以下に添付図面を参照して、実施形態に係る半導体記憶装置及びアダプタが詳細に説明される。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
なお、実施形態に係る構成要素や、当該要素の説明について、複数の表現が併記されることがある。当該構成要素及び説明について、記載されていない他の表現がされることは妨げられない。さらに、複数の表現が記載されない構成要素及び説明について、他の表現がされることは妨げられない。
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係るSDカード11を示す斜視図である。SDカード11は、半導体記憶装置の一例である。半導体記憶装置は、例えば、マルチメディアカード、又はUSBフラッシュメモリのような他の装置であっても良い。半導体記憶装置は、半導体チップを有する装置又はシステムを含み、携帯電話のような無線通信装置を含み得る。
各図面に示されるように、本明細書において、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、SDカード11の幅に沿って規定される。Y軸は、SDカード11の長さに沿って規定される。Z軸は、SDカード11の厚さに沿って規定される。
本実施形態のSDカード11には、無線通信技術が適用される。例えば、13.56MHzの周波数を用いる近距離無線通信(Near Field Communication:NFC)が、SDカード11に適用される。他の無線通信技術がSDカード11に適用されても良い。
NFCが適用されたSDカード11は、電磁誘導により無線アンテナで電流を誘起させる。このため、以下に説明するように、SDカード11は、例えば、コイル状、スパイラル状、又は渦巻き状と称され得る形状に形成された無線アンテナを有する。
図2は、第1の実施形態のSDカード11を含むシステムの構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、SDカード11は、ホスト装置12に電気的に接続されるよう構成される。さらに、SDカード11は、無線通信ホスト装置13と無線通信するよう構成される。ホスト装置12は、第1の外部装置の一例である。無線通信ホスト装置13は、第2の外部装置の一例である。ホスト装置12及び無線通信ホスト装置13はそれぞれ、例えば、パーソナルコンピュータ、ポータブルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話、サーバ、スマートカード、又は他の装置である。
SDカード11は、インターフェース(I/F)端子22と、無線アンテナ23と、通信コントローラ24と、フラッシュメモリ25と、メモリコントローラ26と、キャパシタ27とを有する。I/F端子22は、第1のインターフェース端子の一例である。フラッシュメモリ25は、不揮発性メモリの一例である。
通信コントローラ24は、SDカード11とホスト装置12との通信、及びSDカード11と無線通信ホスト装置13との通信を制御する。通信コントローラ24は、記憶部24aと電圧検出器24bとを有する。記憶部24aは、通信コントローラ24から独立した電子部品であっても良い。この場合、通信コントローラ24は、記憶部24aに接続される。
通信コントローラ24とメモリコントローラ26とは、一つの電子部品に含まれても良い。また、例えば、複数の電子部品及び配線とプログラムとが、通信コントローラ24及びメモリコントローラ26を構成しても良い。すなわち、通信コントローラ24とメモリコントローラ26とはそれぞれ、一つの電気的要素、複数の電気的要素、又は一つ若しくは複数の電気的要素及びプログラムによって構成されても良い。
SDカード11がホスト装置12に電気的に接続されると、SDカード11は、当該ホスト装置12から供給される電力によって動作する。例えば、SDカード11は、ホスト装置12によってデータを書き込まれ、又はホスト装置12によってデータを読み出される。
SDカード11は、ホスト装置12及び無線通信ホスト装置13のような他の装置に接続されておらず、且つ当該他の装置から電力を供給されていない状態で、無線通信ホスト装置13とデータを送受信することができる。例えば、SDカード11は、無線アンテナ23の電磁誘導によって発生(誘起)する電力によって、無線通信ホスト装置13とデータを送受信することができる。SDカード11は、例えば、約13.56MHzの周波数でNFCに沿った通信を行い、無線通信ホスト装置13に対してデータを送信又は受信する。このように、SDカード11は、ホスト装置12から電力の供給を受けることなく動作可能である。
