JP4897408B2 - 水晶発振器 - Google Patents

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Description

本発明は、良好な周波数温度特性を得ることができる水晶発振器に関する。
水晶振動子は温度によって周波数が変化することから、水晶振動子を用いた水晶発振器においては、温度に対する周波数安定性を得るための対策が必要になる。その対策の代表的な構成としては、OCXO(恒温槽付水晶発振器:Oven Controlled Crystal Oscillator)とTCXO(温度補償水晶発振器:Temperature Compensated Crystal Oscillator)とが知られている。OCXOは恒温槽によって水晶振動子の周囲温度を一定に保っているため、10-8 〜10-10の高い周波数安定度が得られるが、大型で消費電力が大きいことから、基地局の通信装置などには適しているが、携帯機器に対して適用できないなど、適用範囲が制限されている。
一方TCXOは感温素子を用いた温度補償回路を内蔵することにより広い範囲に亘って良好な周波数温度特性を得るようにしたものであり、消費電力が少なく、小型軽量であり、適用範囲が広い利点がある。しかしながらTCXOは、OCXOほどの高い周波数安定性が得られないので、高い周波数安定性が要求される場合には、適用しがたいという課題がある。
例えば最近において、溶液中や気体中の微量物質を検出する装置として水晶振動子を用いることが検討されている。これは水晶振動子に微量物質が吸着すると、その発振周波数(共振周波数)が変わることを検出原理としており、特許文献1には、ガスを吸着してそのガス濃度を検出することが記載されている。また特許文献2には、水晶振動子を用いて疫病マーカータンパク質を検出する装置が記載されている。本発明者は、このような測定装置に着目しており、今後種々の分野、例えばダイオキシンなどのppb〜pptレベルの極位濃度を分析対象とする環境汚染物質などについても高感度で検出できるものと期待している。
しかし微量物質の検出感度を高めようとすると、周波数の変化分の測定値に温度変化による周波数の変化分が乗ってくるので、検出誤差になってしまう。このため検出精度を高めるためには、水晶発振器の周波数温度特性を向上させることが要求されるが、OCXOはこの種の感知装置には適用し難く、一方TCXOでは、周波数の安定化を十分図ることが困難であり、こうしたことから高精度な感知装置を作成することが阻まれている。
また水晶振動子を用いたクロック発生器として、矩形波のクロックを発生する矩形波発生回路の後段に水晶振動子を用いたフィルタからなる波形整形回路を接続して正弦波パルスを出力するものが知られている。矩形波発生回路はスプリアスが多いことから、こうした構成は有効であるが、前段の水晶振動子と後段の水晶振動子とは別物であるから、互いの温度特性はどうしても微妙に異なってしまい、このためOCXOを採用した場合でも温度に対して極めて安定した周波数特性を得ることが困難である。
特開平6−241972 特開2001−83154(段落0007、0009及び図1)
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、良好な周波数温度特性を備えた水晶発振器を提供することにある。
本発明の水晶発発振器は、水晶片に弾性波の伝播を止めるための境界領域を形成してこの境界領域により、互いに独立して振動する第1の振動領域と第2の振動領域とに分割し、これら第1の振動領域及び第2の振動領域に各々電極を設けて第1の水晶振動子及び第2の水晶振動子を構成し、
前記第1の水晶振動子と負荷容量とを含む第1の発振部と、
前記第2の水晶振動子と負荷容量とを含む第2の発振部と、
前記第1の発振部及び第2の発振部の後段に、発振部の第3次高調波を除去するために夫々接続された第1の水晶フィルタ回路及び第2の水晶フィルタ回路と、
前記第1の水晶フィルタ回路から得られた周波数信号の周波数と第2の水晶フィルタ回路から得られた周波数信号の周波数との差分に対応する信号を取り出す手段と、を備え、
第1の振動領域及び第2の振動領域の各々に、水晶片の厚さが互いに異なる発振部用の振動領域とフィルタ用振動領域とを形成し、
第1の水晶振動子及び第2の水晶振動子は、前記発振部用の振動領域に各々電極を設けて構成され、
