JP5160583B2 - 感知装置及び感知方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水晶振動子等の圧電振動子の振動数に基づいて、試料液に含まれる感知対象物を認識、定量するための感知装置及び感知方法に関する。
試料液に含まれる微量物質を検出する装置として、水晶振動子を利用した水晶センサが知られており、このような水晶センサでは、水晶振動子に微量物質が吸着すると、その発振周波数(共振周波数)が変わることを検出原理としている。例えばこのような水晶センサは、水晶片に設けた金属電極(励振電極)の表面に、特定の感知対象物を認識し反応を生じる生体物質膜等からなる吸着層を形成して構成される。前記吸着層を試料溶液と接触させると、当該吸着層が試料溶液中に存在する感知対象物と反応して当該感知対象物を吸着し、当該吸着層では質量変化を生じる。この吸着層の質量変化に応じて水晶振動子の固有振動数が変化するため、この作用を用いて感知対象物の濃度が測定されるようになっている。生体物質としては、例えば特定の抗原(感知対象物)と反応する抗体の膜が用いられ、この抗体の膜が当該抗原を吸着する。
特許文献1には、水晶振動子を用いたフローセル方式のセンサが提案されている。このセンサは、保持基板と、溶液の流入通路及び排出通路を有するカバーとの間に、シリコンゴムを介して、電極が形成された水晶振動子を設けるように構成されている。前記シリコンゴムには溶液を収容するための孔部が形成されており、カバーと水晶振動子とシリコンゴムとによりフローセルが構成され、前記流入通路から供給された溶液は水晶振動子の電極上に流通されて、電極と接触した後、流出側から排出されるようになっている。このようなフローセル方式のセンサでは、液体を連続して供給できるため、周波数特性を安定化させることが容易であり、液体の置換をスムースに行うことができて、試料溶液の必要量が少なくて済むという利点がある。またこの水晶センサにおいて吸着層を形成するときには、当該水晶センサ内に、吸着物質を含んだ溶液を注入することにより、当該吸着物質を金属電極の表面に吸着させることが行われる。
ところで水晶振動子に試料液中の感知対象物以外の物質例えば目的としない抗原等が付着したり、試料液の粘度によっても周波数が変化することから、微量物質の検出精度を高めるためには、このような目的としない物質の付着等の外乱による周波数変化を除去するための対策が必要となる。ここで水晶センサにおいて温度変化等の外乱の影響を抑える手法については、特許文献2の構成が提案されている。この手法は共通の水晶片を用いて第1の水晶振動子及び第2の水晶振動子を構成し、一方の水晶振動子の励振電極に吸着物質を吸着させて吸着層を形成し、他方の水晶振動子をリファレンスとして用いることで、温度変化に伴う周波数変化をキャンセルする構成が提案されている。
そしてより精度の高い検出を行なうためには、一方の水晶振動子の励振電極における吸着物質が吸着されていない領域や、リファレンス用の水晶振動子の励振電極の表面にブロッキング物質を吸着させる必要がある。このブロッキング物質は、例えばタンパク質等の物質が吸着されない成分により形成されており、当該ブロッキング物質を前記電極に吸着させる理由は、電極の表面における吸着物質が吸着されていない領域に感知対象物が吸着されないようにし、感知対象物が吸着物質にのみ吸着される環境を形成すると共に、感知対象物以外の成分の付着を防いで吸着物質が感知対象物を捕捉する量と周波数との対応関係について高い精度を確保するためである。
このため2つの水晶振動子を備えたセンサを製作するときには、一方の水晶振動子の励振電極には吸着物質とブロッキング物質とを吸着させ、他方の水晶振動子の励振電極にはブロッキング物質のみを形成することが必要であるが、第1の水晶振動子と第2の水晶振動子とが共通の水晶片に形成されている構成においてフローセル方式を採用する場合、既述のように吸着物質を含んだ溶液を水晶センサ内に注入し、次いでブロッキング物質を含んだ溶液を前記水晶センサ内に注入するという手法を用いると、両方の水晶振動子の励振電極に吸着物質とブロッキング物質が吸着されてしまう。
このため予めリファレンス用の水晶振動子の励振電極にブロッキング物質を吸着させてから、当該リファレンス用水晶振動子を水晶センサに装着し、次いで水晶センサ内に吸着物質を含んだ溶液と、ブロッキング物質を含んだ溶液を順次注入して、一方の水晶振動子の励振電極に吸着物質とブロッキング物質とを吸着させることが行われている。この際リファレンス用の水晶振動子にも、吸着物質を含んだ溶液とブロッキング物質を含んだ溶液が順次供給されることになるが、当該水晶振動子の励振電極には予めブロッキング物質が形成されているので、このブロッキング物質により吸着物質の吸着が抑えられる。しかしながら予め作業者がリファレンス用の水晶振動子にブロッキング物質を吸着させるという前処理が必要であるために、その分手間がかかり、また当該前処理を含めた計測時間が増大してしまうという問題があった。
特開平11−183479号公報 特開2007−108170号公報
本発明は、このような事情の下になされたものであり、その目的は、簡易な手法で、第1の振動領域における試料液と接触する電極には、試料液中の感知対象物を吸着する吸着物質と、物質の吸着を抑えるブロッキング物質とを吸着させ、第2の振動領域における試料液と接触する電極には、物質の吸着を抑えるブロッキング物質を吸着させることができる感知装置及び感知方法を提供することにある。
このため本発明は、互いに独立して振動する第1の振動領域及び第2の振動領域が共通の圧電片に形成された圧電振動子が装着され、当該圧電振動子の一面側に試料液を接触させたときの両振動領域の発振周波数の変化分に基づいて試料液中の感知対象物を感知する感知装置において、
前記第1の振動領域の一面側に液体を供給するための第1の液体収容空間を形成する第1の空間形成部材と、
前記第2の振動領域の一面側に液体を供給するための前記第1の液体収容空間とは分離された第2の液体収容空間を形成する第2の空間形成部材と、
前記第1の液体収容空間及び前記第2の液体収容空間に夫々接続された第1の供給路及び第2の供給路と、
試料液中の感知対象物を吸着する吸着物質を前記第1の振動領域の電極上に吸着させるために、吸着物質を含有する吸着物質含有液を供給するための吸着物質含有液供給部と、前記第1の供給路の上流側と、の間に接続された吸着物質含有液供給路と、
前記第1の振動領域の電極上及び第2の振動領域の電極上に、これら電極への物質の吸着を抑えるブロッキング物質を吸着させるために、ブロッキング物質含有液供給部と、前記第1の供給路及び第2の供給路の各上流側と、の間に接続されたブロッキング物質含有液供給路と、
