JP2020091193A - 感知センサー - Google Patents
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Abstract
【課題】感知対象物の検出又は定量を行うことができる感知センサーにおいて、液漏れを抑制する技術を提供すること。【解決手段】配線基板3の表面に固定された水晶振動子を備えた感知センサーにおいて、流路となる溝部を備えたシリコーン板を配線基板及び水晶振動子の表面に配置して試料液を水晶振動子の一端側から他端側に通流させる流路57を形成している。このとき前記溝部は、前記注入口に供給された試料液が前記圧電振動子の一端部から他端部に亘る領域を通過する流路を形成し、当該流路の幅方向の両端部が前記圧電振動子上に位置するように形成されている。また前記圧電振動子の一端部及び他端部の下面と、前記配線基板との隙間は試料液の進入を防ぐための封止剤により封止されている。【選択図】図3
Description
本発明は、圧電振動子の発振周波数に基づいて、試料液に含まれる感知対象物を感知するための感知センサーに関する。
臨床分野において、例えば血糖値の自己モニタリングに代表されるPOCT(Point of care Testing)と呼ばれる簡便な方法が普及している。この方法の例としてQCM(Quartz Crystal Microbalance)を利用した感知センサーが知られている。感知センサーは、例えば特許文献1に記載されているように配線基板に固定された水晶振動子の一面側に感知対象物を含む試料液を供給して、水晶振動子に感知対象物を吸着させ、水晶振動子の周波数の変化量により吸着した感知対象物の量を測定する。さらに現場において簡易な計測を行うことができる感知センサーとして、水晶振動子の一面側を流路形成部材で覆って流路を形成し、流路に繋がる供給口に滴下した試料液を水晶振動子の一面側に通流させて試料液中の感知対象物を感知する小型の感知センサーも開発されている。
近年感知センサーを安価にするために、感知センサーのさらなる小型化や構造の簡素化が求められている。特に感知センサーに用いられる水晶振動子のコストが大きく水晶振動子のさらなる小型化が求められている。
しかしながら流路の下面全体が水晶振動子によって塞がれた特許文献1に記載の感知センサーとは異なり、水晶振動子を小型化していくことに伴って、流路と水晶振動子との大小関係が変化する。この結果、流路の構成の違いが試料液の流れに影響を及ぼし、水晶振動子の表面に、安定的に試料液を供給することが困難になってしまうおそれもある。
しかしながら流路の下面全体が水晶振動子によって塞がれた特許文献1に記載の感知センサーとは異なり、水晶振動子を小型化していくことに伴って、流路と水晶振動子との大小関係が変化する。この結果、流路の構成の違いが試料液の流れに影響を及ぼし、水晶振動子の表面に、安定的に試料液を供給することが困難になってしまうおそれもある。
本発明はこのような事情の下になされたものであり、試料液中の感知対象物の検出又は定量を行うことができる感知センサーにおいて、水晶振動子を小型化しながら安定した測定を行うことができる技術を提供することにある。
本発明の感知センサーは、発振周波数を測定するための測定器に接続される接続端子を備えると共に、一面側に凹部が形成された配線基板と、
圧電片の両面に、前記接続端子と電気的に接続される励振電極を設けて振動領域が形成され、前記振動領域が凹部と対向するように当該凹部を塞ぐ位置の前記配線基板上に設けられると共に、前記凹部に対向する面とは反対側の励振電極に、試料液中の感知対象物を吸着する吸着膜が形成された圧電振動子と、
前記圧電振動子を含む前記配線基板の前記一面を覆うように設けられ、試料液の注入口を備えると共に、前記一面との間に試料液の流路を形成するための溝部が形成された流路形成部と、を備え、
前記溝部は、前記注入口に供給された試料液が前記圧電振動子の一端部から他端部に亘る領域を通過する流路を形成し、当該流路の幅方向の両端部が前記圧電振動子上に位置するように形成されていることと、
