた時の火災判定値の変化を示した説明図
【図19】最も重みが大きい発熱量のパルス的入力のパ
ルス幅とパルス振幅に対する火災判定値の変化を示した
3次元グラフ図
【図20】重みが小さい発煙量のパルス的入力のパルス
幅とパルス振幅に対する火災判定値の変化を示した3次
元グラフ図
【図21】重みが小さいCOガス発生量のパルス的入力
のパルス幅とパルス振幅に対する火災判定値の変化を示
した3次元グラフ図
【符号の説明】
10:センサ部 12:温度センサ 14:煙センサ 16:COガスセンサ 18:数学モデル演算部 20:環境係数重み付け部 22:正規化部 24:ニューラルネットワーク 26:火災判断部 28:入力層 30:中間層 32:出力層 34:入力ユニット 35:ディレイライン 36:中間ユニット 38:出力ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−86995(JP,A) 特開 平2−195497(JP,A) 特開 平4−697(JP,A) 特開 平2−156397(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08B 17/00 G06F 15/18 560

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】火災に伴う複数種類の物理的現象の変化を
    示す複数の検出信号を正規化して出力する入力処理部
    と、 入力層、中間層および出力層の各ユニットを完全結合し
    て構成され、前記入力層に入力処理部からの信号を遅延
    させる遅延部を設け、所定の入力信号と教師信号を用い
    て火災判定の学習が施されたニューラルネットワーク
    と、 該ニューラルネットワークの火災判定信号に基づいて火
    災警報、機器制御などの火災対応判断を行う火災判断部
    と、を備えたことを特徴とする火災判定装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の火災判定装置に於いて、前
    記入力処理部は、温度を検出する温度センサ、煙による
    減光率を検出する煙センサ、およびCOガスの濃度を検
    出するCOガスセンサを備えたセンサ部と、検出温度か
    ら発熱量、煙の減光率から発煙量、およびCOガス濃度
    からCOガスの発生量を演算し、更にそれぞれの微分値
    を演算する数学モデル演算部と、該数学モデル演算部で
    求めた発熱量、発煙量、およびCOガス発生量、並びに
    それぞれの微分値を正規化して前記ニューラルネットワ
    ークに並列的に出力する正規化部とを備えたことを特徴
    とする火災判定装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の火災判定装置に於いて、前
    記入力処理部は、更に、前記数学モデル演算部で求めた
    発煙量およびCOガス発生量と各々の微分値に、警戒区
    域の使用目的に応じた所定の環境係数による重み付けを
    行なって前記正規化部に出力する環境係数重み付け部を
    設けたことを特徴とする火災判定装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の火災判定装置に於いて、前
    記ニューラルネットワークの入力層に設けた遅延部は、
    前記正規化部から並列的に供給される複数の正規化信号
    を信号ごとに入力して複数段階に亘り遅延させる遅延ラ
    インを有し、該遅延ラインの各遅延段ごとに入力ユニッ
    トを設けて前記中間層の中間ユニットに各遅延信号を重
    み係数を介して結合することで供給することを特徴とす
    る火災判定装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4記載の火災判定装置に設け
    たニューラルネットワークの学習方法に於いて、 適宜の部材を火災を想定して燃焼させたときの時間的に
    変化する発熱量、発煙量およびCOガス発生量、更にそ
    れぞれの微分値を検出する火災信号生成過程と、 該火災信号生成過程で得られた前記各発生量ごとに、人
    が危険と感じる度合を示す所定のメンバシップ関数に従
    って火災判定値を決め、各発生量ごとの火災判定値を合
    成して時間的に変化する火災判定教師信号を生成する火
    災教師信号生成過程と、 適宜の部材を非火災を想定して燃焼させたときの時間的
    に変化する発熱量、発煙量およびCOガス発生量、更に
    それぞれの微分値を検出する非火災信号生成過程と、 該非火災信号生成過程で得られた各発生量ごとに、人が
    危険と感じる度合を示す所定のメンバシップ関数に従っ
    て火災判定値を決め、各発生量ごとの火災判定値を合成
    して時間的に変化する非火災教師信号を生成する非火災
    教師信号生成過程と、 前記火災を示す各発生量と火災教師信号の組および前記
    非火災を示す各発生量と非火災教師信号の組を前記ニュ
    ーラルネットワークに投入して学習させる学習過程と、
    を備えたことを特徴とするニューラルネットワークの学
    習方法。
  6. 【請求項6】請求項5記載のニューラルネットワークの
    学習方法に於いて、前記火災データ生成過程にあって
    は、木材、ウレタンホーム、布などの通常火災で燃焼が
    予想される複数種類の材料を含む複合材料を燃焼させる
    ことを特徴とするニューラルネットワークの学習方法。
  7. 【請求項7】請求項5記載のニューラルネットワークの
    学習方法に於いて、前記火災および非火災教師信号生成
    過程にあっては、発熱量に対する火災判定値の重み付け
    を大きくして火災教師信号および非火災教師信号を生成
    したことを特徴とするニューラルネットワークの学習方
    法。
  8. 【請求項8】入力層、中間層および出力層の各ユニット
    を重み係数を介して結合して構成された階層型ニューラ
    ルネットワークに於いて、 前記入力層に、入力信号を複数段階に遅延させる入力ラ
    インごとに設けた遅延手段と、該遅延手段の各遅延段の
    出力を入力して前記中間層のユニットに遅延信号を結合
    により供給する複数の入力ユニットを設けたことを特徴
    とする階層型ニューラルネットワーク。
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