JP7307028B2 - センサ、異種材料間腐食の評価装置および異種材料間腐食の評価方法 - Google Patents
センサ、異種材料間腐食の評価装置および異種材料間腐食の評価方法 Download PDFInfo
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Description
本発明の第2の態様は、異種材料間腐食を評価に用いられるセンサであって、水晶振動子と、水晶振動子の1つの面に設けられた第1の電極と、水晶振動子の1つの面に設けられ、第1の電極と電気的に絶縁された状態にある第2の電極と、第1の電極および第2の電極に設けられた2つの評価材料部とを有し、2つの評価材料部は、互いに異なる材料で構成され、かつ直接接しており、2つの評価材料部の少なくとも一方の評価材料部が、第1の電極および第2の電極のうち、少なくとも一方に設けられる、センサを提供するものである。
本発明の第3の態様は、異種材料間腐食を評価に用いられるセンサであって、水晶振動子と、水晶振動子の1つの面に設けられた第1の電極と、水晶振動子の1つの面に設けられ、第1の電極と電気的に絶縁された状態にある第2の電極と、第1の電極に設けられた2つの評価材料部とを有し、2つの評価材料部は、互いに異なる材料で構成され、かつ直接接しており、第2の電極に、2つの評価材料部のうち、異種材料間腐食により腐食される評価材料部が設けられる、センサを提供するものである。
本発明の第5の態様は、異種材料間腐食を評価に用いられるセンサであって、水晶振動子と、水晶振動子の1つの面に設けられた第1の電極と、水晶振動子の1つの面に設けられ、第1の電極と電気的に絶縁された状態にある第2の電極と、水晶振動子の1つの面に設けられ、第1の電極および第2の電極と電気的に絶縁された状態にある第3の電極と、第1の電極に設けられた2つの評価材料部とを有し、2つの評価材料部は、互いに異なる材料で構成され、かつ直接接しており、第2の電極に、2つの評価材料部のうち、一方の評価材料部が設けられ、第3の電極に、2つの評価材料部のうち、他方の評価材料部が設けられる、センサを提供するものである。
評価材料部は、Au、Si、SiO2、SiOC、Cu、Co、W、Ti、TiN、Ta、TaN、Ru、Mo、Zn、ならびにこれらを含む酸化物、および合金の中から選択された材料で構成されることが好ましい。
本発明の第8の態様は、対象液に対する異種材料間腐食を評価する評価装置であって、本発明の第2の態様のセンサと、センサの水晶振動子を共振周波数で振動させる発振部と、センサの第1の電極および第2の電極に接続され、対象液による評価材料部の異種材料間腐食による水晶振動子の共振周波数の変化量を検出する検出部とを有する、異種材料間腐食の評価装置を提供するものである。
本発明の第9の態様は、対象液に対する異種材料間腐食を評価する評価装置であって、本発明の第3の態様のセンサと、センサの水晶振動子を共振周波数で振動させる発振部と、センサの第1の電極に接続され、対象液による評価材料部の異種材料間腐食による水晶振動子の共振周波数の変化量と、第2の電極に接続され、異種材料間腐食により腐食される評価材料部の対象液による水晶振動子の共振周波数の変化量とを検出する検出部とを有する、異種材料間腐食の評価装置を提供するものである。
本発明の第11の態様は、対象液に対する異種材料間腐食を評価する評価装置であって、本発明の第5の態様のセンサと、センサの水晶振動子を共振周波数で振動させる発振部と、センサの第1の電極に接続され、対象液による評価材料部の異種材料間腐食による水晶振動子の共振周波数の変化量と、第2の電極に接続され、2つの評価材料部のうち、一方の評価材料部の対象液による水晶振動子の共振周波数の変化量と、第3の電極に接続され、2つの評価材料部のうち、他方の評価材料部の対象液による水晶振動子の共振周波数の変化量とを検出する検出部とを有する、異種材料間腐食の評価装置を提供するものである。
本発明の第12の態様は、対象液に対する異種材料間腐食を評価する評価装置であって、本発明の第6の態様のセンサと、センサの水晶振動子を共振周波数で振動させる発振部と、センサの第1の電極および第2の電極に接続され、対象液による評価材料部の異種材料間腐食による水晶振動子の共振周波数の変化量と、第3の電極に接続され、2つの評価材料部のうち、一方の評価材料部の対象液による水晶振動子の共振周波数の変化量と、第4の電極に接続され、2つの評価材料部のうち、他方の評価材料部の対象液による水晶振動子の共振周波数の変化量とを検出する検出部とを有する、異種材料間腐食の評価装置を提供するものである。
対象液をセンサに供給して、対象液をセンサに接触させる供給部を有することが好ましい。
対象液と接する接液部の少なくとも一部は、フッ素系樹脂で構成されることが好ましい。
さらに、共振周波数の変化量を表示する表示部を有することが好ましい。
供給部は、対象液をセンサに一方向に流して供給することが好ましい。
供給部は、対象液をセンサに循環して供給するものであり、対象液の循環流量が0.01~1000ml/sであることが好ましい。
例えば、対象液は、少なくとも1つ以上の成分と水とを含有する液体であり、成分は、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、ヒドロキシルアミンまたはその誘導体、フッ化水素、アミノアルコール、四級アンモニウム塩、および、過酸化水素からなる群から選択されるものである。
センサの評価材料部は、Au、Si、SiO2、SiOC、Cu、Co、W、Ti、TiN、Ta、TaN、Ru、Mo、Zn、ならびにこれらを含む酸化物、および合金の中から選択された材料で構成されることが好ましい。
本発明の第14の態様は、対象液に対する異種材料間腐食を評価する評価方法であって、本発明の第3の態様または第4の態様のセンサと対象液を接触させ、センサの水晶振動子を共振周波数で振動させ、対象液による評価材料部の異種材料間腐食による水晶振動子の共振周波数の変化量と、異種材料間腐食により腐食される評価材料部の対象液による水晶振動子の共振周波数の変化量とを検出する検出工程を有する、異種材料間腐食の評価方法を提供するものである。
本発明の第15の態様は、対象液に対する異種材料間腐食を評価する評価方法であって、本発明の第5の態様または第6の態様のセンサと対象液を接触させ、センサの水晶振動子を共振周波数で振動させ、対象液による評価材料部の異種材料間腐食による水晶振動子の共振周波数の変化量と、2つの評価材料部のうち、一方の評価材料部の対象液による水晶振動子の共振周波数の変化量と、2つの評価材料部のうち、他方の評価材料部の対象液による水晶振動子の共振周波数の変化量とを検出する検出工程を有する、異種材料間腐食の評価方法を提供するものである。
対象液をセンサに供給して、対象液をセンサに接触させることが好ましい。
対象液をセンサに一方向に流して供給することが好ましい。
供給部は、対象液をセンサに循環して供給するものであり、対象液の循環流量が0.01~1000ml/sであることが好ましい。
センサの評価材料部は、Au、Si、SiO2、SiOC、Cu、Co、W、Ti、TiN、Ta、TaN、Ru、Mo、Zn、ならびにこれらを含む酸化物、および合金の中から選択された材料で構成されることが好ましい。
例えば、対象液は、少なくとも1つ以上の成分と水とを含有する液体であり、成分は、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、ヒドロキシルアミンまたはその誘導体、フッ化水素、アミノアルコール、四級アンモニウム塩、および、過酸化水素からなる群から選択されるものである。
なお、以下に説明する図は、本発明を説明するための例示的なものであり、以下に示す図に本発明が限定されるものではない。
