JP6047435B2 - 有機シラン及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、新規な有機シラン、及びその製造方法に関するものである。
一般にエラストマー組成物には、補強剤としてカーボンブラックやシリカなどの補強性フィラーが配合される。補強性フィラーは、充填量を多くすると、エラストマー中での分散不良などの問題が生じやすい。そこで、エラストマーと無機フィラーの双方に対して反応性又は相互作用を有する種々のシランカップリング剤が用いられている。
例えば、従来、ジエン系ポリマーと反応するシランカップリング剤として、ポリスルフィドシラン、メルカプトシラン、メルカプト基をカルボン酸でブロックしてなる保護化メルカプトシランなどが用いられている。これらはいずれも熱および塩基性条件下で反応するとされている。一方、モノスルフィド結合(−C−S−C−)を持つ有機シランは、熱的にも比較的安定であるため、一般にジエン系ポリマーと直接反応させるのは難しい。
特許文献1〜3には、シラン化環状コアポリスルフィド化合物またはシリル化コアポリスルフィド化合物の製造方法、及びそれを用いたエラストマー組成物が開示されている。しかしながら、これらに開示された有機シランは、複数のポリスルフィド基を有するものであり、モノスルフィド結合を持つ有機シランを開示したものではない。
一方、特許文献4には、ゴム配合中にエーテルアルコールを放出するエーテルアルコキシ硫黄シランが開示されており、該シランは、ポリスルフィドシランカップリング剤やメルカプトシランカップリング剤を、エーテルアルコールによってエステル交換することにより調製されている。また、特許文献5には、ビニルエーテル基を有する化合物でメルカプトシランをブロックしてなるシランカップリング剤が開示されている。
特表2010−514766号公報 特表2010−514765号公報 特表2010−514907号公報 特表2006−523259号公報 国際公開第2007/132909号
本発明は、モノスルフィド結合を持つ新規な有機シランを提供することを目的とする。
本発明に係る有機シランは、下記一般式(1)及び/又は(2)で表されるものである。
Figure 0006047435
式中、X、X及びXはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。A及びAは、いずれか一方が−C2x−SiRであり、他方が−C−Z又は−C(=O)−Rである。R、R及びRはそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ基であり、少なくとも1つはアルコキシ基である。xは2〜4の整数である。mは1〜22の整数であり、nは2〜44の整数である。Zはメルカプト基、カルボキシル基、水酸基又はアミノ基である。Rは炭素数1〜18の脂肪族又は芳香族炭化水素基である。−S−Aはシクロヘキシル基の3位又は4位の炭素原子に結合しており、3位に結合したものと4位に結合したものの混合物であってもよい。
本発明に係る有機シランの製造方法は、下記一般式(3)で表される化合物と、下記一般式(4)で表される化合物及び下記一般式(5)又は(6)で表される化合物と、を反応させるものである。
Figure 0006047435
式中、X、X及びXはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。R、R及びRはそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ基であり、少なくとも1つはアルコキシ基である。xは2〜4の整数である。mは1〜22の整数であり、nは2〜44の整数である。Zはメルカプト基、カルボキシル基、水酸基又はアミノ基である。Rは炭素数1〜18の脂肪族又は芳香族炭化水素基である。
本発明に係る有機シランは、モノスルフィド結合を持つものでありながら、ジエン系ポリマー等のポリマーと反応又は相互作用することができ、ポリマーと無機フィラー等の無機材料とを結合させることができる。
本発明に係る有機シランの製造方法であると、C=Cとメルカプト基とのエン−チオール反応を用いたことにより、簡単に高収率に有機シランを製造することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係る有機シランは、下記式(1)及び/又は(2)で表されるシラン化合物である。すなわち、該有機シラン化合物は、式(1)で表される化合物、式(2)で表される化合物、又は式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物との混合物であってもよい。
Figure 0006047435
これら式(1)及び(2)において、X、X及びXは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、好ましくは、水素原子、メチル基、又はエチル基であり、更に好ましくは水素原子又はメチル基である。一実施形態において、後述するエン−チオール反応における反応の順番を制御するという観点から、Xは水素原子であることが好ましい。
式(1)及び(2)において、A及びAは、いずれか一方が−C2x−SiRであり、他方が−C−Z又は−C(=O)−Rである。なお、後述するエン−チオール反応において、−S−Aよりも−S−Aの方が生成されやすいことに鑑みると、Aが−C2x−SiRであり、Aが−C−Z又は−C(=O)−Rであることが、無機フィラーとの結合部位を、より確実に組み込むことができる上で好ましいが、特に限定するものではない。
