JP2018087720A - 感知センサー及び感知装置 - Google Patents

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茎田 啓行
Hiroyuki Kukita
啓行 茎田
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Abstract

【課題】測定感度の低下を抑制して、感知対象物の検出又は定量を行うことができる感知センサー2及び感知装置を提供すること。【解決手段】感知センサー2に注入された供給液(緩衝液及び試料液)が流路57を流れた後、廃液流路53を上昇し液溜め部55に溜まる。さらに液溜め部55に溜まった供給液が貫通孔60を上昇し、吸収部材7に吸収される。この時吸収部材7の吸引力と、供給液を下降させようとする重力とにより、流路57側の供給液と吸収部材7側の供給液とが切り離され、流路57側の供給液と、吸収部材7内の供給液とが混ざらない状態で感知対象物の測定が行われる。この時液溜め部55に供給液が溜まっているため、水晶振動子4の表面の流路57を満たす供給液と切り離されておらず、連続した液相となっている供給液の量が多くなる。これにより流路57を満たす供給液の乾燥が抑制される。【選択図】図3

Description

本発明は、圧電振動子の発振周波数に基づいて、試料液に含まれる感知対象物を感知するための感知センサー及び感知装置に関する。
臨床分野において、例えば血糖値の自己モニタリングに代表されるPOCT(Point of care Testing)と呼ばれる簡便な方法が普及している。この方法の例としてQCM(Quartz Crystal Microbalance)を利用した感知センサーが知られている。感知センサーは、例えば特許文献1に記載されているように配線基板に固定された水晶振動子の一面側に感知対象物を含む試料液を供給させて、水晶振動子に感知対象物を吸着させ、水晶振動子の周波数の変化量により吸着した感知対象物の量を測定する感知センサーが知られている。さらに現場において簡易な計測を行うことができる感知センサーとして、供給口に滴下した試料液を毛細管現象により通流させて水晶振動子の一面側に供給液を満たす感知センサーが知られている。
ところで感知センサーにおいては、水晶振動子の一面側が液相であるか気相であるかにより発振周波数が異なってくる。そのため感知対象物を含む試料液を測定するにあたって、先に感知対象物を含まない緩衝液を流路に流し、発振周波数の測定を行い、その後試料液を流路に流し、発振周波数の測定を行っている。そして各々の周波数の差分値より周波数変動量を求め、この周波数変動量により、感知対象物の量を測定している。
この時先に供給された緩衝液は、試料液により水晶振動子よりも下流側に押し流されて、感知センサー内に貯留されるが、先に流された緩衝液と、試料液とが混合されてしまうと、試料液に含まれる感知対象物の濃度が下がってしまい、測定される周波数変動量が低くなってしまうことがある。
そのため特許文献2に記載されているような、水晶振動子の一面側の流路を流れた試料液が、上方に伸びる廃液流路を上昇し、廃液管を流れて毛細管部材を介して吸収部材に吸収される感知センサーが知られている。この感知センサーは、毛細管部材を前記廃液管内の試料液と接触するように設け、毛細管部材に到達した試料液が毛細管部材側に引っ張られるように移動する。これにより毛細管部材と廃液流路内の試料液との間に隙間が発生して、毛細管部材と、試料液が貯留する流路とが切り離された状態が形成される。
しかしながら供給液を下流側に流す廃液管に用いるガラス管などの小型の部品が多く組み立てが難しい問題がある。また小径のガラス管からの漏れを抑制するため、ガラス管の端部に撥水加工を行うことが好ましいが、部品が小型のため加工が難しい問題がある。
また流路に残る液量が少ないため、例えば水晶振動子と、感知対象物との間の吸着反応に時間がかかり、測定に長い時間がかかる場合には、時間経過に従い水晶振動子の表面の試料液が少なくなり、水晶振動子の表面が乾燥してしまい測定感度が低下する懸念がある。
特開2014−145651号公報 特開2015−197330号公報
