JP4256871B2 - 水晶センサ及び感知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水晶片の一方の面が測定雰囲気に接触し、他方の面が気密空間に臨むように構成され、周波数の変化を検出して測定対象物を感知するランジュバン型の水晶振動子を利用した水晶センサ及びこの水晶センサを用いた感知装置に関する。
微量物質、例えばダイオキシンなどの環境汚染物質あるいはC型肝炎ウイルスやC−反応性タンパク(CRP)などの疾病マーカーを感知するために水晶振動子を利用した水晶センサを備えた感知装置を用いた測定法が広く知られている。
具体的に述べると前記測定法は、水晶振動子の一面側の励振電極に予め吸着層を形成しておき、測定対象物が吸着するとその吸着した物質の質量に応じて水晶片の共振周波数が変動する性質を利用して、試料溶液中に測定対象物が有るか無いか、あるいはその成分の濃度を計測する測定法である。特許文献1には、この測定法で用いられる水晶センサに含まれる水晶振動子が、免疫ラテックス溶液中で安定して発振されるためには、水晶振動子の片面のみが測定雰囲気に接触している構造が好ましいことが記載されている。
このような水晶センサは、一般にランジュバン型の水晶振動子と呼ばれている。特許文献1には記載されていないが、一般的にランジュバン型の水晶振動子の基本構造としては、図11に示したような構成とされる。図中10は、円形板状の水晶片であり、その両面の中央部には夫々箔状の電極11、12が形成されている。これら電極11、12には、外部に電気信号を取り出すための支持線部材13、14例えば線径0.5mm程度のリード線が接続されている。前記水晶片10の他面側には凹部15が形成されたベース体16が設けられており、接着剤17によって前記水晶片10とベース体16とが固着され、これにより水晶片10と前記凹部15とで囲まれる気密空間を形成している。
ところで近年、環境保護の観点から前記ダイオキシンなどの環境に与える影響が大きい毒性物質のさらなる取締りが要求されており、pptレベルでの測定を可能とするための工夫が各方面で進められている。一方、水晶振動子の共振周波数は水晶片の厚さが小さくなるほど増大する。そしてSauerbreyの式より、この水晶振動子の発する周波数が大きくなるほど、測定物質の質量変化量に対する周波数の変化量が大きくなる。つまり水晶片の薄層化が進むほど水晶センサの測定感度が上昇して、極微量の物質を測定することが可能となるために水晶片の薄層化が要求されている。
現在は水晶片を薄層化する技術が進み、厚さ数〜数十μm程度の水晶片も作り出すことが可能となっている。しかしこの薄層化した水晶片を用いて水晶振動子を構成した場合、当該水晶振動子は測定試料溶液の表面張力の影響を受けやすく、その表面張力により発振が起こらなくなるかあるいは安定して発振しなくなるおそれがある。液体10Bは平面に滴下すると図12(a)に示すように表面張力により凸状に湾曲して盛り上がり、また凹部内においては図12(b)に示すように液面が凹状に湾曲し、このため表面張力により平面に応力が働く。従って図12(a)の平面部分あるいは図12(b)の底面部分に水晶振動子10Aを設けるとこの水晶振動子10Aに応力が作用する。このため図11に示す構造においては水晶振動子10Aに試料溶液の表面張力により矢印に示すように応力が働く。試料溶液の収容領域を広く取れば表面張力の影響は小さくなるかもしれないが、そうすると水晶センサが大型化してしまう。従って実際は水晶振動子10Aは試料溶液の表面張力の影響を避けられず、水晶片の薄層化が進むと、固有振動数の変化分に対する水晶片に加わる応力の影響が大きくなり、発振しなくなる場合もある。
またランジュバン型の水晶センサとしては特許文献2に記載の技術があり、この技術は水晶振動子の一面側に試料溶液の通流空間を形成し、流入口から試料溶液を供給して流出口から流出させながら測定を行うものである。しかしながらこのように試料溶液を流動させる手法は、薄層化された水晶片に大きな応力が加わるので到底採用できる構造ではないし、また表面張力の問題を解決する構造も示唆されていない。
