JP4200002B2 - 充填剤入りエラストマー組成物用炭化水素コアポリスルフィドシランカップリング剤 - Google Patents

充填剤入りエラストマー組成物用炭化水素コアポリスルフィドシランカップリング剤 Download PDF

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Description

【0001】
(1.発明の技術分野)
本発明は、新規ポリスルフィド−シランカップリング剤を含む組成物(以下、炭化水素コアポルスルフィドシランという)、当該新規ポリスルフィドシランを配合したゴム組成物及びその製造方法に関する。本発明の炭化水素コアポリスルフィドシランは、エラストマー組成物、特にゴム中で鉱物質充填剤をカップリングするのに用いることができ、その際エラストマー組成物の具体的な性質に対してポリスルフィドシランの具体的な性質を適応させることができる。
【0002】
(2.関連技術の説明)
鉱物質充填エラストマー用の硫黄含有カップリング剤は、2個のアルコキシシリル基がそれぞれ硫黄原子の連鎖末端に結合したシランを含有しているのが典型的である。これらの分子中における2個のケイ素原子と硫黄との化学結合は間接的であり、2個の類似した、殆どの場合同一の炭化水素の断片が介在している。この一般的なシランの構造は殆ど常に、2個の介在炭化水素単位として3個のメチレン基の鎖に拠り、2個のトリエトキシシリル基の使用に拠っている。最も注目すべき例外にあっては、メチレン鎖はより短く、連鎖ごとに1個又は2個のメチレン基を含むのみである。
【0003】
先行技術では、これらのカップリング剤の組成、調製法及び用途が多くの出願において開示されているが、主に鉱物質充填エラストマー用カップリング剤としてである。これらのカップリング剤は、ゴム用途に用いられる場合、シリカ又は他の鉱物質充填剤のポリマーへの化学結合により機能を発揮する。カップリングは、シラン、硫黄及びポリマー間の化学結合の形成及びシランアルコキシ基の加水分解とそれに続くシリカ水酸基との縮合により達成される。
【0004】
Schollらに対するカナダ特許出願第2,231,302号(Schollら’302)には、少なくとも1種のゴム、充填剤、任意のゴム補助剤及び少なくとも1種の次式、
Figure 0004200002
を有するポリスルフィドポリエーテルシランを含む、良好な湿スキッド抵抗及び高い磨耗抵抗を有する低回転抵抗タイア類の製造原料となるゴム硬化物調製用のゴム混合物が開示されている。この開示されたゴム混合物は、0.1〜10重量%のポリスルフィドポリエーテルシランを含む。ポリスルフィドポリエーテルシランのオリゴマーの混合物を用いる場合には、その平均分子量は約800〜10,000である。
【0005】
Schollら’302の場合、分子中のポリエーテル部分が、放置すると、過酸化物を生成し、これが得られるゴム組成物の劣化を起こす可能性がある。さらに、シランのポリエーテル部分が他のゴム成分と競争反応を起こす。
【0006】
したがって、充填剤入りエラストマー組成物、ゴム組成物の性能を高めるため、及びタイヤ組成物に使用するために、エーテル結合の必要がない、2個を超えるシリル基を有する新規なポリスルフィドシラン組成物を提供することは有利であろう。
【0007】
先行技術の問題点と欠点を念頭におくと、本発明の目的は、2個を超えるシリル基を有する新規なポリスルフィドシラン組成物及びその製造方法を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、エラストマー組成物、ゴム組成物及びタイヤ組成物中での充填剤の分散性を向上するための非共線状ポリスルフィドシラン組成物を提供すること及びその製造方法を提供することである。
【0009】
本発明の更なる目的は、向上した充填剤分散性を有するポリスルフィドシランを含む充填剤入りエラストマー組成物、ゴム組成物及びタイヤ組成物を提供することである。
【0010】
本発明の更なる他の目的は、性能の向上した低回転抵抗タイヤを提供することである。
【0011】
本発明の他の目的及び利点は、本明細書から自明とも明確ともなろう。
【0012】
(発明の概要)
上述した及び他の目的及び利点(当業者には明白であろう)は、第1の側面では、次式、
(X1X2X3Si-J-Sx-)p-G
(式中、pは3〜12であり、xは2〜20であり、X1は-Cl、-Br、-OH、-O-N=C(R)2、-OR及びRC(=O)O-からなる群より選択される加水分解性官能基であり、ここでRは1〜20個の炭素原子を有する炭化水素から1個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片であり、X2及びX3 X1、R又はHであり、JはRから1個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片であり、そしてGは1〜30個の炭素原子を有する炭化水素からp個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片である)
を有するポリスルフィドシラン組成物を対象とする本発明によって、達成される。
【0013】
好ましくは、X1、X2及びX3は、同一の加水分解性官能基であり、エトキシが最も好ましい。或いは、X1、X2及びX3はそれぞれ異なる加水分解性の官能基であってもよい。好ましくは、pは3〜6であり、xは2〜8であり、Rは直鎖アルキル、アルケニル、アリール及びアラルキル基からなる群より選択される炭化水素官能基であり、Jはメチレン、エチレン、プロピレン、イソブチレン及びノルボルナンの2,4又は2,5位置、2−ノルボルニルエタンのアルファ位置、2−ノルボルニルエタンのベータ位置、2−ノルボルニルエタンの4位置又は2−ノルボルニルエタンの5位置から水素原子を除くことにより得られるジラジカルである。
【0014】
pが3の場合、Gは好ましくはグリセリル基である。或いは、Gは2−ノルボルニルエタンから3個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片でもよい。Gは、トリメチロールアルカンから3個の水酸基を除くことにより得られる炭化水素断片でもよい。pが4の場合、Gは好ましくはペンタエリスリチル基である。或いは、Gは2−ノルボルニルエタンから4個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片でもよい。pが4より大きい場合は、Gは、シクロドデカン、トリエチルシクロヘキサン、2,6−ジメチルオクタン、及びスクアランからなる群より選択される炭化水素から4個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片であってもよい。Gは、3級アミン官能基又はシアノ官能基を含んでいてもよい。
【0015】
第2の側面では、本発明は、テトラキス−1,3,4,5−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)ネオペンタンの1種以上の異性体を含むポリスルフィドシラン組成物を対象とする。
【0016】
第3の側面では、本発明は、トリス−1,2,3−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)プロパンの1種以上の異性体を含むポリスルフィドシラン組成物を対象とする。
【0017】
第4の側面では、本発明は、次式、
(X1X2X3Si-J-Sx-)p-G
(式中、pは3〜12であり、xは2〜20であり、X1は-Cl、-Br、-OH、-O-N=C(R)2、-OR又はRC(=O)O-からなる群より選択される加水分解性官能基であり、ここでRは1〜20個の炭素原子を有する炭化水素から1個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片であり、X2及びX3 X1、R又はHであり、JはRから1個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片であり、そしてGは1〜30個の炭素原子を有する炭化水素からp個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片である)
を有する炭化水素コアポリスルフィドシランの製造方法であって、メルカプタンを用意する工程、上記メルカプタンを脱プロトンする工程、元素硫黄源を用意する工程、上記脱プロトンしたメルカプタンを上記元素硫黄と反応させることにより反応性硫黄アニオンを生成する工程、及び上記反応性硫黄アニオンを炭素含有基質とカップリングする工程、を含む上記製造方法を対象とする。
【0018】
好ましくは、メルカプタンを用意する工程は、式、X1X2X3Si-J-SHを有するメルカプタン、最も好ましくは、3−メルカプト−1−プロピルトリエトキシシラン及び3−メルカプト−1−プロピルメチルジエトキシシランからなる群より選択されるメルカプタンを用意することを含む。
【0019】
或いは、メルカプタンを用意する工程は、式、(HSx-)pG の式を有するメルカプタン、最も好ましくは、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−ジメルカプトプロパン及び1,2,3−トリメルカプトプロパンからなる群より選択されるメルカプタンを用意する工程を含む。
【0020】
メルカプタンを脱プロトンする工程は、メルカプタンをブレンステッド塩基でメルカプタン1モルにつきp当量の塩基を用いて、又はアミン型の塩基で脱プロトンする工程を含むことができる。
【0021】
反応性硫黄アニオンを生成する工程は、炭素含有基質の導入前に十分に完了していることが最も好ましい。
【0022】
第5の側面では、本発明は、
下記の式、
(X1X2X3Si-J-Sx-)p-G
(式中、pは3〜12であり、xは2〜20であり、X1は-Cl、-Br、-OH、-O-N=C(R)2、-OR又はRC(=O)O-からなる群より選択される加水分解性官能基であり、ここでRは1〜20個の炭素原子を有する炭化水素から1個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片であり、X2及びX3 X1、R又は水素であり、JはRから1個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片であり、そしてGは1〜30個の炭素原子を有する炭化水素からp個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片である)
を有する少なくとも1種の炭化水素コアポリスルフィドシラン、不飽和有機ポリマー及び充填剤を含むエラストマー組成物を対象とする。
【0023】
好ましくは、少なくとも1種の炭化水素コアポリスルフィドシランは、テトラキス−1,3,4,5−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)ネオペンタン又はトリス−1,2,3−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)プロパンの1種以上の異性体である。最も好ましくは、少なくとも1種の炭化水素コアポリスルフィドシランは約0.05〜約25phrの量で存在する。
【0024】
エラストマー組成物は好ましくは、全充填剤重量に基づいて約1〜約85重量%カーボンブラックの量で存在する充填剤及び、全充填剤重量に基づいて約0.1〜約20重量%の量で存在する、少なくとも1種の炭化水素コアポリスルフィドシランを含む。
【0025】
第6の側面では、本発明は、
下記の式、
(X1X2X3Si-J-Sx-)p-G
(式中、pは3〜12であり、xは2〜20であり、X1は-Cl、-Br、-OH、-O-N=C(R)2、-OR及びRC(=O)O-からなる群より選択される加水分解性官能基であり、ここでRは1〜20個の炭素原子を有する炭化水素から1個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片であり、X2及びX3はX1、R又はHであり、JはRから1個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片であり、そしてGは1〜30個の炭素原子を有する炭化水素からp個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片である)
を有する炭化水素コアポリスルフィドシランの少なくとも1種の異性体を用意する工程、
有機ポリマーを用意する工程、
充填剤を用意する工程、
熱機械的に上記有機ポリマー、充填剤及び炭化水素コアポリスルフィドシランを混合しゴム混合物を生成する工程、
上記ゴム混合物を硬化して、充填剤の分散が向上したゴム組成物を生成する工程、
を含む、ゴム組成物の製造方法を対象とする。
【0026】
充填剤供給の段階で、充填剤がすでに少なくとも1種の炭化水素コアポリスルフィドシラン異性体の全部又は一部により前処理されていることが好ましい。
【0027】
この製造方法は、別の熱機械的混合段階においてゴム混合物に硬化剤を添加する工程をさらに含んでもよい。
【0028】
好ましくは、炭化水素コアポリスルフィドシランは、テトラキス−1,3,4,5−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)ネオペンタンの1種以上の異性体又はトリス−1,2,3−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)プロパンの1種以上の異性体である。
【0029】
第7の側面では、本発明は、
鉱物質微粒、及び
下記の式、
(X1X2X3Si-J-Sx-)p-G
(式中、pは3〜12であり、xは2〜20であり、X1は-Cl、-Br、-OH、-O-N=C(R)2、-OR又はRC(=O)O-からなる群より選択される加水分解性官能基であり、ここでRは1〜20個の炭素原子を有する炭化水素から1個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片であり、X2及びX3はX1、R又はHであり、JはRから1個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片であり、そして、Gは1〜30個の炭素原子を有する炭化水素からp個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片である)
を有する少なくとも1種の炭化水素コアポリスルフィドシラン、
を含む、エラストマー組成物中分散用の充填剤を対象とする。
【0030】
好ましくは鉱物質微粒はケイ酸質の微粒である。この側面における微粒はさらにカーボンブラックを含んでもよい。少なくとも1種の炭化水素コアポリスルフィドシランは、好ましくは、テトラキス−1,3,4,5−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)ネオペンタンの1種以上の異性体又はトリス−1,2,3−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)プロパンの1種以上の異性体である。
【0031】
(好ましい態様の説明)
本発明は、鉱物質充填剤入りエラストマー用カップリング剤として、先行技術によるポリスルフィドシランを超える利点を示す、新規な炭化水素コアポリスルフィドシランを開示する。このポリスルフィドシランは、特定の分子構造の結果としてその性能を強化するための注文どおりの特性を有する点で先行技術に比べ有利である。本発明はさらに新規な炭化水素コアポリスルフィドシランの調製方法、新規なエラストマー組成物及び新規な炭化水素コアポリスルフィドシランで処理された充填剤に関する。
【0032】
本明細書で用いる「アルキル」は直鎖、分枝及び環式のアルキル基を含み、「アルケニル」は1個以上の炭素−炭素二重結合を含む直鎖、分枝及び環式のアルケニル基を含み、「アルキニル」は1個以上の炭素−炭素三重結合と任意に1個以上の炭素−炭素二重結合をも含む直鎖、分枝及び環式のアルキニル基を含み、「アリール」は芳香族炭化水素を含み、「アラルキル」は脂肪族基で置換された芳香族炭化水素を含む。具体的なアルキルにはメチル、エチル、プロピル、イソブチル、が含まれ、具体的なアリールにはフェニルが含まれ、具体的なアラルキルにはトルイル及びフェネチルが含まれる。本明細書では、「環式アルキル」、「環式アルケニル」及び「環式アルキニル」は二環式、三環式、多環式構造のみならずアルキル、アルケニル及び/又はアルキニル基で更に置換された前述の環式構造をも含む。前述の環式構造の典型的な例には、ノルボルニル、ノルボルネニル、エチルノルボルニル、エチルノルボルネニル、エチルシクロヘキシル、エチルシクロヘキセニル、シクロヘキシルシクロヘキシル及びシクロドデカトリエニルが含まれる。
