JP6088857B2 - 感知センサ - Google Patents

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Description

本発明は、感知対象物がその表面に設けられた吸着層に吸着することで、固有振動数が変わる圧電振動子を用いて、感知対象物を感知するための感知センサに関する。
試料流体中の感知対称物、例えば血液中あるいは血清中の微量なタンパク質を感知する方法として、例えば特許文献1に示すようなQCM(Quartz Crystal Microbalance)を利用した感知センサが示されている。QCMは励振電極の表面に感知対象物を抗原抗体反応により吸着する吸着膜が設けられた水晶振動子を用い、試料溶液中の感知対象物の吸着による質量負荷を、水晶振動子の周波数の変化として捉えて、感知対象物の定陵を行うものである。この基本原理を利用し医療現場での診断や食品検査にも用いられている簡易計測への応用も可能である。
この際、感知センサでは、マイクロ流体チップを使用してごく狭い反応空間を形成し、その中で抗原抗体反応を行う。マイクロ流体チップはPDMS(ポリジメチルシロキサン)製であり、専用のQCMセンサ上に載せることで微小な反応部を作り出す。マイクロ流体チップは反応容量を非常に小さくすることが可能なため、サンプルの希釈なく電極表面を通過する。このため低濃度のサンプル感度が高いという利点がある。
現在、この感知センサに用いるマイクロ流体チップの流路高は300μmに設計されており、反応容量は、約5μLである。特許文献2には、マイクロ流体チップの流路高を100μmまで狭めて、より微小な空間が作り出し、サンプルの感度を上げた感知センサが記載されている。さらには、例えば流路高を50μmにまで狭めた感知センサでは、容量は0.83μLになり、上記の理論から感度が高くなる。しかし流路高を50μmのマイクロ流体チップを設計すると、以下の問題が生じる。
まず使用するQCMセンサは2つの金電極で構成されており、一方の電極をリファレンスとすることで差分計測を可能としている。しかし金電極の厚みが400nmであるため、試料溶液を入口から添加したときに、2つの電極表面の疎水度が高い場合、金電極を避けて周りの水晶を伝って出口から出て行ってしまう。また、2つの電極の内検出用の電極のみに感知対象物を吸着するための親水性の吸着層を設けた場合に、夫々の電極間で親水性に差が生じてしまう。その場合に親水性の低い電極に試料溶液が流れず計測不可能となることがあった。これらの問題は、金電極の厚みを100nmまで薄くすれば起きないがセンサの特性が劣化する問題があった。
特開2009−206792号公報 特開2011−27716号公報
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、試料液中の感知対象物の測定を行う感知センサにおいて、低濃度の試料でも安定した測定のできる感知センサを提供することにある。
本発明の感知センサは、水晶片の一面側に互いに左右に離間して設けられた第1の励振電極及び第2の励振電極と、
前記水晶片の他面側に、前記第1の励振電極に対向する領域及び第2の励振電極に対向する領域に跨って形成され、前記第1の励振電極との間及び第2の励振電極との間に夫々第1の振動領域及び第2の振動領域を形成するための共通電極と、
前記共通電極の表面であって、前記第1の振動領域及び第2の振動領域の一方に対応する位置に形成され、試料液中の感知対象物を吸着する吸着層と、
前記共通電極、前記第1の励振電極及び前記第2の励振電極を発振周波数を測定するための測定器に電気的に接続するための接続端子部を備え、前記第1の振動領域及び第2の振動領域の一面側に空間が形成されるように、前記水晶片が固定された配線基板と、
前記第1の振動領域及び第2の振動領域の各々の上方に試料液の供給流路を形成するように、また、その左縁及び右縁の下面が前記共通電極上に位置するように設けられ、試料液の注入口と試料液の排出口とが、前記水晶片に対向するように形成された流路形成部材と、を備えたことを特徴とする。