特開2001−83154(段落0009、段落0019及び図1) 特開平11−183479(段落0024、図3及び図10)
本発明の課題は上述した従来技術の欠点を解消することであり、本発明の目的は測定感度が高い、かつ測定の際に試料溶液の表面張力の影響を受けることが抑えられ、水晶振動子が安定して発振することができるランジュバン型の水晶センサ及び感知装置を提供することにある。
本発明における水晶センサは、試料溶液を注入口よりも低い液面レベルまで満たし、試料溶液を静止させた状態で当該試料溶液中の測定対象物を測定するために用いられる水晶センサにおいて、
気密空間を形成するための凹部を備えた部材と、
水晶片の一面側及び他面側に各々励振電極が設けられ、他面側の励振電極が前記気密空間に臨むように当該凹部を塞いだ状態で前記部材に保持されている水晶振動子と、
前記一面側の励振電極に設けられ、試料溶液中の測定対象物を吸着する吸着層と、
前記水晶振動子の一面側の上方空間を囲み、前記吸着層に接する試料溶液の収容領域を形成するための収容領域形成部と、
前記水晶振動子の一面側に対して前記収容領域を介して対向し、当該水晶振動子の励振電極よりも大きい、試料溶液の表面張力の影響を抑えるための対向面部と、
この対向面部の外側領域にて、前記対向面部よりも高い位置に形成され、前記収容領域に試料溶液を注入するための注入口と、
前記注入口とは異なる位置にて前記収容領域に連通し、試料溶液の液面レベルを確認するための確認口と、
を備え、
測定対象物が吸着層に吸着されることによる水晶振動子の固有振動数の変化に基づいて測定対象物を測定し、その測定は、試料溶液を対向面部の下方側に満たした静止状態で行われることを特徴とする。
試料溶液を対向面部の下方側に満たした静止状態とは、注入口における液面レベルが対向面部よりも上側に位置していて、対向面部の下方側に空間が存在しない状態を意味する。
水晶振動子は例えばプリント基板に装着され、当該プリント基板の一部が外部に露出して、露出部分に接続端子が設けられている。また例えばその水晶片の等価厚みは200μmよりも薄い。さらにまた他の発明に係る感知装置は、本発明の水晶センサとこの水晶センサの固有振動数の変化を検出して測定対象物の有無及び/または濃度を測定する測定器本体と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、試料溶液中の測定対象物を吸着する吸着層がその一面側に形成されたランジュバン型の水晶振動子を用いた水晶センサにおいて、水晶振動子の励振電極よりも大きい対向面部を設け、この対向面部と励振電極との間に試料溶液を満たした状態で測定を行うため、励振電極の上方の試料溶液の液面は対向面部に接触しているので、表面張力が発生しない。従って励振電極には試料溶液の表面張力による応力が作用しないので、水晶振動子が確実に発振し、また測定対象物の吸着分に対応した周波数で発振するため、高精度な測定を行うことができる。測定感度を高めるためには既述のように水晶振動子の周波数を高くすることが必要であり、そのためには水晶振動子の厚さが小さくなって、僅かな応力が作用しても測定に大きな影響を及ぼすことから、この発明は高感度、高精度の測定(測定対象物の有無検出あるいは濃度測定)を実現することができる。
以下に本発明の実施の形態について述べるが実施の形態の要部の理解を容易にするために先に本発明に係る水晶センサの要部の基本構造について図1を用いて説明する。当該水晶センサは試料溶液の収容領域形成部100、110を備えている。収容領域形成部100には凹部104が形成されており、この凹部104の底面には、気密空間を形成するための凹部105が形成されている。水晶振動子2は凹部105を塞ぐように設けられ、水晶振動子2の他面側の励振電極2Bは凹部105内の空間である気密空間に臨んでいる。 また凹部104は、水晶振動子2の一面側の励振電極2A全体を包含する広さの第1領域101と、この第1領域101の両側に第1領域101と隣接して夫々形成された第2領域102及び第3領域103とを含んでいる。第1領域101は、試料溶液120が水晶振動子2に接触する測定領域をなすものであり、この第1領域101の上方には、水晶振動子2の励振電極2Aよりも大きい、この例では水晶振動子2よりも大きい対向面部107を有する収容領域部110が設けられており、この対向面部107内の投影領域内に励振電極2Aが収まることになる。
