JP7227714B2 - 電気化学測定装置及びその洗浄方法 - Google Patents
電気化学測定装置及びその洗浄方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7227714B2 JP7227714B2 JP2018160875A JP2018160875A JP7227714B2 JP 7227714 B2 JP7227714 B2 JP 7227714B2 JP 2018160875 A JP2018160875 A JP 2018160875A JP 2018160875 A JP2018160875 A JP 2018160875A JP 7227714 B2 JP7227714 B2 JP 7227714B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electropolishing
- liquid
- electrode
- carbon electrode
- voltage
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)
- Electrodes For Compound Or Non-Metal Manufacture (AREA)
Description
従来、この電解研磨による洗浄は、電極の周囲に液流を起こして、電極に試料溶液もしくは測定物質を含まない洗浄液を供給しながら行うのが技術常識である。
また、電解研磨を行っている間に新たな試料が電極に供給されないので、電極表面に試料に起因する新たな汚れが付着しにくい。
その結果、炭素電極の洗浄効率を従来よりもさらに向上することができる。
<本実施形態に係る電気化学測定装置の構成>
本実施形態に係る電気化学測定装置100は、例えば、電解質溶液である試料に電圧を印加することにより試料を分析する3極式ボルタンメトリー測定を行うフローインジェクション方式の電気化学測定装置100である。その基本構成は、図1に示すように、内部に試料を含む液体が流れる流路1が形成された流通管2と、流路1内を流通する流体の流れを制御する流体制御機構と、流路1上に設けられたセンサ部3と、センサ部3からの信号を取り出すための測定回路4と、測定回路4により得られた電圧、電流等に基づいて試料中の成分の濃度等を算出する情報処理装置5とからなる。
有効塩素とは、次亜塩素酸(HClO)、次亜塩素酸イオン(ClO-)、溶存塩素(Cl2)などの遊離塩素や、モノクロルアミン(NH2Cl)、ジクロルアミン(NHCl2)、トリクロルアミン(NCl3)などの結合塩素からなるものである。
流体制御機構は、流路1上も設けられた流体制御機器と、該流体制御機器を制御する流体制御部とを備えている。
前記流路1上には、液体制御機器として、流路1に試料を含む液体を流通させるためのポンプ13と、メイン流路1から分岐流路12への試料等の流入を制御するバルブ14とが設けられている。バルブ14は開閉バルブ14であり分岐流路12上に設けられている、このバルブ14を開けるとメイン流路11から分岐流路12に試料などの液体が流れ、このバルブ14を閉じるとメイン流路11から分岐流路12への液体の送液が止まるようにしてある。
電圧制御部51は、試料中の残留塩素濃度を測定するときに作用電極32、参照電極33及び対電極34に印加される電圧を制御する測定電圧制御部511と、作用電極32及び対電極34を電解研磨によって洗浄するときに作用電極32又は対電極34に印加される電圧を制御する電解研磨制御部512とを備えている。
ポンプによってメイン流路1内を流通する試料である電解水が、分岐流路12上に設けられたバルブ14がバルブ制御部53からの信号によって開状態にされることで、分岐流路12を通ってフローセル31に試料が流れ込む。
バルブ14が閉状態になると、フローセル31の内部に収容された状態で分岐流路12及びフローセル31内の液流が止まる。
電解水中の残留塩素濃度を測定する場合には、作用電極32表面での還元反応を検出するために、例えば、作用電極32に-0.67Vの電圧を印加する。
以下に、この電解研磨を行う手順について、図3を用いて説明する。
前述した試料測定時と同様に、分岐流路12上に設けられたバルブ14がバルブ制御部53からの信号によって開状態にされることで、メイン流路11内を流通する試料である電解水が、分岐流路12を通ってフローセル31に試料が流れ込む。
バルブ14が閉状態になると、フローセル31の内部に収容された状態で分岐流路12及びフローセル31内の液流が止まる。
電解研磨制御部512は、例えば、作用電極32に印加する電圧を、+4Vから-4Vの間で反復的に掃印して作用電極32を電解研磨する。
この電解研磨が終了すると、前述した手順で電気化学測定が行われる(S6)。測定電圧制御部511による作用電極32への電圧印加が終了し、印加電圧が0Vに戻ると、再びS1で表される液置換工程に戻り電解研磨の工程が開始される。
この一連の流れと作用電極32に印加される電圧の変化をグラフに表したのが、図4である。