前記圧電振動子の一端部及び他端部の下面と、前記配線基板との隙間は試料液の進入を防ぐための封止剤により封止されていることと、を特徴とする。
圧電片の両面に、前記接続端子と電気的に接続される励振電極を設けて振動領域が形成され、前記振動領域が凹部と対向するように当該凹部を塞ぐ位置の前記配線基板上に設けられると共に、前記凹部に対向する面とは反対側の励振電極に、試料液中の感知対象物を吸着する吸着膜が形成された圧電振動子と、
前記圧電振動子を含む前記配線基板の前記一面を覆うように設けられ、試料液の注入口を備えると共に、前記一面との間に試料液の流路を形成するための溝部が形成された流路形成部と、を備え、
前記溝部は、前記注入口に供給された試料液が前記圧電振動子の一端部から他端部に亘る領域を通過する流路を形成し、当該流路の幅方向の両端部が前記圧電振動子上に位置するように形成されていることと、
前記圧電振動子の一端部及び他端部の下面と、前記配線基板との隙間は試料液の進入を防ぐための封止剤により封止されていることと、を特徴とする。
本感知センサーは、配線基板の表面に固定された圧電振動子の上方に溝部を備えた流路形成部材を配置して圧電振動子の一端側から他端側に通流させる流路を形成している。このとき溝部は、前記注入口に供給された試料液が前記圧電振動子の一端部から他端部に亘る領域を通過する流路を形成し、当該流路の幅方向の両端部が前記圧電振動子上に位置するように形成されている。そして前記圧電振動子の一端部及び他端部の下面と、前記配線基板との隙間は試料液の進入を防ぐための封止剤により封止されている。従って、圧電基板の一端部及び他端部の下面と配線基板との隙間への試料液の進入を防ぎつつ、圧電振動子の上面に強制的に誘導しつつ、処理液を確実に圧電振動子の表面に導入することができる。
以下、実施の形態に係る感知センサーを用いた感知装置について説明する。例えばこの感知装置は、マイクロ流体チップを利用し、例えば人間の鼻腔の拭い液から得られた試料液中のウイルスなどの抗原の有無を検出し、人間のウイルスの感染の有無を判定することができるように構成されている。図1の外観斜視図に示すように、感知装置は本体部12と、感知センサー2と、を備えている。感知センサー2は、本体部12に形成された差込口17に着脱自在に接続される。本体部12の上面には、例えば液晶表示画面により構成される表示部16が設けられており、表示部16は例えば本体部12内に設けられた後述する発振回路の出力周波数あるいは、周波数の変化分等の測定結果もしくは、ウイルスの検出の有無等を表示する。
続いて感知センサー2について説明する。図2は図1に示した感知センサー2に設けられた上側ケース体21を外した状態の斜視図を示す。また図3(a)〜(d)は、上から順番に、感知センサー2に設けられるシリコーン板5、水晶振動子4の表面、裏面及び配線基板3を示す平面図である。さらに図4は、感知センサー2の縦断側面図であり、図5は、感知センサー2の一部を拡大した縦断面図(a)及び横断面図(b)である。
図1、2に示すように感知センサー2は、上側ケース体21と下側ケース体22とで構成される容器20を備え、容器20から水平に突出し、本体部12に形成された差込口17に挿入される板状の差込部31を備えている。感知センサー2の差込部31側を後方、他端側を前方とすると、図2に示すように、下側ケース体22は、上面が開口した概略箱型に形成され、後方側の壁部に切欠き22aが形成されている。下側ケース体22の上面側の前方寄りの位置には、後述する廃液管6を支持する支持部75と、吸収部材72が収納される箱状の収納部73とが設けられている。
下側ケース体22の後方側の底面には、前記支持部75の後方側に長さ方向に延伸された形状の配線基板3が配置される。この配線基板3の後方側部分は、下側ケース体22から突出し、前述の本体部12の差込口17に差し込まれる前述の差込部31となる。
下側ケース体22の後方側の底面には、前記支持部75の後方側に長さ方向に延伸された形状の配線基板3が配置される。この配線基板3の後方側部分は、下側ケース体22から突出し、前述の本体部12の差込口17に差し込まれる前述の差込部31となる。
