JP6377476B2 - 有機シラン及びそれを用いたゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な有機シラン、及びそれを用いたゴム組成物、更には空気入りタイヤに関するものである。
一般にゴム組成物には、補強剤としてカーボンブラックやシリカなどの補強性フィラーが配合される。補強性フィラーは、充填量を多くすると、ゴム中での分散不良などの問題が生じやすい。そのため、補強性フィラーとゴムとの双方に反応する種々のシランカップリング剤が用いられている。しかし、従来のシランカップリング剤では、低発熱性と耐摩耗性をバランスよく改良することは難しく、補強性フィラーの分散性の更なる改良が認められる。
特許文献1及び2には、シリカなどの無機充填剤を含むゴム組成物の物理特性と摩耗特性のバランスを改良するために用いる硫黄含有シランカップリング剤として、シラン化コアポリスルフィド化合物が開示されている。また、特許文献3には、シリカ等の白色強化充填剤のためのシランカップリング剤として、多岐構造を持つチオ置換シラン又はそのオリゴマー状加水分解物からなるものが開示されている。また、特許文献4には、ビニルエーテル基を有する化合物でメルカプトシランをブロックしてなるシランカップリング剤が開示されている。しかしながら、これらの有機シランはテルペン骨格を有するものではなく、分子中にモノスルフィド結合を有するとともにテルペン骨格の構造を持つ有機シランは知られていなかった。
特表2010−514766号公報 特表2010−514907号公報 特表2009−509015号公報 特許第4201825号公報
本発明は、新規な有機シランを提供することを目的とする。
本発明に係るゴム組成物は、アルコキシ基、カルボニル基、水酸基、アミノ基及びエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基で変性された変性ジエン系ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対して、シリカ30〜120質量部と、下記一般式(1)で表される化合物又はその混合物である有機シランをシリカ質量に対して2〜20質量%配合してなるものである。
Figure 0006377476
式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基であり、少なくとも1つはアルコキシ基である。Aはピネンミルセンファルネセン又はエレメンの炭素−炭素二重結合にメルカプト基が付加したときのSを除いた構造を持つ炭化水素基であって置換基を有してもよい。nは2〜4の整数であり、mは1〜3の整数である。
発明に係る空気入りタイヤは、該ゴム組成物を用いてなるものである。
本発明に係る有機シランであると、分子中にモノスルフィド結合を持つことにより、ジエン系ゴムとの親和性を高めることができる。また、ピネン骨格、ミルセン骨格、ファルネセン骨格又はエレメン骨格といったテルペン骨格の構造を持つことによりジエン系ゴムとの相溶性を高めることができる。そのため、ジエン系ゴム中でのシリカ等のフィラーの分散性を高めることができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係る有機シランは、上記一般式(1)で表されるシラン化合物又はその混合物であり、分子中にモノスルフィド結合とアルコキシシリル基を有する。
式(1)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基であり、少なくとも1つはアルコキシ基である。アルキル基としては、例えば、メチル基又はエチル基が好ましい。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基又はエトキシ基が好ましい。R1、R2及びR3は、好ましくは2つ以上がアルコキシ基であり、更に好ましくは3つともアルコキシ基である。すなわち、−SiR123で表されるアルコキシシリル基は、アルキルジアルコキシシリル基又はトリアルコキシシリル基であることが好ましく、より好ましくは、トリエトキシシリル基又はトリメトキシシリル基などのトリアルコキシシリル基である。
式(1)において、nは2〜4の整数である。従って、−Cn2n−は、炭素数2〜4のアルキレン基(アルカンジイル基)を示し、具体的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられ、これらは直鎖状でも分岐状であってもよい。
式(1)において、Aは、ピネン骨格を有する基、ミルセン骨格を有する基、ファルネセン骨格を有する基、又はエレメン骨格を有する基である。これらはテルペン骨格を持つ点で共通するものであり、ジエン系ゴムとの相溶性向上に寄与する。後述するように、本実施形態の有機シランは、これらのテルペン類の炭素−炭素二重結合とメルカプトシランのメルカプト基とのエン−チオール反応により合成することができるので、Aは、ピネン、ミルセン、ファルネセン又はエレメンの炭素−炭素二重結合にメルカプト基が付加したときのSを除いた構造を持つ炭化水素基であり、アルキル基などの置換基を有するものでもよい。
ピネン骨格を有する基としては、β−ピネン骨格を有する基が好ましく、具体的には下記式(2)で表される1価の基が好ましい。
Figure 0006377476
