JP6849411B2 - 監視システム - Google Patents
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Description
本発明は、監視システムに於いて、
予め準備された学習情報により学習された多層式のニューラルネットワークによって構成され、監視領域からの入力情報の入力により異常か非異常かを検出する第1異常検出器と、
予め準備された学習情報及び監視領域で収集された学習情報により学習された多層式のニューラルネットワークによって構成され、入力情報の入力により異常か非異常かを検出する第2異常検出器と、
第1異常検出器と第2異常検出器の検出結果に基づき監視領域の異常を判定して警報する警報制御部と、
が設けられたことを特徴とする。
警報制御部は、第1異常検出器と第2異常検出器の各検出結果に所定の重みを設定して加算した値から異常を判定して警報する。
所定の重みは前記学習情報の量により変化する。
第1異常検出器及び第2異常検出器は、センサにより検出された物理量及び又は、撮像部により撮像された監視領域の画像を入力情報として入力して異常か非異常かを検出する。
警報制御部は、第1異常検出器又は第2異常検出器のうちいずれかで異常が検出された場合に異常予兆警報を出力させ、第1異常検出器及び第2異常検出器で異常が検出された場合に異常警報を出力させる。
第2異常検出器は、
ディープラーニングにより学習させる学習制御部と、
入力情報を記憶する記憶部と、
が設けられ、
学習制御部は、記憶部に記憶されている入力情報を読出し、第2異常検出器の多層式のニューラルネットワークに学習情報として入力して学習させる。
第1異常検出器及び第2異常検出器は、入力情報の入力により火災か非火災かを検出する第1火災検出器及び第2火災検出器であり、
警報制御部は、第1火災検出器と第2火災検出器の検出結果に基づき監視領域の火災を判定して警報し、
入力情報は、火災感知器により検出された物理量及び又は、撮像部により撮像された監視領域の画像であり、
学習制御部は、火災感知器により火災を監視している火災受信機による監視結果に対応した記憶部に記憶されている入力情報を読出し、第2火災検出器の多層式のニューラルネットワークに学習情報として入力して学習させる。
学習制御部は、火災受信機から火災感知器の火災発報に基づく火災移報信号が入力された場合、所定時間前から火災移報信号の入力時までの入力情報のうち、火災発報した火災感知器に対応する入力情報を記憶部から読出し、第2火災検出器の多層式のニューラルネットワークに火災の学習情報として入力して学習させる。
学習制御部は、火災受信機から火災感知器の火災発報に基づく火災移報信号が入力された後に火災断定操作に基づく火災断定移報信号が入力された場合、所定時間前から火災移報信号の入力時までの入力情報のうち、火災発報した火災感知器に対応する入力情報を記憶部から読出し、第2火災検出器の多層式のニューラルネットワークに火災の学習情報として入力して学習させる。
火災感知器は、物理量として温度又は煙濃度を検出して、検出アナログ値を火災受信機に送って火災を判断させており、
学習制御部は、検出アナログ値が所定の火災レベルに達し、火災受信機から火災感知器の火災発報に基づく火災移報信号が入力された場合、検出アナログ値が火災レベルより低い所定の火災予兆レベルに達したときから火災移報信号の入力時までの入力情報のうち、火災発報した火災感知器に対応する入力情報を記憶部から読出し、第2火災検出器の多層式のニューラルネットワークに火災の学習情報として入力して学習させる。
また、火災感知器は、物理量として温度又は煙濃度を検出して、検出アナログ値を火災受信機に送って火災を判断させており、
学習制御部は、検出アナログ値が所定の火災レベルに達し、火災受信機から火災感知器の火災発報に基づく火災移報信号が入力された後に火災断定操作に基づく火災断定移報信号が入力された場合、検出アナログ値が火災レベルより低い所定の火災予兆レベルに達した時から火災移報信号の入力時までの入力情報のうち、火災発報した火災感知器に対応する入力情報を記憶部から読出し、第2火災検出器の多層式のニューラルネットワークに火災の学習情報として入力して学習させる。
学習制御部は、火災受信機から火災感知器の火災発報に基づく火災移報信号が入力された後に復旧操作に基づく復旧移報信号が入力された場合、所定時間前から火災移報信号の入力時までの入力情報のうち、火災発報した火災感知器に対応する入力情報を記憶部から読出し、第2火災検出器の多層式のニューラルネットワークに非火災の学習情報として入力して学習させる。