本実施形態のSDカード11は、SDインターフェースに従ってホスト装置12に対しデータを送受信する。SDカード11は、他のインターフェースを用いてホスト装置12に対しデータを送受信しても良い。SDカード11は、NFCインターフェースに沿って無線通信ホスト装置13とデータを送受信する。SDカード11は、他の無線通信インターフェースを用いて無線通信ホスト装置13に対しデータを送受信しても良い。なお、ホスト装置12と無線通信ホスト装置13は、同一の装置であっても良い。
図1に示すように、SDカード11は、筐体31をさらに有する。筐体31は、例えば、非磁性体且つ絶縁体である合成樹脂によって作られる。筐体31は、他の材料によって作られても良い。
筐体31は、大よそ四角形の箱状に形成される。筐体31は、他の形状に形成されても良い。筐体31は、ボトムカバー32と、トップカバー33と、ロックスイッチ34とを有する。ボトムカバー32は、第1のカバーの一例である。トップカバー33は、第2のカバーの一例である。
図3は、第1の実施形態のSDカード11を、トップカバー33を除いて示す平面図である。図3は、通信コントローラ24、フラッシュメモリ25、及びメモリコントローラ26のそれぞれの一部を切り欠いて示す。図3は、通信コントローラ24、フラッシュメモリ25、及びメモリコントローラ26の切り欠かれた部分の外形を二点鎖線で示す。
図3に示すように、SDカード11は、第1の基板41と、アンテナモジュール42とをさらに有する。筐体31は、第1の基板41、アンテナモジュール42、通信コントローラ24、フラッシュメモリ25、及びメモリコントローラ26を収容する。
第1の基板41に、通信コントローラ24、フラッシュメモリ25、及びメモリコントローラ26が搭載される。アンテナモジュール42は、第2の基板45と、第1のアンテナパターン46とを有する。第1の実施形態において、図2の無線アンテナ23は、第1のアンテナパターン46を有する。第1のアンテナパターン46は、第1のアンテナの一例である。
SDカード11は、大よそ四角形のカード状に形成され、四つの端部11a,11b,11c,11dを有する。説明の便宜上、SDカード11の四つの端部11a〜11dはそれぞれ、前端部11a、後端部11b、左端部11c、及び右端部11dと称される。なお、前端部11a、後端部11b、左端部11c、及び右端部11dは、図3における位置に基づいて呼称されるものであり、各端部11a,11b,11c,11dの向き及びその他の特徴を限定するものではない。
前端部11aは、Y軸に沿う方向におけるSDカード11の一方の端部である。後端部11bは、Y軸に沿う方向におけるSDカード11の他方の端部であり、前端部11aの反対側に位置する。前端部11a及び後端部11bは、X軸に沿う方向に延ばされる。
左端部11cは、X軸に沿う方向におけるSDカード11の一方の端部である。右端部11dは、X軸に沿う方向におけるSDカード11の他方の端部であり、左端部11cの反対側に位置する。左端部11c及び右端部11dは、Y軸に沿う方向に延ばされる。
図4は、第1の実施形態のSDカード11を図3のF4−F4線に沿って示す断面図である。図4に示すように、ボトムカバー32は、底面51と、第1の内面52とを有する。底面51は、外部に露出する筐体31の一つの表面を形成する。第1の内面52は、底面51の反対側に位置する。
ボトムカバー32に、第1の凹部55と、第2の凹部56と、複数の端子孔57とが設けられる。なお、図4は複数の端子孔57のうち一つを示す。第1の凹部55及び第2の凹部56はそれぞれ、例えば、窪み、収容部、又は嵌合部とも称され得る。第1の凹部55と第2の凹部56とはそれぞれ、第1の内面52に設けられる。言い換えると、第1及び第2の凹部55,56は、第1の内面52から窪まされた部分である。
第1の凹部55と第2の凹部56とは、Y軸に沿う方向において部分的に重なるよう配置される。第1の凹部55は、第2の凹部56よりも、前端部11aに近い。詳しく述べると、Y軸に沿う正方向(Y軸の矢印が向く方向)における第1の凹部55の端部は、Y軸に沿う正方向における第2の凹部56の端部よりも、前端部11aに近い。