このように構成した電気化学測定装置100によれば、電解研磨制御部512が、作用電極32に電圧を印加して電解研磨しているときに、バルブ制御部53がバルブ14を閉めてフローセル31内の電解水が流動しないようにしているので、作用電極32の電解研磨による洗浄効率をより向上させることができる。
本発明は前記実施形態に限られたものではない。
例えば、前記バルブは、作用電極に電圧が印加されていない間にのみ、バルブ制御部がバルブを開状態とするものに限らず、作用電極に印加される電圧の絶対値がある所定の値以上になったときにバルブ制御部がバルブを開状態とするものとしても良い。
電気化学測定装置は、前述した電解水に限らず、水道水、飲料水、河川や沼湖の水、工業廃水、産業廃液、実験試薬など様々な試料に対して使用可能である。
例えば、前述の実施形態では、還元反応を検出しているので、負の電圧を印加していたが、酸化反応を検出したい場合には、作用電極に正の電圧を印加する必要がある。
電解研磨時に作用電極に印加される印加電圧は、前述したものに限らず、作用電極の材質や、汚れの種類等によって適宜変更することができる。
さらに、対電極についても、ダイヤモンド電極に限らず、例えば炭素、ステンレス、金、銀、塩化銀、白金、SnO2等の電極を用いることができる。
また、流体制御部が、バルブではなく、メイン流路や分岐流路に設けられたポンプを止めることにより、フローセルへの試料溶液等の流れをとめるようにしても良い。
液置換時にメイン流路、分岐流路及びフローセルに流れる液体は、前述した試料溶液だけでなく、測定対象を含まない洗浄液などであってもよい。
作用電極、参照電極、対電極等を回転ディスク上に搭載した回転電極を使用してもよい。この場合には、前記流体制御機構がこの回転電極の回転を制御する回転制御部であり、該回転制御部が回転電極の回転を制御することによって電極の周囲の液流をコントロールするようにしてもよい。
具体的には、液置換時にはバルブやポンプを開状態にするとともに回転電極を回転させて電極の周囲の液流を起こし、電解研磨時にはバルブやポンプを閉状態にするとともに回転電極の回転を止めて、電極の周囲の液流を止めるようにしてもよい。
さらに、このような回転電極を用いる場合には、前述したようなフロー式の電気化学測定装置ではなく、容器に貯留した試料溶液中に回転電極を浸漬させて電気化学測定を行うバッチ式測定において、流体制御部が回転電極の回転を制御して電極に対する試料溶液などの液流をコントロールするようにしてもよい。
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、種々の変形や実施形態の組合せを行ってもかまわない。
この実施例は、前記実施形態で詳述した電気化学測定装置100を用いて、電解研磨時に電極への試料供給をした場合と、電解研磨時に電極への試料供給をしなかった場合との間での電極の洗浄効率を調べたものである。
実施例として、前記実施形態で説明した新たな電解研磨の手順で電極を洗浄した。
この実施例では、電解研磨制御部が測定回路4を介して作用電極に電解研磨のための電圧を印加している間、分岐流路12のバルブ14を閉じて、分岐流路12及びフローセル内の試料溶液の流れを止めた。
分岐流路12及びフローセル内の液置換を行う際の、分岐流路12内の送液速度を様々に変化させた場合の連続測定回数に対する測定電流値を表したグラフを図5に示した。
一方、比較例として、従来の電解研磨の手順で電極を洗浄した。
この比較例では、従来通り、電解研磨制御部によって電極に電圧を印加している間も、分岐流路12に試料溶液を流し続けた以外は、前記実施例と同様の手順で行った。
比較例についても、分岐流路12及びフローセル内の液置換を行う際の、分岐流路12内の送液速度を様々に変化させた場合の連続測定回数に対する測定電流値を表したグラフを図6に示した。
これら図5及び図6のグラフでは、縦軸の測定電流値が小さいほど、電極の感度が高いことを表している。
実施例の結果を示す図5のグラフでは、液置換時の送液流速が130ml/minの場合を除いて、電極の感度が非常に高く保たれていることが分かった。
これに対して、比較例の結果を示す図6のグラフでは、電解研磨時の送液流速が大きくなるにつれて、電極の感度が悪くなるという結果が得られた。
<その他の実施例>
前述したバッチ式測定において、回転電極を使用した場合であっても、電解研磨時に電極回転を停止することにより、電極周りの液流れが止まるため、送液を止めた場合と同様の環境となり、同様の電解研磨効果が得られる。
1・・・流路
32・・・作用電極
33・・・参照電極
34・・・対電極
14・・・バルブ
51・・・電圧制御装置
53・・・バルブ制御部
Claims (5)
- 試料を含む液体に接触する炭素電極と、
該炭素電極に電圧を印加して電解研磨する電圧制御部と、
前記炭素電極に対する前記液体の流れを制御する流体制御機構とを備え、
前記炭素電極を用いて前記液体の電気化学測定をする電気化学測定工程と、前記炭素電極の電解研磨をする電解研磨工程とを切り替え可能な電気化学測定装置であって、
前記流体制御機構が、前記液体の流れを発生させる及び/又は前記液体の流れを遮断する流体制御機器と、該流体制御機器を制御する流体制御部とを備えるものであり、