なお、以下において数値範囲を示す「~」とは両側に記載された数値を含む。例えば、εが数値α~数値βとは、εの範囲は数値αと数値βを含む範囲であり、数学記号で示せばα≦ε≦βである。
ここで、異種材料とは「材料種類が異なる」ものをいう。より詳しくは、異種材料とは、化学的構成成分が異なるもの、および物理的性質が異なるもののうち、いずれか、または両方を満たすものである。異種材料の具体例としては、例えば、CuとCuO2は構成成分が異なり、かつ物理的特性が異なる。ここで、Cuは導電性があるが、CuO2は導電性が低く、絶縁体に近い特性を持っている。そのため、この二種は異種材料である。
また、めっきによる製膜したCuとPVD(Physical Vapor Deposition)により製膜したCuは化学的構成成分が同じである。しかし、物理的性質が異なる。めっきによる製膜したCuはRedox Potentialが低いが、PVDにより製膜したCuはRedox Potentialが相対的に低い等の物理的性質が異なる。このため、これらの二種は「異種金属」、すなわち、は異種材料に包含される。
図1は本発明の実施形態の異種材料間腐食の評価装置の一例を示す模式図であり、図2は本発明の実施形態のセンサの第1の例を示す模式的断面図である。
図1に示す異種材料間腐食の評価装置10は、互いに異なる材料で構成された異種材料における異種材料間腐食を評価する装置であり、例えば、腐食速度等を評価する。以下、異種材料間腐食の評価装置10のことを、単に評価装置10という。
評価装置10は、フローセルユニット12と、発振部14と、検出部15と、算出部16と、メモリ18と、供給部20と、制御部22とを有する。評価装置10は、さらに、表示部23と、出力部24と、入力部25とを有する。
制御部22は、フローセルユニット12、発振部14、検出部15、算出部16、メモリ18、および、供給部20の動作を制御するものである。また、制御部22は、表示部23および出力部24の動作の制御、ならびに、入力部25からの入力情報に基づき、評価装置10の各構成部を制御する。
また、発振部14に検出部15が電気的に接続されている。検出部15は、水晶振動子27の共振周波数を測定し、かつ対象液による評価材料部の異種材料間腐食による水晶振動子の共振周波数の変化量を検出するものである。なお、検出部15は、後述する、異種材料間腐食により腐食される評価材料部の対象液による水晶振動子の共振周波数の変化量を検出してもよい。
測定時間とは、評価材料体35を構成する2つの評価材料体35で異種材料間腐食が発生したことによる共振周波数の変化量を得るために必要な時間である。測定時間は、特に限定されるものではなく、対象液の供給流量等に応じて適宜決定されるものであり、例えば、3分以上が好ましく、15分以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、生産性の点から、3時間以下が好ましく、2時間以下がより好ましい。
周波数許容値は、周波数が安定したかどうかを判断する時に、周波数の安定化の指標となる値が安定化に相当する十分小さな値になったか否かを判定するためのしきい値である。周波数許容値は、例えば、設定された測定感度に応じて適宜設定されるものであり、例えば、共振周波数が30MHzの場合、測定感度が5Hzの時に測定時間において許容される誤差範囲は、例えば、0.5Hzに設定される。これは、0.0167ppmに相当する。この誤差範囲に対応する許容値は1.67×10-8(0.0167ppm)以下となる。
図3に示す検量線Lの腐食量は、異種材料間腐食の測定対象を腐食させて、例えば、はかりを用いて測定された減少量である。より具体的には、異種材料間腐食の測定対象を、実際に異種材料間腐食を生じさせて、腐食前後の減少量と、腐食前後の共振周波数とを測定して検量線Lが得られる。
なお、減少量を測定するはかりとしては、腐食量を測定可能な性能を有するものであれば、特に限定されるものではなく、電子天秤等を用いることができる。
出力部24は、得られた共振周波数の変化量、共振周波数、または異種材料間腐食の腐食速度等を媒体に表示するものである。より具体的には、例えば、文字、記号およびバーコードのうち、少なくとも1つを用いて表示するものである。出力部24は、プリンタ等で構成される。
入力部25は、マウスおよびキーボード等の各種情報をオペレータの指示により入力するための各種の入力デバイスである。入力部25を介して、例えば、評価装置10の設定、メモリ18からデータの呼び出し等がなされる。
なお、入力部25には、メモリ18に記憶させる情報を入力するためのインターフェースも含まれ、外部記憶媒体等を通してメモリ18に情報が記憶される。
なお、共振周波数の変化量が得られれば、腐食の判断をすることができる。このため、評価装置10は、得られた共振周波数の変化量を得ることができればよく、共振周波数の変化量を得ること以外の構成は必ずしも必要ではない。このことから、例えば、算出部16は管理方法では必要であるが、共振周波数の変化量を得る評価装置10では必ずしも必要ではない。しかしながら、評価装置10において、異種材料間腐食の腐食速度を算出できるため、算出部16はあってもよい。
温度調整部28は、例えば、ペルチェ素子を有する。ペルチェ素子により対象液の液温が維持される。これにより、対象液の温度を一定に保持することができ、対象液の粘度を一定の範囲とすることができる。異種材料間腐食の測定条件の変動を小さくすることができる。なお、対象液の液温を維持することができれば、温度調整部28の構成は特に限定されない。
上述のようにセンサ26は水晶振動子27を有するが、水晶振動子27は、例えば、円盤状であり、表面27aと、表面27aに対向する裏面27bと、表面27aと裏面27bとの間、かつ表面27aと裏面27bとの外縁に沿って設けられた側面27cとを有する。側面27cは、円周面である。センサ26では、例えば、水晶振動子27の表面27aに電極30が設けられ、裏面27bに裏面電極31が設けられている。なお、電極30はセンサ26の1つの面に設けられていればよい。このため、電極30の配置位置は、水晶振動子27の表面27aに限定されるものではなく、水晶振動子27の表面27a、裏面27bおよび側面27cのいずれかの面であればよく、例えば、側面27cでもよい。
例えば、水晶振動子27の表面27aに電極30の表面30aに、評価材料体35が設けられている。評価材料体35は、第1評価材料部36と、第2評価材料部38との2つの評価材料部で構成される。電極30の表面30aに第1評価材料部36が設けられ、第1評価材料部36の表面36aに第2評価材料部38が直接積層されている。
水晶振動子27には、例えば、ATカット型の水晶振動子が用いられる。ATカット型の水晶振動子とは、人工水晶のZ軸から35°15′の角度で切り出した振動子のことである。センサ26は、図2に示す構成に限定されるものではない。
第1評価材料部36および第2評価材料部38は、異種材料間腐食を評価する材料で構成されるものであり、例えば、Au、Si、SiO2、SiOC、Cu、Co、W、Ti、TiN、Ta、TaN、Ru、Mo、Zn、ならびにこれらを含む酸化物、および合金の中から選択された材料で構成される、
第1評価材料部36および第2評価材料部38は、スパッタ法、CVD(chemical vapor deposition)法等の気相法、または塗布法等により形成することができる。
図4は本発明の実施形態の測定装置のフローセルユニットの一例を示す模式図である。