なお、第1領域101、第2領域102及び、第3領域103を含む凹部104は試料溶液の収容領域(注入空間)に相当する。第2領域102及び第3領域103の上面側は夫々孔108、109を介して水晶センサの外部と連通しており、第2領域102の上面側の孔108は前記注入空間に試料溶液120を注入するための注入口として構成される。また第3領域の上面側の孔109は、例えば後述の実施形態において詳述するように試料溶液120の確認口(検出口)として形成されることが好ましい。
収容領域形成部100、110は、一体の部材により構成してもよいが、例えば後述の実施の形態に示すように、水晶保持部材と蓋体とに分離された部材により構成される。
このように水晶センサの要部を構成した場合、図で示すように第1領域101に試料溶液120が満たされ静止状態に置かれると、当該領域において試料溶液120の表面張力の発生が抑えられるので、水晶振動子2を安定して発振させることができる。
(第一の実施形態)
本発明に係る水晶センサの第1の実施形態について、図2から図5を用いて説明する。図2は本発明に係る水晶センサの一例を示した斜視図であり、当該水晶センサは配線基板4、水晶保持部材3、水晶振動子2、蓋部5の各部品がこの順に下から重ね合わされることにより構成される。図3は当該水晶センサの各部品の上面側を示した分解斜視図である。
水晶振動子2は、水晶片21、励振電極22、23及び導出電極24、25より構成されている。水晶片21は周線の一部が直線状に切欠された板状に形成されている。この水晶片21の一面側及び他面側には箔状の一方の励振電極22及び他方の励振電極23が夫々貼着して当該水晶片21よりも小径の円形状に形成されている。また前記水晶片21の一面側には、箔状の一方の導出電極24の一端側が前記一方の励振電極22に接続されて形成され、この導出電極24は、水晶片21の端面に沿って屈曲され、水晶片21の他面側に回し込まれている。これら励振電極22、23及び導出電極24、25は振動子電極をなすものである。
さらに水晶片21の他面側には、箔状の他方の導出電極25の一端側が前記他方の励振電極22に先の一方の導出電極24と同様のレイアウトで接続されて形成され、水晶片21の両面において、励振電極22(23)及び導出電極24(25)のレイアウトが同じになっている。
前記励振電極21、22及び導出電極23、24の等価厚みは例えば0.2μmであり、電極材料としては、金あるいは銀などが好適であるが、流体中での周波数安定性の高さと使用前の空気中保存下での電極表面の酸化に強いことから金が好ましい。また、当該水晶センサを用いて感知しようとする対象物質例えばダイオキシンを選択的に吸着する吸着層である抗体等を予め当該水晶振動子2の一面側に付着させておく。
前記水晶振動子2を保持する水晶保持部材3は、例えば厚さ1mmのゴムシートからなり、後述の配線基板4に対応した形状に作られている。即ちこの水晶保持部材3は長方形状体の前方側の一縁の中央に矩形状の切り欠き3aが形成され、後方側の両隅部に夫々矩形状の切り欠き3b、3cが形成された形状となっている。なお、当該水晶保持部材3の材料としてはゴムが好ましいが他の弾性素材を用いてもよい。水晶保持部材3の一面側には凹部31が形成されており、その形状は、凹部31に水晶振動子2を容易に載置できるように、水晶振動子2の形状の相似形となるように形成され、前記水晶振動子2のサイズと略同一のサイズ、例えば同一かあるいはそれよりもわずかに大きく形成される。また前記凹部31の外側部位には、後述の導電性接着剤の塗布スペースを形成する透孔34、35が当該凹部31を挟んで対向するように穿設されている。なお凹部31の深さは水晶振動子2の厚みよりも少し大きく設定される。凹部31の底部中央には、励振電極23のサイズに対応し、当該励振電極23に接する気密雰囲気を形成するための円形状の凹部32が形成されている。
