JP2019168284A - 感知センサ - Google Patents

感知センサ Download PDF

Info

Publication number
JP2019168284A
JP2019168284A JP2018054901A JP2018054901A JP2019168284A JP 2019168284 A JP2019168284 A JP 2019168284A JP 2018054901 A JP2018054901 A JP 2018054901A JP 2018054901 A JP2018054901 A JP 2018054901A JP 2019168284 A JP2019168284 A JP 2019168284A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
porous member
sample liquid
sensing
surface side
excitation electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018054901A
Other languages
English (en)
Inventor
和歌子 忍
Wakako Shinobu
和歌子 忍
茎田 啓行
Hiroyuki Kukita
啓行 茎田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Dempa Kogyo Co Ltd filed Critical Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Priority to JP2018054901A priority Critical patent/JP2019168284A/ja
Publication of JP2019168284A publication Critical patent/JP2019168284A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

【課題】より簡易な構造の感知センサを提供すること【解決手段】吸着層42が形成された上面側の励振電極44に試料液を供給するにあたって、圧電振動子4の上面側の励振電極44に接触するように多孔質部材5を設けている。そのため注入口23から供給された試料液が多孔質部材5の内部を広がることで、励振電極44に試料液を供給することができる。従って圧電振動子4の表面に流路を形成するために従来、設けられていたシリコン製の部材や細管などの構成部品の点数を減らすことができ、簡易な構造の感知センサ2とすることができる。【選択図】図2