フローセルユニット12は、例えば、温度調整部28上にシール部43を介してセンサ26が配置されている。センサ26上に、水晶振動子27の周囲に沿ってシール部42が設けられている。シール部42上にブロック40が配置される。ブロック40には、対象液をセンサ26に供給する供給路40aが設けられている。供給路40aは第1のチューブ29aに接続されている。また、ブロック40には、対象液をセンサ26から排出する排出路40bが設けられている。排出路40bは第2のチューブ29bに接続されている。つまり、フローセルユニット12は、センサ26上に配置されたシール部42と、シール部42を介してセンサ26上に配置され、対象液をセンサ26に供給する供給路40a、および、対象液をセンサ26から排出する排出路40bが設けられたブロック40と、供給路40aに接続した第1のチューブ29aおよび排出路40bに接続した第2のチューブ29bからなる送液部と、をさらに有する。
センサ26とシール部42とブロック40とにより囲まれて形成された領域44に、第1のチューブ29aと供給路40aとを通過した対象液が供給される。つまり、領域44の外側にシール部42が配置されている。これにより、対象液がセンサ26の水晶振動子27の電極30の表面30a上の評価材料体35に接触する。また、対象液は、排出路40bと第2のチューブ29bとを通過して、領域44から排出される。第1のチューブ29aおよび排出路40b、ならびに第2のチューブ29bおよび排出路40bにより循環ラインが構成される。
例えば、シール部42と、シール部43とは同じ大きさであり、例えば、Oリングで構成される。なお、センサ26とシール部43と温度調整部28とにより囲まれて形成された領域45には対象液が供給されない。
また、フローセルユニット12において、対象液と接する接液部の少なくとも一部をフッ素系樹脂で構成することにより、対象液への溶出が抑制され、異種材料間腐食の測定精度の低下を抑制できるため好ましい。
評価装置10において、上述のセンサ26とシール部42とブロック40とにより囲まれて形成され、対象液をセンサ26上に保持するための領域44を構成する面は、対象液と接する接液部の一部に該当する。領域44以外に、対象液をセンサ26に接触させる供給部において、対象液をセンサに送液する送液部中の対象液と接する部分も接液部である。これら接液部の少なくとも一部をフッ素系樹脂で構成することが好ましい。送液部としては、一方向に送液する供給ライン、対象液をセンサに循環して供給する循環ラインが挙げられる。
より具体的には、接液部は、フローセルユニット12のブロック40の領域44に接する面40c、センサ26上に配置される対象液を領域44に留めるシール部42の領域44に接する部分である面42a、ブロック40の供給路40a、およびブロック40の排出路40bである。また、第1のチューブ29a内、および第2のチューブ29b内も対象液と接する接液部であり、第1のチューブ29aおよび第2のチューブ29bにおいて対象液と接する部分はフッ素系樹脂で構成することが好ましい。
なかでも、シール部42の対象液と接する接液部、ブロック40の対象液と接する接液部、および、送液部の対象液と接する接液部の少なくとも一部がフッ素系樹脂で構成されることが好ましい。
フッ素系樹脂としては、フッ素原子を含有する樹脂(ポリマー)であれば特に制限されず、公知のフッ素系樹脂を用いることができる。フッ素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、引張強度:20~35MPa、ショアD硬度:50~55)、パーフルオロアルコキシアルカン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー、および、パーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)の環化重合体(サイトップ(登録商標))等が挙げられる。
ブロック40の対象液と接する接液部を構成するフッ素系樹脂としては、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA、引張強度:25~35MPa、ショアD硬度:62~66)、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE、引張強度:38~42MPa、ショアD硬度:67~78)、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー(FEP、引張強度:20~30MPa、ショアD硬度:60~65)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE、引張強度:31~41MPa、ショアD硬度:75~80)、または、ポリフッ化ビニリデン(PVDF、引張強度:30~70MPa、ショアD硬度:64~79)が好ましい。
なお、引張強度の測定方法は、JIS(日本産業規格) K 7161に準じて行う。
ショアD硬度の測定方法は、JIS K 7215に準じて行う。
上記送液部の対象液を接する部分を構成するフッ素系樹脂としては、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとフッ化ビニリデンとの三元共重合体(THV軟質フッ素樹脂)、ポリフッ化ビニリデン、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、または、ポリクロロトリフルオロエチレンが好ましい。
引張強度およびショアD硬度の測定方法は、上述した通りである。
上記シール部42の対象液を接する部分を構成するフッ素系樹脂の引張強度は、20~40MPaであることが好ましい。また、上記シール部42の対象液を接する部分を構成するフッ素系樹脂のショアD硬度は、56~70であることが好ましい。また、上記シール部42の対象液を接する部分を構成するフッ素系樹脂の曲げ弾性率は、0.5~3GPaであることが好ましい。
上記シール部42の対象液を接する部分を構成するフッ素系樹脂が上記引張強度、ショアD硬度、および、曲げ弾性率を満たす場合、センサ26の振動を阻害せず、より安定した測定を実施することができる。
引張強度およびショアD硬度の測定方法は、上述した通りである。
曲げ弾性率の測定方法は、JIS K 7171に準じて行う。
上記シール部42の対象液を接する部分を構成するフッ素系樹脂としては、パーフルオロアルコキシアルカン、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン、または、ポリフッ化ビニリデンが好ましい。
水晶振動子27に対して、対象液を循環させて供給する場合、対象液の循環流量が0.01~1000ml/sであることが好ましい。循環流量が0.01~1000ml/sであれば、異種材料間腐食を生じさせるのに十分な量の対象液をセンサ26に供給することができる。
フローセルユニット12におけるセンサ26の配置は、特に限定されるものではない。
異種材料間腐食の評価方法は、図2に示すセンサ26と対象液を接触させる。次に、センサ26の水晶振動子27を共振周波数で振動させる。次に、対象液による評価材料部の異種材料間腐食による水晶振動子の共振周波数の変化量を検出する検出工程を有する。また、例えば、検出工程で検出された共振周波数の変化量に基づいて、異種材料間腐食の腐食速度を算出する工程を有してもよい。
なお、共振周波数の変化量が得られれば、腐食の判断をすることができる。このため、異種材料間腐食の評価方法では、検出工程で検出された共振周波数の変化量に基づいて、異種材料間腐食の腐食速度を算出する工程は、必ずしも必要ではなく、異種材料間腐食の腐食速度を算出する工程はなくてもよい。しかしながら、異種材料間腐食の腐食速度を算出できるため、異種材料間腐食の腐食速度を算出する工程はあってもよい。
なお、異種材料間腐食の評価方法においては、上述の評価装置10と同様に、対象液は、対象液をセンサ26に送液して接触させる。対象液は、対象液をセンサ26に一方向に流して付着させてもよい。また、対象液を水晶振動子27に循環して供給し、対象液の循環流量を0.01~1000ml/sとしてもよい。