次に配線基板4について説明する。この配線基板4は例えばプリント基板からなり、前端側から後端側に向けて電極44、前記水晶保持部材3の裏面側から突出する円形の凸部33に対応する円形状の孔部43及び、電極45がこの順に形成されている。また電極45が形成されている箇所よりも後端側寄りには、2本の並行するライン状の導電路パターンが、夫々接続端子部41、42として形成されている。一方の接続端子部41はパターン48を介して電極44と電気的に接続されており、他方の接続端子部42はパターン49を介して電極45と電気的に接続されている。なお孔46、47は、水晶保持部材3の係合突起36、37(図4参照)と夫々係合する係合孔である。そして前記水晶保持部材3の裏面側に突出している凸部33を配線基板4の孔部43に嵌入させると共に、水晶保持部材3の係合突起36、37と配線基板4の係合孔46、47とを夫々嵌合(係合)させることにより、基板4の表面と前記水晶保持部材3の裏面とが密着した状態で、水晶保持部材3が基板4上に固定される。またこのときに、水晶保持部材3の孔34及び孔35を介して電極44及び電極45の一部分又は全体が上面へと露出される。
次に蓋部5の構成について述べる。蓋部5は、図4に示されるように下面側に凹部50が形成されている。この凹部50は図4及び図5に示すように水晶保持部材3における凹部32全体を包含する広さの第1領域51と、この第1領域51の前後に夫々形成された第2領域54及び第3領域55とを含んでいる。第1領域51は、試料溶液が水晶振動子2に接触する測定領域をなすものであり、この第1領域51の上面には、水晶振動子2における励振電極22と同じかそれよりも大きいサイズの対向面部57が設けられ、この対向面部57内の投影領域内に励振電極22が収まることになる。第2領域54及び第3領域55は、水晶保持部材3における導電性接着剤塗布用の孔34、35に夫々かかっており、その上面側には夫々試料溶液の注入口52及び確認口(検出口)53が形成されている。即ち注入口52、確認口53は対向面部57よりも高いレベルに位置している。これら第1領域51、第2領域54及び、第3領域55を含む凹部50は注入空間に相当するものであり、この凹部50を囲む周囲部分の下面、つまり蓋部5の内面は、水晶保持部材3における水晶振動子2を囲む面に密接してこれを押圧する押圧面(密接面)としての役割を持つ。また蓋部5の内面にはこの押圧面を囲むようにリブ56が設けられている。
また注入口55は測定試料の注入を容易にする目的で、蓋部5の内部から蓋部5上面へ向かうに従って、次第にその口径が大きくなるように、即ち当該注入口55の内周はスロープ状になるように形成されている。確認口53は、その確認口53に現れる水位を観察し易いように蓋部5の内部から蓋部5の上面の後端側へ向けて前記確認口53のスロープよりも緩やかな傾斜を持つスロープ部分を持つように形成されている。なお蓋部5を上面から見た場合に、このスロープ部分が、露出されるように確認口53は形成されている。
このような構造の水晶センサは次のようにして組み立てられる。先ず前述のように水晶保持部材3と基板4とを嵌合させ、さらに水晶保持部材3の凹部36上に水晶振動子2をその凹部36に嵌合させるように載置する。それから孔38(39)を介して水晶振動子2の導出電極24(25)と基板4の電極46(48)とが電気的に接続されるように導電性接着剤200を水晶保持部材3の上からディスペンサーなどにより供給する。この導電性接着剤200により水晶振動子2は水晶保持部材3上に固着される。こうして水晶振動子2の下面側には気密空間(凹部36内の空間)が形成され、ランジュバン型水晶センサが構成される。