また本発明の感知センサは、前記流路の高さは90μm未満であることを特徴としてもよい。
本発明は、感知センサに設けられる水晶振動子の裏面側にリファレンスと検出用との2つの電極を設け、表面側にリファレンスと検出側との2つの電極に共通な共通電極を設けた構成としている。さらに試料液の供給流路の右縁と左縁との下面を共通電極で覆われた領域上に配置している。そのため供給流路の幅方向に電極の領域と水晶の領域とが並ばず、試料溶液の流れやすさの差がなくなる。従って供給流路の流路高を低くした場合にも、水晶の領域のみを流れずに、流路の全域を均等に流れるため安定した測定を行うことができる。
本発明に係る感知装置の斜視図である。 前記感知装置を構成する感知センサの斜視図である。 前記感知センサの(a)縦断側面図及び(b)水晶振動子と供給流路を拡大した縦断側面図である。 感知センサの各部の上面側を示した分解斜視図である。 感知センサの各部の下面側を示した分解斜視図である。 前記感知センサを構成する水晶振動子の(a)上面側、及び(b)下面側を示す平面図である。 前記水晶振動子を供給流路に設置した状態を示す平面図である。 前記感知装置の概略構成図である。 前記感知装置による測定の様子を示す工程図である。 従来の感知センサの供給液の流れ方を示す説明図である。 本発明の感知センサの供給液の流れ方を示す説明図である。 前記感知装置による測定の様子を示す工程図である。
以下本発明の実施の形態に係る感知センサを用いた感知装置について説明する。この感知装置は、マイクロ流体チップを利用し、例えば人間の鼻腔の拭い液から得られた試料液中のウイルス、例えばインフルエンザウイルスなどの抗原の有無を検出し、人間のウイルスの感染の有無を判定することができるように構成されている。図1の外観斜視図に示すように、感知装置は発振回路ユニット11と本体部12とを備えた測定器10と、測定器10の発振回路ユニット11に着脱自在に接続される感知センサ1と、を備えている。発振回路ユニット11は例えば同軸ケーブル13を介して本体部12に接続されている。本体部12の前面には、例えば液晶表示画面により構成される表示部81が設けられており、表示部81は例えば発振回路ユニット11の出力周波数あるいは、周波数の変化分等の測定結果もしくは、ウイルスの検出の有無等を表示する。
次に感知センサ1の構成について説明する。図2は、感知センサ1の斜視図を示し、図3は感知センサ1の縦断側面図である。図4、図5は夫々感知センサ1の各部の上面側、下面側を示した分解斜視図である。これら図2〜図5を用いて説明する。感知センサ1は下方から配線基板2と、圧電振動子の一つである水晶振動子3と、流路形成部材4と、上蓋ケース5と、が積層されている。配線基板2は、例えば略矩形の基板であり、長さ方向を前後とすると、後方側に発振回路ユニット2に差し込まれる接続端子部21が形成されている。配線基板2の前方側には、円形の貫通孔22が設けられており、貫通孔22を配線基板2の下面側から塞ぐようにフィルム23が固着されている。この貫通孔22及びフィルム23により配線基板の表面側に凹部24が形成されることとなる。配線基板2の上面には、長さ方向に伸びる配線25、26、27が設けられており、夫々の配線25、26、27は、接続端子部21から凹部25の外縁まで引き回され、凹部24の外縁に夫々端子部25a、26a、27aが形成され、接続端子部21に夫々端子部25b、26b、27bが形成されている。また端子部27aと凹部24を介して対向するように、パッド28が設けられている。