上述のように、異種材料間腐食を評価するための評価材料体35が設けられたセンサ26に対象液を接触させる。評価装置10の供給部20に対象液を貯留する。
次に、供給部20からフローセルユニット12に対象液を第1のチューブ29aおよびブロック40の供給路40aを通過させて領域44に供給し、ブロック40の排出路40bおよび第2のチューブ29bを通過させて供給部20に戻し、再度第1のチューブ29aおよびブロック40の供給路40aを通過させて、領域44に供給することを繰り返し実施する。これにより、水晶振動子27に対象液を循環供給して、水晶振動子27の評価材料体35に接触させる。
算出部16は、メモリ18に記憶された予め測定された異種材料間腐食の腐食量に基づく共振周波数の変化量を読み出し、メモリ18に記憶された共振周波数の変化量と、検出部15で得られた共振周波数の変化量とを比較して、異種材料間腐食の腐食速度を算出する(算出工程)。例えば、上述の異種材料間腐食の腐食速度を表示部23に表示する。
評価方法においては、異種材料間腐食の腐食速度を容易に得ることができ、この得られた腐食速度に基づき、異種材料間腐食を管理することができる。
なお、メモリ18に記憶された共振周波数の変化量から、例えば、上述のように図3に示す検量線Lに基づいて、異種材料間腐食の腐食量を得ることができる。
図5は本発明の実施形態のセンサの第2の例を示す模式図であり、図6は本発明の実施形態のセンサの第2の例を示す模式的断面図である。図7は本発明の実施形態のセンサの第3の例を示す模式図であり、図8は本発明の実施形態のセンサの第3の例を示す模式的断面図である。図9は本発明の実施形態のセンサの第4の例を示す模式図であり、図10は本発明の実施形態のセンサの第4の例を示す模式的断面図である。
図5~図10に示すセンサ26において、図2に示すセンサ26と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、図7~図10では、センサ26を簡略に示しており、水晶振動子27の表面27a上の電極構成を示し、裏面27bの裏面電極31、発振部14はおよび検出部15の図示を省略している。
第1の電極50の表面50aおよび第2の電極51の表面51aにまたがって評価材料体35が設けられている。第1の電極50の表面50aに第1評価材料部36が設けられ、第2の電極51の表面51aに第2評価材料部38が設けられている。第1評価材料部36と第2評価材料部38とが、第1の電極50と第2の電極51との間で直接接している。
また、第1発振ユニット14aと第2発振ユニット14bは、それぞれ検出部15に電気的に接続されている。検出部15は、第1発振ユニット14aと第2発振ユニット14bとの接続を切換えるスイッチ部(図示せず)を有する。スイッチ部により、第1発振ユニット14aの周波数信号と、第2発振ユニット14bの周波数信号とが交互に検出部15に取り込まれる。これにより、検出部15では、第1の電極50における共振周波数と、第2の電極51における共振周波数とを、互いに独立して得ることができる。
第1の電極50および第2の電極51は、同じ第1評価材料部36が設けられている。この場合、第1の電極50と第2の電極51とで、それぞれ評価材料体35の共振周波数の変化量が得られる。
一般的に、実験誤差が生じる。実験誤差を無視して真値を得るには繰り返し測定し、統計的なばらつきを把握する必要がある。図7および図8に示すセンサ26では、第1の電極50および第2の電極51に、同じ第1評価材料部36を設けることにより、第1の電極50および第2の電極51の2つの電極を用いて、繰り返し測定を行うことができる。これにより、統計的なばらつきを容易に把握することができる。
第1の電極50および第2の電極51は、それぞれ第1評価材料部36と第2評価材料部38とが設けられている。この場合、第1の電極50と第2の電極51とで、それぞれ評価材料体35の共振周波数の変化量が得られる。
上述のように、実験誤差を無視して真値を得るには繰り返し測定し、統計的なばらつきを把握する必要がある。図9および図10に示すセンサ26では、第1の電極50および第2の電極51に、第1評価材料部36と第2評価材料部38とを設けることにより、第1の電極50および第2の電極51の2つの電極を用いて、繰り返し測定を行うことができる。これにより、統計的なばらつきを容易に把握することができる。
図11は本発明の実施形態のセンサの第5の例を示す模式図であり、図12は本発明の実施形態のセンサの第5の例を示す模式的断面図である。図13は本発明の実施形態のセンサの第6の例を示す模式図であり、図14は本発明の実施形態のセンサの第6の例を示す模式的断面図である。図15は本発明の実施形態のセンサの第7の例を示す模式図であり、図16は本発明の実施形態のセンサの第7の例を示す模式的断面図である。図17は本発明の実施形態のセンサの第8の例を示す模式図であり、図18は本発明の実施形態のセンサの第8の例を示す模式的断面図である。
図11~図18に示すセンサ26において、図5および図6に示すセンサ26と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、図11~図18では、センサ26を簡略に示しており、水晶振動子27の表面27a上の電極構成を示し、裏面27bの裏面電極31、発振部14はおよび検出部15の図示を省略している。
この場合、第2の電極51上の評価材料体35の共振周波数の変化量から、第1の電極50上の第1評価材料部36の共振周波数の変化量を引くことにより、第1評価材料部36の異種材料間腐食以外の対象液との反応等の影響を排除することができる。
図15および図16に示すセンサ26のように、第1の電極50と第2の電極51とが対向する方向で、第1評価材料部36と第2評価材料部38とを直接接した状態で、第2の電極51の表面51aに設けてもよい。
図17および図18に示すセンサ26のように、第1の電極50と第2の電極51とが対向する方向と直交する方向で、第1評価材料部36と第2評価材料部38とが交互に配置され、かつ第1評価材料部36と第2評価材料部38とが直接接した状態で、第2の電極51の表面51aに設けてもよい。
なお、薬液と接触する異種金属界面の面積が大きいほど、共振周波数の変化量が多く、より顕著な共振周波数の変化量を測定できる。このため、上述の図12に示すセンサ26、図14に示すセンサ26、図16に示すセンサ26、および図18に示すセンサ26においては、優れたものから、図18に示すセンサ26、図16に示すセンサ26、図12に示すセンサ26、および図14に示すセンサ26の順で好ましい。
図19は本発明の実施形態のセンサの第9の例を示す模式図であり、図20は本発明の実施形態のセンサの第9の例を示す模式的断面図である。図21は本発明の実施形態のセンサの第10の例を示す模式図であり、図22は本発明の実施形態のセンサの第10の例を示す模式的断面図である。図23は本発明の実施形態のセンサの第11の例を示す模式図であり、図24は本発明の実施形態のセンサの第11の例を示す模式的断面図である。図25は本発明の実施形態のセンサの第12の例を示す模式図であり、図26は本発明の実施形態のセンサの第12の例を示す模式的断面図である。
図19~図26に示すセンサ26において、図5および図6に示すセンサ26と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、図21~図26では、センサ26を簡略に示しており、水晶振動子27の表面27a上の電極構成を示し、裏面27bの裏面電極31、発振部14はおよび検出部15の図示を省略している。
第1の電極50と第2の電極51と第3の電極52とは、例えば、長方形状の導電層で構成されており、間隔をあけて互いに平行に配置されている。第1の電極50と、第2の電極51と、第3の電極52とは、互いに電気的に絶縁された状態である。第1の電極50と第2の電極51と第3の電極52との間に電気的な絶縁膜を設けてもよい。