火災感知器は、物理量として温度又は煙濃度を検出して、検出アナログ値を火災受信機に送って火災を判断させており、
学習制御部は、検出アナログ値が所定の火災レベルに達し、火災受信機から火災感知器の火災発報に基づく火災移報信号が入力された後に復旧操作に基づく復旧移報信号が入力された場合、検出アナログ値が火災レベルより低い所定の火災予兆レベルに達したときから火災移報信号の入力時までの入力情報のうち、火災発報した火災感知器に対応する入力情報を記憶部から読出し、第2火災検出器の多層式のニューラルネットワークに非火災の学習情報として入力して学習させる。
学習制御部は、通常監視状態で記憶部に記憶された入力情報を読み出して、第2異常検出器の多層式のニューラルネットワークに非火災の学習情報として入力して初期化学習させる。
初期化学習のタイミングは、装置立ち上げ時、所定の操作が行われたとき、入力情報に変化が略ないとき、所定時間間隔毎、のうちいずれか一つ以上を含み、
所定時間間隔毎の場合、初回の時刻と時間間隔は複数のパターンで初期化学習を行っても良い。
本発明は、監視システムに於いて、予め準備された学習情報により学習された多層式のニューラルネットワークによって構成され、監視領域からの入力情報の入力により異常か非異常かを検出する第1異常検出器と、予め準備された学習情報及び監視領域で収集された学習情報により学習された多層式のニューラルネットワークによって構成され、入力情報の入力により異常か非異常かを検出する第2異常検出器と、第1異常検出器と第2異常検出器の検出結果に基づき監視領域の異常を判定して警報する警報制御部とが設けられたため、製造段階で準備された標準的な学習情報により第1異常検出器と第2異常検出器の多層式ニューラルネットワークを学習させることで、人為的な解析では異常か非異常かが判断できない入力情報から高い精度で異常を推定する機能を実現し、これに加えて第2異常検出器の多層式ニューラルネットワークは監視領域の実際の入力情報により学習することで、設置場所により異なる環境の変化に対応して入力情報から高い精度で異常を推定する機能が実現され、第1異常検出器と第2異常検出器の検出結果から異常を判定して警報することで、単独の異常検出器の場合に比べ、異常の判定精度を向上可能とする。
また、警報制御部は、第1異常検出器と第2異常検出器の各検出結果に所定の重みを設定して加算した値から異常を判定して警報するようにしたため、設置場所に対応した異常の推定精度の低い第1異常検出器の検出結果に例えば0.3の重みを設定し、設置場所に対応した異常の推定精度の高い第2異常検出器の検出結果には例えば0.7の重みを設定して加算し、所定の判定閾値と比較して異常の有無を判定することで、設置場所の環境の変化に対応して高い精度で異常を判定可能とする。
また、所定の重みは学習情報の量により変化するようにしたため、例えば設置後間もなく学習情報の量が少ない場合、例えば第1異常検出器の重みを0.7、第2異常検出器の重みを0.3といったように、第2異常検出器の重みを軽くすることで、学習量の少ない第2異常検出器への依存を小さくすることができる。また、設置後十分に時間が経過し学習情報が多い場合、例えば第1異常検出器の重みを0.3、第2異常検出器の重みを0.7といったように、第2異常検出器の重みを重くすることで、十分に学習した異常検出器への依存を大きくすることができる。
また、第1異常検出器及び第2異常検出器は、センサにより検出された物理量及び又は、撮像部により撮像された監視領域の画像を入力情報として入力して異常か非異常かを検出するようにしたため、センサで検出された物理量や撮像部で撮像された監視領域の画像等を学習済みの第1及び第2異常検出器に入力することで、高い精度で異常を推定して警報可能とする。
また、警報制御部は、第1異常検出器又は第2異常検出器のうちいずれかで異常が検出された場合に異常予兆警報を出力させ、第1異常検出器及び第2異常検出器で異常が検出された場合に異常警報を出力させるようにしたため、異常検出器のいずれかで異常を検出して予兆警報を出すことで、いずれかの異常検出器でのみ異常検出できるような異常についても漏れなく報知することが可能となり、異常検出器が共に異常を検出した際は異常の可能性が高いことから異常を警報することで異常警報(本警報)を出力して、異常を確実に報知可能とする。