式(2)中、丸印を付した部位が式(1)中のSとの結合部位である(下記式(3-1)〜(3-3)、式(4-1)〜(4-3)及び式(5-1)〜(5-7)において同じ。)。そのため、この場合、式(1)中のmは1であり、有機シランは下記一般式(1-2)で表される(式(1-2)中のR1、R2、R3及びnは、式(1)と同じである。)。
Figure 0006377476
ミルセン骨格を有する基としては、α−ミルセン骨格を有する基でもよく、β−ミルセン骨格を有する基でもよい。好ましくは、下記式(3-1)〜(3-3)で表される基から選択される少なくとも1種である、β−ミルセン骨格を有する1価又は2価の基である。
Figure 0006377476
そのため、この場合、式(1)中のmは1又は2であり、有機シランは下記一般式(1-3-1)〜(1-3-3)で表されるいずれか1種又は2種以上の混合物である(式(1-3-1)〜(1-3-3)中のR1、R2、R3及びnは、式(1)と同じである。)。
Figure 0006377476
ファルネセン骨格を有する基としては、α−ファルネセン骨格を有する基でもよく、β−ファルネセン骨格を有する基でもよい。好ましくは、下記式(4-1)〜(4-3)で表される基から選択される少なくとも1種である、β−ファルネセン骨格を有する1価又は2価の基である。
Figure 0006377476
そのため、この場合、β−ミルセン骨格を有する場合と同様、式(1)中のmは1又は2であり、有機シランはこれら式(4-1)〜(4-3)のいずれか1種のβ−ファルネセン骨格を有する化合物又はこれら化合物の2種以上の混合物である。
エレメン骨格を有する基としては、α−エレメン骨格を有する基でもよく、β−エレメン骨格を有する基でもよい。好ましくは、下記式(5-1)〜(5-7)で表される基から選択される少なくとも1種である、β−エレメン骨格を有する1価、2価又は3価の基である。
Figure 0006377476
そのため、この場合、式(1)中のmは1〜3のいずれかであり、有機シランはこれら式(5-1)〜(5-7)のいずれか1種のβ−エレメン骨格を有する化合物又はこれら化合物の2種以上の混合物である。
本実施形態に係る有機シランは、上記ピネン骨格、ミルセン骨格、ファルネセン骨格又はエレメン骨格のいずれか1種のみを有する化合物又は混合物(例えば、上記式(1-3-1)と(1-3-2)の混合物)でもよく、また、異種のテルペン骨格を有するものを2種以上組み合わせた混合物であってもよい。
本実施形態に係る有機シランは、好ましくはエン−チオール反応により合成することができる。詳細には、下記一般式(6)で表される化合物(式中のR1、R2、R3及びnは、上記式(1)と同じ。)と、ピネン、ミルセン、ファルネセン及びエレメンから選択される少なくとも1種とを、反応させることにより合成することができる。
Figure 0006377476
式(6)の化合物はメルカプト基を有するチオール化合物であり、ピネン、ミルセン、ファルネセン又はエレメンの炭素−炭素二重結合(C=C)に対し、式(6)のメルカプト基を、エン−チオール反応させることにより結合させる。エン−チオール反応とは、チオール基と炭素−炭素二重結合とが1対1で付加する反応である。すなわち、チオールに光照射するか又はラジカル発生剤を加えると、容易にチイルラジカルが発生し、炭素−炭素二重結合に付加する。生成した炭素ラジカルがチオール基から水素を引き抜くことで1対1付加体が生成する。水素を引き抜かれたラジカルはチイルラジカルとなるので、反応は連鎖的に進行する。このようにエン−チオール反応を用いることにより、簡単かつ高収率にて、実施形態の有機シランを製造することができる。エン−チオール反応は、ミルセンやファルネセン、エレメンの複数の二重結合のうち、末端の二重結合(−CH=CH2)での反応性が高いので、上記式(3-1)〜(3-3)、式(4-1)〜(4-2)及び式(5-1)〜(5-7)で表される基が形成される。
式(6)の化合物としては、公知の種々のメルカプトシランカップリング剤を用いることができ、具体例としては、(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン、(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン、(3−メルカプトプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−メルカプトプロピル)ジメチルメトキシシラン、又は、メルカプトエチルトリエトキシシランなどが挙げられる。
エン−チオール反応に際しては、ラジカル発生剤を反応触媒として用いることが好ましい。紫外線(UV)を照射することによるラジカル反応でもよい。ラジカル発生剤としては、アゾ化合物、有機過酸化物などが挙げられ、熱によりラジカルが発生するものや光照射によりラジカルが発生するものが含まれる。アゾ化合物の例としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ABCN)などが挙げられる。有機過酸化物の例としては、ジ−tert−ブチルペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンペルオキシドなどが挙げられる。