上記R、R及びRは、それぞれ、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ基であり、少なくとも1つはアルコキシ基である。アルキル基としては、例えば、メチル基又はエチル基が好ましい。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基又はエトキシ基が好ましい。R、R及びRは、好ましくは2つ以上がアルコキシ基であり、更に好ましくは3つともアルコキシ基である。すなわち、−SiRで表されるアルコキシシリル基は、アルキルジアルコキシシリル基又はトリアルコキシシリル基であることが好ましく、より好ましくは、トリエトキシシリル基又はトリメトキシシリル基などのトリアルコキシシリル基である。
上記xは2〜4の整数である。従って、−C2x−は、炭素数2〜4のアルキレン基(アルカンジイル基)を示し、具体的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられ、これらは直鎖状でも分岐状であってもよい。
上記Zは、メルカプト基(−SH)、カルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)又はアミノ基から選ばれる官能基である。このような官能基を持つ−C−Zを組み込むことにより、シリカ等の無機フィラー又はジエン系ポリマー等のエラストマーに対する反応性又は親和性を高めることができ、エラストマー組成物の特性を更に改良することができる。上記アミノ基としては、1級アミノ基(−NH)だけでなく、2級もしくは3級アミノ基(−NHR,−NRR’。ここで、R、R’はアルキル基であり、好ましくはそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基。)でもよい。
上記mは1〜22の整数であり、nは2〜44の整数である。従って、−C−は炭素数1〜22の二価の炭化水素基であり、直鎖状でも分岐状でもよく、飽和でも不飽和でもよく、また不飽和の場合、二重結合の位置及び数は特に限定されない。−C−は、好ましくは、炭素数1〜18のアルキレン基であり、より好ましくは炭素数1〜12のアルキレン基であり、より好ましくは炭素数1〜8のアルキレン基である。
上記Rは、炭素数1〜18の脂肪族又は芳香族炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又はアリール基である。有機シランに、−S−C(=O)−Rが組み込まれた場合、その硫黄原子とカルボニル基との結合が熱により切れやすいことから、ジエン系ゴムポリマーなどのエラストマーとの反応性を向上することができる。
式(1)及び(2)において、−S−Aはシクロヘキシル基の3位又は4位の炭素原子に結合しており、3位に結合したものと4位に結合したものの混合物であってもよい。すなわち、実施形態に係る有機シランは、式(1)において、3位に結合したものであってもよく、4位に結合したものであってもよく、両者の混合物であってもよく、また、式(2)において、3位に結合したものであってもよく、4位に結合したものであってもよく、両者の混合物であってもよく、または、これらの式(1)及び式(2)の化合物の2種以上の組み合わせからなる混合物であってもよい。
ある実施形態において、上記式(1)及び(2)中、Xが炭素数1〜3のアルキル基である場合、−S−Aはシクロヘキシル基の3位の炭素原子に結合してもよい。すなわち、この場合、有機シランは、下記式(1−1)及び/又は(2−1)で表される化合物である。
Figure 0006047435
式(1−1)及び(2−1)において、X11は炭素数1〜3のアルキル基であり、X、X、A及びAはそれぞれ上記式(1)及び(2)中のX、X、A及びAと同じである。
他の実施形態において、上記式(1)及び(2)中、Xが水素原子である場合、−S−Aはシクロヘキシル基の3位又は4位の炭素原子に結合しており、3位に結合したものと4位に結合したものの混合物であってもよい。すなわち、この場合、有機シランは、下記式(1−2)、(1−3)、(2−2)及び(2−3)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種であり、より詳細な実施形態として、式(1−2)の化合物と式(1−3)の化合物との混合物、又は、式(2−2)の化合物と式(2−3)の化合物との混合物である。
Figure 0006047435
式(1−2)、(1−3)、(2−2)及び(2−3)において、X、X、A及びAはそれぞれ上記式(1)及び(2)中のX、X、A及びAと同じである。
本実施形態に係る有機シランは、下記式(3)で表される化合物と、下記式(4)で表される化合物及び下記式(5)又は(6)で表される化合物と、を反応させることにより合成することができる。
Figure 0006047435
式(3)〜(6)において、X、X、X、R、R、R、R、Z、x、m及びnはそれぞれ上記式(1)及び(2)中のX、X、X、R、R、R、R、Z、x、m及びnと同じである。
式(3)で表される化合物が炭素−炭素二重結合を2つ有する化合物であり、式(4)〜(6)で表される化合物がメルカプト基を有する化合物である。この反応では、式(3)の化合物の2つの炭素−炭素二重結合に対し、式(4)〜(6)の化合物のメルカプト基を、エン−チオール反応させることにより結合させる。このようにエン−チオール反応を用いることにより、簡単かつ高収率にて、実施形態の有機シランを製造することができる。なお、上記式(1)の化合物と式(2)の化合物のいずれが生成されるかについては、式(3)のX及びXの種類によって異なり、式(1)の化合物と式(2)の化合物のいずれか一方、又は両者の混合物が生成される。