第1の水晶フィルタ回路に用いられる水晶振動子は第1の振動領域におけるフィルタ用振動領域に電極を設けて構成され、また第2の水晶フィルタ回路に用いられる水晶振動子は、第2の振動領域におけるフィルタ用振動領域に電極を設けて構成され、たことを特徴とする。
前記境界領域は、例えば水晶片を加工することにより形成されたものである。この場合、前記境界領域は、溝または透孔であるか、あるいは溝及び透孔を組み合わせたものとすることができる。なお境界領域としては、例えば水晶片の一面の中央領域を接着剤などの弾性波吸収体を介して基体に接着し、この吸収体に弾性波を吸収させる構成であってもよい。
他の発明は、水晶片に弾性波の伝播を止めるための境界領域を形成してこの境界領域により、互いに独立して振動する第1の振動領域と第2の振動領域とに分割し、これら第1の振動領域及び第2の振動領域に各々電極を設けて第1の水晶振動子及び第2の水晶振動子を構成し、
前記第1の水晶振動子と負荷容量とを含む発振部により構成された矩形波発生部と、
前記矩形波発生部の後段に、矩形波を正弦波に整形するために接続された、前記第2の水晶振動子と負荷容量とを含む波形整形部と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、第1の発振部及び第2の発振部から出力される第3次高調波を取り除くために第1の水晶フィルタ回路及び第2の水晶フィルタ回路を設けるに当たって、これら水晶フィルタ回路を構成する2つの水晶振動子を、第1の水晶振動子及び第2の水晶振動子と一体化することで、水晶発振器をコンパクトにすることができる。また第1の発振部(第2の発振部)と第1の水晶フィルタ回路(第2の水晶フィルタ回路)との間の温度特性がキャンセルされるので、高いフィルタ機能が得られる利点もある。
また矩形波発生部と、波形整形部とに用いられる水晶振動子を一体化することにより水晶発振器をコンパクトにすることができる。
本発明は、共通の水晶片を用いて、第1の水晶振動子及び第2の水晶振動子を構成し、これら水晶振動子を用いて互いの発振周波数を揃えた(実質同じにした)第1の発振部及び第2の発振部を構成したものであり、これらの出力を上述のように適用機器に応じて利用することにより良好な周波数温度特性を備えた水晶発振器となる。
先ず適用機器として感知対象物を水晶振動子の周波数変化に基づいて感知する感知装置を例にとって説明する。図1は、本発明に係る水晶発振器の実施の形態を示す回路図である。水晶振動子及び発振回路からなる構成部分を発振部と呼ぶことにすると、この水晶発振器は、第1の発振部1Aと、第2の発振部1Bと、これら発振部1A、1Bからの発振周波数の差を取り出しその周波数差の周波数信号を出力する周波数差取り出し手段をなす混合器であるヘテロダイン検波器2と、を備えている。
第1の発振部1A及び第2の発振部1Bは同じ構成である。3A(3B)は例えばATカットの水晶片を用いた水晶振動子であり、第1の水晶振動子3A(第2の水晶振動子3B)には、例えばコルピッツ形の発振回路4A(4B)が接続されている。41は増幅素子であるトランジスタ、42、43は分圧用コンデンサ、44、45は抵抗、46は負荷容量を調整するための可変容量コンデンサである。また第1の水晶振動子3Aの負荷容量(第1の水晶振動子3Aからみた容量成分の容量)と第2の水晶振動子3Bの負荷容量(第2の水晶振動子3Bからみた容量成分の容量)とは同じ値に設定されている。
水晶振動子3A(3B)の構成例を図2に示す。図2(a)の例は、例えばATカットの角型の水晶片31の一面及び他面における中央部に、弾性波の伝播を止めるための境界領域としての溝部32を一縁から他縁に亘って設けることにより、互いに左右に分割された第1の振動領域33及び第2の振動領域34を形成し、これら第1の振動領域33及び第2の振動領域34の各々の両面に電極35、36(他面側の電極は図4では見えない)を設けて、第1の水晶振動子3A及び第2の水晶振動子3Bを構成したものである。水晶片31に境界領域を設けて第1の振動領域33及び第2の振動領域34を形成すれば、これら領域33,34は互いに独立して振動することになる。このように第1の水晶振動子3A及び第2の水晶振動子3Bの水晶片を共通化すれば、両者は厚さが同じであり、動作が全く同じになる。即ち負荷容量を同じにすれば同じ周波数で振動し、また周波数温度特性が同じになる。