また、第1異常検出器及び第2異常検出器は、入力情報の入力により火災か非火災かを検出する第1火災検出器及び第2火災検出器であり、警報制御部は、第1火災検出器と第2火災検出器の検出結果に基づき監視領域の火災を判定して警報し、入力情報は、火災感知器により検出された物理量及び又は、撮像部により撮像された監視領域の画像であり、学習制御部は、火災感知器により火災を監視している火災受信機による監視結果に対応した記憶部に記憶されている入力情報を読出し、第2火災検出器の多層式のニューラルネットワークに学習情報として入力して学習させるようにしたため、第1火災検出器と第2火災検出器の多層式のニューラルネットネットワークは、製造段階での標準的な火災及び非火災の画像により学習されているが、第2火災検出器の多層式のニューラルネットワークについては、更に、火災報知設備の火災受信機の火災監視結果に対応した火災警報が出力された場合は、例えば、そのとき録画装置に録画されている画像を火災の画像として読出して多層式のニューラルネットワークを学習し、また、火災警報が出力されたが非火災であった場合には、そのとき録画装置に録画されている画像を非火災の画像として読出して第2火災検出器の多層式のニューラルネットワークを学習することで、実際に撮像部としての監視カメラにより監視している監視領域に対応した火災及び非火災の画像による学習が効率的に行われ、第2火災検出器は、監視カメラにより撮像している監視画像から高い精度で火災を推定して警報可能とする。
また、学習制御部は、火災受信機から火災感知器の火災発報に基づく火災移報信号が入力された場合、所定時間前から火災移報信号の入力時までの入力情報のうち、火災発報した火災感知器に対応する入力情報を記憶部から読出し、第2火災検出器の多層式のニューラルネットワークに火災の学習情報として入力して学習させるようにしたため、火災の発生箇所における入力情報が第2火災検出器に使用する火災の学習情報として得られ、自動的に学習情報を得ることが可能となる。
また、学習制御部は、火災受信機から火災感知器の火災発報に基づく火災移報信号が入力された後に火災断定操作に基づく火災断定移報信号が入力された場合、所定時間前から火災移報信号の入力時までの入力情報のうち、火災発報した火災感知器に対応する入力情報を記憶部から読出し、第2火災検出器の多層式のニューラルネットワークに火災の学習情報として入力して学習させるようにしたため、火災が確実に発生している状態での入力情報を火災時の入力情報として学習でき、学習データに火災のラベリングをする手間なく、誤りのない学習データにより第2火災検出器の学習ができるようになる。
また、火災感知器は、物理量として温度又は煙濃度を検出して、検出アナログ値を送って火災を判断させており、学習制御部は、検出アナログ値が所定の火災レベルに達し、火災受信機から火災感知器の火災発報に基づく火災移報信号が入力された場合、検出アナログ値が火災レベルより低い所定の火災予兆レベルに達したときから火災移報信号の入力時までの入力情報のうち、火災発報した火災感知器に対応する入力情報を記憶部から読出し、第2火災検出器の多層式のニューラルネットワークに火災の学習情報として入力して学習させるようにしたため、アナログ型の火災感知器により検知している監視領域の温度や煙濃度が、火災レベルより低い火災の予兆となる所定の火災予兆レベルに達したときからの入力情報を記憶部から読出して第2火災検出器を学習することから、火災の初期段階からの火災と判断されるまでの多数の入力情報を火災の入力情報として読み出して第2異火災出器を学習することができ、火災の予兆検出を可能とする。
また、火災感知器は、物理量として温度又は煙濃度を検出して、検出アナログ値を火災受信機に送って火災を判断させており、学習制御部は、検出アナログ値が所定の火災レベルに達し、火災受信機から火災感知器の火災発報に基づく火災移報信号が入力された後に火災断定操作に基づく火災断定移報信号が入力された場合、検出アナログ値が火災レベルより低い所定の火災予兆レベルに達した時から火災移報信号の入力時までの入力情報のうち、火災発報した火災感知器に対応する入力情報を記憶部から読出し、第2火災検出器の多層式のニューラルネットワークに火災の学習情報として入力して学習させるようにしたため、火災が確実に発生している状態での入力情報を火災時の入力情報として学習でき、学習データに火災のラベリングをする手間なく、誤りのない学習データにより第2火災検出器の学習ができるようになる。