【0033】
本発明の炭化水素コアポリスルフィドシランは次の一般式で表される。
(X1X2X3Si-J-Sx-)p-G (式I)
式中、pは3〜12であり、xは2〜20であり、X1は-Cl、-Br、-OH、-O-N=C(R)2、-OR又はRC(=O)O-からなる加水分解性官能基群より選択され、ここでRは分枝又は直鎖のアルキル、アルケニル、アリール又はアラルキル基を含む1〜20個の炭素原子を有する炭化水素から1個の水素原子を除くことにより得られる任意の炭化水素断片であり、X2及びX3は水素、Rについて上記したもの、又は X1として上記したものであり、Jは好ましくはRについて上記した基のいずれかから1個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片であり、そしてGは1〜30個の炭素原子を有する任意の炭化水素からpで与えられる量の水素原子を除くことにより得られる断片である。
【0034】
Gは分枝、直鎖、環式、及び/又は多環式脂肪族炭化水素断片を含むが、これらに限定されるものではない。或いはGは、窒素原子を介してそれぞれ3個の別々の炭素原子に結合した3級アミン官能基を及び/又はシアノ(CN)基を、芳香族炭化水素を、並びに前述の芳香族類を、分枝又は直鎖アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール及び/又はアラルキル基で置換することにより誘導されるアレーンを含んでもよい。
【0035】
1の典型的な例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ヒドロキシ、クロロ及びアセトキシが含まれる。メトキシ、エトキシ及びイソプロポキシが好ましい。エトキシは最も好ましい。X2及びX3の代表例には、Xについて上記した代表例のみならず、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、sec−ブチル、フェニル、ビニル、シクロヘキシル並びにブチル、ヘキシル、オクチル、ラウリル及びオクダデシルのような高級直鎖アルキルが含まれる。X2及びX3については、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、メチル、エチル、フェニル及び高級直鎖アルキルが好ましい。エトキシ、メチル及びフェニルがもっとも好ましい。最も好ましい態様ではX1、X2及びX3は同じアルコキシ基であり、エトキシが最も理想的である。
【0036】
Jの代表例には、末端直鎖アルキルをさらに他の末端側で置換したアルキル類(例、-CH2-、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-及び-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2-)及びこれらのベータ置換類似体(例、-CH2(CH2)mCH(CH3)-、(mは0〜17である))、-CH2CH2C(CH3)2CH2-、メタリルクロライドからの誘導可能な構造、-CH2CH(CH3)CH2-、ジビニルベンゼンから誘導可能な構造のいずれか(例、-CH2CH2(C6H4)CH2CH2- 及び-CH2CH2(C6H4)CH(CH3)-(ここでC6H4という表示は二置換のベンゼン環を表す))、ブタジエンから誘導可能な構造のいずれか(例、-CH2CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH(CH3)-及び-CH2CH(CH2CH3)-)、ピペリレンから誘導可能な構造のいずれか(例、-CH2CH2CH2CH(CH3)-、-CH2CH2CH(CH2CH3)-及び-CH2CH(CH2CH2CH3)-)、イソプレンから誘導可能な構造のいずれか(例、-CH2CH(CH3)CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH(CH3)-、-CH2C(CH3)(CH2CH3)-、-CH2CH2CH(CH3)CH2-、-CH2CH2C(CH3)2-及び-CH2CH[CH(CH3)2]-)、-CH2CH2-ノルボルニル、-CH2CH2-シクロヘキシルの異性体のいずれか、ノルボルナン、シクロヘキサン、シクロペンタン、テトラヒドロジシクロペンタジエン又はシクロドデセンから二個の水素原子を除くことにより得られるジラジカルのいずれか、リモネンから誘導可能な構造、-CH2CH(4-メチル−1−C6H9)CH3(ここでC6H9 は、2位置の置換を欠く3置換シクロヘキサン環の異性体を意味する)、トリビニルシクロヘキサンから誘導可能なモノビニル含有構造のいずれか(例、-CH2CH2(ビニルC6H9)CH2CH2-及び-CH2CH2(ビニルC6H9)CH(CH3)-(ここでC6H9は3置換シクロヘキサン環の任意の異性体を表す)、
Figure 0004200002
のような3置換C=Cを含むミルセンから誘導可能な一不飽和構造のいずれか、並びに
Figure 0004200002
のような3置換のC=Cを欠くミルセンから誘導可能な一不飽和構造のいずれか、が含まれる。
Jについての好ましい構造は、-CH2-、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2-及び上記したノルボルナン誘導構造の2,4又は2,5二置換で得られる、ジラジカルのいずれかである。-CH2CH2CH2-は最も好ましい。
【0037】
3価のGの代表例には、非共役の末端ジオレフィンから誘導可能な構造のいずれか(例、-CH2(CH2)q+1CH(CH2-)-及び-CH(CH3)(CH2)qCH(CH2-)-(ここでqは0〜20である))、ジビニルベンゼンから誘導可能な構造のいずれか(例、-CH2CH2(C6H4)CH(CH2-)- 及び-CH(CH3)(C6H4)CH(CH2-)-(ここでC6H4という表示は二置換のベンゼン環を表す))、ブタジエンから誘導可能な構造のいずれか(例、-CH2(CH-)CH2CH2- 及び-CH(CH3-)CH(CH2-)-)、ピペリレンから誘導可能な構造のいずれか(例、-CH2(CH-)(CH-)CH2CH3、-CH2(CH-)CH2CH(CH3)-、-CH2CH2(CH-)CH(CH3)- 及び-CH2(CH3)(CH-)CH(CH3)-)、イソプレンから誘導可能な構造のいずれか(例、-CH2(C-)(CH3)CH(CH3)-、-CH2(C-)(CH3)CH2CH2-、-CH2CH(CH3)(CH-)CH2- 及び-C(CH3)2(CH-)CH2-)、ビニルノルボルネン及びビニルシクロヘキセンから誘導可能な構造のいずれか(例、-CH2CH2-ノルボルニル(-)2、-CH(CH3)-ノルボルニル(-)2 、-CH2(CH-)-ノルボルニル、-CH2CH2-シクロヘキシル(-)2、-CH(CH3)-シクロヘキシル(-)2及び-CH2(CH-)-シクロヘキシル)、リモネンから誘導可能な構造のいずれか(例、-CH2CH(CH3)[4-メチル−1−C6H8)(-)2CH3] 、-(CH3)2C[4-メチル−1−C6H8)(-)2CH3] 及び-CH2(C-)(CH3)[4-メチル−1−C6H9-)CH3] (ここでC6H9は2位置の置換を欠く、3置換シクロヘキサン環の異性体を表し、C6H8は1,4で2置換されたシクロヘキセン環を表す))、トリビニルシクロヘキサンから誘導可能なビニル含有構造のいずれか(例、-CH2(CH-)(ビニルC6H9)CH2CH2-及び -CH2(CH-)(ビニルC6H9)CH(CH3)-)、トリビニルシクロヘキサンから誘導可能な飽和構造のいずれか(例、(-CH2CH2)3C6H9、(-CH2CH2)2C6H9CH(CH3)-、-CH2CH2C6H9[CH(CH3)-]2及びC6H9[CH(CH3)-]3(ここでC6H9は3置換シクロヘキサン環の異性体のいずれかを表す))、シクロペンタン、テトラヒドロシクロペンタジエン、シクロドデカン、又はシクロドデセン類のいずれかの3置換体から誘導可能な構造のいずれか、
Figure 0004200002
のような3置換C=Cを構造中に含む、ミルセンから誘導可能な一不飽和構造のいずれか、
Figure 0004200002
のような3置換C=Cを構造中に欠く、ミルセンから誘導可能な一不飽和構造のいずれか、
Figure 0004200002
のような、ミルセンから誘導可能な飽和構造のいずれか、トリメチロールアルカン類(例、CH3CH2CH2C(CH2-)3及びCH3CH2C(CH2-)3)、構造が-CH2(CH-)CH2-であるグリセリル及び構造が-CH2(-CCH3)CH2-であるそのメチル類似体、並びにトリエタノールアミン誘導体、(-CH2CH2)3Nが含まれる。
【0038】
3価のGの好ましい構造には、ビニルノルボルネン及びビニルシクロヘキセンから誘導可能な構造のいずれか(例、-CH2CH2-ノルボルニル(-)2、-CH(CH3)-ノルボルニル(-)2、-CH2(CH-)-ノルボルニル-、-CH2CH2-シクロヘキシル(-)2、-CH(CH3)-シクロヘキシル(-)2 、及び-CH2(CH-)-シクロヘキシル)、トリビニルシクロヘキサンから誘導可能な飽和構造のいずれか(例、(-CH2CH2)3C6H9、(-CH2CH2)2C6H9CH(CH3)-、-CH2CH2C6H9[CH(CH3)-]2及びC6H9[CH(CH3)-]3(ここでC6H9は3置換シクロヘキサン環の異性体のいずれかを表す))、
Figure 0004200002
のような、ミルセンから誘導可能な飽和構造のいずれか、トリメチロールアルカン類から誘導可能な構造(例、CH3CH2C(CH2-)3及びCH3C(CH2-)3)、その構造が-CH2(CH-)CH2-であるグリセリル、が含まれる。
【0039】
最も好ましいものはグリセリル、CH3CH2C(CH2-)3及びCH3C(CH2-)3のような、トリメチロールアルカン類から誘導可能な構造、-CH2CH2-ノルボルニル(-)2、-CH(CH3)-ノルボルニル(-)2、及び-CH2(CH-)-ノルボルニルのような、ビニルノルボルネンから誘導可能な構造のいずれかである。
【0040】
4価のGの典型的な例には、非共役の末端ジオレフィン類から誘導可能な構造のいずれか(例、-CH(CH2)(CH2)qCH(CH2)-(ここでqは1〜20である))、 ジビニルベンゼンから誘導可能な構造のいずれか(例、-CH2(CH-)(C6H4)CH(CH2-)-(ここでC6H4は置換ベンゼン環を表す))、-CH2(CH-)(CH-)CH2-のような、ブタジエンから誘導可能な構造のいずれか、-CH2(CH-)(CH-)CH2(CH3)-のような、ピペリレンから誘導可能な構造のいずれか、-CH2(C-)(CH3-)(CH-)CH2-のようなイソプレンから誘導可能な構造のいずれか、-CH2(CH)-ノルボルニル(-)2及び-CH2(CH)-シクロヘキシル(-)2のようなビニルノルボルネン又はビニルシクロヘキセンから誘導可能な構造のいずれか、リモネンから誘導可能な構造(例、-CH2(C-)(CH3)[4-メチル−1−C6H8(-)2CH3](ここでC6H8 は1,4二置換シクロヘキサン環を表す))、トリビニルシクロヘキサンから誘導可能なビニル含有構造のいずれか(例、-CH2(CH-)(ビニルC6H9)(CH-)CH2-(ここでC6H9は三置換シクロヘキサン環の異性体のいずれかを表す))、トリビニルシクロヘキサンから誘導可能な飽和構造のいずれか(例、-CH2(CH-)C6H9[CH(CH3)]2-、-CH2(CH-)C6H9[CH2CH2-]2及び-CH2(CH-)C6H9[CH(CH3)-][CH2CH2-](ここでC6H9は3置換シクロヘキサン環の異性体のいずれかを表す)、シクロペンタン、テトラヒドロシクロペンタジエン、シクロドデカン、又はシクロドデセン類のいずれかの4置換体から誘導可能な構造のいずれか、
Figure 0004200002
のような、3置換C=Cを含むミルセンから誘導可能な一不飽和構造のいずれか、
Figure 0004200002
のような、ミルセンから誘導可能な不飽和構造のいずれか、
Figure 0004200002
のような、ミルセンから誘導可能な飽和構造のいずれか、及びその構造がC(CH2-)4であるペンタエリスリチルが含まれる。4価のGの好ましい構造にはペンタエリスリチル及び-CH2(CH)-ノルボルニル(-)2のようなビニルノルボルネンから誘導可能な構造のいずれかが含まれる。ペンタエリスリチルが最も好ましい。
【0041】
多数価のGの典型的な例には、トリビニルシクロヘキサンから誘導可能な飽和構造のいずれか(例、-CH2CH2C6H9[(CH-)CH2-]2-、-CH(CH3)C6H9[(CH-)CH2-]2及びC6H9[(CH-)CH2-]3(ここでC6H9は3置換シクロヘキサン環の異性体のいずれかを表す))、シクロドデカンの5置換又は6置換により誘導可能な構造、
Figure 0004200002
のような、ミルセンから誘導可能な構造のいずれか、及びスクアレンのハロゲン化及び/又はハロゲン化水素化により誘導可能な基のいずれか、が含まれる。
【0042】
本発明の炭化水素コアポリスルフィドシランの典型的な例は、何個のシリル基が炭化水素コアから枝として出ているかにより分類できる。すなわち、3価のコアからは3個のシリル基、4価のコアからは4個のシリル基等である。3価のコアを有する本発明の炭化水素コアポリスルフィドシランの典型的な例には、下記のものの異性体のいずれもが含まれる。トリス−1,2,3−(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)プロパン、トリス−1,1,1−(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオメチル)プロパン、トリス−1,1,1−(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオメチル)エタン、トリス−1,2,3−(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)プロパン、トリス−1,1,1−(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオメチル)プロパン、トリス−1,1,1−(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオメチル)エタン、トリス−1,2,3−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)プロパン、トリス−1,1,1−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオメチル)プロパン、トリス−1,1,1−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオメチル)エタン、トリス−1,2,3−(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)プロパン、トリス−1,1,1−(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオメチル)プロパン、トリス−1,1,1−(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオメチル)エタン、トリス−1,2,3−(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)プロパン、トリス−1,1,1−(トリエトキシシリルメチルテトラチオメチル)エタン、トリス−1,2,3−(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルトリチオ)プロパン、トリス−1,1,1−(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルトリチオメチル)プロパン、トリス−1,1,1−(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルトリチオメチル)エタン、トリス−1,2,3−(トリエトキシシリルノルボルニルトリチオ)プロパン、トリス−1,1,1−(トリエトキシシリルノルボルニルトリチオメチル)プロパン、トリス−1,1,1−(トリエトキシシリルノルボルニルトリチオメチル)エタン、トリス−1,2,3−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルトリチオ)プロパン、トリス−1,1,1−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルトリチオメチル)プロパン、トリス−1,1,1−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルトリチオメチル)エタン、トリス−1,2,3−(2−トリエトキシシリル−1−エチルトリチオ)プロパン、トリス−1,1,1−(2−トリエトキシシリル−1−エチルトリチオメチル)プロパン、トリス−1,1,1−(2−トリエトキシシリル−1−エチルトリチオメチル)エタン、トリス−1,2,3−(トリエトキシシリルメチルトリチオ)プロパン、トリス−1,1,1−(トリエトキシシリルメチルテトラチオメチル)プロパン、トリス−1,1,1−(トリエトキシシリルメチルトリチオメチル)エタン、トリス−1,2,3−(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルジチオ)プロパン、トリス−1,1,1−(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルジチオメチル)プロパン、トリス−1,1,1−(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルジチオメチル)エタン、トリス−1,2,3−(トリエトキシシリルノルボルニルジチオ)プロパン、トリス−1,1,1−(トリエトキシシリルノルボルニルジチオメチル)プロパン、トリス−1,1,1−(トリエトキシシリルノルボルニルジチオメチル)エタン、トリス−1,2,3−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルジチオ)プロパン、トリス−1,1,1−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルジチオメチル)プロパン、トリス−1,1,1−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルジチオメチル)エタン、トリス−1,2,3−(2−トリエトキシシリル−1−エチルジチオ)プロパン、トリス−1,1,1−(2−トリエトキシシリル−1−エチルジチオメチル)プロパン、トリス−1,1,1−(2−トリエトキシシリル−1−エチルジチオメチル)エタン、トリス−1,2,3−(トリエトキシシリルメチルジチオ)プロパン、トリス−1,1,1−(トリエトキシシリルメチルジチオメチル)プロパン、トリス−1,1,1−(トリエトキシシリルメチルジチオメチル)エタン、2−[ビス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)ノルボルニルエチルテトラチオ]−1−エチルノルボルニルトリエトキシシラン、2−[ビス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)シクロヘキシルエチルテトラチオ]−1−エチルノルボルニルトリエトキシシラン、2−[ビス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)(メチルシクロヘキシル)イソプロピルテトラチオ]−1−エチルノルボルニルトリエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)ノルボルニルエチルテトラチオノルボルニルトリエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)シクロヘキシルエチルテトラチオノルボルニルトリエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)(メチルシクロヘキシル)イソプロピルテトラチオノルボルニルトリエトキシシラン、3−[ビス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)ノルボルニルエチルテトラチオ]−1−プロピルトリエトキシシラン、3−[ビス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)シクロヘキシルエチルテトラチオ]−1−プロピルトリエトキシシラン、3−[ビス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)(メチルシクロヘキシル)イソプロピルテトラチオ]−1−プロピルトリエトキシシラン、2−[ビス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)ノルボルニルエチルテトラチオ]−1−エチルトリエトキシシラン、2−[ビス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)シクロヘキシルエチルテトラチオ]−1−エチルトリエトキシシラン、2−[ビス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)(メチルシクロヘキシル)イソプロピルテトラチオ]−1−エチルトリエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)ノルボルニルエチルテトラチオメチルトリエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)シクロヘキシルエチルテトラチオメチルトリエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)(メチルシクロヘキシル)イソプロピルテトラチオメチルトリエトキシシラン、3−[ビス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)ノルボルニルエチルテトラチオ]−1−プロピルトリエトキシシラン、3−[ビス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)シクロヘキシルエチルテトラチオ]−1−プロピルトリエトキシシラン、3−[ビス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)(メチルシクロヘキシル)イソプロピルテトラチオ]−1−プロピルトリエトキシシラン、3−[ビス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)ノルボルニルエチルテトラチオ]−1−プロピルトリエトキシシラン、3−[ビス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)シクロヘキシルエチルテトラチオ]−1−プロピルトリエトキシシラン、3−[ビス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)(メチルシクロヘキシル)イソプロピルテトラチオ]−1−プロピルトリエトキシシラン、2−[ビス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)ノルボルニルエチルテトラチオ]−1−エチルトリエトキシシラン、2−[ビス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)シクロヘキシルエチルテトラチオ]−1−エチルトリエトキシシラン、2−[ビス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)(メチルシクロヘキシル)イソプロピルテトラチオ]−1−エチルトリエトキシシラン、[ビス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)エチル]−2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオエチル)ベンゼン、トリス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)シクロペンタン、ヒドロジシクロペンタジエントリス(2−テトラチオノルボルニル−1−エチルトリエトキシシラン、[ビス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)エチル](トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオエチル)ベンゼン、トリス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)シクロペンタン、ヒドロジシクロペンタジエントリス(テトラチオノルボルニルトリエトキシシラン、[ビス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)エチル](3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオエチル)ベンゼン、トリス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)シクロペンタン、ヒドロジシクロペンタジエントリス(3−テトラチオ−1−プロピルトリエトキシシラン)、[ビス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)エチル](2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオエチル)ベンゼン、トリス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)シクロペンタン、ヒドロジシクロペンタジエントリス(2−テトラチオ−1−エチルトリエトキシシラン)、[ビス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)エチル](トリエトキシシリルメチルテトラチオエチル)ベンゼン、トリス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)シクロペンタン、ヒドロジシクロペンタジエントリス(テトラチオメチルトリエトキシシラン)、トリス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオエチル)シクロヘキサン、トリス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルトリス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)オクタン、2−エチル−6−メチルトリス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)ヘプタン、トリス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオエチル)シクロヘキサン、トリス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルトリス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)オクタン、2−エチル−6−メチルトリス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)ヘプタン、トリス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオエチル)シクロヘキサン、トリス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルトリス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)オクタン、2−エチル−6−メチルトリス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)ヘプタン、トリス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオエチル)シクロヘキサン、トリス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルトリス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)オクタン、2−エチル−6−メチルトリス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)ヘプタン、トリス(トリエトキシシリルメチルテトラチオエチル)シクロヘキサン、トリス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルトリス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)オクタン、2−エチル−6−メチルトリス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)ヘプタン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルトリス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)テトラコサトリエン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルトリス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)テトラコサトリエン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルトリス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)テトラコサトリエン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルトリス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)テトラコサトリエン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルトリス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)テトラコサトリエン及び2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルトリス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)テトラコサトリエン。
【0043】