第1の電極50と裏面電極31とが第1発振ユニット14aに電気的に接続されている。第2の電極51と裏面電極31とが第2発振ユニット14bに電気的に接続されている。第3の電極52と裏面電極31とが第3発振ユニット14cに電気的に接続されている。第1発振ユニット14aと第2発振ユニット14bと第3発振ユニット14cとは発振部14に設けられたものであり、互いに独立して、第1の電極50および裏面電極31と、第2の電極51および裏面電極31とに、第3の電極52と裏面電極31とに、正弦波の高周波信号を周波数信号として印加することができ、これにより、水晶振動子27を共振周波数で振動させることができる。
評価材料体35において、2つの評価材料部のうち、異種材料間腐食で腐食するのは、第1評価材料部36である。このため、第1の電極50に、第1評価材料部36単体を設けている。さらに、第2の電極51に第2評価材料部38単体を設けている。これにより、評価材料体35を構成する第1評価材料部36の変化と、第2評価材料部38の変化とを、評価材料体35の異種材料間腐食と一緒に測定できる。第1の電極50で得られた第1評価材料部36の共振周波数の変化量と、第2の電極51で得られた第2評価材料部38の共振周波数の変化量とを参照する。これにより、異種材料間腐食の腐食速度等をさらに高い精度で算出できる。
この場合、第2の電極51上の評価材料体35の共振周波数の変化量から、第1の電極50上の第1評価材料部36の共振周波数の変化量と、第3の電極52上の第2評価材料部38の共振周波数の変化量とを引くことにより、第1評価材料部36および第2評価材料部38の異種材料間腐食以外の対象液との反応等の影響を排除することができる。
図23および図24に示すセンサ26のように、第1の電極50と第2の電極51とが対向する方向で、第1評価材料部36と第2評価材料部38とを直接接した状態で、第2の電極51の表面51aに設けてもよい。
図25および図26に示すセンサ26のように、第1の電極50と第2の電極51とが対向する方向と直交する方向で、第1評価材料部36と第2評価材料部38とが交互に配置され、かつ第1評価材料部36と第2評価材料部38とが直接接した状態で、第2の電極51の表面51aに設けてもよい。
なお、薬液と接触する異種金属界面の面積が大きいほど、共振周波数の変化量が多く、より顕著な共振周波数の変化量を測定できる。このため、上述の図20に示すセンサ26、図22に示すセンサ26、図24に示すセンサ26、および図26に示すセンサ26においては、優れたものから、図26に示すセンサ26、図24に示すセンサ26、図20に示すセンサ26、および図22に示すセンサ26の順で好ましい。
図27は本発明の実施形態のセンサの第13の例を示す模式図であり、図28は本発明の実施形態のセンサの第13の例を示す模式的断面図である。図29は本発明の実施形態のセンサの第14の例を示す模式図であり、図30は本発明の実施形態のセンサの第14の例を示す模式的断面図である。図31は本発明の実施形態のセンサの第15の例を示す模式図であり、図32は本発明の実施形態のセンサの第15の例を示す模式的断面図である。
図27~図32に示すセンサ26において、図19および図20に示すセンサ26と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、図27~図32では、センサ26を簡略に示しており、水晶振動子27の表面27a上の電極構成を示し、裏面27bの裏面電極31、発振部14はおよび検出部15の図示を省略している。
第2の電極51および第3の電極52における評価材料体35の配置は、特に限定されるものではなく、例えば、図29および図30に示すセンサ26のように、第2の電極51の表面51aと第3の電極52の表面52aとにまたがって第1評価材料部36が設けられてもよい。第1評価材料部36の表面36aに第2評価材料部38が直接接して設けられている。また、図31および図32に示すセンサ26のように、第2の電極51の表面51aと第3の電極52の表面52aとにまたがって、第1評価材料部36と第2評価材料部38とが設けられてもよい。第1評価材料部36と第2評価材料部38とが、第2の電極51の表面51aと第3の電極52の表面52aで直接接している。
なお、薬液と接触する異種金属界面の面積が大きいほど、共振周波数の変化量が多く、より顕著な共振周波数の変化量を測定できる。このため、上述の図28に示すセンサ26、図30に示すセンサ26、および図32に示すセンサ26においては、優れたものから、図30に示すセンサ26、図28に示すセンサ26、および図32に示すセンサ26の順で好ましい。
また、第1の電極50、第2の電極51、および第3の電極52では、3つの第1の電極50、第2の電極51、および第3の電極52のうち、1つの電極に、2つの評価材料部を設け、残りの2つの電極のうち、一方の電極に2つの評価材料部のうち、一方の評価材料部を設け、他方の電極に2つの評価材料部のうち、他方の評価材料部を設ける構成とすることができる。例えば、第1の電極50に2つの評価材料部を設け、第2の電極51に2つの評価材料部のうち、一方の評価材料部を設け、第3の電極52に2つの評価材料部のうち、他方の評価材料部を設ける構成でもよい。
図33は本発明の実施形態のセンサの第16の例を示す模式図であり、図34は本発明の実施形態のセンサの第16の例を示す模式的断面図である。図35は本発明の実施形態のセンサの第17の例を示す模式図であり、図36は本発明の実施形態のセンサの第17の例を示す模式的断面図である。図37は本発明の実施形態のセンサの第18の例を示す模式図であり、図38は本発明の実施形態のセンサの第18の例を示す模式的断面図である。
図33~図38に示すセンサ26において、図19および図20に示すセンサ26と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、図35~図38では、センサ26を簡略に示しており、水晶振動子27の表面27a上の電極構成を示し、裏面27bの裏面電極31、発振部14はおよび検出部15の図示を省略している。
第1の電極50と第2の電極51と第3の電極52と第4の電極53とは、例えば、長方形状の導電層で構成されており、間隔をあけて互いに平行に配置されている。第1の電極50と、第2の電極51と、第3の電極52と、第4の電極53とは互いに電気的に絶縁された状態である。第1の電極50と第2の電極51と第3の電極52と第4の電極53との間に電気的な絶縁膜を設けてもよい。
第1の電極50と裏面電極31とが第1発振ユニット14aに電気的に接続されている。第2の電極51と裏面電極31とが第2発振ユニット14bに電気的に接続されている。第3の電極52と裏面電極31とが第3発振ユニット14cに電気的に接続されている。第4の電極53と裏面電極31とが第4発振ユニット14dに電気的に接続されている。
第1発振ユニット14aと第2発振ユニット14bと第3発振ユニット14cと第4発振ユニット14dとは発振部14に設けられたものであり、互いに独立して、第1の電極50および裏面電極31と、第2の電極51および裏面電極31とに、第3の電極52と裏面電極31と、第4の電極53と裏面電極31とに正弦波の高周波信号を周波数信号として印加することができ、これにより、水晶振動子27を共振周波数で振動させることができる。
第2の電極51の表面51aに第1評価材料部36が配置され、第3の電極52の表面52aに第1評価材料部36が設けられている。第1評価材料部36と第2評価材料部38とが直接接している。