続いて水晶振動子3についてその上面、下面をそれぞれ示した図6(a)、図6(b)も参照しながら説明する。水晶振動子3は、例えばATカットで構成された円板状の水晶片30に構成される。水晶振動子3の裏面側には、例えばAuにより、第1及び第2の励振電極34、35が互いに平行状に伸びている。水晶振動子3の表面側には、例えばAuにより楕円形の共通電極33が、前記第1の励振電極31及び前記第2の励振電極32と対向する位置に設けられている。この水晶振動子3の共通電極33と、第1の励振電極34及び第2の励振電極35で挟まれた領域は、夫々第1及び第2の振動領域61、62となり、これらの第1及び第2の振動領域61、62は、互いに独立して振動する。図中の点線で囲った領域は、第1及び第2の励振電極34、35の投影される領域を示している。
なお共通電極33とは、第1及び第2の振動領域61、62の間を電極の領域としており、水晶の領域が含まれないように形成している。
共通電極33からは水晶片30の周縁部に向かって引き出し電極38が伸ばされており、この引き出し電極は38、水晶片30の側面を引き回され、裏面の周縁部にて端子部38aが形成されている。第1及び第2の励振電極34、35からも水晶片30の周縁に向かって引き出し電極36、37が引き出されており、水晶片30の周縁部にて夫々端子部36a、37aが形成されている。なお水晶片30の引き出し電極36、37と共通電極33とに挟まれた領域も振動を行うが、夫々の引き出し電極36、37は、十分に細く形成されており、小さな振動であるため振動領域から除いている。共通電極33の表面であって、第1の振動領域61となる領域には、感知対象物であるウイルス、例えばインフルエンザウイルスと選択的に結合する抗体により構成された図示しない吸着膜が設けられている。一方共通電極33の表面であって、第2の振動領域62となる領域の表面には、ウイルスと共通電極33との結合を阻害する阻害膜(ブロッキング膜)が設けられている。
水晶振動子3は、第1及び第2の励振電極34、35が配線基板2の凹部24に臨み、端子部36a、37a、38aが配線基板2上に設けられた夫々の対応する端子部25a、26a、27aに重なるように配置される。端子部36a、37a、38aは、夫々端子部25a、26a、27aに導電性接着剤7により接着され、水晶振動子3は、凹部24の底面と隙間を介して対向するように保持される。また水晶振動子3は、後述する流路形成部材4に押圧され、少し湾曲している。そのため、図3では、水晶片30の前方側が、パッド28から浮いたように示されているが、水晶片30の底面は、パッド28に接触している。水晶振動子3の各励振電極34、35及び配線基板2上の各配線25、26、27の厚さ、端子部25a、26a、27a、及びパッド28は、極めて小さく、導電性接着剤7もごく少量であるため、水晶振動子3は、配線基板2に略水平な状態で設けられる。
続いて流路形成部材4について説明する。流路形成部材4は例えばPDMS(ポリジメチルシロキサン)により矩形板状に形成される。流路形成部材4の下面側には、水晶振動子3及び配線25、26、27が収まるようにこれらの外形に沿って段差部46が設けられている。段差部46には、注入口42及び排出口43となる、厚さ方向に貫通する口径1.5mmの貫通孔が前後に2ヶ所に並ぶように設けられている。また段差部46には、注入口42及び排出口43を囲むように高さ50μmの枠部41が設けられている。枠部41は、六角形状に形成され、注入口42と排出口43とが、互いに対向する2角に位置するように設けられている。
流路形成部材4は、配線基板2の前方側に、水晶振動子3の上方から重ね合わされる。図7に水晶振動子3上に配置した供給流路40の平面図を示す。図7に示すように枠部41が共通電極33の設けられた領域に収まり、かつ水晶振動子3の第1及び第2の振動領域61、62が枠部41内の領域に収まるように配置され、水晶振動子3と流路形成部材4とが密着され、流路である供給流路40となる。枠部41は、前述のように六角形状に形成されているため、供給流路40は、注入口42から下流に向かって流路の幅が広がった後、中流部は平行に流れ、排出口43に向かって流路の幅が狭まるように構成される。