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、測定感度の低下を抑制して、感知対象物の検出又は定量を行うことができる感知センサーを提供することにある。
本発明の感知センサーは、一面側に凹部と導電路とが形成された配線基板と、
前記配線基板に形成された導電路に電気的に接続された励振電極を圧電片に設けて構成されると共に、その一面側の励振電極に試料液中の感知対象物を吸着する吸着膜が形成され、振動領域が前記凹部と対向するように前記凹部を塞いだ状態で前記配線基板に固定された圧電振動子と、
前記圧電振動子を含む配線基板の一面側の領域を覆うように設けられ、圧電振動子の一面側との間に圧電振動子の一端側から他端側へ向けて供給液を流通させる流路を形成する流路形成部材と、
前記流路の一端側に上方から供給液を注入するための注入路と、
前記流路の他端側に上方に向けて伸びるように接続され、前記注入路に注入された供給液の液圧により、供給液が上昇する廃液流路と、
底部に前記廃液流路の上端が開口し、廃液流路を上昇した供給液が貯留される廃液流路の開口よりも広い液溜まりと、
前記液溜まりの上方に設けられ、液溜まりを上昇した供給液を吸収する吸収部材と、を備え、
前記液溜まりを上昇した供給液が、前記吸収部材による供給液の吸収と、重力とにより上流側と下流側とに切り離されるように構成されたことを特徴とする。
本発明の感知装置は、上述の感知センサーと、
前記圧電振動子の発振周波数を測定するための周波数測定部を備えた測定器と、を備え、
前記感知センサーを測定器に接続することにより、前記導電路と前記周波数測定部とが電気的に接続されることを特徴とする。
本発明の感知センサーは、試料液が注入口から圧電振動子の一面側の流路を流れ、試料液中に含まれる感知対象物が圧電振動子に設けられた吸着膜に吸着される。また試料液は注入口から注入された供給液の液圧により廃液流路を上昇し、液溜まりにたまる。その後液溜まりにたまった試料液が液溜まりの上方に設けられた毛細管部材により吸収される。注入口側の供給液の量が少なくなると、供給液を廃液流路を上昇させる液圧が低くなり、毛細管部材に毛細管部材に吸収されて引っ張られる試料液と、流路側の試料液とが切り離された状態が形成される。そのため試料液に先立って緩衝液を感知センサーに供給する場合においても緩衝液による試料液の希釈が抑えられ、測定感度の低下を抑制することができる。
本発明に係る感知センサーを用いた感知装置の斜視図である。 感知センサーの分解斜視図である。 感知センサーの各部の上面側を示した分解斜視図である。 水晶振動子の上面側及び下面側の平面図である。 流路形成部材の表面、裏面の平面図及び断面図である。 上側ケース体の下面側の平面図及び断面図である。 感知センサーの断面図である。 感知装置の概略構成図である。 前記感知センサーに供給した供給液の流れを示す説明図である。 前記感知センサーに供給した供給液の流れを示す説明図である。 前記感知センサーに供給した供給液の流れを示す説明図である。 前記感知センサーに供給した供給液の流れを示す説明図である。 前記感知センサーに供給した供給液の流れを示す説明図である。 前記感知センサーに供給した供給液の流れを示す説明図である。 前記感知センサーに供給した供給液の流れを示す説明図である。 前記感知センサーに供給した供給液の流れを示す説明図である。
以下本発明の実施の形態に係る感知センサーを用いた感知装置について説明する。この感知装置は、マイクロ流体チップを利用し、例えば人間の鼻腔の拭い液から得られた試料液中のウイルスなどの抗原の有無を検出し、人間のウイルスの感染の有無を判定することができるように構成されている。図1の外観斜視図に示すように、感知装置は本体部12と、感知センサー2と、を備えている。感知センサー2は、本体部12に形成された差込口17に着脱自在に接続されている。本体部12の上面には、例えば液晶表示画面により構成される表示部16が設けられており、表示部16は例えば本体部12内に設けられた後述する発振回路の出力周波数あるいは、周波数の変化分等の測定結果もしくは、ウイルスの検出の有無等を表示する。