エン−チオール反応は、より詳細には、式(6)で表される化合物と、ピネン、ミルセン、ファルネセン及びエレメンの何れか少なくとも1種と、ラジカル発生剤を、トルエンなどの有機溶剤とともに混合し、ラジカルが発生する条件に保持することにより行うことができる。特に限定するものではないが、反応温度は50〜120℃であることが好ましい。
本実施形態に係る有機シランは、無機材料と有機材料を結合させるカップリング剤として用いることができる。該有機シランは、モノスルフィド結合(−C−S−C−)を分子内に有しており、この部分が熱により開裂してジエン系ゴムと反応するか、又は少なくともモノスルフィド結合を有することでジエン系ゴムとの親和性が向上するものと考えられる。また、該有機シランは、ピネン骨格、ミルセン骨格、ファルネセン骨格又はエレメン骨格を持つことによりジエン系ゴムとの相溶性が高い。更に、該有機シランは、アルコキシシリル基を分子内に有しており、この部分がシリカなどの無機フィラーと反応することができる。そのため、ジエン系ゴムと無機フィラーを結合させることができるので、ゴム組成物においてシランカップリング剤として用いることにより、無機フィラーの分散性を向上させて、ゴム組成物の特性を改良することができる。また、モノスルフィド結合を持つものであるため、スコーチが生じにくく、耐スコーチ性能を向上することもできる。
本実施形態に係るゴム組成物は、ゴム成分であるジエン系ゴムに対し、補強性フィラーとしてのシリカとともに、上記有機シランを配合してなるものである。
上記ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、合成イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム等が挙げられ、これらはいずれか1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、NR、BR及びSBRからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。
また、これらのジエン系ゴムとしては、主鎖中又は末端が変性された変性ジエン系ゴムであってもよく、例えば、NR、IR、BR、SBRの主鎖中又は末端が、アルコキシ基、カルボニル基、水酸基、アミノ基及びエポキシ基などの少なくとも1種の官能基(シリカのシラノール基と相互作用のある官能基)で変性されていてもよい。かかる変性ジエン系ゴムの含有量は、特に限定されず、例えば、ジエン系ゴム中に占める割合が10質量%以上でもよく、また30質量%以上でもよく、ゴム成分を変性ジエン系ゴムのみで構成してもよい。
上記補強性フィラーとしてのシリカとしては、特に限定されないが、湿式シリカ(含水ケイ酸)が好ましい。シリカのコロイダル特性も、特に限定されないが、BET法による窒素吸着比表面積(BET)が150〜250m2/gであるものが好ましく用いられ、より好ましくは180〜230m2/gである。なお、シリカのBETはISO 5794に記載のBET法に準拠し測定される。
シリカの配合量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、30〜120質量部であることが好ましく、より好ましくは40〜100質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物において、フィラーとしては、上記シリカの他、カーボンブラック、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、クレー、又は、タルクなどの各種無機フィラーを併用してもよい。これらは2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、シリカと併用するフィラーとしてはカーボンブラックが好ましい。なお、シリカを含む無機フィラーの総配合量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、30〜180質量部であることが好ましく、より好ましくは40〜150質量部であり、更に好ましくは50〜120質量部である。他の無機フィラーを併用する場合、シリカを主成分とすること、すなわち、無機フィラーの50質量%以上がシリカであることが好ましい。
上記有機シランの配合量は、シリカ質量に対して2〜20質量%であることが好ましい。すなわち、該有機シランの配合量は、シリカ100質量部に対して2〜20質量部である。このような配合量とすることにより、その添加効果を十分に発揮することができる。有機シランの配合量は、より好ましくは、シリカ質量の5〜15質量%である。
本実施形態に係るゴム組成物において、シランカップリング剤としては、上記式(1)で表される有機シランのみでもよいが、これとともに他のシランカップリング剤を併用してもよい。他のシランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエキトシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィドなどのスルフィドシランカップリング剤; (3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン、(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン、(3−メルカプトプロピル)メチルジメトキシシラン、メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプトシランカップリング剤; 3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−プロピオニルチオプロピルトリメトキシシランなどの保護化メルカプトシランカップリング剤などが挙げられ、これらは2種以上を組合せて用いてもよい。