前記電解研磨工程が、前記炭素電極に電圧を印加して電解研磨を行う前に前記炭素電極周囲に前記液体が流れる工程を含み、
前記流体制御部が、前記流体制御機器を制御することによって、前記電解研磨工程において前記電圧制御部が前記炭素電極を電解研磨している間は前記液体の前記炭素電極に対する流れを止め、前記電解研磨工程において前記電圧制御部が前記炭素電極を電解研磨していない間は前記液体が流れるようにすることを特徴とする電気化学測定装置。 - 試料を含む液体が流れる流路をさらに具備し、
前記炭素電極が、前記流路内を流れる前記液体と接触するように配置され、
前記流体制御機器が、前記流路に設けられている請求項1記載の電気化学測定装置。 - 前記炭素電極が、ダイヤモンド電極、又はダイヤモンドライクカーボン電極である請求項1又は2に記載の電気化学測定装置。
- 前記試料に含まれる塩素濃度を測定するものである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気化学測定装置。
- 試料を含む液体が流れる流路と、流路内を流れる前記液体と接触するように配置されている炭素電極とを備えた電気化学測定装置であって、前記液体の電気化学測定を行う電気化学測定工程と、前記炭素電極を電解研磨する電解研磨工程とを切り替え可能な電気化学測定装置の前記炭素電極を電解研磨によって洗浄する方法であって、
前記電解研磨工程が、前記炭素電極に電圧を印加して電解研磨を行う前に前記炭素電極周囲の液流を起こす工程を含み、
前記電解研磨工程において電解研磨している間は前記流路内の前記液体の流れを止め、前記電解研磨工程において電解研磨していない間は前記液体が流れるようにすることを特徴とする炭素電極の洗浄方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018160875A JP7227714B2 (ja) | 2018-08-29 | 2018-08-29 | 電気化学測定装置及びその洗浄方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018160875A JP7227714B2 (ja) | 2018-08-29 | 2018-08-29 | 電気化学測定装置及びその洗浄方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020034408A JP2020034408A (ja) | 2020-03-05 |
JP7227714B2 true JP7227714B2 (ja) | 2023-02-22 |
Family
ID=69667796
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018160875A Active JP7227714B2 (ja) | 2018-08-29 | 2018-08-29 | 電気化学測定装置及びその洗浄方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7227714B2 (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007139725A (ja) | 2005-11-22 | 2007-06-07 | Keio Gijuku | 残留塩素測定方法及び残留塩素測定装置 |
WO2007145343A1 (ja) | 2006-06-15 | 2007-12-21 | Ajinomoto Co., Inc. | 被検対象物の分析方法および分析装置 |
JP2015034740A (ja) | 2013-08-08 | 2015-02-19 | 東亜ディーケーケー株式会社 | 酸化還元電流測定用電極ユニット及び酸化還元電流測定装置 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5792200A (en) * | 1980-11-28 | 1982-06-08 | Hitachi Ltd | Specular finishing method by electrolytic polishing |
JPS628050A (ja) * | 1985-07-05 | 1987-01-16 | Nippon Fuirukon Kk | 被検液中の酸化性物質の濃度測定方法と装置 |
US5382331A (en) * | 1993-07-26 | 1995-01-17 | Nalco Chemical Company | Method and apparatus for inline electrochemical monitoring and automated control of oxidizing or reducing agents in water systems |
-
2018