本実施形態では、アルコキシシリル基を有する有機シランを生成するため、メルカプト基を有する化合物として、式(4)で表される化合物を用いる。また、シリカ等の無機フィラーやジエン系ポリマー等のエラストマーとの反応性又は親和性を高めるために、メルカプト基を有する化合物として、式(5)又は(6)で表される化合物も用いる。そのため、上記A及びAの一方が−C2x−SiRとなり、他方が−C−Z又は−C(=O)−Rとなる。この場合、式(3)の化合物に対し、式(4)の化合物を先に反応させ、その後、得られた化合物に式(5)又は(6)の化合物を反応させてもよく、あるいはまた、式(5)又は(6)の化合物を先に反応させ、その後、得られた化合物に式(4)の化合物を反応させてもよい。一実施形態によれば、式(3)の化合物と式(4)の化合物を等モルで反応させた後、得られた化合物に式(5)又は(6)の化合物を等モルで反応させてもよい。式(3)の化合物においては、シクロヘキセンの環状部の炭素−炭素二重結合よりも、その置換基である−CX=CHXの方がエン−チオール反応に対する反応性が高い。そのため、式(4)の化合物を先に反応させることにより、フィラーとの結合部位であるアルコキシシリル基をより確実に分子内に組み込むことができる。
式(3)の化合物の具体例としては、4−ビニル−1−シクロヘキセン、又はリモネン(即ち、1−メチル−4−(1−メチルエテニル)シクロヘキセン)などが挙げられる。ここで、該化合物としてリモネンを用いた場合、エン−チオール反応により上記式(1−1)及び/又は(2−1)で表される化合物が得られ、特には式(1−1)で表される化合物が得られる(式中、X11はメチル基、Xは水素原子、Xはメチル基)。また、4−ビニル−1−シクロヘキセンを用いた場合、上記式(1−2)、(1−3)、(2−2)又は(2−3)で表される化合物の少なくとも1種の化合物が得られ、特には式(2−2)の化合物と式(2−3)の化合物の混合物が得られる(式中、XとXはともに水素原子)。
式(4)の化合物としては、公知の種々のメルカプトシランカップリング剤を用いることができ、具体例としては、(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン、(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン、(3−メルカプトプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−メルカプトプロピル)ジメチルメトキシシラン、又は、メルカプトエチルトリエトキシシランなどが挙げられる。
式(5)の化合物の具体例としては、1,4−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、又は1,8−オクタンジチオールなどのアルカンジチオール、チオグリコール酸、3−メルカプトプロピオン酸、4−メルカプトブタン酸、5−メルカプトペンタン酸、6−メルカプトヘキサン酸、7−メルカプトヘプタン酸、9−メルカプトノナン酸、又は10−メルカプトデカン酸などのメルカプトカルボン酸、2−ヒドロキシ−1−エタンチオール、6−ヒドロキシ−1−ヘキサンチオール、8−ヒドロキシ−1−オクタンチオール、又は11−ヒドロキシ−1−ウンデカンチオールなどのヒドロキシアルカンチオール、2−アミノ−1−エタンチオール、6−アミノ−1−ヘキサンチオール、8−アミノ−1−オクタンチオール、又は11−アミノ−1−ウンデカンチオールなどのアミノアルカンチオールなどが挙げられる。なお、式(5)中の−C−に二重結合がある場合、式(5)の化合物同士でのエン−チオール反応が懸念されるが、式(5)の化合物を反応系に徐々に添加することにより、式(5)の化合物同士の反応を抑えることができる。
式(6)の化合物の具体例としては、チオ酢酸、チオ安息香酸などが挙げられる。
上記エン−チオール反応に際しては、ラジカル発生剤を反応触媒として用いることが好ましい。但し、紫外線(UV)を照射することによるラジカル反応であってもよい。ラジカル発生剤としては、アゾ化合物、有機過酸化物などが挙げられ、熱によりラジカルが発生するものや光照射によりラジカルが発生するものが含まれる。アゾ化合物の例としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ABCN)などが挙げられる。有機過酸化物の例としては、ジ−tert−ブチルペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンペルオキシドなどが挙げられる。
上記エン−チオール反応は、より詳細には、式(3)で表される化合物と、式(4)〜(6)で表される化合物と、ラジカル発生剤を、トルエンなどの有機溶剤とともに混合し、ラジカルが発生する条件に保持することにより行うことができる。特に限定するものではないが、反応温度は50〜120℃であることが好ましい。
本実施形態に係る有機シランは、無機材料と有機材料を結合させるシランカップリング剤として用いることができる。すなわち、実施形態に係るシランカップリング剤は、上記式(1)及び/又は(2)で表される有機シランを含むものである。
上記実施形態に係る有機シランは、モノスルフィド結合(−C−S−C−)を分子内に有しており、この部分が熱により開裂してジエン系ポリマー等のポリマーと反応するか、又は少なくともモノスルフィド結合を有することでポリマーと相互作用するものと考えられる。また、該有機シランは、アルコキシシリル基を分子内に有しており、この部分がシリカなどの無機フィラー(無機材料)と反応することができる。そのため、ポリマーと無機フィラーを結合(架橋)させることができるので、各種ポリマー組成物においてシランカップリング剤として用いることにより、無機フィラーの分散性を向上させて、ポリマー組成物の特性を改良することができる。また、本実施形態に係る有機シランであると、分子中に−C−Z又は−C(=O)−Rが導入されており、シリカ等の無機フィラー又はジエン系ポリマー等のエラストマーとの反応性又は親和性を高めることができるので、ポリマー組成物の特性改良効果を高めることができる。なお、本実施形態の有機シランがモノスルフィドシランでありながら、良好なカップリング効果を発揮する理由は必ずしも明らかではないが、分子内にシクロヘキサン環を含む特有の構造を持つためと考えられる。