このように他のシランカップリング剤を併用する場合、シランカップリング剤の総配合量は、シリカ質量の3〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜15質量%である。なお、他のシランカップリング剤を併用する場合、上記式(1)の有機シランを主成分とすること、すなわち、シランカップリング剤の50質量%以上が該有機シランであることが好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記の各成分の他に、オイル、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。上記加硫剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などの硫黄成分が挙げられ、特に限定するものではないが、その配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
実施形態に係るゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練し作製することができる。すなわち、第一混合段階で、ゴム成分に対し、フィラーとともに、加硫剤及び加硫促進剤を除く他の添加剤を添加混合し、次いで、得られた混合物に、最終混合段階で加硫剤及び加硫促進剤を添加混合してゴム組成物を調製することができる。
このようにして得られたゴム組成物は、タイヤ用、防振ゴム用、コンベアベルト用などの各種ゴム部材に用いることができる。好ましくは、タイヤ用として用いることであり、乗用車用、トラックやバスの大型タイヤなど各種用途、サイズの空気入りタイヤのトレッド部、サイドウォール部、ビード部、タイヤコード被覆用ゴムなどタイヤの各部位に適用することができる。すなわち、該ゴム組成物は、常法に従い、例えば、押出加工によって所定の形状に成形され、他の部品と組み合わせた後、例えば140〜180℃で加硫成形することにより、空気入りタイヤを製造することができる。これらの中でも、タイヤのトレッド用配合として用いることが特に好ましい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例1〜6及び10は参考例である。
<有機シランの合成>
[合成例1]
β-ピネン(東京化成工業(株)製)50g、(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン(東京化成工業(株)製)83.1g、2,2’−アゾビス(イソブチルニトリル)(和光純薬工業(株)製)3.50gおよびトルエン100mLをナスフラスコ内で混合し、窒素ガスで30分間バブリングした後、60℃で3時間反応させた。その後、反応溶液を濃縮し、122gの無色透明の液体が得られた(収率:92質量%)。下記NMRの結果から、生成物が下記式(10)で表される化合物(有機シラン1)であることを同定した。
Figure 0006377476
1H NMR (400MHz CDCl3, δ in ppm):
1.21 (t, 9H, -Si-(O-CH2-CH 3 3), 3.83 (q, 6H, -Si-(O-CH 2 -CH33), 0.56 (t, 2H, -CH 2 -Si-(O-CH2-CH33), 1.62 (m, 2H, -S-CH2-CH 2 -CH2-Si-), 2.60 (t, 2H, -S-CH 2 -CH2-CH2-Si-), 2.23-2.48 (m, 2H, -CH 2 -S-), 1.68 (m, 1H, cyclohexane CH), 1.38-1.63 (m, 2H, cyclohexane CH 2 ), 1.45-1.55 (m, 2H, cyclohexane CH 2 ), 1.20-1.45 (m, 2H, cyclohexane CH 2 ), 3.71 (m, 1H, cyclohexane CH), 3.81 (m, 1H, cyclohexane CH), 0.89 (s, 6H, methyl -(CH 3 )2).
13C NMR (400MHz CDCl3, δ in ppm):
18.4 (-Si-(O-CH2-CH33), 58.4 (-Si-(O-CH2-CH33), 15.6 (-CH2-Si-(O-CH2-CH33), 16.8 (-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 36.7 (-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 39.1 (-CH2-S-), 41.1 (cyclohexane CH),30.6 (cyclohexane CH2), 27.9 (cyclohexane CH2), 29.3 (cyclohexane CH2), 41.0 (cyclohexane CH), 48.7 (cyclohexane CH), 38.4 (cyclohexane C), 25.1 (methyl -(CH3)2).
