JP4208171B2 - スイッチ - Google Patents

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  • Tumbler Switches (AREA)
  • Switch Cases, Indication, And Locking (AREA)
  • Manufacturing Of Electrical Connectors (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチ並びにその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電線の結線を容易にしたり、接続の均一化を行って接続信頼性を確保する等の目的で、ねじによらずに結線可能な所謂速結構造の端子部を備えたスイッチが提供されている。
【0003】
図57は従来のスイッチを示す一部省略した分解斜視図、図58は一部省略した側面断面図、図59は同じく一部省略した側面断面図をそれぞれ示している。前面が開口した略箱状の合成樹脂製のボディ1’と、ボディ1’の前面に被着される合成樹脂製のカバー2とでスイッチの器体が構成されている。ボディ1’の内部は隔壁によって複数の区画に区切られており、端子部6’を収納する端子収納室9’が両側に設けられている。端子収納室9’にはそれぞれ導電材料から形成された端子板11’,12’が収納されている。各端子板11’,12’は略コ字状に形成されたコ字状部13’,14’を有しており、コ字状部13’,14’にはそれぞれ一対の錠ばね15’が収納されて端子部6’が構成してある。また、ボディ1’の底面には各端子収納室9’に連通する電線挿入孔16’が貫設されている。
【0004】
錠ばね15’の鎖錠片15b’および押圧片15c’は、弾性を有する導電材料の帯板の両端部を曲成して中央片15a’の両端部に形成される。また、端子板11’,12’のコ字状部13’,14’は、それぞれ、中央片13a’,14a’と、中央片13a’,14a’の両端縁から中央片13a’,14a’と略直交する方向にそれぞれ突出する当接片13b’,14b’および接触片(主片)13c’,14c’から構成される。錠ばね15’の中央片15a’は、端子板11’の当接片13b’に当接し、鎖錠片15b’は中央片15a’との連結部位から先端縁に向かってコ字状部13’の接触片13c’に近付く向きに傾斜し、押圧片15c’は略S字状に曲成されており、錠ばね15’に設けた鎖錠片15b’および押圧片15c’がコ字状部13’の接触片13c’と対向する。
【0005】
端子部6’に電線を接続する場合には、図58に示すように電線100の被覆が剥かれた芯線101を電線挿入孔16’から挿入すると、錠ばね15’のばね力により錠ばね15’の鎖錠片15b’及び押圧片15c’と、端子板12’の接触片14c’との間に芯線101が挟持され、鎖錠片15b’の先端縁が芯線101に食い込むことによって、芯線101が反挿入方向に抜け止めされるようになっている。したがって、電線挿入孔16’に電線100の芯線101を挿入するだけで、電線100の芯線101が保持されるとともに、端子板12’への電気的接続がなされるのである。また各端子収納室9’内には、一対の錠ばね15’の鎖錠片15b’と対向させて解除釦17’が収納されている。端子部6’に接続された電線100の芯線101を外す場合は、ボディ1’の底面に穿設された操作孔からマイナスドライバなどの工具を挿入して、解除釦17’を押圧することにより、解除釦17’の突起17a’が鎖錠片15b’を押圧して、鎖錠片15b’を端子板12’の接触片14c’から離れる向きに撓ませるので、鎖錠片15b’が芯線101から離れ、芯線101を容易に引き抜くことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のスイッチにおいては、錠ばね15’を形成する導電材料の強度の関係等から適用電線の範囲(接続可能な芯線101の直径の範囲)が狭くなっていた。また、撚り線からなる芯線を挿入しても押圧片15c’が撓まずに芯線がばらけてしまい、撚り線を芯線とする電線を結線することができなかった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、適用電線の範囲を拡大できるとともに撚り線を芯線とする電線の結線も可能なスイッチ並びにその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、前記錠ばねは、弾性を有する導電性の板材を曲成することにより、前記端子板に対向配置される中央片と、前記電線挿入孔を通して電線を挿入する向きにおいて前記端子板との距離を小さくするように前記中央片との連結部位から先端縁に向かって前記端子板に近づく向きに傾斜する前記鎖錠片と、S字状に曲成され前記中央片との連結部位から前記端子板に向けて延出されており、先端部が前記電線挿入孔を通して電線を挿入する向きにおいて前記端子板との距離を小さくするように傾斜し、且つ先端部が芯線を前記端子板の方へ押圧することにより当該端子板との間に芯線を弾性挟持する押圧片とが形成されてなり、この押圧片が、前記中央片との連結部位よりも先端部側で中央片との間隔が最も狭くなるように形成されたことを特徴とし、従来に比較して錠ばね全体の寸法増大を抑えながら押圧片の中央片との連結部位から先端部までの寸法を長くすることができる。このため、押圧片を撓ませるのに必要な力が低下するから適用電線の範囲を拡大できるとともに撚り線の結線が可能となる。さらに、鎖錠片と前記端子板との間に芯線を挿入すると芯線の先端部分が鎖錠片の先端縁を乗り越えるよりも前に端子板から離れる向きに撓んだ鎖錠片の先端部分が押圧片の先端部に当接して押圧片を撓ませるように、芯線に接触する押圧片の先端部を鎖錠片の先端縁近傍に配置したことを特徴とし、鎖錠片と端子板との間に芯線を挿入すると芯線の先端部分が鎖錠片の先端縁を乗り越えるよりも前に端子板から離れる向きに撓んだ鎖錠片の先端部分が押圧片の先端部に当接して押圧片を撓ませることになる。その結果、結線時における芯線の挿入感触が良好となり、芯線の挿入不良を防ぐことができる。
【0011】
請求項の発明は、請求項の発明において、前記押圧片の鎖錠片と対向する部位を鎖錠片から離れる向きに湾曲させてなることを特徴とし、解除釦で鎖錠片を撓ませたときに鎖錠片が押圧片と干渉するのを防ぐことができ、解除釦による解除操作がし易くなる。
【0012】
請求項の発明は、請求項の発明において、芯線を挿入しない状態で前記鎖錠片の先端縁と前記端子板との間に隙間が空くように前記錠ばねが形成されたことを特徴とし、鎖錠片の先端縁と端子板との間に隙間を空けたことで撚り線が挿入し易くなる。
【0013】
請求項の発明は、請求項の発明において、前記押圧片の先端部は、芯線に接触する向きに突出する複数のアールが付けられてなることを特徴とし、芯線の径に応じて芯線と押圧片との接触位置が変わるから、錠ばねの回転を防止して芯線の保持を安定させることができる。
【0014】
請求項の発明は、請求項1の発明において、前記端子板及び錠ばねの芯線挿入方向に沿って互いに当接する部位が略平坦に形成されたことを特徴とし、端子板と錠ばねが略平坦な部位で当接するために芯線挿入時の錠ばねの回転を防止することができ、芯線の保持を安定させることができる。
【0015】
請求項の発明は、請求項1の発明において、前記器体に突設された突起と嵌合する嵌合溝が前記錠ばねに設けられたことを特徴とし、器体の突起と錠ばねの嵌合溝とを嵌合させているために芯線挿入時の錠ばねの回転を防止することができ、芯線の保持を安定させることができる。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1の発明において、前記器体の内面に形成されている傾斜壁に当接して前記錠ばねを支持する支持片が当該錠ばねに設けられたことを特徴とし、支持片を器体に当接させて錠ばねを支持しているために芯線挿入時の錠ばねの回転を防止することができ、芯線の保持を安定させることができる。
【0017】
請求項8の発明は、請求項1の発明において、前記器体の内面に設けられた凹所の角部に係止する係止部が前記錠ばねに設けられたことを特徴とし、錠ばねの係止部を器体に係止させているために芯線挿入時の錠ばねの回転を防止することができ、芯線の保持を安定させることができる。
【0018】
請求項9の発明は、請求項8の発明において、前記器体の内面に形成されている傾斜壁に当接して前記錠ばねを支持する支持片が錠ばねに設けられたことを特徴とし、支持片を器体に当接させて錠ばねを支持しているために芯線挿入時の錠ばねの回転をさらに確実に防止することができ、芯線の保持を一層安定させることができる。
【0019】
請求項10の発明は、請求項1の発明において、前記器体の内側面に設けられた溝に嵌合する嵌合片が前記錠ばねに設けられたことを特徴とし、錠ばねの嵌合片を器体の溝に嵌合させているために芯線挿入時の錠ばねの回転を防止することができ、芯線の保持を安定させることができる。
【0020】
請求項11の発明は、請求項10の発明において、前記嵌合片が1個の前記錠ばねの対称な複数の位置にそれぞれ設けられたことを特徴とし、嵌合片が対称な位置に設けられているために組立時の方向性を考慮する必要が無く、組立性の向上が図れる。
【0022】
請求項12の発明は、請求項1の発明において、前記錠ばねを挟持する挟持部が前記端子板に設けられたことを特徴とし、端子板の挟持部で錠ばねを挟持するために芯線挿入時の錠ばねの回転を防止することができ、芯線の保持を安定させることができる。
【0023】
請求項13の発明は、請求項1の発明において、前記端子板において前記芯線を接触させる面には当該芯線が導入される部位の両側に一対の案内突部が突設されていることを特徴とし、案内突部の間を電線の芯線が通れば芯線は広がらずに錠ばねとの間で挟持され、撚り線からなる芯線の一部が広がっても、案内突部と錠ばねとの間で保持されるから、撚り線を芯線とする電線であっても、器体に設けた電線挿入孔に電線を挿入するだけで結線作業が行える。
【0024】
請求項14の発明は、請求項13の発明において、前記案内突部において少なくとも互いに近い側の端部が球面状に形成されていることを特徴とし、撚り線からなる芯線が広がろうとしても両案内突部の間に芯線が追い込まれることになり、芯線が広がるのを防止することができる。
【0025】
請求項15の発明は、請求項13の発明において、前記案内突部が前記鎖錠片の端縁の一部に対向する位置に形成されていることを特徴とし、鎖錠片により端子板に芯線を押し付けることができ、芯線に対する比較的大きい保持力を確保することができる。
【0026】
請求項16の発明は、請求項13の発明において、一対の前記案内突部が前記芯線の先端側に向かって互いの距離を小さくする形で配置されていることを特徴とし、器体に導入された芯線が両案内突部の間を通るように案内されることになり、芯線が撚り線である電線であっても芯線が広がることなくまとまって、錠ばねと端子板との間で確実に保持することができる。
【0027】
請求項17の発明は、請求項13の発明において、前記端子板において前記芯線との接触部位には芯線の挿入方向おいて凹凸が交互に繰り返すローレット部が形成されていることを特徴とし、ローレット部の凹凸によって芯線の表面に付着した異物を除去することができ、端子板と芯線との電気的接続状態が良好になる。また、案内突部を設けて芯線が通る部位を規制しているから、規制された範囲内にローレット部を形成すればよく、ローレット部の領域を少なくすることができる。
【0028】
請求項18の発明は、請求項1又は13の発明において、前記端子板において前記芯線を接触させる面には前記鎖錠片の側縁に沿ってガード片が突設されていることを特徴とし、ガード片を設けたことによって芯線が不要な部位に挿入されるのを防止することができる。また、ガード片によって芯線の通る部位が規制されるから、芯線が撚り線である電線でも芯線の広がりを規制して錠ばねと端子板との間で芯線を保持することができる。つまり、撚り線を芯線とする電線であっても、器体に設けた電線挿入孔に電線を挿入するだけで結線作業が行える。
【0029】
請求項19の発明は、請求項1の発明において、前記鎖錠片は、前記端子板の主片に向かってばね付勢され、前記解除釦は、前記器体内に組み付けた状態で器体内に並設される2つの前記主片それぞれに対向する2個の錠ばねの前記鎖錠片にそれぞれ当接する押し片が両側面にそれぞれ突設され、隣り合う前記主片間及び錠ばね間に介在し且つ前記芯線の挿入方向において前記電線挿入孔付近から少なくとも前記押圧片と前記芯線との接触位置まで延長されてなることを特徴とし、撚り線からなる芯線の一部が広がっても、少なくとも押圧片と芯線との接触位置までは解除釦によって芯線が端子板の主片に沿って案内されるから、芯線が不要な部位に挿入されるのを防止することができ芯線の広がりが抑制され、端子板の主片と錠ばねとの間に芯線を保持できて、芯線に対する比較的大きい保持力を確保することができ、撚り線を芯線とする電線であっても、器体に設けた電線挿入孔に電線を挿入するだけで結線作業が行える。
【0030】
請求項20の発明は、請求項19の発明において、前記解除釦は、前記端子板において前記芯線を接触させる面に直交する方向を左右方向とするとき左右対称の形状に形成してなることを特徴とし、組立時に前記左右方向に関して解除釦の左右を確認する必要がなくなり、組立性が向上する。
【0031】
請求項21の発明は、請求項19の発明において、前記解除釦は、前記芯線の挿入方向の先端面において隣り合う前記主片間を結ぶ直線に交差する溝が形成されてなることを特徴とし、隣り合う主片同士を絶縁するにあたって主片間の直線距離よりも長い沿面距離を確保することができ、前記直線の延長方向における器体の幅を小さくすることが可能になり、器体の小型化を図れる。
【0032】