図3(d)、図4に示すように配線基板3の上面(一面)の前方よりの位置には、配線基板3を厚さ方向に貫通する矩形の貫通孔32が形成されている。この貫通孔32は下側ケース体22の底面によって塞がれ、凹部を形成する。配線基板3の上面側には、長さ方向に伸びる3本の配線25〜27が設けられており、各配線25〜27の一端側には、差込部31において、夫々端子部252、262、272が形成されている。また各配線25、27の他端側には貫通孔32の側方、前方寄りの位置にて、夫々端子部251、271が形成されている。さらに配線26の他端側は2本に分岐し貫通孔32の側方、後方寄りの位置にて端子部261A、261Bが形成されている。
そして配線基板3における端子部251、271、261A、261B上には、水晶振動子4側の電極と導通を図るための導電性接着剤9が塗布される。また配線基板3の上面には、貫通孔32の前方側と後方側とに各々水晶振動子4の幅に合わせて配線基板3の幅方向に伸びるように導電性接着剤9aが塗布されている。これら導電性接着剤9、9aは、配線基板3の表面に一括してプリントされる。
続いて圧電振動子、例えば水晶振動子4について説明する。図3(b)、(c)に示すように水晶振動子4は、例えば長さ4mm、幅3.5mmの矩形のATカットの水晶片40により構成されている。図3(b)に示すように水晶片40の表面側(上面側)には、例えばAu(金)により形成される前後方向に伸びる帯状の励振電極42A、42Bが左右に並べて設けられている。また図3(c)に示すように水晶片40の裏面側(下面側)には、励振電極42A、42Bに夫々対向するように励振電極43A、43Bが帯状に設けられている。
図3(b)に示すように表面側の励振電極42A、42Bは後方側の端部にて側周縁に向かって伸び、さらに水晶片40の側面を通って裏面側周縁に伸びる配線44A、44Bの一端と接続されている。配線44A、44Bの水晶片40の裏面側の端部には、電極440A、440Bが形成されている。一方の励振電極42Aの表面には、例えば抗原である感知対象物(本例ではウイルス)を吸着するための抗体からなる吸着膜47が形成されている。また励振電極42Bの表面を含む電極表面には、吸着膜47に代えて、感知対象物の吸着を阻害する阻害剤48が塗布されている。
また水晶振動子4の下面側に設けられた励振電極43A及び43Bは、前端部から夫々水晶振動子4の左右周縁に伸びる配線45A、45Bの一端が接続され、各配線45A、45Bの他端側には水晶振動子4の下面側周縁にて電極450A、450Bが形成されている。
水晶振動子4は、図4、図5に示すように配線基板3の貫通孔32を塞ぎ、且つ裏面側の励振電極43A、43Bが当該貫通孔32に臨むように配置される。この励振電極43A、43Bに接続された端子部450A、450Bは、夫々配線基板3側の端子部251、271上にプリントされた導電性接着剤9により接着される。また、表面側の励振電極42A、42Bに接続された端子部440A、440Bも同様に、夫々端子部261A、261Bに対して導電性接着剤9により接着される。
さらにここで、水晶振動子4の前方側の端部の下面と、後方側の端部の下面とが配線基板3の貫通孔32の前後に塗布された導電性接着剤9aによって固定される。この導電性接着剤9aにより、水晶振動子4下面と配線基板3との隙間は、前後両端の位置にて、夫々水晶振動子4の幅方向一端から他端に亘って封止される。
水晶振動子4の前方側の端部は、本実施の形態における水晶振動子4の「一端部」に相当し、後方側の端部は「他端部」に相当する。
水晶振動子4の前方側の端部は、本実施の形態における水晶振動子4の「一端部」に相当し、後方側の端部は「他端部」に相当する。
配線基板3の上面側には、シリコーン板5が設けられている。図3(a)、図5(a)に示すようにシリコーン板5は、例えばPDMS(ポリジメチルシロキサン)で構成された例えば厚さ2.0mmの概略矩形板状の部材で構成される。シリコーン板5には、前後方向に伸びる細長い形状の貫通孔50が形成されている。貫通孔50の内側の領域の幅は後方側から放射状に広がったのち、中流域で一定の幅となり、その後前方側に向けて徐々に狭くなるように構成されている。