前記吸着物質含有液供給路の上流側を、吸着物質含有液供給路中の吸着物質含有液を前記第1の液体収容空間まで押し出すための押し出し用液体を供給するための押し出し用液体供給部と、前記吸着物質含有液供給部と、の間で切り替える流路切り替え手段と、
前記ブロッキング物質含有液供給路の上流側を、ブロッキング物質含有液供給路中のブロッキング物質含有液を、前記第1の液体収容空間及び第2の液体収容空間まで押し出すための押し出し用液体を供給するための押し出し用液体供給部と、前記ブロッキング物質含有液供給部と、の間で切り替える流路切り替え手段と、
試料液を供給するための試料液供給部と、前記第1の供給路及び第2の供給路の各上流側と、の間に接続された試料液供給路と、
前記第1の液体収容空間及び第2の液体収容空間から液体を排出する液体排出路と、を備えたことを特徴とする。
ここで前記吸着物質は抗体であり、前記試料液中の感知対象物は抗原とすることができる。また前記第1の空間形成部材及び第2の空間形成部材は、少なくとも圧電振動子に接触する部分が弾性部材により構成されていることが好ましい。
さらに本発明の感知方法は、互いに独立して振動する第1の振動領域及び第2の振動領域が共通の圧電片に形成された圧電振動子が装着され、当該圧電振動子の一面側に試料液を接触させたときの両振動領域の発振周波数の変化分に基づいて試料液中の感知対象物を感知する感知方法において、
前記第1の振動領域の一面側に液体を供給するための第1の液体収容空間を形成する第1の空間形成部材と、前記第2の振動領域の一面側に液体を供給するための前記第1の液体収容空間とは分離された第2の液体収容空間を形成する第2の空間形成部材と、
前記第1の液体収容空間及び前記第2の液体収容空間に夫々接続された第1の供給路及び第2の供給路と、を用い、
吸着物質含有液供給部から、試料液中の感知対象物を吸着する吸着物質を含有する吸着物質含有液を、前記第1の供給路の上流側に接続された吸着物質含有液供給路に供給する工程と、
次いで、押し出し用液体供給部から、押し出し用液体を前記吸着物質含有液供給路に供給することにより、吸着物質含有液供給路中の吸着物質含有液を前記第1の液体収容空間まで押し出す工程と、

しかる後、前記ブロッキング物質含有液供給部から、電極への物質の吸着を抑えるブロッキング物質を含有するブロッキング物質含有液を、前記第1の供給路及び第2の供給路の各上流側に接続されたブロッキング物質含有液供給路に供給する工程と、
その後、押し出し用液体供給部から、押し出し用液体をブロッキング物質含有液供給路に供給することにより、ブロッキング物質含有液供給路中のブロッキング物質含有液を、前記第1の液体収容空間及び前記第2の液体収容空間に押し出す工程と、
この工程の後、感知対象物を含まない参照液及び試料液をこの順に前記第1の液体収容空間に供給して、第1の振動領域の発振周波数を測定する工程と、
感知対象物を含まない参照液及び試料液をこの順に前記第2の液体収容空間に供給して、第2の振動領域の発振周波数を測定する工程と、を含むことを特徴とする。







本発明においては、互いに独立して振動する第1の振動領域及び第2の振動領域が共通の圧電片に形成された圧電振動子が装着される感知装置において、第1の振動領域の一面側に液体を供給するための第1の液体収容空間と、第2の振動領域の一面側に液体を供給するための第2の液体収容空間とを互いに分離して形成したので、これら第1の液体収容空間及び第2の液体収容空間に夫々別個に液体を供給することができる。これにより第1の液体収容空間には試料液中の感知対象物を吸着する吸着物質を含む液と、物質の吸着を抑えるブロッキング物質を含む液とを供給し、第2の液体収容空間には前記ブロッキング物質を含む液を供給することができ、このように夫々の液体収容空間に液体を別々に供給するという簡易な手法により、第1の振動領域の電極上には吸着物質とブロッキング物質を吸着させ、第2の振動領域の電極上にはブロッキング物質を吸着させることができる。
本発明の実施の形態に係る感知装置のセンサーユニットを示した外観斜視図である。 前記センサーユニットの各部品の上面側を示した分解斜視図である。 水晶片に設けられた励振電極を示す平面図と底面図である。 水晶片に設けられた第1の振動領域と第2の振動領域を示す縦断面図である。 押え部材を示す底面図と、センサーユニットの一部を示す縦断面図である。 前記センサーユニットの縦断面を示す図である。 前記感知装置に設けられる測定回路部の一例を示す構成図である。 前記感知装置の全体の構成を模式的に示す構成図である。 第1及び第2の振動領域に形成された第1及び第2の液体収容空間を示す平面図である。 前記感知装置に設けられた第1のバルブの切り替え制御を説明する平面図である。 前記感知装置に設けられた第2のバルブの切り替え制御を説明する平面図である。 前記感知装置に設けられた第3のバルブの切り替え制御を説明する平面図である。 本発明の作用を説明するためのフローチャートである。 本発明の作用を説明するための工程図である。 本発明の作用を説明するための工程図である。 本発明の他の実施の形態を示す平面図である。
本発明に係る感知装置の実施の形態について図面を用いて説明する。先ず圧電センサである水晶センサを備えたセンサーユニット2について説明する。図1は感知装置のセンサーユニットを示した外観斜視図、図2はセンサーユニットの各部品の上面側を示した分解斜視図である。この図2に示すようにセンサーユニット2は支持体21、配線基板3、水晶振動子4、押え部材5、液給排用カバー24の各部品がこの順に下から重ね合わさることにより構成される。
前記水晶センサは、配線基板3上に圧電振動子である水晶振動子4を設けて構成されており、この水晶振動子4について図2〜図4を用いて説明する。水晶振動子4は、例えば図3(a)にその平面図、図3(b)にその底面図を示すように、圧電片である円形板状の水晶片41の表面及び裏面の中央部に、当該水晶片41を励振させるための励振電極42,43を設けて構成されている。表面側に設けられた励振電極42は、長手方向(図1〜図3中Y方向)に伸びる略短冊状の2つの励振電極42A,42B(第1の励振電極42A、第2の励振電極42B)を備えており、これら励振電極42A,42Bは幅方向(図1〜図3中X方向)に間隔を開けて互いに平行に設けられている。またこれら励振電極42A,42Bの長手方向の一端側は電極膜42Cにより接続されている。前記電極膜42Cには導出電極44が接続され、この導出電極44は水晶片41の一端側の周縁に向かって引き出されると共に、端面に沿って屈曲され、裏面側に回り込むように形成されている。これら励振電極42A、42B、電極膜42C及び導出電極44は夫々一体的に形成されている。