学習制御部は、火災受信機から火災感知器の火災発報に基づく火災移報信号が入力された後に復旧操作に基づく復旧移報信号が入力された場合、所定時間前から火災移報信号の入力時までの入力情報のうち、火災発報した火災感知器に対応する入力情報を記憶部から読出し、第2火災検出器の多層式のニューラルネットワークに非火災の学習情報として入力して学習させるようにしたため、例えば、火災発報の5分前からの入力情報を記憶部から読出して非火災の入力情報として第2火災検出器を学習させる場合、火災が確実に発生していない状態での入力情報を非火災時の入力情報として第2火災検出器を学習できるため、学習データに非火災のラベリングをする手間なく、誤りのない学習データにより学習ができるようになる。
また、火災感知器は、物理量として温度又は煙濃度を検出して、検出アナログ値を送って火災を判断させており、学習制御部は、検出アナログ値が所定の火災レベルに達し、火災受信機から火災感知器の火災発報に基づく火災移報信号が入力された後に復旧操作に基づく復旧移報信号が入力された場合、検出アナログ値が火災レベルより低い所定の火災予兆レベルに達したときから火災移報信号の入力時までの入力情報のうち、火災発報した火災感知器に対応する入力情報を記憶部から読出し、第2火災検出器の多層式のニューラルネットワークに非火災の学習情報として入力して学習させるようにしたため、アナログ型の火災感知器により検知している監視領域の温度や煙濃度が、火災レベルより低い火災の予兆を示す所定の火災予兆レベルに達したが、火災以外の原因による温度や煙濃度の増加による非火災であった場合に、火災予兆レベルに達したときから火災移報信号の入力時までの入力情報を非火災の入力情報として第2火災検出器を学習することから、初期段階から非火災と判断されるまでの多数の入力情報を非火災の入力情報を記憶部から読出して学習することができ、火災の予兆と捉えられかねない非火災の状態に対して、より高い精度で非火災を推定して誤報を確実に防止可能とする。
また、学習制御部は、通常監視状態で記憶部に記憶された入力情報を読み出して、第2異常検出器の多層式のニューラルネットワークに非異常の学習情報として入力して初期化学習させるようにしたため、通常監視状態での監視領域の入力情報に対する第2異常検出器による非異常の推定精度が向上し、その結果、異常に対する推定の精度が更に向上される。
また、初期化学習のタイミングは、装置立ち上げ時、所定の操作が行われたとき、入力情報に変化が略ないとき、所定時間間隔毎、のうちいずれか一つ以上を含み、所定時間間隔毎の場合、初回の時刻と時間間隔は複数のパターンで初期化学習を行っても良いようにしたため、第2異常検出器について、装置立ち上げ時に初期化学習を行うことにより設置環境における非異常の状態を学習させることが可能となり、所定の操作が行われたときに初期化学習を行うことにより任意のタイミングで非異常の状態を教育することができ、例えば内装が変化したときなどにすぐ非異常の状態を教育することが可能となる。
図1は監視カメラと火災感知器により火災を監視する火災監視システムの概略を示した説明図である。
(判定装置の機能構成)
図2は監視カメラで撮像した画像から火災を推定する多層式ニューラルネットワークを用いた判定装置の機能構成を示した説明図である。
図3は図2に示した多層式ニューラルネットワークの機能構成を示した説明図であり、図3(A)に概略を示し、図3(B)に詳細を模式的に示している。
図3(B)は特徴抽出部38を構成する畳み込みニューラルネットワークの構造を模式的に示している。
(バックプロパゲーション)
入力層、複数の中間層及び出力層で構成されるニューラルネットワークは、各層に複数のユニットを設けて他の層の複数のユニットと結合し、各ユニットには重みとバイアス値が設定され、複数の入力値と重みとのベクトル積を求めてバイアス値を加算して総和を求め、これを所定の活性化関数に通して次の層のユニットに出力するようにしており、最終層に到達するまで値が伝播するフォワードプロパゲーションが行われる。
(1) 入力値xをニューラルネットワークに入力して、フォワードプロパゲーションを行い推定値y*を求める。
(2) 推定値y*と期待値yに基づき誤差関数で誤差を計算する。
(3) ウエイトとバイアスを更新しながら、ネットワークにて、バックプロパゲーションを行う。
(火災画像による学習)