4価のコアを有する本発明の炭化水素コアポリスルフィドシランの典型的な例には、下記のものの異性体のいずれもが含まれる。テトラキス−1,3,4,5−(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−トリエトキシシリルメチルテトラチオネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルトリチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(トリエトキシシリルノルボルニルトリチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルトリチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(2−トリエトキシシリル−1−エチルトリチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−トリエトキシシリルメチルトリチオネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(トリエトキシシリルノルボルニルジチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルジチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(2−トリエトキシシリル−1−エチルジチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−トリエトキシシリルメチルジチオネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(2−メチルジメトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(メチルジメトキシシリルノルボルニルテトラチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(3−メチルジメトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(2−メチルジメトキシシリル−1−エチルテトラチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−メチルジメトキシシリルメチルテトラチオネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(2−メチルジメトキシシリル−1−エチルノルボルニルトリチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(メチルジメトキシシリルノルボルニルトリチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(3−メチルジメトキシシリル−1−プロピルトリチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(2−メチルジメトキシシリル−1−エチルトリチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−メチルジメトキシシリルメチルトリチオネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(2−メチルジメトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(メチルジメトキシシリルノルボルニルジチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(3−メチルジメトキシシリル−1−プロピルジチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(2−メチルジメトキシシリル−1−エチルジチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−メチルジメトキシシリルメチルジチオネオペンタン、ビス−1,2−(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)エチル−ビス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)ノルボルナン、ビス−1,2−(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)エチル−ビス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)シクロヘキサン、メチルビス−1,2−(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)イソプロピル−ビス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)シクロヘキサン、ビス−1,2−(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)エチル−ビス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)ノルボルナン、ビス−1,2−(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)エチル−ビス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)シクロヘキサン、メチルビス−1,2−(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)イソプロピル−ビス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)シクロヘキサン、ビス−1,2−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)エチル−ビス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)ノルボルナン、ビス−1,2−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)エチル−ビス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)シクロヘキサン、メチルビス−1,2−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)イソプロピル−ビス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)シクロヘキサン、ビス−1,2−(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)エチル−ビス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)ノルボルナン、ビス−1,2−(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)エチル−ビス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)シクロヘキサン、メチルビス−1,2−(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)イソプロピル−ビス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)シクロヘキサン、ビス−1,2−(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)エチル−ビス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)ノルボルナン、ビス−1,2−(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)エチル−ビス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)シクロヘキサン、メチルビス−1,2−(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)イソプロピル−ビス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)シクロヘキサン、ビス[ビス−1,2−(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)エチル]ベンゼン、テトラキス−(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)シクロペンタン、ジシクロペンタジエンテトラキス−(2−テトラチオノルボルニル−1−エチルトリエトキシシラン)、ビス[ビス−(1,2−トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)エチル]ベンゼン、テトラキス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)シクロペンタン、ジシクロペンタジエンテトラキス(テトラチオノルボルニルトリエトキシシラン)、ビス[ビス−1,2−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)エチル]ベンゼン、テトラキス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)シクロペンタン、ジシクロペンタジエンテトラキス(3−テトラチオ−1−プロピルトリエトキシシラン)、ビス[ビス−1,2−(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)エチル]ベンゼン、テトラキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)シクロペンタン、ジシクロペンタジエンテトラキス(2−テトラチオ−1−エチルトリエトキシシラン)、ビス[ビス−1,2−(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)エチル]ベンゼン、テトラキス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)シクロペンタン、ジシクロペンタジエンテトラキス(テトラチオメチルトリエトキシシラン)、テトラキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)シクロドデセン、テトラキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルテトラキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)オクタン、2−エチル−6−メチルテトラキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)ヘプト−1−エン、テトラキス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)シクロドデセン、テトラキス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルテトラキス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)オクタン、2−エチル−6−メチルテトラキス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)ヘプト−1−エン、テトラキス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)シクロドデセン、テトラキス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルテトラキス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)オクタン、2−エチル−6−メチルテトラキス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)ヘプト−1−エン、テトラキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)シクロドデセン、テトラキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルテトラキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)オクタン、2−エチル−6−メチルテトラキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)ヘプト−1−エン、テトラキス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)シクロドデセン、テトラキス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルテトラキス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)オクタン、2−エチル−6−メチルテトラキス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)ヘプト−1−エン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルテトラキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)テトラコサジエン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルテトラキス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)テトラコサジエン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルテトラキス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)テトラコサジエン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルテトラキス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)テトラコサトリエン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルテトラキス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)テトラコサトリエン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルテトラキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)テトラコサジエン、及び2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルテトラキス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)テトラコサジエン。
【0044】
多数価のコアを有する本発明の炭化水素コアポリスルフィドシランの典型的な例には下記の異性体のいずれもが含まれる。ペンタキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオエチル)シクロヘキサン、ペンタキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルペンタキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)オクタン、ペンタキス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオエチル)シクロヘキサン、ペンタキス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルペンタキス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)オクタン、ペンタキス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオエチル)シクロヘキサン、ペンタキス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルペンタキス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)オクタン、ペンタキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオエチル)シクロヘキサン、ペンタキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルペンタキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)オクタン、ペンタキス(トリエトキシシリルメチルテトラチオエチル)シクロヘキサン、ペンタキス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルペンタキス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)オクタン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルペンタキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)テトラコセン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルペンタキス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)テトラコセン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルペンタキス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)テトラコセン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルペンタキス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)テトラコサジエン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルペンタキス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)テトラコサトリエン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルペンタキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)テトラコセン及び2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルペンタキス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)テトラコセン、並びに、ヘキサキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオエチル)シクロヘキサン、ヘキサキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルヘキサキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)オクタン、ヘキサキス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオエチル)シクロヘキサン、ヘキサキス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルヘキサキス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)オクタン、ヘキサキス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオエチル)シクロヘキサン、ヘキサキス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルヘキサキス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)オクタン、ヘキサキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオエチル)シクロヘキサン、ヘキサキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルヘキサキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)オクタン、ヘキサキス(トリエトキシシリルメチルテトラチオエチル)シクロヘキサン、ヘキサキス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルヘキサキス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)オクタン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルヘキサキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)テトラコサン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルヘキサキス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)テトラコサン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルヘキサキス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)テトラコサン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルヘキサキス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)テトラコセン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルヘキサキス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)テトラコサジエン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルヘキサキス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)テトラコサトリエン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルヘキサキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)テトラコサン及び2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルヘキサキス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)テトラコサン。
【0045】
本発明の好ましい態様には、下記の異性体のいずれかを少なくとも1種含む組成物が含まれる。トリス−1,2,3−(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)プロパン、トリス−1,1,1−(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオメチル)プロパン、トリス−1,1,1−(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオメチル)エタン、トリス−1,2,3−(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)プロパン、トリス−1,1,1−(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオメチル)プロパン、トリス−1,1,1−(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオメチル)エタン、トリス−1,2,3−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)プロパン、トリス−1,1,1−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオメチル)プロパン、トリス−1,1,1−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオメチル)エタン、トリス−1,2,3−(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)プロパン、トリス−1,1,1−(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオメチル)プロパン、トリス−1,1,1−(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオメチル)エタン、トリス−1,2,3−(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)プロパン、トリス−1,1,1−(トリエトキシシリルメチルテトラチオメチル)プロパン、トリス−1,1,1−(トリエトキシシリルメチルテトラチオメチル)エタン、トリス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルトリス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)オクタン、2−エチル−6−メチルトリス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)ヘプタン、2,6−ジメチルトリス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)オクタン、2−エチル−6−メチルトリス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)ヘプタン、トリス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルトリス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)オクタン、2−エチル−6−メチルトリス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)ヘプタン、トリス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルトリス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)オクタン、2−エチル−6−メチルトリス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)ヘプタン、トリス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルトリス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)オクタン、2−エチル−6−メチルトリス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)ヘプタン、次の異性体のいずれか:テトラキス−1,3,4,5−(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−トリエトキシシリルメチルテトラチオネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルトリチオ)ネオペンタン、テトラキス−1,3,4,5−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルジチオ)ネオペンタン、テトラキス−(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルテトラキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルノルボルニルテトラチオ)オクタン、テトラキス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルテトラキス(トリエトキシシリルノルボルニルテトラチオ)オクタン、テトラキス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルテトラキス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)オクタン、テトラキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルテトラキス(2−トリエトキシシリル−1−エチルテトラチオ)オクタン、テトラキス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)シクロドデカン、2,6−ジメチルテトラキス(トリエトキシシリルメチルテトラチオ)オクタン、並びに2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルペンタキス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)テトラコセン及び2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルヘキサキス(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)テトラコサンの異性体のいずれか。
【0046】
本発明の特に好ましい態様には、トリス−1,2,3−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)プロパン、トリス−1,1,1−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオメチル)プロパン、トリス−1,1,1−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオメチル)エタン、テトラキス−1,3,4,5−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)ネオペンタン及びテトラキス−1,3,4,5−(2−トリエトキシシリル−1−エチルトリチオ)ネオペンタンの異性体の少なくとも1種を含む組成物が含まれる。テトラキス−1,3,4,5−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)ネオペンタンが最も好ましい。
【0047】
上記炭化水素コアポリスルフィドシランの部分加水分解物及び縮合物は本発明の範囲に含まれる。部分加水分解物及び縮合物はポリスルフィドシランの約10重量%までの量で存在してもよい。これより多い部分加水分解物又は縮合物は、機能はするが、通常、モノマーに比べて効果が薄くなる。
【0048】
本発明の炭化水素コアポリスルフィドシランを調製する一般的な方法は、メルカプタン出発物質を脱プロトンするのに用いる塩基の型及びケイ素官能基の最終組成物への導入の仕方によって分類できる。式シークエンス1は本発明の炭化水素コアポリスルフィドシランを生成する反応を説明するもので、ここではシリル基はメルカプタンを経由して導入される。
Figure 0004200002
分類Iの反応は、アニオン塩基B1-が関与し、これはブレンステッド塩基として機能し、アルコキシドが含まれる。ブレンステッド塩基とは1個以上のプロトンを受容する塩基である。或いは、分類IIの反応では、中性のブレンステッド塩基又はアミンのような非イオン性のブレンステッド塩基が関与する。分類I及びIIの反応の双方において、シリル基はメルカプタンを経由して導入され、一方炭化水素コアは基質LpG又はX1X2X3-Si-J-Lを経由して導入され、この基質は硫黄アニオンと反応する脱離基L及び炭素を含んでいる。
【0049】
式シークエンス2は、ケイ素官能基が基質を経由して導入される場合の、本発明の炭化水素コアポリスルフィドシランの生成の仕方を説明するものである。
Figure 0004200002
分類IIIの反応はアニオン性ブレンステッド塩基を利用し、一方、分類IVの反応は、アミンのような非イオン性のブレンステッド塩基が関与するものである。
【0050】
式シークエンス1及び2は、X1X2X3-Si-J-SH又は(HS-)pGのような所望のメルカプタン、メルカプタンを脱プロトンできる塩基、脱プロトンされたメルカプタンX1X2X3-Si-J-S-又は(S-)pGと反応し、反応性硫黄アニオンX1X2X3-Si-J-Sx -又は(Sx-)pG(硫黄求核試薬)を生成する元素硫黄、及び硫黄求核試薬とカップリングする基質から出発する。見られるように、塩基はメルカプタンから1個のプロトンを引き抜く。しかし、多数個のプロトンを引き抜くことのできる塩基も使用でき、その場合は式の化学量論はしかるべく調整される。すなわち、所望量の塩基は、使用されるメルカプタン(HS-)pGの1モル当たりp当量のB1-又はB2(それに対し、元素硫黄としてp(x-1) モル原子数の硫黄及びpモルの基質X1X2X3-Si-J-Lを加える)を含む。B1-に対する好ましいカチオン性対イオンはアルカリ金属であり、ナトリウムが通常最も好ましい。立体障害の非常に大きいアルコール及び/又はアルコキシド(例、tert−ブトキシ)が塩基及び/又は溶媒として用いられる場合には、カリウムイオンが好ましいことがある。エーテル溶媒が関与する場合には、リチウムイオンが好ましいことがある。x及びpの値、並びにX1、X2、X3、J及びGの構造は、式Iに特定する。
【0051】
Lは、そのアニオンL-が脱離できる任意の基でよい。L-の例には、これらに限定されるものではないが、塩素、臭素、ヨウ素、スルフェート、トリフルオロアセテート、並びにトシレート、ベンゼンスルホネート、及びトリフレートを含むスルホネートが含まれる。塩化物はその商業的な入手しやすさで好ましい。芳香族ハロゲン置換のような一層厳しい条件を要し、塩化物に比べ強い反応性が望まれる場合には、臭化物が好ましい。
【0052】
本発明の炭化水素コアポリスルフィドシランの調製のための好ましい溶媒は、典型的には、アルコール及びアミンのようなプロトン性溶媒である。これは、プロトン性溶媒が溶解力が大きく、及び/又は硫黄アニオンの形成を促進し、化学反応を容易に媒介し、生成物から最も容易に除去できる共生成物に導くからである。適当なプロトン性溶媒の代表例には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ブチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等が含まれる。エーテル、テトラヒドロフラン、ポリエーテル、グライム、ジグライム、及び高級ジグライム、硫黄アニオンが十分可溶ならばトルエン及びキシレンのような芳香族溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリジノン及びトリエチルアミンのような3級アミンを含む非プロトン性溶媒もまた用いることができる。N−メチルピロリジノンは芳香族環への直接置換用に好ましい。無溶媒系を使用できる場合もある。
【0053】
アルコール溶媒の利点は、溶媒除去に先立つ任意の段階において他のアルコールを用いるか溶媒を置き換えることによる出発物質であるシランに存在するアルコキシ基のエステル交換と、本発明の炭化水素コアポリスルフィドシラン調製を組み合わせることもできる点にある。混合物からのアルコールの蒸留がケイ素上のアルコキシ基の交換を伴うこともあるが、それは、そのアルコキシ基が導入されたアルコール溶媒に相応するアルコキシ基に置き換えられることによる。すなわち、揮発性の少ないアルコールは、より揮発性の高いアルコール基に相応するアルコキシ基に容易に取って代わる。逆の置換も実施できるが、少なくとも2回の蒸留を組み合わせる必要がある。一つの例は、3−メルカプト−1−プロピルトリメトキシシランをメタノール性ナトリウムメトキシド、硫黄及びエタノール中のペンタエリスリトールテトラクロライドとともに使用し、溶媒を分留で除去し、エトキシ炭化水素コアポリスルフィドシランを得ることであろう。
【0054】
本発明の炭化水素コアポリスルフィドシランの調製のための適当な条件には、試薬の濃度及び適用する圧力により、約0℃から溶媒の還流温度までの反応温度が含まれる。すなわち、仮に、例えばジメチルスルホキシド又はN−メチルピロリジノンのような溶媒が使用されると、反応温度は約190℃あるいは約200℃のような高温にさえなるかもしれない。30℃〜80℃の反応温度がより典型的な条件である。常圧が一般には好ましい。
【0055】
炭化水素コアポリスルフィドシラン調製のロジスティックスは、一般に、脱プロトンされたメルカプタンからのポリスルフィド硫黄アニオンの生成を、基質の導入に先だって完了してしまうことを狙いとしている。アルコキシドのような強い塩基をメルカプタンの脱プロトンに用いる場合には、暗色とそれに結び付いた不純物が最小になるように、硫黄源の導入に先だって、メルカプタンから脱プロトンすることも望ましい。すなわち、反応器への原料の好ましい添加順序は、典型的には、最初に塩基とメルカプタンを仕込み、次いで元素硫黄を導入する。アルコキシドが塩基として使用されている場合、メルカプタンを塩基の後で仕込むことが望ましいことがあるが、必須というわけではない。これにより、例えば金属ナトリウムのエタノールのようなアルコールとの反応のように、適切な塩基の溶液の現場調製が考慮される。塩基及びメルカプタンは、元素硫黄の導入以前に均一な溶液となるように撹拌することが好ましい。ポリスルフィドの硫黄アニオンを生成するための元素硫黄の溶解及び反応は瞬間的ではなく或る一定の時間にわたって起こるので、粉末状の元素硫黄を用い、連続的な撹拌を行いながら混合物の温度を上げ、溶解工程を加速することが有利である。好ましい方法は、塩基、メルカプタン及び元素硫黄を約40℃〜約80℃の温度で撹拌することを含み、これにより、典型的には、粉末状元素硫黄を数時間後又はそれ以内に完全な溶解を行うことができる。基質を次いでこの溶液に(好ましくは撹拌しながら制御された添加速度で)加え、添加によって起こる発熱反応を制御する。沈殿した共生成物は次いで遠心分離、濾過、デカンテーション等のような操作により除去する。次いで、残った溶媒はすべて、蒸留、ストリッピング、ロータリーエバポレーションなどの蒸発操作により除去することができる。
【0056】
本発明の炭化水素コアポリスルフィドシラン調製に適した試薬、反応条件及びロジスティックスの個々の詳細は、上記4種の調製法の分類のどれであるかに依存している。アニオン性の塩基を用いるメルカプト官能性シランからの脱プロトンによる、シリル基がメルカプタン経由で導入される分類Iの調製は、最終生成物における所望のシランのアルコキシ基に相応するアルコール中で実施することが好ましい。全工程を通じて、殆ど無水、好ましくは厳密に無水のアルコールと条件を用いることが必要である。メルカプタンから脱プロトンするのに十分な強さを持つ塩基ならどれでも使用できるが、アルカリ金属アルコキシド(そのアルコキシドは所望の最終生成物のシランのアルコキシ基に相応する)、より好ましくはナトリウムアルコキシドを用いることが好ましい。例えば、エトキシシラン生成物が所望であるならば、出発物質であるメルカプト官能性シランをエタノール性ナトリウムエトキシドで脱プロトンを行うことが好ましいであろう。アルカリ金属アルコキシドをメルカプト官能性シランに加えることもできるであろうが、最初にアルカリ金属アルコキシドのアルコール溶液を調製し、そこへ次いでメルカプト官能性シランを加えることが好ましい。アルカリ金属アルコキシドのアルコール溶液は、適当なナトリウム化合物(例えばナトリウム金属、水素化ナトリウム等)とアルコールを直接反応させるか、又はアルカリ金属アルコキシドをアルコール中に溶解させることにより調製できる。これに代わる方法は、前記ナトリウム化合物、ナトリウム金属又は、ナトリウムアルコキシドを、メルカプト官能性シランのアルコール溶液に直接添加することを含んでいる。どちらの場合も、メルカプト官能性シランの脱プロトンは、塩基との完全な混合により完了する。元素硫黄を、次いで脱プロトンされたメルカプト官能性シランに加え、所望の反応性の求核試薬が生成する。溶解工程を可能な限り促進するために、混合物を加熱し撹拌した後に、この溶液に基質を加え、反応系を後処理し、沈殿した塩と溶媒を除去する。
【0057】
シリル基がメルカプタン経由で導入される分類IIの調製には、メルカプト官能性シランからの脱プロトン又は硫黄アニオンの置換反応と結合した脱プロトンに向けられるアミンのような非アニオン性の塩基が関与する。この調製は上述のどの溶媒中でも実施できる。この調製は殆ど無水条件下で実施することが好ましく、厳密に無水の条件下で実施することが最も好ましい。溶媒を使用しないニート系、又は過剰なアミン塩基を溶媒として用いる系も使用できる。好ましくは、工程中において共生成する、プロトンが付加したアミン塩の溶解度を最小とする溶媒が選ばれる。すなわち、グライムやテトロヒドロフランのようなエーテル類が好ましいであろう。アルコール類も使用可能であるが、生成物中に残る残留のアミン塩を沈殿させるため、極性のより小さい、前述のエーテル類又は多分トルエンのような共溶媒を用いる追加の工程が必要となることがある。元素硫黄がメルカプト官能性シラン及び塩基の混合物と実質的に反応するか、少なくとも平衡に達する機会を持った後で初めて基質を添加することが推奨される。すなわち、基質は、発生する発熱反応を制御する速度で最後に添加することが好ましい。ここでも粉末状の元素硫黄を用い、溶解工程をできるだけ加速するために混合物の温度を上げて撹拌を行うことが好ましい。生じるイオン相は次いで遠心分離、濾過、及び/又はデカンテーションで除かれる。残りの溶媒及び/又は過剰な塩基は、次いで、蒸留、ストリッピング、ロータリーエバポレーションなどの蒸発操作により除去される。溶媒及び/又は過剰の塩基の蒸発による除去の前に溶液に持ち込まれ、引き続いて蒸発操作の間に分離されたアミン塩は、次いで2回目の遠心分離、濾過及び/又はデカンテーションで除去される。
【0058】
シリル基が基質を経由して導入され、アニオン性塩基を用いるメルカプタンの脱プロトンを含む分類IIIの調製は、好ましくは、最終生成物の所望のシランのアルコキシ基に相応するアルコール中で行われる。厳密な無水条件は必要でない。ケイ素含有基質の添加の前には、少量から若干量の(約10%までの、好ましくは5%以下の)水は存在してもよい。しかし、ケイ素含有基質添加の前に存在する水すべてを系から取り除くことが好ましい。メルカプタンから脱プロトンするのに十分な強さを持つ塩基ならいずれも使用可能であるが、アルカリ金属アルコキシドが好ましく、より好ましくはナトリウムアルコキシドである。アルカリ金属水酸化物が塩基として使用可能な場合もある。アルコキシドを用いる場合、そのアルコキシドは、所望の最終生成物シランのアルコキシ基と相応するものでなくてはならない。例えば、エトキシシラン生成物が所望ならば、出発物質であるメルカプタンをエタノール性ナトリウムエトキシドを用いて脱プロトンすることが好ましいであろう。アルカリ金属アルコキシド又は水酸化物ををメルカプタンに加えることもできるが、最初にこれらのアルコール溶液を調製し、次いでそこへメルカプタンを加えることが好ましい。アルカリ金属アルコキシドのアルコール溶液は、適当なナトリウム化合物(例えば金属ナトリウム、水素化ナトリウム等)とアルコールを直接反応させるか、又はアルカリ金属アルコキシドをアルコール中に溶解させることにより調製できる。これに代わる方法として、アルカリ金属水酸化物のアルコール溶液は、単に水酸化物をアルコールに溶解させて調製できる。他の方法は、前記のナトリウム化合物、金属ナトリウム、ナトリウムアルコキシド、又は水酸化ナトリウムを、メルカプタンのアルコール溶液に直接添加することを含むであろう。いずれの場合も、メルカプタンの脱プロトンは、塩基との完全な混合により完了する。次いで粉末状元素硫黄を添加し、粉末状元素硫黄を数時間後又はそれ以内で完全に溶解するように加熱撹拌し、所望の反応性求核試薬を生成させる。系中にある水はすべてこの時点で、公知の方法で除去しなければならない。この溶液にケイ素含有基質を加えるが、撹拌しながら、発生する発熱反応を制御するために添加速度を調節しながらが好ましい。前記と同様、反応混合物はしかるべく後処理を行う。
【0059】
シリル基が基質を経由して導入される分類IVの調製は、メルカプタンの直接の脱プロトン又は硫黄アニオンの置換反応と結合した脱プロトンを含み、いずれの場合も非アニオン性のアミンのような塩基を用いる。上述のように多様な溶媒が使用できる。厳密な無水条件は必要でない。ケイ素含有基質の添加の前には、少量から若干量の(約10%までの、好ましくは5%以下の)水は存在してもよい。しかし、ケイ素含有基質添加の前に存在する水すべてを系から除かなくてはならない。溶媒を使用しないニート系、又は過剰なアミン塩基を溶媒として用いる系も使用できる。好ましいのは、工程中で共生成する、プロトンが付加したアミン塩の溶解度を最小にする溶媒、例えば、グライムやテトロヒドロフランのようなエーテル類である。アルコール類も使用可能であるが、生成物中に残る残留のアミン塩を沈殿させるため、極性のより小さい、前述のエーテル類又は多分トルエンのような共溶媒を用いる追加の工程が必要となることがある。元素硫黄がメルカプト官能性シラン及び塩基の混合物と実質的に反応するか、少なくとも平衡に達する機会を持った後で初めて基質を添加することが好ましい。すなわち、ケイ素含有基質を最後に添加することが好ましい。粉末状の元素硫黄を用い、溶解工程をできるだけ加速するために混合物の温度を上げて撹拌を行うことが好ましい。系中にある水はすべてこの時点で、公知の方法で除去しなければならない。アミン塩基の沸点が約100℃未満であると、水除去の工程でアミンが除かれることがあり、代案が必要になる。この溶液にケイ素含有基質を加えるが、撹拌しながら、発生する発熱反応を制御するために添加速度を調節しながらが好ましい。反応系は前記と同様に後処理を行う。
【0060】
本発明の炭化水素コアポリスルフィドシランとともに使用できるエラストマーには、共役ジエンのホモポリマー及びコポリマーを有する硫黄加硫可能なゴム、及び少なくとも一種の共役ジエンと芳香族ビニル化合物のコポリマーが含まれる。
【0061】
本発明での使用に適したポリマーの一例は、溶液法によって得られるスチレン−ブタジエンゴム(SSBR)である。この溶液法によって得られるSSBRは、好ましくは、結合したスチレンの含有量が約5〜約50%、より好ましくは約9〜36%である。他の有用なポリマーには、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、天然ゴム(NR)、エチレン−プロピレンコポリマー及びターポリマー(EP,EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ポリブタジエン(BR)等が含まれる。ゴム組成物は、好ましくは、少なくとも一種のジエン系エラストマー又はゴムを含む。適当な共役ジエンはイソプレン及び1,3−ブタジエンであり、適当なビニル芳香族化合物はスチレン及びアルファメチルスチレンである。ポリブタジエンは、そもそもcis−1,4−ブタジエンの形で存在するものとして、典型的には約90%がcis−1,4−ブタジエンの形で存在するものとして特徴づけることができる。
【0062】
好ましくはゴムは硫黄加硫可能なゴムである。このようなジエン系エラストマー又はゴムは、例えば、cis−1,4−ポリイソプレンゴム(天然及び/又は合成、好ましくは天然)、天然ゴム、エマルション重合によって得られるスチレン/ブタジエン共重合ゴム、有機溶媒重合によって得られるスチレン/ブタジエンゴム、3,4−ポリイソプレンゴム、イソプレン/ブタジエンゴム、スチレン/イソプレン/ブタジエンターポリマーゴム、cis−1,4−ポリブタジエン、中ビニル−ポリブタジエンゴム(約35〜約50%ビニル)、高ビニル−ポリブタジエンゴム(約50〜約75%ビニル)、スチレン/イソプレンコポリマー、エマルション重合によって得られるスチレン/ブタジエン/アクリロニトリルターポリマーゴム、及びブタジエン/アクリロニトリルコポリマーゴムの少なくとも一種から選ぶことができる。
【0063】
エマルション重合によって誘導され、約20〜28%の結合スチレンという比較的慣用のスチレン含有量を持つスチレン/ブタジエン(E−SBR)又は約30〜約45%という中程度から比較的高い結合スチレン量を有するE−SBRが使用できる用途もある。エマルション重合によって得られ、ターポリマー中に約2〜約40重量%の結合アクリロニトリルを有するスチレン/ブタジエン/アクリロニトリルターポリマーゴムも、本発明で使用するジエン系ゴムとして意図される。
【0064】
この架橋可能な本発明のエラストマー組成物には、ケイ酸質充填剤、カーボンブラック等を含む微粒充填剤を加えることができる。本発明で有用な充填材料には、これらに限定されるものではないが、カーボンブラック、シリカ(熱分解法及び沈降法)、酸化チタン、アルミノケイ酸塩及びアルミナのような金属酸化物、クレー並びにタルク等が含まれる。微粒の沈降シリカもこのような目的に、特にシリカがシランと組み合わせて使用される場合に使用できる。シリカとカーボンブラックの組み合わせは、タイヤのトレッドを含む種々のゴム製品の強化用充填剤として利用される場合もある。アルミナは単独で又はシリカと組み合わせて使用することもできる。アルミナという語は本明細書では酸化アルミニウムすなわちAl2O3として定義される。アルミナ充填剤は水和物でも無水物でもよい。
【0065】
炭化水素コアポリスルフィドシランは充填剤微粒と予備混合あるいは予備反応することができ、又はゴム混合物に、ゴムと充填剤を加工もしくは混合する段階で加えることができる。炭化水素コアポリスルフィドシラン及び充填剤を別々にゴム混合物に、ゴム及び充填剤の混合時又は加工段階で加える場合、炭化水素コアポリスルフィドシランは充填剤と「現場」でカップリングすると考えられる。本発明のポリスルフィドシランはカーボンブラックのような低反応性充填剤に適用できる。
【0066】
こうして得られる、本発明の炭化水素コアポリスルフィドシランを有する硬化ゴム組成物は、合理的に高い弾性率及び高い引裂抵抗を示すのに十分な量の充填剤を含有することが好ましい。充填剤の合計重量は、ゴム100部当たり約5〜約100部(phr)という低い量、より好ましくは約25〜約85phrでよい。
【0067】
好ましくは、少なくとも1種類の沈降シリカが充填剤として使用される。このシリカは、窒素ガスを用いて測定するそのBET表面積が、好ましくは約40〜約600m2/g,より好ましくは約50〜約300m2/gの範囲にあることで特徴づけることができる。表面積を測定するBET法は、Journal of American Chemical Society, Volume 60, page 304 (1930) に記載されている。このシリカは、典型的には、フタル酸ジブチル(DBP)の吸収値が約100〜約350、より好ましくは約150〜約300の範囲にあることでも特徴づけられる。さらに、このシリカは、前述のアルミナ及びアルミノケイ酸塩と同様に、約100〜約220の範囲のCTAB表面積を有すると予想できるであろう。CTAB表面積は、セチルトリメチルアンモニウムブロマイドによりpH9で評価された外部表面積である。この方法はASTM D3489に記載されている。
【0068】
水銀気孔率表面積は、水銀気孔率測定による比表面積である。この方法を用いて、揮発分を除去する熱処理の後、水銀を試料の孔に浸透させる。100mgの試料を用いて、常圧、105℃で2時間揮発分を除去し、常圧〜2000barの圧力測定範囲が設定条件の適切な記載と言えるであろう。このような評価は、Winslow, Shapiro in ASTM bulletin, p.39 (1959)に記載又はDIN 66133に従う方法で実施できる。このような評価のために、CARLO-ERBAのポロシメータ2000が使用できる。このシリカに対する好ましい平均水銀気孔率比表面積は、約100〜約300m2/gである。かかる水銀気孔率測定による、シリカ、アルミナ及びアルミノケイ酸塩の適当な気孔径の分布は、ここでは、次のようなものと考えられる。すなわち、その気孔の約5%以下は約10nm未満の直径を有し、その気孔の約60〜90%は約10〜約100nmの直径を有し、その気孔の約10〜30%は約100〜約1000nmの直径を有し、その気孔の約5〜20%は約1000nmを超える直径を有する。
【0069】
シリカの平均極限粒径は、例えば、電子顕微鏡で測定して約10〜50nmの範囲であってよいが、シリカ粒径はもっと小さいか、大きくてもよい。種々の市販のシリカが本発明で使用できると考えられる。例えば、Pittsburgh, PennsylvaniaのPPG IndustriesのHI-SIL(商標) 210, 243等、Cranbury, New JerseyのRhodia Inc.のZEOSIL(商標)1165MPである。
【0070】
シリカ、アルミナ及び/又はアルミノケイ酸塩のようなケイ酸質充填剤をカーボンブラック強化ピグメントと共に利用することが望ましい組成物においては、この組成物は約15〜約98重量%のケイ酸質充填剤及び約2〜約85重量%のカーボンブラックを含むことができ、カーボンブラックは約80〜約150の範囲のCTAB価を有する。ケイ酸質充填剤対カーボンブラックの重量比は約3:1〜約30:1とすることができる。より典型的には、ケイ酸質充填剤対カーボンブラックの重量比は少なくとも約3:1、好ましくは少なくとも約10:1を使用することが望ましい。或いは、充填剤は約60〜約95重量%のシリカ、アルミナ及び/又はアルミノケイ酸塩、並びにこれに応じて、約40〜約5重量%のカーボンブラックを含むことができる。ケイ酸質充填剤とカーボンブラックは予備混合してもよく、加硫ゴムの製造の間に一緒に混合してもよい。或いはカーボンブラックの一部は、最大約800m2/gとなる極端に大きい表面積を持つ品種とすることができる。
【0071】
本発明のゴム組成物を調製するに際し、有機ポリマーに対する充填剤の混合前、中、又は後に、1種以上の本発明の炭化水素コアポリスルフィドシランを有機ポリマーと混合する。有機ポリマーに対する充填剤の混合前又は混合中に、少なくとも一部の炭化水素コアポリスルフィドシランを添加することが好ましいが、これはこれらのシランが充填剤の分散を容易にし、かつ改善するためである。得られる組成物中に存在する炭化水素コアポリスルフィドシランの合計量は、約0.05〜約25phrとすべきであり、より好ましくは1〜10phrである。充填剤は約5〜約100phr、より好ましくは25〜80phrの範囲の量で用いることができる。
【0072】
本発明の炭化水素コアポリスルフィドシランを利用する新規なゴム組成物は、従って、約100部の少なくとも1種の硫黄加硫可能なゴム並びに少なくとも一種の共役ジエン及び芳香族ビニル化合物のコポリマー、約5〜100phr、好ましくは約25〜80phrの少なくとも一種の微粒充填剤、最大約5phrの硬化剤、並びに約0.05〜約25phrの少なくとも一種の炭化水素コアポリスルフィドシランを含む。
【0073】
充填剤は、好ましくは、充填剤の全重量を基準に約1〜約85重量%のカーボンブラック、及び充填剤の全重量を基準に約0.1〜約20重量%の少なくとも1種の炭化水素コアポリスルフィドシランを含む。
【0074】
他の態様では、本発明のゴム組成物は、ゴム、充填剤及び炭化水素コアポリスルフィドシランを熱機械的混合工程で約140℃〜約190−200℃の温度で、約2〜20分間、好ましくは約4〜15分間混合することにより調製できる。追加の熱機械的混合工程はゴムを断続的に冷却しながら行うことができるが、その冷却はミキサーからゴムを抜出すことにより達成できるものである。充填剤は、第1熱機械的混合工程に先だって、全部又は一部の炭化水素コアポリスルフィドシランで前処理してもよい。随意選択的に、硬化剤を、その後、約50℃の温度で約1〜約30分間の別の熱機械的混合工程で添加する。次いで温度を約130℃まで、最高約200℃まで上げ、硬化は約5〜約60分で完了する。すなわち、トレッド付きタイヤ部品はしかるべく製造でき、約130℃〜200℃で硬化すなわち加硫される。本発明のゴム組成物には、硬化剤、すなわち、活性剤、硬化遅延剤及び硬化促進剤を含む硫黄化合物、油のような加工助剤、可塑剤、粘着付与樹脂、シリカ、その他の充填剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス類、酸化防止剤及びオゾン亀裂防止剤、しゃく解剤、強化材すなわちカーボンブラック等を含む任意の成分を加えることができる。かかる添加剤は意図した用途及び用途のために選択した硫黄加硫可能な材料に基づいて選択されるが、かかる選択は、かかる添加剤の必要量と同様、当業者の知識の範囲内にある。
【0075】
以下に提示する例は、本明細書に記載するシラン類の重要な利点を、シリカ充填ゴムにおける先行技術のカップリング剤と比較して示すものである。
【0076】
(例1)
テトラキス−1,3,4,5−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラ チオ)ネオペンタン組成物(シラン1)の調製
一つの口には凝縮器、別の口には圧力平衡用蒸気バイパス管を有する滴下漏斗を取りつけた5リットル二口フラスコからなる装置を準備した。滴下漏斗は可変かつ制御可能な液体流を供給できるものであった。凝縮器の上の口には窒素吹き込みを取りつけた。可変電圧制御器で制御された伝熱マントルを用いて熱をフラスコに供給した。電圧制御器は、水銀温度計中の水銀の高さに応答する電子温度調節器と結合した。温度計は直接5リットルフラスコの内容物に挿入した。撹拌はテフロン(R)コートした撹拌子で実施した。窒素吹き込みを用いて、系は窒素雰囲気に保たれた。固体は、反応生成物から、溶媒の除去に先だって、燒結ガラスフィルターを通した重力濾過により、その内容物を不活性雰囲気下に保つように装備した容器に抜出した。溶媒は、生成物からロータリーエバポレーターを用いた減圧蒸留により除去した。溶媒除去の間に生成するより少量の固体は、生成物からデカンテーションにより取り出した。
【0077】
下記の手順の間中、装置全体を乾燥窒素雰囲気下に置き、維持した。無水ナトリウムエトキシド(92.0g、1.35モル)を21重量%無水エタノール溶液(438g、505mL)の形でフラスコに仕込んだ。3−メルカプト−1−プロピルトリエトキシシラン(329g、1.38モル)を引き続いて撹拌しながら添加した。次いで、撹拌を継続しながら、粉末状元素硫黄(硫黄華)をフラスコにを加えた(133g、4.15モル)。混合物を穏やかな還流に付し、硫黄の完全な溶解を確実にするために一夜穏やかな還流を維持し、暗赤褐色の溶液を得た。ペンタエリスリトールテトラクロライド(72.5g、0.345モル)のエタノール(319g、406mL)及びトルエン(103g、119mL)の無水混合溶媒中の溶液を次いで滴下漏斗に加えた。この溶液を、撹拌したフラスコの内容物に加えた。添加速度は、発生する発熱反応による活発ではあるが制御された還流速度を維持するように調整した。この添加は25分で完了し、その時、塩の沈殿物の生成は既に明らかであった。反応を完了させるため又はほぼ完了させるため、還流をさらに数時間維持したが、その間、更なる塩の沈殿物の生成が明らかであった。反応混合物は次いで周囲温度まで冷却し、濾過して固体を除去した。溶媒は、1torr未満の絶対圧、65℃でのロータリーエバポレーションにより除いたが、ここでより少量の固体沈殿物がさらに発生し、これを得られる暗赤色の液体からデカンテーションにより逐次除いた。
【0078】
(例2)
トリス1,2,3−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)プロパン組成物(シラン2)の調製
例1と同様の装置を用いた。下記の手順の間中、装置全体を乾燥窒素雰囲気下に置き、維持した。無水ナトリウムエトキシド(299g、4.39モル)を21重量%無水エタノール溶液(1423g、1639mL)の形でフラスコに仕込んだ。3−メルカプト−1−プロピルトリエトキシシラン(1071g、4.49モル)を引き続いて撹拌しながら添加した。次いで、撹拌を継続しながら、粉末状元素硫黄(硫黄華)をフラスコにを加えた(432g、13.5モル)。混合物を穏やかな還流に付し、硫黄の完全な溶解を確実にするために40時間穏やかな還流を維持し、暗赤褐色の溶液を得た。1,2,3−トリクロロプロパン(221g、1.50モル)を次いで滴下漏斗に加えた。この滴下漏斗の内容物を、次いで、撹拌したフラスコの内容物に加えた。添加速度は、発生する発熱反応による活発ではあるが制御された還流速度を維持するように調整した。滴下漏斗の内容物の添加の完了時点で、塩の沈殿物が既に生成し始めていたことが注目された。添加完了時に、追加の無水エタノール(188g、239mL)を加え、反応を完了させるため、還流をさらに数時間維持したが、その間、更なる塩の沈殿物の生成が明らかであった。反応混合物は次いで周囲温度まで冷却し、濾過して固体を除去した。溶媒は、1torr未満の絶対圧、65℃でのロータリーエバポレーションにより除いたが、ここでより少量の固体沈殿物がさらに発生し、これを得られる暗赤色の液体からデカンテーションにより逐次除いた。
【0079】
(例3及び4)
例1及び2で調製された炭化水素コアポリスルフィドシランをカップリング剤として用い、低回転抵抗のタイヤトレッド配合を調製した。使用したゴム組成物は下記のとおりである。ここでPHR見出しの下にあげた数字は、使用したポリマー(この場合、SSBR及びポリブタジエン)100合計単位量に対する相応する成分の使用量を示す。
【0080】
PHR 成分
75 SSBR(12%スチレン、46%ビニル、Tg::42℃)
25 cis−1,4−ポリブタジエン(98%cis,Tg:104℃)
80 シリカ(150〜190m2/gm, ZEOSIL(商標)1165MP, Rhone-Poulenc)
32.5 芳香族プロセスオイル(高粘度、Sundex(商標)8125, Sun Co., Inc.)
2.5 酸化亜鉛(KADOX(商標)720C, Zinc Corp)
1 ステアリン酸(INDUSTRENE(商標), Crompton Corp., Greenwich, CT)
2 6PPDオゾン亀裂防止剤(SANTOFLEX(商標)6PPD, Flexsys)
1.5 ミクロクリスタリンワックス(M-4067, Schumann)
3 N330カーボンブラック(Engineered Carbons)
1.4 硫黄(#104, Sunbelt)
1.7 CBS硬化促進剤(SANTOCURE(商標), Flexsys)
2 DPG硬化促進剤(PERKACIT(商標)DPG-C, Flexsys)
表I参照 シラン
【0081】
例1及び2記載の手順で調製された炭化水素コアポリスルフィドシランを、例3及び4に記載のゴム組成物の調製に使用した。本例で提示する炭化水素コアポリスルフィドシランの代表例のシリカ充填ゴムにおけるカップリング剤としての性能についての比較の有意義な基礎を得るために、対照を例3及び4と並行して実施した。対照で用いられたシランは、シリカ充填タイヤトレッド用ゴム用の、現在のゴム工業で標準的なカップリング剤で、名称をビス(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)テトラスルフィド(TESPT)という。例3及び4並びに対照で用いられたゴム配合処方及び手順は、カップリング剤として用いたシランを除いては同一であった。使用したシランの添加量もまた、配分されたケイ素の添加量という点で同一であった。そのためには、評価したシラン類の間に分子量の差があるので、実際の質量(すなわち重量)ベースで添加量水準を若干違えて使用することが必要だった。試料は、103立方インチ(1690cc)の室容積のB型バンバリーミキサー(Farrel Corp.)を用いて調製した。ゴムのマスターバッチは2段階の手順で調製した。ミキサーは120rpm、冷却水最大に設定した。ゴムポリマーを運転中のミキサーに添加し、30秒間ラムダウン(ram down)混合した。ほぼ半分のシリカ(約35〜40g)及び全量の炭化水素コアポリスルフィドシラン(エチルビニルアセテート(EVA)袋入り)を添加し、30秒間ラムダウン混合した。残りのシリカ及びオイル(EVA袋入り)を次いで添加し、30秒間ラムダウン混合した。ミキサーのスロート部の粉末を3回掻き落し、混合物はそれぞれ15秒間ラムダウン混合した。混合速度は、ゴムマスターバッチの温度を1分後に約160〜165℃に上げるのに必要とされる160〜240回転まで増した。マスターバッチはミキサーから取り出し、この組成物を用いて、次に、50〜60℃に設定したロールミル上でシートを作成し、周囲温度まで放置冷却した。
【0082】
次いでマスターバッチを再度、120rpm、冷却水最大としたミキサーに仕込み、30秒間ラムダウン混合した。成分の残りを次いで添加し、30秒間ラムダウン混合した。ミキサーのスロート部の粉末を掻き落し、混合速度を、混合物の温度を2分後に約160〜165℃に上げるために約160〜240回転まで増した。温度を約160〜165℃に維持するためにミキサー速度を調節しながら、このゴム組成物を8分間混合した。組成物をミキサーから取り出し、約50〜60℃に設定した6×12インチのロールミル上で1/4インチ厚さのシートを作成した。このシートはその後周囲温度まで放置冷却した。
【0083】
得られたゴム組成物は引き続いて、50〜60℃に加熱した6インチ×13インチ(15cm×33cm)の2本ロールミル上で硬化剤と混合した。硫黄と硬化促進剤を次いで組成物に加え、完全にロールミル上で混合してシートとした。このシートは、硬化する前に24時間周囲条件に冷却した。
【0084】
このように調製したゴム組成物のレオロジー的性質は、Monsanto R-100振動円板レオメータ及びMonsanto M1400ムーニー粘度計で測定した。動的機械的解析にはRheometrics ARESを用いた。機械的性質を測定するための試験片は、160℃で35分間硬化した6mmの板又は160℃で25分間硬化した2mmの板から切り出した。
【0085】
炭化水素コアポリスルフィドシラン(その調製法は例1及び2に記載した)は、上述の手順でタイヤトレッド組成物に配合された。例3では、例1で調製した炭化水素コアポリスルフィドシランを用い、例4では、例2で調製した炭化水素コアポリスルフィドシランを用いた。
【0086】
これらの例は、工業的に標準のカップリング剤であり、ビス(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)テトラスルフィド(TESPT)と称される対照試料に対して試験された。その実際の組成は、2〜8個の硫黄原子の連鎖を有する個々の種が有意の寄与を示すポルスルフィド類の混合物である。組成物は標準試験手順を用いて試験された。試験の結果は以下の表1に要約されている。
【0087】
試験方法
1.ムーニースコーチ
ASTM D1646
2.ム−ニー粘度
ASTM D1646
3.振動円板レオメーター(ODR)
ASTM D2084
4.物理的性質:貯蔵弾性係数、損失弾性係数、引張強度及び伸度
ASTM D412及びD224
5.DIN磨耗
DIN Procedure 53516
6.発熱
ASTM D623
発熱は100℃にて圧縮18.5%、負荷143psi、運転25分間で測定する。周囲温度条件にある試料を100℃に予熱しておいたオーブンに入れた。試料は20分間100℃に状態調節し、5分間試験を実施した。
7.%永久歪み
ASTM D623
8.ショアA硬さ
ASTM D2240
【0088】
Figure 0004200002
【0089】
上の表Iは、本発明の炭化水素コアポリスルフィドシラン及び現在の工業的標準である先行技術シランであるTESPTの性能指標を示す。シラン1配合ゴムの低歪みにおける動特性の水準は、総じて実質的にTEPSTの水準より低い。シラン1についてはデルタG'、G''max 及び最大tanデルタの値はそれぞれ0.60、0.22、0.13であるが、一方相応するTEPSTの値はそれぞれ1.00、0.29、0.165 である。この傾向は、それほど顕著ではないがシラン2についても同様である。シラン1及び2において、これらの指標がTEPST に比べて低い値を示すということは、当業者にとっては、明らかにシラン1及び2が、この工業的標準よりも充填剤の分散を良くしていることを意味している。
【0090】
本発明の目的は達成された。本発明の炭化水素コアポリスルフィドシランは、エーテル結合によらずに複数のシリル基を提供し、充填剤を配合した、エラストマー組成物、ゴム組成物及びタイヤ組成物における使用において性能向上をもたらす。これらの炭化水素コアポリスルフィドシランの非共線状構造により、エラストマー組成物中の充填剤の分散性が向上する。本発明の炭化水素コアポリスルフィドシランの使用により、性能が向上した低回転抵抗タイヤが得られる。
【0091】
本発明について特定の好ましい態様と結びつけて具体的に記載してきたが、多くの代替手段、修正及び変形が、これまでの記載を考慮すれば、当業者には明らかなことは明白である。したがって、付属の特許請求の範囲には、このような代替手段、修正及び変形が、本発明の本来の範囲と要旨に含まれることが意図されている。
本発明の説明が終わったので、特許請求の範囲は次のとおりである。

Claims (41)

  1. 下記の式、
    (X123Si−J−Sx−)p−G
    (式中、pは3〜12であり、xは2〜20であり、X1は−Cl、−Br、−OH、−O−N=C(R)2、−OR及びRC(=O)O−からなる群より選択される加水分解性官能基であり、ここでRは1〜20個の炭素原子を有する炭化水素から1個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片であり、X2及びX3はX1、R又はHであり、JはRから1個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片であり、そしてGは1〜30個の炭素原子を有する炭化水素からp個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片である)を有し、上記式中、少なくとも一つの(X 1 2 3 Si−J−S x −)は、炭化水素断片Gの末端部位に位置しないポリスルフィドシラン組成物。
  2. 1、X2及びX3が同じ加水分解性官能基である、請求項1記載のポリスルフィドシラン組成物。
  3. 1、X2及びX3がエトキシである、請求項1記載のポリスルフィドシラン組成物。
  4. 1、X2及びX3がそれぞれ異なる加水分解性官能基である、請求項1記載のポリスルフィドシラン組成物。
  5. pが3〜6である、請求項1記載のポリスルフィドシラン組成物。
  6. xが2〜8である、請求項1記載のポリスルフィドシラン組成物。
  7. Rが直鎖アルキル、アルケニル、アリール及びアラルキル基からなる群より選択される炭化水素基である、請求項1記載のポリスルフィドシラン組成物。
  8. Jがメチレン、エチレン、プロピレン、イソブチレン及びノルボルナンの2,4若しくは2,5位置、2−ノルボルニルエタンのアルファ位置、2−ノルボルニルエタンのベータ位置、2−ノルボルニルエタンの4位置又は2−ノルボルニルエタンの5位置で水素原子を除くことにより得られるジラジカルからなる群より選択される、請求項1記載のポリスルフィドシラン組成物。
  9. pが3であり、Gがグリセリルである、請求項1記載のポリスルフィドシラン組成物。
  10. pが3であり、Gが2−ノルボルニルエタンから3個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片である、請求項1記載のポリスルフィドシラン組成物。
  11. pが3であり、Gがトリメチロールアルカンから3個の水酸基を除くことにより得られる炭化水素断片である、請求項1記載のポリスルフィドシラン組成物。
  12. pが4であり、Gがペンタエリスリチルである、請求項1記載のポリスルフィドシラン組成物。
  13. pが4であり、Gが2−ノルボルニルエタンから4個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片である、請求項1記載のポリスルフィドシラン組成物。
  14. pが4を超え、Gがシクロドデカン、トリエチルシクロヘキサン、2,6−ジメチルオクタン及びスクアランから4個を超える水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片である、請求項1記載のポリスルフィドシラン組成物。
  15. Gが3級アミン官能基を含む、請求項1記載のポリスルフィドシラン組成物。
  16. Gがシアノ官能基を含む、請求項1記載のポリスルフィドシラン組成物。
  17. テトラキス−1,3,4,5−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)オペンタンの一つ以上の異性体を含む、ポリスルフィドシラン組成物。
  18. トリス−1,2,3−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)プロパンの一つ以上の異性体を含む、ポリスルフィドシラン組成物。
  19. 下記の式、
    (X123Si−J−Sx−)p−G
    (式中、pは3〜12であり、xは2〜20であり、X1は−Cl、−Br、−OH、−O−N=C(R)2、−OR又はRC(=O)O−からなる群より選択される加水分解性官能基であり、ここでRは1〜20個の炭素原子を有する炭化水素から1個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片であり、X2及びX3はX1、R又はHであり、JはRから1個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片であり、そしてGは1〜30個の炭素原子を有する炭化水素からp個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片である)を有し、上記式中、少なくとも一つの(X 1 2 3 Si−J−S x −)は、炭化水素断片Gの末端部位に位置しない、炭化水素コアポリスルフィドシランの製造方法であって、
    メルカプタンを用意する工程、
    上記メルカプタンを脱プロトンする工程、
    元素硫黄源を用意する工程、
    上記脱プロトンしたメルカプタンを上記元素硫黄と反応させることにより反応性硫黄アニオンを生成する工程、及び
    上記反応性硫黄アニオンを炭素含有基質とカップリングする工程、
    を含む上記製造方法。
  20. メルカプタンを用意する工程が、式、X123Si−J−SHを有するメルカプタンを用意する工程を含む、請求項19記載の製造方法。
  21. メルカプタンを用意する工程が、3−メルカプト−1−プロピルトリエトキシシラン及び3−メルカプト−1−プロピルメチルジエトキシシランからなる群より選択されるメルカプタンを用意する工程を含む、請求項20記載の製造方法。
  22. メルカプタンを用意する工程が、式、(HSx−)pGを有するメルカプタンを用意する工程を含む、請求項19記載の製造方法。
  23. メルカプタンを用意する工程が、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−ジメルカプトプロパン及び1,2,3−トリメルカプトプロパンからなる群より選択されるメルカプタンを用意する工程を含む、請求項22記載の製造方法。
  24. 上記メルカプタンを脱プロトンする工程が、メルカプタンをブレンステッド塩基によりメルカプタン1モルにつきp当量の該塩基を用いて脱プロトンする工程を含む、請求項19記載の製造方法。
  25. 上記メルカプタンを脱プロトンする工程が、アミン型の塩基によりメルカプタンを脱プロトンする工程を含む、請求項19記載の製造方法。
  26. 上記反応性硫黄アニオンを生成する工程が、炭素含有基質の導入前に十分に完了している、請求項19記載の製造方法。
  27. 下記の式、
    (X123Si−J−Sx−)p−G
    (式中、pは3〜12であり、xは2〜20であり、X1は−Cl、−Br、−OH、−O−N=C(R)2、−OR又はRC(=O)O−からなる群より選択される加水分解性官能基であり、ここでRは1〜20個の炭素原子を有する炭化水素から1個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片であり、X2及びX3はX1、R又は水素であり、JはRから1個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片であり、そしてGは1〜30個の炭素原子を有する炭化水素からp個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片である)を有し、上記式中、少なくとも一つの(X 1 2 3 Si−J−S x −)は、炭化水素断片Gの末端部位に位置しない少なくとも1種の炭化水素コアポリスルフィドシラン、不飽和有機ポリマー及び充填剤を含むエラストマー組成物。
  28. 少なくとも1種の炭化水素コアポリスルフィドシランがテトラキス−1,3,4,5−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)ネオペンタンの一つ以上の異性体である、請求項27記載のエラストマー組成物。
  29. 少なくとも1種の炭化水素コアポリスルフィドシランがトリス−1,2,3−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)プロパンの一つ以上の異性体である、請求項27記載のエラストマー組成物。
  30. 少なくとも1種の炭化水素コアポリスルフィドシランが0.05〜25phrの量で存在する、請求項27記載のエラストマー組成物。
  31. 充填剤が、全充填剤重量に基づいて1〜85重量%カーボンブラックの量で存在し、少なくとも1種の炭化水素コアポリスルフィドシランが全充填剤重量に基づいて0.1〜20重量%の炭化水素コアポリスルフィドシランの量で存在する、請求項27記載のエラストマー組成物。
  32. 下記の式、
    (X123Si−J−Sx−)p−G
    (式中、pは3〜12であり、xは2〜20であり、X1は−Cl、−Br、−OH、−O−N=C(R)2、−OR及びRC(=O)O−からなる群より選択される加水分解性官能基であり、ここでRは1〜20個の炭素原子を有する炭化水素から1個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片であり、X2及びX3はX1、R又はHであり、JはRから1個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片であり、そしてGは1〜30個の炭素原子を有する炭化水素からp個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片である)を有し、上記式中、少なくとも一つの(X 1 2 3 Si−J−S x −)は、炭化水素断片Gの末端部位に位置しない炭化水素コアポリスルフィドシランの少なくとも1種の異性体を用意する工程、
    有機ポリマーを用意する工程、
    充填剤を用意する工程、
    熱機械的に上記有機ポリマー、充填剤及び炭化水素コアポリスルフィドシランを混合しゴム混合物を生成する工程、
    上記ゴム混合物を硬化して、充填剤の分散が向上したゴム組成物を生成する工程、
    を含む、ゴム組成物の製造方法。
  33. 充填剤を用意する工程において、充填剤が炭化水素コアポリスルフィドシランで前処理されている、請求項32記載の製造方法。
  34. 硬化剤を上記ゴム混合物に別の熱機械的混合段階において添加する工程をさらに含む、請求項32記載の製造方法。
  35. 炭化水素コアポリスルフィドシランがテトラキス−1,3,4,5−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)ネオペンタンの一つ以上の異性体である、請求項32記載の製造方法。
  36. 炭化水素コアポリスルフィドシランがトリス−1,2,3−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)プロパンの一つ以上の異性体である、請求項32記載の製造方法。
  37. 鉱物質微粒、及び
    下記の式、
    (X123Si−J−Sx−)p−G
    (式中、pは3〜12であり、xは2〜20であり、X1は−Cl、−Br、−OH、−O−N=C(R)2、−OR又はRC(=O)O−からなる群より選択される加水分解性官能基であり、ここでRは1〜20個の炭素原子を有する炭化水素から1個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片であり、X2及びX3はX1、R又はHであり、JはRから1個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片であり、そして、Gは1〜30個の炭素原子を有する炭化水素からp個の水素原子を除くことにより得られる炭化水素断片である)を有し、上記式中、少なくとも一つの(X 1 2 3 Si−J−S x −)は、炭化水素断片Gの末端部位に位置しない少なくとも1種の炭化水素コアポリスルフィドシラン、を含む、エラストマー組成物中分散用の充填剤。
  38. 鉱物質微粒がケイ酸質微粒である、請求項37記載の充填剤。
  39. カーボンブラックをさらに含む、請求項37記載の充填剤。
  40. 少なくとも1種の炭化水素コアポリスルフィドシランがテトラキス−1,3,4,5−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)ネオペンタンの一つ以上の異性体である、請求項37記載の充填剤。
  41. 少なくとも1種の炭化水素コアポリスルフィドシランがトリス−1,2,3−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)プロパンの一つ以上の異性体である、請求項37記載の充填剤。
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