溝部32としては、水晶片31の両面に設けることに限らず、図2(b)に示すように水晶片31の片面のみに設けるようにしてもよい。
次ぎに感知装置の全体ブロック図を示す図3及び水晶振動子の感知センサー部分を示す図4を参照しながら説明を進める。図3に示すように第1の水晶振動子3Aの両面の電極には信号線5Aが各々接続され、信号線5Aは第1の発振回路4Aに接続されている。また第2の水晶振動子3Bの両面の電極には信号線5Bが各々接続され、信号線5Bは第2の発振回路4Bに接続されている。図4には図示の便宜上信号線5A、5Bは記載していない。
また第1の水晶振動子3A及び第2の水晶振動子3Bの片面(他面)は例えば樹脂からなる上面開口の容器61により接着剤により封止されており、第1の水晶振動子3A及び第2の水晶振動子3Bの一面は露出している。図3及び図4に示すように、第1の水晶振動子3Aの一面には感知対象物質である例えばダイオキシンを吸着する吸着層62が形成されている。この吸着層62はダイオキシンと反応して捕獲する抗体を含むものである。一方第2の水晶振動子3Bの一面にも、前記吸着層62と同じ厚さでかつ密度が同等のダミー層63が形成されている。このダミー層63は、ダイオキシンを吸着する能力はなく、吸着層62にダイオキシンが捕獲されていないときには水晶振動子3A、3Bの特性が同じになるように設けられたものである。即ちこの例では、水晶振動子3A、3Bは環境が同じであればそれ自体は同じ周波数で振動するように構成されており、各水晶振動子3A、3Bからみた負荷容量は同じに設定されているので、互いの発振周波数は同じである。ここでいう「同じである」とは、発振周波数を一般的に比較する場合に「同じである」という意味であり、本発明では両水晶振動子3A,3Bの差の周波数を用いることから、周波数は微視的には僅かに異なっている。
このような水晶振動子3A、3Bはランジュバン型水晶振動子と呼ばれ、露出している面に測定雰囲気例えば溶液が接触することになる。図3の例では容器64内の溶液に浸漬して用いられるが、溶液を水晶振動子3A、3Bの一面に垂らすようにしてもよい。
図3に説明を戻すと、ヘテロダイン検波器2の後段には、ローパスフィルタ71、アンプ72及び周波数信号(パルス)をカウントするカウンタ73が接続されており、カウンタ73の後段にはデータ処理部74が設けられている。
次いでこの感知装置の作用について説明する。第1の発振部1A及び第2の発振部1Bの各発振周波数はいずれも30MHzとされる。両者の発振周波数の差は、ゼロであることが理想であるが、現実にはゼロに設定することが難しいことから、発振周波数この例では30MHzに対して0.05%以内の差に収めることが必要である。しかし感知装置は、かなり高精度なものが要求されていることからすれば、0.02%以内の差に収めることがより好ましく、0.01%以内の差に収めることがより好ましい。ここでは、0.01%に収めたものとすると、第1の発振部1A及び第2の発振部1Bの各発振周波数の差は、3kHzとなる。
水晶振動子3A、3Bを所定の溶液中例えば超純水に浸漬すると、溶液が水晶面に付着したことにより大気雰囲気よりもわずかに例えば5kHz程度発振周波数が低くなった状態で発振する。このとき第1の発振回路4Aの発振周波数と第2の発振回路4Bの発振周波数との差に相当する周波数の周波数信号がヘテロダイン検波器2から取り出され、その周波数信号がローパスフィルタ71を介してアンプ72に入力され、ここで増幅されてカウンタ73に入力される。カウンタ73にて周波数信号がカウントされてデータ処理部74にてその周波数が求められる。そしてこの周波数が安定したときにその値をブランク値としてデータ処理部74のメモリに記憶しておく。
上述のように2つの水晶振動子3A、3Bは共通の水晶片で構成されていて厚さが同じであるため、大気雰囲気から超純水に浸漬したときの周波数の変わり方は同じであり、従って3kHzの周波数信号がヘテロダイン検波器2から取り出される。なお厳密には3kHzからわずかにシフトした周波数となっているが、便宜上この値で説明を進める。