図2に示した判定装置10の第2火災検出器24−2に対応して設けられた学習制御部30は、火災受信機12により火災感知器18の火災発報に基づく火災移報信号E1が入力されて火災警報が出力され、管理責任者等による現場確認で火災が確認され、これに基づき火災受信機12の火災断定操作に基づく火災断定移報信号E2が入力された場合、例えば5分前となる所定時間前から火災移報信号E1が入力するまでの監視領域の画像を録画装置26から読出し、第2火災検出器24−2の多層式ニューラルネットワーク34−2に画像入力部32−2を介して火災画像として入力して推定値y*を求め、火災の期待値y=1との誤差関数の値を最小とするようにバックプロパゲーションを、教師ありの画像を変えながら繰り返し行って誤差関数を最小化することで重みとバイアスを変更する学習を行う。
また、学習制御部30は、火災受信機12により火災感知器18の火災発報に基づく火災移報信号E1が入力された後に、管理責任者等のよる現場確認で非火災であった場合には、火災受信機12で復旧操作が行われ、復旧操作に基づく復旧移報信号E3が入力されることから、この場合に、例えば5分前といった所定時間前から火災移報信号E1が入力するまでの監視領域の画像を録画装置26から読出し、第2火災検出器24−2の多層式ニューラルネットワーク34−2に画像入力部32−2を介して非火災画像として入力して推定値y*を求め、非火災の期待値y=0との誤差関数の値を最小とするようにバックプロパゲーションを、教師ありの画像を変えながら繰り返し行って重み付けとバイアスを変更する学習を行う。
図2に示した判定装置10の第1火災検出器24−1及び第2火災検出器24−2に設けられた多層式ニューラルネットワーク34−1,34−2は、工場等における製造段階で重みとバイアスがランダムに初期化されており、予め準備された標準的な火災画像と非火災画像を用いたバックプロパゲーションによる学習で初期化され、この状態で図1に示すように監視対象となる施設に設置される。
図4は図1の学習制御部による火災受信機の火災監視に連動した第2火災検出器の多層式ニューラルネットワークの学習制御を示したフローチャートである。
(火災画像による学習)
図2に示した判定装置の学習制御部30による他の学習制御の実施形態として、警戒区域にアナログ火災感知器が設置され、アナログ火災感知器により温度又は煙濃度を検出して検出アナログ値を火災受信機12に送って火災を判断させている場合、火災予兆が判断された時から火災が判断されるまでの画像を録画装置26から読み出し、第2火災検出器24−2の多層式ニューラルネットワーク34−2の学習をバックプロパゲーションにより行う。
また、学習制御部30は、火災受信機12からアナログ火災感知器からの温度又は煙濃度の検出アナログ値が所定の火災予兆レベルTH1に達して予兆警報が出力され、続いて、検出アナログ値が火災レベルTH2に達して火災発報に基づく火災移報信号が入力されて火災警報が出力され、管理責任者等による現場確認で非火災であった場合には、火災受信機12で復旧操作が行われ、復旧操作に基づく復旧移報信号が入力されることから、火災予兆が検出された時から火災移報信号が入力するまでの監視領域の画像を録画装置26から読出し、第2火災検出器24−2の多層式ニューラルネットワーク34−2に画像入力部32−2を介して非火災画像として入力してバックプロパゲーションにより重みとバイアスを変更する学習を行う。
図6は監視カメラで撮像した画像から火災を推定する多層式ニューラルネットワークを用いた判定装置の他の機能構成を示した説明図であり、第1及び第2火災検出器の検出結果を重み付け加算して火災を判定するようにしたことを特徴とする。
(火災監視システムの概要)
図7はセンサとして機能するアナログ火災感知器により火災を監視する火災監視システムの概略を示した説明図である。
図8はアナログ火災感知器からの検出信号により火災を推定する多層式のニューラルネットワークを用いた判定装置の機能構成を示した説明図である。
(警報制御部)
警報制御部30による第1火災検出器24−1と第2火災検出器24−2の検出結果に基づく監視領域の火災判定として、上記の実施形態以外に、第1火災検出器24−1と第2火災検出器24−2の火災検出信号のオア(OR)をとることで火災警報を出力させても良いし、また第1火災検出器24−1と第2火災検出器24−2の検出信号のアンド(AND)をとることで火災警報を出力させても良い。