評価材料体35において、2つの評価材料部のうち、異種材料間腐食で腐食するのは、第1評価材料部36である。このため、第1の電極50に、第1評価材料部36単体を設けている。さらに、第4の電極53に第2評価材料部38単体を設けている。これにより、評価材料体35を構成する第1評価材料部36の変化と、第2評価材料部38の変化とを、評価材料体35の異種材料間腐食と一緒に測定できる。第1の電極50で得られた第1評価材料部36の共振周波数の変化量と、第4の電極53で得られた第2評価材料部38の共振周波数の変化量とを参照する。これにより、異種材料間腐食の腐食速度等をさらに高い精度で算出できる。
この場合、第2の電極51および第3の電極52上の評価材料体35の共振周波数の変化量から、第1の電極50上の第1評価材料部36の共振周波数の変化量と、第4の電極53上の第2評価材料部38の共振周波数の変化量とを引くことにより、第1評価材料部36および第2評価材料部38の異種材料間腐食以外の対象液との反応等の影響を排除することができる。
なお、薬液と接触する異種金属界面の面積が大きいほど、共振周波数の変化量が多く、より顕著な共振周波数の変化量を測定できる。このため、上述の図34に示すセンサ26、図36に示すセンサ26、および図38に示すセンサ26においては、優れたものから、図36に示すセンサ26、図34に示すセンサ26、および図38に示すセンサ26の順で好ましい。
また、第1の電極50、第2の電極51、第3の電極52および第4の電極53では、では、4つの第1の電極50、第2の電極51、第3の電極52および第4の電極53のうち、2つの電極に2つの評価材料部を設け、残りの2つの電極のうち、一方の電極に2つの評価材料部のうち、一方の評価材料部を設け、他方の電極に2つの評価材料部のうち、他方の評価材料部を設ける構成とすることができる。例えば、第1の電極50および第2の電極51に2つの評価材料部を設け、第3の電極52に2つの評価材料部のうち、一方の評価材料部を設け、第4の電極53に2つの評価材料部のうち、他方の評価材料部を設ける構成でもよい。
異種材料間腐食は水分等により発生する。このため、センサを水等の液体に浸漬した状態で異種材料間腐食を評価することが好ましい。
対象液は、例えば、少なくとも1つ以上の成分と水とを含有する液体を用いることができる。成分は、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、ヒドロキシルアミンまたはその誘導体、フッ化水素、アミノアルコール、四級アンモニウム塩、または、過酸化水素である。なお、アルカリ金属のハロゲン化物、および、アルカリ土類金属のハロゲン化物の濃度は、それぞれ10質量ppt以上が好ましい。
水の種類は特に制限されず、例えば、蒸留水、イオン交換水、および、純水を用いることができる。
水は、対象液中に添加されてもよいし、対象液の製造工程において不可避的に対象液中に混合されるものであってもよい。対象液の製造工程において不可避的に混合される場合としては、例えば、水が、対象液の製造に用いる原料(例えば、有機溶媒)に含まれる場合、および、対象液の製造工程で混合する(例えば、コンタミネーション)等が挙げられる。
また、異種材料間腐食の評価対象に応じた対象液を用いることもできる。例えば、対象液に異種材料間腐食を促進する液体、例えば、塩化ナトリウム水溶液(塩水)、および塩化カリウム水溶液等を用いることができる。その他、酸、またはアルカリ水溶液等の腐食させる液体を対象液に用いることもできる。
<実施例1>
実施例1では、ブレーキパイプの異種金属間腐食を評価した。ブレーキパイプは、亜鉛がめっきにより被覆された銅管であり、銅と亜鉛とが直接接している。ブレーキパイプでは亜鉛と下地の銅の間で腐食が生じる。
実施例1では、図19および図20に示すセンサ26を用いた。
第1評価材料部36を亜鉛めっき膜、合金化亜鉛めっき膜、または溶融亜鉛メッキ鋼板とした。第2評価材料部38を銅膜とした。亜鉛めっき膜と銅膜(以下、試料1という)、合金化亜鉛めっき膜と銅膜(以下、試料2という)、溶融亜鉛メッキ鋼板と銅膜(以下、試料3という)の3つの組合せの評価材料体を用意した。
1質量%塩化カルシウム溶液を、流量100ml/minの流速条件で、30分間循環させ、センサにおける共振周波数の変化量を測定した。
なお、1質量%塩化カルシウム溶液は、積雪時に融雪剤として散布された塩化カルシウムとそれで液体になった融雪分(水)の混合物を模倣したものである。
共振周波数の変化量は、試料1(1080Hz)>試料2(680Hz)>試料3(420Hz)となった。なお、銅膜の共振周波数の変化量は50Hz以下であった。この結果から、ブレーキパイプに適用するめっきは、亜鉛メッキ<合金化亜鉛メッキ<溶融亜鉛めっき鋼板の順で好ましいことがわかった。この結果は、「自動車用鋼材の腐食防食について防食技術,28,645-653(1979)」に示された結果と同様の結果であった。
なお、上述の図19および図20に示すセンサ以外に、図2、図5~図18および図21~図38に示すセンサを用いても、図19および図20に示すセンサと同様の序列が観測された。
実施例2では、半導体基板上で用いられる金属について異種金属間腐食を評価した。
半導体基板に形成された配線金属においてCuとCoが近接した状況が存在する。
対象液として、クエン酸、モノエタノールアミンを主剤とし、pH(水素イオン指数)=11~11.5の範囲で異なる防食剤(ヘテロ環化合物とアニオン界面活性剤の組み合わせ)を加えた薬液1~4を用意した。
通常の電気化学手法に従い、薬液1~4の腐食電位を求めたところ、薬液1(0.4mV)>薬液2(0.32mV)>薬液3(0.2mV)>薬液4(0.01mV)であった。
薬液1~4を用い、上述のCu膜とCo膜とが接した半導体基板を、温度25℃(室温)、30分浸漬処理した。
浸漬処理の結果、Cu膜とCo膜との界面での腐食、すなわち、Co膜の過剰腐食は、薬液3(8nm)>薬液4(5nm)>薬液1(2nm)>薬液2(<1nm)となった。このことから、電気化学的な手法と、実際のCu膜とCo膜との界面での腐食は必ずしも一致しないことを確認した。
薬液1~4を、それぞれ温度25℃(室温)とし、流量100ml/minの流速条件で、30分間循環させ、薬液1~4毎にセンサの共振周波数の変化量を測定した。
Co膜の共振周波数の変化量は、薬液3(2620Hz)>薬液4(1560Hz)>薬液1(780Hz)>薬液2(250Hz)であった。上述の浸漬処理の結果とよく一致した。
なお、上述の図35および図36に示すセンサ以外に、図2、図5~図34および図37および図38に示すセンサを用いても、図35および図36に示すセンサと同様の序列が観測された。
上述の実施例2において、Cu単膜、Co単膜を、それぞれ形成したセンサを用意した。センサ毎に、薬液1~4に対する共振周波数の変化量を測定した。得られた共振周波数の変化量の結果は、Cu単膜に対する溶解速度(共振周波数の変化量換算)とCo単膜に対する溶解速度(共振周波数の変化量換算)を示すものであり、共振周波数の変化量の差分等を算出しても、異種金属間腐食の腐食速度の傾向と一致する結果は何も得られなかった。
上述の実施例2において、Cu単膜、Co単膜を、両金属を接触させることなく、成膜時に両金属間に隙間部分が生じるように作製したセンサを用意した。センサを用いて、薬液1~4に対する共振周波数の変化量を測定した。
得られた結果は、Cu単膜、Co単膜の各金属に対する溶解速度(共振周波数の変化量換算)であり、この値の差分等を算出しても、異種金属間腐食の腐食速度の傾向と一致する結果は何も得られなかった。
実施例3では、半導体基板上で用いられる金属について異種金属間腐食を評価した。
半導体基板に形成された配線加工においてCoとTiNが近接した状況が存在する。
対象液として、ウェットの残渣除去液として汎用される、ヒドロキシルアミン、DBU(ジアザビシクロウンデセン)、クエン酸を主剤とし、pHを8~9の範囲で異なる防食剤(異なるベンゾトリアゾール誘導体と第二アゾール化合物の組み合わせ)を加えた薬液5~8を用意した。