Description

本発明は、圧電振動子の発振周波数に基づいて、試料液に含まれる感知対象物を感知するための感知センサに関する。
試料液中の感知対象物、例えば血液中あるいは血清中の微量なタンパク質を感知する方法として、特許文献1に示すようなQCM(Quartz Crystal Microbalance)を利用した感知センサが知られている。QCMは励振電極の表面に、例えば抗体で構成され抗原抗体反応により抗原である感知対象物を吸着する吸着層が設けられた水晶振動子を用い、試料液中の感知対象物の吸着による質量負荷を、水晶振動子の周波数の変化として捉えて、感知対象物の定量を行うものである。このQCMは小型化が可能であるため、医療現場での診断や食品工場における食品検査といった、大型の分析機器を使用することが困難な現場における簡易計測の手段としても利用することができる。
簡易型の感知装置においては、測定方法の簡便化や、多数の試料液サンプルを測定する際の作業の効率化のため、試料液サンプルごとに感知センサを取り換え測定が行われる場合がある。
この点、特許文献1に記載されている感知センサは、少量の試料液を安定して励振電極の表面に供給するため、水晶振動子の表面に流路を形成するシリコン製の流路形成部材や、基板や水晶振動子、さらには流路形成部材を収納するケース、あるいは、水晶振動子の表面を流れた試料液を排液するための排液管などが設けられている。このように、多数の部材を用いた感知センサは、より精度の高い感知対象物の測定ができる一方で、現場での簡易測定では、多少の精度は犠牲にしても、多数の試料液サンプルに対して手軽に利用可能な感知センサが必要となる場合もある。
特開2017−116502号公報
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、より簡易な構造の感知センサを提供することにある。
本発明の感知センサは、試料液中の感知対象物を感知する感知センサにおいて、
発振周波数を測定するための測定器に接続される接続端子を備え、孔部が形成された配線基板と、
圧電片を上面側及び下面側から挟んで互いに対向する位置に形成されると共に、前記接続端子と電気的に接続された励振電極を設けて構成され、下面側の励振電極が前記孔部に臨むように前記配線基板上に配置されると共に、上面側の励振電極の表面に、前記感知対象物を吸着する吸着層が形成された圧電振動子と、
前記試料液を吸収可能な多孔質体により構成され、その下面が前記吸着層を上方側から覆うように配置された多孔質部材と、を備え、
前記多孔質部材に供給された試料液を、その下面から滲出させて前記吸着層へ供給することを特徴とする。
本発明は、圧電振動子の上面側に設けられ、吸着層が形成された励振電極に試料液を供給するにあたって、当該励振電極の上方位置に多孔質部材を設けている。そして多孔質部材に試料液を供給してその内部に浸透させ、さらに試料液を多孔質部材の下面から滲出させることで、上面側の励振電極に形成された吸着層に試料液を供給することができる。この結果、簡易な構成で圧電振動子の表面に試料液を供給することができる。
本発明に係る感知センサを備えた感知装置の斜視図である。 感知センサを上面側から見た分解斜視図である。 配線基板の上面側及び下面側を示す平面図である。 水晶振動子の上面側及び下面側を示す平面図である。 前記感知センサの縦断側面図である。 前記感知センサの一部を拡大した縦断側面図である。 前記感知センサの平面図である。 前記感知センサの縦断正面図である。 前記感知装置の概略構成図である。 前記感知センサの第1の作用図である。 前記感知センサの第2の作用図である。 前記感知センサの第3の作用図である。
以下、本発明の実施の形態に係る感知センサを用いた感知装置について説明する。ここでは、例えば人間の鼻腔の拭い液から得られた試料液中のウイルスなどの抗原の有無を検出し、人間のウイルスの感染の有無を判定することができるように構成されている感知装置の例について説明する。
図1の外観斜視図に示すように、感知装置は本体部12と、感知センサ2と、を備えている。感知センサ2は、本体部12に設けられたコネクタ10に対して着脱自在に構成されている。本体部12の上面には、例えば液晶表示画面により構成される表示部11が設けられており、表示部11は、例えば本体部12内に設けられた後述する発振回路の出力周波数あるいは、周波数の変化分等の測定結果もしくは、ウイルスの検出の有無等を表示する。
続いて感知センサ2について説明する。図2に示すように感知センサ2は、底板部となる配線基板3を備え、配線基板3の上方の領域を枠部21及び天板部22により覆った構成となっている。枠部21及び天板部22は、本実施の形態のケース体に相当する。なお以下明細書中では、感知センサ2における本体部12に接続される側を前方として説明する。
配線基板3について、図3(a)、(b)も参照して説明すると、配線基板3は略矩形の細長い板状に構成されており、前方寄りの部位に貫通孔32が設けられている。図3(a)に示すように、配線基板3の表面側における貫通孔32の周囲には後述する水晶振動子4の周縁に対応する位置に、貫通孔32を中心として周方向等間隔に6か所の電極端子34a〜39aが形成されている。各電極端子34a〜39aには各々配線基板3の周縁に向けて伸びる導電路34〜39が接続され、各導電路34〜39は、スルーホール34b〜39bを介して、配線基板3の裏面側に引き回されている。また図3(b)に記載のように、配線基板3の裏面側には、貫通孔32の前方側と後方側とに夫々左右に3つ並べて端子部34c、35c、39c及び端子部36c、37c、38cが形成されており、配線基板3の裏面側にスルーホール34b〜39bを介して、表面側から引き回された導電路34〜39は、端子部34c〜39cに夫々接続されている。