このシリコーン板5を水晶振動子4の上方に積層すると、図5(b)に示すように貫通孔50が下面側から水晶振動子4及び配線基板3により塞がれる。この時貫通孔50の前方側の端部及び後方側の端部は、夫々水晶振動子4よりも前方及び後方に外れるように位置している。
また、貫通孔50の最大幅は、水晶振動子4の幅(本例では3.5mm)よりも短い寸法に設定されている。したがって、水晶振動子4の表面側の励振電極42A、42Bは貫通孔50内に左右に並んで配置される。また水晶振動子4の側周縁は、シリコーン板5の下方に位置し、上側ケース体21を装着したときに、図6に示すように水晶振動子4の左右方向の周縁部が、各々水晶振動子4の前端部から後端部に亘ってシリコーン板5によって押えられる状態となる。このときシリコーン板5の下面は、水晶振動子4の側周縁の上方に位置する部位が上面側から押されて変形し、シリコーン板5の外周側の周縁は、配線基板3の表面に密着する。
図2、図5(b)に示すように前記貫通孔50の後方側の端部と前方側の端部とには夫々多孔質の毛細管部材により構成された入口側毛細管部材55及び廃液側毛細管部材56が設けられている。前記入口側毛細管部材55は例えば円柱状、廃液側毛細管部材56は例えば円柱を略L字状に屈曲させた形状に夫々形成され、例えばポリビニルアルコール(PVA)の化学繊維束により構成されている。これら入口側毛細管部材55や廃液側毛細管部材56は多孔質体であるセルロースや親水化した多孔質樹脂により構成してもよい。入口側毛細管部材55の下端部はシリコーン板5の貫通孔50の後方側の端部に挿入され、その上端側が後述する上側ケース体21の液受け部23内に露出している。
図4に示すように、廃液側毛細管部材56のL字の垂直部分は、その下端側がシリコーン板の貫通孔50の前方側の端部に挿入されている。また廃液側毛細管部材56の上端側はシリコーン板5の上面よりも上方に突出し、L字の水平部分が外径2mmの親水性のガラス管で構成された廃液管6の内部に挿入されている。これら毛細管部材55、56においては、前記化学繊維束の繊維間の空隙を毛細管現象により処理液が流通する。
図2、図4に示すように廃液管6の下流側には、廃液側毛細管部材56から排出された処理液を吸収して貯留するための廃液吸収部7が設けられている。この廃液吸収部7は毛細管部材をなす毛細管シート71と、当該毛細管シート71と接触するように設けられ、毛細管シート71を流通する試料液を吸収するための吸収部材72と、を備えている。毛細管シート71の先端は、廃液管6の下流端から廃液管6の内部に入り込むように設けられる。図2、図4に示すように廃液吸収部7は液体の漏れを防ぐために下側ケース体22の上方に形成された収納部73に収納されている。また廃液管6は支持部材75により、高さ及び左右方向の位置を位置決めされた状態で支持されている。
続いて上側ケース体21について図2、図4を参照して説明する。上側ケース体21は、概略箱型に形成され、後方側の壁面に配線基板3の差込部を容器20の外部に突出させるための切欠きが形成されている。そして上側ケース体21は、差込部31を除いた配線基板3、シリコーン板5及び廃液吸収部7を上方側から覆うように設けられる。上側ケース体21の上面側にはすり鉢状に傾斜した液受け部23が形成されている。図4に示すように上側ケース体21の裏面側における後方側には、シリコーン板5を配線基板3に押圧するための押圧部90が設けられている。
押圧部90は、例えば概略箱形に構成され、上側ケース体21を下側ケース体22に嵌合して互いに係止した時に、押圧部90の下面にてシリコーン板5の上面を下方に押圧する。押圧部90には、貫通孔50の後方側の端部に対応する位置に注入口23に連通し、入口側毛細管部材55が挿入される貫通孔91が形成されている。また押圧部90における前方寄りの位置には、廃液管6及び廃液側毛細管部材56の設置領域を確保するための切り欠き92が形成されている。