次いで前記基板4と水晶保持部材3との組立体の上面から蓋部5を、その各爪部5a、5b、5cと各切欠き部4a、4b、4cとを嵌合させるように被せて基板に向かって押圧する。これにより蓋部5に形成された各爪部5a、5b,5cが基板4の外側へと撓み、さらに各爪部5a、5b、5cが各切欠き部4a、4b、4cを介して基板4の周縁部の下面に回りこむと同時に各爪部5a、5b、5cが内方側への復元力により元通りの形状になり、基板4が各爪部5a、5b、5cに挟み込まれて互いに係止される。また蓋部5の内側の前記押圧面が水晶保持部材3の上面に密接し、試料溶液の注入空間が形成される。また測定前に水晶振動子2に注入口52及び確認口53から侵入した不純物が付着するのを防ぐために、注入口52及び確認口53はフィルムシート状の保護シート(図示せず)で被覆される。
本実施形態における水晶センサが使用される際には、作業者が蓋部5の注入口52を介して試料溶液を注入器により第2領域54内に所定量流入させると、試料溶液はさらに第1領域51に流れ込むことで水晶振動子2の一面が測定雰囲気に接する。なおこの際に蓋部5の水晶保持部材3にめり込んだリブ56に阻まれることで、試料溶液が蓋部5と水晶保持部材3との間から当該水晶センサ外へ漏洩することが確実に防止される。また、第1領域55に流れ込んだ試料溶液は第3領域55にも流れ込む。試料溶液の注入を続けると各領域で試料溶液の水位が上昇するが第1領域51中に試料溶液が満ちると当該領域において表面張力が消失する。従って水晶振動子2の励振電極22には試料溶液の表面張力による応力が作用しないので、水晶振動子2が確実に発振し、また測定対象物の吸着分に対応した周波数で発振するため、高精度な測定を行うことができる。測定感度を高めるためには既述のように水晶振動子の周波数を高くすることが必要であり、そのためには水晶振動子の厚さが小さくなって、僅かな応力が作用しても測定に大きな影響を及ぼすことから、この発明は高感度、高精度の測定(測定対象物の有無検出あるいは濃度測定)を実現することができる。
以上のことから本発明は、特に水晶振動子の固有振動数が8.3MHz以上である場合に、つまり水晶片の等価厚みが200μm以下の場合に有効であると捉えているが、この発明はこのような条件に限定されるものではない。
なお試料溶液が第1領域を満たすと共に第3領域における試料溶液の液面は、確認口53に達して、試料溶液を加え続けた場合、当該液面は確認口53に形成されたスロープ部分を登っていく。これにより当該水晶センサに試料溶液を注入したこと及び第1領域51中に試料溶液が満ちていることが、当該水晶センサの外部から容易に判別される。
ここで水晶センサは、例えばブロック図である図6で示されるような構成をもつ測定器本体6に接続されることで感知装置の検知部として使用される。図中62は、水晶センサの水晶片21を発振させる発振回路、63は基準周波数信号を発生する基準クロック発生部、64は例えばヘテロダイン検波器からなる周波数差検出手段であり、発振回路62からの周波数信号及び基準クロック発生部63からのクロック信号に基づいて両者の周波数差に対応する周波数信号を取り出す。65は増幅部、66は増幅部65からの出力信号の周波数をカウントするカウンタ、67はデータ処理部である。
水晶センサの周波数としては例えば9MHzが選ばれ、また基準クロック発生部53の周波数としては例えば10MHzが選ばれたとすると、感知対象物質である例えばダイオキシンが当該水晶センサに含まれる水晶振動子2に吸着していないときには、周波数差検出手段64では、水晶センサ側からの周波数と基準クロックの周波数との差である1MHzの周波数信号(周波数差信号)が出力されるが、試料溶液中に含まれる測定対象物質(例えばダイオキシン)が水晶振動子2に吸着すると、固有振動数が変化し、このため周波数差信号も変化するので、カウンタ66におけるカウント値が変化する。そして例えば周波数の変化分(カウント値の変化分)と試料溶液中の測定対象物例えばダイオキシンの濃度との検量線を予め作成しておくことにより、測定対象物質の濃度あるいは有無を検知できる。
図7は上述の測定器本体6の一例を示す図である。図7(a)で示されるように当該測定器本体6は、本体部71と本体部71の前面に形成されている開閉自在の蓋部72とからなる。蓋部72を開くと図6(b)で示すように本体部71の前面が現れる。この本体部71の前面には当該水晶センサの差込口73が複数形成されており、当該差込口73は、例えば8つ、直線状に一定の間隔を持って形成されている。