後述するように配線基板3の表面側における、図3(a)中、一点鎖線で示す位置には、水晶振動子4が固定されるが、端子部34c〜39cは、端子部34c及び端子部37c、端子部39c及び端子部36c、端子部35c及び端子部38cが夫々水晶振動子4の中心部から見て対称に配置されている。
図2に示すように配線基板3の上面側には、水晶振動子(圧電振動子)4が配置される。図4(a)、(b)に示すように水晶振動子4は、圧電片として例えばATカットの円板状の水晶片41を備えている。図4(b)に示すように水晶片41の裏面側(配線基板3上に配置したときの下面側)には、前後方向に伸びる帯状の励振電極45、46、48及び49が設けられている。各励振電極45、46、48及び49は、励振電極45、49を左右に並べた電極対と、励振電極46、48を左右に並べた電極対とが前後に並べて配置され、4つの励振電極45、46、48及び49は、互いに隙間を介して離間して設けられている。
また図4(a)に示すように水晶片41の表面側(配線基板3上に配置したときの上面側)には、例えば金(Au)により構成され、前後方向に伸びる楕円形の共通電極44が設けられている。共通電極44は、裏面側の4つの励振電極45、46、48及び49と水晶片41を介して対向する領域にまたがるように設けられている。共通電極44は、本実施の形態における、水晶片41の上面側の励振電極に相当する。この共通電極44には、裏面側の励振電極45、46、48及び49と対向する4つの領域に振動領域101〜104を形成する。言い替えると、各振動領域101〜104は、独立した水晶振動子を形成しているということができる。
前記共通電極44を表面側から見て、前方側(図4(a)を正面に見て上方側)の右側の領域であって、励振電極45と対向する領域には、抗原である感知対象物を吸着するための抗体からなる吸着層42が前後方向に伸びる帯状に形成されている。また共通電極44における後方側の左側の領域であって、励振電極48と対向する領域にも同様に吸着層42が前後方向に伸びる帯状に形成されている。図4(a)中では、吸着層42が形成される領域に斜線を付して示している。
また共通電極44における前方側の左側の領域、即ち励振電極49と対向する領域と、後方側の右側の領域、即ち励振電極46と対向する領域と、の表面は吸着層42が形成されずに剥き出しの状態となっている。この水晶振動子4において、共通電極44と励振電極45とで挟まれた振動領域101と、共通電極44と励振電極48とで挟まれた振動領域103と、は共通電極44の表面に吸着層42が形成され、試料液中の感知対象物が吸着する吸着領域となる。また共通電極44と励振電極49とで挟まれた振動領域102と、共通電極44と励振電極46とで挟まれた振動領域104と、は共通電極44の表面に吸着層42が形成されておらず感知対象物が吸着しない。そのため振動領域102及び振動領域104は、夫々吸着領域である振動領域101、振動領域103に個別に対応した参照領域となる。
共通電極44には水晶片41の前方側周縁に向けて伸びる配線44aの一端が接続されており、配線44aの他端側は、水晶片41の前方側の側面を介して裏面側に引き回され、水晶片41の裏面の前方側の周縁に形成された電極44bと接続されている。また水晶振動子4の裏面側に設けられた励振電極45、46、48及び49には、夫々水晶振動子4の周縁に伸びる配線45a、46a、48a及び49aの一端が接続され、各配線45a、46a、48a及び49aの他端側は水晶振動子4の下面側の周縁へ向けて引き回され、各々、電極45b、46b、48b及び49bに接続されている。なお水晶片41の裏面側後方に形成されている電極47bは水晶振動子4を配線基板3に固定したときに水晶片41の前後の高さを揃えるためのダミー電極である。電極44b、45b、46b、48b及び49bと、ダミー電極47bと、は夫々配線基板3側の電極端子34a、35a、36a、38a及び39aと、電極端子37aとに対応するように配置されている。
水晶振動子4は、図4(a)、図5、図6に示すように裏面側の励振電極45、46、48及び49が配線基板3の貫通孔32に臨むように配置される。この時図6に示すように電極44b〜49bが夫々電極端子34a〜39aと導電性接着剤により接続される(図示の便宜上、図6には、電極44b、47b、及び電極端子34a、37aのみが示されている)。
図2、図5、図6に示すように水晶振動子4の上方には、試料液を吸収可能な多孔質体であるスポンジにより構成されたスポンジ部材(多孔質部材)5が設けられる。スポンジ部材5は、例えば厚さ0.5mm以上、例えば1mmの矩形板状のポリビニルアルコール(PVA)で構成され、その平均細孔径は、20〜200μmの範囲内の、例えば80μmのものを用いている。
図5〜図7に示すように配線基板3に固定された水晶振動子4の前方側及び後方側の周縁におけるスポンジ部材5の下方に位置する部位においては、粘着テープ61を用いて、水晶振動子4の端部から配線基板3に跨る領域が覆われている。これによりスポンジ部材5の下方における水晶振動子4の周縁と配線基板3との隙間が封止され、水晶片41と配線基板3との段差に、スポンジ部材5が直接、載置されない構成となっている。なお図2では、粘着テープ61の記載は省略している。また配線基板3の表面における水晶振動子4の後方には、配線基板3に対してスポンジ部材5を固定するための両面テープ60が設けられている。
そして両面テープ60により、スポンジ部材5を配線基板3に固定すると、図7、図8に示すようにスポンジ部材5は、その前方側の領域の下面が、水晶振動子4に設けられた共通電極44を上方側から覆うように当該共通電極44の上面(表面)と接触し、後方側に向かって伸びるように配置された状態となる。