続いて容器64内の溶液中に、感知対象物例えばダイオキシンが含まれている溶液を供給して攪拌すると、前記ダイオキシンが抗ダイオキシン抗体による選択的な分子捕捉により水晶振動子3Aの表面の吸着層62に捕獲され、その吸着量に応じて水晶振動子3Aの共振周波数(固有振動数)がΔfだけ変化する。このためカウンタ73における周波数のカウント値がΔfだけ変化するので、データ処理部74においてこの状態で安定した周波数と先のメモリ内のブランク値に相当する周波数とを比較することにより、Δfが周波数の変化分として求められ、予め求めておいた関係式(検量線)に基づいてダイオキシンの濃度が測定できる。この濃度は例えば図示しない表示部に表示される。なお検出した濃度と予め設定した濃度とを比較して、設定濃度よりも高ければ「有り」、設定濃度よりも低ければ「無し」として出力するようにしてもよい。
以上の実施の形態は、カウンタ73とデータ処理部74は、水晶発振器の発振周波数の変化分を測定するための測定手段に相当する。なお、図6に第1の水晶振動子3A(測定用)の周波数温度特性と第2の水晶振動子3B(参照用)の周波数温度特性との一例を示しておく。なお、図6中の縦軸は発振周波数(f)であり、横軸は温度(T)である。
この実施の形態によれば、共通の水晶片を用いて第1の水晶振動子及び第2の水晶振動子を形成し、各水晶片は同じ厚さであることから、両者の共振周波数は同じになり、このため一方の水晶振動子を感知用とし、他方の水晶振動子をリファレンス(参照用)として用いることで、温度変化に伴う周波数変化をキャンセルすることができる。またブランク用の液体に浸漬したときや、検体をブランク用の液体に供給したときなど、周囲の粘度の変化による周波数変化の仕方、そして温度変化による周波数変化の仕方が全く同じになり、こうした点からデータ処理部74にて処理される周波数変化分は、感知物質の吸着による周波数変化分だけになるので、測定感度を高めても感知対象物を高精度に検出することができる。また温度検出側の発振部とリファレンス側の発振部との発振周波数が実質一致しているので、副振動が入り込んで誤差を生じる余地がなくなる。
なお感知対象物としては、例えば疫病マーカー蛋白質、伝染病の細菌、PCBなどであってもよい。また液体中の物質を感知することに限られず気体中の物質、例えば毒性のガスを感知したり臭いを感知したりする場合にも適用できる。
ここで本発明に用いられる水晶振動子の構造の他の例を図7〜図12に示しておく。図7〜図11の構成は、水晶片に弾性波の伝播を止めるために形成した境界領域の構成以外は、図3の構成と同様である。図7(a)、(b)は図3に形成した境界領域をなす溝32の形状を夫々V字状及び丸みを帯びた形状にしたものである。図8は、水晶片31の幅いっぱいよりも少し小さく、つまり両縁部分を残して溝の代わりに帯状の透孔37を開けた構成であり、図9は、1本の帯状の透孔37とする代わりに複数例えば2本の帯状の透孔37、37に分割した構成である。
図10は、図3に示めした溝の代わりに多数の透孔38を幅方向に配列したものであり、図11は、溝と透孔とを組み合わせた構成例であり、図4に示した溝32の底部に透孔38を配列した構成である。いずれの場合においても、水晶片31の同じ面に形成されている電極35、36のうち少なくとも一方は、帯状に伸びる境界領域の長さよりも水晶片の幅方向の長さを小さくすることが好ましい。例えば電極35については、電極36側から見たときに境界領域の両端からはみ出ていないようにすることが好ましい。
また図12の構造は、基体例えば基板39aに一対の水晶片保持部39b、39bを設け、これに水晶片31を保持させて基板39aから浮かした状態とすると共に、この水晶片31の中央部(図3において溝32が形成されている領域)を接着剤39cにより基板39aに固定したものである。この場合、接着剤が弾性波の吸収体として作用するので、前記境界領域の役割を果たす。
なお水晶片31の形状は矩形に限られるものではなく、円形などであってもよい。
更に本発明の水晶発振器をクロック発生器に適用した例について図13を参照しながら説明する。図13において8は、矩形波発生部、9はフィルタを構成する波形整形部である。矩形波発生部8は、アンプ80の入出力側に第1の水晶振動子3Aを接続して構成され、波形整形部9は、第2の水晶振動子3Bに直列に可変容量コンデンサ91を接続して構成される。81、82はコンデンサ、83は可変容量コンデンサ、92は抵抗である。