また第1及び第2の振動領域61、62は、参照液の流れる方向に対して、左右に並ぶように配置されている、そのため参照液は夫々の第1及び第2の振動領域61、62に対して同時に且つ同様に流れ、夫々の振動領域61、62間で感知対象物の負荷以外の要素が極力等しくなるように構成されており、信頼度の高いレファレンスとして機能させることができる。
なお流路形成部材4は、配線基板2に積層される前に、プラズマ洗浄がなされ、その表面の活性化と表面の有機物の除去が行われる。このようにプラズマ洗浄が行われるのは、注入口42、排出口43供給流路40及び後述する廃液溜まり53の流通を容易にすること及び、流路形成部材4と配線基板2や上蓋ケース5との密着性を高めて、これらの隙間から供給液の漏れ出しを防ぐことを目的としている。
続いて上蓋ケース5の説明をする。上蓋ケース5の上面側前方には、インジェクト口51となる凹部が設けられている。注入口51には、傾斜が設けられており、注入口51へと滴下された供給液が底部に集められるように構成されている。注入口51の底部には、貫通する孔部52が設けられ、この孔部52は前記流路形成部材4の注入口42と対応する位置に設けられる。上蓋ケース5下面の後方側には、廃液溜まり53となる凹部が設けられており、廃液溜まり53の前方側が前記流路形成部材4の排出口と重なる位置に設けられている。また廃液溜まり53には、上蓋ケース5の上面側へ貫通する空気孔54が設けられている。廃液溜まり53は、供給液を多く貯留することができるように注入口51より大きな容積を持つように構成されている。また廃液溜まり53は、注入口51より低い位置に設けられている。
上蓋ケース5は、流路形成部材4を上方から覆うように配置され、フック55により係止されて、配線基板2上に水晶振動子3、流路形成部材4、上蓋ケース5の順に積層される。上蓋ケース5を流路形成部材4上に積層すると、注入口51に設けられた孔部52が、流路形成部材4があの注入口42と接続され、廃液溜まり53の下面側が流路形成部材4の上面により閉じられて空間が形成されると共に、廃液溜まり53と排出口43とが接続される。これにより注入口51→注入口42→供給流路40→排出口43→廃液溜まり53と続く一連の流路が形成される。
注入口42及び排出口43には毛細管部材となる円柱状のフィルタ44が着脱自在に設けられる。このフィルタ44、45は多孔質体であり、例えばセルロースからなるストロー状の化学繊維を束ねて構成されており、ストローの側壁にも多数の小孔が形成されている。フィルタ44は水晶振動子3の表面から注入口42及び孔部52を通り、注入口52の底部に突出するように設けられる。排出口43に設けられるフィルタ45は、その下端が、供給流路40の天井高さになるように設けられ、先端が廃液溜まり53に突出するように設けられる。
上記の感知センサ1の接続端子部21が、発振回路ユニット2に差し込まれると、接続端子部21の端子25a、26a、27aが発振回路ユニット11においてこれらの端子25a、26a、27aと対応するように形成された図示しない接続端子部に電気的に接続されて、感知装置を構成する。図8に示すように発振回路ユニット11には、例えばコルピッツ回路で構成される第1の発振回路71及び第2の発振回路72が設けられており、第1の発振回路71は第1の振動領域61を、第2の発振回路72は第2の振動領域62を夫々発振させるように構成されている。
本体部12には、スイッチ部82と、データ処理部83とが備えられている。発振回路ユニット11内に設けられた第1及び第2の発振回路71、72の出力側は、同軸ケーブル13を介して、本体部12に接続され、本体部12内に設けられたスイッチ部82と接続される。スイッチ部82の後段に設けられたデータ処理部83は、入力信号である周波数信号のディジタル処理を行い、第1の発振回路71により出力される発振周波数「F1」の時系列データと、第2の発振回路72により出力される発振周波数「F2」の時系列データと、を取得する。本発明の感知装置では、スイッチ部82により、データ処理部83と第1の発振回路71と接続するチャンネル1と、データ処理部83と第2の発振回路72と接続するチャンネル2とを交互に切り替えた間欠発振を行うことにより、感知センサ1の2つの振動領域61、62間の干渉を避け、安定した周波数信号を取得できるようにしている。そしてこれらの周波数信号は、例えば時分割されて、データ処理部83に取り込まれる。データ処理部83では、周波数信号を例えばディジタル値として算出し、算出されたディジタル値の時分割データに基づいて、演算処理を行い、例えば、抗原の有無などの演算結果を表示部81に表示する。