上記の実施形態は、火災監視を例にとっているが、盗難監視にも適用できる。盗難監視の場合には、図1の監視カメラを用いた監視システムについては、火災受信機12を盗難受信機とし、火災感知器18を盗難検出器とすれば良い。また、図7の監視システムでは、火災受信機12を盗難受信機とし、アナログ火災感知器60を盗難検出器とすれば良い。
また、不法行為の事前検出にも適用できる。盗難、放火等の不法行為を行おうとする人物の動き、例えば周りを頻繁に見渡すなどの動きを学習し、不法行為を行うより先に異常検出し、警報を出力する。警報出力の方法としては、例えば監視カメラを監視する警備室のモニタ等に監視カメラの画像を表示し、当該人物を赤枠などで囲う様に表示すればよい。
また、入退室システムとの連携により、異常な侵入等の監視についても適用できる。入退室システムは、例えばカードや指紋等で対象人物が特定の領域へ入退室可能か判定している。しかし、入退室システムでは、入室可能な人物と一緒に入室不可能なはずの人間が入室するという共連れ等の問題が発生している。上記の共連れのような不法行為について、カメラ画像と入退室システムの情報を入力として異常を学習、検出することにも適用できる。
上記の実施形態は、火災の有無の判定結果を報知しているが、これに加え火災と判定した要因について表示するようにしても良い。例えばカメラ画像の監視においては、火災と判定した画像を表示し、更に火災判定の寄与率が高かった領域について強調表示する。これにより、火災検出器が火災と判断した領域について目視確認が容易となり、真に火災が発生したかどうかを容易に判定できるようになり、また状況に応じた対応判断の助けとすることができる。
上記の実施形態は、警戒区域の火災監視を例にとっているが、これ以外に、屋外に監視カメラや炎検知器などのセンサを設置して行う放火監視に多層式のニューラルネットワークによって構成される火災検出器を設け、火災検出器をディープラーニングより学習させ、放火を監視するようにしても良い。
上記の実施形態は、畳み込みニューラルネットワークに画像を入力して火災による特徴を抽出しているが、畳み込みニューラルネットワークを使用せず、入力した画像から輪郭、濃淡等の特徴を抽出する前処理を行って所定の特徴を抽出し、特徴が抽出された画像を認識部として機能する全結合ニューラルネットワークに入力して火災か非火災かを推定させるようにしても良い。これにより画像の特徴抽出の処理負担を低減可能とする。
上記の実施形態は、バックプロパゲーションによる学習を行っているが、多層ニューラルネットワークの学習方法はこれに限らない。
上記の実施形態は、画像による火災監視とセンサによる火災監視をそれぞれ別形態としているが、入力情報として、画像データとセンサデータを並列的に取り扱っても良い。画像データは例えば、1ピクセルあたりの白黒値が入力項として取り扱われ、センサデータは例えば、センサごとの検出値が入力項として取り扱われる。この場合、中間層に於いて画像の特徴抽出がなされた中間層の項と、センサデータによる影響を受ける中間層の項が、火災検出を判定する次段以降の中間層の項に対して影響を与えるようになることが教育結果として望ましいが、火災の監視を有効にできるならこれに限らない。
上記の実施形態は、監視カメラにより監視領域の照明を使用した状態及び又は自然光の状態で監視領域を撮像しているが、赤外線照明装置からの赤外線光を監視領域に照射し、赤外線領域に感度のある監視カメラにより赤外線画像を撮像して判定装置の多層式ニューラルネットワークをバックプロパゲーションにより学習し、学習が多層式ニューラルネットワークに監視領域の赤外線画像を入力して火災か非火災かを判定するようにしても良い。
上記の実施形態は、いずれかの異常検出器で異常検出すると異常予兆警報を出力するが、異常予兆警報が継続することにより異常を断定し、異常警報を行うようにしても良い。例えば、異常検出器2のみで異常を検出し続けた場合、所定の時間後に異常警報を行う。また、異常予兆警報時、監視カメラの映像等を判定装置等から管理者に表示するようにしても良い。管理者は当該表示を元に異常かどうかを判断し、異常断定または非異常断定を行うようにしても良い。
上記の実施形態に加え、異常検出器の異常検出精度を試験できるようにしても良い。火災等の異常をコンピュータグラフィックス等や画像合成、実際に発生させる等の方法により作成した異常状態の画像を用いて、異常検出精度の確認を行う。