矩形波発生部8において第1の水晶振動子3A以外の容量成分は、第1の水晶振動子3Aの負荷容量に相当し、また波形整形部9において第2の水晶振動子3B以外の容量成分は、第2の水晶振動子3Bの負荷容量に相当する。これらの負荷容量の値を同じにするために例えば可変容量コンデンサ91、83の容量を調整する。
このような構成によれば、矩形波発生部8にて発生した矩形波が波形整形部9にて正弦波になるので、スプリアスが小さいクロックを得ることができる。そして第1の水晶振動子3A及び第2の水晶振動子3Bは、共振周波数が同じであってつまり同じ負荷容量とすればそれらとの直列共振周波数が一致するので、周波数温度特性が全く同じであり、このため位相雑音が極めて少なく、また温度に対して周波数が安定している。
第1の発振部及び第2の発振部の発振周波数の差、この例では矩形波発生部8及び波形整形部9の両発振周波数の差は、0.05%よりも小さいことが前提であるが、0.02%以下が好ましく、0.01%以内であればより好ましい。
続いて本発明の他の実施の形態について図14及び図15を参照しながら説明する。この実施の形態は、第1の発振部1A及び第2の発振部1Bの後段に夫々第3次高周波を除去するための第1の水晶フィルタ回路2A及び第2の水晶フィルタ回路2Bを接続すると共に、これら水晶フィルタ回路2A,2Bの水晶片を第1の発振部1A及び第2の発振部1Bの水晶片と共通化させる構成を採用したものである。
一般に発振回路は発振周波数の整数倍の周波数の高調波を発生し、厚みすべり水晶振動子は奇数倍の高周波を出力する。そして発振回路の第3次高調波の周波数と水晶振動子の第3次高調波の周波数とが互いに近づくとその間の周波数で周波数ジャンプが発生することがある。このような周波数ジャンプが起きると、図1に示す感知装置では、測定系に入力される周波数の変化に周波数のジャンプ分が加わってくるので測定結果が狂ってしまう。また図13に示す発振回路の場合、その後段にPLL回路が存在するとPLLのロックが外れてしまう。
このようなことからこの実施の形態では図15に示すように第1の発振部1Aのトランジスタ41のエミッタとヘテロダイン検波器2との間に第1の水晶フィルタ回路2Aを、また第2の発振部1Bのトランジスタ41のエミッタとヘテロダイン検波器2との間に第2の水晶フィルタ回路2Bを夫々設けることとしている。
そして図2(a),(b)に示すように水晶片31を第1の振動領域33と、第2の振動領域34とに分割し、更にこの実施の形態では第1の振動領域33を発振部用の振動領域33−1とフィルタ用の振動領域33−2とに分けている。なお、溝部32の伸びる方向を前後方向とすると、前後方向の寸法は図2のサイズの2倍とする。即ち、第1の振動領域33を溝部32の伸びる方向に沿って例えば半分に分けて、一方の半分領域の厚さを発振部の発振領域に対応した厚さに設定し、他方の半分領域を第3次高調波の発振周波数に対応する厚さに設定し、これら半分領域を夫々発振部用の振動領域33−1及びフィルタ用の振動領域33−2としている。従って、フィルタ用の振動領域33−2の厚さt2は発振部用の振動領域33−1の厚さt1の1/3になっており、例えば量産品ではt2は0.32t1〜0.34t1とされる。また第2の振動領域34についても同様に発振部用の振動領域34−1及びフィルタ用の振動領域34−2を形成している。なお、図14中の30,39は励振電極であり、裏面側にも設けられている。また図14(b)に、水晶片31の片面のみに溝部32を設けた構成例を示す。
このように第1の発振部1A及び第2の発振部1Bから出力される第3次高調波を取り除くために第1の水晶フィルタ回路2A及び第2の水晶フィルタ回路2Bを設けるに当たって、これら水晶フィルタ回路2A,2Bを構成する2つの水晶振動子30A,30Bを、図14に示すように第1の水晶振動子3A及び第2の水晶振動子3Bと一体化することで、水晶発振器をよりコンパクトにすることができる。また第1の発振部1A(第2の発振部1B)と第1の水晶フィルタ回路2A(第2の水晶フィルタ回路2B)との間の温度特性がキャンセルされるので、高いフィルタ機能が得られる利点もある。
更にまた図13に示す回路において矩形波発生部8及び波形整形部9の後段に夫々第3次高調波除去用の第1の水晶フィルタ回路及び第2の水晶フィルタ回路を設け、矩形波発生部8の水晶振動子3Aと波形整形部9の水晶振動子3Bとこれら水晶フィルタ回路の水晶振動子を一体化して図14のように構成してもよい。