また、本実施形態に係る有機シランは、モノスルフィド結合を持つものであるため、特にエラストマー組成物に用いたときに、スコーチが生じにくく、耐スコーチ性能を向上することができる。ここで、無機フィラーとしては、特に限定されないが、シリカやアルミナなど、粒子表面にOH基を有するものが好ましい。
上記有機シランを配合するポリマー組成物としては特に限定されないが、ポリマー成分としてジエン系ポリマーを用いたエラストマー組成物であることが好ましい。エラストマー組成物の用途としても特に限定されず、タイヤ用、防振ゴム用、コンベアベルト用などの各種エラストマー部材に用いることができる。
エラストマー組成物に用いる場合、エラストマー成分(即ち、ポリマー成分)としては、例えば、天然ゴム(NR)、合成イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム等のジエン系ゴムが好適なものとして挙げられ、これらはいずれか1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。なお、ジエン系ゴムとしては、主鎖中又は末端が変性されたものであってもよく、例えば、NR、IR、BR、SBRの主鎖中又は末端が、アルコキシ基、カルボニル基、水酸基、アミノ基及びエポキシ基などの少なくとも1種の官能基(シリカのシラノール基と相互作用のある官能基)で変性されていてもよい。このような官能基で変性されたポリマーを用いた場合、シランカップリング剤として用いる上記有機シランの−C−Zとの間でも相互作用が期待でき、更なる特性改良効果に繋がる。
該エラストマー組成物には、エラストマー成分とともに、シリカなどの無機フィラーが配合される。無機フィラーの配合量は特に限定されないが、エラストマー成分100質量部に対して10〜200質量部であることが好ましく、より好ましくは30〜120質量部である。また、上記有機シランの配合量も特に限定されないが、無機フィラー100質量部に対して2〜20質量部であることが好ましい。該エラストマー組成物には、その他の配合剤として、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤など、エラストマー組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することもできる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<有機シランの合成>
[実施例1]
(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン(東京化成工業(株)製)150g、リモネン(東京化成工業(株)製)85.7g、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(和光純薬工業(株)製)8.99gおよびトルエン300mlを、ナスフラスコ内で混合し、窒素ガスで30分間バブリングした後、70℃で6時間反応させた。その後、反応溶液を濃縮し、227gの無色の液体を得た(収率:97%)。得られた化合物150gに対し、1,5−ペンタンジチオール(和光純薬工業(株)製)60.2g、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(和光純薬工業(株)製)5.73gおよびトルエン300mlをナスフラスコ内で混合し、窒素ガスで30分間バブリングした後、70℃で6時間反応させた。反応溶液を濃縮し、200gの淡黄色の液体を得た(収率:95%)。反応式は、以下の通りであり、下記化学式で表される5-((2-メチル-5-(2-((3-(トリエトキシシリル)プロピル)チオ)プロパン-2-イル)シクロヘキシル)チオ)ペンタン-1-チオール:5-((2-methyl-5-(2-((3-(triethoxysilyl)propyl)thio)propan-2-yl)cyclohexyl)thio)pentane-1-thiol(有機シラン1)が得られた。
Figure 0006047435
以下のNMR結果から、生成物が上記化学式で表される有機シラン1であることを同定した。
1H NMR (400MHz CDCl3, δ in ppm): 1.21(t, 9H, -Si-(O-CH2-CH 3 )3), 3.83(q, 6H, -Si-(O-CH 2 -CH3)3), 0.56(t, 2H, -CH 2 -Si-(O-CH2-CH3)3), 1.62(m, 2H, -S-CH2-CH 2 -CH2-Si-), 2.60(t, 2H, -S-CH 2 -CH2-CH2-Si-), 1.38(s, 6H, -C(CH 3 )2-S-), 1.51(m, 1H, cyclohexane CH), 1.38-1.63(m, 4H, cyclohexane CH 2 ), 1.59-1.84(m, 2H, cyclohexane CH 2 ), 1.81(m 1H, cyclohexane CH), 2.38(m 1H, cyclohexane CH), 0.88(s, 3H, 4-methylcyclohexane CH 3 ), 2.60(t, 2H, HS-CH2-CH2-CH2-CH2-CH 2 -S-), 1.64(m, 2H, HS-CH2-CH2-CH2-CH 2 -CH2-S-), 1.55(m, 2H, HS-CH2-CH2-CH 2 -CH2-CH2-S-), 1.50(m, 2H, HS-CH2-CH 2 -CH2-CH2-CH2-S-), 2.53(t, 2H, HS-CH 2 -CH2-CH2-CH2-CH2-S-), 1.3(m, 1H, HS-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-S-).