[合成例2]
β-ミルセン(東京化成工業(株)製)50g、(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン(東京化成工業(株)製)87.5g、2,2’−アゾビス(イソブチルニトリル)(和光純薬工業(株)製)1.75gおよびトルエン100mLをナスフラスコ内で混合し、窒素ガスで30分間バブリングした後、60℃で3時間反応させた。その後、反応溶液を濃縮し、131gの淡黄色の液体が得られた(収率:95質量%)。下記NMRの結果から、生成物が下記式(11)で表される化合物と下記式(12)で表される化合物との混合物(有機シラン2)であることを同定した。
Figure 0006377476
有機シラン2-(11)
1H NMR (400MHz CDCl3, δ in ppm):
1.21 (t, 9H, -Si-(O-CH2-CH 3 3), 3.83 (q, 6H, -Si-(O-CH 2 -CH33), 0.56 (t, 2H, -CH 2 -Si-(O-CH2-CH33), 1.62 (m, 2H, -S-CH2-CH 2 -CH2-Si-), 2.42 (m, 2H, -S-CH 2 -CH2-CH2-Si-), 2.48 (m, 2H, -CH2-CH 2 -S-), 2.33 (m, 2H, -CH 2 -CH2-S-), 4.82 (s, 1H, 1-ethylene H), 4.57 (s, 1H, 1-ethylene H), 2.00 (s, 2H, -CH 2 -CH2-), 2.00 (s, 2H, -CH2-CH 2-), 5.20 (s, 1H, 1-ethylene H), 1.70 (m, 3H, methyl -CH 3 ), 1.82 (m, 3H, methyl -CH 3 ).
13C NMR (400MHz CDCl3, δ in ppm):
18.4 (-Si-(O-CH2-CH33), 58.4 (-Si-(O-CH2-CH33), 15.6 (-CH2-Si-(O-CH2-CH33), 16.8 (-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 36.5 (-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 31.3 (-CH2-CH2-S-), 40.3 (-CH2-CH2-S-), 148.6 (1-ethylene C=CH2), 109.2 (1-ethylene C=CH2), 27.7 (-CH2-CH2-), 26.4 (-CH2-CH2-), 123.5 (1-ethylene CH=C), 132.0 (1-ethylene CH=C), 18.6(methyl -CH3), 24.6(methyl -CH3).
有機シラン2-(12)
1H NMR (400MHz CDCl3, δ in ppm):
1.21 (t, 9H, -Si-(O-CH2-CH 3 3), 3.83 (q, 6H, -Si-(O-CH 2 -CH33), 0.56 (t, 2H, -CH 2 -Si-(O-CH2-CH33), 1.62 (m, 2H, -S-CH2-CH 2 -CH2-Si-), 2.60 (m, 2H, -S-CH 2 -CH2-CH2-Si-), 2.29-2.54 (m, 2H, CH-CH 2 -S-), 2.35 (m, 1H, CH-CH2-S-), 5.70 (m, 1H, 1-ethylene H), 5.03 (s, 1H, 1-ethylene H), 5.07 (s, 1H, 1-ethylene H), 1.31 (m, 2H, -CH2-CH 2 -), 1.94 (m, 2H, -CH 2 -CH2-), 5.20 (s, 1H, 1-ethylene H), 1.70 (m, 3H, methyl -CH 3 ), 1.82 (m, 3H, methyl -CH 3 ).
13C NMR (400MHz CDCl3, δ in ppm):
18.4 (-Si-(O-CH2-CH33), 58.4 (-Si-(O-CH2-CH33), 15.6 (-CH2-Si-(O-CH2-CH33), 16.8 (-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 36.8 (-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 36.5 (CH-CH2-S-), 40.8 (CH-CH2-S-), 138.9 (1-ethylene CH=CH2), 114.5 (1-ethylene CH=CH2), 33.9 (-CH2-CH2-), 26.0 (-CH2-CH2-), 124.7 (1-ethylene CH=C), 131.3 (1-ethylene CH=C), 18.6(methyl -CH3), 24.6(methyl -CH3).