第1の凹部55に、第1の基板41が収容される。第1の基板41の厚さ方向(Z軸に沿う方向)において、第1の基板41の一部は、第1の凹部55の外に位置する。言い換えると、第1の凹部55の深さは、第1の基板41の厚さよりも浅い。なお、第1の凹部55の深さが、第1の基板41の厚さより深くても良い。第2の凹部56に、アンテナモジュール42が収容される。アンテナモジュール42の一部が、第2の凹部56の外に位置しても良い。
複数の端子孔57は、第1の凹部55に設けられる。複数の端子孔57は、前端部11aに隣接し、X軸に沿う方向に並べられる。複数の端子孔57はそれぞれ、底面51から、第1の内面52の第1の凹部55に亘って、ボトムカバー32を貫通する。言い換えると、複数の端子孔57はそれぞれ、第1の凹部55に開口する。
トップカバー33は、ボトムカバー32に取り付けられる。トップカバー33は、第1の凹部55に収容された第1の基板41と、第2の凹部56に収容されたアンテナモジュール42とを覆う。
トップカバー33は、上面61と、第2の内面62とを有する。上面61は、外部に露出する筐体31の一つの表面を形成する。筐体31について説明すれば、上面61は、底面51の反対側に位置する。トップカバー33について説明すれば、第2の内面62は、上面61の反対側に位置する。
トップカバー33に、第3の凹部65が設けられる。第3の凹部65は、第2の内面62に設けられる。トップカバー33がボトムカバー32に取り付けられることで、第3の凹部65に、第1の凹部55の外に位置する第1の基板41の一部が収容される。第1の凹部55及び第3の凹部65は、第1の基板41を保持し、第1の基板41が移動することを制限する。
第1の基板41は、例えば、プリント回路板(PCB)である。第1の基板41は、フレキシブルプリント回路板(FPC)のような他の基板であっても良い。第1の基板41は、第1の面41aと、第2の面41bと、端面41cとを有する。
第1の面41aは、大よそ平坦に形成され、トップカバー33に向く。第2の面41bは、大よそ平坦に形成され、第1の面41aの反対側に位置する。第2の面41bは、ボトムカバー32に向く。端面41cは、第1の面41aの端と、第2の面41bの端とを接続する。
図3に示すように、第1の基板41の第1の面41aに、通信コントローラ24、フラッシュメモリ25、及びメモリコントローラ26が搭載される。なお、通信コントローラ24、フラッシュメモリ25、及びメモリコントローラ26のうち少なくとも一つが、第1の基板41の他の部分に搭載されても良い。さらに、通信コントローラ24は、例えば、第2の基板45のような他の場所に設けられても良い。
第1の基板41は、大よそ四角形の板状に形成される。第1の基板41は、他の形状に形成されても良い。Y軸に沿う方向における第1の基板41の長さは、Y軸に沿う方向における筐体31の長さの半分よりも短い。第1の基板41の寸法はこれに限らず、例えば、Y軸に沿う方向における第1の基板41の長さが、Y軸に沿う方向における筐体31の長さの半分より長くても良い。
図4に示すように、複数のI/F端子22は、第1の基板41の第2の面41bに設けられる。なお、図4は複数のI/F端子22のうち一つを示す。複数のI/F端子22は、SDカード11の前端部11aに隣接し、X軸に沿う方向に並べられる。複数のI/F端子22はそれぞれ、ボトムカバー32の複数の端子孔57によって、筐体31の外部に露出される。
本実施形態のI/F端子22は、SDインターフェース端子であり、ホスト装置12に対する電気的な接続を確保する。言い換えると、I/F端子22は、ホスト装置12と電気的に接続可能である。
アンテナモジュール42の第2の基板45は、FPCである。このため、第2の基板45は、第1の基板41よりも薄く且つ柔軟である。第2の基板45は、PCBのような他の基板であっても良い。
第2の基板45は、接続面45aを有する。接続面45aは、トップカバー33に向く。第2の基板45の接続面45aの一部は、第1の基板41の第2の面41bの一部と向かい合う。すなわち、図3のように第1の面41aを平面視した場合に、第1の基板41の一部が、第2の基板45の一部に重ねられる。
第2の基板45は、大よそ正方形のフィルム状に形成される。このため、一つの大きな基板から切り出される第2の基板45の数が、より多くなり得る。第2の基板45は、他の形状に形成されても良い。
Y軸に沿う方向における第2の基板45の長さは、Y軸に沿う方向における第1の基板41の長さよりも長い。第2の基板45の寸法はこれに限らず、例えば、Y軸に沿う方向における第2の基板45の長さが、Y軸に沿う方向における第1の基板41の長さより短くても良い。また、X軸に沿う方向における第2の基板45の長さは、X軸に沿う方向における第1の基板41の長さよりも短い。第2の基板45の寸法はこれに限らず、例えば、X軸に沿う方向における第2の基板45の長さが、X軸に沿う方向における第1の基板41の長さより長くても良い。