13C NMR (400MHz CDCl3, δ in ppm): 18.4(-Si-(O-CH2-CH3)3), 58.4(-Si-(O-CH2-CH3)3), 15.6(-CH2-Si-(O-CH2-CH3)3), 17.4(-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 31.7(-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 25.9(-C(CH3)2-S-), 44.8(-C(CH3)2-S-), 43.8(cyclohexane CH), 24.6(cyclohexane CH2), 30.2(cyclohexane CH2), 32.5(cyclohexane CH2), 37.6(cyclohexane CH), 57.0(cyclohexane CH), 17.4(4-methylcyclohexane CH3), 36.7(HS-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-S-), 30.2(HS-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-S-), 28.2(HS-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-S-), 33.5(HS-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-S-), 24.6(HS-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-S-).
[実施例2]
(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン(東京化成工業(株)製)150g、リモネン(東京化成工業(株)製)85.7g、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(和光純薬工業(株)製)8.99gおよびトルエン300mlを、ナスフラスコ内で混合し、窒素ガスで30分間バブリングした後、70℃で6時間反応させた。その後、反応溶液を濃縮し、227gの無色の液体を得た(収率:97%)。得られた化合物150gに対し、チオグリコール酸(和光純薬工業(株)製)36.9g、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(和光純薬工業(株)製)5.72gおよびトルエン300mlをナスフラスコ内で混合し、窒素ガスで30分間バブリングした後、70℃で6時間反応させた。反応溶液を濃縮し、181.3gの淡黄色の液体を得た(収率:97%)。反応式は、以下の通りであり、下記化学式で表される2-((2-メチル-5-(2-((3-(トリエトキシシリル)プロピル)チオ)プロパン-2-イル)シクロヘキシル)チオ)酢酸:2-((2-methyl-5-(2-((3-(triethoxysilyl)propyl)thio)propan-2-yl)cyclohexyl)thio)acetic acid(有機シラン2)が得られた。
Figure 0006047435
以下のNMR結果から、生成物が上記化学式で表される有機シラン2であることを同定した。
1H NMR (400MHz CDCl3, δ in ppm): 1.21(t, 9H, -Si-(O-CH2-CH 3 )3), 3.83(q, 6H, -Si-(O-CH 2 -CH3)3), 0.56(t, 2H, -CH 2 -Si-(O-CH2-CH3)3), 1.62(m, 2H, -S-CH2-CH 2 -CH2-Si-), 2.60(t, 2H, -S-CH 2 -CH2-CH2-Si-), 1.38(s, 6H, -C(CH 3 )2-S-), 1.51(m, 1H, cyclohexane CH), 1.38-1.63(m, 4H, cyclohexane CH 2 ), 1.59-1.84(m, 2H, cyclohexane CH 2 ), 1.81(m 1H, cyclohexane CH), 2.38(m 1H, cyclohexane CH), 0.88(s, 3H, 4-methylcyclohexane CH 3 ), 3.38(t, 2H, HO-C=O-CH 2 -S-), 12.34(s, 1H, HO-C=O-CH2-S-).
13C NMR (400MHz CDCl3, δ in ppm): 18.4(-Si-(O-CH2-CH3)3), 58.4(-Si-(O-CH2-CH3)3), 15.6(-CH2-Si-(O-CH2-CH3)3), 17.4(-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 31.7(-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 25.9(-C(CH3)2-S-), 44.8(-C(CH3)2-S-), 43.8(cyclohexane CH), 24.6(cyclohexane CH2), 30.2(cyclohexane CH2), 32.2(cyclohexane CH2), 37.3(cyclohexane CH), 56.4(cyclohexane CH), 17.4(4-methylcyclohexane CH3), 42.6(HO-C=O-CH2-S-), 174.6(HO-C=O-CH2-S-).