一方裏面側に設けられた励振電極43は、図4に示すように表面側の2つの励振電極42A,42Bに対して水晶片41を挟んで対向するように、これら2つの励振電極42A,42Bと同様のレイアウトで形成されている。これら励振電極42,43、電極膜42C及び導出電極44の等価厚みは例えば0.2μmであり、例えば金(Au)あるいは銀(Ag)などの箔状の金属膜により構成されている。実際には水晶と接合性の高いCr膜が水晶の表面に設けられ、その上にAu膜が積層されている。後述する各配線もこのような積層構造となっているが、各図では便宜上一層の膜のように示す。
この例では、共通の水晶片41上において、励振電極42A,43Aが形成された領域により第1の振動領域4Aが構成され、励振電極42B,43Bが形成された領域により第2の振動領域4Bが構成されることになる。これら第1及び第2の振動領域4A,4Bは、夫々の長手方向に互いに平行になるように、所定空間45を介して並ぶように配列されている。この空間45は、第1及び第2の振動領域4A,4Bの間に弾性的な境界領域を形成するものである。このような構成では、第1及び第2の振動領域4A,4Bは互いに独立して振動し、これらの間に形成された境界領域としての空間45により弾性波の伝播が止められる。このように第1の振動領域4A及び第2の振動領域4Bが形成される水晶片41を共通化すれば、両者は厚さ及び水晶の切断角度が同じであり、動作が全く同じとなる。即ち負荷容量を同じにすれば同じ周波数で振動し、周波数温度特性が同じになる。また励振電極42A,42B,43A,43Bについては同一の大きさであって同一の膜厚に形成される。
これら2つの振動領域4A,4Bの内、一方側例えば第1の振動領域4Aの励振電極42A,43Aは感知対象物を検出するための反応電極として用いられ、他方側例えば第2の振動領域4Bの励振電極42B,43Bはリファレンス電極として用いられる。このため第1の振動領域4Aにおける表面側(試料液に接触する側)の励振電極42Aの上には、感知対象物を吸着する吸着物質を含む吸着層46と、物質の吸着を防ぐブロッキング物質を含むブロッキング層47とが形成され、第2の振動領域4Bにおける表面側の励振電極42Bにはブロッキング層47のみが形成されている。
例えば試料液が血液であり、感知対象物が特定の抗原例えばC反応性タンパクである場合には、前記吸着層46は試料液中の前記抗原と反応して捕捉する抗体を含む層により形成され、例えば抗体としてはIgG等の免疫グロブリンを含むものが用いられる。また前記ブロッキング層47はタンパク質例えばBSA(Bovin Serum Albumin)を含むものより構成される。実際には前記励振電極42Aの表面には後述するように吸着物質(抗体)48が吸着され、この吸着物質48が吸着された領域以外の領域にブロッキング物質49が吸着されている(図14参照)。
次に図2、図5及び図6を参照しながらセンサーユニット2について説明する。前記配線基板3は例えばプリント基板により構成され、この配線基板3には前記水晶振動子4の裏面側の励振電極43A,43Bが臨む気密空間をなす凹部のための貫通孔31が形成されており、その口径は前記励振電極43A,43Bが収まる大きさに形成されている。また当該配線基板3の表面における貫通孔31の周囲には、電極32,電極33,電極34が互いに間隔をおいて設けられている。これら電極32,33,34は、水晶振動子4が配線基板3の上に配置されたときに、夫々裏面側の励振電極43A、表面側から裏面側に回り込んだ導出電極44、裏面側の励振電極43Bに電気的に接続されるように形成される。配線基板3の後端側には接続端子部35,36,37が設けられており、各々導電路を介して前記電極32,33,34に電気的に接続されている。この内前記接続端子部36はアースに接続されている。
前記押え部材5は、弾性部材例えばシリコンゴムを用いて配線基板3に対応した形状に形成され、図5及び図6に示すように押え部材5の周縁領域50の下面は配線基板3における水晶振動子4の外側の領域に接触している。なお押え部材5は、少なくとも水晶振動子4と接触する部分が弾性部材により構成されていればよい。この押え部材5は、水晶振動子4を配線基板3側に押さえつけると共に、第1の振動領域4Aにおける励振電極42A上と、第2の振動領域4Bにおける励振電極42B上と、に夫々分離した液体収容空間を区画形成する役割を果たすものである。このため押え部材5の底面は、水晶振動子4の表面側において、2つの励振電極42A,42Bの周囲を夫々個別に囲む第1の環状突起51Aと第2の環状突起51Bとを備えている。
図5は押え部材5の底面図(図5(a))と縦断面図(図5(b))とを合わせて示すものである。このように、前記環状突起51A,51Bの底面は、押え部材5が水晶振動子4の表面に押し付けられたときに、各々の励振電極42A,42Bの周囲の外側全体を僅かな隙間を介して囲む形状に形成されている。この例では表面側の励振電極42は平面形状がコ字型であるが、第1及び第2の振動領域4A,4Bにおける各励振電極42A,42Bの表面側に液体収容空間を形成すればよいので、第1の環状突起51Aは第1の励振電極42Aの周りを、第2の環状突起51Bは第2の励振電極42Bの周りを夫々囲むように形成される。これら環状突起51A,51Bの底面の幅L1、つまり環状突起51A,51Bと水晶片41との接触部の幅L1は例えば0.45mm程度に設定される。
また押え部材5における環状突起51A,51Bの内側領域、つまり励振電極42A,42Bの上方側に対向する領域には、これら励振電極42A,42Bと所定空間を介して対向する天井面を形成するために、押え部材5の底面側から見て凹部52A,52Bが形成されている。このように水晶振動子4の表面に押え部材5を押しつけることによって、水晶振動子4と環状突起51A,51B及び凹部52A,52Bとにより、各励振電極42A,42Bの表面に囲まれた領域が形成され、この領域は試料液等を水晶振動子4表面の励振電極42A,42Bに接触させるための領域であると共に当該試料液等を収容する領域である液体収容空間53A,53Bを構成している。
この例では、第1の励振電極42A上に液体を供給するための第1の液体収容空間53Aを形成する第1の空間形成部材は、第1の環状突起51Aと凹部52Aとにより構成され、第2の励振電極42B上に液体を供給するための第2の液体収容空間53Bを形成する第2の押え部材53Bは、第2の環状突起51Bと凹部52Bとにより構成されていて、一つの押え部材5により、第1の空間形成部材と第2の空間形成部材が形成されている。
さらに押え部材5における環状突起51A,51Bの外側領域全体には、前記内側凹部52A,52Bの天井面よりも水晶片41から見て高い位置に天井面を有する外側凹部54が形成されている。この外側凹部54は平面形状が円形状に構成され、その外縁が円形の水晶片41の周縁よりも外側に位置するように構成されている。