測定器本体6の各差込口73に対して、各水晶センサの基板40の後端側を水平に一定の深さまで差し込むことで、基板4の接続端子部41、42と差込口73の内部に形成された電極とが電気的に接続されると同時に、差込口73の内部が基板4を挟持することで水晶センサが水平を保ったまま測定器本体6に固定される。このような構造とすれば特殊なアタッチメントなどを必要とせずに直接測定器6本体に接続することができるので、配線が測定台上に引き回されず、従って測定作業がやりやすい。
次に本発明の他の実施形態について説明する。図8は本実施形態に係る水晶センサに用いられるリング状の水晶保持部材8を示している。この水晶保持部材8は弾性のある材質例えばゴムからなり、一面側が水晶振動子を載置する載置部81、他面側が基板9へ嵌入する嵌入部82として構成されている。載置部81は、水晶振動子2の励振電極22と同一サイズか、またはわずかに大きいサイズの透孔84が中心部に形成されると共に、外形が水晶振動子2と略同一サイズのリング状の載置面部84aと、この84aの周囲を囲む周壁部80と、を備えている。周壁部80の上面部には、互いに対向する部位に切り欠き84b、85が形成されると共に、当該上面部における84b、85の間には、載置面部84aとの間に水晶片21の厚さに相当する隙間を介して内方側に突出する突片88が形成されている。また周壁部80における突片88と対向する内面は、水晶片21の外周の一部の直線部位に合わせて直線状に形成されている。嵌入部82は載置部81における載置面部84とは反対側中央に設けられ、その外形が後述の配線基板(例えばプリント基板)9の孔部である透孔93(図9(a)参照)に嵌入される大きさに形成され、かつ配線基板9の厚さに相当する長さのリング部86と、このリング部86の先端周縁に形成されたフランジ87とを備えており、リング部86の内部空間は前記透孔84に連通している。
図9はこの実施の形態に用いられる配線基板9及び組立工程を示す。配線基板9は一端側にプリント配線からなる接続端子部91、92が形成され、これら接続端子部91、92は先の実施形態と同様に測定器本体6に着脱できるようになっている。配線基板9の中央には前記水晶保持部材8のリング部86の外形に対応する大きさの円形の透孔93が穿設されており、リング部86を配線基板9の一面側から透孔93に嵌入することにより、配線基板9の他面側にてフランジ87が係止され、これにより水晶保持部材8が配線基板9に固定されることになる。そして載置部81の突片82を少し持ち上げて当該載置部81に水晶振動子2を嵌め込む。図8(c)及び図9(c)は水晶振動子2が載置部81に嵌め込まれた状態を示す平面図である。
更に水晶振動子2の電極(この例では導出電極24、25)と配線基板9側の電極94、95とを夫々切り欠き84、85を介して導電性接着剤90により接続する。なお電極94、95は接続端子部91、92に夫々電気的に接続されている。次いで図10(a)に示すように弾性シート例えばゴムシート9Aを、その中央部に形成された透孔93と水晶振動子2とが重なるように配線基板9の他面側に重ね合わせ、更にこのシート9Aに蓋部である上ケース9Cを重ね合わせ、上ケース9Cの周縁と配線基板9の周縁部とを係合させる(図10(c))。上ケース9Cは先の実施形態のように注入空間C1及びこの注入空間に連通する注入口C2及び確認口C3が形成されている。また配線基板9の一面側においても基台部をなす下ケース9Bを装着する(図10(b))。なお図10(d)に示すように下ケース9Bにおける載置部81に対応する位置には凹部B1が形成され、この凹部B1内の空間が水晶振動子2の一面側に接する気密空間をなしている。従ってこの例においてもランジュバン型の水晶センサが構成されることになる。