通常の電気化学手法に従い、薬液5~8の腐食電位を求めたところ、薬液6(0.3mV)>薬液5(0.25mV)>薬液8(0.1mV)>薬液7(0.08mV)であった。
薬液5~8を用い、上述のCo膜とTiN膜とが接した半導体基板を、温度25℃(室温)、30分浸漬処理した。
浸漬処理の結果、Co膜とTiN膜との界面での腐食、すなわち、Co膜の過剰腐食は、薬液6(5nm)>薬液5(4nm)>薬液8(3.5nm)>薬液7(2nm)となった。このことから、電気化学的な手法と、実際のCo膜とTiN膜との界面での腐食は必ずしも一致しないことを確認した。
薬液5~8を、それぞれ温度25℃(室温)とし、流量100ml/minの流速条件で、30分間循環させ、薬液5~8毎にセンサの共振周波数の変化量を測定した。
Co膜の共振周波数の変化量は、薬液6(1680Hz)>薬液5(1430Hz)>薬液8(1080Hz)>薬液7(890Hz)であった。上述の浸漬処理の結果とよく一致した。
なお、上述の図37および図38に示すセンサ以外に、図2、図5~図36に示すセンサを用いても、図37および図38に示すセンサと同様の序列が観測された。
実施例4では、半導体基板上で用いられる金属について異種金属間腐食を評価した。
ゲート構造を作成する加工においてGeとSiO2が近接した状況が存在する。
対象液として、ウェットの残渣除去液として汎用される、HF、NH4Fを主剤とし、pHを3~6の範囲で変更させた薬液10~13を用意した。
通常の電気化学手法に従い、薬液10~13の腐食電位を求めたところ、薬液10(0.5mV)>薬液11(0.45mV)>薬液12(0.3mV)>薬液13(0.1mV)であった。
薬液10~13を用い、上述のGe膜とSiO2膜とが接した半導体基板を、温度25℃(室温)、30分浸漬処理した。
浸漬処理の結果、Ge膜とSiO2膜との界面での腐食、すなわち、Ge膜の過剰腐食は、薬液11(8nm)>薬液10(6nm)>薬液13(2nm)>薬液12(0.5nm)となった。このことから、電気化学的な手法と、実際のGe膜とSiO2膜との界面での腐食は必ずしも一致しないことを確認した。
薬液10~13を、それぞれ温度25℃(室温)とし、流量100ml/minの流速条件で、30分間循環させ、薬液10~13毎にセンサの共振周波数の変化量を測定した。
Ge膜の共振周波数の変化量は、薬液11(2150Hz)>薬液10(1850Hz)>薬液13(420Hz)>薬液12(210Hz)であった。上述の浸漬処理の結果とよく一致した。
なお、上述の図23および図24に示すセンサ以外に、図2、図5~図22および図25~図38に示すセンサを用いても、図23および図24に示すセンサと同様の序列が観測された。
12 フローセルユニット
14 発振部
14a 第1発振ユニット
14b 第2発振ユニット
14c 第3発振ユニット
14d 第4発振ユニット
15 検出部
16 算出部
18 メモリ
20 供給部
22 制御部
23 表示部
24 出力部
25 入力部
26 センサ
27 水晶振動子
27a 表面
27b 裏面
27c 側面
28 温度調整部
29a 第1のチューブ
29b 第2のチューブ
30 電極
30a、36a 表面
31 裏面電極
35 評価材料体
36 第1評価材料部
38 第2評価材料部
40 ブロック
40a 供給路
40b 排出路
40c、42a 面
42、43 シール部
44、45 領域
50 第1の電極
50a、51a、52a、53a 表面
51 第2の電極
52 第3の電極
53 第4の電極
L 検量線
Claims (30)
- 異種材料間腐食を評価に用いられるセンサであって、
水晶振動子と、
水晶振動子の1つの面に設けられた電極と、
前記電極に設けられた2つの評価材料部とを有し、
2つの前記評価材料部は、互いに異なる材料で構成され、かつ直接接している、センサ。 - 異種材料間腐食を評価に用いられるセンサであって、
水晶振動子と、
前記水晶振動子の1つの面に設けられた第1の電極と、
前記水晶振動子の1つの面に設けられ、前記第1の電極と電気的に絶縁された状態にある第2の電極と、
前記第1の電極および前記第2の電極に設けられた2つの評価材料部とを有し、
2つの前記評価材料部は、互いに異なる材料で構成され、かつ直接接しており、
2つの前記評価材料部の少なくとも一方の評価材料部が、前記第1の電極および前記第2の電極のうち、少なくとも一方に設けられる、センサ。 - 異種材料間腐食を評価に用いられるセンサであって、
水晶振動子と、
前記水晶振動子の1つの面に設けられた第1の電極と、
前記水晶振動子の1つの面に設けられ、前記第1の電極と電気的に絶縁された状態にある第2の電極と、
前記第1の電極に設けられた2つの評価材料部とを有し、
2つの前記評価材料部は、互いに異なる材料で構成され、かつ直接接しており、
前記第2の電極に、2つの前記評価材料部のうち、異種材料間腐食により腐食される評価材料部が設けられる、センサ。 - 異種材料間腐食を評価に用いられるセンサであって、
水晶振動子と、
前記水晶振動子の1つの面に設けられた第1の電極と、
前記水晶振動子の1つの面に設けられ、前記第1の電極と電気的に絶縁された状態にある第2の電極と、
前記水晶振動子の1つの面に設けられ、前記第1の電極および前記第2の電極と電気的に絶縁された状態にある第3の電極と、
前記第1の電極および前記第2の電極に設けられた2つの評価材料部とを有し、
前記第3の電極に、2つの前記評価材料部のうち、異種材料間腐食により腐食される評価材料部が設けられており、
2つの前記評価材料部は、互いに異なる材料で構成され、かつ直接接しており、
2つの前記評価材料部の少なくとも一方の評価材料部が、前記第1の電極および前記第2の電極のうち、少なくとも一方に設けられる、センサ。 - 異種材料間腐食を評価に用いられるセンサであって、
水晶振動子と、
前記水晶振動子の1つの面に設けられた第1の電極と、
前記水晶振動子の1つの面に設けられ、前記第1の電極と電気的に絶縁された状態にある第2の電極と、
前記水晶振動子の1つの面に設けられ、前記第1の電極および前記第2の電極と電気的に絶縁された状態にある第3の電極と、
前記第1の電極に設けられた2つの評価材料部とを有し、
2つの前記評価材料部は、互いに異なる材料で構成され、かつ直接接しており、
前記第2の電極に、2つの前記評価材料部のうち、一方の評価材料部が設けられ、
前記第3の電極に、2つの前記評価材料部のうち、他方の評価材料部が設けられる、センサ。 - 異種材料間腐食を評価に用いられるセンサであって、
水晶振動子と、
前記水晶振動子の1つの面に設けられた第1の電極と、
前記水晶振動子の1つの面に設けられ、前記第1の電極と電気的に絶縁された状態にある第2の電極と、
前記水晶振動子の1つの面に設けられ、前記第1の電極および前記第2の電極と電気的に絶縁された状態にある第3の電極と、
前記水晶振動子の1つの面に設けられ、前記第1の電極、前記第2の電極および前記第3の電極と電気的に絶縁された状態にある第4の電極と、
前記第1の電極および前記第2の電極に設けられた2つの評価材料部とを有し、
前記第3の電極に、2つの前記評価材料部のうち、一方の評価材料部が設けられ、
前記第4の電極に、2つの前記評価材料部のうち、他方の評価材料部が設けられており、
2つの前記評価材料部は、互いに異なる材料で構成され、かつ直接接し、
2つの前記評価材料部の少なくとも一方の評価材料部が、前記第1の電極および前記第2の電極のうち、少なくとも一方に設けられる、センサ。 - 前記評価材料部は、
Au、Si、SiO2、SiOC、Cu、Co、W、Ti、TiN、Ta、TaN、Ru、Mo、Zn、ならびにこれらを含む酸化物、および合金の中から選択された材料で構成される、請求項1~6のいずれか1項に記載のセンサ。 - 対象液に対する異種材料間腐食を評価する評価装置であって、