請求項22の発明は、請求項19の発明において、前記押し片は、前記鎖錠片との当接部位近傍の表面が前記鎖錠片に線状に当接する曲面状に形成されてなることを特徴とし、解除釦の動きがスムーズになる。
【0033】
請求項23の発明は、請求項19の発明において、前記解除釦は、合成樹脂成形品よりなり、パーティングライン部を前記押し片において前記鎖錠片との対向面以外の部位に設けてなることを特徴とし、鎖錠片との当接部位近傍の表面を鎖錠片に線状に当接する曲面状に形成することが容易になる。
【0034】
請求項24の発明は、請求項1の発明において、前記操作孔周辺の少なくとも一部を除いて前記電線挿入孔の周辺にリブを形成したことを特徴とし、リブが芯線を外すために工具を操作孔に挿入する際の邪魔にならないことから解除釦の操作性が低下せず、このリブに電線が支持されるために芯線の接続安定性が向上できる。
【0035】
請求項25の発明は、請求項1の発明において、前記端子板の芯線挿入方向に沿った側面と対向する前記器体の内側面に当該端子板側へ突出する突部を設けたことを特徴とし、従来に比べて器体の内側面と端子板との間の隙間が小さくなり、撚り線のように線径の細い芯線を接続する場合でも芯線が上記隙間に入り込む虞がなく、短絡や絶縁不良等の不具合が生じない。
【0036】
請求項26の発明は、請求項25の発明において、ボディとカバーを組み立てて前記器体を構成し、当該ボディとカバーの突き合わせ面と前記突部との間に凹部を設けたことを特徴とし、外部から侵入した水滴等を凹部に滞留させることで端子板を収納する空間への水滴等の侵入を抑えることができる。
【0039】
請求項27の発明は、請求項1の発明において、前記開閉機構部は、導電材料から平板状に形成され一面に可動接点を有し前記第1の端子部が具備する第1の端子板と接触した状態で回動する開閉体と、前記操作部に一端部が保持されるとともに他端部が前記開閉体に保持され当該操作部の回動操作に応じて前記開閉体に反転回動力を付与するコイルスプリングとを具備し、当該コイルスプリングと対向する前記開閉体の部位に前記コイルスプリングの他端部内に挿入される突出片を設けるとともに、該突出片の両側部に前記コイルスプリングの他端部と面接触する平坦面を形成したことを特徴とし、コイルスプリングが開閉体の端部に設けた面取り部で接触する場合に比べて、開閉体とコイルスプリングとの接触面積が増加し、開閉体が回動する場合でも開閉体に対するコイルスプリングの位置を常に安定させることができる。したがって、コイルスプリングの反転回動力を開閉体に確実に作用させて、接点部の開閉動作を安定して行わせることができる。
【0040】
請求項28の発明は、請求項27の発明において、前記開閉体における前記第1の端子板と接触する辺以外の辺であって、当該第1の端子板との接触部位以外の部位に側方に突出する張出片を前記開閉体と一体に設け、前記可動接点が固定接点から開離する方向へ当該開閉体が回動する場合に、前記張出片と当接して前記開閉体の回動範囲を規制する規制リブを前記器体に設けたことを特徴とし、張出片が規制リブと当接することにより開閉体の回り止めを行って回動範囲を規制することができ、且つ、張出片は開閉体における第1の端子板と接触する辺以外の辺であって、第1の端子板との接触部位以外の部位に設けられているので、開閉体の回動軸となる第1の端子板との接触部位付近に張出片を設けた場合に比べて、張出片と規制リブとの摩擦によって発生する削りかすなどが開閉体と第1の端子板との接触部に溜まるのを防止でき、開閉体の回動動作を安定させて、接点部の開閉動作を安定させることができる。
【0041】
請求項29の発明は、請求項1の発明において、2つの操作位置の間で揺動する前記操作部と、前記可動接点が固着された開閉体を有し前記操作部の操作に連動して前記開閉体を回動する前記開閉機構部とを備え、前記第1の端子部は、外部の電線が接続されるとともに前記開閉体と接触導通する手段を有する2つの第1の端子板を連結してなり、前記第2の端子部は、外部の電線と接続されるとともに各々固定接点が固着された2つの第2の端子板を連結してなることを特徴とし、第1及び第2の端子部をそのまま器体に収納すれば単極スイッチとなり、連結部位で切断して2つに分割された各一対の第1及び第2の端子板をそれぞれ器体に収納するとともに開閉体を含む開閉機構部の部品を追加すれば2極スイッチとなる。故に、単極スイッチと2極スイッチについて器体を含む幾つかの部品を共通化することができてコストダウンが図れる。
【0042】
請求項30の発明は、請求項1の発明において、2つの操作位置の間で揺動する前記操作部と、2つの前記可動接点が固着された開閉体を有し前記操作部の操作に連動して前記開閉体を回動する前記開閉機構部とを備え、前記第1の端子部は、外部の電線が接続されるとともに前記開閉体と接触導通する手段を有する2つの第1の端子板を連結してなり、前記第2の端子部は、外部の電線と接続されるとともに各々2つの固定接点が互いに対向するように固着された2つの第2の端子板を連結してなることを特徴とし、第1及び第2の端子部をそのまま器体に収納すれば3路スイッチとなり、連結部位で切断して2つに分割された各一対の第1及び第2の端子板をそれぞれ器体に収納するとともに開閉体を含む開閉機構部の部品を追加すれば4路スイッチとなる。故に、3路スイッチと4路スイッチについて器体を含む幾つかの部品を共通化することができてコストダウンが図れる。
【0043】
請求項31の発明は、請求項29又は30の発明において、前記第1及び第2の端子部をそれぞれ収納する収納部を前記器体の両端部に設けるとともに当該器体の略中央内壁面に1乃至複数条の凹凸を形成したことを特徴とし、第1の端子部と第2の端子部との間の沿面距離を大きくして絶縁性の向上が図れる。
【0044】
請求項32の発明は、請求項31の発明において、前記器体内壁面の凹凸に嵌合する嵌合片を前記第1及び第2の端子板に設けたことを特徴とし、第1及び第2の端子板の回転を防止することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本実施形態のスイッチは所謂タンブラスイッチであり、且つ単極単投に用いる単極スイッチ(所謂B接点構成の片切りスイッチ)であって、図1〜図3に示すように前面が開口した略箱状の合成樹脂製のボディ1と、前面が略矩形状に形成されるとともに、ボディ1の前面に被着される合成樹脂製のカバー2とで構成される器体10を備えている。ボディ1の長手方向の両側面にはそれぞれ一対の係止凸部3が突設されるとともに、カバー2の後端縁からは係止凸部3と係止離脱自在に係止する係止孔4がそれぞれ穿設された舌片5が突設されており、係止凸部3と係止孔4とを凹凸係止させることによってボディ1とカバー2とが組み立てられる。
【0047】
ボディ1の内部は隔壁によって複数の区画に仕切られており、長手方向両端部には後述する第1及び第2の端子部61,62を収納する端子収納室9,9が設けられ、後述する片切タイプ(B接点タイプ)の接点部8を収納する接点収納室7が略中央に設けられている。また、ボディ1の内側面には、各端子部61,62並びに接点部8を位置決めするための保持リブ1a及び保持溝1bがそれぞれ複数形成されている。
【0048】
第1及び第2の端子部61,62は、図1及び図11に示すように導電性の金属板により形成された第1及び第2の端子板11,12と、各端子板11,12毎に2個ずつ設けた錠ばね15と、各端子板11,12毎に2個ずつ設けた錠ばね15に当接する合成樹脂成型品の解除釦17とを備える。各端子板11,12は、端子収納室9内でボディ1の短幅方向両内側面に設けた保持溝1bに両側部が挿入保持される接触片(主片)13c,14cと、接触片13c,14cに対向する当接片13b,14bと、接触片13c,14cと当接片13b,14bとの前端縁間を連続一体に連結するようにボディ1の開口面に沿って延長された連結片13a,14aとが一体に略コ字状に形成されたコ字状部13,14を有している。当接片13b,14bはボディ1の接点収納室7内でボディ1の短幅方向の両内側面に形成された保持リブ1aに当接し、保持リブ1aと保持溝1bとの間で各端子板11,12がボディ1に保持される。錠ばね15はコ字状部13,14内、詳しくは接触片13c,14cと当接片13b,14bとの間に収納される。第1の端子板11には連結片13aから延長されて先端部に固定接点21を備える接点保持片20が接点収納室7に向かって斜め後向き(図2の下向き)に延設される。また、第2の端子板12には当接片14bの後端縁から接点収納室7に向かってボディ1の内底面に沿う形で支持片23が延設され、支持片23の先端部には前面開放された断面V字状の支点凹部22が支持片23の延長方向に直交する形で形成される。また、ボディ1の底面には各端子収納室9に連通する電線挿入孔16が2個づつ貫設されている。
【0049】
錠ばね15は、帯状の板ばねの一端部をS字状に曲成して押圧片15cを形成し、他端部をJ字状に曲成して鎖錠片15bを形成し、押圧片15cと鎖錠片15bとの間を中央片15aにより連続一体に連結した形状に形成される。また、押圧片15c及び鎖錠片15bは中央片15aに対して厚み方向の同じ側に突出する。錠ばね15を第1及び第2の端子板11,12のコ字状部13,14内、すなわち接触片13c,14cと当接片13b,14bとの間に装着するに際しては、中央片15aを当接片13b,14bに当接させる形で押圧片15c及び鎖錠片15bを接触片13c,14cに対向させる。ここに、押圧片15c及び鎖錠片15bの先端部は、先端側ほど中央片15aから離れる向きに傾斜し、かつ互いに略平行になるように延長されている。また、押圧片15c及び鎖錠片15bの先端部は、先端側ほど連結片13a,14aとの距離を小さくするように配置される。
【0050】
上述した電線挿入孔16は、コ字状部13,14の接触片13c,14cと押圧片15c及び鎖錠片15bとの間に対応する部位に形成され、電線挿入孔16を通して器体10に電線100を挿入すると、電線100の絶縁被覆が除去されて露出した芯線101が接触片13c,14cと押圧片15c及び鎖錠片15bとの間に挟持され、芯線101が接触片13c,14cに接触して第1及び第2の端子部61,62と芯線101とが電気的に接続されるとともに、鎖錠片15bの先端縁が芯線101に食い込むことによって電線100が器体10から抜けないように機械的に保持される。とくに、鎖錠片15bは電線挿入孔16を通して電線100を挿入する向きにおいて接触片13c,14cとの距離を小さくするように傾斜しているから、電線100を引き抜く向きの力に対して鎖錠片15bが撓みにくく、電線100の引き抜きを確実に阻止することになる。
【0051】
ボディ1の底面には解除釦17に対応する部位に操作孔18が貫設される。解除釦17は各端子部61,62に設けた2個ずつの錠ばね15の間に配置され、両錠ばね15の鎖錠片15bの後面側にそれぞれ当接する2個の押し片17aが側面から突出する形状を有する。操作孔18はマイナスドライバの先端部のような工具が挿入可能となる形状を有し、工具を操作孔18に挿入して解除釦17を前方に押圧すると、鎖錠片15bが押し片17aから押圧力を受けることにより接触片13c,14cから離れる向きに撓むようにしてある。したがって、上述のようにして各端子部61,62に電線100を接続した状態で操作孔18に工具を挿入して解除釦17を押圧すれば、鎖錠片15bが芯線101から離れるように撓んで電線100の機械的保持が解除され、電線100を器体10から引き抜くことが可能になる。ここに、解除釦17には2個の押し片17aが設けられ、各々端子部61,62に設けた2個の錠ばね15の鎖錠片15bを同時に押圧するから、各々端子部61,62に2本の電線100を接続しているときには1個の解除釦17を押圧すれば2本の電線100の機械的保持を同時に解除することができる。
【0052】
接点部8は接点保持片20が備える固定接点21と可動接点24を備える可動接点板19とで構成される。可動接点板19は、図20に示すように、例えば真鍮のような導電材料よりなる帯板から短冊状に形成された中央片19aを有し、中央片19aの一面には固定接点21と接離自在に接触する可動接点24が固着されている。また、中央片19aの上端部には、反転ハンドル30に一端部が保持されたコイルスプリング32の他端部に圧入される突出片19bが突設されており、中央片19aの左右両側縁における可動接点24両側の部位からは側方に突出する張出片19c,19cがそれぞれ突設されている。ボディ1の短幅方向両側面の略中央には内方に突出するリブ33,33が突設されており、ボディ1の長手方向両側の端子収納室9内に第1及び第2の端子板11,12を収納した状態で可動接点板19を接点収納室7内に納めると、可動接点板19の下端縁が第2の端子板12の支点凹部22に挿入され、可動接点板19が支点凹部22を中心として揺動自在に配置される。この時、可動接点板19の両側にリブ33,33が配置され、ボディ1の短幅方向への可動接点板19の移動がリブ33,33によって規制される。
【0053】
一方、カバー2は前面に略矩形状の開口25が形成され、開口25の長手方向略中央の開口縁には前方に突出する軸受け台26が突設されており、各軸受け台26の互いに対向する面には溝27が形成されている。なお、カバー2の長手方向の両端部にはカバー2の両端部側縁に沿ってカバー2の前面から突出する段部28がそれぞれ突設され、各段部28の外側面には各一対の係止爪29が突設される。ここでは詳しく説明しないが、係止爪29は配線器具用の取付枠に設けた取付孔に係合することによって器体10を取付枠に保持させるために設けてあり、壁面などの施工面に器体10の一部を埋め込む形で施工する際に、施工面に固定される取付枠への器体10の結合作業が容易になっている。また、段部28は器体10を取付枠に取り付けたときに取付枠の裏面側に当接することになる。操作ハンドル38は両段部28の間に配置され、操作ハンドル38は揺動時において段部28に干渉しないように形成される。このように段部28をカバー2に突設し段部28に係止爪29を設けたことによって、段部28を設けない場合に比較すると操作ハンドル38を後方に位置させることが可能になり、施工状態においてカバー2と操作ハンドル38との間に形成される隙間が外部から見えにくくなる。
【0054】
接点部8の開閉操作を行うための合成樹脂製の反転ハンドル30は背面が開口した略箱状であって、前面が略矩形状に形成されており、長手方向の両側面にはカバー2の溝27に入り込む突起31がそれぞれ突設されている。また、反転ハンドル30前面の長手方向における一端側には開口34が穿設され、開口34の両側には側方に突出する爪35,35が突設され、反転ハンドル30前面の長手方向における他端側略中央には側方に突出する爪36が突設されている。また、カバー2前面の裏側にはコイルスプリング32が納められる棒状突起(図示せず)が設けられている。
【0055】
反転ハンドル30の前面側には合成樹脂製の操作ハンドル38が着脱自在に取り付けられる。操作ハンドル38は、反転ハンドル30の前面を覆う矩形状の主部と主部の周縁から全周にわたって背方に突出する側壁とを連続一体に形成した略箱型のもので、主部裏面の長手方向略中央には弾性を有する係止爪片39,40が突設されている。係止爪片39,40の先端には内方に突出する爪39a,40aが突設され、係止爪片39,40の爪39a,40aと反転ハンドル30の爪35,36とを係止させることにより、操作ハンドル38の短幅方向における中心と器体10の短幅方向における中心とを略一致するようにして、操作ハンドル38が反転ハンドル30に取り付けられる。
【0056】
ところで、本実施形態のスイッチでは、片切タイプの接点部8のオフ時に点灯してスイッチの設置位置を表示するために、ネオンランプからなる位置表示灯53を有する点灯表示部52を反転ハンドル30内に組み込み、反転ハンドル30の前面に穿設された開口34に位置表示灯53を臨ませている。また、操作ハンドル38の開口34に対応する部位には、操作ハンドル38を貫通する長孔状の孔54が穿設されている。導光部材からなるプリズム55は孔54に挿通され先端が操作ハンドル38前面から突出する先端に丸みを持たせた細長の凸部56を有しており、操作ハンドル38の裏面側から孔54内に凸部56を挿入した状態で操作ハンドル38にかしめ固定される。而して、操作ハンドル38を反転ハンドル30に取り付けると、プリズム55の入射面57が位置表示灯53に対向して配置される。また、プリズム55の凸部56の先端が操作ハンドル38の前面から突出しているので、凸部56により接点部8をオン操作する際に押し操作する操作ハンドル38の位置を容易に判別することができる。
【0057】
一方、点灯表示部52は、合成樹脂製の回路基板52aにインサート成形されている端子板(図示せず)に位置表示灯53及び抵抗Rの一端を電気的に接続して成り、回路基板52aの略中央には圧入孔52bが形成されている。そして、反転ハンドル30内に設けられてコイルスプリング32の一端部が挿入固定される棒状突起を上記圧入孔52bに圧入することで回路基板52aが棒状突起に固定され反転ハンドル30内に納装される。このとき、位置表示灯53及び抵抗Rは反転ハンドル30内の棒状突起周囲のスペースに収納される。
【0058】
回路基板52aの長手方向一端側(端子板11に対向する側)からは、回路基板52aにインサート成形される端子板と一体に形成され、端子板11の上面部と接離自在に接触導通する端子片52cが突出させてある。この端子片52cの下面には接点(図示せず)が形成してある。また、抵抗Rの一方の端子Raが棒状突起の側面に設けた縦溝を通して棒状突起内に挿入され、棒状突起の内部において抵抗Rの端子Raとコイルスプリング32とを接触導通させている。
【0059】
而して、可動接点板19の可動接点24が端子板11の固定接点21と開離(すなわち、接点部8がオフ)するように操作ハンドル38を操作した場合には、回路基板52aの端部から突出する端子片52cの下面に形成された接点が端子板11の上面部に接触導通し、可動接点板19と接触導通しているコイルスプリング32を介して位置表示灯53並びに抵抗Rに電源が供給されて位置表示灯53が点灯し、位置表示灯53の発光がプリズム55の入射面57に入射し、プリズム55内で屈折されて凸部56から外部に出射され、接点部8のオフ時にスイッチの位置を表示することができる。一方、可動接点板19の可動接点24が端子板11の固定接点21と接触(すなわち、接点部8がオン)するように操作ハンドル38を操作した場合には、図2に示すように回路基板52aの端子片52cが端子板11の上面部から開離するので、位置表示灯53が消灯する。例えば、本実施形態のスイッチを照明器具の点灯・消灯を指示する目的で用いると、照明器具の消灯時において位置表示灯53が点灯し、暗がりでもスイッチの場所を容易に見つけることができるようになる。
【0060】
而して、上述したスイッチの動作を簡単に説明すれば、図2のように操作ハンドル38の右端部が左端部よりも後方(図の下方)に位置するときには可動接点24が固定接点21に接触しており、この状態ではコイルスプリング32は中間部が両端部よりも左側に膨らんだ状態になり、コイルスプリング32によって可動接点板19を介して可動接点24が固定接点21に押圧されて接点圧が付与される。一方、この状態から操作ハンドル38の左端部を後方に押すと、コイルスプリング32の前端部が右側に移動することによりコイルスプリング32は圧縮された後に急速に伸長して中間部が両端部よりも右側に膨らんだ状態になり、このとき可動接点板19を右側に倒して可動接点24を固定接点21から引き離す。つまり、コイルスプリング32のばね力は反転ハンドル30を左回りに回転させる向きに作用し、端子片52cを端子板11に接触させる接触圧が生じることになる。
【0061】
ここで、従来のスイッチにおいては、錠ばね15’の押圧片15c’が中央片15a’との連結部位よりも先端部側へ行くほど中央片15a’との間隔が広くなるように曲成されていた。すなわち、図5(a)に示すように押圧片15c’の中央片15a’に対向する方向への曲げ部X、および中央片15a’から離れる方向への曲げ部Yと中央片15a’との各間隔A,BがA<Bの関係となっていたため、押圧片15c’を撓ませるのに大きな力が必要となり、錠ばね15’を形成する導電材料の強度の関係から適用電線の範囲(接続可能な芯線101の直径の範囲)が狭くなっていた。また、押圧片15c’を撓ませるのに必要な力が大きいために撚り線からなる芯線を挿入しても押圧片15c’が撓まずに芯線がばらけてしまい、撚り線を結線することができなかった。それに対し本実施形態においては、錠ばね15の押圧片15cが、中央片15aとの連結部位よりも先端部側で中央片15aとの間隔が最も狭くなるように曲成されている。すなわち、図5(b)に示すように押圧片15cの中央片15aに対向する方向への曲げ部X、および中央片15aから離れる方向への曲げ部Yと中央片15aとの各間隔A,BをA>Bの関係としているため、従来に比較して錠ばね15全体の寸法増大を抑えながら、押圧片15cの中央片15aとの連結部位から先端部までの寸法を長くすることができ、押圧片15cを撓ませるのに必要な力を低下させ、且つ押圧片15cへの応力集中を分散させることができる。その結果、図5(a)に示す従来例に比較して適用電線の範囲を拡大できるとともに撚り線の結線も可能になる。なお、押圧片15cの寸法が長くなったことに伴って鎖錠片15bの寸法も長くなっており、従来例に比較して鎖錠片15bも撓み易くなっている。
【0062】
また、従来例においては、図6(a)に示すように錠ばね15’の鎖錠片15b’の先端縁と押圧片15c’の先端部との間隔が大きいために、芯線101の挿入時に最初に鎖錠片15b’の先端縁を乗り越える際の抵抗があり、その後に押圧片15c’の先端部に接触して押圧片15c’を撓ませる際の抵抗があった。このため、図7(a)に示すように芯線101の挿入力に2つのピークが生じ、電線100の結線時における芯線101の挿入感触が良くないものであった。これに対して本実施形態では、芯線101に接触する押圧片15cの先端部を鎖錠片15bの先端縁近傍に配置しているので、鎖錠片15bと端子板11,12の接触片13c,14cとの間に芯線101を挿入すると、図6(b)に示すように接触片13c,14cから離れる向きに撓んだ鎖錠片15bの先端部分が押圧片15cの先端部に当接して押圧片15cを撓ませることとなる。このため、図7(b)に示すように芯線101の挿入力に1つのピークしか生じず、電線100の結線時における芯線101の挿入感触が良好となり、芯線101の挿入不良を防ぐことができる。
【0063】
また、上述のように芯線101に接触する押圧片15cの先端部を鎖錠片15bの先端縁近傍に配置した場合、解除釦18を操作して鎖錠片15bを撓ませる際に鎖錠片15bと押圧片15cとが干渉すると解除作業がし難くなってしまう。そこで本実施形態においては、図8に示すように押圧片15cの鎖錠片15bと対向する部位Zを鎖錠片15bから離れる向きに湾曲させており、これにより、解除釦17で鎖錠片15bを撓ませたときに鎖錠片15bが押圧片15cと干渉するのを防ぐことができ、解除釦17による解除操作がし易くなるという利点がある。
【0064】
さらに、本実施形態においては、図9に示すように芯線101を挿入しない状態で鎖錠片15bの先端縁と第1及び第2の端子板11,12の接触片13c,14cとの間に隙間が空くように錠ばね15が形成されている。すなわち、端子板11,12のコ字状部13,14における当接片13c,14cと接触片13c,14cとの間隔L1に対して、錠ばね15における中央片15aと鎖錠片15bの先端縁との間隔L2が狭くしてある(L1>L2)。このように鎖錠片15bの先端縁と端子板11,12の接触片13c,14cとの間に隙間を空けたことで撚り線からなる芯線が挿入し易くなるという利点がある。
【0065】
ここで、芯線101の径によっては鎖錠片15bと各端子板11,12の接触片13c,14cとの間に芯線101を挿入する際に錠ばね15が回転して芯線101の保持を安定させることができない虞がある。そこで、本実施形態においては、図10に示すように芯線101に接触する押圧片15cの先端部に芯線101に接触する向きに突出する複数のアールRが付けられている。このため、芯線101の径に応じて芯線101と押圧片15cとの接触位置が変わるから、錠ばね15の回転を防止して芯線101の保持を安定させることができる。
【0066】
また、本実施形態においては、各端子板11,12及び錠ばね15の芯線挿入方向に沿って互いに当接する部位、すなわちコ字状部13,14の連結片13a,14aにおける当接片13b,14b近傍の部位、並びに錠ばね15の押圧片15cにおける中央片15a近傍の部位が略平坦に形成されている。このため、少なくとも芯線101の挿入時には、図2に示すように連結片13a,14aにおける当接片13b,14b近傍の部位と押圧片15cにおける中央片15a近傍の部位とが略平坦な面全体で当接することになる。したがって、第1又は第2の端子部61,62に電線100を接続する場合、電線100の芯線101を電線挿入孔16から挿入したときに挿入方向に平行な平面内での錠ばね15の回転(図4における反時計回りの回転)を防止することができ、芯線101の保持を安定させることができる。また、上記回転を防止することで鎖錠片15bの先端を芯線101にしっかりと食い込ませることができて結線後の芯線101の抜けを防止することができる。
【0067】
ところで、芯線101との接触部位である接触片13c,14cが平板であると、芯線が撚り線である場合に端子板11,12と錠ばね15との間に導入したときに撚り線を構成する各線がばらばらに広がるから、錠ばね15と端子板11,12との距離が小さくなって錠ばね15による接触圧が低下することになる。そこで本実施形態は、図11〜図13に示すように、各端子板11,12の接触片13c,14cにおいて錠ばね15の鎖錠片15bの先端部付近において、鎖錠片15bが接触可能な部位であって電線挿入孔16を通して器体10に導入された電線100の芯線101が接触する部位の両側に一対の案内突部13d,14dを突設してある。両案内突部13d,14dは接触片13c,14cの幅方向に並ぶように配置され、案内突部13d,14dにおいて互いに近い端部は球面の一部となる(いわゆるSR形状)に形成してある。したがって、電線挿入孔16から芯線が撚り線である電線100を導入した場合に、芯線がばらばらに広がったとしても案内突部13d,14dに乗り上げる形になって鎖錠片15bと案内突部13d,14dとの間に芯線が確実に挟持され、しかも案内突部13d,14dがSR形状であることによって芯線はできるだけ両案内突部13d,14dの間を通るように誘導されることになる。要するに、芯線が撚り線であってもばらばらに広がる可能性を低減することができる。さらに、案内突部13d,14dの位置が鎖錠片15bの先端部付近であることによって、芯線が案内突部13d,14dに乗り上げた状態でも鎖錠片15bから比較的大きい接触圧を芯線に作用させることができ、芯線の電気的な接続を確実に確保することができる。なお、第1及び第2の端子板11,12と芯線との接触状態をさらに安定させるために、図14(a)に示すように、各端子板11,12における芯線との接触部位に芯線の導入方向(図14の上下方向)において凹凸が交互に繰り返すローレット部13e,14eを形成するのが望ましい。このようなローレット部13e,14eを形成しておけば、芯線に対する摩擦が大きくなって細い撚り線でも接続可能になるとともに、芯線の表面に付着した汚れをローレット部13e,14eの凹凸によってある程度除去することができる。ここに、上述のように芯線は主として両案内突部13d,14dの間を通ることになるから、図14(c)のように、ローレット部13e,14eは両案内突部13d,14dの間の幅程度に設ければよく、端子板11,12の一部にのみローレット部13e,14eを設ければよいことになる。
【0068】
上述した2個の案内突部13d,14dは図14(a)のように芯線の挿入方向(図14の上下方向)に直交させて配置してもよいが、図14(b)(c)のように、芯線の先端側(図14の上側)に向かって互いの距離を小さくする形で配置してもよい。案内突部13d,14dをこのように配置すれば、器体10に導入された芯線はばらばらになろうとしても、両案内突部13d,14dの間を通るように両案内突部13d,14dによって追い込まれることになり、撚り線を芯線とする芯線であっても撚り線がばらばらにならず、第1及び第2の端子板11,12と錠ばね15との間に芯線を確実に保持することが可能になる。
【0069】
上述の構成例では案内突部13d,14dを設けているだけであるが、図15及び図16に示すように、接触片13c,14cの一方の側縁に鎖錠片15bの側縁に沿ったガード片13f,14fを突設してもよい。ガード片13f,14fは、各端子板11,12に対応する2個の錠ばね15について、それぞれ一方の側縁に沿って形成され、かつ両錠ばね15の間の部位に設けられる。このようなガード片13f,14fを設けていることによって、錠ばね15の位置ずれが抑制されるとともに、電線の芯線が撚り線であってもガード片13f,14fによって芯線の挿入される範囲が規制されることになる。なお、接触片13c,14cの他方の側縁はボディ1の内側面に設けた保持溝1bに挿入され、ガード片13f,14fはボディ1の内側面に対向することになる。つまり、他方の側縁にはガード片13f,14fを設けることなく芯線の位置の規制が可能になる。但し、端子板11,12に案内突部13d,14dを設けずにガード片13f,14fのみを設けた構成としても良い。
【0070】
また、本実施形態においては、図17〜図19に示すように、各端子板11,12における隣り合う接触片13c,14cの前部同士が切り離された形状に形成し、各解除釦17が隣り合う接触片13c,14c間に介在し且つ電線の挿入方向(図17における上方向)において前端面が接触片13c,14cの前端縁の近傍に位置するような形状に形成してある。要するに、図17に示すように隣り合う接触片13c,14cを含む面内における解除釦17の前後方向の寸法を図57〜図59に示した従来の解除釦17’に比べて大きく設定してある。さらに説明すると、解除釦17は、電線の挿入方向において電線挿入孔16付近から錠ばね15の押圧片15cと電線の芯線との接触位置よりも前方まで延長されている。
【0071】
したがって、電線挿入孔16から芯線が撚り線である電線を導入した場合に、芯線の一部が広がっても、少なくとも押圧片15cと芯線との接触位置までは解除釦17によって芯線が端子板11,12の接触片13c,14cに沿って案内されるから、芯線が不要な部位に挿入されるのを防止することができ芯線の広がりが抑制される。その結果、端子板11,12の接触片13c,14cと錠ばね15との間に芯線を保持できて、芯線に対する比較的大きい保持力を確保することができ、撚り線を芯線とする電線であっても、器体10に設けた電線挿入孔16に挿入するだけで結線作業が行える。なお、解除釦17は、電線挿入孔16付近から少なくとも押圧片15cと芯線との接触位置まで延長されていればよい。
【0072】
また、解除釦17は、押し片17aにおける鎖錠片15bとの当接部位近傍の表面が鎖錠片15bに線状に当接する曲面状に形成されているので、操作孔15に工具を挿入して解除釦17を前方に押圧したときに解除釦17の動きがスムーズになる。なお、解除釦17は、上述のように合成樹脂成形品よりなり、射出成形時の金型のパーティングラインの位置に対応したパーティングライン部PLを押し片17aの側面に設けてあるので、つまり、押し片17aにおいて鎖錠片15bとの対向面以外の部位に設けてあるので、鎖錠片15bとの当接部位近傍の表面を鎖錠片15bに線状に当接する曲面状に形成することが容易になる。
【0073】
ここに、本実施形態では、解除釦17の形状を、端子板11,12において芯線を接触させる面に直交する方向(つまり、接触片13c,14cの厚み方向)を左右方向として見た場合に左右対称の形状に形成してあるので、組立時に左右方向に関して解除釦17の左右を確認する必要がなくなり、組立性が向上する。なお、解除釦17は、ボディ1の幅方向を左右方向として見た場合にも左右対称の形状に形成してある。
【0074】
また、解除釦17の前端面(電線の挿入方向の先端面)には両側面に突設された押し片17aに平行な溝17bが形成されている。つまり、解除釦17は、前端面において隣り合う接触片13c,14c間(あるいは接触片13c,14c間)を結ぶ直線に交差する溝17bが形成されているので、隣り合う接触片13c,14c間に両接触片13c,14c間の直線距離よりも長い沿面距離を確保することができ、上記直線の延長方向における器体10の幅を小さくすることが可能になり、器体10の小型化を図れる。さらに、解除釦17の溝17bの底面の中央部に円筒状の穴17cを設けてあるので、沿面距離がより一層長くなる。
【0075】
ところで、図20(a)(b)に示すように可動接点板19の中央片19aにおける突出片19bの左右両側部にはコイルスプリング32の先端面と面接触する平坦面19d,19dがそれぞれ形成されている。すなわち、従来のスイッチにおいては、可動接点板の動きをスムーズにするために、突出片19bの両側に面取り加工を施し、面取り部にコイルスプリングを着座させるようにしていたが、コイルスプリングが面取り部に着座するため、コイルスプリングと可動接点板との接触面積が小さくなり、操作ハンドルの反転操作に応じてコイルスプリングが反対側に反り、可動接点板が反転位置まで移動した場合に、コイルスプリングの位置が安定せず、可動接点板に加わるコイルスプリングのばね力が変化して、接点部の接触圧が変動する虞があった。これに対して本実施形態では、コイルスプリング32が可動接点板19に設けた平坦面19d,19dと面接触することになるから、従来のスイッチのように可動接点板19に設けた面取り部と接触する場合に比べて、コイルスプリング32と可動接点板19との接触面積を大きくとることができ、可動接点板19に対するコイルスプリング32の位置を安定させることができる。また、コイルスプリング32は一端部を可動接点板19の突出片19bに圧入することにより、可動接点板19に固定されているので、コイルスプリング32と可動接点板19との位置関係がさらに安定する。なお、突出片19b先端の両角部19eの形状は曲面形状に加工されているので、コイルスプリング32を突出片19bに圧入する際にコイルスプリング32の一端部を容易に誘い込むことができ、コイルスプリング32の取付作業を容易に行える。
【0076】
また、従来のスイッチでは、可動接点24が固定接点21と接触する方向に可動接点板19が反転した場合、両接点が接触することによって可動接点板19の回動範囲を規制し、可動接点24が固定接点21から開離する方向に可動接点板19が反転した場合は、可動接点板19の下端部から側方に突設された突起37とボディ1の内側面に形成された凹部(図示せず)とを係止させることによって、可動接点板19の回動範囲を規制しているが、突起37は可動接点板19の回動軸となる下端部に形成されているため、突起37とボディ1内側面との摩擦により発生した削りかすなどが支点凹所22に溜まって、接点部8の開閉動作に悪影響を与える虞があった。これに対して本実施形態では、可動接点24が固定接点21から離れる向きに可動接点板19が揺動した場合に、可動接点板19の張出片19c,19cとそれぞれ当接して可動接点板19の回り止めを行う規制リブ41,41がボディ1の内側面に設けられている。ここで、可動接点板19の回動範囲を規制する張出片19cは、可動接点板19における第2の端子板12と接触する辺以外の辺であって、第2の端子板12との接触部位(下端部)以外の部位に設けられているので、従来例のスイッチのように可動接点板19の下端部に設けた突起37で回り止めを行う場合に比べて、摩擦により発生した削りかすなどが支点凹所22に溜まるのを防止でき、可動接点板19の回動動作を安定させ、接点部8の反転動作を安定して行わせることができる。
【0077】
さらに、張出片19cは可動接点24の両側に位置する可動接点板19の部位に設けられているので、張出片19cの長さだけ可動接点板19の幅寸法が大きくなり、可動接点板19の強度が高くなる。したがって、可動接点板19に可動接点24をかしめたり、孔開け加工を施す場合に可動接点板19に応力が加わったとしても、可動接点板19が変形することはない。また、張出片19cの付け根には、中央片19aとの連結部位に近付くにつれて可動接点板19の左右両側辺に沿う方向の寸法が大きくなるような隅肉部19fが一体に形成されているので、張出片19cと中央片19aとの連結部位の強度を高めることができ、可動接点板19を真鍮で形成した場合でも、可動接点板19の応力腐食割れを防止することができる。
【0078】
ところで、可動接点板19の材料としては導電性の良好な材料、例えば真鍮が用いられるが、可動接点板19の表面に金属めっき層を形成するようにしても良く、可動接点板19の表面を金属めっき層で保護することにより、腐食環境下における可動接点板19の腐食を抑制して、可動接点板19の応力腐食割れを防止することができる。
【0079】
また、微少負荷の開閉に適した接点部8を実現するためには、第2の端子板12或いは可動接点板19の表面に銀めっきを施して、導電性を向上させることが考えられるが、第2の端子板12側に銀めっきを施そうとすると、クラッド材(例えばAgCdOなどの銀合金)にフープめっきを施す必要があり、コスト高となる。そこで、図21に示すように、可動接点板19のみの全面に銀のめっき層19gを形成するようにしても良く、表面に純銀の薄膜を形成することによって、可動接点板19の応力腐食割れを防止するとともに、可動接点板19の抵抗値を下げて微少負荷の開閉に適した接点部8を実現できる。
【0080】
なお、上述の接点部8の構成では、可動接点板19の左右両側縁における可動接点24付近の部位に側方に突出する張出片19cを突設しているが、図22に示すように、可動接点板19の左右両側縁における可動接点24と下端部との間の部位であって、下端部よりも上方の部位に張出片19cをそれぞれ突設する構成としても良い。この場合、張出片19cと当接して可動接点板19の回動範囲を規制する規制リブ41は、ボディ1の底面側に近い部位に設ければ良い。また、上述の可動接点板19は、複数の可動接点板19が突起37を介して連結された状態で形成され、突起37を切断することによって個々の可動接点板19に分離されるのであるが、図22に示す構造の可動接点板19では、製造時において、複数の可動接点板19が張出片19cを介して連結された状態で形成され、張出片19cの中間部を切断することによって、個々の可動接点板19に分離しており、可動接点板19同士を連結するつなぎ部を張出片19cとして利用しているので、別途張出片19cを形成する必要がないという利点がある。
【0081】
(実施形態2)
本実施形態は、器体10を構成するボディ1に突設された突起70と嵌合する嵌合溝15dが錠ばね15に設けられた点に特徴があり、これ以外の構成は実施形態1と共通である。よって、実施形態1と共通する構成については同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。
【0082】
図23に示すように錠ばね15の中央片15aから鎖錠片15bにかけて幅細の嵌合溝15dが錠ばね15の幅方向略中央に設けられている。そして、ボディ1の端子収納室9に錠ばね15を収納した状態で端子収納室9(図示略)の底面に突設された突起70が錠ばね15の嵌合溝15dに嵌合するようにしてある。
【0083】
而して、突起70を嵌合溝15dに嵌合することにより、電線100の被覆が剥かれた芯線101を電線挿入孔16から挿入したときに挿入方向に直交する平面内での錠ばね15の回転(図23に示した矢印の向きの回転)を防止することができる。しかも、中央片13a,14aにおける当接片13b,14b近傍の部位と押圧片15cにおける中央片15a近傍の部位とが略平坦な面全体で当接するため、実施形態1と同様に芯線101の挿入方向に平行な平面内での錠ばね15の回転も防止することができ、芯線101の保持をさらに安定させることができる。また、上記回転を防止することで鎖錠片15bの先端を芯線101にしっかりと食い込ませることができて結線後の芯線101の抜けを防止することができる。
【0084】
(実施形態3)
本実施形態は、ボディ1に当接して錠ばね15を支持する支持片15eが錠ばね15に設けられた点に特徴があり、これ以外の構成は実施形態1と共通である。よって、実施形態1と共通する構成については同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。
【0085】
図24に示すように錠ばね15の中央片15aから鎖錠片15bにかけて錠ばね15の幅方向略中央部をコ字型に切り欠くことで支持片15eが形成されている。この支持片15eは中央片15a側の一端部を支点として撓み自在になっている。また、錠ばね15がボディ1の端子収納室9に収納された状態では、図25に示すように端子収納室9の底面(電線挿入孔16が開口する面)に形成されている傾斜壁71に支持片15eが圧接して錠ばね15を支持している。
【0086】
而して、支持片15eをボディ1の傾斜壁71に圧接して錠ばね15を支持しているから、図25に示すように電線100の被覆が剥かれた芯線101を電線挿入孔16から挿入したときに挿入方向に平行な平面内での錠ばね15の回転を防止することができる。しかも、実施形態1と同様に、中央片13a,14aにおける当接片13b,14b近傍の部位と押圧片15cにおける中央片15a近傍の部位とが略平坦な面全体で当接するため、芯線101の挿入方向に平行な平面内での錠ばね15の回転をさらに確実に防止することができ、芯線101の保持をさらに安定させることができる。また、上記回転を防止することで鎖錠片15bの先端を芯線101にしっかりと食い込ませることができて結線後の芯線101の抜けを防止することができる。
【0087】
(実施形態4)
本実施形態は、ボディ1に係止する係止部15fが錠ばね15に設けられた点に特徴があり、これ以外の構成は実施形態1と共通である。よって、実施形態1と共通する構成については同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。
【0088】
図26に示すように錠ばね15の鎖錠片15bが略く字形に折曲されて係止部15fが形成されている。一方、ボディ1の端子収納室9の底面には錠ばね15の下部(中央片15aの鎖錠片15bとの連結部位から係止部15fまでの部分)が嵌入する凹所72が設けられている。よって、錠ばね15が端子収納室9に収納された状態では、図26に示すように端子収納室9の底面に設けられた凹所72の角部72aに錠ばね15の係止部15fが係止する。
【0089】
而して、端子収納室9の底面に設けられた凹所72の角部72aに錠ばね15の係止部15fを係止しているから、図26に示すように電線100の被覆が剥かれた芯線101を電線挿入孔16から挿入したときに挿入方向に平行な平面内での錠ばね15の回転を防止することができる。しかも、実施形態1と同様に、中央片13a,14aにおける当接片13b,14b近傍の部位と押圧片15cにおける中央片15a近傍の部位とが略平坦な面全体で当接するため、芯線101の挿入方向に平行な平面内での錠ばね15の回転をさらに確実に防止することができ、芯線101の保持をさらに安定させることができる。また、上記回転を防止することで鎖錠片15bの先端を芯線101にしっかりと食い込ませることができて結線後の芯線101の抜けを防止することができる。
【0090】
なお、図27に示すように実施形態3と同様の支持片15eを錠ばね15に設ければ、芯線101の挿入方向に平行な平面内での錠ばね15の回転をさらに一層確実に防止することができる。
【0091】
(実施形態5)
本実施形態は、ボディ1に設けられた溝に嵌合する嵌合片15gが錠ばね15に設けられた点に特徴があり、これ以外の構成は実施形態1と共通である。よって、実施形態1と共通する構成については同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。
【0092】
図28に示すように錠ばね15の中央片15aの片方の側端縁から矩形平板状の嵌合片15gが延設されている。一方、図示は省略しているが、ボディ1の端子収納室9の内側面には嵌合片15gが嵌合する溝が芯線101の挿入方向に沿って形成されている。よって、錠ばね15が端子収納室9に収納された状態では、端子収納室9の内側面に設けられた溝に錠ばね15の嵌合片15gが嵌合する。
【0093】
而して、端子収納室9の内側面に設けられた溝に錠ばね15の嵌合片15gが嵌合しているから、電線100の被覆が剥かれた芯線101を電線挿入孔16から挿入したときに挿入方向に平行な平面内及び挿入方向に直交する平面内での錠ばね15の回転を防止することができる。しかも、実施形態1と同様に、連結片13a,14aにおける当接片13b,14b近傍の部位と押圧片15cにおける中央片15a近傍の部位とが略平坦な面全体で当接するため、芯線101の挿入方向に平行な平面内での錠ばね15の回転をさらに確実に防止することができ、芯線101の保持をさらに安定させることができる。また、上記回転を防止することで鎖錠片15bの先端を芯線101にしっかりと食い込ませることができて結線後の芯線101の抜けを防止することができる。
【0094】
なお、図29に示すように嵌合片15gを中央片15aの両方の側端縁から延設するようにしても良い。このような構成とすれば、端子収納室9の溝との位置関係において錠ばね15を端子収納室9に収納する際の方向性がなくなり、組立性の向上が図れるという利点がある。
【0095】
また、図30に示すようにボディ1内において隣接する2つの錠ばね15,15の嵌合片15g,15g同士を連結して一体に形成すれば、部品点数を削減して組立性の向上が図れるという利点がある。
【0096】
(実施形態6)
本実施形態は、錠ばね15を挟持する挟持部が第1及び第2の端子板11,12に設けられた点に特徴があり、これ以外の構成は実施形態1と共通である。よって、実施形態1と共通する構成については同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。
【0097】
図31に示すように各端子板11,12のコ字状部13,14における当接片13b,14bの片方の側端片から突出する突片を略U字形に折曲することで挟持部13g,14gが形成されており、挟持部13g,14gによって錠ばね15の中央片15aが挟持される(図31(b)参照)。
【0098】
而して、第1及び第2の端子板11,12に設けられた挟持部13g,14gによって錠ばね15の中央片15aが挟持されるから、電線100の被覆が剥かれた芯線101を電線挿入孔16から挿入したときに挿入方向に平行な平面内及び挿入方向に直交する平面内での錠ばね15の回転を防止することができる。しかも、実施形態1と同様に、連結片13a,14aにおける当接片13b,14b近傍の部位と押圧片15cにおける中央片15a近傍の部位とが略平坦な面全体で当接するため、芯線101の挿入方向に平行な平面内での錠ばね15の回転をさらに確実に防止することができ、芯線101の保持をさらに安定させることができる。また、上記回転を防止することで鎖錠片15bの先端を芯線101にしっかりと食い込ませることができて結線後の芯線101の抜けを防止することができる。
【0099】
(実施形態7)
ところで、実施形態1においては、例えば第1の端子部61に芯線101が単線からなる電線100を結線した状態で電線100がボディ1の側方へ引っ張られた場合、図34に示すように芯線101が錠ばね15のばね力に抗して鎖錠片15b及び押圧片15cを撓ませて第1の端子板11の接触片13cから離れる向きに傾いて接触不良が生じる可能性がある。このような接触不良の発生を回避するには、ボディ1の底面における電線挿入孔16の周辺にリブを形成して電線挿入孔16の長さ寸法(深さ寸法)を大きくすればよいが、電線挿入孔16の近傍に貫設されている操作孔18の長さ寸法も大きくなってしまい、操作孔18への工具の挿入性が低下してしまうという欠点がある。
【0100】
そこで本実施形態では、操作孔18周辺の少なくとも一部を除いて電線挿入孔16の周辺にリブ1cを形成している。すなわち、図32及び図33に示すように、ボディ1底面の長手方向両端部における操作孔18周辺のボディ1の長手方向外側を除く部位に、ボディ1の後方(電線挿入孔16に対する電線100の反挿入方向)へ突出するリブ1cをそれぞれ突設している。したがって、リブ1cによって電線挿入孔16の長さ寸法が大きくなり、結線状態の電線100がボディ1の側方へ引っ張られた場合でも、図33に示すようにリブ1cによって電線100が支持されるため、芯線101が錠ばね15のばね力に抗して傾かず、第1の端子板11の接触片13cから離れて接触不良が生じるのを防ぐことができる。しかも、ボディ1底面における操作孔18周辺のボディ1の長手方向外側にはリブ1cの突設されていない凹部1dが形成されているため、この凹部1dによってリブ1cに遮られずに工具を操作孔18に挿入することができ、リブ1cが芯線101を外すために工具を操作孔18に挿入する際の邪魔にならないことから解除釦17の操作性が低下しないものである。
【0101】
(実施形態8)
ところで、実施形態1において、図37に示すように水滴の侵入を抑えるためにボディ1の開口面(カバー2との突き合わせ面)から内側面にかけて深さ方向に落ち込む段部1eを設けた場合、撚り線からなる芯線の素線102が段部1eを通って接点部8や他の端子収納室9に進出して短絡や絶縁不良等の不具合が生じる虞がある。
【0102】
そこで本実施形態では、第1及び第2の端子板11,12の芯線挿入方向に沿った側面と対向するボディ1内側面に各端子板11,12側へ突出する突部1fを設けている。すなわち、ボディ1の短幅方向に対向する各端子収納室9,9の両側面に、ボディ1の深さ方向に沿って内側へ突出する突条からなる突部1fが設けてあって、図36に示すようにボディ1開口側の突部1fの先端がボディ1開口端のカバー2との突き合わせ面とほぼ同じ高さまで延ばしてある。また、ボディ1のカバー2との突き合わせ面から内側面にかけて深さ方向に落ち込む段部1eが略全周に渡って設けてあり、図35に示すようにボディ1とカバー2の突き合わせ面と突部1fとの間の部位における段部1eが凹部1gとなる。
【0103】
而して、第1及び第2の端子板11,12を端子収納室9,9に収納した状態では、図35に示すように少なくとも各端子板11,12のコ字状部13,14における連結片13a,14a並びに接触片13c,14cの側端面に突部1fの先端面が略当接することとなる。このため、ボディ1の内側面と端子板11,12との間の隙間が小さくなり、撚り線からなる芯線を接続する場合でも線径の細い素線102が上記隙間に入り込むのを抑えて短絡や絶縁不良等の不具合が生じるのを防ぐことができる。また、ボディ1とカバー2の突き合わせ面と突部1fとの間に凹部1gを設けているため、ボディ1とカバー2の突き合わせ部分の隙間に外部から侵入した水滴等を凹部1gに滞留させ、端子板11,12を収納する端子収納室9への水滴等の侵入を抑えることができる。
【0104】
(実施形態9)
本実施形態のスイッチは所謂タンブラスイッチであり、且つ単極切換に用いる3路スイッチ(接点部8が所謂C接点構成のスイッチ)である。このスイッチの分解斜視図を図38に、正面図を図39(a)に、側面図を図39(b)に、下面図を図39(c)に、断面図を図40にそれぞれ示す。なお、実施形態1のスイッチと同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0105】
接点部8は所謂C接点構成を有し、可動接点板19の中央片19aの両面に可動接点24a,24bが固着されている。これら2つの可動接点24a,24bは、第1の端子部63が具備する一対の第1の端子板56,60に設けられた固定接点59,61とそれぞれ択一的に接触・開離するものである。
【0106】
第1の端子板58,60は導電性材料からなる板材を曲成することにより、第2の端子板12と同様に略コ字状に形成されたコ字状部を有しており、このコ字状部にそれぞれ錠ばね15が収納される。第1の端子板58,60のコ字状部は連結片58a,60aと、連結片58a,60aの両端縁から連結片58a,60aと略直交する方向にそれぞれ突出する接触片58b,60b及び当接片58c,60cから構成される。ここで、一方の第2の端子板58の連結片58aからは可動接点板19の一方の可動接点24aと接離自在に接触する固定接点59が先端に設けられた略L字状の接点保持片58cが延設されている。さらに、他方の第2の端子板60の連結片60aからは可動接点板19の他方の可動接点24bと接離自在に接触する固定接点61が先端に設けられた略L字状の接点保持片60dが延設されている。そして、第1の端子板58,60の連結片58a,60aの各上面部には、それぞれ弾性を有する接触子63,64が取着される。
【0107】
接触子63,64は互いに鏡像の関係にあり、第1の端子板58,60の連結片58a、60aに接触導通する平板状の主片63a,64aと、主片63a,64aの一端部から延出して回路基板52dの接触部(図示せず)に接触導通する略へ字状の接触片63b,64bと、主片63a,64aにおける接触片63b,64bと隣り合う両端縁に折曲形成された一対の側片63c,63d、64c,64dとが導電性を有する板材によって一体に形成されている。一方の側片63c,64cの先端縁からは第1の端子板58,60の連結片58a,60aに係止する係止片が内側に折曲形成され、他方の側片63d,64dには内側に向けて突出する係止爪が切り起こし形成されている。
【0108】
而して、接触子63,64の側片63c,64cに設けた係止片を第1の端子板58,60の連結片58a、60aの端部に係止した後、他方の側片63d,64dを連結片58a,60aの方へ押し付けるようにすれば、側片63d,64dに設けた係止爪が連結片58a、60aの端縁に当接して撓められ、やがて係止爪の先端が連結片58a,60aの端縁を乗り越えると、係止爪が連結片58a,60aの端部に係止し、接触子63,64が第1の端子板58,60に取着され且つ係止固定される。
【0109】
ここで、カバー2の内周面に複数の押さえリブ(図示せず)が突設してあり、ボディ1とカバー2を組み立てて器体10を構成した場合に、上記押さえリブが回路基板52dの周縁部に当接して回路基板52dをボディ1側へ押さえつけるようになっている。その結果、回路基板52dの接触部と各接触子63,64の接触片63b,64bとが弾接して、第1の端子板58,60と回路基板52dとが電気的に接続されており、負荷のオフ時に接触子63,64を介して点灯表示部52に給電されて、位置表示灯53が点灯することになる。
【0110】
而して、本実施形態のスイッチでは、操作ハンドル38を操作する毎に可動接点24aと固定接点59、可動接点24bと固定接点61が択一的に接触・開離し、負荷(例えば、照明負荷)に通電されていないときに位置表示灯53が点灯し、負荷に通電されているときには位置表示灯53が消灯する。
【0111】
ところで、本実施形態における可動接点板19は、図41に示すように突起37が突設されていない点を除いて実施形態1における可動接点板19と同一の構成を有しており、中央片19aにおける平坦面19dの形成された部位が中央片19aの他の部位と略面一に形成されているが、図42(a)(b)に示すように、中央片19aにおける突出片19bの左右両側部をシャーリング切りにより切り起こし、平坦面19dの形成された中央片19aの部位を中央片19aの平面方向と略直交する方向において互いに反対方向に突出させる構成としても良い。而して、コイルスプリング32が一端部を可動接点板19の突出片19bに圧入するとともに、突出片19bの両側に設けた平坦面19d,19dと面接触させた状態で可動接点板19に固定されるので、上述のような構成とすることで、コイルスプリング32の位置を安定させることができる。
【0112】
あるいは、図43(a)(b)に示すように、中央片19aにおける突出片19bの左右両側部をそれぞれ反対方向にたたき出し、平坦面19dの形成された中央片19aの部位を中央片19aの平面方向と略直交する方向において互いに反対方向に突出させる構成としても良い。また、平坦面19dの形成された中央片19aの部位が、突出片19bとの連結部位から外側に行くにつれて、中央片19aの平面方向と略直交する方向への突出量が徐々に大きくなる構成とすれば、平坦面19dの形成された部位を他の部位と面一に形成した場合に比べて、コイルスプリング32との接触面積が大きくなるから、コイルスプリング32を可動接点板19に取り付けた状態で、コイルスプリング32の位置がさらに安定し、接点部8の反転動作を安定して行わせることができるという利点がある。
【0113】
(実施形態10)
図44(a)(b)はそれぞれ本実施形態のスイッチS1,S2の分解斜視図を示し、一方のスイッチS1は実施形態1と同様の単極スイッチ(片切りスイッチ)であり、他方のスイッチS2は所謂D接点構成の2極スイッチ(両切りスイッチ)である。ここで、2種類のスイッチS1,S2の基本構成は共通であるから一方のスイッチS1について説明し、他方のスイッチS2についてはスイッチS1と共通する構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。また、スイッチS1の基本構成は実施形態1のスイッチと共通であるから、実施形態1のスイッチと共通する構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0114】
図44〜図46に示すように、本実施形態のスイッチS1の器体10も合成樹脂製のボディ1及びカバー2で構成される。ボディ1の中央部底面からは長手方向に沿った隔絶壁108が立設され、この隔絶壁108の一端側には隔絶壁108と略直交する向きに隔壁109が立設されている。而して、隔絶壁108並びに隔壁109にてボディ1内部を仕切ることにより、第1及び第2の端子部T1,T2を収める端子収納部103,103をボディ1の長手方向両端部に設け、隔絶壁108で分割された中央部には可動接点板19を収める一対の中央収納部1041,1042が隔絶壁108の両側に設けてある。またボディ1の各端子収納部103,103の底面には2つの電線挿入孔16がボディ1の短幅方向に並べてそれぞれ貫設され、2つの電線挿入孔16の間に操作孔18が貫設してある。
【0115】
第1の端子部T1は、互いが鏡像の関係となる一対の端子板120,120と2つの錠ばね15と解除釦17とで構成される。端子板120は帯板状の金属板を折曲することにより、基片120bの両端に接触片120aと当接片120cとが形成されるとともに当接片120cの先端部から支持片120dが延設されてなり、端子板20を2つ並べた状態で互いの基片120b同士が連結片120eにより連結されて一体に形成されている。そして、各端子板120の接触片120aと当接片120cの間に中央片15aを当接片120cに当接するようにして錠ばね15が配置される。
【0116】
上述のように構成される第1の端子部T1は、解除釦17の下部が操作孔18に臨むようにしてボディ1の片方の端子収納部103の略中央に解除釦17を移動自在に収納し、解除釦17で2つに仕切られた各端子収納部1031,1032にそれぞれ端子板120と錠ばね15を収納することでボディ1内部に収められる。而して、実施形態1と同様に、電線挿入孔16を通して器体10に電線を挿入すると、電線の絶縁被覆が除去されて露出した芯線が接触片120aと押圧片15c及び鎖錠片15bとの間に挟持され、芯線が接触片120aに接触して第1の端子部T1と芯線101とが電気的に接続されるとともに機械的に保持される。また、電線を接続した状態で操作孔18に工具を挿入して解除釦17を押圧すれば、鎖錠片15bが芯線から離れるように撓んで電線の機械的保持が解除され、電線を器体10から引き抜くことが可能になる。
【0117】
一方、第2の端子部T2は、同じく互いが鏡像の関係となる一対の端子板121,121と2つの錠ばね15と解除釦17とで構成される。端子板121は帯板状の金属板を略コ字状に折曲することにより、基片121bの両端に接触片121aと脚片121cとが形成されてなり、第2の端子板121を2つ並べた状態で互いの基片121b同士が連結片121eにより連結されて一体に形成されている。また、脚片121cの先端部には固定接点21が固着される。
【0118】
第2の端子部T2は、下部が操作孔18に臨むようにしてボディ1のもう片方の端子収納部103の略中央に解除釦17を移動自在に収納し、解除釦17で2つに仕切られた各端子収納部1033,1034にそれぞれ端子板121と錠ばね15を収納することでボディ1内部に収められる。このとき、図45に示すように錠ばね15の中央片15aが端子収納部103と中央収納部1041,1042を仕切る隔壁109に当接し、端子板121の脚片121cが隔壁109を跨ぐように配置されることで先端部に固着された固定接点21を中央収納部1041,1042に進出させている。而して、第1の端子部T1と同様に電線挿入孔16を通して外部から挿入された電線の芯線が、錠ばね15の鎖錠片15b及び接触片15cと端子板121の接触片121aとの間に挟持され、解除釦17を押操作することで端子板121と電線との接続が解除できる。
【0119】
ところで、2つの端子板120の支持片120d先端には可動接点板19の揺動支点となる支点凹部120fがそれぞれ形成されている。中央収納部1041,1042におけるボディ1両側面には内方に突出する規制リブ41が突設されており、ボディ1の端子収納部103に第1及び第2の端子部T1,T2を収納した状態で可動接点板19を中央収納部1041(又は1042)に納めると、可動接点板19の下端縁が端子板120の支持片120d先端に設けられた支点凹部120fに挿入され、可動接点板19が支点凹部120fを支点として回動自在に配置される。この時、可動接点板19の張出片19cと規制リブ41が係止することで可動接点板19の回り止めが行われて回動範囲が規制される。
【0120】
カバー2は実施形態1と同じ構造であるから説明は省略する。また、反転ハンドル30はコイルスプリング32の上部を挿入固定する棒状突起(図示せず)が2つ突設してある点以外は実施形態1と同じ構造を有している。操作ハンドル38も実施形態1とほぼ同じ構造であるが、本実施形態では点灯表示部52を備えていないことから、プリズム55用の孔54の代わりに外周形状が略長円形の突部38aが設けてある。この突部38aはスイッチS1の状態(固定接点21と可動接点29が接触しているか又は開離しているか)を外観上判断する目安となるものである。
【0121】
したがって、実施形態1と同様に操作ハンドル38を2つの操作位置の間で揺動操作すれば、操作ハンドル38の操作位置に応じて可動接点板19を介して可動接点24に電気的に接続されている第1の端子部T1と、固定接点21に電気的に接続されている第2の端子部T2との間の導通をオン・オフすることができるのである。
【0122】
而して、連結片120e,121eを残したままで第1及び第2の端子部T1,T2をそれぞれ端子収納部103に収納し、片方の中央収納部1041に可動接点板19を収納するとともに反転ハンドル30の片方の棒状突起に挿入固定したコイルスプリング32の下部を可動接点板19の突出片19bに圧入してボディ1とカバー2を組み立てれば、単極スイッチであるスイッチS1が構成できる。一方、連結片120e,121eを切除して分割した各端子板120,121をそれぞれ端子収納部1031〜1034に収納し、両方の中央収納部1041,1042に各々可動接点板19を収納するとともに反転ハンドル30の両方の棒状突起に挿入固定した各コイルスプリング32の下部をそれぞれ可動接点板19の突出片19bに圧入してボディ1とカバー2を組み立てれば、2極スイッチであるスイッチS2が構成できる。すなわち、第1及び第2の端子部T1,T2をそのまま器体10に収納すれば単極スイッチS1となり、連結片120e,121eで切断して2つに分割された各一対の端子板120,121をそれぞれ器体10に収納するとともに可動接点板19及びコイルスプリング32を追加すれば2極スイッチS2となるから、従来はスイッチの種類毎に構造が異なっていたボディ1を含めて幾つかの部品を単極スイッチS1と2極スイッチS2について共通化することができ、特に単極スイッチと2極スイッチでボディ1の金型を別々に用意する必要がなくなって合理化とコストダウンが図れる。
【0123】
ところで、本実施形態のスイッチS1,S2は操作ハンドル38の寸法が比較的に大きい所謂ワイドハンドル形スイッチであるが、外観上スリム且つコンパクト(小型)に見せて見栄えを良くするために、図47に示すような構造の操作ハンドル38を用いても良い。操作ハンドル38前面の長手方向一端側には長手方向に直交する方向に沿って走る溝141が形成されている。溝141の長手方向の略中央には先端に丸みを持たせた細長の突起142が突設され、溝141の両端部には操作ハンドル38を貫通する孔143が穿設されており、溝141の一端側に穿設された孔(図示せず)の奥方には被凹凸係止部たる凹所(図示せず)が形成されている。この溝141内には長尺状の板片からなるハンドルライン145が取り付けられる。ハンドルライン145の略中央には突起142を挿通させる窓孔146が穿設され、長手方向の一端側には溝141の一端側に設けられた凹所と凹凸係止する突部147が突設されている。またハンドルライン145の長手方向の他端部における孔143に対応する部位には背方に突出する係止爪片148が突設され、係止爪片148の先端には外側に突出する爪149が突設されている。而して、ハンドルライン145を操作ハンドル38に取り付ける際は、先ずハンドルライン145の突部147を溝141の一端側の孔内に挿入し、この突部147を支点としてハンドルライン145を回転させ、ハンドルライン145の係止爪片148を溝141の他端側の孔143内に挿入して、係止爪片148の先端に設けられた爪149と孔143の端縁とを係止させることにより、ハンドルライン145が操作ハンドル38に取り付けられる。この時、ハンドルライン145の窓孔146内に突起142が挿入され、突起142の先端が操作ハンドル38の前面から突出するので、操作感触や視覚により接点をオンする際に押操作する操作ハンドル38の位置を判別することができる。
【0124】
ところで本実施形態のスイッチS1,S2では、図46に示すように器体10の短幅方向の幅寸法と操作ハンドル38の幅寸法とがほぼ等しくしてあって、通常は取付枠に短幅方向に3個並べて取り付けることができるようになっている。ここで、このような寸法の操作ハンドル38を3個用ハンドルと呼ぶ。これに対して、取付枠に短幅方向に2個並べて取り付ける場合には、図48に示すように3個用ハンドルの1.5倍の幅寸法に形成された操作ハンドル38’(これを2個用ハンドルと呼ぶ)を反転ハンドル30に取着するようにすればよい。また、取付枠に1個だけ取り付ける場合には、図49に示すように3個用ハンドルの3倍の幅寸法に形成された操作ハンドル38”(これを1個用ハンドルと呼ぶ)を反転ハンドル30に取着するようにすればよい。
【0125】
(実施形態11)
実施形態10は単極スイッチ及び2極スイッチに関するものであったが、本実施形態は3路スイッチ及び単極切換に用いる4路スイッチに関するものである。但し、基本的な構成は実施形態9並びに実施形態10と共通であるから共通する構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0126】
図50(a)及び(b)はそれぞれ本実施形態のスイッチS3,S4の分解斜視図を示し、一方のスイッチS3は所謂C接点構成の3路スイッチであり、他方のスイッチS4は所謂E接点構成の4路スイッチである。ここで、2種類のスイッチS3,S4の基本構成は共通であるから一方のスイッチS3について説明し、他方のスイッチS4についてはスイッチS3と共通する構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【0127】
本実施形態における第2の端子部T3は、互いに形状が異なる2つの端子板122,123と錠ばね15及び解除釦17で構成される。端子板122は帯板状の金属板を折曲して形成され、基片122bの両端に接触片122aと脚片122cとが形成されるとともに脚片122cの先端から側方へ延設片122dが延設され、さらに脚片122cの基部と延設片122dの先端部にそれぞれ固定接点21a,21bが固着されている。また、他方の端子板123も帯板状の金属板を折曲して形成され、基片123bの両端に接触片123aと脚片123cとが形成されるとともに脚片123cの先端から側方へ延設片123dが延設され、さらに脚片123cの基部と延設片123dの先端部にそれぞれ固定接点21c,21dが固着され、端子板122,123を2つ並べた状態で互いの基片122b,123b同士が連結片122eにより連結されて一体に形成されている。而して、端子板122,123をそれぞれ端子収納部1033,1034に収納すると、図51に示すように端子板122の脚片122cが一方の中央収納部1041に進出するとともに、端子板123の脚片123cが他方の中央収納部1042に進出し、一方の中央収納部1041内に2つの固定接点21a,21dが対向配置されるとともに他方の中央収納部1042内に2つの固定接点21b,21cが対向配置される。なお、本実施形態においては延設片122d,123dと干渉しないようにボディ1の中央には隔壁108が設けられていない。
【0128】
一方、可動接点板19は表裏両面に可動接点24a,24bが固着され、可動接点24aと固定接点21a(又は21c)とが対向し、且つ可動接点24bと固定接点21d(又は21b)とが対向するように中央収納部1041(又は1042)に収納される。
【0129】
而して、操作ハンドル38を押操作することで反転ハンドル30を器体10に対して回動させれば、器体10内に圧縮して収められたコイルスプリング32による作用で可動接点板19が反転回動して、可動接点板19の可動接点241 ,242 を端子板122の固定接点21aと端子板123の固定接点21dとに交互に接触・開離させることができ、端子板120に対する2つの端子板122,123の導通を択一的にオン・オフする3路スイッチが実現できる。
【0130】
すなわち、連結片120e,122eを残したままで第1及び第2の端子部T1,T3をそれぞれ端子収納部103に収納し、片方の中央収納部1041に可動接点板19を収納するとともに反転ハンドル30の片方の棒状突起に挿入固定したコイルスプリング32の下部を可動接点板19の突出片19bに圧入してボディ1とカバー2を組み立てれば、3路スイッチであるスイッチS3が構成できる。一方、連結片120e,122eを切除して分割した端子板120及び端子板122,123をそれぞれ端子収納部1031〜1034に収納し、両方の中央収納部1041,1042に各々可動接点板19を収納するとともに反転ハンドル30の両方の棒状突起に挿入固定した各コイルスプリング32の下部をそれぞれ可動接点板19の突出片19bに圧入してボディ1とカバー2を組み立てれば、4路スイッチであるスイッチS4が構成できる。このように、本実施形態も実施形態10と同様に、第1及び第2の端子部T1,T3をそのまま器体10に収納すれば3路スイッチS3となり、連結片120e,122eで切断して2つに分割された各一対の端子板120,122,123をそれぞれ器体10に収納するとともに可動接点板19及びコイルスプリング32を追加すれば4路スイッチS4となるから、従来はスイッチの種類毎に構造が異なっていたボディ1を含めて幾つかの部品を3路スイッチS3と4路スイッチS4について共通化することができ、特に3路スイッチと4路スイッチでボディ1の金型を別々に用意する必要がなくなって合理化とコストダウンが図れる。
【0131】
ところで図53に示すように、本実施形態においてはボディ1の中央収納部1041,1042に臨む内壁面に深さ方向に沿った複数条の凹凸115が形成してあるから、この凹凸115によって第1及び第2の端子部T1,T3間の沿面距離を大きくして両端子部T1,T3間の絶縁性の向上が図れる。また、端子板120並びに端子板122,123の側端縁には凹凸115の凹部に嵌合する嵌合片120g,122f,123fが突設されており、嵌合片120g,122f,123fを凹部と嵌合することにより、ボディ1に対して各端子板120,122,123が回転するのを防ぐことができる。なお、本実施形態においても図54に示すようにハンドルライン145付の操作ハンドル38を用いたり、あるいは2個用ハンドルや1個用ハンドルを用いても良い。
【0132】
ところで、4路スイッチS4については、実施形態9と同様に位置表示灯53を備えた構成としても良い。図55及び図56は位置表示灯53を備えた4路スイッチS4’を示している。このスイッチS4’では、ネオンランプからなる位置表示灯53を有する点灯表示部52を反転ハンドル30内に組み込み、反転ハンドル30の前面に穿設された開口34に位置表示灯53を臨ませている。また、操作ハンドル38の溝141におけるハンドルライン145の窓孔146に対応する部位には、操作ハンドル38を貫通する長孔状の孔54が穿設されている。導光部材からなるプリズム55は孔54及び窓孔146に挿通されハンドルライン145前面から突出する先端に丸みを持たせた細長の凸部56を有しており、操作ハンドル38の裏面側から孔54内に凸部56を挿入した状態で操作ハンドル38にかしめ固定される。而して、操作ハンドル38を反転ハンドル30に取り付けると、プリズム55の入射面57が位置表示灯53に対向して配置される。
【0133】
一方、点灯表示部52は、合成樹脂により略H形に形成された回路基板52aに位置表示灯53及び抵抗Rを実装して構成される。そして、回路基板52aの幅細の部分を反転ハンドル30内の棒状突起の間に圧入することで点灯表示部52を反転ハンドル30内に納装する。このとき、位置表示灯53及び抵抗58の端子53a,58aが2つのコイルスプリング32,32に各別に接触導通させてある。したがって、第1及び第2の端子部T1,T3を介して負荷に給電されているときは位置表示灯53が消灯し、第1又は第2の端子部T1,T3を介して負荷に給電されていないときに位置表示灯53が点灯し、位置表示灯53の発光がプリズム55の入射面57に入射し、プリズム55内で屈折されて凸部56から外部に出射されてスイッチS4’の位置を表示することができる。
【0134】
【発明の効果】
請求項1の発明は上述のように構成したものであるから、従来に比較して錠ばね全体の寸法増大を抑えながら押圧片の中央片との連結部位から先端部までの寸法を長くすることができ、このために押圧片を撓ませるのに必要な力が低下するから適用電線の範囲を拡大できるとともに撚り線の結線が可能となるという効果がある。さらに、鎖錠片と端子板との間に芯線を挿入すると芯線の先端部分が鎖錠片の先端縁を乗り越えるよりも前に端子板から離れる向きに撓んだ鎖錠片の先端部分が押圧片の先端部に当接して押圧片を撓ませることになり、その結果、結線時における芯線の挿入感触が良好となり、芯線の挿入不良を防ぐことができるという効果がある。
【0137】
請求項の発明では、解除釦で鎖錠片を撓ませたときに鎖錠片が押圧片と干渉するのを防ぐことができ、解除釦による解除操作がし易くなるという効果がある。
【0138】
請求項の発明では、鎖錠片の先端縁と端子板との間に隙間を空けたことで撚り線が挿入し易くなるという効果がある。
【0139】
請求項の発明では、芯線の径に応じて芯線と押圧片との接触位置が変わるから、錠ばねの回転を防止して芯線の保持を安定させることができるという効果がある。
【0140】
請求項の発明では、端子板と錠ばねが略平坦な部位で当接するために芯線挿入時の錠ばねの回転を防止することができ、芯線の保持を安定させることができるという効果がある。
【0141】
請求項の発明では、器体の突起と錠ばねの嵌合溝とを嵌合させているために芯線挿入時の錠ばねの回転を防止することができ、芯線の保持を安定させることができるという効果がある。
【0142】
請求項の発明では、支持片を器体に当接させて錠ばねを支持しているために芯線挿入時の錠ばねの回転を防止することができ、芯線の保持を安定させることができるという効果がある。
【0143】
請求項の発明では、錠ばねの係止部を器体に係止させているために芯線挿入時の錠ばねの回転を防止することができ、芯線の保持を安定させることができるという効果がある。
【0144】
請求項の発明では、支持片を器体に当接させて錠ばねを支持しているために芯線挿入時の錠ばねの回転をさらに確実に防止することができ、芯線の保持を一層安定させることができるという効果がある。
【0145】
請求項10の発明では、錠ばねの嵌合片を器体の溝に嵌合させているために芯線挿入時の錠ばねの回転を防止することができ、芯線の保持を安定させることができるという効果がある。
【0146】
請求項11の発明では、嵌合片が対称な位置に設けられているために組立時の方向性を考慮する必要が無く、組立性の向上が図れるという効果がある。
【0148】
請求項12の発明では、端子板の挟持部で錠ばねを挟持するために芯線挿入時の錠ばねの回転を防止することができ、芯線の保持を安定させることができるという効果がある。
【0149】
請求項13の発明では、案内突部の間を電線の芯線が通れば芯線は広がらずに錠ばねとの間で挟持され、撚り線からなる芯線の一部が広がっても、案内突部と錠ばねとの間で保持されるから、撚り線を芯線とする電線であっても、器体に設けた電線挿入孔に電線を挿入するだけで結線作業が行えるという効果がある。
【0150】
請求項14の発明では、撚り線からなる芯線が広がろうとしても両案内突部の間に芯線が追い込まれることになり、芯線が広がるのを防止することができるという効果がある。
【0151】
請求項15の発明では、鎖錠片により端子板に芯線を押し付けることができ、芯線に対する比較的大きい保持力を確保することができるという効果がある。
【0152】
請求項16の発明では、器体に導入された芯線が両案内突部の間を通るように案内されることになり、芯線が撚り線である電線であっても芯線が広がることなくまとまって、錠ばねと端子板との間で確実に保持することができるという効果がある。
【0153】
請求項17の発明では、ローレット部の凹凸によって芯線の表面に付着した異物を除去することができ、端子板と芯線との電気的接続状態が良好になり、また、案内突部を設けて芯線が通る部位を規制しているから、規制された範囲内にローレット部を形成すればよく、ローレット部の領域を少なくすることができるという効果がある。
【0154】
請求項18の発明では、ガード片を設けたことによって芯線が不要な部位に挿入されるのを防止することができ、また、ガード片によって芯線の通る部位が規制されるから、芯線が撚り線である電線でも芯線の広がりを規制して錠ばねと端子板との間で芯線を保持することができて、撚り線を芯線とする電線であっても、器体に設けた電線挿入孔に電線を挿入するだけで結線作業が行えるという効果がある。
【0155】
請求項19の発明では、撚り線からなる芯線の一部が広がっても、少なくとも押圧片と芯線との接触位置までは解除釦によって芯線が端子板の主片に沿って案内されるから、芯線が不要な部位に挿入されるのを防止することができ芯線の広がりが抑制され、端子板の主片と錠ばねとの間に芯線を保持できて、芯線に対する比較的大きい保持力を確保することができ、撚り線を芯線とする電線であっても、器体に設けた電線挿入孔に電線を挿入するだけで結線作業が行えるという効果がある。
【0156】
請求項20の発明では、組立時に前記左右方向に関して解除釦の左右を確認する必要がなくなり、組立性が向上するという効果がある。
【0157】
請求項21の発明では、隣り合う主片同士を絶縁するにあたって主片間の直線距離よりも長い沿面距離を確保することができ、前記直線の延長方向における器体の幅を小さくすることが可能になり、器体の小型化を図れるという効果がある。
【0158】
請求項22の発明では、解除釦の動きがスムーズになるという効果がある。
【0159】
請求項23の発明では、鎖錠片との当接部位近傍の表面を鎖錠片に線状に当接する曲面状に形成することが容易になるという効果がある。
【0160】
請求項24の発明では、リブが芯線を外すために工具を操作孔に挿入する際の邪魔にならないことから解除釦の操作性が低下せず、このリブに電線が支持されるために芯線の接続安定性が向上できるという効果がある。
【0161】
請求項25の発明では、従来に比べて器体の内側面と端子板との間の隙間が小さくなり、撚り線のように線径の細い芯線を接続する場合でも芯線が上記隙間に入り込む虞がなく、短絡や絶縁不良等の不具合が生じないという効果がある。
【0162】
請求項26の発明では、外部から侵入した水滴等を凹部に滞留させることで端子板を収納する空間への水滴等の侵入を抑えることができるという効果がある。
【0165】
請求項27の発明では、コイルスプリングが開閉体の端部に設けた面取り部で接触する場合に比べて、開閉体とコイルスプリングとの接触面積が増加し、開閉体が回動する場合でも開閉体に対するコイルスプリングの位置を常に安定させることができ、したがって、コイルスプリングの反転回動力を開閉体に確実に作用させて、接点部の開閉動作を安定して行わせることができるという効果がある。
【0166】
請求項28の発明では、張出片が規制リブと当接することにより開閉体の回り止めを行って回動範囲を規制することができ、開閉体の回動軸となる第1の端子板との接触部位付近に張出片を設けた場合に比べて、張出片と規制リブとの摩擦によって発生する削りかすなどが開閉体と第1の端子板との接触部に溜まるのを防止でき、開閉体の回動動作を安定させて、接点部の開閉動作を安定させることができるという効果がある。
【0167】
請求項29の発明では、第1及び第2の端子部をそのまま器体に収納すれば単極スイッチとなり、連結部位で切断して2つに分割された各一対の第1及び第2の端子板をそれぞれ器体に収納するとともに開閉体を含む開閉機構部の部品を追加すれば2極スイッチとなるから、単極スイッチと2極スイッチについて器体を含む幾つかの部品を共通化することができてコストダウンが図れるという効果がある。
【0168】
請求項30の発明では、第1及び第2の端子部をそのまま器体に収納すれば3路スイッチとなり、連結部位で切断して2つに分割された各一対の第1及び第2の端子板をそれぞれ器体に収納するとともに開閉体を含む開閉機構部の部品を追加すれば4路スイッチとなるから、3路スイッチと4路スイッチについて器体を含む幾つかの部品を共通化することができてコストダウンが図れるという効果がある。
【0169】
請求項31の発明では、第1の端子部と第2の端子部との間の沿面距離を大きくして絶縁性の向上が図れるという効果がある。
【0171】
請求項32の発明では、第1及び第2の端子板の回転を防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の分解斜視図である。
【図2】同上の断面図である。
【図3】同上を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は他の側面図である。
【図4】同上の要部断面図である。
【図5】(a)は従来の錠ばねを示す平面図、(b)は実施形態1における錠ばねを示す平面図である。