液体収容空間53A,53Bの天井面の高さは、励振電極42A,42B表面との距離L2が例えば約0.1mm〜0.2mm程度になるように設定され、外側凹部54により形成される外側領域の天井面の高さL3は、前記水晶片41表面との間が例えば約0.7mm程度になるように設定される。このように外側領域における天井面の高さが、液体収容空間53A,53Bの天井面よりも高いのは、水晶片の接着部の厚さの逃げの空間を確保するためという理由に因るが、外側領域の天井面の高さを液体収容空間53A,53Bの天井面の高さと揃えるようにしてもよい。
また押え部材5の上面には、第1の液体収容空間53Aと第2の液体収容空間53Bに夫々液体を供給するための第1の供給路55A及び第2の供給路55Bと、第1の液体収容空間53Aと第2の液体収容空間53Bから夫々液体を排出するための第1の排出路56A及び第2の排出路56Bとが形成されており、これら供給路55A,55B及び排出路56A,56Bの一端側は夫々の液体収容空間53A,53Bに連通している。この例においては、図5(a)及び図6に示すように、液体収容空間53A,53Bの長手方向(図5及び図6中Y方向)において、液体収容空間53A,53Bの一端側に供給路55A,55B、他端側に排出路56A,56Bが夫々接続されている。なお図2においては、図示の便宜上、供給路55A,55B及び排出路56A,56Bは管状に描いてある。
前記支持体21には、配線基板3の形状に合わせた凹部22が形成されると共に、その上面の一部には突起23が形成されている。前記配線基板3は前記凹部22に受け部30を介して収容される。一方給排用カバー24の下面には凹部25が形成されており、この凹部25と支持体21側に設けられた突起23とが嵌合することで支持体21に対して位置決めされるようになっている。
また、図1及び図2に示すように液供排用カバー24には、前記第1の供給路55A及び第2の供給路55Bに夫々連通する第1の液供給路26A及び第2の液供給路26Bが設けられると共に、第1の排出路液56A及び第2の排出路56Bに夫々連通する第1の液排出路27A及び第2の液排出路27Bが設けられる。これら第1及び第2の液供給路26A,26Bには夫々第1の液供給管28A及び第2の液供給管28Bが接続されると共に、第1及び第2の液排出路27A,27Bには夫々第1の液排出管29A及び第2の液排出管29Bが接続されている。図1中20A、20Bは夫々供給ポート、20C,20Dは排出ポートである。
そして支持体21の上に、受け部30、配線基板3、水晶振動子4、押え部材5を配置して、給排用カバー24を支持体21に取り付けることにより、押え部材5の周縁領域50が前記配線基板3に押圧されて第1及び第2の環状突起51A,51Bが水晶振動子4を配線基板3に押し付けてその位置が固定される。この際環状突起51A,51Bによって、水晶振動子4は配線基板3に形成されている貫通孔31の外側領域に押し付けられ、これにより押え部材5、水晶振動子4及び配線基板3の位置が固定されると共に、第1の励振電極42A及び第2の励振電極42Bの表面には夫々第1の液体収容空間53A及び第2の液体収容空間53Bが形成される。
前記第1の液体収容空間53Aには、第1の液供給管28Aから第1の液供給路26A,第1の供給路55Aを介して液体が供給され、当該液体は液体収容空間53A内を通流して第1の排出路56A,第1の液排出路27Aを介して液排出管29Aから排出される。また第2の液体収容空間53Bには、第2の液供給管28Bから第2の液供給路26B,第2の供給路55Bを介して液体が供給され、当該液体は液体収容空間53B内を通流して第2の排出路56B,第2の液排出路27Bを介して第2の液排出管29Bから排出される。このように第1及び第2の液体収容空間53A,53Bは液体の流路となるが、これら液体収容空間53A,53Bは励振電極42A,42Bよりも大きく形成され、第1及び第2の供給路55A,55Bを介して、励振電極42A,42Bの一端側よりも外側から液体が供給され、第1及び第2の排出路56A,56Bを介して、励振電極42A,42Bの他端側よりも外側から液体が排出されるので、当該第1及び第2の液体収容空間53A,53B内において、液体は励振電極42A,42Bに満遍なく接触することになる(図9参照)。
以上において、水晶振動子4、配線基板3は本発明の圧電センサに相当する。そして水晶振動子4の裏面側は配線基板3及び支持部材21により囲まれる気密雰囲気に曝されており、従ってこの圧電センサはランジュバン型水晶センサを構成していることになる。なお、水晶振動子4の裏面側は気密雰囲気であることに限られない。このような第1及び第2の振動領域4A,4Bは、図7に示すように配線基板3に形成されている電極35,37に接続された図示しない信号線を介して、第1の振動領域4A及び第2の振動領域4Bから各々発振周波数を取り出すために、これら第1及び第2の振動領域4A,4Bに対して夫々直列に接続されたコルピッツ型の第1の発振回路6A、第2の発振回路6Bに電気的に接続されている。これら第1の発振回路6A及び第2の発振回路6Bには測定回路部61及び表示部62が電気的に接続されている(図8参照)。
前記測定回路部61は、スイッチ部63と、周波数検出手段64と、時系列データ作成手段65と、周波数差演算手段66と、データ処理部67と、を備えている。前記スイッチ部63は、第1及び第2の発振回路6A,6Bからの周波数信号を切り替えて取り込む役割を果たすものであり、周波数検出手段64は、第1及び第2の発振回路6A,6Bからの周波数の信号をディジタル処理して、各振動領域4A,4Bの発振周波数を測定する手段であり、公知の回路である周波数カウンターにより周波数を検出するものであってもよいが、例えば特開2006−258787号に記載されているように、周波数信号をA/D変化し、キャリアムーブにより処理して前記周波数信号の周波数で回転する回転ベクトルを生成し、この回転ベクトルの速度を求めるといった手法を利用したものであってもよく、このようなディジタル処理による測定部を利用した方が周波数の検出精度が高いので好ましい。
また前記時系列データ作成手段65は、第1及び第2の発振回路6A,6Bからの発振周波数に係わる時系列データを取得し、メモリに格納する役割を果たす手段であり、周波数差演算手段66は、第1の発振回路6Aの周波数の変化分と、第2の発振回路6Bの周波数の変化分の差分データを取得する役割を果たす手段である。