請求項1に記載のセンサと、
前記センサの前記水晶振動子を共振周波数で振動させる発振部と、
前記センサの前記電極に接続され、前記対象液による前記評価材料部の異種材料間腐食による前記水晶振動子の共振周波数の変化量を検出する検出部とを有する、異種材料間腐食の評価装置。 - 対象液に対する異種材料間腐食を評価する評価装置であって、
請求項2に記載のセンサと、
前記センサの前記水晶振動子を共振周波数で振動させる発振部と、
前記センサの前記第1の電極および前記第2の電極に接続され、前記対象液による前記評価材料部の異種材料間腐食による前記水晶振動子の共振周波数の変化量を検出する検出部とを有する、異種材料間腐食の評価装置。 - 対象液に対する異種材料間腐食を評価する評価装置であって、
請求項3に記載のセンサと、
前記センサの前記水晶振動子を共振周波数で振動させる発振部と、
前記センサの前記第1の電極に接続され、前記対象液による前記評価材料部の異種材料間腐食による前記水晶振動子の共振周波数の変化量と、
前記第2の電極に接続され、前記異種材料間腐食により腐食される評価材料部の前記対象液による前記水晶振動子の共振周波数の変化量とを検出する検出部とを有する、異種材料間腐食の評価装置。 - 対象液に対する異種材料間腐食を評価する評価装置であって、
請求項4に記載のセンサと、
前記センサの前記水晶振動子を共振周波数で振動させる発振部と、
前記センサの前記第1の電極および前記第2の電極に接続され、前記対象液による前記評価材料部の異種材料間腐食による前記水晶振動子の共振周波数の変化量と、
前記第3の電極に接続され、前記異種材料間腐食により腐食される評価材料部の前記対象液による前記水晶振動子の共振周波数の変化量とを検出する検出部とを有する、異種材料間腐食の評価装置。 - 対象液に対する異種材料間腐食を評価する評価装置であって、
請求項5に記載のセンサと、
前記センサの前記水晶振動子を共振周波数で振動させる発振部と、
前記センサの前記第1の電極に接続され、前記対象液による前記評価材料部の異種材料間腐食による前記水晶振動子の共振周波数の変化量と、
前記第2の電極に接続され、2つの前記評価材料部のうち、一方の評価材料部の前記対象液による前記水晶振動子の共振周波数の変化量と、
前記第3の電極に接続され、2つの前記評価材料部のうち、他方の評価材料部の前記対象液による前記水晶振動子の共振周波数の変化量とを検出する検出部とを有する、異種材料間腐食の評価装置。 - 対象液に対する異種材料間腐食を評価する評価装置であって、
請求項6に記載のセンサと、
前記センサの前記水晶振動子を共振周波数で振動させる発振部と、
前記センサの前記第1の電極および前記第2の電極に接続され、前記対象液による前記評価材料部の異種材料間腐食による前記水晶振動子の共振周波数の変化量と、
前記第3の電極に接続され、2つの前記評価材料部のうち、一方の評価材料部の前記対象液による前記水晶振動子の共振周波数の変化量と、
前記第4の電極に接続され、2つの前記評価材料部のうち、他方の評価材料部の前記対象液による前記水晶振動子の共振周波数の変化量とを検出する検出部とを有する、異種材料間腐食の評価装置。 - 前記検出部で検出された共振周波数の変化量に基づいて、異種材料間腐食の腐食速度を算出する算出部を有する、請求項8~13のいずれか1項に記載の異種材料間腐食の評価装置。
- 前記対象液を前記センサに供給して、前記対象液を前記センサに接触させる供給部を有する、請求項8~14のいずれか1項に記載の異種材料間腐食の評価装置。
- 前記対象液と接する接液部の少なくとも一部は、フッ素系樹脂で構成される、請求項15に記載の異種材料間腐食の評価装置。
- さらに、前記共振周波数の変化量を表示する表示部を有する、請求項15または16に記載の異種材料間腐食の評価装置。
- 前記供給部は、前記対象液を前記センサに一方向に流して供給する、請求項15~17のいずれか1項に記載の異種材料間腐食の評価装置。
- 前記供給部は、前記対象液を前記センサに循環して供給するものであり、前記対象液の循環流量が0.01~1000ml/sである、請求項15~18のいずれか1項に記載の異種材料間腐食の評価装置。
- 前記対象液は、少なくとも1つ以上の成分と水とを含有する液体であり、
前記成分は、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、ヒドロキシルアミンまたはその誘導体、フッ化水素、アミノアルコール、四級アンモニウム塩、および、過酸化水素からなる群から選択される、請求項15~19のいずれか1項に記載の異種材料間腐食の評価装置。 - 前記センサの評価材料部は、
Au、Si、SiO2、SiOC、Cu、Co、W、Ti、TiN、Ta、TaN、Ru、Mo、Zn、ならびにこれらを含む酸化物、および合金の中から選択された材料で構成される、請求項15~20のいずれか1項に記載の異種材料間腐食の評価装置。 - 対象液に対する異種材料間腐食を評価する評価方法であって、
請求項1または2に記載のセンサと対象液を接触させ、
前記センサの前記水晶振動子を共振周波数で振動させ、
前記対象液による前記評価材料部の異種材料間腐食による前記水晶振動子の共振周波数の変化量を検出する検出工程を有する、異種材料間腐食の評価方法。 - 対象液に対する異種材料間腐食を評価する評価方法であって、
請求項3または4に記載のセンサと対象液を接触させ、
前記センサの前記水晶振動子を共振周波数で振動させ、
前記対象液による前記評価材料部の異種材料間腐食による前記水晶振動子の共振周波数の変化量と、
前記異種材料間腐食により腐食される評価材料部の前記対象液による前記水晶振動子の共振周波数の変化量とを検出する検出工程を有する、異種材料間腐食の評価方法。 - 対象液に対する異種材料間腐食を評価する評価方法であって、
請求項5または6に記載のセンサと対象液を接触させ、
前記センサの前記水晶振動子を共振周波数で振動させ、
前記対象液による前記評価材料部の異種材料間腐食による前記水晶振動子の共振周波数の変化量と、
2つの前記評価材料部のうち、一方の評価材料部の前記対象液による前記水晶振動子の共振周波数の変化量と、
2つの前記評価材料部のうち、他方の評価材料部の前記対象液による前記水晶振動子の共振周波数の変化量とを検出する検出工程を有する、異種材料間腐食の評価方法。 - 前記検出工程で検出された共振周波数の変化量に基づいて、異種材料間腐食の腐食速度を算出する工程を有する、請求項22~24のいずれか1項に記載の異種材料間腐食の評価方法。
- 前記対象液を前記センサに供給して、前記対象液を前記センサに接触させる、請求項22~25のいずれか1項に記載の異種材料間腐食の評価方法。
- 前記対象液を前記センサに一方向に流して供給する、請求項22~26のいずれか1項に記載の異種材料間腐食の評価方法。
- 前記対象液は前記センサに循環して供給されており、前記対象液の循環流量が0.01~1000ml/sである、請求項22~27のいずれか1項に記載の異種材料間腐食の評価方法。
- 前記センサの評価材料部は、
Au、Si、SiO2、SiOC、Cu、Co、W、Ti、TiN、Ta、TaN、Ru、Mo、Zn、ならびにこれらを含む酸化物、および合金の中から選択された材料で構成される、請求項22~28のいずれか1項に記載の異種材料間腐食の評価方法。 - 前記対象液は、少なくとも1つ以上の成分と水とを含有する液体であり、
前記成分は、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、ヒドロキシルアミンまたはその誘導体、フッ化水素、アミノアルコール、四級アンモニウム塩、および、過酸化水素からなる群から選択される、請求項22~29のいずれか1項に記載の異種材料間腐食の評価方法。
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