[実施例3]
(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン(東京化成工業(株)製)150g、リモネン(東京化成工業(株)製)85.7g、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(和光純薬工業(株)製)8.99gおよびトルエン300mlを、ナスフラスコ内で混合し、窒素ガスで30分間バブリングした後、70℃で6時間反応させた。その後、反応溶液を濃縮し、227gの無色の液体を得た(収率:97%)。得られた化合物150gに対し、2−アミノエタンチオール(東京化成工業(株)製)30.9g、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(和光純薬工業(株)製)5.72gおよびトルエン300mlをナスフラスコ内で混合し、窒素ガスで30分間バブリングした後、70℃で6時間反応させた。反応溶液を濃縮し、174gの淡黄色の液体を得た(収率:96%)。反応式は、以下の通りであり、下記化学式で表される2-((2-メチル-5-(2-((3-(トリエトキシシリル)プロピル)チオ)プロパン-2-イル)シクロヘキシル)チオ)エタン-1-アミン:2-((2-methyl-5-(2-((3-(triethoxysilyl)propyl)thio)propan-2-yl)cyclohexyl)thio)ethan-1-amine(有機シラン3)が得られた。
Figure 0006047435
以下のNMR結果から、生成物が上記化学式で表される有機シラン3であることを同定した。
1H NMR (400MHz CDCl3, δ in ppm): 1.21(t, 9H, -Si-(O-CH2-CH 3 )3), 3.83(q, 6H, -Si-(O-CH 2 -CH3)3), 0.56(t, 2H, -CH 2 -Si-(O-CH2-CH3)3), 1.62(m, 2H, -S-CH2-CH 2 -CH2-Si-), 2.60(t, 2H, -S-CH 2 -CH2-CH2-Si-), 1.33(s, 6H, -C(CH 3 )2-S-), 1.51(m, 1H, cyclohexane CH), 1.38-1.63(m, 4H, cyclohexane CH 2 ), 1.59-1.84(m, 2H, cyclohexane CH 2 ), 1.81(m, 1H, cyclohexane CH), 2.38(m, 1H, cyclohexane CH), 0.88(s, 3H, 4-methylcyclohexane CH 3 ), 2.70(t, 2H, H2N-CH2-CH 2 -S-), 3.02(s, 2H, H2N-CH 2 -CH2-S-), 1.50(m, 2H, H 2 N-CH2-CH2-S-).
13C NMR (400MHz CDCl3, δ in ppm): 18.4(-Si-(O-CH2-CH3)3), 58.4(-Si-(O-CH2-CH3)3), 15.6(-CH2-Si-(O-CH2-CH3)3), 17.4(-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 31.7(-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 25.9(-C(CH3)2-S-), 44.8(-C(CH3)2-S-), 43.8(cyclohexane CH), 24.6(cyclohexane CH2), 30.2(cyclohexane CH2), 32.5(cyclohexane CH2), 37.6(cyclohexane CH), 56.7(cyclohexane CH), 17.4(4-methylcyclohexane CH3), 32.8(H2N-CH2-CH2-S-), 38.0(H2N-CH2-CH2-S-).
[実施例4]
(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン(東京化成工業(株)製)150g、リモネン(東京化成工業(株)製)85.7g、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(和光純薬工業(株)製)8.99gおよびトルエン300mlを、ナスフラスコ内で混合し、窒素ガスで30分間バブリングした後、70℃で6時間反応させた。その後、反応溶液を濃縮し、227gの無色の液体を得た(収率:97%)。得られた化合物150gに対し、チオ酢酸(東京化成工業(株)製)30.5g、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(和光純薬工業(株)製)5.72gおよびトルエン300mlをナスフラスコ内で混合し、窒素ガスで30分間バブリングした後、70℃で6時間反応させた。反応溶液を濃縮し、175gの淡黄色の液体を得た(収率:97%)。反応式は、以下の通りであり、下記化学式で表されるS-(2-メチル-5-(2-((3-(トリエトキシシリル)プロピル)チオ)プロパン-2-イル)シクロヘキシル)エタンチオアート:S-(2-methyl-5-(2-((3-(triethoxysilyl)propyl)thio)propan-2-yl)cyclohexyl) ethanethioate(有機シラン4)が得られた。
Figure 0006047435
以下のNMR結果から、生成物が上記化学式で表される有機シラン4であることを同定した。
1H NMR (400MHz CDCl3, δ in ppm): 1.21(t, 9H, -Si-(O-CH2-CH 3 )3), 3.83(q, 6H, -Si-(O-CH 2 -CH3)3), 0.56(t, 2H, -CH 2 -Si-(O-CH2-CH3)3), 1.62(m, 2H, -S-CH2-CH 2 -CH2-Si-), 2.60(t, 2H, -S-CH 2 -CH2-CH2-Si-), 1.33(s, 6H, -C(CH 3 )2-S-), 1.51(m, 1H, cyclohexane CH), 1.38-1.63(m, 4H, cyclohexane CH 2 ), 1.88-2.13(m, 2H, cyclohexane CH 2 ), 1.73(m 1H, cyclohexane CH), 2.65(m 1H, cyclohexane CH), 0.88(s, 3H, 4-methylcyclohexane CH 3 ), 2.30(t, 3H, H 3 C-C=O-S-).
13C NMR (400MHz CDCl3, δ in ppm): 18.4(-Si-(O-CH2-CH3)3), 58.4(-Si-(O-CH2-CH3)3), 15.6(-CH2-Si-(O-CH2-CH3)3), 17.4(-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 31.7(-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 25.9(-C(CH3)2-S-), 45.2(-C(CH3)2-S-), 44.0(cyclohexane CH), 25.0(cyclohexane CH2), 30.1(cyclohexane CH2), 30.4(cyclohexane CH2), 35.2(cyclohexane CH), 39.5(cyclohexane CH), 17.6(4-methylcyclohexane CH3), 194.9(H3C-C=O-S-), 30.8(H3 C-C=O-S-).