続いて感知センサー2について説明する。図2は図1に示した感知センサー2における上側ケース体21を外した状態の斜視図を示し、図3は感知センサー2の各部材の表側(上面側)の斜視図を示す。感知センサー2は、上側ケース体21と下側ケース体22とで構成される容器20を備えている。下側ケース体22の上方には、長さ方向に延伸された形状の配線基板3が設けられ、配線基板3における長さ方向の一端側には前述の本体部12の差込口17に差し込まれる差込部31が形成されている。以下明細書中では、感知センサー2の差込部31側を後方、他端側を前方とする。
図3に示すように配線基板3の前方側の位置には、貫通孔32が形成されている。配線基板3は貫通孔32が下側ケース体22の底面によって塞がれると共に、下側ケース体22の外側に差込部31が突出するように配置される。配線基板3の表面側には、長さ方向に伸びる3本の配線34〜36が設けられており、各配線34〜36の一端側は、差込部31において、夫々端子部342、352、362が形成されている。また各配線34〜36の他端側は貫通孔32の外縁にて、夫々端子部341、351及び361が形成されている。また配線基板3における貫通孔32の更に前方には、配線基板3の水平位置を決めるための孔部33が幅方向に2か所並べて形成されている。
続いて圧電振動子、例えば水晶振動子4について説明する。図4に示すように水晶振動子4は、例えばATカットの円板状の水晶片41を備えており、図4(a)に示すように水晶片41の表面側には、例えばAu(金)により形成される帯状の励振電極42A、42Bが設けられている。また図4(b)に示すように水晶片41の裏面側には、励振電極42A、42Bに夫々対応するように励振電極43A、43Bが帯状に設けられている。この水晶振動子4における励振電極42A及び励振電極43Aで挟まれた領域は、第1の振動領域61となり、励振電極42B及び励振電極43Bで挟まれた領域は、第2の振動領域62となる。
表面側の励振電極42A、42Bは長さ方向一端側にて、互いに接続された後、水晶振動子4の下面側周縁に伸びる配線44の一端が接続され、配線44の他端側は水晶振動子4の下面側周縁にて電極44aが形成されている。一方の励振電極42Aの表面には、例えば抗原である感知対象物を吸着するための抗体からなる吸着膜47が形成されている。また励振電極42Aの表面を除いた励振電極42Bの表面を含む電極表面には、吸着膜47に代えて、感知対象物の吸着を阻害する阻害剤48が塗布されている。
また水晶振動子4の下面側に設けられた励振電極43A及び43Bには、夫々水晶振動子4の周縁に伸びる配線45、46の一端が接続され、各配線45、46の他端側は水晶振動子4の下面側周縁において電極45a、46aが形成されている。
図3に示すように配線基板3の上面側には、流路形成部材5が設けられている。図5(a)〜(c)に示すように流路形成部材5は、例えばPDMS(ポリジメチルシロキサン)で構成された例えば厚さ2.0mmの概略矩形板状の部材で構成される。流路形成部材5の前方寄りの位置には、流路形成部材5の位置合わせをするための孔部58が、配線基板3に形成された孔部33と対応する位置に、流路形成部材5を厚さ方向に貫通するように設けられている。
流路形成部材5の下面側における後方側には、水晶振動子4が収まるように深さ300μmの凹部54が形成されている。凹部54には、流路形成部材5が配線基板3側に押圧されたときに水晶振動子4の表面との間に試料液の流路57を区画形成する囲み部51が設けられている。この囲み部51は、感知センサー2の前後方向にその長さ方向が向くように、その外縁が小判型に形成された環状の突出部により構成されている。囲み部51は、凹部54から300μmの厚さに突出するように設けられ、囲み部51の内側の領域は、凹部54と同じ高さの平面になっている。また囲み部51の内側の領域の幅は後方側から放射状に広がったのち、中流域で一定の幅となり、その後前方側に向けて徐々に狭くなるように構成されている。
流路形成部材5には、囲み部51の内側の領域の後方側端部に開口し、厚さ方向に貫通する直径1.5mmの貫通孔52が穿設されている。また流路形成部材5には、囲み部51の内側の領域の前方側端部に開口し、厚さ方向に貫通する直径1.5mmの廃液流路53が穿設されている。流路形成部材5を孔部58が配線基板3に設けられた孔部33と揃うように配置する。囲み部51の内側の領域の下面側が水晶振動子4により塞がれる。この流路形成部材5と水晶振動子4とに挟まれ、囲み部51に囲まれた領域が流路57に相当する。これにより図4(a)に示すように水晶振動子4の上面に囲み部51が配置され、水晶振動子4の励振電極が42A、42Bが流路57の中心に並んで収まり、貫通孔52及び廃液流路53が各々水晶振動子4の上方に位置する。