前記データ処理部67は試料液中の感知対象物の量を検出する手段である。試料液中の感知対象物の量を質量濃度で表す場合には、予め取得された第1の振動領域4Aと第2の振動領域4Bとの発振周波数の差分データの変化量と、試料液中の感知対象物の質量濃度の検量線が格納されており、前記周波数差演算手段66にて求められた周波数の変化量に基づいて、前記検量線により試料液中の感知対象物の質量濃度が求められる。こうして求められた検出結果は例えば表示部62に表示される。
続いて本発明の実施の形態に係る感知装置の全体構成について図8を用いて説明する。当該感知装置は、センサーユニット2、発振回路6(6A,6B)、測定回路部61、表示部62、緩衝液貯留部71、吸着物質含有液供給部72、試料液供給部73、ブロッキング物質含有液供給部74、脱気処理部75、第1のバルブ76、第2のバルブ77、第3のバルブ78、廃液貯留部79及び制御部100を備えている。
前記緩衝液貯留部71は緩衝液例えばリン酸バッファを貯留する手段であり、吸着物質含有液供給部72、試料液供給部73、ブロッキング物質含有液供給部74は夫々吸着物質である例えば免疫グロブリンを含む溶液、試料液である例えば血液、ブロッキング物質である例えばBSAを含む溶液を貯留すると共に、これらの下流側に設けられた供給路に向けてこれら液体を所定の流量で供給できるように構成されている。前記吸着物質含有液供給部72、試料液供給部73、ブロッキング物質含有液供給部74としては、例えばピペットやシリンジが用いられる。これら吸着物質含有液供給部72、試料液供給部73、ブロッキング物質含有液供給部74からの液体の供給は手動で行うようにしてもよいし、制御部100からの指令に基づいて自動で行うようにしてもよい。
前記緩衝液貯留部71の後段には脱気処理部75を介して第1のバルブ76をなすバルブ付きポンプが設けられている。前記脱気処理部75を設ける理由は、緩衝液中に気泡が存在すると、水圧や水晶表面の圧力、弾性に影響を与え、水晶発振が不安定になるおそれがあるため、予め緩衝液から気泡を除去するためである。この第1のバルブ76は、緩衝液保持部例えばシリンジポンプ70と3方向バルブとを組み合わせて構成されており、例えば前記バルブは図8及び図10に示すように4つのポートP11〜P14を備えていて、これらの内、ポートP12は脱気処理部75を介して緩衝液貯留部71と供給路81により接続され、ポートP14は供給路82により後段の第2のバルブ77に接続されている。前記シリンジポンプ70は緩衝液貯留部71から所定量の緩衝液を吸引して保持するように構成され、例えば図10(a)に示すようにポートP11とポートP12とを接続するようにバルブを切り替えて緩衝液貯留部71から所定量の緩衝液をポンプ70内に吸引し、図10(b)に示すようにポートP11とポートP14とを接続するようにバルブを切り替えて前記ポンプ70内の緩衝液を供給路82に向けて送液するように構成されている。
前記第2のバルブ77は例えばインジェクションバルブよりなり、例えば図8及び図11に示すように、6つのポートP21〜P26と、インジェクションループ77aとを備えている。これらの内、ポートP26は前記供給路82に接続され、ポートP22は供給路83を介して吸着物質含有液供給部72、試料液供給部73、ブロッキング物質含有液供給部74に夫々接続されている。またポートP21はインジェクションループ77aの一端側、ポートP24はインジェクションループ77aの他端側に夫々接続されている。さらにポートP25は供給路84を介して後段の第3のバルブ78に接続され、ポートP23は排出路91を介して廃液槽79に接続されている。
そして図11(a)に示すように、ポートP21とポートP22、ポートP23とポートP24、ポートP25とポートP26とを接続するようにバルブを切り替えることにより、試料液供給部73等から供給路83、ポートP22を介して試料液等をインジェクションループ77a内に導入する。この際インジェクションループ77a内から押し出されて流出した試料液等は排出路91を介して廃液槽79に送液される。また図11(b)に示すように、ポートP21とポートP26、ポートP22とポートP23、ポートP24とポートP25とを接続するようにバルブを切り替えることにより、ポートP26、ポートP21、インジェクションループ77a、ポートP24、ポートP25を接続し、こうして第1のバルブ76側から供給路82、ポートP26を介して導入された緩衝液により、インジェクションループ77a内に導入された試料液等を押し出すようにして、試料液等を供給路84を介して第3のバルブ78に向けて送液するように構成されている。
前記第3のバルブ78は例えば6方向バルブよりなり、例えば図8及び図12に示すようにポートP30〜P36を備えている。これらの内、ポートP30は前記供給路84を介して第2のバルブ77と接続され、またポートP31はセンサーユニット2における第1の振動領域4Aへ液体を供給する液供給管28Aに接続され、ポートP32はセンサーユニット2の第2の振動領域4Bへ液体を供給する液供給管28Bに夫々接続されている。そしてポートP33は排出路92を介して廃液槽79に接続され、ポートP35、ポートP36は夫々供給路85,86を介して純水層75、洗浄液槽76に接続されている。またセンサーユニット2における液排出管29A,29Bは廃液槽79に接続されている。
そして図12(a)に示すように、ポートP30とポートP31とを接続するようにバルブを切り替えることにより、第2のバルブ77からの供給路84と第1の振動領域4Aへの液供給管28Aとを接続して試料液等を第1の振動領域4Aへ向けて送液し、図12(b)に示すように、ポートP30とポートP32とを接続するようにバルブを切り替えることにより、第2のバルブ77からの供給路84と第2の振動領域4Bへの液供給管28Bとを接続して試料液等を第2の振動領域4Bへ向けて送液し、図12(c)に示すように、ポートP30とポートP33とを接続するようにバルブを切り替えることにより、第2のバルブ77からの供給路84と廃液槽79への排出路92とを接続して試料液等を廃液槽79へ向けて送液するように構成されている。
この例においては、第1の液体収容空間53Aに接続された第1の供給路は、第1の供給路55A、第1の液供給路26A、第1の液供給管28Aにより構成され、第2の液体収容空間53Bに接続された第2の供給路は、第2の供給路55B、第2の液供給路26B、第2の液供給管28Bにより構成されている。また試料液、吸着物質を含む溶液及びブロッキング物質を含む溶液を互いに異なるタイミングで供給するための共通流路は、供給路83、第2のバルブ77、供給路84により構成され、前記共通流路を第1の供給路及び第2の供給路の一方に切り替え接続する流路切り替え手段は第3のバルブ78により構成されている。