スポンジ部材5及び水晶振動子4を含む配線基板3の上方は、既述のように枠部21及び天板部22により覆われる。枠部21は、例えばポリエチレンテレフタラート(PET)で構成され、図3(a)、図5、図7及び図8に示すように配線基板3の上面側の周縁に沿った環状に構成されている。また天板部22は、概略平板状のPETで構成されている。
図5、図6に示すように、接着剤24により、配線基板3の上面に枠部21を固定し、当該枠部21の上面に、接着剤24により天板部22を固定すると、天板部22により、スポンジ部材5が下方に押し下げられ、スポンジ部材5の下面が水晶振動子4の表面に密着する。
また図5〜図7に示すように天板部22前方寄りであって、表面側の共通電極44の上方領域よりも前方側、即ち振動領域101〜104よりも前方側には、スポンジ部材5に試料液を供給するための注入口23が天板部22を貫通するように形成されている。従って注入口23は、ケース体20を上面側から見たときに共通電極44の上方領域から、横方向に外れた位置に形成されていると言える。
続いて本体部12について説明する。図1に戻って本体部12は、後述の発振回路9などを収容した筐体120を備え、当該筐体120の上面における後方側の側面部には、感知センサ2と接続するためのコネクタ10が設けられている。コネクタ10は後端面が開口した概略箱型に構成され、この開口部分に感知センサ2の前方側端部が挿入されるように構成されている。またコネクタ10の天井部分の一部には、コネクタ10に感知センサ2を挿入したときに、感知センサ2側の注入口23を露出させるための切欠き13が形成されている。またコネクタ10の底面には、感知センサ2の6つの端子部34c〜39cに夫々対応するように図示しない端子部が設けられ、感知センサ2がコネクタ10に挿入されると、感知センサ2側の端子部34c〜39cとコネクタ10側の端子部とが電気的に接続される。
続いて感知センサ2を本体部12に接続したときの全体構成について説明する。図9に示すように本体部12は、3つのスイッチ90a〜90cにより構成されたスイッチ部90、発振回路9、周波数測定部91及びデータ処理部92を備えている。
感知センサ2をコネクタ10に接続すると、水晶振動子4の共通電極44及び各励振電極45〜49がスイッチ部90に接続される。スイッチ部90について説明すると、水晶振動子4の振動領域(詳しくは各領域における水晶片41)101、102と発振回路9との間には、第1のスイッチ90aと第2のスイッチ90bとが水晶振動子4側からこの順番で配置されており、第1のスイッチ90aは、発振回路9と、振動領域101、102のいずれか一方とを接続するように構成されている。
第2のスイッチ90bは、これら振動領域101、102側の接続点と、振動領域103、104側の接続点との間で切り替え自在に配置されている。また、振動領域103、104と第2のスイッチ90bとの間には、発振回路9に対して振動領域103、104のいずれか一方を接続できるように構成された第3のスイッチ90cが配置されている。
そして3つのスイッチ90a〜90cを夫々切り換えることにより共通電極44と、励振電極49、45とに夫々挟まれた振動領域101、102及び共通電極44と、励振電極48及び46とに夫々挟まれた振動領域103、104のいずれか1つの領域を発振回路9に接続して発振させ、当該1つの領域における発振出力(周波数信号)を発振回路9の後段側に取り込むように構成されている。また発振回路9の後段には、周波数測定部91が設けられ、周波数測定部91にて発振回路から出力される周波数信号の周波数が測定され、測定された周波数信号は、データ処理部92に入力される。
本発明の感知装置では、スイッチ部90を高速で切り替えられながら各振動領域101〜104における各周波数fm1、fr1、fm2及びfr2の時系列データを順次取得する。そしてデータ処理部92において、振動領域101及び102における発振周波数の差分Δf1(Δf1=fm1−fr1)と振動領域103及び104における発振周波数の差分Δf2(Δf2=fm2−fr2)とを夫々計算し、これら差分Δf1、Δf2の合計値Δfsum(Δfsum=Δf1+Δf2)を算出する。そして例えば得られた計算結果(合計値Δfsum)と、に基づいて感知対象物の有無を判断したり、あるいは前記計算結果に対応する濃度を検量線から読み取って感知対象物の濃度を表示したりする機能を持っている。
上述の構成を備える実施の形態に係る感知装置の作用について説明する。なお図11〜13においては、スポンジ部材5内における試料液が含まれている領域をグレースケールで塗りつぶして示している。
感知センサ2を本体部12に接続し、例えばインジェクタ100を用いて、注入口23に感知対象物を含む試料液を滴下する。この時、図10に示すように試料液は毛細管現象によりスポンジ部材5に吸収される。さらに試料液の滴下を続けるとスポンジ部材5内における試料液を含んだ領域は、試料液の滴下位置からスポンジ部材5内を放射状に広がっていく。
試料液の滴下位置は、スポンジ部材5の前方寄りの位置の上方であるため、スポンジ部材5内における試料液が含まれた領域は、図10〜図12に示すようにスポンジ部材5の前方側から後方側に向かって徐々に広がって行くことになる。この時スポンジ部材5は、水晶振動子4の表面側の共通電極44に押し付けられているため、スポンジ部材5の内部に広がった試料液が水晶振動子4の配置位置に到達すると、スポンジ部材5から試料液が滲出し、水晶振動子4に供給される。
このとき、試料液の供給量が多い場合には、必要量以上の試料液は、水晶振動子4と接触する位置から、後方側へ向けて伸びるスポンジ部材5に向けて排出される。
前方側の振動領域101及び102と、振動領域103及び104と、は、各々左右方向に並べて配置されているため、図11、図12に示すようにスポンジ部材5内における試料液が含まれた領域が、スポンジ部材5の前方側から後方側に向かって徐々に広がることにより、試料液は、先ず前方側の振動領域101及び102にほぼ同時に供給され、次いで振動領域103及び104にほぼ同時に供給される。
各振動領域101〜104においては、各々試料液が供給されたことによる粘度変化などによって発振周波数がほぼ揃って変化する。さらに試料液中に感知対象物が含まれる場合には、共通電極44における振動領域101及び103上の吸着層42に当該感知対象物が吸着する。一方振動領域102及び104上には、感知対象物が吸着されない。このため吸着層42への感知対象物の吸着量に応じて周波数が下降し、Δfsumが変化する。この結果、Δfsumの変化に基づいて感知対象物の有無を判定することができる。
上述の実施の形態によれば、吸着層42が形成された上面側の水晶振動子4に試料液を供給するにあたって、水晶振動子4の上面側の共通電極44に接触するようにスポンジ部材5を設けている。そのため注入口23から供給された試料液がスポンジ部材5の内部を広がることで、共通電極44やその上面に形成された吸着層42に試料液を供給することができる。従って水晶振動子4の表面に流路を形成するシリコン製の部材や細管などを配置した感知センサ2と比較して、部品の点数を減らすことができ、簡易な構造の安価な感知センサ2を提供することができる。
また測定対象の試料液をスポンジ部材5により保持することができるため、界面活性剤などを含む濡れ性が高い試料液を測定する場合においても、流路を形成する部品の隙間から試料液が漏れ出すおそれが少ない。
また多孔質部材を構成する多孔質体としては、例えば露紙などを用いることができる。ここで多孔質部材により十分に試料液を保持する観点から、多孔質部材を構成する多孔質体の細孔径は、20〜200μmであることが好ましい。
このほか、多孔質部材の厚みが薄くなると試料液を保持する力が弱まる。そのため多孔質部材の厚さは、0.5mm以上、3mm以下より好ましくは1mm以上、2mm以下の範囲内の厚さであることが好ましい。
さらに既述のように本実施の形態では、スポンジ部材5の下方に位置する水晶振動子4の周縁と配線基板3との隙間を粘着テープ61で塞いでいる。これにより、スポンジ部材5から流れ出る試料液が水晶振動子4の周縁と配線基板3との隙間に進入し、水晶振動子4の裏面に回り込むことを抑制することができる。発明者は、界面活性剤である2%Triton(登録商標)溶液中の感知対象物を本発明の実施の形態に示した感知センサ2を用いて測定を行ったところ液漏れが起こらなかったことを確認している。
さらに上述の実施の形態においては、スポンジ部材5の周囲を配線基板3、枠部21、及び天板部22で構成されたケースで囲っている。そのためスポンジ部材5に保持された試料液の蒸発や、感知センサ2を落としたときなどにおける水晶振動子4及びスポンジ部材5への衝撃の負荷を抑制することができる。
さらに多孔質部材を水晶振動子4の表面に接触させることで、水晶振動子4に多孔質部材の内部を流れる試料液を供給している。そのため水晶振動子4の表面に気泡等が発生しにくく、気泡等の混入による、発振周波数の乱れを抑制することができる。
また本発明は、多孔質部材と、水晶振動子(圧電振動子)の吸着層と、の間に隙間が空いていてもよい。このように構成した場合にも、試料液は、多孔質部材の内部に広がり、水晶振動子の上方にて多孔質部材の下面から滲出し、隙間を介して水晶振動子に供給されるため同様の効果を得ることができる。また多孔質部材と、水晶振動子と、の間の隙間から空気が逃げ出しにくい場合には、多孔質部材から隙間に試料液が滲出しようとしたときに、隙間に残る空気により多孔質部材からの試料液の滲出が阻害されるおそれがある。そのため多孔質部材と、水晶振動子と、の間に隙間を設けるにあたっては、当該隙間の空気を逃がしやすくするための気体流路を設けてもよい。このような構成の例としては、例えば多孔質部材の下面に吸着層の上方から多孔質部材の周縁まで伸びる溝部を形成した構成を挙げることができる。
また多孔質部材の内部を一方から試料液を供給して、多孔質部材内における試料液を含む領域を、多孔質部材の一方から他方に広げるように構成している。そのため、例えば一つ目の試料液の測定を行った後、続けて、2番目の試料液を供給することにより、一つ目の試料液を他方側に押し流し、水晶振動子4に接する試料液を2つ目の試料液に入れ替えることができる。このように構成することで一つの感知センサ2で複数の試料液の測定を行うことができる。また多孔質部材における振動領域101〜104の上方よりも他方側の領域の部位の長さを変えることにより、多孔質部材に保持することができる試料液の量を簡単に変えることができる。
また上述の実施の形態に係る感知センサ2は、枠部21及び天板部22をPETで構成し、多孔質部材をPVAで構成している。そのため加工がしやすく、水晶振動子4の形状や電極の形状を変更する場合にも、対応がしやすい利点がある。
また本発明は、図4等を用いて説明した水晶振動子(圧電振動子)に4つの振動領域(2つの吸着領域と、2つの吸着領域に夫々対応する参照領域)を設ける構成に限定されない。例えば吸着層を設けた吸着領域と、参照領域と、を1つづつ設けた構成でも良い。あるいは、水晶振動子の表面側に、吸着層を設けた電極のみを設けた構成でも良い。
2 感知センサ
3 配線基板
4 水晶振動子
5 スポンジ部材
10 コネクタ
12 本体部
21 枠部
22 天板部
23 注入口