既述のように配線基板3、水晶振動子4、シリコーン板5を積層し、入口側毛細管部材55及び廃液側毛細管部材56を貫通孔50に挿入すると共に、廃液側毛細管部材56を廃液管6の後方側端部に接続し、廃液管6の前方側端部に廃液吸収部7を接続する。その後下側ケース体22と上側ケース体21を係止して容器20を形成する。この時押圧部90によりシリコーン板5が押されることによって、シリコーン板5の下面が水晶振動子4及び配線基板3に押し付けられて密着する。これにより貫通孔50が押圧部90により上面側から塞がれ、水晶振動子4の表面に配線基板3、水晶振動子4、シリコーン板5及び押圧部90により囲まれた流路57が形成される。従ってシリコーン板5及び押圧部90(上側ケース体21)が本例の流路形成部材に相当する。
このように構成された感知センサー2は、差込部31を本体部12の差込口17に差し込んだときに、図7に示すように水晶振動子4に設けられた励振電極42A及び43Aで挟まれた第1の振動領域61が第1の発振回路63に接続されて発振する。また水晶振動子4の励振電極42B及び43Bに挟まれた第2の振動領域62が第2の発振回路64に接続されて発振する。本実施の形態の感知センサー2を用いた感知装置では、スイッチ部65により、データ処理部66と第1の発振回路63とを接続するチャンネル1と、データ処理部66と第2の発振回路64とを接続するチャンネル2とを交互に切り替えた間欠発振を行う。
上述の動作により、2つの発振回路63、64からの周波数信号を時分割して後段に取り込み、各振動領域61、62の発振周波数を並行して求めることができる。第1の発振回路63からの出力をチャンネル1、第2の発振回路64からの出力をチャンネル2とすると、例えば1秒間をn分割(nは偶数)し、各チャンネルの発振周波数を1/n秒の処理で順次求めることにより、1秒間に少なくとも1回以上周波数を取得しているため、実質同時に各チャンネルの周波数を取得することができる。
そしてこれらの周波数信号は、データ処理部66に取り込まれる。データ処理部66では、周波数信号を例えばディジタル値として算出し、算出されたディジタル値の時分割データに基づいて、演算処理を行い、例えば、抗原の有無などの演算結果を表示部16に表示する。
続いて本実施の形態の感知センサー2の作用について説明するが、まず比較形態に係る感知センサー200の構成及び比較形態に係る感知センサー200の処理液の流れについて説明する。なお感知センサー2には、感知対象物を含む試料液及び緩衝液が供給されるが、以下、これらを合わせて処理液を呼ぶものとする。
(比較形態に係る感知センサーの励振電極の形状は、本発明と比較するうえでポイントとなる部分ではないので実施例と同様の形状といたしました。)
比較形態に係る感知センサー2は、図8(a)、(b)に示すように本実施の形態と同様に矩形板状の水晶振動子400により構成している。この例では、シリコーン板500に形成された貫通孔501の最大幅は、水晶振動子400の幅よりも長い寸法に設定されている。従って、水晶振動子400は、貫通孔501の内側に収まるように配置され、貫通孔501を配線基板3に押し当てて形成される流路570の側壁は、水晶振動子400の上面から外れた側方に配置される。
比較形態に係る感知センサー2は、図8(a)、(b)に示すように本実施の形態と同様に矩形板状の水晶振動子400により構成している。この例では、シリコーン板500に形成された貫通孔501の最大幅は、水晶振動子400の幅よりも長い寸法に設定されている。従って、水晶振動子400は、貫通孔501の内側に収まるように配置され、貫通孔501を配線基板3に押し当てて形成される流路570の側壁は、水晶振動子400の上面から外れた側方に配置される。
このように小型化した水晶振動子400を貫通孔501の内側の領域に収まるように配置する場合には、水晶振動子4と配線基板3との隙間からの処理液の漏出を防ぐために水晶振動子4の周囲を全周に亘って、例えばシリコーン樹脂などのシール部材900で塞ぐ必要がある。この結果、図8(a)に示すように、シール部材900が水晶振動子400の周囲に盛り上がるように形成されてしまい、流路570の底面に大きな段差が形成されてしまう。