上記の実施形態は、異常検出器を併用しているが、異常検出器について選択的に実行できるようにしても良い。例えば、学習した第2異常検出器が十分に火災及び非火災を検出できる状態にあるとき、学習を行わない第1異常検出器で非火災を火災と検出してしまうと管理者を煩わせることとなる。異常検出器を選択的に実行可能とすることにより、検出精度の低い異常検出器の誤報による煩わしさを防止することが可能となる。
上記の実施形態は、異常検出器はそれぞれの入力情報に基づき学習を行っているが、同一システム内の別の入力情報取得端末による入力情報を元に学習を行っても良い。例えば、第1異常検出器に対応する監視カメラの撮像画像を第2異常検出器の入力情報として学習を行うようにしても良い。
また、本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
12:火災受信機
14−1,14−2:監視領域
16−1,16−2:監視カメラ
18−1,18−2:火災感知器
20:信号ケーブル
22:感知器回線
24−1:第1火災検出器
24−2:第2火災検出器
26:録画装置
28:学習画像保持部
30:学習制御部
32−1,32−2:画像入力部
34−1,34−2:多層式ニューラルネットワーク
36:警報制御部
38:特徴抽出部
40:認識部
42:入力画像
43,45a,45b:重みフィルタ
44a,44b,44c:特徴マップ
46:入力層
48:結合層
50:中間層
52:出力層
60−1,60−2:アナログ火災感知器
62:伝送路
64:時系列データ生成部
66−1,66−2:時系列データ入力部
68:学習データ保持部
70−1,70−2:重み乗算器
72:加算器
74:比較器
76:閾値設定器
Claims (15)
- 予め準備された学習情報により学習された多層式のニューラルネットワークによって構成され、監視領域からの入力情報の入力により異常か非異常かを検出する第1異常検出器と、
前記予め準備された学習情報及び監視領域で収集された学習情報により学習された多層式のニューラルネットワークによって構成され、前記入力情報の入力により異常か非異常かを検出する第2異常検出器と、
前記第1異常検出器と前記第2異常検出器の検出結果に基づき前記監視領域の異常を判定して警報する警報制御部と、
が設けられたことを特徴とする監視システム。
- 請求項1記載の監視システムに於いて、
前記警報制御部は、前記第1異常検出器と前記第2異常検出器の各検出結果に所定の重みを設定して加算した値から異常を判定して警報することを特徴とする監視システム。
- 請求項2記載の監視システムに於いて、
前記所定の重みは前記学習情報の量により変化することを特徴とする監視システム。
- 請求項1乃至3何れかに記載の監視システムに於いて、
前記第1異常検出器及び前記第2異常検出器は、センサにより検出された物理量及び又は、撮像部により撮像された前記監視領域の画像を前記入力情報として入力して異常か非異常かを検出することを特徴とする監視システム。
- 請求項1乃至4何れかに記載の監視システムに於いて、
前記警報制御部は、前記第1異常検出器又は前記第2異常検出器のうちいずれかで異常が検出された場合に異常予兆警報を出力させ、前記第1異常検出器及び記第2異常検出器で異常が検出された場合に異常警報を出力させることを特徴とする監視システム。
- 請求項1乃至5何れかに記載の監視システムに於いて、
前記第2異常検出器は、
ディープラーニングにより学習させる学習制御部と、
前記入力情報を記憶する記憶部と、
が設けられ、
前記学習制御部は、前記記憶部に記憶されている前記入力情報を読出し、前記第2異常検出器の前記多層式のニューラルネットワークに前記学習情報として入力して学習させることを特徴とする監視システム。
- 請求項6記載の監視システムに於いて、
前記第1異常検出器及び前記第2異常検出器は、前記入力情報の入力により火災か非火災かを検出する第1火災検出器及び第2火災検出器であり、
前記警報制御部は、前記第1火災検出器と前記第2火災検出器の検出結果に基づき前記監視領域の火災を判定して警報し、
前記入力情報は、火災感知器により検出された物理量及び又は、撮像部により撮像された監視領域の画像であり、
前記学習制御部は、前記火災感知器により火災を監視している火災受信機による監視結果に対応した前記記憶部に記憶されている前記入力情報を読出し、前記第2火災検出器の前記多層式のニューラルネットワークに前記学習情報として入力して学習させることを特徴とする監視システム。
- 請求項7記載の監視システムに於いて、