また流路形成部材5の上面側には、廃液流路53の開口部の位置から前方側に向かい、周縁よりも手前の位置まで伸びる、廃液流路53と同じ幅の液溜め部55が形成されている。
図3に戻って、流路形成部材5の上方には、カバー部材6が設けられている。カバー部材6は、例えば下面側に鏡面仕上げがされたプラスチックシートで構成されている。カバー部材6には、水平位置を決めるための孔部69が流路形成部材の孔部58に対応する位置に2か所並べて形成されている。またカバー部材6には、流路形成部材5に形成された液溜め部55の前方側の端部に臨む位置に貫通孔60が形成されている。
カバー部材6の上方には、吸収部材7が設けられている。吸収部材7は、矩形を平面に見て後方側の2つの角部を切り落とした五角形に形成されたスポンジで構成され、後方側の端部が貫通孔60に臨むように配置される。
上側ケース体21について図2と共に図6(a)に示す上側ケース体21の下面側平面図及び図6(b)に示す側断面図を参照して説明する。上側ケース体21は、概略箱型に形成され、後方側の壁面に配線基板3の差込部31を容器20の外部に突出させるための切欠き21aが形成されている。そして上側ケース体21は、差込部31を除いた配線基板3、流路形成部材5及び吸収部材7を上方側から覆うように設けられる。上側ケース体21の上面側にはすり鉢状に傾斜した注入口23が形成されている。図6に示すように上側ケース体21の裏面側における後方側には、流路形成部材5を配線基板3に押圧するための押圧部25が設けられている。押圧部25は、例えば概略箱形に構成され、上側ケース体21を下側ケース体22に嵌合して互いに係止した時に、その下面にて流路形成部材5の上面を垂直下方に押圧する。押圧部25には、貫通孔52に対応する位置に注入口23に連通する貫通孔24が設けられている。
上側ケース体21の裏面側における押圧部25の前方には、カバー部材6を上方から抑える2個の固定部26が上側ケース体21の幅方向に並べて設けられている。固定部26は、その下面の高さ位置が、押圧部25の下面の高さ位置よりもカバー部材6の厚さ分高くなっている。また固定部26の前方側には、吸収部材7の位置決めをするための5枚の壁部27が、吸収部材7の5面の側面に夫々対応する位置に設けられている。各壁部27は、上側ケース体21の下面から吸収部材7の高さ寸法と同じ高さ寸法で伸び出すように形成されている。また壁部27と固定部26との間には、カバー部材6、流路形成部材5及び配線基板3の位置決めをするための垂直に伸びる2本の固定柱が上側ケース体21の幅方向に並べて設けられている。
また図3に示すように貫通孔52、24には、貫通孔52を塞ぎ、その上端が貫通孔24を介して、注入口23に露出し、下端が流路57内に進入するように多孔質の部材で構成された毛細管部材9が着脱自在に設けられている。毛細管部材9は、例えば円柱状の部材であり、例えばポリビニルアルコール(PVA)などの化学繊維束により構成されており、例えば直径80μm程度の孔が多数形成された多孔質部材となっている。毛細管部材9おいては、前記化学繊維束の繊維間の空隙を毛細管現象により供給液が流通する。この実施の形態では、注入口23、貫通孔52、24毛細管部材9は、注入路に相当する。
また図3に示すように下側ケース体22は、概略箱型に形成され、後方側の壁部に配線基板3を配置するための切欠き22aが形成されている。また下側ケース体22における配線基板3の配置領域の前方には、カバー部材6を下方から支持する段部71及び吸収部材7を下方から支持する段部72が形成されている。
続いて感知センサー2の組み立て工程について組み立て後の感知センサー2の側断面図である図7も参照して説明する。本発明の実施の形態に係る感知センサー2は、上側ケース体21に各部品をはめ込むことにより組み立てる。先ず壁部27で囲まれた領域に吸収部材7をはめ込む。この時吸収部材7の下面、壁部27の下面及び固定部26の下面の高さ位置が揃う。次いでカバー部材6の孔部69に固定柱28を挿入し、吸収部材7の下方にカバー部材6を重ねる。この時カバー部材6の貫通孔60から吸収部材7の後端部分が臨み、カバー部材6の下面と、押圧部25との下面の高さが揃う。