このような感知センサー200において、流路570に処理液100を流した実験結果によると、図9(a)、(b)に示すように処理液100が水晶振動子400の後方側のシール部材900の段差を乗り越えることが難しい。さらにシール部材900を乗り越えられない処理液は、シール部材900の段差に沿って流れ、水晶振動子400の側方のシール部材900と流路570の側壁との間の隙間に流れ込んでしまい、水晶振動子400の表面を流れずに流路570の下流側に流れてしまった。
これに対して本実施の形態に示す感知センサー2においては、水晶振動子4の一端部と他端部の位置にて配線基板3の流路57を横断する領域に亘って隙間を導電性接着剤9aにより封止している。そのためシール部材900を後付けしなくても水晶振動子4の下面側への処理液の流入を防ぐことができる。このように配線基板3上に水晶振動子4を固定する導電性接着剤9aを利用し、水晶振動子4の下面と配線基板3との間を封止することで、これらの位置における水晶振動子4と配線基板3との段差が低くなり、処理液400を水晶振動子4の上方に導入しやすくなる。
上述の観点で、前記一端部と他端部の位置にて水晶振動子4の下面と配線基板3との隙間を封止する導電性接着剤9aは、封止剤としての役割を果たしている。
上述の観点で、前記一端部と他端部の位置にて水晶振動子4の下面と配線基板3との隙間を封止する導電性接着剤9aは、封止剤としての役割を果たしている。
また本実施の形態に示す感知センサー2においては、流路57の側壁を水晶振動子4の側周縁の上方に配置し、流路57の側壁と、水晶振動子4の側周縁との間に処理液の流れこむ隙間が形成されないようにしている。そのため、図10(a)、(b)に示すように処理液100は当該流路57に案内され、導電性接着剤9aにより隙間が封止された、水晶振動子4の一端部から他端部に亘る領域を通過するので、励振電極42A、42Bの上面に処理液100を確実に供給することができる。
また図8(a)、(b)に示すように水晶振動子4の周囲をシール部材900で塞いだときには、既述のようにシール部材900が大きな段差になる。このため、図8(a)、(b)のシール部材900によるシールがなされた水晶振動子4に対して、本実施の形態と同様に流路570の側壁を水晶振動子4の側周縁の上方に配置しようとすると、シール部材900の段差によりシリコーン板500を配線基板3に密着させることが難しくなる。そのためシリコーン板500と配線基板3との間に隙間が生じやすく処理液100が漏れやすくなる。
これに対して本例の感知センサー2は、既述のように水晶振動子4と配線基板3との段差が低いので、水晶振動子4の側周縁の上方にシリコーン板5(流路57の側壁)を配置してもシリコーン板5と配線基板3との間に隙間が形成されにくい。このため、漏れを発生させずに、水晶振動子4の上面に処理液100を通流させることができる。
また、流路57を構成するシリコーン板5は水晶振動子4の側周縁上に位置しているので、当該側周縁側においては、水晶振動子4と配線基板3との隙間を封止する必要がない。
また、流路57を構成するシリコーン板5は水晶振動子4の側周縁上に位置しているので、当該側周縁側においては、水晶振動子4と配線基板3との隙間を封止する必要がない。
続いて感知センサー2を用い、試料液中の感知対象物の有無を判定する工程について説明する。先ず感知センサー2を本体部12に接続し、インジェクタを用いて、液受け部23に例えば生理食塩水からなり感知対象物を含まない緩衝液を滴下する。緩衝液は毛細管現象により入口側毛細管部材55に吸収され、当該毛細管部材55内を通流し、流路57に流れ込む。このとき既述のように流路57に流れ込んだ処理液が水晶振動子4の表面に確実に導入される。