続いてこのように構成された感知装置の作用について図13〜図15を用いて説明する。先ず、センサーユニット2内に水晶振動子4を装着し、このセンサーユニット2を気密に一体化すると共に、配線基板に形成された接続端子35〜37を介して振動領域4A,4Bと発振回路6A、6Bとを夫々電気的に接続する。そして試料液中の感知対象物の濃度を測定する前に、反応電極として用いる第1の励振電極42Aに吸着層46とブロッキング47層とを形成し、リファレンス電極として用いる第2の励振電極42Bにブロッキング層47を形成する処理を行う。この処理を詳しく述べる。図14(a)に示すように、第1の液体収容空間53Aに吸着物質含有液を導入して、第1の励振電極42Aの表面に吸着物質48を吸着させて、吸着層46を形成する(ステップS1)。次いで図14(b)に示すように、当該液体収容空間53Aにブロッキング物質含有液を導入して、第1の励振電極42Aの表面における吸着物質48が吸着されていない領域にブロッキング物質含有液を接触させ、当該領域にブロッキング物質49を吸着させて、ブロッキング層47を形成する(ステップS2)。この後図14(c)に示すように、第2の液体収容空間53Bにブロッキング物質含有液を導入して、第2の励振電極42Bの表面にブロッキング物質49を吸着させてブロッキング層47を形成する(ステップS3)。
続いて各発振回路6A、6Bにより所定の周波数例えば30MHzで水晶振動子4(振動領域4A,4B)の発振を開始すると共に、第1の振動領域4A及び第2の振動領域4Bに試料液を供給して、試料液中の感知対象物の濃度の検出を行う。つまり図15(a)に示すように、第1の液体収容空間53Aに緩衝液を導入して、発振周波数が安定したときの周波数A0を取得する(ステップS4)。この後第2の液体収容空間53Bに緩衝液を導入して、発振周波数が安定したときの周波数B0を取得する(ステップS5)。
続いて図15(b)に示すように、第1の液体収容空間53Aに試料液を導入して、発振周波数が安定したときの周波数A1を取得する(ステップS6)。このように感知対象物が含まれている溶液を供給すると、感知対象物(抗原)40が吸着物質(抗体)に抗原抗体反応によって選択的に捕捉され、その吸着量に応じて第1の振動領域4Aの共振周波数(固有周波数)が変化する。次いで第2の液体収容空間53Bに試料液を導入して、発振周波数が安定したときの周波数B1を取得する(ステップS7)。
そして第1の励振電極42Aにおける周波数の変化分(A1−A0)と、第2の励振電極42Bの周波数の変化分(B1−B0)との差分データ{(A1−A0)−(B1−B0)}を求め(ステップS8)、この差分データ{(A1−A0)−(B1−B0)}に応じて、予め求めておいた関係式(検量線)に基づいて、感知対象物の濃度を取得する(ステップS9)。この際、上記ステップS4〜ステップS9における周波数の取得や、取得したデータの格納、感知対象物の濃度の取得については測定回路部61にて行われ、測定結果は例えば表示部62に表示される。この後、測定に使用した水晶振動子4をセンサーユニット2から取り外し、新たな水晶振動子4をセンサーユニット2に装着して、次の測定を実施する。
この際、第1の励振電極42A表面に吸着層46を形成するときには、先ず第2のバルブ77を図11(a)に示す位置に切り替え、所定量の吸着物質含有液をインジェクションループ77aに導入する。次いで第2のバルブ77を図11(b)に示す位置に切り替えると共に、第1のバルブ76を図10(a)に示す位置に切り替えて第1のバルブ76内に所定量の緩衝液を導入し、次いで当該バルブ76を図10(b)に示す位置に切り替え、インジェクションループ77aに所定量の緩衝液を導入する。こうして緩衝液によりインジェクションループ77a内の吸着物質含有液を押し出すことによって、第2のバルブ77から第3のバルブ78に向けて吸着物質含有液を送液する。一方第3のバルブ78では、バルブを図12(a)の位置に切り替えておき、これにより第1の液体収容空間53A内に選択的に吸着物質含有液が供給され、第1の励振電極42Aの表面に吸着物質を含む吸着層が形成される。
続いて第1の励振電極42A表面にブロッキング層47を形成するときには、第2のバルブ77を図11(a)に示す位置に切り替え、ブロッキング物質含有液供給部74から所定量のブロッキング物質含有液をインジェクションループ77a内に導入し、これにより排出路91を介してインジェクションループ77a内に残存する緩衝液をブロッキング物質含有液により押し出すようにして、廃液槽79へ排出する。次いで第2のバルブ77を図10(b)に示す位置に切り替えて、既述のようにインジェクションループ77aに所定量の緩衝液を導入して、当該緩衝液によりインジェクションループ77a内のブロッキング物質含有液を押し出すことによって、第3のバルブ78に向けて送液する。一方第3のバルブ78では、バルブを図12(a)の位置に切り替えておき、こうして第1の液体収容空間53A内に選択的にブロッキング物質含有液を供給することにより、第1の励振電極42Aの表面にブロッキング層を形成する。
次いで第2の励振電極42B表面にブロッキング層を形成するときには、第3のバルブ77を図12(b)に示す位置に切り替え、第3のバルブ77に向けて送液されたブロッキング物質含有液を第2の液体収容空間53B内に選択的に供給することにより、第2の励振電極42Bの表面にブロッキング層47を形成する。
この後第1の励振電極42A及び第2の励振電極43Bに緩衝液を供給するが、このときには、第2のバルブ77を図11(b)に示す位置に切り替えておき、第1のバルブ76を介して第2のバルブ77のインジェクションループ77aに緩衝液を供給し続ける。このため緩衝液が第3のバルブ78に向けて送液される。当該バルブ78を図12(a)に示す位置に切り替えることにより、先ず第1の液体収容空間53Aに所定量の緩衝液を供給する。その後当該バルブ78を図12(b)に示す位置に切り替えて、第2の液体収容空間53B内に所定量の緩衝液を供給する。
続いて第1の励振電極42A及び第2の励振電極43Bに試料液を供給するが、このときには既述のように第2のバルブ77を図11(a)の位置に切り替えてインジェクションループ77a内に所定量の試料液を導入する。この際、インジェクションループ77a内に残存する緩衝液は廃液槽79へ排出される。次いで第2のバルブ77を図11(b)に示す位置に切り替えると共に、第1のバルブ76を切り替えてインジェクションループ77a内に所定量の緩衝液を導入することにより、当該緩衝液によりインジェクションループ77a内の試料液を押し出すことによって、第3のバルブ78に向けて送液する。一方第3のバルブ78では、先ず第1の液体収容空間53Aに試料液を供給する位置にして当該液体収容空間53Aに所定量例えばインジェクションループ77a内の試料液の半分の量を供給した後、バルブ78を第2の液体収容空間53Bに試料液を供給する位置に切り替え、当該液体収容空間53Bに所定量例えばインジェクションループ77a内の試料液の残りの量を供給する。