続いて流路形成部材5の孔部58に固定柱28を挿入し、流路形成部材5をカバー部材6の下方に重ねる。この時液溜め部55の前方側の端部とカバー部材6の貫通孔60との位置が揃い、さらに貫通孔52と、貫通孔24との位置が揃い連通する。さらに貫通孔52及び貫通孔24に毛細管部材9を毛細管部材9の下端と流路形成部材5の下面との高さが揃うように挿入する。
さらに配線基板3に水晶振動子4を固定する。水晶振動子4は、下面側の励振電極43A,43Bが配線基板3の貫通孔32に臨むように配置され、電極45a、46aが夫々端子部341、361と導電性接着剤により接続され、電極44aが端子部351と導電性接着剤により接続される。そして水晶振動子4を固定した配線基板3の孔部33に固定柱28を挿入する。これにより配線基板3が流路形成部材5の下方に固定され、差込部31が切り欠き21aから上側ケース体21の外部に突出するように配置される。またこの時水晶振動子4は、既述のように励振電極が42A、42Bが囲み部51の内側の領域の中心に並んで収まるように配置され、囲み部51が水晶振動子4の表面に密接する。なお図7では流路形成部材5における囲み部51と流路形成部材の凹部54を除いた下面との高さが異なるように記載しているが、実際には同じ高さである。そして水晶振動子4は極めて厚さが薄く、流路形成部材5を水晶振動子4及び配線基板3に上方から押し付けることにより囲み部51が水晶振動子4と密接すると共に、流路形成部材の凹部54を除いた下面が配線基板3に接している。
そして上側ケース体21の下方を下側ケース体22で塞ぎ、例えば上側ケース体21に設けられた図示しない爪部を下側ケース体に係止させることにより上側ケース体21と下側ケース体22とを固定する。これにより下側ケース体22の底面により配線基板3が支持されると共にカバー部材6が段部71に支持され、吸収部材7が段部72に支持される。これにより注入口23から貫通孔24、52(毛細管部材9)、流路57、廃液流路53、液溜め部55、貫通孔60及び吸収部材7と流れる供給液の流路が形成される。
このように構成された感知センサー2は、差込部31を本体部12の差込口17に差し込んだときに、図8に示すように水晶振動子4に設けられた励振電極42A及び43Aで挟まれた第1の振動領域61が第1の発振回路63に接続されて発振する。また水晶振動子4の励振電極42B及び43Bに挟まれた第2の振動領域62が第2の発振回路64に接続されて発振する。本発明の感知装置では、スイッチ部65により、データ処理部66と第1の発振回路63とを接続するチャンネル1と、データ処理部66と第2の発振回路64とを接続するチャンネル2とを交互に切り替えた間欠発振を行うことにより、感知センサー2の2つの振動領域61、62間の干渉を避け、安定した周波数信号を取得できるようにしている。そしてこれらの周波数信号は、例えば時分割されて、データ処理部66に取り込まれる。データ処理部66では、周波数信号を例えばディジタル値として算出し、算出されたディジタル値の時分割データに基づいて、演算処理を行い、例えば、抗原の有無などの演算結果を表示部16に表示する。この第1の発振回路63、第2の発振回路64、スイッチ部65及びデータ処理部66は、周波数測定部に相当する。
この感知装置による、試料液中の感知対象物の有無を判定方法について説明する。なお明細書中においては、感知センサー2の注入口23から供給する液体を総称として「供給液」と示し、感知対象物を含む供給液を「試料液」、試料液の前に供給する感知対象物を含まない供給液を「緩衝液」とする。また感知センサー2の作用を示す図9〜図16においては、緩衝液をドットで示し、試料液をグレーで示す。先ず感知センサー2を本体部12に接続し、例えばユーザがスポイトを用いて、注入口23に例えば生理食塩水からなり、感知対象物を含まない緩衝液を滴下する。緩衝液は毛細管部材9に吸収され、毛細管現象により当該毛細管部材9内を流通し、流路57に流れ込んで水晶振動子4の後方側の表面に供給される。