[実施例5]
(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン(東京化成工業(株)製)150g、4−ビニル−1−シクロヘキセン(東京化成工業(株)製)68.1g、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(和光純薬工業(株)製)9.00gおよびトルエン300mlを、ナスフラスコ内で混合し、窒素ガスで30分間バブリングした後、70℃で6時間反応させた。その後、反応溶液を濃縮し、209gの無色の液体を得た(収率:96%)。得られた化合物150gに対し、チオ酢酸(東京化成工業(株)製)33.0g、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(和光純薬工業(株)製)6.19gおよびトルエン300mlをナスフラスコ内で混合し、窒素ガスで30分間バブリングした後、70℃で6時間反応させた。反応溶液を濃縮し、179gの淡黄色の液体を得た(収率:98%)。反応式は、以下の通りであり下記化学式で表されるS-(3-(2-((3-(トリエトキシシリル)プロピル)チオ)エチル)シクロヘキシル)エタンチオアート:S-(3-(2-((3-(triethoxysilyl)propyl)thio)ethyl)cyclohexyl) ethanethioate(有機シラン5-1)とS-(4-(2-((3-(トリエトキシシリル)プロピル)チオ)エチル)シクロヘキシル)エタンチオアート:S-(4-(2-((3-(triethoxysilyl)propyl)thio)ethyl)cyclohexyl) ethanethioate(有機シラン5-2)との混合物からなる有機シラン5が得られた。
Figure 0006047435
以下のNMR結果から、生成物が上記化学式で表される有機シラン5であることを同定した。
有機シラン5-1
1H NMR (400MHz CDCl3, δ in ppm): 1.21(t, 9H, -Si-(O-CH2-CH 3 )3), 3.83(q, 6H, -Si-(O-CH 2 -CH3)3), 0.56(t, 2H, -CH 2 -Si-(O-CH2-CH3)3), 1.62(m, 2H, -S-CH2-CH 2 -CH2-Si-), 2.42(m, 2H, -S-CH 2 -CH2-CH2-Si-), 2.60(m, 2H, -CH2-CH 2 -S-), 1.58(m, 2H, -CH 2 -CH2-S-), 1.50(m, 1H, cyclohexane CH), 1.38-1.63(m, 2H, cyclohexane CH 2 ), 1.43-1.53(m, 2H, cyclohexane CH 2 ), 1.88-2.13(m, 2H, cyclohexane CH 2 ), 1.94-2.19(m, 2H, cyclohexane CH 2 ), 2.75(q 1H, cyclohexane CH), 2.30(s, 3H, H 3 C-C=O-S-).
13C NMR (400MHz CDCl3, δ in ppm): 18.4(-Si-(O-CH2-CH3)3), 58.4(-Si-(O-CH2-CH3)3), 15.6(-CH2-Si-(O-CH2-CH3)3), 16.8(-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 36.4(-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 31.0(-CH2-CH2-S-), 32.0(-CH2-CH2-S-), 32.0(cyclohexane CH), 18.3(cyclohexane CH2), 31.4(cyclohexane CH2), 32.9(cyclohexane CH2), 38.0(cyclohexane CH2), 43.1(cyclohexane CH), 194.9(H3C-C=O-S-), 30.8(H3 C-C=O-S-).
有機シラン5-2
1H NMR (400MHz CDCl3, δ in ppm): 1.21(t, 9H, -Si-(O-CH2-CH 3 )3), 3.83(q, 6H, -Si-(O-CH 2 -CH3)3), 0.56(t, 2H, -CH 2 -Si-(O-CH2-CH3)3), 1.62(m, 2H, -S-CH2-CH 2 -CH2-Si-), 2.42(m, 2H, -S-CH 2 -CH2-CH2-Si-), 2.60(m, 2H, -CH2-CH 2 -S-), 1.58(m, 2H, -CH 2 -CH2-S-), 1.50(m, 1H, cyclohexane CH), 1.38-1.63(m, 4H, cyclohexane CH 2 ), 1.94-2.19(m, 4H, cyclohexane CH 2 ), 2.75(q 1H, cyclohexane CH), 2.30(s, 3H, H 3 C-C=O-S-).
13C NMR (400MHz CDCl3, δ in ppm): 18.4(-Si-(O-CH2-CH3)3), 58.4(-Si-(O-CH2-CH3)3), 15.6(-CH2-Si-(O-CH2-CH3)3), 16.8(-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 36.4(-S-CH2-CH2-CH2-Si-), 31.0(-CH2-CH2-S-), 32.0(-CH2-CH2-S-), 35.1(cyclohexane CH), 30.0(cyclohexane CH2), 29.8(cyclohexane CH2), 45.6(cyclohexane CH), 194.9(H3C-C=O-S-), 30.8(H3 C-C=O-S-).