上述の実施の形態においては、共通の水晶片に第1の振動領域4Aと第2の振動領域4Bとを形成しており、これら振動領域4A,4Bは互いに同じ周波数特性を持つことになる。従って第1の励振電極42Aを反応電極として用い、第2の励振電極42Bをリファレンス電極として用いれば、これら振動領域4A,4Bを試料液と接触させたときの両者の発振周波数A1,B1においては、試料液中の感知対象物以外の物質の付着や、試料液の粘度による周波数の変化量は互いに同じであるため、両者の発振周波数の差分を取ることにより、これら外乱に伴う周波数の変化量は相殺することができる。このためこれら振動領域4A,4Bを試料液と接触させたときの両者の発振周波数A1,B1の差分(A1−B1)と、振動領域4A,4Bを緩衝液と接触させたときの両者の発振周波数A0,B0の差分(A0−B0)とを比較したときの、これら差分の変化量{(A1−B1)−(A0−B0)}は、試料液中の感知対象物の量に起因する周波数変化分とみなすことができるので、信頼性の高い発振周波数の変化量を取得することができる。
またこの感知装置では、押え部材5により、第1の励振電極42Aの表面と、第2の励振電極42Bの表面とに、互いに分離した液体収容空間53A,53Bを形成している。このためこれら液体収容空間53A,53Bに、個別に試料液等の液体を供給することができる。従って水晶振動子4を感知装置に装着してから、第1の液体収容空間53Aには、吸着物質含有溶液及びブロッキング物質含有溶液を供給し、第2の液体収容空間53Bにはブロッキング物質含有溶液を供給するという簡易な手法で、第1の励振電極42Aには吸着層46とブロッキング層47を形成し、第2の励振電極42Bにはブロッキング層47のみを形成することができる。このため、感知装置に水晶振動子4を装着する前に一方の水晶振動子4にブロッキング層47を形成しておくという面倒な前処理が不要となり、手間が軽減する上、前処理に要する時間が短縮され、トータルの計測時間の増大を防ぐことができる。
上述の例では、緩衝液は、インジェクションループ77内のブロッキング物質含有液や試料液を押し出す押し出し用の液体として機能し、また第1の励振電極42A及び第2の励振電極43Bに供給される、感知対象物を含まない参照用の液体として機能する。しかし押し出し用の液体や参照用の液体は、緩衝液に限らず例えば純水などであってもよい。緩衝液は参照液の一例であることから、前記緩衝液貯留部71は参照液供給源である。
センサーユニット2への吸着物質含有液や試料液等の供給系については、図16に示すように構成してもよい。この例では、センサーユニット2における液体収容空間53A,53Bに供給する液供給管28A,28Bの夫々に液を切り替えて供給する流路切り替え手段として開閉バルブVA,VBを介在させると共に、これら開閉バルブVA,VBの上流側に共通流路80を介して緩衝液貯留部71、吸着物質含有液供給部72、試料液供給部73、ブロッキング物質含有液供給部74を夫々接続されている。そして前記開閉バルブVA,VBを切り替えることにより、前記2つの液体収容空間53A,53Bの夫々に液体が切り替えて供給されるように構成されている。
この構成では、前記2つの液体収容空間53A,53Bのいずれか一方又は両方同時に液体を供給することができるので、例えばバルブVAのみを開いて第1の液体収容空間53Aに吸着物質含有液を選択的に供給して、第1の励振電極42A上に吸着物質を吸着させた後、バルブVA,VBの両方を開いて、第1の液体収容空間53A及び第2の液体収容空間53Bにブロッキング物質含有液を同時に供給して、第1の励振電極42Aにおける吸着物質が形成されていない領域及び第2の励振電極42Bの表面に夫々ブロッキング物質を吸着させ、次いで第1の液体収容空間53A及び第2の液体収容空間53Bに緩衝液と試料液をこの順で同時に供給するようにしてもよい。
この場合緩衝液、試料液を第1及び第2の液体収容空間53A,53Bの夫々に同時に供給して発振周波数を取得するときには、スイッチ部63において交互に例えば1ms間隔でスイッチを切り替え、第1及び第2の発振回路6A,6Bからの周波数信号を時分割して交互に取り込むようにしてもよい。そして測定回路部61では、同一の時間帯における第1の振動領域4Aから取得した発振周波数A0,A1、第2の振動領域4Bから取得した発振周波数B0,B1の差分データ(A1−A0)、差分データ(B1−B0)、差分データ{(A1−A0)−(B1−B0)}を夫々演算し、当該差分データの時系列データを取得してメモリに格納すると共に、予め求められた検量線に基づいて、この差分データ{(A1−A0)−(B1−B0)}に対応する濃度を読み出して、感知対象物の量(濃度)を決定するようにしてもよい。
ここで第1及び第2の液体収容空間53A,53Bの夫々に同時に液体を供給する場合には、供給するタイミングが同じ場合の他、一方の液体収容空間に液体を供給している間に、他方の液体収容空間への液体の供給を開始する場合も含まれる。
以上において、第1の振動領域4A及び第2の振動領域4B上に夫々形成される液体収容空間53A,53Bは、押え部材5における、第1の励振電極42A、第2の励振電極42Bに対応する夫々の位置に、これら励振電極42Aよりも大きい孔部を夫々形成し、これら孔部を給排気用カバー24にて塞ぐように構成するようにして、これら押え部材5と給排気用カバー24とにより第1の励振電極42Aと、第2の励振電極42Bとの周囲に夫々閉じた空間である液体収容空間53A,53Bを形成するようにしてもよい。
また水晶片41をプリント基板3に押圧する押え部材5と別個に第1の空間形成部材と第2の空間形成部材を設けるようにしてもよい。この際は、例えば励振電極42A及び励振電極42Bの表面側の側方及び上方を囲むように夫々第1及び第2の空間形成部材が構成され、これら第1及び第2の空間形成部材の上から押え部材5及びカバー部材24が設けられる。この際第1及び第2の空間形成部材は、夫々独立して設けられるものでもよいし、一体に設けられていてもよい。またこれら第1及び第2の空間形成部材は、全部が弾性部材で構成されていてもよいし、少なくとも水晶振動子に接触する部分が弾性部材により構成されていればよい。
また本発明においては、第1の振動領域及び第2の振動領域の夫々の発振周波数の差分データは、例えば試料液中の感知対象物の濃度と周波数の低下分との対応関係を表す検量線の作成に用いてもよいし、試料液中の感知対象物の有無の検出に用いてもよい。さらに本発明は、試料液である血清中の感知対象物であるC反応性タンパク(CRP)の感知に適用することができる。