本発明の実施の形態に係る感知センサ1の作用について説明する。なお以後の明細書中においては、感知対象物を含まずに水晶振動子3の周囲を液体雰囲気にするための供給液を参照液と記載し、感知対象物を含むか否かの判定の対象として、感知センサ1に供給する供給液を試料液と記載する。なおこの例では、参照液は生理食塩水を用いており、試料液は人間の鼻腔拭い液を生理食塩水により希釈したものを用いている。
感知センサ1を発振回路ユニット11に差し込み、測定器10を起動すると水晶振動子3の各振動領域61、62が発振され、夫々の周波数信号に対応する周波数信号F1、F2が取り出される。
次いで、図9に示すようにユーザがスポイトにより、注入口51に例えば参照液(生理食塩水)を滴下する。本発明の実施の形態に係る感知センサ20においては、注入口51を廃液溜まり53より高い位置に設置することに加えて、注入口41及び排出口42を細く構成して、夫々の管内にはフィルタ43、44を挿入している。そのため注入口41及び排出口42に設けたフィルタ43、44の毛細管現象及び注入口51と廃液たまり52の高低差を利用したサイホン効果によって流通され、供給液の供給流路40への供給及び供給流路40からの排出が行われる。
注入口51に滴下された参照液は、注入口42に設けられたフィルタ44に吸収され、重力により、フィルタ44を下降し、供給流路40内へと供給される。供給液は、供給流路40中を流れることとなるが、ここで、供給流路40の高さ及び底面のレイアウトによる供給液の流れ方の違いについて検討する。なお明細書中の流路の高さとは、電極から天井までの距離としている。
まず供給流路40の底面の水晶振動子3の領域に2つの電極を並べて配置した場合について検討する。水晶振動子1の水晶の領域は、電極の表面と比較して親水度が高く、水晶の表面の領域の方が水となじみ易い。また板状の水晶片30の表面に電極が設けられているため、電極の厚さ分の高低差が生じてしまう。従って供給流路40の底面の水晶振動子3の領域に2つの電極を並べて配置して、供給流路40に供給液を流した場合に、供給液は、電極の設けられていない水晶の領域を流れようとする傾向にある。
しかしながら供給流路40の高さが例えば300μmと高い場合には、供給流路40の天井面と、底面との間の距離が長く、供給流路40を一度に流れる液量が多くなる。そのため供給液が水晶の領域のみを流れようしても、供給液の量が多く、供給流路40の天井面と、底面との間の表面張力では抑えきれず、電極を設けた領域にも供給液が流れこむため、供給流路40全体を液体が流れることになる。
一方で供給流路40の高さが90μm以下、例えば50μmと低い場合の供給液の流れを供給流路40の平面図である図10(a)と、平面図中のA−A´の断面図である図10(b)を参考にして説明する。供給流路40の高さが低い場合には、供給流路40の断面積が狭くなるため、供給流路40を流れる供給液70の量が少なくなる。そのため供給液70が水晶の領域を流れようとした場合に、検出用電極71の領域に流れ込もうとする供給液70の量が少なくなる。その時に供給流路40の天井面と底面を結ぶ液面の表面張力により検出用電極71の領域への流出が遮られてしまい、検出用電極71の領域を避けるように供給液70が流れてしまう。