前記学習制御部は、前記火災受信機から前記火災感知器の火災発報に基づく火災移報信号が入力された場合、所定時間前から前記火災移報信号の入力時までの前記入力情報のうち、火災発報した前記火災感知器に対応する入力情報を前記記憶部から読出し、前記第2火災検出器の前記多層式のニューラルネットワークに火災の学習情報として入力して学習させることを特徴とする監視システム。
- 請求項7記載の監視システムに於いて、
前記学習制御部は、前記火災受信機から前記火災感知器の火災発報に基づく火災移報信号が入力された後に火災断定操作に基づく火災断定移報信号が入力された場合、所定時間前から前記火災移報信号の入力時までの前記入力情報のうち、火災発報した前記火災感知器に対応する入力情報を前記記憶部から読出し、前記第2火災検出器の前記多層式のニューラルネットワークに火災の学習情報として入力して学習させることを特徴とする監視システム。
- 請求項7記載の監視システムに於いて、
前記火災感知器は、前記物理量として温度又は煙濃度を検出して、検出アナログ値を前記火災受信機に送って火災を判断させており、
前記学習制御部は、前記検出アナログ値が所定の火災レベルに達し、前記火災受信機から前記火災感知器の火災発報に基づく火災移報信号が入力された場合、前記検出アナログ値が前記火災レベルより低い所定の火災予兆レベルに達したときから前記火災移報信号の入力時までの前記入力情報のうち、火災発報した前記火災感知器に対応する入力情報を前記記憶部から読出し、前記第2火災検出器の前記多層式のニューラルネットワークに火災の学習情報として入力して学習させることを特徴とする監視システム。
- 請求項7記載の監視システムに於いて、
前記火災感知器は、前記物理量として温度又は煙濃度を検出して、検出アナログ値を前記火災受信機に送って火災を判断させており、
前記学習制御部は、前記検出アナログ値が所定の火災レベルに達し、前記火災受信機から前記火災感知器の火災発報に基づく火災移報信号が入力された後に火災断定操作に基づく火災断定移報信号が入力された場合、前記検出アナログ値が前記火災レベルより低い所定の火災予兆レベルに達した時から前記火災移報信号の入力時までの前記入力情報のうち、火災発報した前記火災感知器に対応する入力情報を前記記憶部から読出し、前記第2火災検出器の前記多層式のニューラルネットワークに火災の学習情報として入力して学習させることを特徴とする監視システム。
- 請求項7又は9記載の監視システムに於いて、
前記学習制御部は、前記火災受信機から前記火災感知器の火災発報に基づく火災移報信号が入力された後に復旧操作に基づく復旧移報信号が入力された場合、所定時間前から前記火災移報信号の入力時までの前記入力情報のうち、火災発報した前記火災感知器に対応する入力情報を前記記憶部から読出し、前記第2火災検出器の前記多層式のニューラルネットワークに非火災の学習情報として入力して学習させることを特徴とする監視システム。
- 請求項7又は11記載の監視システムに於いて、
前記火災感知器は、前記物理量として温度又は煙濃度を検出して、検出アナログ値を前記火災受信機に送って火災を判断させており、
前記学習制御部は、前記検出アナログ値が所定の火災レベルに達し、前記火災受信機から前記火災感知器の火災発報に基づく火災移報信号が入力された後に復旧操作に基づく復旧移報信号が入力された場合、前記検出アナログ値が前記火災レベルより低い所定の火災予兆レベルに達したときから前記火災移報信号の入力時までの前記入力情報のうち、火災発報した前記火災感知器に対応する入力情報を前記記憶部から読出し、前記第2火災検出器の前記多層式のニューラルネットワークに非火災の学習情報として入力して学習させることを特徴とする監視システム。
- 請求項6記載の監視システムに於いて、前記学習制御部は、通常監視状態で前記記憶部に記憶された入力情報を読み出して、前記第2異常検出器の前記多層式のニューラルネットワークに非異常の学習情報として入力して初期化学習させることを特徴とする監視システム。
- 請求項14記載の監視システムに於いて、
前記初期化学習のタイミングは、装置立ち上げ時、所定の操作が行われたとき、前記入力情報に変化が略ないとき、所定時間間隔毎、のうちいずれか一つ以上を含み、
前記所定時間間隔毎の場合、初回の時刻と時間間隔は複数のパターンで前記初期化学習を行っても良いことを特徴とする監視システム。
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