- 2018-08-29 JP JP2018160875A patent/JP7227714B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007139725A (ja) | 2005-11-22 | 2007-06-07 | Keio Gijuku | 残留塩素測定方法及び残留塩素測定装置 |
WO2007145343A1 (ja) | 2006-06-15 | 2007-12-21 | Ajinomoto Co., Inc. | 被検対象物の分析方法および分析装置 |
JP2015034740A (ja) | 2013-08-08 | 2015-02-19 | 東亜ディーケーケー株式会社 | 酸化還元電流測定用電極ユニット及び酸化還元電流測定装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020034408A (ja) | 2020-03-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4734097B2 (ja) | 残留塩素測定方法及び残留塩素測定装置 | |
US4772375A (en) | Antifouling electrochemical gas sensor | |
US7922890B2 (en) | Low maintenance on-site generator | |
JP6840368B2 (ja) | 残留塩素測定方法及び残留塩素測定装置 | |
JP6827047B2 (ja) | 導電性ダイヤモンド電極で微量金属を検出するための装置および方法 | |
JP2012127943A (ja) | 重金属イオン測定方法及び重金属イオン測定装置 | |
GB1576984A (en) | Monitoring of the concentration of heavy metals in aqueous liquors | |
JPS638423B2 (ja) | ||
JP7227714B2 (ja) | 電気化学測定装置及びその洗浄方法 | |
CN110579524B (zh) | 用于清洁、调节、校准和/或调整电流传感器的方法 | |
JP4874345B2 (ja) | 亜鉛イオンの電気化学測定方法 | |
JP2022114416A (ja) | 電気化学測定装置及び電気化学測定方法 | |
JP3390154B2 (ja) | 残留塩素計およびこれを利用する浄水装置 | |
JP6762536B2 (ja) | 水の腐食性判定方法、及び水の腐食性判定装置 | |
JP6814990B2 (ja) | 残留塩素測定方法及び残留塩素測定装置 | |
WO2023286400A1 (ja) | 電気化学測定装置及び電気化学測定方法 | |
JP4414277B2 (ja) | 酸化還元電流測定装置および酸化還元電流測定装置の洗浄方法 | |
JP7356704B2 (ja) | 電気化学測定装置 | |
JP5181352B2 (ja) | 残留遊離塩素濃度の測定方法及び装置 | |
JP5547661B2 (ja) | オゾン水センサーの洗浄方法 | |
JP2001174430A (ja) | 次亜塩素酸濃度及びpH測定用複合センサー | |
JP2008058025A (ja) | 残留塩素濃度計 | |
Gobet et al. | Microelectrode array sensor for water quality monitoring | |
JP2023062579A (ja) | 電気化学測定装置及び電気化学測定方法 | |
CN101815940B (zh) | 用于测定水或废水化学需氧量的方法和装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210720 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220520 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220531 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20220727 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220825 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221101 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221215 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230202 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230210 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7227714 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |