JP2004228060A - 配線器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】組立部材のがたつきを抑えてボディとカバーを強固に結合する。
【解決手段】組立部材50は弾性を有する合成樹脂成型品からなり、ボディ10の嵌合部6及びカバー20の嵌合部7と各々嵌合する嵌合孔51,51が器体1の前後方向に並設された短冊状の縦片52と、縦片52の先端に中央部が連結された短冊状の横片53とを有する略T字形に形成されている。ボディ10の嵌合部6とカバー20の嵌合部7をそれぞれ組立部材50の一対の嵌合孔51に個別に嵌合しているから、ボディ10及びカバー20の嵌合部を同じ嵌合孔に嵌合させる場合に比較してそれぞれの嵌合部6,7の寸法誤差による組立部材50のがたつきを抑えてボディ10とカバー20を強固に結合することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボディとカバーを結合して器体が構成される配線器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コンセントやスイッチのような配線器具を製造するには、栓刃を受ける刃受部材や固定接点及び可動接点と電線とを電気的に接続する端子板のような充電部材を器体に収納するから、合成樹脂の絶縁材料からなるボディとカバーを組み合わせて器体を形成している。器体を構成するボディとカバーとの結合には、金属製の組立枠を用いる方法が採用されている。
【0003】
しかしながら、上記方法では、充電部材と充電部材ではない金属製の組立枠とが比較的近接して配置されることになり、組立枠のような非充電部材と充電部材との絶縁距離を十分に大きくとることができない場合があり、十分な絶縁距離をとろうとすると設計上の制約が大きくなるという問題があった。
【0004】
これに対して、図83に示すようにボディ301の長手方向の両側面にそれぞれ形成される各2つの組立凸部302aとカバー303の長手方向の両側面にそれぞれ形成される各2つの組立凸部302bとのうち前後方向に沿って位置し互いに当接する2つの組立凸部302a,302bによりボディ301とカバー303とに跨る組立突起302が形成され、合成樹脂製の組立枠304に設けられた組立孔304aに組立突起302を嵌合することでボディ301とカバー303を結合してなる器体300を備えた配線器具が提供されている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−8470号公報(段落0027、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献1に記載された従来例では、上記前者の従来例の問題を解決することはできるものの、組立突起302がボディ301側の組立凸部302aとカバー303側の組立凸部302bを突き合わせて形成されるため、それぞれの組立凸部302a,302bにおける寸法誤差によって組立枠304にがたつきが生じやすいという問題があった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、組立部材のがたつきを抑えてボディとカバーを強固に結合することができる配線器具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、ボディとカバーを結合してなる器体と、ボディ及びカバーの側面にそれぞれ突設された1乃至複数の嵌合部と、合成樹脂成型品からなりボディ並びにカバーの嵌合部と個別に凹凸嵌合する一対の嵌合孔を有する1乃至複数の組立部材とを備え、組立部材の嵌合孔にボディ及びカバーの嵌合部をそれぞれ嵌合させることでボディとカバーを結合してなることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、器体内部に挿入される係止突片が組立部材の嵌合孔に挟まれた部位に設けられ、係止突片の先端に形成された係止爪が係止する被係止部が器体内部に設けられたことを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、被係止部がカバーに設けられ、カバー側面の係止突片が挿入される部位に係止爪をカバー内に案内するガイド部が設けられたことを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、被係止部がボディに設けられ、ボディ側面の係止突片が挿入される部位に係止爪をボディ内に案内するガイド部が設けられたことを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れかの発明において、施工面に設けられる埋込孔の周りに設置される取付枠又は取付枠一体型のプレートに器体を取り付ける取付部が器体に設けられ、後部を埋込孔に埋め込む形で器体が施工面に配設されることを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記取付部が、一対の嵌合孔と一列に並ぶように組立部材に設けられたことを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、組立部材の取付部が設けられた部位の幅寸法が他の部位の幅寸法と異なることを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1の発明において、前記嵌合部は、ボディとカバーを結合する器体の前後方向に沿った幅寸法が該前後方向に直交し且つ器体の側面に平行な方向に沿った幅寸法よりも小さく設定されたことを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明は、請求項8の発明において、器体の同一側面に設けられる前記複数の嵌合部が、三角形の頂点の位置に配設されたことを特徴とする。
【0017】
請求項10の発明は、請求項8又は9の発明において、器体に貫設した電線挿入孔を通して器体に導入される電線に接触する端子板と、ばね力を利用して端子板との間で電線を狭持するとともに鎖錠部が電線に食い込んで抜け止めする接続手段と、電線接続手段による抜け止め状態を解除する解除手段とを備え、解除手段は、器体の側面に露出して手動操作される操作部と、器体内に枢支されて操作部を回動自在とする軸部と、軸部を支点に操作部が手動操作によって回動したときにばね力に抗して接続手段の電線に食い込んだ鎖錠部を電線から引き離す向きに押し動かす押動部とを具備してなり、組立部材に解除手段の操作部との干渉を逃がす段部が設けられたことを特徴とする。
【0018】
請求項11の発明は、請求項10の発明において、器体内部に挿入される1乃至複数の係止突片が組立部材の端部に設けられ、係止突片の先端に形成された係止爪が係止する被係止部が器体内部に設けられたことを特徴とする。
【0019】
請求項12の発明は、請求項10の発明において、解除手段の操作部を回動自在に露出させるための溝部が器体の側面に設けられ、操作部の非操作時に溝部を覆い隠すとともに操作部の操作時には操作部とともに回動する目隠し部が組立部材に設けられたことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をコンセントに適用した実施形態について図面を参照して詳細に説明する。但し、配線器具はコンセントに限定されるものではなく、例えばスイッチなどのコンセント以外の配線器具にも本発明の技術思想が適用可能であることは言うまでもない。
【0021】
(実施形態1)
図1〜図3に示すように、器体1は耐トラッキング性に優れた熱硬化性合成樹脂(例えば、ユリア樹脂)を用いて前面が開放された直方体状に形成されたボディ10と、同じく耐トラッキング性に優れた熱硬化性合成樹脂(例えば、ユリア樹脂)を用いて後面が開放された直方体状に形成されたカバー20とを結合することにより形成される。器体1は後述する規定の単位寸法を有している。
【0022】
ボディ10は長手方向の中間部に設けた仕切壁12により内部空間が2分されている。また、後述するようにカバー20内に収納される中枠180に仕切壁180aが形成されており(図11参照)、ボディ10とカバー20とを結合するとボディ10の仕切壁12とカバー20内に収納された中枠180の仕切壁180aとが突き合わされることによって器体1の内部空間が独立した2室に分割される。
【0023】
ボディ10内において仕切壁12を介して形成された各収納室13には、プラグの栓刃を受ける刃受31がそれぞれ収納される。各刃受31は、図7に示すように互いに対向する先端部にて栓刃を挟持する一対の刃受ばね32と、両刃受ばね32の一方の側面同士を連続一体に結合するコ字状の連結片34と、連結片34より突出し両刃受ばね32の前記側面に対向する刃受ばね33とを備える。また、連結片34には円筒形の4つの突起34aが列設されており、各一対の突起34aにそれぞれ後述する端子板41がかしめ固定される。
【0024】
端子部40は、端子板41並びに解除釦60で構成される。端子板41は、図8(a)に示すように略L字形の主片42と、主片42の幅細の一端側から後方(図8(b)における下方、以下同じ)へ垂下された接触片43と、主片42の幅太の他端側から後方へ垂下された略J字形の鎖錠片44と、鎖錠片44の側端縁から側方へ突出する固定片45とを有し、弾性を有する帯状の金属板を加工して接触片43の先端部と鎖錠片44の先端部が交差するように折り曲げて一体に形成される。接触片43にはほぼ平坦な面を有して電線に弾接する接触部43aと、電線の挿入方向に沿った接触部43aの両側において電線を押圧する一対の押圧部43b,43cが設けられている。また、接触片43に対して内側に位置する鎖錠片44には、電線を接触部43aの方へ押圧するとともに電線の一部に食い込んで抜け止めする鎖錠部44aが先端に設けられ、鎖錠部44aよりも後方の部位に電線(接触片42)から離れる向きに凸となる曲げ部44bが設けられている。なお、図8(c)に示すように接触片43の幅寸歩は鎖錠片44の幅寸法のおよそ半分に設定されている。さらに、固定片45には刃受31の連結片34に列設されている一対の突起34aが挿通される挿通孔45aが貫設されており、これら一対の挿通孔45aに挿通した突起34aをかしめることで刃受31の連結片34に固定片45が固定される。そして、一対の刃受ばね32とそれぞれ隣り合うように連結片34に固定された一対の端子板41と刃受31からなる刃受ブロック30がボディ10の各収納室13に収納される。
【0025】
ボディ10の底壁には接触片43と鎖錠片44の間に電線を導入することができるように電線挿入孔11が貫設されている。図13に示すように、この電線挿入孔11を通して接触片43と鎖錠片44の間に電線101を挿入すると、鎖錠片44の鎖錠部44aが電線101に食い込むことによって電線101が引き抜けなくなるとともに鎖錠片44のばね力によって電線101が接触片43の接触部43aに弾接し、さらに電線101は一対の押圧部43b,43cによって鎖錠片44の方へ押圧され、鎖錠部44aと一対の押圧部43b,43cの押圧力が均衡して電線101が狭持される。但し、主片42に近い方の押圧部43cは電線101と当接する面を面取りして接触面積を増やしてある。
【0026】
ところで、従来例における端子部は端子板と鎖錠ばねからなる速結端子装置で構成されており、端子板がばね性を有しない金属材料で形成されていた。このため、図84(a)に示すように電線101が端子板302a及び鎖錠ばね303に対して真っ直ぐに正規の状態で挿入された場合には端子板302aと電線101の接触面積が十分に確保されるが、同図(b)に示すように電線301が端子板302a及び鎖錠ばね303に対して傾いて挿入された場合には端子板302aと電線101の接触面積が減少してしまう虞があった。これに対して本実施形態の端子部40では、上述のように接触片43の2つの押圧部43b,43c及び鎖錠片44の鎖錠部44aで電線101を両側(互いに反対方向)から押圧しているため、例え電線101が傾いて挿入されたとしても接触片43及び鎖錠片44のばね力で電線101の傾きに追従して2つの押圧部43b,43cによる押圧力と鎖錠部44aによる押圧力とを均衡させることができ、電線101の挿入状態に関わらず端子板41と電線101の接続状態を安定させることができる。また、押圧部43b,43cと鎖錠部44aで反対方向から電線101に押圧力を与えることにより、押圧力を接触片43と鎖錠片44でバランスよく分担することができ、接触片43や鎖錠片44のへたり等を抑えることができる。しかも本実施形態では、電線101を接続する接続手段たる接触部43a、押圧部43b、43c並びに鎖錠部44aを弾性を有する金属板によって端子板41と一体に形成しているから、従来のように端子板と鎖錠ばねの2つの部品を要するものに比較して部品点数並びに組立工数の削減によるコストダウンが図れるという利点もある。
【0027】
ここで、本実施形態では端子板41の鎖錠片44に曲げ部44bを設けているが、例えば、図14(a)に示すように鎖錠片44の長さを同じとして曲げ部44bを設けずに鎖錠部44aの位置を同一にしようとすると鎖錠部44aの食い込み角度が小さくなってしまい電線への食い込みが弱くなってしまう。一方、鎖錠部44aの同一位置及び同一角度に配置しようとすれば、図14(b)に示すように鎖錠片44の長さが短くなってばね性が低下しへたりが発生しやすくなってしまう。したがって、鎖錠片44に曲げ部44bを設けることでこのような不具合の発生が防止できることになり、鎖錠片44のばね性を十分に確保すると同時に鎖錠部44aの電線に食い込む角度を大きくして電線を確実に抜け止めすることができる。
【0028】
また、鎖錠片44の鎖錠部44aが形成された先端部位をプレス等によりたたき加工すれば、図15に示すように鎖錠部44aの厚みが若干薄くなるものの表面硬度が高くなって電線挿入に伴う削れを減少させて抜け止め性能の劣化を防ぐことができる。さらに、図16に示すように鎖錠部44aの電線101に食い込む側の面をたたき加工すれば、鎖錠部44aに生じる段差によって電線101に接触する部位が増えて接続信頼性の向上が図れるという利点がある。また、本実施形態では主片42に近い方の押圧部43cが電線101と接触する面を面取りしているが、図17に示すように電線101との接触面を面取りせずに押圧部43cを電線101に食い込ませて抜け止めする構造とすれば、電線101をさらに確実に抜け止めすることができる。
【0029】
ところで、図18に示すようにボディ10底面における電線挿入孔11の近傍にストッパリブ14を突設し、電線101が挿入された際に接触片43の先端をストッパリブ14に当てて接触片43の撓み量を規制するようにすれば、接触片43が過度に撓んで塑性変形するのを防ぐことができる。また、ストッパリブ14の位置を、接触部43aの接触面が電線101の挿入方向と略平行となる位置で接触片43の撓みを規制できる位置に設定すれば、図18に示すようにストッパリブ14で規制された状態で接触部43aと電線101の接触面積を最も大きく、すなわち、面接触させることができて接続信頼性の向上が図れるという利点がある。
【0030】
また、本実施形態では接触片43及び鎖錠片44を端子板41と一体に形成しているが、相対的に通電性が重視される接触片43と、相対的にばね性が重視される鎖錠片44とを別部材で構成してもよい。例えば、図19に示すように主片42及び接触片43が一体に形成された第1の部材41Aと、鎖錠片44が形成された第2の部材41Bとを備え、主片42に設けた突起42aを鎖錠片44に設けた貫通孔44cに貫通してかしめることにより第1及び第2の部材41A,41Bを結合して端子板41を構成すればよい。而して、接触片43が形成される第1の部材41Aには通電性に優れる金属材料を使用し、鎖錠片44が形成される第2の部材41Bにはばね性に優れる金属材料を使用することができるから、両方の性能を満足する特殊で比較的に高価な材料を使用せずに一般的な材料が使用できてコストダウンが図れるという利点がある。
【0031】
ところで、端子板41とともに端子部40を構成する解除釦60が各収納室13に配設される。この解除釦60は合成樹脂成型品からなり、図1及び図9に示すように略P字形の操作部61と、操作部61の一側面における一端から側方へ突出する駆動部62と、前記側面における他端から側方へ突出する腕部63と、腕部63の先端から駆動部62の方へ突出する押動突部64とが一体に形成されている。腕部63は操作部61の幅寸法よりも狭い幅寸法に形成されている(図9(c)参照)。また駆動部62は、腕部63に比較して操作部61からの突出量が大きくなっており、腕部63と対向する内側面(図9(b)における下面)には下方及び一側方に開放する凹所62aが形成されている。腕部63と対向する凹所62aの底面には、先端から操作部61に向かって徐々に腕部63から遠ざかる向きに傾斜する傾斜面62bが形成されている。なお、駆動部62の先端部分の外側面(図9(b)における上側面)には断面形状が略台形の突起65が突設されている。
【0032】
一方、ボディ10の長手方向の両側面には、各収納室13と通じる縦溝15が各一対ずつ並設されており、この縦溝15に操作部61を挿通するようにして解除釦60がボディ10内の各収納室13に配設される。ここで解除釦60は、腕部63が端子板41の鎖錠片44における接触片43と対向しない部位に対向し、ボディ10の電線挿入孔11と駆動部62の凹所62aとが対向し、且つ操作部61が縦溝15から進退自在に突出するように収納室13内に移動自在に配置されている。なお、既に説明したように接触片43の幅寸法を鎖錠片44の幅寸法よりも狭くしているから、腕部63と鎖錠片44の対向面積を広くとることができるようになっている。また、操作部61を縦溝15から突出する向きに弾性付勢して解除釦60を電線が接続されていないときの位置(非接続位置)に復帰させる復帰ばね70が各収納室13に収納されている。
【0033】
復帰ばね70は、図10に示すように先端が略直角に折り曲げられ、後端部が略へ字形に折り曲げられたばね片71と、ばね片71の後端部の両側縁よりばね片71の先端側へ突出する一対の固定部72とが一体に形成されてなる。固定部72は先端部が略U字形に湾曲し、図20に示すように端子板41の鎖錠片44における主片42近傍の部位に設けられた切り欠きからなる被固定部46を挟み込んで復帰ばね70を端子板41に固定(仮固定)するものである。そして、端子板41に復帰ばね70を仮固定した刃受ブロック30を収納室13内に収納すると、ボディ10内壁に端子板41が当接してばね片71の後端部が狭持され、復帰ばね70が端子板41に本固定される。さらに解除釦60を収納室13内に配設すれば、復帰ばね70のばね片71の先端部が解除釦60の駆動部62の先端にそれぞれ当接し、ばね片71のばね力により、非接続位置(ボディ10の縦溝15から操作部61が突出した位置)に復帰する向きに解除釦60が弾性付勢される。なお、解除釦60の器体1に対する抜け止めは、カバー20の内壁面に駆動部62を当接させることで行われる。
【0034】
而して、電線挿入孔11を通して端子板41の接触片43と鎖錠片44の間に電線を挿入して端子部40(端子板41)に電線を接続すると、電線の先端が解除釦60の駆動部62の凹所62aに形成された傾斜面62bに当接し、電線の挿入力(電線の挿入向きにはたらく力)によって、駆動部62がカバー20に近付く向き及び操作部61が器体1内に進入する向きに解除釦60が押駆動される。その結果、端子部40に電線が接続された状態では、操作部61の一部が器体1内部に引き込まれた位置(接続位置)まで移動することになる。つまり、解除釦60の操作部61が非接続位置と接続位置の間で移動自在となっており、操作部61の位置(非接続位置又は接続位置)によって電線が端子板41と接続されているか否かを確認することができるのである。また電線を接続する際、上述のように電線の挿入力によって解除釦60がカバー20に近付く向きに押し上げられるのであるが、解除釦60の駆動部62と対向するカバー20の内底面には段差(図示せず)が形成されており、駆動部62に設けた突起65が当該段差を乗り越えるときに音(例えば、「カチッ」というような衝撃音)を発するので、その音によっても電線が端子板41に接続されたことを確認することができるようになっている。
【0035】
一方、端子部40に接続されている電線を引き抜くには、縦溝15を通して器体1の側面に露出している操作部61を指で押操作すればよい。操作部61を押操作して接続位置からさらに器体1内部に解除釦60を移動させると、解除釦60の腕部63先端に突設されている押動突部64で端子板41の鎖錠部44aの先端を押圧することにより、電線に食い込んでいる鎖錠部44を電線から離すように鎖錠片44を撓ませて電線の引き抜きが可能となる。ここで、本実施形態では解除釦60の腕部63先端に突設した押動突部64で鎖錠部44aの先端を押圧するようにしているから、鎖錠片44を鎖錠部44aから離れた位置で押圧する場合に比較して、電線の接続状態を解除する際に鎖錠部44a(鎖錠片44)が変形(塑性変形)するのを防ぐことができる。
【0036】
従来の速結端子装置では工具を使って解除釦を操作しながら電線を引き抜かなければならないため、一方の手で配線器具の器体を持ち、他方の手に持った工具を操作孔に挿入して解除釦を操作した状態では両手が塞がれてしまうために電線を電線挿入孔から引き抜くことが困難であった。これに対して本実施形態では、器体1を持った手の指(例えば、親指)で器体1の側面に露出する解除釦60の操作部61を押操作して電線に食い込んでいる鎖錠部44aを電線から離すことができ、一方の手で器体1の保持と解除釦60の操作を同時に行い、他方の手で電線を引き抜くことができるため、従来の速結端子装置に比較して電線の取り外し作業が容易に行える。そして、電線を引き抜いた後に操作部61の押操作を止めれば、復帰ばね70のばね力によって解除釦60が移動し、操作部61が非接続位置に自動的に復帰するため、操作部61を非接続位置に復帰させる手間が要らず何度でも電線を抜き差しすることができる。
【0037】
ここで、解除釦60は駆動部62において器体1の縦溝15から抜け止めされ、腕部63の側ではフリーの状態であるから、抜け止め位置にある駆動部62を支点として解除釦60が揺動自在となっており、腕部63の側でも抜け止めを行って平行移動のみ可能とした場合に比較して、非接続位置における解除釦60の突出量を増やして視認性並びに操作性を高めることができる。また、図9に示すように解除釦60の駆動部62における復帰ばね70のばね片71先端が当接する面62cを復帰ばね70の付勢向きにくぼんだ形状としているので、図21(a)に示すように前記当接面62cが平坦な場合に比較して解除釦60の移動量が同じでも復帰ばね70の変位量を低減することができ、復帰ばね70のへたりを軽減することができる(図21(b)参照)。
【0038】
なお、本実施形態では復帰ばね70に設けた固定部72を端子板41の被固定部46に仮固定するようにしているが、図22に示すように端子板41に突設した突起47を復帰ばね70に設けた係止孔73に挿入係止して仮固定する場合に比較して、刃受ブロック30をボディ10へ組み込む際に少々の衝撃が加わっても復帰ばね70が端子板41から脱落し難くなって作業性の向上が図れるという利点がある。
【0039】
ところで、ボディ10の長手方向両側面における縦溝15の後端近傍の部位にボディ10の長手方向に突出する一対の突部16が突設されてボディ10の側面との間に段差が形成されている。すなわち、接続位置において解除釦60の操作部61は器体1(ボディ10)の側面から僅かに突出することになるが、上述のように突部16を設けてボディ10の側面との間に段差を形成しているため、電線挿入孔11が開口する器体1(ボディ10)の底面側から見たときに、図23に示すように非接続位置にある解除釦60の操作部61が突部16よりも外側に飛び出して見えるのに対し、接続位置にある解除釦60の操作部61は突部16の陰に隠れて見えなくなり、器体1の底面から見たときの解除釦60の視認可否によって電線の接続状態が容易に判別できるようになる。
【0040】
ところで、カバー20の前壁には一つのプラグに設けた一対の栓刃を挿入することができる差込部24が1口分形成されている。差込部24は各刃受31の刃受ばね32,33に対応する部位にそれぞれ開口する挿入口25よりなり、各挿入口25は平板状の平型栓刃が差し込まれる平型栓刃挿入口25aと、丸ピン状のピン型栓刃が差し込まれるピン型栓刃挿入口25bとを連通させた形状に形成されている。つまり、平型栓刃挿入口25aは矩形状であって、長手方向の中間部の一側縁に円状のピン型栓刃挿入口25bが連通した形状になっている。また、平型栓刃挿入口25aの中心間の距離よりも、ピン型栓刃挿入口25bの中心間の距離の方が広くなっている。平型栓刃挿入口25aに挿入される平型栓刃は刃受ばね32の側面と刃受ばね33との間で挟持され、ピン型栓刃挿入口25bに挿入されるピン型栓刃は一対の刃受ばね32の間で挟持される。
【0041】
次に、ボディ10とカバー20を結合して器体1を組み立てる構造について説明する。すなわち、本実施形態においては、ボディ10とカバー20との双方に設けた嵌合部6,7に組立部材50を凹凸嵌合することでボディ10とカバー20とを結合して器体1を組み立てるようになっている。
【0042】
ボディ10の長手方向に対向する両側面には、図4に示すように一対の縦溝15に挟まれた中央部に矩形の嵌合部6が突設され、さらに嵌合部6の前方(図4(d)における上方)には凹溝8が形成されている。一方、カバー20の長手方向の両側面には、図5に示すようボディ10の縦溝15と連通する一対の挿通溝21が設けられるとともに挿通溝21に挟まれた中央部からボディ10の嵌合部6と同形状且つ同寸法の嵌合部7が突設されている。そして、ボディ10の開口面にカバー20を突き合わせた状態では、それぞれの嵌合部6,7が凹溝8を挟んで一列に配置されることになる。
【0043】
組立部材50は弾性を有する合成樹脂成型品からなり、図6に示すように嵌合部6,7と各々嵌合する嵌合孔51,51が器体1の前後方向(図1における上下方向)に並設された短冊状の縦片52と、縦片52の先端に中央部が連結された短冊状の横片53とを有する略T字形に形成され、器体1と対向する縦片52の背面側において嵌合孔51に挟まれた略中央部からは先端に係止爪54aを有する係止突片54が背方へ突設されている。また、横片53の側面には、埋込型の配線器具を造営面に埋込配設するための取付枠、又は配線器具の取付構造を有したフラッシプレート(以下、単に「プレート」という)が具備する係合孔と係合して器体1を取付枠に取り付ける一対の取付部(取付爪)55が突設されている。
【0044】
一方、カバー20には、ボディ10の凹溝8から挿入される組立部材50の係止突片54先端部に設けた係止爪54aが係止する被係止部26が長手方向両端部近傍の背面側に形成されている(図5(d)参照)。なお、カバー20の背面側における嵌合部7近傍には後方に向かうにつれて内側に傾斜して係止爪54aを被係止部26に案内するガイド面27が形成されている。
【0045】
而して、ボディ10とカバー20とを結合して器体1を組み立てるには、図24(a)に示すようにボディ10とカバー20を開口面側で突き合わせた状態で係止突片54を凹溝8に挿入するように組立部材50を器体1の長手方向に対向する両側面の方へ押しつければ、図24(b)に示すように組立部材50の各嵌合孔51にボディ10及びカバー20の嵌合部6,7がそれぞれ嵌合してボディ10とカバー20とが結合されると同時に、係止突片54の先端に設けた係止爪54aがカバー20のガイド面27に沿うように係止突片54が後方(ボディ10側)に撓み、やがて係止爪54aがカバー20の被係止部26に係止することによって、組立部材50の嵌合部6,7からの脱落が防止できる。なお、係止突片54をスムーズに後方に撓ませるために、図24に示すようにボディ10のガイド面27と対向する位置にガイド面27と略平行に傾斜する傾斜面10aを設けることが望ましい。
【0046】
このように合成樹脂製の組立部材50を用いてボディ10とカバー20とを結合しているから、金属製の組立枠を用いる場合のように組立枠と充電部(刃受ブロック30)との絶縁距離による設計上の制約が減少し、器体1を形成する材料の選択や器体1の厚み寸法等の設計の自由度が高くなるという利点がある。また、本実施形態ではボディ10の嵌合部6とカバー20の嵌合部7をそれぞれ組立部材50の一対の嵌合孔51に個別に嵌合しているから、ボディ10及びカバー20の嵌合部を同じ嵌合孔に嵌合させる場合に比較してそれぞれの嵌合部6,7の寸法誤差による組立部材50のがたつきを抑えてボディ10とカバー20を強固に結合することができる。また、係止突片54を組立部材50の縦片52における嵌合孔51に挟まれた部位に設けることで組立部材50を小型化している。なお、図25に示すように被係止部26やガイド面27をボディ10に設け、組立部材50の係止突片54に設ける係止爪54aの向きを逆としても構わない。
【0047】
ところで、カバー20の内部には一対の扉160,160と一対の板ばね170,170、そして中枠180が納められる。中枠180は、図11に示すように一対の貫通孔181,181と、この貫通孔181,181の間に位置する溝182とを備えたもので、カバー20内壁に設けられた突起(図示せず)との係合でカバー20に仮止めすることができるものとなっている。そして、一対の扉160,160と一対の板ばね170,170とは中枠180とカバー20の内面との間に配設される。
【0048】
同形のものとして形成されている一対の扉160は、図12に示すように両側に張り出す翼片161,161を備え、各翼片161,161にはそれぞれ傾斜角度が異なる一対の傾斜面162,163が並設されている。この扉160,160は、翼片161,161に挟まれた中央部164が中枠180の溝182に納められるとともに、その外面側とカバー20の内壁との間に板ばね170,170が配された状態でカバー20内に納められ、板ばね170,170による付勢で両扉160,160は相互に接する状態となる。
【0049】
中枠180及び扉160,160を納めたカバー20を組立部材50を用いてボディ10と結合するのであるが、ボディ10とカバー20とを組立部材50で結合して器体1を組み立てた時、中枠180の貫通孔181内に刃受ブロック30の刃受31が位置するとともに、中枠180の仕切壁180aがボディ10の仕切壁12と係合して、両刃受31間を分離している。そして、扉160,160はカバー20の挿入口25と刃受31との間に位置する。
【0050】
すなわち、一方の扉160の翼片161は他方の扉160の翼片161に少し被さることで隙間が両扉160,160間に生ずることがない状態で両扉160,160が板ばね170,170による付勢で接触しているのであるが、このように閉じた扉160,160が挿入口25と刃受31との間に位置して、挿入口25の奥に位置する刃受31を隠すことになる。
【0051】
この状態で、プラグの栓刃を両挿入口25に差し込めば、各栓刃は扉160,160の翼片161,161の傾斜面162(又は163)を押すことで、扉160を板ばね170に抗して動かして、両扉160,160の間を広げるものであり、このために栓刃が刃受31に差し込まれる。プラグを抜けば、両扉160,160は板ばね170,170による付勢で復帰して再度挿入口25を閉じる状態となる。
【0052】
上述のように構成される本実施形態のコンセントを壁面などの造営面に施工するには、図26及び図27に示すプレート100を用いる。プレート100は、器体1を保持するプレート枠110と、プレート枠110を覆って見栄えよく施工する化粧プレート120とからなる。合成樹脂製のプレート枠110は絶縁性を有し、一対の枠片113a,113bの左端部同士および右端部同士をそれぞれ横片112で連続一体に結合することによって、器体1の前面を露出させる長方形状の開口窓111を中央部に備えた縦長の矩形枠状に形成されている。開口窓111の長手方向に沿った両側縁の後面側にはそれぞれ帯板状の固定梁部114と可動梁部115とが互いに対向する形で設けてある。
【0053】
可動梁部115は、長手方向の両端部で可動梁部115の長手方向に延長された連結部116を介して枠片113bに連続一体に連結され、中間部の2箇所が可動梁部115に直交する方向のブリッジ部117を介して枠片113bに連続一体に連結されている。また、各連結部116と各ブリッジ部117との間および両ブリッジ部117の間の部位は表裏に貫通するスリット118a〜118cとなっている。プレート枠110を形成する合成樹脂は可撓性を有し、可動梁部115および連結部116が可撓になっている。両側のスリット118a,118cはL字形に形成され、中間部のスリット118bは一直線上に形成されている。枠片113bにおいて各ブリッジ部117の近傍には、ブリッジ部117に対応する部位でも可動梁部115が可撓となるように、表裏に貫通する長孔状の溝119をそれぞれ設けてある。
【0054】
一方、固定梁部114および可動梁部115において開口窓111に臨む一面には、組立部材50に各一対ずつ突設された取付爪55と凹凸係合する保持部としての6個の保持溝114a,115a(図26参照)が等ピッチで設けられる。したがって、取付部材50に設けた取付爪55を各保持溝114a,115aに凹凸係合させると、器体1の前面を開口窓111から露出させた形でプレート枠110に器体1を取着することができる。また、器体1がプレート枠110から前方に抜け落ちないように、固定梁部114及び可動梁部115の基部には組立部材50の横片53前面に当接する当接部114d,115dが形成されている。つまり、組立部材50の横片53前面が当接部114d,115d(図28参照)に当接し、取付爪55の後面が保持溝114a,115aに係止されることによって、器体1がプレート枠110に取着される。
【0055】
ここで、固定梁部114と可動梁部115との開口窓111に臨む一面における各先端部分には、器体1の取付爪55をプレート枠110の後面側から保持溝114a,115aに導入する際に、各取付爪55を保持溝114a,115aに誘導するために、先端側ほど互いの距離を広げるように傾斜した傾斜面となった誘導部114b,115bが設けてある。すなわち、図28(a)〜(c)に示すようにプレート枠110に器体1を取り付けるには、器体1の一側面に嵌合した組立部材50の取付爪55を固定梁部114の保持溝114aに係合させておき、器体1の前端部を開口窓111にほぼ一致させて器体1をプレート枠110に対して前方に押し込むと、器体1の他側面に嵌合した組立部材50の取付爪55が可動梁部115を撓ませながら傾斜面54aと誘導部115bとによって保持溝115aに追い込まれ、取付爪55を保持溝115aに容易に係合させることができる。
【0056】
一方、固定梁部114の基部には隣接する各一対の保持溝114aの間でプレート枠110の表裏に貫通する器具外し孔114cが穿設してあって、器体1をプレート枠110に取着した状態で、ドライバや取外し専用の治具等の先端部分を器具外し孔114cに挿入し、治具の先端部分で器体1を可動梁部115側へ押すと梃子の原理によってわずかな力で可動梁部115を撓ませることができ、固定梁部114側の保持溝114aと器体1の取付爪55との係合状態を解除してプレート枠110から器体1を取り外すことができるようになっている。
【0057】
ところで、上述したように、プレート枠110は固定梁部114と可動梁部115とにそれぞれ3対の保持溝114a,115aを有し、器体1の上下両側面に嵌合した組立部材50に一対ずつの取付爪55が形成されているから、上述の器体1をプレート枠110に3個まで取り付けることが可能である。つまり、プレート枠110は3個用であって、3個用のプレート枠110に最大3個まで取り付けることができるように取付寸法を設定した器体1を単位寸法(以下、「1個モジュール」と呼ぶ)の器体1と呼ぶことにする。このように、器体1とプレート枠110との相対的な取付寸法を規定しておくことによって、プレート枠110には1〜3個の範囲の任意個数の器体1を取り付けることが可能になる。固定梁部114および可動梁部115に設けた各保持溝114a,115aのピッチは1個モジュールの器体1の側面に突設されている取付爪55のピッチと等しく、かつ上述のように各保持溝114a,115aは等間隔であるから、1個モジュールの器体1であれば固定梁部114および可動梁部115の隣接する任意の2個の保持溝114a,115aを用いてプレート枠110に取着することができる。
【0058】
ところで、プレート枠110の各横片112の中間部前面にはそれぞれ凹所131が形成してある。各凹所131には、プレート枠110を埋込ボックスに取り付けるためのボックスねじを挿通する長孔状のボックス用孔132と、プレート枠110を壁面等の施工面に直付けするためのねじが挿通されるねじ挿通孔133と、施工面を形成する壁パネル等に取り付ける際に使用するはさみ金具(図示せず)を係止するはさみ金具係止孔134とが設けてある。
【0059】
また、プレート枠110の4隅には、化粧プレート120の後面から突設した係止突起123を係止する化粧プレート係止孔135が設けてあり、化粧プレート係止孔135に係止突起123を挿入係止することでプレート枠110の前面を覆う形で化粧プレート120を着脱自在に取り付けることができるようになっている。
【0060】
化粧プレート120は、絶縁性を有する合成樹脂を用いて形成されたものであって、プレート枠110の前面を覆う矩形状の主部121と、主部121の周縁から全周に亙って後方に突出する側壁122とを連続一体に形成した略箱形に形成される。係止突起123は主部121の後面側の4隅に突設してある。また、主部121の中央部には、プレート枠110に取り付けた器体1の前面を露出させる開口窓121aが設けてある。
【0061】
化粧プレート120の側壁122のうちの各対向面間の距離は、それぞれプレート枠110の対応する部位の幅寸法よりも大きくしてある。すなわち、施工面に配設したプレート枠110の前面側に化粧プレート120を取着したとき、プレート枠110が化粧プレート120の内側に収まり、化粧プレート120の側壁122の先端縁が施工面にほぼ当接する。その結果、プレート枠110と化粧プレート120との突き合わせ面が施工面よりも前方へ出ることがなく、両者の突き合わせの線が側面からはほとんど見えなくなり外観が向上する。また、化粧プレート120の側壁122の内側面には、プレート枠110の側面に当接してプレート枠110に対する化粧プレート120の位置ずれを防止する規制リブ124を複数列設している。
【0062】
ところで、プレート枠110の両枠片113a,113bの外側面には、後方ほど外側に突出するように傾斜する傾斜面113cと、傾斜面113cに連続して外側に張り出した張出部113dとが形成されている。さらに、化粧プレート120の上下の側壁122の内側面には後端面が張出部113dの前面に当接するリブ125が突設され、このリブ125によって化粧プレート120のがたつきが防止される。プレート枠110に化粧プレート120を取り付けるときには、化粧プレート120の規制リブ124がプレート枠110の枠片113a,113bに形成した傾斜面113cに案内されるから、取り付けが容易である。
【0063】
化粧プレート120の上下の一方の側壁122には一対の切欠部126が設けてあり、この切欠部126に治具(マイナスドライバの先端部など)を差し込んで化粧プレート120をプレート枠110から離す向き(前向き)の力を作用させると、化粧プレート120の係止突起123とプレート枠110の化粧プレート係止孔135との係合状態が解除され、化粧プレート120をプレート枠110から取り外すことができる。プレート枠110の枠片113bにおいて切欠部126に対応する位置には傾斜面113cよりも内側へ窪んだ逃がし部136が設けてあり、切欠部126に差し込まれた治具を逃がして奥まで挿入できるようにしてあり、化粧プレート120を取り外す際に力を作用させやすくしてある。さらに、逃がし部136の後面側端部からは張出部113dよりも薄肉のリブ137が、化粧プレート120の切欠部126から突出しない程度まで延設してある。すなわち、切欠部126に差し込んだ治具に施工面に当接する部分を支点として力を加えることで施工面に傷が付くおそれがあるが、リブ137を設けていることで切欠部126に差し込んだ治具がリブ137に当接し、化粧プレート120をプレート枠110から取り外す際に治具によって施工面に傷が付くのを防ぐことができる。
【0064】
化粧プレート120の後面側には、プレート枠110に取着したときにプレート枠110に設けた3つのスリット118a〜118cにそれぞれ嵌入される突条片128a〜128cが列設してある。ここで、各突条片128a〜128cの寸法は、プレート枠110の各スリット118a〜118cに嵌入された状態で、スリット118a〜118cの内周面と各突条片128a〜128cとの間にわずかな隙間しか生じないような寸法に設定してある。すなわち、器体1を取り付けたプレート枠110に化粧プレート120を取着した状態では、3つの突条片128a〜128cがプレート枠110の各スリット118a〜118cに嵌入され、スリット118a〜118cの内周面と各突条片128a〜128cとの間にはわずかな隙間しか生じないことから、プレート枠110の可動梁部115の動き(撓み)が規制されることになる。その結果、コンセントに差し込まれたプラグを異常に大きな力で引き抜く等の衝撃が加えられた場合でも、上述のように可動梁部115の動きが規制されているために器体1の取付爪2と可動梁部115および固定梁部114の保持溝115a,114aとの係止が外れにくいのである。
【0065】
(実施形態2)
実施形態1は、平行平型栓刃を有する所謂Aタイプのプラグと平行ピン型栓刃を有する所謂BSタイプのプラグの双方が接続可能なタイプ(所謂ユニバーサルタイプ)の差込部24を1個モジュールの器体1に備えるものであったが、本実施形態は、図29〜図31に示すように実施形態1と同じユニバーサルタイプの差込部24と、所謂O(オウ)タイプの接地極付きプラグが接続される差込部24’とを3個モジュール(つまり、1個モジュールの3倍の取付寸法)の器体1に備えている。Oタイプの差込部24’は接地極を含む3つの平型栓刃が挿入される3個の平型栓刃挿入口25a’,25a’,25b’を有し、接地極の平型栓刃が挿入される平型栓刃挿入口25b’の両側に残り(電圧極)の平型栓刃挿入口25a’,25a’が逆ハ字形に配置されている。
【0066】
図32に示すように、ボディ10の内部は長手方向に沿って設けられた複数の仕切壁12により内部空間が3分されており、後述するようにカバー20内に収納される中枠260でボディ10の前面が覆われることによって器体1の内部空間が独立した3室(収納室13a,13b,13c)に分割される。また、両端の収納室13a,13bはスリット12aを有した一対の仕切壁12bによりさらにボディ10の長手方向に沿って3室に分割されている。
【0067】
ボディ10内において両端の収納室13a,13bには電圧極用の栓刃ブロック30A,30Bがそれぞれ収納される。栓刃ブロック30A,30Bは、ユニバーサルタイプの差込部24に対応する刃受31Aと、Oタイプの差込部24’の電圧極に対応する刃受31Bとが端子板41の両側に結合されて構成される。但し、一方の収納室13aに収納される栓刃ブロック30Aと、他方の収納室13bに収納される栓刃ブロック30Bとは鏡像の関係にあるので栓刃ブロック30Aについてのみ説明する。
【0068】
ユニバーサルタイプの刃受31Aは実施形態1における刃受31とほぼ共通の構造を有しており、図35に示すように互いに対向する先端部にて栓刃を挟持する一対の刃受ばね32と、両刃受ばね32の一方の側面同士を連続一体に結合するコ字状の連結片34と、連結片34より突出し両刃受ばね32の前記側面に対向する刃受ばね33とを備える。また、一方の刃受ばね32の基端側の側縁からは略鈎形の脚片35が延設され、脚片35の先端には一対のかしめ用突起36aが列設された結合片36が設けてある。
【0069】
Oタイプの電圧極用の刃受31Bは、図36に示すように互いに対向する先端部にて栓刃を挟持する一対の刃受ばね32と、両刃受ばね32の一方の側面同士を連続一体に結合するコ字状の連結片34と、一方の刃受ばね32の基端側の側縁から延設される帯状の脚片35と、一対のかしめ用突起36aが列設されて脚片35の先端に設けられる結合片36とを備える。
【0070】
端子板41は、図37に示すように略T字形の主片42と、主片42の幅細の一端側における両側縁から後方へ垂下された一対の接触片43と、主片42の幅太の他端側における両側縁から後方へ垂下された略J字形の一対の鎖錠片44と、両鎖錠片44の側端縁からそれぞれ側方へ突出する固定片(結合部)45とを有し、弾性を有する帯状の金属板を加工して接触片43の先端部と鎖錠片44の先端部がそれぞれ交差するように折り曲げて一体に形成される。すなわち、本実施形態における端子板41は、実施形態1における2つの端子板41(各端子板41は鏡像の関係にある)を互いの主片42で連結した形状となっており、接触片43には接触部43aと一対の押圧部43b,43cが設けられ、鎖錠片44には鎖錠部44aと曲げ部44bが設けられている。なお、本実施形態における端子板41も実施形態1のものと同様に接触片43の幅寸法を鎖錠片44の幅寸法よりも狭く(およそ半分)に設定することで解除釦60による解除操作のスペースを確保している。さらに、固定片45には刃受31A,31Bの結合片36に列設されている一対のかしめ用突起36aが挿通される挿通孔45aが貫設されており、これら一対の挿通孔45aに挿通したかしめ用突起36aをかしめることで一方の固定片45に刃受31Aの結合片36が固定されるとともに他方の固定片45に刃受31Bの結合片36が固定されて刃受ブロック30Aが構成される。このように本実施形態では、端子板41を介して電線と導通する部品であり且つ配線器具の種類に応じた固有の部品(本実施形態では刃受31A,31B)を結合するための結合部(固定片45)を端子板41に設けているので、上記固有部品がコンセント以外の配線器具の部品であっても端子板41を共通に使用することができてコストダウンが図れる。なお、固定片45と結合片36との結合方法は上述のかしめに限定されるものではなく、接着や溶接等の種々の結合方法に対応可能である。
【0071】
而して、上述のように構成される電圧極用の刃受ブロック30A,30Bは、図34に示すように各刃受31A,31Bを長手方向両端の区画にそれぞれ収納し、端子板41を長手方向中央の区画に収納するようにしてボディ10両端の収納室13a,13bに納められる。
【0072】
一方、ボディ10内において中央の収納室13cにはOタイプの接地極用の栓刃ブロック30Cが収納される。接地極用の栓刃ブロック30Cは、Oタイプの差込部24’に対応する接地極の刃受31Cが端子板41’に結合されて構成される。
【0073】
Oタイプの接地極用の刃受31Cは、図38に示すように互いに対向する先端部にて栓刃を挟持する一対の刃受ばね32と、両刃受ばね32の後端縁を連続一体に結合する連結片34と、連結片34の側縁から延設され略鈎形に折曲された帯状の脚片35と、かしめ用突起36a並びに位置決め用孔36bが列設されて脚片35の先端に設けられる結合片36とを備える。
【0074】
端子板41’は電圧極用の端子板41から固定片45を除いた形状にほぼ等しく、図39に示すように主片42と、一対の接触片43並びに鎖錠片44とを備え、接触片43には接触部43aと一対の押圧部43b,43cが設けられるとともに、鎖錠片44には鎖錠部44aと曲げ部44bが設けられている。また、主片42には刃受31Cの結合片36に設けられたかしめ用突起36aが挿通されるかしめ用孔42aが貫設されるとともに、位置決め用孔36bに嵌合する位置決め突起42bが突設されている。
【0075】
したがって、刃受31Cの結合片36に貫設されている位置決め用孔36bに端子板41’の主片42に突設されている位置決め突起42bを嵌合して端子板41’と刃受31Cを位置決めするとともに、結合片36に突設されているかしめ用突起36aを主片42に貫設されているかしめ用孔42aに挿通してかしめることで端子板41’の主片42と刃受31Cの結合片36が結合されて刃受ブロック30Cが構成される。
【0076】
而して、上述のように構成される接地極用の刃受ブロック30Cは、図34で示すように刃受31Cを図中下側にしてボディ10中央の収納室13cに納められる。ここで、図40(b)に示すように端子板41の主片42にかしめ用及び位置決め用の2つの孔42bを列設する構造では、孔42bを設けるための加工用の凹部同士の間隔が非常に狭くなって主片42の強度が低下してしまう虞があり、強度を確保するためには主片42の寸法を大きくしなければならない。これに対して本実施形態では、かしめ用突起36aと位置決め用孔36bを刃受31Cの結合片36に設け、かしめ用孔42a及び位置決め用突起42bを端子板41の主片42に設けているので、かしめ用孔42aと位置決め用突起42bの間隔が広くとれて主片42を大型化することなく強度低下を防ぐことができる(図40(a)参照)。
【0077】
なお、本実施形態では別体に形成された端子板41と刃受31A,31Bを結合して刃受ブロック30A,30Bを構成しているが、図41に示すように刃受31A,31Bと端子板41を金属部材を加工して一体に形成すれば、かしめ等の結合作業が不要となる利点がある。ここで、刃受31A,31Bの構造として、例えば、図41に示すように一対の刃受ばね32をその後端縁、すなわち栓刃の差込方向において栓刃の先端に連結片34が対向するように連結する構造や、図42(b)及び(c)に示すように一対の刃受ばね32をその側端縁、すなわち連結片34が栓刃の差込方向に沿うように連結する構造が考えられるが、前者の構造では後者の構造に比較して刃受ばね32のばね性において優れ、後者の構造では前者の構造に比較して金属部材から打ち抜き加工する際の所謂板取りにおいて優れており、必要な性能に鑑みて何れかの構造を適宜選択して組み合わせればよい。また、図42(a)に示すように前者の構造においてユニバーサルタイプの刃受31Aの刃受ばね33を片方の刃受ばね32の側端縁に連結する構造としてもよい。
【0078】
図32に示すように、ボディ10の底壁の長手方向略中央にはそれぞれ3つの収納室13a,13b,13cに連通する各一対の電線挿入孔11が貫設されており、電線挿入孔11を通して接触片43と鎖錠片44の間に電線を挿入すれば、実施形態1で説明したように鎖錠片44の鎖錠部44aが電線に食い込んで抜け止めされるとともに鎖錠片44のばね力によって電線が接触片43の接触部43aに弾接し、さらに一対の押圧部43b,43cによって鎖錠片44の方へ電線が押圧され、鎖錠部44aと一対の押圧部43b,43cの押圧力が均衡して電線が狭持される。
【0079】
ここで、端子板41,41’においては各一対の接触片43及び鎖錠片44が主片42の両端に離間して設けられており、これに対応して各一対の電線挿入孔11も所定の距離だけ離して設けられている。したがって、送り配線のために各端子板41,41’に2本の電線を接続する際、隣り合う2つの電線挿入孔11が離れているから電線を1本ずつ確実に接続することができるものである。これに対して、図43に示すように2つの接触片43を端子板41,41’の中央部に近接して配置し、図44に示すように2つの接触片43に対応する2つの電線挿入孔11を部分的に連通させてボディ10に設けるようにすれば、端子板41,41’に2本の電線を一緒に各電線挿通孔11に挿入して同時に接続することができるという利点がある。
【0080】
ところで、本実施形態においては、端子板41とともに電圧極用の端子部40を構成する解除釦80と、端子板41’とともに接地極用の端子部40を構成する解除釦200とは異なる形状に形成されている。但し、後述するように隣り合って配置される解除釦80又は200同士は鏡像の関係にあり、以下では一方の形状についてだけ説明する。
【0081】
電圧極用の解除釦80は合成樹脂成型品からなり、図45に示すように角柱状の操作部81と、操作部81の一端側から操作部81の長手方向に延長され且つ操作部81の短手方向に突出する駆動部82と、操作部81の他端部近傍から駆動部82と同一方向に突出する腕部83とが一体に形成されている。腕部83は操作部81の幅寸法よりも小さい幅寸法に形成されており、その先端には駆動部82の方へ突出する押動突部84が一体に形成されている。また、駆動部82は腕部83に比較して操作部81からの突出量が大きくなっており、腕部83と対向する内側面には下方及び一側面に開放する凹所82aが形成されている。腕部83と対向する凹所82aの底面には、先端から操作部81に向かって徐々に腕部83から遠ざかる向きに傾斜する傾斜面82bが形成されている。なお、駆動部82の先端部分の外側面には腕部83と反対側に突出する位置決め部85が突設されている。
【0082】
一方、ボディ10の短手方向の両側面には、各収納室13a,13bと通じる縦溝15が各一対ずつ並設されており、この縦溝15に操作部81を挿通するようにして解除釦80がボディ10内の各収納室13a,13bにおいて端子板41に対向して配設される(図34参照)。ここで解除釦80は、腕部83が端子板41の鎖錠片44における接触片43と対向しない部位に対向し、ボディ10の電線挿入孔11と駆動部82の凹所82aとが対向し、且つ操作部81が縦溝15から進退自在に突出するように収納室13a,13b内に移動自在に配置されている。なお、既に説明したように接触片43の幅寸法を鎖錠片44の幅寸法よりも狭くしているから、腕部83と鎖錠片44の対向面積を広くとることができるようになっている。また、操作部81を縦溝15から突出する向きに弾性付勢して解除釦80を電線が接続されていないときの位置(非接続位置)に復帰させる復帰ばね90が各収納室13a,13bに収納されている。
【0083】
復帰ばね90は、図46に示すように先端が略直角に折り曲げられ、後端部が略へ字形に折り曲げられた一対のばね片91と、ばね片91の後端部の片側側縁より先端側へ突出する固定部92と、ばね片91を後端部の側縁で連結する連結片92とが一体に形成されてなる。固定部92は先端部が略U字形に湾曲し、図47に示すように端子板41の鎖錠片44における主片42近傍の部位に設けられた切り欠きからなる被固定部46を挟み込んで復帰ばね90を端子板41に固定(仮固定)するものである。そして、端子板41に復帰ばね90を仮固定した刃受ブロック30A,30Bを収納室13a,13b内に収納すると、ボディ10内壁に端子板41が当接してばね片91の後端部が狭持され、復帰ばね90が端子板41に本固定される(図34参照)。さらに解除釦80を収納室13a,13b内に配設すれば、復帰ばね90のばね片91の先端部が解除釦80の駆動部82の先端にそれぞれ当接し、ばね片91のばね力により、非接続位置(ボディ10の縦溝15から操作部81が突出した位置)に復帰する向きに解除釦80が弾性付勢される。なお、解除釦80の器体1に対する抜け止めは、カバー20の内壁面に駆動部82に設けた位置決め部85を当接させることで行われる。ここで、端子板41には矩形の貫通孔からなり、被固定部46と対になる被固定部46’が設けてあり、図48に示すようにばね片91を1つだけ備える復帰ばね90’を用いる場合に、復帰ばね90’の固定部92で対となる被固定部46,46’を挟み込んで仮固定するようにしているから、2つのばね片91,91を一体とした復帰ばね90とばね片91を一つだけ具備する復帰ばね90’の両方が同じ端子板41に取り付けることが可能となり、部品の共通化によるコストダウンが図れるとともに配線器具の構成の幅を広げることができる。
【0084】
而して、電線挿入孔11を通して端子板41の接触片43と鎖錠片44の間に電線を挿入して端子部40(端子板41)に電線を接続すると、電線の先端が解除釦80の駆動部82の凹所82aに形成された傾斜面82bに当接し、電線の挿入力(電線の挿入向きにはたらく力)によって、駆動部82がカバー20に近付く向き及び操作部81が器体1内に進入する向きに解除釦80が押駆動される。その結果、端子部40に電線が接続された状態では、操作部81の一部が器体1内部に引き込まれた位置(接続位置)まで移動することになる。つまり、解除釦80の操作部81が非接続位置と接続位置の間で移動自在となっており、操作部81の位置(非接続位置又は接続位置)によって電線が端子板41と接続されているか否かを確認することができるのである。
【0085】
なお、ボディ10の短手方向両側面における縦溝15の後端近傍の部位にはボディ10の短手方向に突出する突部16が突設されてボディ10の側面との間に段差が形成されている。すなわち、接続位置において解除釦80の操作部81は器体1(ボディ10)の側面から僅かに突出することになるが、突部16を設けてボディ10の側面との間に段差を形成しているため、電線挿入孔11が開口する器体1(ボディ10)の底面側から見たときに非接続位置にある解除釦80の操作部81が突部16よりも外側に飛び出して見えるのに対し、接続位置にある解除釦80の操作部81は突部16の陰に隠れて見えなくなり、器体1の底面から見たときの解除釦80の視認可否によって電線の接続状態が容易に判別できるようになる。また、解除釦80の操作部81をボディ10と異なる色に着色すれば、解除釦80の位置が視認し易くなるという利点がある。
【0086】
一方、端子部40に接続されている電線を引き抜くには、縦溝15を通して器体1の側面に露出している操作部81を指で押操作し、接続位置からさらに器体1内部に解除釦80を移動させると、解除釦80の腕部83先端に突設されている押動突部84で端子板41の鎖錠部44aの先端を押圧することにより、電線に食い込んでいる鎖錠部44を電線から離すように鎖錠片44を撓ませて電線の引き抜きが可能となる。また、電線を引き抜いた後に操作部81の押操作を止めれば、復帰ばね90のばね力によって解除釦80が移動し、操作部81が非接続位置に自動的に復帰する。なお、本実施形態においては、押動突部84が設けられた解除釦80の一端側に操作部81が設けてあるので、解除釦80の操作位置(操作部81)と腕部83との距離が近くなって鎖錠部44aを押圧するのに必要な操作量を低減して解除釦80の操作性が向上するものである。
【0087】
ところで本実施形態においては、解除釦80をボディ10の収納室13a,13bに組み込む際、図49に示すように押動突部84を端子板41における2つの接触片43の基端間に設けられた係合部48に係合させて端子板41に仮止めしている。このとき、係合部48に対向する鎖錠片44の鎖錠部44aが押動突部84に当接し、蛍光部48と鎖錠部44aで押動突部84を狭持して解除釦80を確実に仮止めするようにしている。つまり、解除釦80は端子板41に取り付けられた復帰ばね90によって付勢されるため、このように仮止めしないと姿勢が安定せずに組み込み作業性が低下することになるからであり、仮止めすることで解除釦80の組み込み作業性が向上できるものである。なお、押動突部84の先端部における操作部81との対向面には先端に向かって操作部81から離れる向きに傾斜するガイド面84aが形成されており(図45参照)、押動突部84を係合部48に係合する際にガイド面84aと係合部48が摺接して押動突部84が鎖錠部44aの方へ案内されるから仮止め作業が容易に行えるものである。そして、解除釦80をボディ10に組み込んだ後に端子板41を解除釦80の駆動部82に近づく向き(図49(b)における上向き)に押すと、係合部48がガイド面84aに摺接しながら反係合向きに移動して押動突部84との係合が外れ、端子板41に対する解除釦80の仮止め状態が解除されることになる。
【0088】
一方、接地極用の解除釦200も合成樹脂成型品からなり、図50に示すように略矩形の操作部201と、操作部201の一側面における一端から側方へ突出する駆動部202と、前記側面における他端から側方へ突出する腕部203と、腕部203の先端から駆動部202の方へ突出する押動突部204とが一体に形成されている。腕部203は操作部201の幅寸法よりも狭い幅寸法に形成されている(図50(b)参照)。また駆動部202は、腕部203に比較して操作部201からの突出量が大きくなっており、腕部203と対向する内側面(図50(a)における下面)には下方及び一側方に開放する凹所202aが形成されている。腕部203と対向する凹所202aの底面には、先端から操作部201に向かって徐々に腕部203から遠ざかる向きに傾斜する傾斜面202bが形成されている。また、駆動部202における復帰ばね90のばね片91先端が当接する面202cを復帰ばね90の付勢向きにくぼんだ形状としてある。さらに、操作部201の駆動部202が突出する一端の外側面には、収納室13cに収納されたときに刃受ブロック30Cの刃受31Cを逃がす逃がし部205が凹設されており、解除釦200が刃受31Cと干渉するのを防ぐと同時に解除釦200と刃受31Cとの距離を近づけて器体1の小型化が図れる(図34参照)。
【0089】
ところで、図32に示すようにボディ10底面においては、長手方向両端中央の電線挿入孔11が設けられた部位には後方へ突出する突台部2が設けられ、さらにこれら突台部2の間、すなわちボディ10底面の略中央にも突台部2よりも僅かに後方へ突出した突台部3が設けられており、この中央の突台部3にボディ10内の収納室13cに貫通する電線挿入孔11が設けられている。なお、両端の突台部2はボディ10の短手方向両側面の中央に突設されている突部16と一体に形成されている。また、ボディ10底面中央における突台部2,3に囲まれた部位にはボディ10の内側にくぼんだ凹所4が設けられ、突台部3の凹所4に臨む側面から凹所4の底面に渡って収納室13cに通じる一対の挿通溝5が形成されている。そして、これらの挿通溝5に操作部201を挿通するようにして解除釦200がボディ10内の収納室13cにおいて端子板41’に対向して配設され、端子板41’に取り付けられた復帰ばね90により操作部201が挿通溝5から突出する向きに弾性付勢されて収納室13cに収納されている。(図51参照)。なお、解除釦200をボディ10に組み込む際に駆動部202が端子板41’から離れる向きに解除釦200が倒れるのを防止するため、図51(a)に示すようにボディ10の収納室13cには解除釦200に当接して支持する倒れ防止手段たるリブ17が設けられており、解除釦200の倒れを防いで組立作業性の向上が図られている。
【0090】
而して、電線挿入孔11を通して端子板41’の接触片43と鎖錠片44の間に電線を挿入して端子板41’に電線を接続すると、電線の先端が解除釦200の駆動部202の凹所202aに形成された傾斜面202bに当接し、電線の挿入力によって、駆動部202がカバー20に近付く向き及び操作部201が器体1内に進入する向きに解除釦200が押駆動される。その結果、端子板41’に電線が接続された状態では、操作部201の一部が器体1内部に引き込まれた位置(接続位置)まで移動することになる(図51(b)参照)。つまり、解除釦200の操作部201が非接続位置と接続位置の間で移動自在となっており、操作部201の位置(非接続位置又は接続位置)によって電線が端子板41’と接続されているか否かを確認することができる。また、解除釦200が器体1の前後方向及び長手方向の2つの方向に移動自在としてあるから、1つの方向のみで移動する場合に比較して視認性が向上するものである。なお、解除釦200の操作部201をボディ10と異なる色に着色すれば、解除釦200の位置が視認し易くなる。
【0091】
一方、端子板41’に接続されている電線を引き抜くには、挿通溝5を通して器体1底面の凹所4に露出している操作部201を指で押操作し、接続位置からさらに器体1内部に解除釦200を移動させると、解除釦200の腕部203先端に突設されている押動突部204で端子板41’の鎖錠部44aの先端を押圧することにより、電線に食い込んでいる鎖錠部44aを電線から離すように鎖錠片44を撓ませて電線の引き抜きが可能となる。また、電線を引き抜いた後に操作部201の押操作を止めれば、復帰ばね90のばね力によって解除釦200が移動し、操作部201が非接続位置に自動的に復帰する。なお、凹所4によって操作部201を操作するスペースが確保でき、その結果、接地極用の端子部40が器体1の底面から突出する量、つまり突台部3の器体1底面からの突出量を抑えて器体1の小型化が図れるものである。また本実施形態では、凹所4の周面(突台部2,3の凹所4に臨む側面)を凹所4の底面に向けて凹所4側に傾斜する傾斜面2a,3aとし、凹所4の開口面積を広げて指を入れ易くし解除釦200の操作性を向上させている。
【0092】
既に説明したようにカバー20の前壁にはユニバーサルタイプの差込部24とOタイプの差込部24’が形成されている。そして、ボディ10とカバー20との双方に設けた嵌合部6,7に組立部材210を凹凸嵌合することでボディ10とカバー20とを結合して器体1が組み立てられる。
【0093】
ボディ10の短手方向に対向する両側面には、図32に示すように一対の縦溝15が設けられた中央部を挟んだ両側に矩形の嵌合部6がそれぞれ突設され、さらに各嵌合部6の前方(図32(b)における左方)には凹溝8がそれぞれ形成されている。一方、カバー20の短手方向の両側面には、図33に示すようボディ10の縦溝15と連通する一対の挿通溝21が長手方向の中央部に設けられるとともに挿通溝21を挟んだ両側にボディ10の嵌合部6と同形状且つ同寸法の嵌合部7がそれぞれ突設されている。そして、ボディ10の開口面にカバー20を突き合わせた状態では、それぞれの嵌合部6,7が凹溝8を挟んで一列に配置されることになる。
【0094】
組立部材210は弾性を有する合成樹脂成型品からなり、図29及び図30に示すように嵌合部6,7と各々嵌合する一対の嵌合孔211が器体1の前後方向(図29における上下方向)に並設された短冊状の一対の結合片212と、両結合片212の先端にそれぞれ端部が連結された帯状の横片213とを有する略コ字形に形成され、器体1と対向する結合片212の背面側において嵌合孔211に挟まれた略中央部からは先端に係止爪214aを有する係止突片214が背方へ突設されている。また、各嵌合片211には取付枠やプレートの係合孔と係合する取付爪215が嵌合孔211と一列に並ぶように外向きに突設されている。
【0095】
一方、カバー20には、ボディ10の凹溝8から挿入される組立部材210の係止突片214先端部に設けた係止爪214aが係止する被係止部26が短手方向に対向する両側壁に形成されている(図33参照)。なお、カバー20の両側壁の内側における嵌合部7近傍には内側に向かうにつれて後方へ傾斜して係止爪214aを被係止部26に案内するガイド面27が形成されている。
【0096】
而して、ボディ10とカバー20とを結合して器体1を組み立てるには、ボディ10とカバー20を開口面側で突き合わせた状態で係止突片214を凹溝8に挿入するように組立部材210を器体1の短手方向両側面の方へ押しつければ、組立部材210の各嵌合孔211にボディ10及びカバー20の嵌合部6,7がそれぞれ嵌合してボディ10とカバー20とが結合されると同時に、係止突片214の先端に設けた係止爪214aがカバー20のガイド面27に沿うように係止突片214が後方(ボディ10側)に撓み、やがて係止爪214aがカバー20の被係止部26に係止することによって、組立部材210の嵌合部6,7からの脱落が防止できる。なお、横片213の中央部は器体1の側面に露出する解除釦80を逃げるために屈曲させてある。
【0097】
ところで、カバー20の内部にはユニバーサルタイプの差込部24を開閉自在に閉塞する第1の扉240と、Oタイプの差込部24’を開閉自在に閉塞する第2の扉250と、ボディ10前面とカバー20の前壁との間に配設され、第1及び第2の扉240,250をカバー20の内側に収納するようにしてスライド移動自在に支持する中枠260とが納められる。すなわち、差込部24,24’に差し込まれた栓刃の先端に押されて第1及び第2の扉240,250が中枠260に支持された状態でスライド移動することで差込部24,24’を開き、中枠260に貫設されている栓刃挿通孔261等を通して栓刃が刃受31A,31Bに接続可能となる。また、栓刃を差込部24,24’から引き抜くとコイルばねからなる復帰ばね254によって第1及び第2の扉240,250がスライド移動して元の位置、すなわち差込部24,24’を閉じる位置に復帰し、プラグの栓刃以外の異物が差込部24,24’に差し込まれるのを防ぐことができる。
【0098】
また、本実施形態も実施形態1と同様にプレート100を用いて壁面などの造営面に埋込配設される。このとき、器体1背面の突台部3が凹所4に対して鉛直上方に位置する向き、すなわち、ユニバーサルタイプの差込部24がOタイプの差込部24’の上に位置する向きに埋込配設された場合、凹所4の鉛直上方が突台部3(端子部)によって遮られるため、埃などが凹所4に溜まるのを抑えることができる。また、施工現場においてはプレート枠110に器体1を取り付けた状態で電線を接続する場合があるが、この場合に器体1から突出している解除釦80の操作部81がプレート枠110に干渉して正規の非接続位置まで移動できないと電線の接続作業が困難になる虞がある。そこで本実施形態では、解除釦80の駆動部82の背面(縦溝15から器体1の外に露出する面)を傾斜させることでプレート枠110を逃げるようにしている(図52参照)。
【0099】
ところで、電圧極用の解除釦80は非接続位置において器体1の外へ突出しているため、実際に施工されるまでの間に解除釦80と器体1とのすきまから埃が進入する虞がある。そこで、実際に施工されるまでの間だけ、図53(a)に示すように円筒形の軸部281の後端に軸部281よりも径の大きい円盤状の頭部282が設けられた固定ピン280を電線挿入孔11に挿入して解除釦80を接続位置に固定すれば、解除釦80と器体1のすきまが狭められるから埃の進入を抑えることができる(図53(b)参照)。そして、実際の施工時には固定ピン280を抜いて電線を接続すればよい。
【0100】
(実施形態3)
実施形態2はユニバーサルタイプの差込部24とOタイプの接地極付きの差込部24’を3個モジュールの器体1に備えるものであったが、本実施形態は、図54〜図56に示すようにOタイプの接地極付きの差込部24’を3個モジュールの器体1に2つ備えたものである。
【0101】
図57に示すように、ボディ10の内部は仕切壁12により内部空間が3分されており、カバー20内に収納される中枠260’でボディ10の前面が覆われることによって器体1の内部空間が独立した3つの収納室13a,13b,13cに分割される。また、両端の収納室13a,13bはスリット12aを有した一対の仕切壁12bによりさらにボディ10の長手方向に沿って3室に分割されている。
【0102】
ボディ10内において両端の収納室13a,13bには電圧極用の刃受ブロック30A,30Bがそれぞれ収納される。刃受ブロック30A,30Bは、端子板41の固定片45にそれぞれOタイプの刃受31Bがそれぞれ固定されて構成され、各刃受31Bを長手方向両端の区画にそれぞれ収納し、端子板41を長手方向中央の区画に収納するようにしてボディ10両端の収納室13a,13bに納められる。
【0103】
一方、ボディ10内において中央の収納室13cには接地極用の刃受ブロック30Cが収納される。この刃受ブロック30Cは、Oタイプの2つの刃受31Bが脚片35によって連結され、この脚片35に設けられた結合片36で端子板41’に固定される。すなわち、結合片36に貫設されている位置決め用孔36bに端子板41’の主片42に突設されている位置決め突起42bを嵌合して端子板41’と刃受31Cを位置決めするとともに、結合片36に突設されているかしめ用突起36aを主片42に貫設されているかしめ用孔42aに挿通してかしめることで端子板41’の主片42と刃受31Cの結合片36が結合されて刃受ブロック30Cが構成される。
【0104】
なお、図59(a)に示すように刃受31Bと端子板41を金属部材を加工して一体に形成すれば、かしめ等の結合作業が不要となる利点がある。ここで、刃受31Bの構造として、例えば、図59(a)に示すように一対の刃受ばね32をその後端縁、すなわち栓刃の差込方向において栓刃の先端に連結片34が対向するように連結する構造や、図59(b)に示すように一対の刃受ばね32をその側端縁、すなわち連結片34が栓刃の差込方向に沿うように連結する構造が考えられるが、前者の構造では後者の構造に比較して刃受ばね32のばね性において優れ、後者の構造では前者の構造に比較して金属部材から打ち抜き加工する際の所謂板取りにおいて優れており、必要な性能に鑑みて何れかの構造を適宜選択して組み合わせればよい。
【0105】
各収納室13a〜13cには端子板41,41’とともに解除釦80,200が収納されて端子部40が構成されるが、これら端子部40の構成は実施形態2と共通であるから説明を省略する。
【0106】
本実施形態における組立部材220は弾性を有する合成樹脂成型品からなり、図60に示すように嵌合部6,7と嵌合する一対の嵌合孔221が器体1の前後方向(図60における上下方向)に並設された短冊状に形成され、器体1と対向する背面側において嵌合孔221に挟まれた略中央部からは先端に係止爪224aを有する係止突片224が背方へ突設されるとともに、取付枠やプレートの係合孔と係合する取付爪225が嵌合孔221と一列に並ぶように外向きに突設されている。
【0107】
而して、ボディ10とカバー20を開口面側で突き合わせた状態で係止突片214を凹溝8に挿入するように組立部材220を器体1の短手方向両側面の方へ押しつければ、組立部材220の各嵌合孔221にボディ10及びカバー20の嵌合部6,7がそれぞれ嵌合してボディ10とカバー20とが結合されると同時に、係止突片224の先端に設けた係止爪224aがカバー20のガイド面27に沿うように係止突片224が後方(ボディ10側)に撓み、やがて係止爪224aがカバー20の被係止部26に係止することによって、組立部材220の嵌合部6,7からの脱落が防止できる。
【0108】
また、カバー20の内部にはOタイプの差込部24’を開閉自在に閉塞する2つの扉250と、ボディ10前面とカバー20の前壁との間に配設され、扉250をカバー20の内側に収納するようにしてスライド移動自在に支持する中枠260’とが納められる。すなわち、差込部24’に差し込まれた栓刃の先端に押されて扉250が中枠260’に支持された状態でスライド移動することで差込部24’を開き、中枠260’に貫設されている栓刃挿通孔261’を通して栓刃が刃受31Bに接続可能となる。また、栓刃を差込部24’から引き抜くとコイルばねからなる復帰ばね254によって扉250がスライド移動して元の位置、すなわち差込部24’を閉じる位置に復帰し、プラグの栓刃以外の異物が差込部24’に差し込まれるのを防ぐことができる。
【0109】
なお、図61に示すように組立部材220の取付爪225が設けられている側の端部の幅寸法を他の部位の幅寸法よりも狭くすれば、ボディ10及びカバー20に対する組立部材220の嵌合向きが分かり易くなり作業性が向上するという利点がある。
【0110】
(実施形態4)
実施形態3はOタイプの接地極付きの差込部24’を3個モジュールの器体1に2つ備えるものであったが、本実施形態は、図62〜図64に示すようにOタイプの接地極付きの差込部24’を2個モジュールの器体1に1つだけ備えたものである。
【0111】
図65に示すように、ボディ10の内部は仕切壁12により内部空間が3分されており、カバー20内に収納される中枠260”でボディ10の前面が覆われることによって器体1の内部空間が独立した3つの収納室13a,13b,13cに分割される。また、両端の収納室13a,13bはスリット12aを有した一対の仕切壁12bによりさらにボディ10の長手方向に沿って2室に分割されている。
【0112】
ボディ10内において両端の収納室13a,13bには電圧極用の刃受ブロック30A,30Bがそれぞれ収納される。刃受ブロック30A,30Bは、端子板41の片方の固定片45にOタイプの刃受31Bが固定されて構成され、各刃受31Bを長手方向両端の区画にそれぞれ収納し、端子板41を長手方向中央の区画に収納するようにしてボディ10両端の収納室13a,13bに納められる。
【0113】
一方、ボディ10内において中央の収納室13cには接地極用の刃受ブロック30Cが収納される。但し、この刃受ブロック30Cは実施形態2における刃受ブロック30Cと同一構成のものである。なお、図67(a)に示すように刃受31Bと端子板41を金属部材を加工して一体に形成すれば、かしめ等の結合作業が不要となる利点がある。ここで、刃受31Bの構造として、例えば、図67(a)に示すように一対の刃受ばね32をその後端縁、すなわち栓刃の差込方向において栓刃の先端に連結片34が対向するように連結する構造や、図67(b)に示すように一対の刃受ばね32をその側端縁、すなわち連結片34が栓刃の差込方向に沿うように連結する構造が考えられるが、前者の構造では後者の構造に比較して刃受ばね32のばね性において優れ、後者の構造では前者の構造に比較して金属部材から打ち抜き加工する際の所謂板取りにおいて優れており、必要な性能に鑑みて何れかの構造を適宜選択して組み合わせればよい。
【0114】
各収納室13a〜13cには端子板41,41’とともに解除釦80,200が収納されて端子部40が構成されるが、これら端子部40の構成は実施形態2と共通であるから説明を省略する。
【0115】
ここで、本実施形態における組立部材220は実施形態3と同一のものが使用できる。すなわち、組立部材220は取付枠やプレートの係合孔と係合する取付爪225が嵌合孔221と一列に並ぶように外向きに突設されて構成されるものであるから、器体1の短手方向両側面においてプレート枠110の保持溝114a,115aに応じた位置に嵌合部6,7及び凹溝8を設けることで3個モジュールの器体1と2個モジュールの器体1とで組立部材220を共用することができ、それぞれに専用の組立部材を使用する場合に比較して部品種の削減によるコストダウンが図れるものである。
【0116】
また、カバー20の内部にはOタイプの差込部24’を開閉自在に閉塞する扉250と、ボディ10前面とカバー20の前壁との間に配設され、扉250をカバー20の内側に収納するようにしてスライド移動自在に支持する中枠260”とが納められる。すなわち、差込部24’に差し込まれた栓刃の先端に押されて扉250が中枠260”に支持された状態でスライド移動することで差込部24’を開き、中枠260”に貫設されている栓刃挿通孔261”を通して栓刃が刃受31Bに接続可能となる。また、栓刃を差込部24’から引き抜くと復帰ばね254によって扉250がスライド移動して元の位置、すなわち差込部24’を閉じる位置に復帰し、プラグの栓刃以外の異物が差込部24’に差し込まれるのを防ぐことができる。
【0117】
(実施形態5)
本実施形態は、図68〜図70に示すようにユニバーサルタイプの差込部24を1個モジュールの器体1に備える点で実施形態1と共通するが、ボディ10とカバー20を結合して器体1を組み立てる組立構造、並びに電線を接続する端子部40の構造が異なっており、これ以外の実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0118】
まず、解除釦140について説明する。本実施形態における解除釦140は合成樹脂成型品からなり、図68及び図75に示すように棒状の操作部141の両端部からそれぞれ同一の方向に一対の連結部144,144が突出し、各連結部144,144の先端部分が架橋部146により連結されて全体が略ロ字型に形成されている。また、架橋部146の両端部からは連結部144,144と反対方向に一対の押動部143,143が突設され、架橋部146の中央部からは押動部143と略平行に腕部142が突設されるとともに腕部142の突出方向に略直交し且つ連結部144と反対の方向へ支持部145が突設されている。さらに腕部142の先端には、後述するようにボディ10に設けられた軸受け台14に摺動自在に載置される円柱状の軸部142aが、その軸方向が架橋部146の長手方向と平行となるように設けられている。そして、後述するようにカバー20に設けられた固定リブ28に支持部145が当接することで軸受け台14に載置された状態で回動自在に軸部142aが支持される。ここで、支持部145における軸部142aと反対側の側面145aは円柱面に形成されており、固定リブ28の先端には支持部145の側面145aに摺接する曲面(円柱面)28aが形成されている。
【0119】
一方、ボディ10の長手方向の両側面には各収納室13と通じる縦溝15が各一対ずつ並設されており、解除釦140は縦溝15を通して連結部144並びに操作部141がボディ10の外に露出され、一対の押動部143,143が端子板41の鎖錠片44における受け部44cと対向し(図76参照)、収納室13内に設けられた軸受け台14に軸部142aを載置するとともに支持部145をカバー20の固定リブ28の先端に当接することにより、軸部142aを支点に器体1の前後方向(図68における上下方向)に沿って回動自在に各収納室13,13に配設される(図70参照)。ここで本実施形態においては、図78に示すように腕部142の後面側に軸受け台14を逃がすための逃がし部142bが凹設されている。
【0120】
而して、端子部40に接続された電線を引き抜くには、縦溝15,15を通して器体1の側面に露出している操作部141を指で押し上げるように操作すればよい。すなわち、図79(b)に示すように操作部141を前方(図79における上方)へ押し上げるように操作すれば、軸部142aを支点にして解除釦140が回動し、押動部143,143でそれぞれ対向する端子板41の受け部44cを押圧することにより、電線に食い込んでいる鎖錠部44aを電線から離すように鎖錠片44を撓ませて電線の引き抜きが可能となる。また、本実施形態の解除釦140はてこの原理を使って押動部143により鎖錠部44aを押し動かしているため、実施形態1のように器体1に対して解除釦60を平行移動させることで鎖錠部44aを押し動かす構造に比べて操作部141にかかる荷重が低減できるという利点がある。
【0121】
次に、ボディ10とカバー20を結合して器体1を組み立てる構造について説明する。
【0122】
ボディ10の長手方向に対向する両側面には、図71に示すように一対の縦溝15に挟まれた中央部に角柱状の嵌合部6が突設されている。一方、カバー20の長手方向の両側面には、図72に示すように一対の嵌合部7がそれぞれ突設されている。ここで、カバー20に突設されている嵌合部7は、図72に示すようにボディ10とカバー20を結合する器体1の前後方向(図72(d)における上下方向)に沿った幅寸法が前後方向に直交し且つ器体1の側面に平行な方向(図72(d)における左右方向)に沿った幅寸法よりも小さく設定され、さらに四隅のうちの一つに切り欠き7aが形成されている。
【0123】
組立部材150は弾性を有する合成樹脂成型品からなり、図73に示すようにカバー20の嵌合部7,7と各々嵌合する一対の嵌合孔151,151が長手方向に並設された短冊状の主片152と、ボディ10の嵌合部6と嵌合する嵌合孔153aが設けられて主片152の後端縁中央より後方へ突設された逆凸字状の凸片153とを有し、器体1と対向する主片152の背面側において嵌合孔151,151の隅と重なる両角部からは先端に係止爪154aを有する係止突片154が背方へ突設されている。また、主片152の表面における前方両端部には、プレート枠110に取り付けるための一対の取付部155が突設されている。
【0124】
一方、カバー20の長手方向の両側面には、嵌合部7の切り欠き7aに連通する凹溝27と、凹溝27の奥側に設けられて組立部材150の係止突片154に設けた係止爪154aが係止する被係止部26とが長手方向両端部近傍の背面側に形成されている(図72(c)参照)。
【0125】
而して、ボディ10とカバー20とを結合して器体1を組み立てるには、ボディ10とカバー20を開口面側で突き合わせた状態で係止突片154を凹溝27に挿入するように組立部材150を器体1の長手方向に対向する両側面の方へ押しつければ、組立部材150の嵌合孔153a,151にボディ10及びカバー20の各嵌合部6,7がそれぞれ嵌合してボディ10とカバー20とが結合されると同時に、係止突片154の先端に設けた係止爪154aがカバー20の被係止部26に係止することによって、組立部材150の嵌合部6,7からの脱落が防止できる。
【0126】
ここで本実施形態においては、カバー20の嵌合部7を器体1の前後方向に沿った幅寸法が前後方向に直交し且つ器体1の側面に平行な方向(以下、器体1の「上下方向」と呼ぶ)に沿った幅寸法よりも小さく設定されているため、実施形態1に比較して嵌合部7,7の強度を低下させずに器体1の前後方向に沿った組立部材150の寸法を小さくすることができる。なお、図80に示すようにカバー20の嵌合部7,7を一つの嵌合孔151に嵌合する構造とすることも可能ではあるが、本実施形態のように各嵌合部7,7と個別に嵌合する嵌合孔151,151を設けるとともに、図70に示すように器体1の同一側面に設けられる嵌合部6,7を三角形の頂点の位置に配設するようにすれば、組立部材150の強度の向上と器体1に対する位置決め精度の向上とが図れるという利点がある。
【0127】
ところで上述のような構造の解除釦140を採用したことから、本実施形態においては組立部材150の主片152に対して凸片153の厚みを小さくすることで表面に段部が設けてあり、この段部によって操作部141を操作した場合に凸片153が操作部141に干渉することが無く、操作部151をスムーズに操作することができる。また、係止突片154が主片152の両端部に設けられ、器体1の前後方向に撓むように係止爪154aが突設されているから、係止片154が解除釦140に干渉することがなく、しかも、係止突片154を器体1の上下方向に撓ませる場合に比較して組立部材150の上下方向における小型化が可能である。
【0128】
(実施形態6)
本実施形態は、解除釦140の操作部141を操作していないときにボディ10の側面に設けられた縦溝15を通して器体1の内部が外から見えてしまうのを防ぐために、操作部141の非操作時に縦溝15,15を覆い隠すとともに操作部141が操作されたときには操作部141とともに回動する目隠し部156が組立部材150に設けられている点に特徴がある。なお、これ以外の構成は実施形態5と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して適宜図示並びに説明を省略する。
【0129】
本実施形態の組立部材150は、図81に示すようにボディ10の嵌合部6と嵌合する嵌合孔153aが設けられた突片153と、薄肉のヒンジ部156aを介して突片153の後端縁に連結された矩形平板状の目隠し部156とが主片152とともに一体に形成された合成樹脂成型品からなり、ヒンジ部156aにより突片153に対して目隠し部156が回動自在となっている。また、目隠し部156の後端縁には、後方から前方(図81においては下から上)に向かって内向きに傾斜する傾斜面156bが形成されている。
【0130】
而して、組立部材150を用いてボディ10とカバー20を結合し器体1を組み立てれば、図82(a)に示すように目隠し部156によって器体1の側面に露出する一対の縦溝15,15が覆い隠されて器体1の内部が外から見えることが無く、塵埃などの異物が縦溝15,15を通して器体1内に侵入するのを防ぐことができる。そして、縦溝15,15を通して器体1の側面に露出している操作部141を指で押し上げるように操作すると、図82(b)に示すように組立部材150の目隠し部156がヒンジ部156aを支点として操作部141とともに回動するため、操作部141の操作に支障を来すことがない。
【0131】
【発明の効果】
請求項1の発明は、ボディとカバーを結合してなる器体と、ボディ及びカバーの側面にそれぞれ突設された1乃至複数の嵌合部と、合成樹脂成型品からなりボディ並びにカバーの嵌合部と個別に凹凸嵌合する一対の嵌合孔を有する1乃至複数の組立部材とを備え、組立部材の嵌合孔にボディ及びカバーの嵌合部をそれぞれ嵌合させることでボディとカバーを結合してなることを特徴とし、ボディの嵌合部とカバーの嵌合部をそれぞれ組立部材の一対の嵌合孔に個別に凹凸嵌合させるため、ボディ及びカバーの嵌合部を同じ嵌合孔に凹凸嵌合させる場合に比較してそれぞれの嵌合部の寸法誤差による組立部材のがたつきを抑えてボディとカバーを強固に結合することができる。
【0132】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、器体内部に挿入される係止突片が組立部材の嵌合孔に挟まれた部位に設けられ、係止突片の先端に形成された係止爪が係止する被係止部が器体内部に設けられたことを特徴とし、係止爪を被係止部に係止することで組立部材がボディ及びカバーの嵌合部から脱落することを防ぐことができ、しかも、係止突片を嵌合孔に挟まれた部位に設けることで組立部材の小型化が可能である。
【0133】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、被係止部がカバーに設けられ、カバー側面の係止突片が挿入される部位に係止爪をカバー内に案内するガイド部が設けられたことを特徴とし、係止突片がカバー内に挿入し易くなり組立部材によるボディとカバーの組み立て作業が容易になる。
【0134】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、被係止部がボディに設けられ、ボディ側面の係止突片が挿入される部位に係止爪をボディ内に案内するガイド部が設けられたことを特徴とし、係止突片がボディ内に挿入し易くなり組立部材によるボディとカバーの組み立て作業が容易になる。
【0135】
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れかの発明において、施工面に設けられる埋込孔の周りに設置される取付枠又は取付枠一体型のプレートに器体を取り付ける取付部が器体に設けられ、後部を埋込孔に埋め込む形で器体が施工面に配設されることを特徴とし、取付枠又はプレートを用いて壁面などの施工面に器体を埋込配設することができる。
【0136】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記取付部が、一対の嵌合孔と一列に並ぶように組立部材に設けられたことを特徴とし、器体の寸法が異なると取付部の位置も異なるが、寸法が異なる器体に対して組立部材を共通に使用することができてコストダウンが図れる。
【0137】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、組立部材の取付部が設けられた部位の幅寸法が他の部位の幅寸法と異なることを特徴とし、ボディ及びカバーに対する組立部材の嵌合方向が分かり易くなり作業性が向上する。
【0138】
請求項8の発明は、請求項1の発明において、前記嵌合部は、ボディとカバーを結合する器体の前後方向に沿った幅寸法が該前後方向に直交し且つ器体の側面に平行な方向に沿った幅寸法よりも小さく設定されたことを特徴とし、嵌合部の強度を低下させずに器体の前後方向に沿った組立部材の寸法を小さくすることができる。
【0139】
請求項9の発明は、請求項8の発明において、器体の同一側面に設けられる前記複数の嵌合部が、三角形の頂点の位置に配設されたことを特徴とし、組立部材の強度が向上できる。
【0140】
請求項10の発明は、請求項8又は9の発明において、器体に貫設した電線挿入孔を通して器体に導入される電線に接触する端子板と、ばね力を利用して端子板との間で電線を狭持するとともに鎖錠部が電線に食い込んで抜け止めする接続手段と、電線接続手段による抜け止め状態を解除する解除手段とを備え、解除手段は、器体の側面に露出して手動操作される操作部と、器体内に枢支されて操作部を回動自在とする軸部と、軸部を支点に操作部が手動操作によって回動したときにばね力に抗して接続手段の電線に食い込んだ鎖錠部を電線から引き離す向きに押し動かす押動部とを具備してなり、組立部材に解除手段の操作部との干渉を逃がす段部が設けられたことを特徴とし、器体を持った一方の手で操作部を操作すれば、電線に食い込んでいる鎖錠部が押動部によって押し動かされて抜け止め状態が解除され、他方の手で電線挿入孔から電線を引き抜くことができ、従来に比較して電線の取り外し作業が容易に行えるとともに、段部を設けたことで組立部材と操作部が干渉することがない。
【0141】
請求項11の発明は、請求項10の発明において、器体内部に挿入される1乃至複数の係止突片が組立部材の端部に設けられ、係止突片の先端に形成された係止爪が係止する被係止部が器体内部に設けられたことを特徴とし、係止爪を被係止部に係止することで組立部材がボディ及びカバーの嵌合部から脱落することを防ぐことができ、しかも、係止突片を組立部材の端部に設けることで解除手段との干渉を避けることが可能である。
【0142】
請求項12の発明は、請求項10の発明において、解除手段の操作部を回動自在に露出させるための溝部が器体の側面に設けられ、操作部の非操作時に溝部を覆い隠すとともに操作部の操作時には操作部とともに回動する目隠し部が組立部材に設けられたことを特徴とし、操作部の非操作時には器体の溝部が目隠し部で覆い隠されるために溝部を通して器体の内部が外から見えることが無く、塵埃などの異物が溝部を通して器体内に侵入するのを防ぐことができ、操作部の操作時には目隠し部が操作部とともに回動するために操作部の操作に支障を来すことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の分解斜視図である。
【図2】同上を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は下面図、(d)は背面図である。
【図3】同上の斜視図である。
【図4】同上におけるボディを示し、(a)は正面図、(b)は下面図、(c)は背面図、(d)は右側面図である。
【図5】同上におけるカバーを示し、(a)は正面図、(b)は下面図、(c)は右側面図、(d)は背面図である。
【図6】同上における組立部材を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は上面図である。
【図7】同上における刃受を示し、(a)は正面図、(b)は下面図、(c)は右側面図である。
【図8】同上における端子板を示し、(a)は正面図、(b)は下面図、(c)は右側面図である。
【図9】同上における解除釦を示し、(a)は正面図、(b)は下面図、(c)は右側面図である。
【図10】同上における復帰ばねを示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は上面図である。
【図11】同上における中枠を示し、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は右側面図である。
【図12】同上における扉を示し、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は右側面図である。
【図13】同上の端子板に電線が接続された状態を示す要部断面図である。
【図14】同上における端子板の説明図である。
【図15】同上における他の構成の端子板を示す斜視図である。
【図16】同上におけるさらに他の構成の端子板を示し、(a)は斜視図、(b)は電線を接続した状態の側面図である。
【図17】同上における別の構成の端子板を示す側面図である。
【図18】同上の端子板に電線が接続された状態を示す要部断面図である。
【図19】同上におけるさらに別の構成の端子板を示し、(a)は分解斜視図、(b)は斜視図である。
【図20】同上における端子板と復帰ばねの固定方法を説明する図である。
【図21】同上における解除釦の要部側面図である。
【図22】同上における端子板と復帰ばねの他の固定方法を説明する図である。
【図23】同上の背面図である。
【図24】同上におけるボディとカバーの結合方法を説明する図である。
【図25】同上におけるボディとカバーの他の結合方法を説明する図である。
【図26】同上が取り付けられるプレートの正面から見た分解斜視図である。
【図27】同上が取り付けられるプレートの背面から見た分解斜視図である。
【図28】同上の器体をプレート枠に取り付ける手順を説明する説明図である。
【図29】実施形態2の分解斜視図である。
【図30】同上を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は下面図、(d)は背面図である。
【図31】同上の斜視図である。
【図32】同上におけるボディを示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図、(d)は下断面図、(e)は下面図である。
【図33】同上におけるカバーを示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は背面図、(d)は上面図、(e)は上断面図である。
【図34】同上のカバーを外した状態の正面図である。
【図35】同上におけるユニバーサルタイプの刃受を示し、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は左側面図、(d)は下面図、(e)は右側面図、(f)は背面図である。
【図36】同上におけるOタイプの電圧極用の刃受を示し、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は左側面図、(d)は下面図、(e)は右側面図である。
【図37】同上における電圧極用の端子板を示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は上面図である。
【図38】同上におけるOタイプの接地極用の刃受を示し、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は右側面図である。
【図39】同上における接地極用の端子板を示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は上面図、(d)は右側面図である。
【図40】同上における接地極用の端子板を説明する説明図である。
【図41】同上における電圧極用の刃受ブロックを一体型とした斜視図である。
【図42】(a)〜(c)は同上の一体型の刃受ブロックにおける刃受の構造を示す斜視図である。
【図43】同上における他の構成の端子板を示す斜視図である。
【図44】同上における他の構成のボディを示す一部省略した背面図である。
【図45】同上における電圧極用の解除釦を示し、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は右側面図である。
【図46】同上における復帰ばねを示し、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は右側面図である。
【図47】同上における端子板と復帰ばねの固定方法を説明する図である。
【図48】同上における端子板と他の構成の復帰ばねの固定方法を説明する図である。
【図49】同上における解除釦の組み込み作業を説明する説明図である。
【図50】同上における接地極用の解除釦を示し、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は右側面図である。
【図51】同上における接地極用の端子部を示し、(a)は非接続位置の要部断面図、(b)は接続位置の要部断面図である。
【図52】同上の器体をプレート枠に取り付けた状態の要部断面図である。
【図53】同上における固定ピンの説明図である。
【図54】実施形態3の分解斜視図である。
【図55】同上を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は下面図、(d)は背面図である。
【図56】同上の斜視図である。
【図57】同上におけるボディを示し、(a)は正面図、(b)は下面図、(c)は右側面図、(d)は背面図である。
【図58】同上におけるカバーを示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は背面図、(d)は下面図である。
【図59】(a)は同上における電圧極用の刃受ブロックを一体型とした斜視図、(b)は一体型の刃受ブロックにおける刃受の構造を示す斜視図である。
【図60】同上における組立部材を示す斜視図である。
【図61】同上における他の構成の組立部材を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は上面図である。
【図62】実施形態4の分解斜視図である。
【図63】同上を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は下面図、(d)は背面図である。
【図64】同上の斜視図である。
【図65】同上におけるボディを示し、(a)は正面図、(b)は下面図、(c)は右側面図、(d)は背面図である。
【図66】同上におけるカバーを示し、(a)は正面図、(b)は下面図、(c)は右側面図、(d)は背面図である。
【図67】(a)は同上における電圧極用の刃受ブロックを一体型とした斜視図、(b)は一体型の刃受ブロックにおける刃受の構造を示す斜視図である。
【図68】実施形態5のコンセントを示す分解斜視図である。
【図69】同上を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は下面図、(d)は背面図である。
【図70】同上の斜視図である。
【図71】同上におけるボディを示し、(a)は正面図、(b)は下面図、(c)は(a)のA−A線断面矢視図、(d)は背面図、(e)は右側面図である。
【図72】同上におけるカバーを示し、(a)は正面図、(b)は下面図、(c)は右側面図、(d)は背面図である。
【図73】同上における組立部材を示し、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は下面図、(d)右側面図である。
【図74】同上における端子板を示し、(a)は正面図、(b)は下面図、(c)は右側面図である。
【図75】同上における解除釦を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A線断面矢視図、(c)は下面図、(d)は右側面図である。
【図76】同上の端子板と解除釦との配置関係を示す斜視図である。
【図77】同上における解除釦の斜視図である。
【図78】同上における解除釦を後方から見た斜視図である。
【図79】(a)(b)は同上の解除釦の動作説明図である。
【図80】同上における組立部材の他の構造を示す斜視図である。
【図81】実施形態6における組立部材の斜視図である。
【図82】(a)(b)は同上の動作説明図である。
【図83】従来例を示す分解斜視図である。
【図84】同上における端子部の接続構成を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 器体
6 嵌合部
7 嵌合部
10 ボディ
20 カバー
50 組立部材
51 嵌合孔

Claims (12)

  1. ボディとカバーを結合してなる器体と、ボディ及びカバーの側面にそれぞれ突設された1乃至複数の嵌合部と、合成樹脂成型品からなりボディ並びにカバーの嵌合部と個別に凹凸嵌合する一対の嵌合孔を有する1乃至複数の組立部材とを備え、組立部材の嵌合孔にボディ及びカバーの嵌合部をそれぞれ嵌合させることでボディとカバーを結合してなることを特徴とする配線器具。
  2. 器体内部に挿入される係止突片が組立部材の嵌合孔に挟まれた部位に設けられ、係止突片の先端に形成された係止爪が係止する被係止部が器体内部に設けられたことを特徴とする請求項1記載の配線器具。
  3. 被係止部がカバーに設けられ、カバー側面の係止突片が挿入される部位に係止爪をカバー内に案内するガイド部が設けられたことを特徴とする請求項2記載の配線器具。
  4. 被係止部がボディに設けられ、ボディ側面の係止突片が挿入される部位に係止爪をボディ内に案内するガイド部が設けられたことを特徴とする請求項2記載の配線器具。
  5. 施工面に設けられる埋込孔の周りに設置される取付枠又は取付枠一体型のプレートに器体を取り付ける取付部が器体に設けられ、後部を埋込孔に埋め込む形で器体が施工面に配設されることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の配線器具。
  6. 前記取付部が、一対の嵌合孔と一列に並ぶように組立部材に設けられたことを特徴とする請求項5記載の配線器具。
  7. 組立部材の取付部が設けられた部位の幅寸法が他の部位の幅寸法と異なることを特徴とする請求項6記載の配線器具。
  8. 前記嵌合部は、ボディとカバーを結合する器体の前後方向に沿った幅寸法が該前後方向に直交し且つ器体の側面に平行な方向に沿った幅寸法よりも小さく設定されたことを特徴とする請求項1記載の配線器具。
  9. 器体の同一側面に設けられる前記複数の嵌合部が、三角形の頂点の位置に配設されたことを特徴とする請求項8記載の配線器具。
  10. 器体に貫設した電線挿入孔を通して器体に導入される電線に接触する端子板と、ばね力を利用して端子板との間で電線を狭持するとともに鎖錠部が電線に食い込んで抜け止めする接続手段と、電線接続手段による抜け止め状態を解除する解除手段とを備え、解除手段は、器体の側面に露出して手動操作される操作部と、器体内に枢支されて操作部を回動自在とする軸部と、軸部を支点に操作部が手動操作によって回動したときにばね力に抗して接続手段の電線に食い込んだ鎖錠部を電線から引き離す向きに押し動かす押動部とを具備してなり、組立部材に解除手段の操作部との干渉を逃がす段部が設けられたことを特徴とする請求項8又は9記載の配線器具。
  11. 器体内部に挿入される1乃至複数の係止突片が組立部材の端部に設けられ、係止突片の先端に形成された係止爪が係止する被係止部が器体内部に設けられたことを特徴とする請求項10記載の配線器具。
  12. 解除手段の操作部を回動自在に露出させるための溝部が器体の側面に設けられ、操作部の非操作時に溝部を覆い隠すとともに操作部の操作時には操作部とともに回動する目隠し部が組立部材に設けられたことを特徴とする請求項10記載の配線器具。
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