【図6】(a)は従来の端子部を示す側面図、(b)は実施形態1における端子部を示す側断面図である。
【図7】(a)は従来例の動作説明図、(b)は実施形態1の動作説明図である。
【図8】同上の説明図である。
【図9】同上の説明図である。
【図10】(a)は同上における錠ばねの平面図、(b)は錠ばねの押圧片の先端部を示す平面図である。
【図11】同上における端子部の分解斜視図である。
【図12】同上に用いる端子板を示し、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。
【図13】同上の要部断面図である。
【図14】(a)〜(c)はそれぞれ同上に用いる端子板の一例を示す横断面図である。
【図15】同上における端子部の他の構成例を示す分解斜視図である。
【図16】図15に示した構成例に用いる端子板を示し、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。
【図17】同上のカバーを外した状態の断面図である。
【図18】同上に用いる解除釦の斜視図である。
【図19】同上に用いる解除釦の側面図である。
【図20】同上を示し、(a)は可動接点板の取付状態を示す要部断面図、(b)は可動接点板の取付状態を側方から見た図である。
【図21】同上における他の構成の可動接点板及び端子板の説明図である。
【図22】同上におけるさらに他の構成の可動接点板の正面図である。
【図23】実施形態2における錠ばねの斜視図である。
【図24】実施形態3における錠ばねの斜視図である。
【図25】同上の要部断面図である。
【図26】実施形態4を示す要部断面図である。
【図27】同上における錠ばねの他の構成を示す斜視図である。
【図28】実施形態5における錠ばねの斜視図である。
【図29】同上における錠ばねの他の構成を示す斜視図である。
【図30】同上における錠ばねのさらに他の構成を示す斜視図である。
【図31】実施形態6における端子板並びに可動接点板を示し、(a)は一部破断した側面図、(b)は要部の平面図である。
【図32】実施形態7を示し、(a)は側面図、(b)は背面図である。
【図33】同上の要部断面図である。
【図34】同上の説明図である。
【図35】実施形態8を示し、カバーを外した状態の断面図である。
【図36】同上の要部を示す斜視図である。
【図37】同上の説明図である。
【図38】実施形態9の分解斜視図である。
【図39】同上の断面図である。
【図40】同上を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は他の側面図である。
【図41】(a)は同上における可動接点板の斜視図、(b)は可動接点板及びコイルスプリングの平面図である。
【図42】同上における他の構成の可動接点板を示し、(a)は外観斜視図、(b)は上面図である。
【図43】同上におけるさらに他の構成の可動接点板を示し、(a)は外観斜視図、(b)は上面図である。
【図44】実施形態10を示し、(a)は単極スイッチの分解斜視図、(b)は2極スイッチの分解斜視図である。
【図45】同上の側面断面図である。
【図46】同上を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は他の側面図である。
【図47】同上における別の操作ハンドルを示す分解斜視図である。
【図48】同上の2個用ハンドルを用いたものを示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は他の側面図である。
【図49】同上の1個用ハンドルを用いたものを示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は他の側面図である。
【図50】実施形態11を示し、(a)は3路スイッチの分解斜視図、(b)は4路スイッチの分解斜視図である。
【図51】同上の側面断面図である。
【図52】同上を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は他の側面図である。
【図53】同上におけるボディの要部を示す斜視図である。
【図54】同上における別の操作ハンドルを示す分解斜視図である。
【図55】同上の位置表示灯付の4路スイッチを示す分解斜視図である。
【図56】同上の位置表示灯付の4路スイッチを示す側面断面図である。
【図57】従来例を示す一部省略した分解斜視図である。
【図58】同上の一部省略した側面断面図である。
【図59】同上の一部省略した側面断面図
【符号の説明】
1 第1の端子部
2 第2の端子部
8 接点部
10 器体
11 第1の端子板
12 第2の端子板
15 錠ばね
16 電線挿入孔
17 解除釦
19 可動接点板
21 固定接点
24 可動接点
30 反転ハンドル
32 コイルスプリング
38 操作ハンドル

Claims (32)

  1. 固定接点並びに該固定接点と接離自在に接触する可動接点を有する接点部と、前記固定接点と外部の電線を電気的に接続する第1の端子部と、前記可動接点と外部の電線を電気的に接続する第2の端子部と、前記可動接点を前記固定接点に接触・開離することで前記接点部を開閉する開閉機構部と、前記接点部、第1及び第2の端子部並びに前記開閉機構部を内部に収納する器体と、前記器体の外側に揺動自在に設けられ、操作されることによって前記開閉機構部を駆動して前記接点部を開閉させる操作部とを備え、前記第1及び第2の端子部は、前記固定接点又は可動接点と電気的に接続されるとともに前記器体に貫設した電線挿入孔を通して当該器体に導入された電線の芯線に接触する端子板と、当該端子板に向かってばね付勢され端縁を前記端子板の側方より挿入される芯線に弾接させることにより前記端子板との間で当該芯線を狭持する鎖錠片を有した錠ばねと、前記器体の前記電線挿入孔近傍に貫設した操作孔を通して操作されることにより前記錠ばねの鎖錠片を反弾接方向に撓ませる解除釦とを具備し、前記錠ばねは、弾性を有する導電性の板材を曲成することにより、前記端子板に対向配置される中央片と、前記電線挿入孔を通して電線を挿入する向きにおいて前記端子板との距離を小さくするように前記中央片との連結部位から先端縁に向かって前記端子板に近づく向きに傾斜する前記鎖錠片と、S字状に曲成され前記中央片との連結部位から前記端子板に向けて延出されており、先端部が前記電線挿入孔を通して電線を挿入する向きにおいて前記端子板との距離を小さくするように傾斜し、且つ先端部が芯線を前記端子板の方へ押圧することにより当該端子板との間に芯線を弾性挟持する押圧片とが形成されてなり、この押圧片が、前記中央片との連結部位よりも先端部側で中央片との間隔が最も狭くなるように形成され、鎖錠片と前記端子板との間に芯線を挿入すると芯線の先端部分が鎖錠片の先端縁を乗り越えるよりも前に端子板から離れる向きに撓んだ鎖錠片の先端部分が押圧片の先端部に当接して押圧片を撓ませるように、芯線に接触する押圧片の先端部を鎖錠片の先端縁近傍に配置したことを特徴とするスイッチ。
  2. 前記押圧片の鎖錠片と対向する部位を鎖錠片から離れる向きに湾曲させてなることを特徴とする請求項1記載のスイッチ。
  3. 芯線を挿入しない状態で前記鎖錠片の先端縁と前記端子板との間に隙間が空くように前記錠ばねが形成されたことを特徴とする請求項1記載のスイッチ。
  4. 前記押圧片の先端部は、芯線に接触する向きに突出する複数のアールが付けられてなることを特徴とする請求項1記載のスイッチ。
  5. 前記端子板及び錠ばねの芯線挿入方向に沿って互いに当接する部位が略平坦に形成されたことを特徴とする請求項1記載のスイッチ。
  6. 前記器体に突設された突起と嵌合する嵌合溝が前記錠ばねに設けられたことを特徴とする請求項1記載のスイッチ。
  7. 前記器体の内面に形成されている傾斜壁に当接して前記錠ばねを支持する支持片が当該錠ばねに設けられたことを特徴とする請求項1記載のスイッチ。
  8. 前記器体の内面に設けられた凹所の角部に係止する係止部が前記錠ばねに設けられたことを特徴とする請求項1記載のスイッチ。
  9. 前記器体の内面に形成されている傾斜壁に当接して前記錠ばねを支持する支持片が錠ばねに設けられたことを特徴とする請求項8記載のスイッチ。
  10. 前記器体の内側面に設けられた溝に嵌合する嵌合片が前記錠ばねに設けられたことを特徴とする請求項1記載のスイッチ。
  11. 前記嵌合片が1個の前記錠ばねの対称な複数の位置にそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項10記載のスイッチ。
  12. 前記錠ばねを挟持する挟持部が前記端子板に設けられたことを特徴とする請求項1記載のスイッチ。
  13. 前記端子板において前記芯線を接触させる面には当該芯線が導入される部位の両側に一対の案内突部が突設されていることを特徴とする請求項1記載のスイッチ。
  14. 前記案内突部において少なくとも互いに近い側の端部が球面状に形成されていることを特徴とする請求項13記載のスイッチ。
  15. 前記案内突部が前記鎖錠片の端縁の一部に対向する位置に形成されていることを特徴とする請求項13記載のスイッチ。
  16. 一対の前記案内突部が前記芯線の先端側に向かって互いの距離を小さくする形で配置されていることを特徴とする請求項13記載のスイッチ。
  17. 前記端子板において前記芯線との接触部位には芯線の挿入方向おいて凹凸が交互に繰り返すローレット部が形成されていることを特徴とする請求項13記載のスイッチ。
  18. 前記端子板において前記芯線を接触させる面には前記鎖錠片の側縁に沿ってガード片が突設されていることを特徴とする請求項1又は13記載のスイッチ。
  19. 前記鎖錠片は、前記端子板の主片に向かってばね付勢され、前記解除釦は、前記器体内に組み付けた状態で器体内に並設される2つの前記主片それぞれに対向する2個の錠ばねの前記鎖錠片にそれぞれ当接する押し片が両側面にそれぞれ突設され、隣り合う前記主片間及び錠ばね間に介在し且つ前記芯線の挿入方向において前記電線挿入孔付近から少なくとも前記押圧片と前記芯線との接触位置まで延長されてなることを特徴とする請求項1記載のスイッチ。
  20. 前記解除釦は、前記端子板において前記芯線を接触させる面に直交する方向を左右方向とするとき左右対称の形状に形成してなることを特徴とする請求項19記載のスイッチ。
  21. 前記解除釦は、前記芯線の挿入方向の先端面において隣り合う前記主片間を結ぶ直線に交差する溝が形成されてなることを特徴とする請求項19記載のスイッチ。
  22. 前記押し片は、前記鎖錠片との当接部位近傍の表面が前記鎖錠片に線状に当接する曲面状に形成されてなることを特徴とする請求項19記載のスイッチ。
  23. 前記解除釦は、合成樹脂成形品よりなり、パーティングライン部を前記押し片において前記鎖錠片との対向面以外の部位に設けてなることを特徴とする請求項19記載のスイッチ。
  24. 前記操作孔周辺の少なくとも一部を除いて前記電線挿入孔の周辺にリブを形成したことを特徴とする請求項1記載のスイッチ。
  25. 前記端子板の芯線挿入方向に沿った側面と対向する前記器体の内側面に当該端子板側へ突出する突部を設けたことを特徴とする請求項1記載のスイッチ。
  26. ボディとカバーを組み立てて前記器体を構成し、当該ボディとカバーの突き合わせ面と前記突部との間に凹部を設けたことを特徴とする請求項25記載のスイッチ。
  27. 前記開閉機構部は、導電材料から平板状に形成され一面に可動接点を有し前記第1の端子部が具備する第1の端子板と接触した状態で回動する開閉体と、前記操作部に一端部が保持されるとともに他端部が前記開閉体に保持され当該操作部の回動操作に応じて前記開閉体に反転回動力を付与するコイルスプリングとを具備し、当該コイルスプリングと対向する前記開閉体の部位に前記コイルスプリングの他端部内に挿入される突出片を設けるとともに、該突出片の両側部に前記コイルスプリングの他端部と面接触する平坦面を形成したことを特徴とする請求項1記載のスイッチ。
  28. 前記開閉体における前記第1の端子板と接触する辺以外の辺であって、当該第1の端子板との接触部位以外の部位に側方に突出する張出片を前記開閉体と一体に設け、前記可動接点が固定接点から開離する方向へ当該開閉体が回動する場合に、前記張出片と当接して前記開閉体の回動範囲を規制する規制リブを前記器体に設けたことを特徴とする請求項27記載のスイッチ。
  29. 2つの操作位置の間で揺動する前記操作部と、前記可動接点が固着された開閉体を有し前記操作部の操作に連動して前記開閉体を回動する前記開閉機構部とを備え、前記第1の端子部は、外部の電線が接続されるとともに前記開閉体と接触導通す る手段を有する2つの第1の端子板を連結してなり、前記第2の端子部は、外部の電線と接続されるとともに各々固定接点が固着された2つの第2の端子板を連結してなることを特徴とする請求項1記載のスイッチ。
  30. 2つの操作位置の間で揺動する前記操作部と、2つの前記可動接点が固着された開閉体を有し前記操作部の操作に連動して前記開閉体を回動する前記開閉機構部とを備え、前記第1の端子部は、外部の電線が接続されるとともに前記開閉体と接触導通する手段を有する2つの第1の端子板を連結してなり、前記第2の端子部は、外部の電線と接続されるとともに各々2つの固定接点が互いに対向するように固着された2つの第2の端子板を連結してなることを特徴とする請求項1記載のスイッチ。
  31. 前記第1及び第2の端子部をそれぞれ収納する収納部を前記器体の両端部に設けるとともに当該器体の略中央内壁面に1乃至複数条の凹凸を形成したことを特徴とする請求項29又は30記載のスイッチ。
  32. 前記器体内壁面の凹凸に嵌合する嵌合片を前記第1及び第2の端子板に設けたことを特徴とする請求項31記載のスイッチ。
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