Claims (7)

  1. 試料液中の感知対象物を感知する感知センサにおいて、
    発振周波数を測定するための測定器に接続される接続端子を備え、孔部が形成された配線基板と、
    圧電片を上面側及び下面側から挟んで互いに対向する位置に形成されると共に、前記接続端子と電気的に接続された励振電極を設けて構成され、下面側の励振電極が前記孔部に臨むように前記配線基板上に配置されると共に、上面側の励振電極の表面に、前記感知対象物を吸着する吸着層が形成された圧電振動子と、
    前記試料液を吸収可能な多孔質体により構成され、その下面が前記吸着層を上方側から覆うように配置された多孔質部材と、を備え、
    前記多孔質部材に供給された試料液を、その下面から滲出させて前記吸着層へ供給することを特徴とする感知センサ。
  2. 前記配線基板と、前記圧電振動子と、前記多孔質部材と、を収容するケース体を備え、前記ケース体には、前記多孔質部材の上面側から試料液を注入するための注入口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の感知センサ。
  3. 前記ケース体を上面側から見たとき、前記注入口は、前記励振電極の上方領域から、横方向に外れた位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の感知センサ。
  4. 前記多孔質部材の下面は、前記上面側の励振電極の表面と接触していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の感知センサ。
  5. 前記多孔質部材の厚さが0.5mm以上、3mm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の感知センサ。
  6. 前記多孔質体の平均細孔径は、20〜200μmであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の感知センサ。
  7. 前記多孔質体は、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の感知センサ。
JP2018054901A 2018-03-22 2018-03-22 感知センサ Pending JP2019168284A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018054901A JP2019168284A (ja) 2018-03-22 2018-03-22 感知センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018054901A JP2019168284A (ja) 2018-03-22 2018-03-22 感知センサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019168284A true JP2019168284A (ja) 2019-10-03