このようにして組み立てられた水晶センサは水晶保持部材8のリング穴84を介して水晶振動子2の一面側が試料溶液の収容領域に接しており、先の実施形態と同様にして測定を行うことができる。そしてこの例においても図10(d)で示すように水晶振動子2の他面側は、収容領域を介して上ケース9Cの水晶振動子2よりも大きいサイズの対向面部に面している、即ち当該水晶振動子2の励振電極22は前述の要部の基本構造で述べた第1領域に面している。この第1領域の前後は要部の基本構造で述べた第2、第3領域に相当する領域に隣接しているため、この実施形態においても測定時に試料溶液の表面張力の影響が抑えられた状態で水晶振動子2を発振させて測定を行うことが可能である。
以上において本発明者は固有振動数が30MHzの水晶振動子を用い、図11に示す構造を作成し、200μLの精製水を注入して発振させようとしたが、発振しなかった。これに対して同様の水晶振動子を用いた、先の第一の実施の形態の水晶センサに対して同様の試料溶液を注入したところ安定して発振していた。
本発明にかかる水晶センサの要部の構造を示した説明図である。 本発明に係る水晶センサの一実施の形態を示した斜視図である。 前記水晶センサの各部品の上面を示した分解斜視図である。 前記水晶センサの各部品の下面を示した分解斜視図である。 前記水晶センサの縦断側面図である。 本発明に係る水晶センサが接続される測定器本体の構成の一例を示したブロック図である。 前記測定器本体の一例であるバイオセンサーを示した斜視図である。 他の実施の形態に係る水晶センサに用いられるリング状の水晶保持部材の一例を示した説明図である。 前記水晶保持部材を用いた水晶センサの組み立て工程図である。 前記水晶保持部材を用いた水晶センサの組み立て工程図である。 従来用いられている水晶センサの構成の一例を示した説明図である。 前記水晶センサに含まれる水晶振動子が受ける表面張力の影響を示した説明図である。
符号の説明
101、51 第1領域
102、54 第2領域
103、55 第3領域
2 水晶振動子
22、23 励振電極
3、8 水晶保持部材
4、9 配線基板
41、42、91、92 接続端子部
5 蓋部
6 測定器本体

Claims (4)

  1. 試料溶液を注入口よりも低い液面レベルまで満たし、試料溶液を静止させた状態で当該試料溶液中の測定対象物を測定するために用いられる水晶センサにおいて、
    気密空間を形成するための凹部を備えた部材と、
    水晶片の一面側及び他面側に各々励振電極が設けられ、他面側の励振電極が前記気密空間に臨むように当該凹部を塞いだ状態で前記部材に保持されている水晶振動子と、
    前記一面側の励振電極に設けられ、試料溶液中の測定対象物を吸着する吸着層と、
    前記水晶振動子の一面側の上方空間を囲み、前記吸着層に接する試料溶液の収容領域を形成するための収容領域形成部と、
    前記水晶振動子の一面側に対して前記収容領域を介して対向し、当該水晶振動子の励振電極よりも大きい、試料溶液の表面張力の影響を抑えるための対向面部と、
    この対向面部の外側領域にて、前記対向面部よりも高い位置に形成され、前記収容領域に試料溶液を注入するための注入口と、
    前記注入口とは異なる位置にて前記収容領域に連通し、試料溶液の液面レベルを確認するための確認口と、
    を備え、
    測定対象物が吸着層に吸着されることによる水晶振動子の固有振動数の変化に基づいて測定対象物を測定し、その測定は、試料溶液を対向面部の下方側に満たした静止状態で行われることを特徴とする水晶センサ。
  2. 水晶振動子はプリント基板に装着され、当該プリント基板の一部が外部に露出して、露出部分に接続端子が設けられていることを特徴とする請求項1記載の水晶センサ。
  3. 水晶片の等価厚みが200μmより薄いことを特徴とする請求項1または2に記載の水晶センサ。
  4. 請求項1ないしのいずれか一つに記載された水晶センサと、この水晶センサの固有振動数の変化を検出して測定対象物の有無及び/または濃度を測定する測定器本体と、を備えたことを特徴とする感知装置。
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