続いて供給流路40の底面全体を共通電極33で覆われた領域とした場合について検討する。図11(a)は底面全体を共通電極33で覆われた供給流路40に供給液を流した時の平面図を示し、図11(b)は、平面図中B−B´の断面図を示す。供給流路40の底面は、全体が共通電極33で覆われており、高低差がなくなり、また水晶の領域もなくなるため、親水度の差もなくなる。そのため図11(a)、(b)に示すように、そのため供給液70は供給流路40の全面を均等に流れることになる。また共通電極33は、注入口42の下方から、排出口43の下方まで覆うように設けられている。そのため注入口42から排出口43へ流れる途中に、親水度の異なる領域や底面の段差がなくなる。供給流路40の底面に親水度の差や段差がある場合には、流速が変化するため、流路に気泡が生じやすくなったり、段差部分に気泡が付着しやすくなるなどの不具合の要因となる。流路の底面全体を共通電極33で覆うことにより、このような不具合の虞を抑制することができる。
このようにして、上述の実施の形態の構成では、供給液(参照液)70は供給流路40の形状に沿って、供給流路40の底面全体を扇状に広がるように流れていく。参照液が流れると供給流路40に設けられた水晶振動子3の第1及び第2の振動領域61、62の環境雰囲気が気相から液相に変わり、液体の粘性の増加により各チャンネルの出力周波数F1、F2が低下する。
上述の感知センサ1では、表面側の電極は、共通電極33として構成しており、下面側の電極は、第1及び第2の励振電極34、35を流路方向に対して幅方向に並べて配置している。そして、共通電極を接地電極とし、下面側の第1及び第2の励振電極34、35を夫々第1の発振回路71及び第2の発振回路72と接続するようにしている。水晶振動子3を発振させた場合には、エネルギー閉じ込め効果により、電極の近傍に振動エネルギーが集中する。そのため上述の水晶振動子3では、図5中に示した下面側の第1及び第2の励振電極34、35の設けられている領域で振動エネルギーが大きくなる。そのため第1の発振回路71から発振される周波数信号と、第2の発振回路72から発振される周波数信号と、は、夫々独立して出力される。
第1及び第2の振動領域61、62に夫々設けられた電極からは、夫々の周波数に対応する周波数信号が取り出されて、各チャンネルから出力される。そしてこれら周波数信号は時分割されて測定回路部に取り込まれ、A/D変換された後、各ディジタル値が信号処理される。そして2つのチャンネルの周波数信号から、前記周波数「F1、F2」が取り出され、これらの周波数がほぼ同時に(例えば1/2秒ずつずれて)メモリに記憶される動作が繰り返される。
続いて、試料液を注入口51に滴下する。図12に示すように試料液は、参照液と同様にフィルタに吸収され、重力により下降する。それによってフィルタ44に残留していた参照液が下流方向へと押し流され、当該参照液がすべて供給流路40を流れ、排出口43へと向かう。そして試料液は参照液と同様にフィルタ44、45の毛細管現象により供給流路40へと供給され、供給流路40の外縁に沿って広がるように流れ、供給流路40内の液相は参照液から試料液に置換される。
供給流路40内が試料液で満たされた場合に、試料液中に感知対象物となる抗原が含まれる場合には、当該抗原が吸着層に設けられている抗体に、抗原抗体反応により吸着される。吸着層は、共通電極33中の下面側の第1の励振電極の投影される部位、即ち第1の振動領域61に設けられており、当該領域の電極の質量に、吸着層に吸着された抗原の質量が負荷されることになる。
試料液に抗原が含まれる場合には、第1の振動領域61から取り出される周波数「F1」は、試料液の温度や粘性により周波数が変化することに加えて、当該抗原が抗原抗体反応により吸着膜に吸着され、質量負荷効果によりさらに低下した周波数となる。その一方で第2の振動領域62と接続されるチャンネル2からは、試料液の温度や粘性に応じて変化する周波数「F2」が取り出される。このような周波数変化の結果、周波数「F1−F2」が低下する。試料液は、供給流路40から排出口43へと流れて廃液溜まり53に貯留される。廃液溜まり53の液量が上昇し、水圧が高くなると、注入口42から試料液の移動が停止する。試料液に抗原が含まれていない場合には、試料液は抗原を含む場合と同様に流通するが、第1の振動領域では、上記の抗原抗体反応による質量の負荷が起こらない。チャンネル1及びチャンネル2からは、試料液の温度や粘性に応じて変化する周波数「F1」、「F2」が取り出されるので、周波数差はほとんど変化しないことになる。