<エラストマー組成物の評価>
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従って、まず、第一混合段階で、エラストマー成分に対し硫黄及び加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し混練し(排出温度=160℃)、次いで、得られた混練物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し混練して(排出温度=90℃)、エラストマー組成物を調製した。表1中の各成分の詳細は、以下の通りである。
・SBR:ランクセス株式会社製「VSL5025−0HM」
・変性SSBR:アミノ基及びアルコキシ基末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム、JSR株式会社製「HPR350」
・BR:宇部興産株式会社製「BR150B」
・シランカップリング剤A:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、エボニック・デグサ社製「Si69」
・有機シラン1:実施例1で合成したもの
・有機シラン2:実施例2で合成したもの
・有機シラン3:実施例3で合成したもの
・有機シラン4:実施例4で合成したもの
・有機シラン5:実施例5で合成したもの
・シリカ:東ソー・シリカ株式会社製「ニップシールAQ」
・カーボンブラック:三菱化学株式会社製「ダイアブラックN341」
・オイル:昭和シェル石油株式会社製「エキストラクト4号S」
・亜鉛華:三井金属鉱業株式会社製「亜鉛華1号」
・老化防止剤:住友化学株式会社製「アンチゲン6C」
・ステアリン酸:花王株式会社製「ルナックS−20」
・ワックス:日本精鑞株式会社製「OZOACE0355」
・硫黄:鶴見化学工業株式会社製「5%油入微粉末硫黄」
・加硫促進剤:住友化学株式会社製「ソクシノールCZ」
得られた各エラストマー組成物について、耐スコーチ性能を評価するとともに、160℃×20分で加硫して所定形状の試験片を作製して発熱特性を評価した。各評価方法は以下の通りである。
・耐スコーチ性能:JIS K6300に準拠して東洋精機(株)製ロータレスムーニー測定機を用い、未加硫組成物を125℃で1分間予熱後、最低粘度Vmより5ムーニー単位上昇するのに要した時間t5を測定し、比較試験例3の値を100とした指数で示した。指数が大きいほど、スコーチタイムが長く、耐スコーチ性能に優れることを意味する。
・発熱特性:東洋精機株式会社製の粘弾性試験機を用いて、初期歪み10%、動的歪み1%、周波数10Hz、温度60℃の条件下で損失係数tanδを測定し、比較試験例3の値を100とした指数で示した。指数が小さいほど、tanδの値が小さく、発熱しにくく、従って、フィラー分散性の向上により発熱特性に優れることを意味する。
Figure 0006047435
結果は、表1に示す通りである。試験例1〜7に示すように、シランカップリング剤として実施例に係る有機シランを配合した場合、ポリスルフィドシランを配合した比較試験例2〜4に対して、同配合量で比較して、発熱特性が改善されており、また耐スコーチ性能も良好であった。また、試験例10に示すように、変性SSBRとともに、その官能基と相互作用のある官能基を持つ有機シラン2を用いた場合、発熱特性の更なる改善効果がみられた。
本発明に係る有機シランは、例えば、無機材料と有機材料を結合させるシランカップリング剤として用いることができる。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)及び/又は(2)で表される有機シラン。
    Figure 0006047435
    (式中、X、X及びXはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。A及びAは、いずれか一方が−C2x−SiRであり、他方が−C−Z又は−C(=O)−Rである。R、R及びRはそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ基であり、少なくとも1つはアルコキシ基である。xは2〜4の整数である。mは1〜22の整数であり、nは2〜44の整数である。Zはメルカプト基、カルボキシル基、水酸基又はアミノ基である。Rは炭素数1〜18の脂肪族又は芳香族炭化水素基である。−S−Aはシクロヘキシル基の3位又は4位の炭素原子に結合しており、3位に結合したものと4位に結合したものの混合物であってもよい。)
  2. 前記一般式(1)及び(2)において、Xが炭素数1〜3のアルキル基であり、−S−Aがシクロヘキシル基の3位の炭素原子に結合したことを特徴とする請求項1記載の有機シラン。
  3. 前記一般式(1)及び(2)において、Xが水素原子であり、−S−Aがシクロヘキシル基の3位又は4位の炭素原子に結合しており、3位に結合したものと4位に結合したものの混合物であることを特徴とする請求項1記載の有機シラン。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機シランの製造方法であって、下記一般式(3)で表される化合物と、下記一般式(4)で表される化合物及び下記一般式(5)又は(6)で表される化合物と、を反応させることを特徴とする有機シランの製造方法。
    Figure 0006047435
    (式中、X、X及びXはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。R、R及びRはそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ基であり、少なくとも1つはアルコキシ基である。xは2〜4の整数である。mは1〜22の整数であり、nは2〜44の整数である。Zはメルカプト基、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基又はアミノ基である。Rは炭素数1〜18の脂肪族又は芳香族炭化水素基である。)
  5. 前記一般式(3)で表される化合物と前記一般式(4)で表される化合物とを反応させた後、得られた化合物と前記一般式(5)又は(6)で表される化合物とを反応させることを特徴とする請求項4記載の有機シランの製造方法。
  6. 上記一般式(3)で表される化合物が、4−ビニル−1−シクロヘキセン又はリモネンである請求項4又は5記載の有機シランの製造方法。
  7. 反応触媒としてラジカル発生剤を用いることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の有機シランの製造方法。
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