本発明に係る水晶発振器の実施の形態を示す回路図である。 上記の水晶発振器に用いられる2つの水晶振動子の構成例を示す斜視図である。 本発明に係る感知装置の実施の形態を示す構成図である。 上記の感知装置に用いられる水晶振動子の構成例を示す縦断側面図である。 上記の感知装置に用いられる水晶振動子の構成例を示す平面図である。 第1の水晶振動子3A(測定用)の周波数温度特性と第2の水晶振動子3B(参照用)の周波数温度特性示した特性図である。 本発明に用いられる2つの水晶振動子の構成に関する変形例を示す断面図である。 本発明に用いられる2つの水晶振動子の構成に関する変形例を示す平面図及び断面図である。 本発明に用いられる2つの水晶振動子の構成に関する変形例を示す平面図である。 本発明に用いられる2つの水晶振動子の構成に関する変形例を示す平面図及び断面図である。 本発明に用いられる2つの水晶振動子の構成に関する変形例を示す平面図及び断面図である。 本発明に用いられる2つの水晶振動子の構成に関する変形例を示す断面図である。 本発明の水晶発振器の他の適用例を示す回路図である。 水晶発振器に用いられる2つの水晶振動子の構成例を示す斜視図である。 本発明に係る水晶発振器の他の実施の形態を示す回路図である。
符号の説明
1A、1B 発振部
2 ヘテロダイン検波器
3A、3B 水晶振動子
31 水晶片
32 溝部
33、34 振動領域
35、36 電極
4A、4B 発振回路
62、63 吸着層
37、38 透孔
39a 基板
39c 接着剤
8 矩形波発振部
9 波形整形部

Claims (5)

  1. 水晶片に弾性波の伝播を止めるための境界領域を形成してこの境界領域により、互いに独立して振動する第1の振動領域と第2の振動領域とに分割し、これら第1の振動領域及び第2の振動領域に各々電極を設けて第1の水晶振動子及び第2の水晶振動子を構成し、
    前記第1の水晶振動子と負荷容量とを含む第1の発振部と、
    前記第2の水晶振動子と負荷容量とを含む第2の発振部と、
    前記第1の発振部及び第2の発振部の後段に、発振部の第3次高調波を除去するために夫々接続された第1の水晶フィルタ回路及び第2の水晶フィルタ回路と、
    前記第1の水晶フィルタ回路から得られた周波数信号の周波数と第2の水晶フィルタ回路から得られた周波数信号の周波数との差分に対応する信号を取り出す手段と、を備え、
    第1の振動領域及び第2の振動領域の各々に、水晶片の厚さが互いに異なる発振部用の振動領域とフィルタ用振動領域とを形成し、
    第1の水晶振動子及び第2の水晶振動子は、前記発振部用の振動領域に各々電極を設けて構成され、
    第1の水晶フィルタ回路に用いられる水晶振動子は第1の振動領域におけるフィルタ用振動領域に電極を設けて構成され、また第2の水晶フィルタ回路に用いられる水晶振動子は、第2の振動領域におけるフィルタ用振動領域に電極を設けて構成され、たことを特徴とする水晶発振器。
  2. 前記境界領域は、水晶片を加工することにより形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の水晶発振器。
  3. 前記境界領域は、溝または透孔であるか、あるいは溝及び透孔を組み合わせてなるものである請求項2記載の水晶発振器。
  4. 第1の発振部は、矩形波を発振する矩形波発振部として構成され、第2の発振部は第1の発振部の出力波形を正弦波として出力するフィルタを構成する波形整形部として構成されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか一つに記載の水晶発振器。
  5. 水晶片に弾性波の伝播を止めるための境界領域を形成してこの境界領域により、互いに独立して振動する第1の振動領域と第2の振動領域とに分割し、これら第1の振動領域及び第2の振動領域に各々電極を設けて第1の水晶振動子及び第2の水晶振動子を構成し、
    前記第1の水晶振動子と負荷容量とを含む発振部により構成された矩形波発生部と、
    前記矩形波発生部の後段に、矩形波を正弦波に整形するために接続された、前記第2の水晶振動子と負荷容量とを含む波形整形部と、を備えたことを特徴とする水晶発振器。
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