JP4186895B2 - 非接触通信装置用コイルアンテナおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、通信エリアを遠方にまで広げるために送信出力(コイルアンテナに流す電流の強さ)を強くすると、非接触通信装置の近傍の磁界が非常に強くなるため、データキャリアが近くに来たとき、データキャリアが破壊される危険性がある。これは、コイルアンテナの大きさを一定にしたままで送信出力を増加させると、発生する磁界の強さは距離の3乗に反比例することが原因で起きる問題である。
今後、データキャリアの種類が多様化してゆく中で、非接触通信装置の送信出力の調整のみでは、個々の使用環境にとって最適な発生磁界を作り出すことは難しく、使用環境に応じたコイルアンテナを用いることが重要となってくる。
請求項3の非接触通信装置用コイルアンテナの製造方法は、ほぼ矩形状をなし、1組の対向する2辺の中間および残る1組の対向する2辺の中間に、それぞれ対抗する辺に向って伸びる折り返し二重線部が形成されたフレキシブルな原型コイルアンテナにおいて、当該原型コイルアンテナの片側半分を残る片側半分に対して前記2組の対向する2辺のうちの一方の組の対向2辺の前記折り返し二重線部が直線状となるように180度回転させ、その後、前記原型コイルアンテナの前記片側半分を前記残る片側半分に重ねるように折り返すことによって中間コイルアンテナを形成し、前記中間コイルアンテナの片側半分を残る片側半分に対して前記2組の対向する2辺のうちの他方の組の対向2辺の前記折り返し二重線部が直線状となるように180度回転させ、その後、前記中間コイルアンテナの前記片側半分を前記残る片側半分に重ねるように折り返すことによって前記原型コイルアンテナより小型で該原型コイルアンテナより強い磁界強度を生成する小型コイルアンテナを形成するようにしたことを特徴とする。
この請求項2の方法により製造したコイルアンテナは、原型コイルアンテナの大きさの(1/折り返し個所数)になるが、発生磁界の強さは原型コイルアンテナと同等となる。
以下、本発明の第1実施例を図1により説明する。この実施例は請求項2に対応する。
図1(a)は原型コイルアンテナ1を示す。この原型コイルアンテナ1は、1本の銅線、またはプラスチックフィルム上にプリント配線によって矩形状に形成され、両端部は非接触通信装置に接続される接続部1a、1bとされている。このフレキシブルな原型コイルアンテナ1から発生磁界の強さが同じで且つ小型のコイルアンテナ2を製造する。
図2は本発明の第1の参考例を示す。
図2(a)はフレキシブルな原型コイルアンテナ3を示す。この原型コイルアンテナ3は、1本の銅線によって矩形状に形成され、両端部は非接触通信装置に接続される接続部3a、3bとされている。この原型コイルアンテナ1の2組の対向2辺3c、3dおよび3e、3fのうち、図示上下に対向する2辺3c、3dの長さ方向中間には、対向する辺に向って伸びるほぼU字状の折り返し二重線部3g、3hが形成されている。なお、折り返し二重線部3g、3hの先端は実際には互いに接しているが、わかり易く図示したため、図では離れている。
このように、原型コイルアンテナ3をそのまま使用することにより、広い範囲で一様な磁界を生成し、小型のコイルアンテナ4に変えて使用することにより、原型コイルアンテナ3の2倍の強さの磁界を狭い範囲で生成することができ、一種類のコイルアンテナで、容易に2つの使用環境に対応することができる。
図3は本発明の第2の参考例を示す。
この参考例が図2に示す第1の参考例と異なるところは、図3(a)に示すように、原型コイルアンテナ6の上辺6cだけに、その中間から下辺6dに向って伸びる折り返し二重線部6gを形成したところにある。なお、折り返し二重線部6gの先端は実際には下辺6dに接しているが、わかり易く図示したため、図では離れている。
図4は本発明の第2実施例を示す。この実施例は請求項1および3に対応する。
図4(a)は原型コイルアンテナ9を示す。この原型コイルアンテナ9は、1本の銅線によって矩形状に形成され、両端部は非接触通信装置に接続される接続部9a、9bとされている。この原型コイルアンテナ9の1組の対向2辺9c、9dの長さ方向中間および残る1組の対向2辺9e、9fの長さ方向中間には、それぞれ対向する辺に向って伸びるほぼU字状の折り返し二重線部9g〜9jが形成されている。なお、折り返し二重線部9g〜9jの先端は実際には互いに接しているが、わかり易く図示したため、図では離れている。
小型コイルアンテナ10を非接触通信装置に組み付けた場合、非接触通信装置からICカードやRFIDタグなどのデータキャリアへの送信時、小型コイルアンテナ10には電流が流れる。このとき、各辺10a〜10dの4本の線にはそれぞれ同じ方向の電流が流れる。このため、小型コイルアンテナ10は、大きさが原型コイルアンテナ9の4分の1で、原型コイルアンテナ9の4倍の強さの磁界を発生することとなる。従って、非接触通信装置に極く近い範囲でデータキャリアと通信するような場合に好都合となる。
このように、原型コイルアンテナ9をそのまま非接触通信装置のコイルアンテナとして使用することにより、広い範囲で一様な磁界を生成し、小型のコイルアンテナ10に変えて使用することにより、原型コイルアンテナ9の4倍の強さの磁界を狭い範囲で生成することができ、一種類のコイルアンテナで、容易に2つの使用環境に対応することができる。
Claims (3)
- ほぼ矩形状をなし、1組の対向する2辺の中間および残る1組の対向する2辺の中間に、それぞれ対向する辺に向って伸びる折り返し二重線部を形成してなるフレキシブルな非接触通信装置用コイルアンテナ。
- ほぼ矩形状に形成されたフレキシブルな原型コイルアンテナを、1組の対向する2辺の偶数箇所で折り返すことにより、前記原型コイルアンテナより小型で該原型コイルアンテナと同等の磁界強度を生成する小型コイルアンテナを形成するようにしたことを特徴とする非接触通信装置用コイルアンテナの製造方法。
- ほぼ矩形状をなし、1組の対向する2辺の中間および残る1組の対向する2辺の中間に、それぞれ対抗する辺に向って伸びる折り返し二重線部が形成されたフレキシブルな原型コイルアンテナにおいて、当該原型コイルアンテナの片側半分を残る片側半分に対して前記2組の対向する2辺のうちの一方の組の対向2辺の前記折り返し二重線部が直線状となるように180度回転させ、その後、前記原型コイルアンテナの前記片側半分を前記残る片側半分に重ねるように折り返すことによって中間コイルアンテナを形成し、
前記中間コイルアンテナの片側半分を残る片側半分に対して前記2組の対向する2辺のうちの他方の組の対向2辺の前記折り返し二重線部が直線状となるように180度回転させ、その後、前記中間コイルアンテナの前記片側半分を前記残る片側半分に重ねるように折り返すことによって前記原型コイルアンテナより小型で該原型コイルアンテナより強い磁界強度を生成する小型コイルアンテナを形成するようにしたことを特徴とする非接触通信装置用コイルアンテナの製造方法。
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