水晶振動子4を構成する水晶片41の表面は親水性であるため、流路57に供給された緩衝液は、流路57内を濡れ拡がる。流路57に広がった緩衝液に続いて毛細管部材9に吸収されている緩衝液は、図9に示すように表面張力により水晶片41の表面へ引きだされ、注入口23から流路57へ連続して緩衝液が流れていく。励振電極42A、42Bは、流路57の中流部付近に並べて配置されているため、緩衝液は励振電極42A、42Bの表面を一定の速度で、同時に流れる。従って図10に示すように緩衝液が流路57を満たし、励振電極42A,42Bの表面を緩衝液が満たしたときに、励振電極42A、42Bは、等しく水圧の影響を受ける。これによって第1の振動領域61、第2の振動領域62の発振周波数が共に等しく低下する。
そして緩衝液は、流路57を満たした後、図11に示すように注入口23に供給された緩衝液の液圧によるサイホンの原理により、廃液流路53を上昇し、液溜め部55に流れ込む。液溜め部55の上面を覆うカバー部材6は、下面側が鏡面仕上げがされているため、液溜め部55に流れ込んだ緩衝液は、カバー部材6に沿って、前方に流れる。
そして液溜め部55が緩衝液で満たされると、図12に示すように緩衝液は貫通孔60を上昇して、緩衝液と吸収部材7とが接する。この時緩衝液が吸収部材7に接すると、吸収部材7は緩衝液を一気に吸収するため、その流速が加速される。この結果吸収部材7に吸収される緩衝液の流速と、貫通孔60を上昇し、液溜め部55を流れる緩衝液の流速との差により、図13に示すように流路57側の緩衝液と、吸収部材7に吸収された緩衝液と、が切り離される。
この時注入口23に緩衝液が残っている場合には、緩衝液が注入口23から毛細管部材9に流れ込む力により、流路57側の緩衝液が押し流され、液溜め部55に流れ込み、貫通孔60を上昇する。これにより再び緩衝液が吸収部材7に接する。緩衝液が吸収部材7に接すると、緩衝液が再度吸収部材7に吸収されて、流路57側の緩衝液と吸収部材7に吸収された緩衝液とが切り離される。この吸収部材に緩衝液が吸収されて、流路57側の緩衝液と吸収部材に吸収された緩衝液とが切り離される動作と、流路57の緩衝液が液溜め部55に流れ込みを貫通孔60を上昇する動作と、がすべて毛細管部材9に流れ込むまで繰り返される。
そして注入口23の緩衝液がすべて毛細管部材9に流れ込むと、毛細管部材9が、緩衝液を保持しようとするため、毛細管部材9から流路57への緩衝液の流れ出しが止まり、緩衝液の流れが止まる。そのため流路57側の緩衝液と、吸収部材7に吸収された緩衝液とが、切り離された状態にて、流路57内の緩衝液が停止する。そしてこの状態にて第1の振動領域61、第2の振動領域62の発振周波数が測定され、水晶振動子4の表面が緩衝液で満たされたときの第1の振動領域61の発振周波数f1及び第2の振動領域62の発振周波数f2が夫々データ処理部66に記憶される
続いて緩衝液と同量の試料液を注入口23に供給する。注入された試料液が毛細管部材9に流れ込むことにより、図14に示すように緩衝液が流路57を下流側に向けて流される。更に試料液が重量によって、毛細管部材9に流れ込もうとするため、当該緩衝液は廃液流路53内を上昇し、吸収部材7に接触し吸収される。このとき吸収部材7に緩衝液が吸収され、吸収部材の緩衝液と、流路57側の緩衝液及び試料液と、が切り離される。
その後残りの緩衝液が廃液流路53を上昇して吸収部材7に接する動作と、吸収部材7に緩衝液が吸収され、吸収部材7の緩衝液と流路57側の供給液とが切り離される動作が繰り返され、徐々に緩衝液が吸収部材7に吸収されていく。また液溜め部55を含む流路57側においては、緩衝液が試料液により徐々に下流側に押し流され、流路57を満たす液相が緩衝液から試料液に置換される。
その後図15に示すように液溜め部55に流れ込んだ緩衝液がすべて吸収部材7に吸収され、貫通孔60を含む液溜め部55内側の液相が試料液に置換される。そして液溜め部55内の試料液が貫通孔60を上昇して、試料液が吸収部材7に接する。この時図16に示すように貫通孔60を上昇した試料液が吸収部材7に吸収され、液溜め部55側の試料液と、吸収部材7に吸収された試料液とが切り離される。
その後流路57内の試料液が廃液流路53を上昇し液溜め部55を流れて貫通孔60を上昇する動作と、貫通孔60を上昇した試料液が吸収部材7に吸収され、液溜め部55側の試料液と、吸収部材7に吸収された試料液とが切り離される動作と、繰り返される。そして注入口23に試料液が減るに従い、試料液を下流側に押し流す力が弱まり、試料液の流れが止まる。試料液が吸収部材7に触れると吸収部材7が吸収することにより、吸収部材7側の試料液と、液溜め部55側の試料液とが切り離されるため、試料液の流れが止まった時には、図16に示すように液溜め部55側の液相がすべて試料液となり、液溜め部55側の液相と、吸収部材7側の液相とが切り離された状態で静止する。