2 センサーユニット
28A,28B 液供給管
29A,29B 液排出管
3 配線基板
4A 第1の振動領域
4B 第2の振動領域
41 水晶片
42A,42B,43A,43B 励振電極
5 押え部材
51A,51B 環状突起
53A,53B 液体収容空間
6A,6B 発振回路
61 測定回路部
71 緩衝液貯留部
72 吸着物質含有液供給部
73 試料液供給部
74 ブロッキング物質含有液供給部
76 第1のバルブ
77 第2のバルブ
78 第3のバルブ

Claims (6)

  1. 互いに独立して振動する第1の振動領域及び第2の振動領域が共通の圧電片に形成された圧電振動子が装着され、当該圧電振動子の一面側に試料液を接触させたときの両振動領域の発振周波数の変化分に基づいて試料液中の感知対象物を感知する感知装置において、
    前記第1の振動領域の一面側に液体を供給するための第1の液体収容空間を形成する第1の空間形成部材と、
    前記第2の振動領域の一面側に液体を供給するための前記第1の液体収容空間とは分離された第2の液体収容空間を形成する第2の空間形成部材と、
    前記第1の液体収容空間及び前記第2の液体収容空間に夫々接続された第1の供給路及び第2の供給路と、
    試料液中の感知対象物を吸着する吸着物質を前記第1の振動領域の電極上に吸着させるために、吸着物質を含有する吸着物質含有液を供給するための吸着物質含有液供給部と、前記第1の供給路の上流側と、の間に接続された吸着物質含有液供給路と、
    前記第1の振動領域の電極上及び第2の振動領域の電極上に、これら電極への物質の吸着を抑えるブロッキング物質を吸着させるために、ブロッキング物質を含有するブロッキング物質含有液を供給するためのブロッキング物質含有液供給部と、前記第1の供給路及び第2の供給路の各上流側と、の間に接続されたブロッキング物質含有液供給路と、
    前記吸着物質含有液供給路の上流側を、吸着物質含有液供給路中の吸着物質含有液を前記第1の液体収容空間まで押し出すための押し出し用液体を供給するための押し出し用液体供給部と、前記吸着物質含有液供給部と、の間で切り替える流路切り替え手段と、
    前記ブロッキング物質含有液供給路の上流側を、ブロッキング物質含有液供給路中のブロッキング物質含有液を、前記第1の液体収容空間及び第2の液体収容空間まで押し出すための押し出し用液体を供給するための押し出し用液体供給部と、前記ブロッキング物質含有液供給部と、の間で切り替える流路切り替え手段と、
    試料液を供給するための試料液供給部と、前記第1の供給路及び第2の供給路の各上流側と、の間に接続された試料液供給路と、
    前記第1の液体収容空間及び第2の液体収容空間から液体を排出する液体排出路と、を備えたことを特徴とする感知装置。
  2. 前記流路切り替え手段は、
    吸着物質含有液供給部、ブロッキング物質含有液供給部及び押し出し用液体供給部の各々が接続される液受け入れ用のポートと、前記第1の供給路または第2の供給路の各上流側に接続される液送り出し用のポートと、前記液受け入れ用のポートと液送り出し用のポートとの間に介在し、吸着物質含有液、ブロッキング物質含有液の各々を互いに異なるタイミングで一旦収容するインジェクション流路と、を備え、インジェクション流路内に収容された吸着物質含有液、ブロッキング物質含有液が押し出し用液体により押し出されるように構成されているインジェクションバルブを含むことを特徴とする請求項1記載の感知装置。
  3. 前記第1の供給路及び第2の供給路の各上流側には、感知対象物を含まない参照液を供給するための参照液供給源が設けられ、
    前記第1の供給路に吸着物質含有液押し出し用液体、ブロッキング物質含有液、押し出し用液体、参照液、試料液をこの順で供給し、前記第2の供給路にブロッキング物質を含む溶液、押し出し用液体、参照液、試料液をこの順で供給するための、前記流路切り替え手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項1または2記載の感知装置。
  4. 前記吸着物質は抗体であり、前記試料液中の感知対象物は抗原であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の感知装置。
  5. 前記第1の空間形成部材及び第2の空間形成部材は、少なくとも圧電振動子に接触する部分が弾性部材により構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の感知装置。
  6. 互いに独立して振動する第1の振動領域及び第2の振動領域が共通の圧電片に形成された圧電振動子が装着され、当該圧電振動子の一面側に試料液を接触させたときの両振動領域の発振周波数の変化分に基づいて試料液中の感知対象物を感知する感知方法において、
    前記第1の振動領域の一面側に液体を供給するための第1の液体収容空間を形成する第1の空間形成部材と、前記第2の振動領域の一面側に液体を供給するための前記第1の液体収容空間とは分離された第2の液体収容空間を形成する第2の空間形成部材と、
    前記第1の液体収容空間及び前記第2の液体収容空間に夫々接続された第1の供給路及び第2の供給路と、を用い、
    吸着物質含有液供給部から、試料液中の感知対象物を吸着する吸着物質を含有する吸着物質含有液を、前記第1の供給路の上流側に接続された吸着物質含有液供給路に供給する工程と、
    次いで、押し出し用液体供給部から、押し出し用液体を前記吸着物質含有液供給路に供給することにより、吸着物質含有液供給路中の吸着物質含有液を前記第1の液体収容空間まで押し出す工程と、
    しかる後、前記ブロッキング物質含有液供給部から、電極への物質の吸着を抑えるブロッキング物質を含有するブロッキング物質含有液を、前記第1の供給路及び第2の供給路の各上流側に接続されたブロッキング物質含有液供給路に供給する工程と、
    その後、押し出し用液体供給部から、押し出し用液体をブロッキング物質含有液供給路に供給することにより、ブロッキング物質含有液供給路中のブロッキング物質含有液を、前記第1の液体収容空間及び前記第2の液体収容空間に押し出す工程と、
    この工程の後、感知対象物を含まない参照液及び試料液をこの順に前記第1の液体収容空間に供給して、第1の振動領域の発振周波数を測定する工程と、
    感知対象物を含まない参照液及び試料液をこの順に前記第2の液体収容空間に供給して、第2の振動領域の発振周波数を測定する工程と、を含むことを特徴とする感知方法。
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