[合成例3]
β-ミルセン(東京化成工業(株)製)50g、(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン(東京化成工業(株)製)175.0g、2,2’−アゾビス(イソブチルニトリル)(和光純薬工業(株)製)3.50gおよびトルエン200mLをナスフラスコ内で混合し、窒素ガスで30分間バブリングした後、60℃で3時間反応させた。その後、反応溶液を濃縮し、203gの淡黄色の液体が得られた(収率:90質量%)。下記NMRの結果から、生成物が下記式(13)で表される化合物(有機シラン3)であることを同定した。
Figure 0006377476
1H NMR (400MHz CDCl3, δ in ppm):
1.21 (t, 18H, (-Si-(O-CH2-CH 3 3)2), 3.83 (q, 12H, (-Si-(O-CH 2 -CH33)2), 0.56 (t, 2H, -CH 2 -Si-(O-CH2-CH33), 1.62 (m, 2H, -S-CH2-CH 2 -CH2-Si-), 2.60 (m, 2H, -S-CH 2 -CH2-CH2-Si-),2.23-2.48 (m, 2H, CH-CH 2 -S-), 0.56 (t, 2H, -CH 2 -Si-(O-CH2-CH33), 1.62 (m, 2H, -S-CH2-CH 2 -CH2-Si-), 2.42 (m, 2H, -S-CH 2 -CH2-CH2-Si-), 2.60 (m, 2H, CH-CH2-CH 2 -S-), 1.58 (m, 2H, CH-CH 2-CH2-S-), 1.57 (m, 1H, CH-CH2-CH2-S-), 1.53 (m, 2H, -CH2-CH 2-CH) , 1.94 (m, 2H, -CH 2-CH2-CH), 5.20 (m, 1H, 1-ethylene H), 1.70 (m, 3H, methyl -CH 3 ) , 1.82 (m, 3H, methyl -CH 3 )
13C NMR (400MHz CDCl3, δ in ppm):
18.4 ((-Si-(O-CH2-CH33)2, 58.4 ((-Si-(O-CH2-CH33)2, 15.6 (-CH2-Si-(O-CH2-CH33), 16.8 (-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 36.7 (-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 40.7 (CH-CH2-S-), 15.6 (-CH2-Si-(O-CH2-CH33), 16.8 (-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 36.4 (-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 30.3 (CH-CH2-CH2-S-), 31.3 (CH-CH2-CH2-S-), 36.5 (CH-CH2-CH2-S-), 34.0 (-CH2-CH2-CH), 24.0 (-CH2-CH2-CH), 124.7 (1-ethylene CH=C), 131.3 (1-ethylene CH=C), 18.6(methyl -CH3), 24.6(methyl -CH3).
[合成例4]
β-ファルネセン(Sigma-Aldrich製)50g、(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン(東京化成工業(株)製)116.7g、2,2’−アゾビス(イソブチルニトリル)(和光純薬工業(株)製)2.33gおよびトルエン200mLをナスフラスコ内で混合し、窒素ガスで30分間バブリングした後、60℃で3時間反応させた。その後、反応溶液を濃縮し、151gの淡黄色の液体が得られた(収率:91質量%)。下記NMRの結果から、生成物が下記式(14)で表される化合物(有機シラン4)であることを同定した。
Figure 0006377476
1H NMR (400MHz CDCl3, δ in ppm):
1.21 (t, 18H, (-Si-(O-CH2-CH 3 3)2), 3.83 (q, 12H, (-Si-(O-CH 2 -CH33)2), 0.56 (t, 2H, -CH 2 -Si-(O-CH2-CH33), 1.62 (m, 2H, -S-CH2-CH 2 -CH2-Si-), 2.60 (m, 2H, -S-CH 2 -CH2-CH2-Si-),2.23-2.48 (m, 2H, CH-CH 2 -S-), 0.56 (t, 2H, -CH 2 -Si-(O-CH2-CH33), 1.62 (m, 2H, -S-CH2-CH 2 -CH2-Si-), 2.42 (m, 2H, -S-CH 2 -CH2-CH2-Si-), 2.60 (m, 2H, CH-CH2-CH 2 -S-), 1.58 (m, 2H, CH-CH 2-CH2-S-), 1.57 (m, 1H, CH-CH2-CH2-S-), 1.53 (m, 2H, -CH2-CH 2-CH), 1.94 (m, 2H, -CH 2-CH2-CH), 5.20 (m, 1H, 1-ethylene H), 1.79 (m, 3H, methyl -CH 3 ), 2.00 (s, 2H, -CH2-CH 2-C=), 2.00 (s, 2H, -CH 2-CH2-C=), 5.20 (m, 1H, 1-ethylene H), 1.70 (m, 3H, methyl -CH 3 ), 1.82 (m, 3H, methyl -CH 3 )
13C NMR (400MHz CDCl3, δ in ppm):
18.4 ((-Si-(O-CH2-CH33)2, 58.4 ((-Si-(O-CH2-CH33)2, 15.6 (-CH2-Si-(O-CH2-CH33), 16.8 (-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 36.7 (-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 40.7 (CH-CH2-S-), 15.6 (-CH2-Si-(O-CH2-CH33), 16.8 (-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 36.4 (-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 30.3 (CH-CH2-CH2-S-), 31.3 (CH-CH2-CH2-S-), 36.5 (CH-CH2-CH2-S-), 34.0 (-CH2-CH2-CH), 24.0 (-CH2-CH2-CH), 124.7 (1-ethylene CH=C), 135.0 (1-ethylene CH=C), 16.4(methyl -CH3), 39.7 (-CH2-CH2-C=), 26.4 (-CH2-CH2-C=), 123.5 (1-ethylene CH=C), 132.0 (1-ethylene CH=C), 18.6(methyl -CH3), 24.6(methyl -CH3).