そして例えば、供給流路40内が参照液で満たされている時刻での「F1−F2」の値の平均値aと、供給流路40内が参照液から試料液に入れ替えられ、検出が行われたと推定されるある時刻での「F1−F2」の値の平均値bとを演算する。更に両平均値の差分値a−bを計算し、この差分値が所定の許容値に収まっていれば、試料液中に抗原は無いものと判定し、差分値a−bが許容値を超えていれば試料液中に抗原が存在するものと判定し、その結果を表示部81に表示する。
上述の実施の形態によれば、感知センサ1の設けられる水晶振動子3の裏面側にリファレンスと検出用との2つの励振電極34、35を設け、表面側にリファレンスと検出側との2つの励振電極34、35に共通な共通電極33を設けた構成としている。さらに供給流路40の右縁と左縁との下面を共通電極33で覆われた領域上に配置している。そのため供給流路40の底面が一様になるため、試料溶液の流れやすさの差がなくなる。従って供給流路40の流路高を低くした場合にも、水晶の領域のみを流れずに、供給流路40の全域を均等に流れるため安定した測定を行うことができる。
また本発明の感知センサは供給流路40の流れる方向に、第1及び第2の振動領域が並べて配置されていてもよく、更には、フロー計測用の感知センサに適用してもよい。
感知センサ1の流路の高さを狭めて、供給流路40の容量を小さくした場合の効果についての確認データを示す。実施例として、水晶振動子3の表面側の共通電極33を供給流路40の底面全体を覆うように設け、流路高さを50μmとして10ng/mlの濃度のC反応性タンパク質の検出を行った。また比較例として、流路高を300μmに設定した他は、実施例と同様に構成した感知センサで測定を行った。表1は、実施例及び比較例に係る感知センサの夫々において、出力されるF1−F2の値を示す。

[表1]
Figure 0006088857
表1に示すように、比較例の感知センサでは、F1−F2は、2.13Hzと検出されている。一方、実施例の感知センサでは、F1−F2は、6.04Hzと検出されていた。従って感知センサの流路高を低くすることで、検出感度を上げることができるといえる。
1 感知センサ
2 配線基板
4 流路形成部材
10 測定器
21 接続端子部
30 水晶片
33 共通電極
34 第1の励振電極
35 第2の励振電極
40 供給流路
42 注入口
43 排出口

Claims (2)

  1. 水晶片の一面側に互いに左右に離間して設けられた第1の励振電極及び第2の励振電極と、
    前記水晶片の他面側に、前記第1の励振電極に対向する領域及び第2の励振電極に対向する領域に跨って形成され、前記第1の励振電極との間及び第2の励振電極との間に夫々第1の振動領域及び第2の振動領域を形成するための共通電極と、
    前記共通電極の表面であって、前記第1の振動領域及び第2の振動領域の一方に対応する位置に形成され、試料液中の感知対象物を吸着する吸着層と、
    前記共通電極、前記第1の励振電極及び前記第2の励振電極を発振周波数を測定するための測定器に電気的に接続するための接続端子部を備え、前記第1の振動領域及び第2の振動領域の一面側に空間が形成されるように、前記水晶片が固定された配線基板と、
    前記第1の振動領域及び第2の振動領域の各々の上方に試料液の供給流路を形成するように、また、その左縁及び右縁の下面が前記共通電極上に位置するように設けられ、試料液の注入口と試料液の排出口とが、前記水晶片に対向するように形成された流路形成部材と、を備えたことを特徴とする感知センサ。
  2. 前記流路の高さは90μm未満であることを特徴とする請求項1記載の感知センサ。
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