そして流路57を流れる緩衝液が、励振電極42A、42B表面に供給されると、これら励振電極42A、42Bは流路57の入口側から出口側へ向かって見て対称に形成されているため、等しく水圧の影響を受ける。これによって第1の振動領域61、第2の振動領域62の発振周波数F1、F2が共に等しく低下する。
そして流路57を流れる緩衝液が、励振電極42A、42B表面に供給されると、これら励振電極42A、42Bは流路57の入口側から出口側へ向かって見て対称に形成されているため、等しく水圧の影響を受ける。これによって第1の振動領域61、第2の振動領域62の発振周波数F1、F2が共に等しく低下する。
続いて緩衝液と同量の試料液を液受け部23へ供給する。これにより入口側毛細管部材55に吸収されている緩衝液に加わる圧力が高くなり、サイホンの原理と毛細管現象とによって当該緩衝液は再び廃液管6内を下流側へ向かって流れ、試料液が入口側毛細管部材55に吸収される。吸収された試料液は、緩衝液に続いて入口側毛細管部材55から流路57に流れ込み、緩衝液と同様に流路57を流れ、流路57が緩衝液から試料液に置換される。
このときにも、励振電極42A、42Bが流路の入口側から出口側に見て対称に形成されているため、これらの励振電極42A、42Bは流路57内の液の切り替わりによる圧力変化を均等に受け、当該圧力変化による第1の振動領域61、第2の振動領域62の発振周波数が互いに揃って変化する。試料液中に測定対象物(この例では感知対象物)が含まれる場合には吸着膜47に当該感知対象物が吸着され、この吸着量に応じて周波数F1が下降し、F1−F2が変化する。このようにF1−F2の変化に基づいて試料液中の抗原の有無の判定を行うことができる。
上述の実施の形態によれば以下の効果がある。配線基板3の上面に固定された水晶振動子4の表面に流路57となる貫通孔50を備えたシリコーン板5を配置して、処理液を水晶振動子4の一端側から他端側に通流させる流路57を形成している。このとき小型化された水晶振動子4の一端側端部から他端側端部に亘る領域を処理液100が通過するように貫通孔50を形成し、一端側から他端側を見て、水晶振動子4の側周縁の上方に流路57の側壁を配置している。そして流路57を幅方向に沿って、水晶振動子4の一端側端部の下面及び他端側端部の下面と配線基板3との隙間を導電性接着剤9aにより塞ぐことで水晶振動子4の下面側への処理液の漏出を抑制できる。
従って流路57における水晶振動子4の一端側及び他端側の端部の段差を低く抑え、水晶振動子4の表面に処理液を流しやすくすることができる。また水晶振動子3の側端面と流路57の壁面との間に、隙間が形成されないため処理液が水晶振動子4の表面を迂回して流路の下流側に流れることができない。従って処理液を水晶振動子4の表面に確実に通流させることができ、感知センサー2の検出感度及び測定精度が良くなる。上述の実施の形態では、水晶振動子4の前方側及び後方側の下面周縁と配線基板3との隙間を夫々水晶振動子4の幅方向一端から他端に亘って、導電性接着剤9aにより塞いでいるが、流路570を横断する領域に設けられていればよい。
また水晶振動子4の前方側下面及び後方側下面の隙間を塞ぐ接着剤として、励振電極42A、42B、43A、43Bを配線基板2側の端子部251、261A、261B、271に接続するために用いる導電性接着剤9aを用いている。これにより配線基板3の端子部251、261A、261B、271に導電性接着剤9aを塗布する工程において、同時に水晶振動子4の前方側下面及び後方側下面と配線基板3との隙間を塞ぐ導電性接着剤9aを同時に塗布することができるため感知センサー2の製造工程を簡略化することができる。
また水晶振動子4の前方側下面及び後方側下面の隙間を塞ぐ接着剤として導電性接着剤9aを用いるときには、水晶振動子4側の端子を水晶振動子3の側方側の周縁に形成することが好ましい。このように構成することで励振電極42A、B、43A、Bと、配線25〜27を接続する導電性接着剤9aが処理液に触れないようにすることができるため、処理液を介した電気的なショートを防ぐことができる。
また、前記一端部と他端部の位置にて水晶振動子4の下面と配線基板3との隙間を封止する封止剤は、導電性接着剤を用いる場合に限定されず、シリコーン系の接着剤など導電性を有しないものであってもよい。