流路57内の液相が試料液に置換されると、試料液中に感知対象物が含まれる場合には、励振電極42A上の吸着膜47に当該感知対象物が吸着される。一方励振電極42B上には、感知対象物が吸着されない。このため吸着膜47への感知対象物の吸着量に応じて周波数が下降する。そして吸着膜47に感知対象物が十分に吸着した後、水晶振動子4の表面に試料液を満たしたときの第1の振動領域61の発振周波数F1及び第2の振動領域62の発振周波数F2を夫々測定する。
そしてデータ処理部66において、水晶振動子4の表面に緩衝液を満たしたときと、水晶振動子4の表面に試料液を満たしたときと、の第1の振動領域61の発振周波数の差(f1−F1)と第2の振動領域62の発振周波数の差(f2−F2)とを求める。この時水晶振動子4の表面に試料液を満たしたときの第1の振動領域61の発振周波数F1は、感知対象物が吸着した分、低くなっている。そのため第1の振動領域61の発振周波数の差(f1−F1)と第2の振動領域62の発振周波数の差(f2−F2)との差分値[(f1−F1)−(f2−F2)]は、感知対象物の吸着量に対応した値になる。このように水晶振動子4の表面に緩衝液を満たしたときと、水晶振動子4の表面に試料液を満たしたときと、の第1の振動領域61の発振周波数と第2の振動領域62の発振周波数の変化に基づいて感知対象物の有無を判定することができる。また第1の振動領域61の発振周波数の差(f1−F1)と第2の振動領域62の発振周波数の差(f2−F2)との差分値[(f1−F1)−(f2−F2)]の変化量と試料液中の感知対象物の濃度との関係式を予め取得しておき、当該関係式と測定により得られた発振周波数の差分との変化量とから、試料液中の感知対象物の濃度を求めてもよい。
上述の実施の形態においては、感知センサー2に注入された供給液(緩衝液及び試料液)が流路57を流れた後、廃液流路53を上昇し液溜め部55に溜まる。さらに液溜め部55に溜まった供給液が貫通孔60を上昇し、吸収部材7に吸収される。この時吸収部材7の吸引力と、供給液を下降させようとする重力とにより、流路57側の供給液と吸収部材7側の供給液とが切り離され、流路57側の供給液と、吸収部材7内の供給液とが混ざらない状態で感知対象物の測定が行われる。この時液溜め部55に供給液が溜まっているため、水晶振動子4の表面の流路57を満たす供給液と切り離されておらず、連続した液相となっており供給液の量が多くなる。これにより時間経過に従い乾燥等により液量が減った時にも液溜め部55側から流路57を満たす供給液が補充され、水晶振動子4の表面の供給液の乾燥が抑制される。従って測定時間が長くなる場合においても、水晶振動子4の表面の乾燥を抑制することができ、安定して測定することができる。
また容器20の中に夫々板状に構成された吸収部材7、カバー部材6、流路形成部材5及び配線基板3を積層した構成となっている。そのため微細な部材が少なく組み立てが容易になる。
また上述の実施の形態では、吸収部材7を液溜め部55における廃液流路53の開口部の上方から外れた位置に設けている。吸収部材7が廃液流路53の開口部の上方に位置する場合に吸収部材7の吸引力が強いと、廃液流路53内の供給液を吸引してしまい、水晶振動子4の表面の流路57を満たす供給液と連続した液相の量が少なくなってしまうおそれがある。そのため吸収部材7を液溜め部55における廃液流路53の開口部の上方から外れた位置に設けることにより水晶振動子4の表面の流路57内の乾燥を抑制することができる。
また貫通孔52、24に毛細管部材9を設けない場合においても、供給液が注入口23から流路57に重力を利用して流れ込み、廃液流路53を上昇させることができ、供給液の液量が少なくなると、供給液が廃液流路53を上昇し、液溜まり55に流れ込まなくなる。そのため同様に吸収部材7に供給液を吸収させたときに、吸収部材7側の供給液と、液溜まり55側の供給液と、を切り離した状態を形成することができるため同様の効果が得られる。