[合成例5]
β-エレメン(Sigma-Aldrich製)10g、(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン(東京化成工業(株)製)35.0g、2,2’−アゾビス(イソブチルニトリル)(和光純薬工業(株)製)0.70gおよびトルエン200mLをナスフラスコ内で混合し、窒素ガスで30分間バブリングした後、60℃で3時間反応させた。その後、反応溶液を濃縮し、39.6gの無色透明の液体が得られた(収率:88質量%)。下記NMRの結果から、生成物が下記式(15)で表される化合物(有機シラン5)であることを同定した。
Figure 0006377476
1H NMR (400MHz CDCl3, δ in ppm):
1.21 (t, 27H, (-S-CH2-CH2-CH2-Si-(O-CH2-CH 3 3)3), 3.83 (q, 18H, (-S-CH2-CH2-CH2-Si-(O-CH 2 -CH33)3), 0.56 (t, 6H, (-S-CH2-CH2-CH 2 -Si-(O-CH2-CH33)3), 1.62 (m, 6H, (-S-CH2-CH 2 -CH2-Si-(O-CH2-CH33)3), 2.42-2.60 (m, 6H, (-S-CH 2 -CH2-CH2-Si-(O-CH2-CH33)3), 2.60 (m, 2H, -CH2-CH 2 -S-), 1.52 (m, 2H, -CH 2 -CH2-S-), 0.70 (m, 3H, methyl -CH 3 ), 2.23-2.48 (m, 2H, -CH-CH 2 -S-), 1.67 (m, 1H, -CH-CH2-S-), 0.93 (m, 3H, methyl -CH 3 ), 2.23-2.48 (m, 2H, -CH-CH 2 -S-), 1.67 (m, 1H, -CH-CH2-S-), 0.93 (m, 3H, methyl -CH 3 ), 1.31-1.56 (m, 2H, cyclohexane CH 2 ), 1.38-1.63 (m, 2H, cyclohexane CH 2 ), 1.20-1.45 (m, 2H, cyclohexane CH 2 ), 1.04 (m, 1H, cyclohexane CH), 1.24 (m, 1H, cyclohexane CH)
13C NMR (400MHz CDCl3, δ in ppm):
18.4 (((-Si-(O-CH2-CH33)3), 58.4 (((-Si-(O-CH2-CH33)3), 15.6 ((-S-CH2-CH2-CH2-Si-(O-CH2-CH33)3), 16.8 ((-S-CH2-CH2-CH2-Si-(O-CH2-CH33)3), 36.7 ((-S-CH2-CH2-CH2-Si-(O-CH2-CH33)3), 28.8 (CH2-CH2-S-), 40.7 (CH2-CH2-S-), 19.9 (methyl -CH3), 41.9 (CH-CH2-S-), 31.7 (CH-CH2-S-), 15.5 (methyl -CH3), 41.3 (CH-CH2-S-), 36.4 (CH-CH2-S-), 14.9 (methyl -CH3), 34.0 (cyclohexane C), 40.4 (cyclohexane CH2), 23.5 (cyclohexane CH2), 39.9 (cyclohexane CH), 25.4 (cyclohexane CH2), 53.3 (cyclohexane CH).