また、前記一端部と他端部の位置にて水晶振動子4の下面と配線基板3との隙間を封止する封止剤は、導電性接着剤を用いる場合に限定されず、シリコーン系の接着剤など導電性を有しないものであってもよい。
本実施の形態によれば、水晶振動子4の大きさを前後の長さ2mm〜5mm例えば2mm〜3mm、幅2mm〜5mm、例えば2mm〜3mm程度に小型化した場合にも、水晶振動子4の表面に処理液を安定して供給することができる。従って感知センサー2のコストを抑制しながら、感知センサー2の感知精度の低下を抑制することができる。
2 感知センサー
3 配線基板
4 水晶振動子
5 シリコーン板
9、9a 導電性接着剤
21 上側ケース体
22 下側ケース体
50 貫通孔
57 流路
3 配線基板
4 水晶振動子
5 シリコーン板
9、9a 導電性接着剤
21 上側ケース体
22 下側ケース体
50 貫通孔
57 流路
Claims (3)
- 発振周波数を測定するための測定器に接続される接続端子を備えると共に、一面側に凹部が形成された配線基板と、
圧電片の両面に、前記接続端子と電気的に接続される励振電極を設けて振動領域が形成され、前記振動領域が凹部と対向するように当該凹部を塞ぐ位置の前記配線基板上に設けられると共に、前記凹部に対向する面とは反対側の励振電極に、試料液中の感知対象物を吸着する吸着膜が形成された圧電振動子と、
前記圧電振動子を含む前記配線基板の前記一面を覆うように設けられ、試料液の注入口を備えると共に、前記一面との間に試料液の流路を形成するための溝部が形成された流路形成部と、を備え、
前記溝部は、前記注入口に供給された試料液が前記圧電振動子の一端部から他端部に亘る領域を通過する流路を形成し、当該流路の幅方向の両端部が前記圧電振動子上に位置するように形成されていることと、
前記圧電振動子の一端部及び他端部の下面と、前記配線基板との隙間は試料液の進入を防ぐための封止剤により封止されていることと、を特徴とする感知センサー。 - 前記圧電振動子と前記配線基板とは、前記励振電極と接続端子とを電気的に接続させる導電性接着剤を用いて接着されていることと、
前記封止剤は、前記導電性接着剤により構成されていることと、を特徴とする請求項1に記載の感知センサー。 - 前記圧電振動子は、試料液の流れる方向に見て幅2〜5mm、前後の長さ2〜5mmの範囲内の大きさであることを特徴とする請求項1または2に記載の感知センサー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018228420A JP2020091193A (ja) | 2018-12-05 | 2018-12-05 | 感知センサー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018228420A JP2020091193A (ja) | 2018-12-05 | 2018-12-05 | 感知センサー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020091193A true JP2020091193A (ja) | 2020-06-11 |
Family
ID=71013731
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018228420A Pending JP2020091193A (ja) | 2018-12-05 | 2018-12-05 | 感知センサー |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020091193A (ja) |
-
2018
- 2018-12-05 JP JP2018228420A patent/JP2020091193A/ja active Pending
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