Family

ID=68106676

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018054901A Pending JP2019168284A (ja) 2018-03-22 2018-03-22 感知センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019168284A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007085973A (ja) * 2005-09-26 2007-04-05 Citizen Watch Co Ltd Qcm分析装置
JP2017116502A (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 日本電波工業株式会社 感知センサ及び感知装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007085973A (ja) * 2005-09-26 2007-04-05 Citizen Watch Co Ltd Qcm分析装置
JP2017116502A (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 日本電波工業株式会社 感知センサ及び感知装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6228801B2 (ja) 感知センサー及び感知装置
US20140250985A1 (en) Sensing sensor and sensing device using piezoelectric resonator
US20140366611A1 (en) Sensing device
US10620199B2 (en) Sensing sensor and sensing method
JP6668072B2 (ja) 感知センサ及び感知装置
JP5102334B2 (ja) 感知装置
JP2019168284A (ja) 感知センサ
JP2007085973A (ja) Qcm分析装置
JP5240794B2 (ja) 感知装置
JP6180198B2 (ja) 感知センサ
JP6966266B2 (ja) 感知センサの製造方法
JP6362493B2 (ja) 感知センサ
JP6471084B2 (ja) 感知センサ
JP5708027B2 (ja) 感知装置
JP6966283B2 (ja) 感知センサー及び感知装置
JP2017156159A (ja) 感知方法
JP2013130563A (ja) 感知センサー
JP2005315830A (ja) 分析装置
JP2020091193A (ja) 感知センサー
WO2016158487A1 (ja) 感知センサー及び感知装置
JP6106446B2 (ja) 感知センサー及び感知装置
JP2014016272A (ja) 感知センサー
JP6267447B2 (ja) 感知装置及び圧電センサ
JP2018087720A (ja) 感知センサー及び感知装置
JP2020094970A (ja) 感知装置及び感知方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211102

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20211227

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220426