また下面側を鏡面仕上げをしたカバー部材6を液溜まり55の上方に配置させることで、カバー部材を伝わり液相が流れるため、液溜まり55に供給液を満たしやすくなるが、カバー部材6を除いた構成でも良い。この場合には、供給液が液溜め部55に供給され、液溜め部55が供給液が満たされ水位が上昇すると供給液が吸収部材7に接するように構成する。そして液溜め部55に溜まる供給液が吸収部材に接し、一部が吸収されることにより水位が減少し、吸収部材7側と液溜め部55側の供給液が切り離される。このような構成の場合にも、液溜め部55に供給液が残り、流路57を満たす供給液と切り離されておらず連続した液相となっている供給液の量が多くなるため、流路57を満たす供給液の液量の減少を抑制することができる。従って長時間の測定においても水晶振動子4の表面の乾燥を抑制することができるため同様の効果を得ることができる。
2 感知センサー
3 配線基板
4 水晶振動子
5 流路形成部材
21 上側ケース体
22 下側ケース体
23 注入口
24、52 貫通孔
53 廃液流路
55 入口側毛細管部材
56 出口側毛細管部材
57 流路
61 第1の振動領域
62 第2の振動領域

Claims (6)

  1. 一面側に凹部と導電路とが形成された配線基板と、
    前記配線基板に形成された導電路に電気的に接続された励振電極を圧電片に設けて構成されると共に、その一面側の励振電極に試料液中の感知対象物を吸着する吸着膜が形成され、振動領域が前記凹部と対向するように前記凹部を塞いだ状態で前記配線基板に固定された圧電振動子と、
    前記圧電振動子を含む配線基板の一面側の領域を覆うように設けられ、圧電振動子の一面側との間に圧電振動子の一端側から他端側へ向けて供給液を流通させる流路を形成する流路形成部材と、
    前記流路の一端側に上方から供給液を注入するための注入路と、
    前記流路の他端側に上方に向けて伸びるように接続され、前記注入路に注入された供給液の液圧により、供給液が上昇する廃液流路と、
    底部に前記廃液流路の上端が開口し、廃液流路を上昇した供給液が貯留される廃液流路の開口よりも広い液溜まりと、
    前記液溜まりの上方に設けられ、液溜まりを上昇した供給液を吸収する吸収部材と、を備え、
    前記液溜まりを上昇した供給液が、前記吸収部材による供給液の吸収と、重力とにより上流側と下流側とに切り離されるように構成されたことを特徴とする感知センサー。
  2. 前記液溜まりと吸収部材との間に設けられ、前記液溜まりの上方を覆い、液溜まりと対向する面に鏡面仕上げがされたカバー部材と、
    前記カバー部材における前記液溜まりと、前記吸収部材とが臨む位置に形成された貫通孔と、を備え、
    前記液溜まりを上昇した供給液は、貫通孔を介して前記吸収部材に吸収され、前記吸収部材による供給液の吸収と、重力とにより上流側と下流側とに切り離されるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の感知センサー。
  3. 前記吸収部材は、液溜まりにおける廃液流路の開口部の上方から外れた位置に設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の感知センサー
  4. 前記廃液流路及び液溜め部は、前記流路形成部材に形成され、
    下方側から前記圧電振動子が固定された配線基板、前記流路形成部材、前記吸収部材の順番で積層されて構成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の感知センサー
  5. 前記注入路には、多孔質部材が設けられ、前記多孔質部材を通流した供給液が流路に供給されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の感知センサー。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の感知センサーと、
    前記圧電振動子の発振周波数を測定するための周波数測定部を備えた測定器と、を備え、
    前記感知センサーを測定器に接続することにより、前記導電路と発振回路とが電気的に接続されることを特徴とする感知装置。
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