<ゴム組成物の評価>
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従って、まず、第一混合段階で、ジエン系ゴム成分に対し硫黄及び加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し混練し(排出温度=160℃)、次いで、得られた混練物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し混練して(排出温度=90℃)、ゴム組成物を調製した。表1中の各成分の詳細は、以下の通りである。
・未変性SBR:ランクセス株式会社製「VSL5025−0HM」
・変性SBR:アミノ基及びアルコキシ基末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム、JSR株式会社製「HPR350」
・BR:宇部興産株式会社製「BR150B」
・シランカップリング剤:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、エボニック・デグサ社製「Si69」
・有機シラン1〜5:合成例1〜5で合成したもの
・シリカ:東ソー・シリカ株式会社製「ニップシールAQ」(BET=205m2/g)
・カーボンブラック:三菱化学株式会社製「ダイアブラックN341」
・オイル:昭和シェル石油株式会社製「エキストラクト4号S」
・亜鉛華:三井金属鉱業株式会社製「亜鉛華1号」
・老化防止剤:住友化学株式会社製「アンチゲン6C」
・ステアリン酸:花王株式会社製「ルナックS−20」
・ワックス:日本精鑞株式会社製「OZOACE0355」
・硫黄:鶴見化学工業株式会社製「5%油入微粉末硫黄」
・加硫促進剤:住友化学株式会社製「ソクシノールCZ」
得られた各ゴム組成物について、160℃×20分で加硫して所定形状の試験片を作製し、低発熱性と耐摩耗性を評価した。各評価方法は以下の通りである。
・低発熱性:東洋精機株式会社製の粘弾性試験機を用いて、初期歪み10%、動的歪み1%、周波数10Hz、温度60℃の条件下で損失係数tanδを測定し、比較例2の値を100とした指数で示した。指数が小さいほどtanδが小さく、従って発熱しにくく、タイヤとしての低燃費性能に優れることを示す。
・耐摩耗性:JIS K6264に準拠し、岩本製作所(株)製のランボーン摩耗試験機を用いて、荷重40N、スリップ率30%の条件で摩耗減量を測定し、摩耗減量の逆数について比較例1の値を100とした指数で示した。指数が大きいほど、摩耗減量が少なく、耐摩耗性に優れることを示す。
Figure 0006377476
結果は、表1に示す通りである。実施例1〜5に示すように、シランカップリング剤として合成例1〜5に係る有機シラン1〜5を配合した場合、汎用のスルフィドシランカップリング剤を配合した比較例2に対して、低発熱性と耐摩耗性が顕著に改善された。また、実施例6に示すように、汎用のシランカップリング剤と有機シラン1を併用した場合にも、低発熱性と耐摩耗性が顕著に改善された。実施例10に示すように、シリカとカーボンブラックを同量で併用した場合でも、低発熱性と耐摩耗性に優れていた。
比較例3に示すように、汎用のシランカップリング剤において、ジエン系ゴムとして変性SBRを用いた場合、低発熱性は改善されたものの、耐摩耗性が低下していた。これに対し、実施例7〜9に示すように、実施形態に係る有機シランを用いた場合、変性SBRと組み合わせることにより、対応する実施例1,2,4に比べて低発熱性の更なる改善効果がみられ、また、比較例3に対して耐摩耗性の悪化を抑えることができた。

Claims (3)

  1. アルコキシ基、カルボニル基、水酸基、アミノ基及びエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基で変性された変性ジエン系ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対して、
    シリカ30〜120質量部と、
    下記一般式(1)で表される化合物又はその混合物である有機シランをシリカ質量に対して2〜20質量%
    配合してなるゴム組成物
    Figure 0006377476
    (式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基であり、少なくとも1つはアルコキシ基である。Aはピネンミルセンファルネセン又はエレメンの炭素−炭素二重結合にメルカプト基が付加したときのSを除いた構造を持つ炭化水素基であって置換基を有してもよい。nは2〜4の整数であり、mは1〜3の整数である。)。
  2. 前記Aが、下記式(2)で表される基下記式(3-1)〜(3-3)で表される基から選択されるいずれか下記式(4-1)〜(4-3)で表される基から選択されるいずれか、又は、下記式(5-1)〜(5-7)で表される基から選択されるいずれかである請求項1記載のゴム組成物
    Figure 0006377476
    Figure 0006377476
    Figure 0006377476
    Figure 0006377476
    (式(2)、式(3-1)〜(3-3)、式(4-1)〜(4-3)及び式(5-1)〜(5-7)中、丸印を付した部位が式(1)中のSとの結合部位である。)
  3. 請求項1又は2に記載のゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤ。
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