第1のアンテナパターン46は、第2の基板45に搭載される。本実施形態の第1のアンテナパターン46は、第2の基板45に形成された配線パターンである。第1のアンテナパターン46は、絶縁された銅ワイヤのような他の材料によって形成されても良い。無線アンテナ23に含まれる第1のアンテナパターン46は、コイル状に形成されたループアンテナである。本実施形態において、第1のアンテナパターン46は、大よそ四角形の環状に形成される。なお、第1のアンテナパターン46は、円環状のような他の形状に形成されても良い。
ループアンテナである第1のアンテナパターン46は、当該第1のアンテナパターン46の内側の領域を囲むように延ばされた導体(配線パターン)によって形成される。第1のアンテナパターン46において、導体は、第1のアンテナパターン46の内側の領域を囲めば良く、一周より短く巻かれても良い。言い換えると、第1のアンテナパターン46の内側の領域と、第1のアンテナパターン46の外側の領域がつながっても良い。導体は、複数周巻かれても良い。導体の端部に電圧を印加されることで、第1のアンテナパターン46は、当該第1のアンテナパターン46の内側を通過する磁束を発生させる。また、第1のアンテナパターン46の内側を磁束が通過することで、導体に電圧が発生する。このように、第1のアンテナパターン46は、電磁誘導によって外部の装置との間で通信を行う。
第2の基板45は、第1の部分P1と、第2の部分P2と、第3の部分P3とを含む。第1乃至第3の部分P1〜P3はそれぞれ、例えば、領域又は範囲とも称され得る。
第1の部分P1は、第1のアンテナパターン46が搭載された第2の基板45の一部分である。詳しく述べると、第1の部分P1は、図3のように第2の基板45の接続面45aを平面視した場合に、第1のアンテナパターン46に重ねられる第2の基板45の一部分である。
第2の部分P2は、第1の部分P1に囲まれた、第2の基板45の一部分である。第3の部分P3は、第1の部分P1を囲む、第2の基板45の一部分である。言い換えると、第3の部分P3は、第1の部分P1と、第2の基板45の端部45bとの間に位置する。第1の部分P1は、第2の部分P2と第3の部分P3との間に位置する。
図3に破線で示されるように、第1の基板41の第2の面41bに、二つの第1のパッド71と、二つの第2のパッド72とが設けられる。二つの第1のパッド71は、複数の第1のパッドの一例であり、例えば、パターン、ランド、導体、又は金属部とも称され得る。二つの第2のパッド72はそれぞれ、第2のパッドの一例であり、例えば、パターン、ランド、導体、又は金属部とも称され得る。
図2に示すように、第1の基板41に回路Cが設けられる。回路Cは、I/F端子22と、通信コントローラ24と、フラッシュメモリ25と、メモリコントローラ26と、図3の二つの第1のパッド71と、第1の基板41に設けられた種々の配線及び電子部品とを含む。すなわち、回路Cは、第1の基板41に設けられ、例えば、外部から供給され又はSDカード11の内部で誘起された電流が流れる部分である。
上記のように、図3の二つの第1のパッド71は、回路Cに含まれる。一方、二つの第2のパッド72はそれぞれ、回路Cから電気的に独立する。すなわち、回路Cに電流が流れたとき、第2のパッド72それぞれに電流が流れない。なお、第2のパッド72は、グラウンドに接続されても良い。
アンテナモジュール42の第1のアンテナパターン46は、二つの第3のパッド75を有する。さらに、第2の基板45は、二つの第4のパッド76を有する。第3及び第4のパッド75,76は、図3に破線で示される。二つの第3のパッド75は、複数の第3のパッドの一例であり、例えば、パターン、ランド、導体、又は金属部とも称され得る。二つの第4のパッド76はそれぞれ、第4のパッドの一例であり、例えば、パターン、ランド、導体、又は金属部とも称され得る。
二つの第3のパッド75は、第1のアンテナパターン46の二つの端子である。言い換えると、一方の第3のパッド75は、第1のアンテナパターン46の一方の端部に設けられる。他方の第3のパッド75は、第1のアンテナパターン46の他方の端部に設けられる。
二つの第4のパッド76はそれぞれ、第1のアンテナパターン46から電気的に独立する。例えば、第1のアンテナパターン46に電流が流れたとき、第4のパッド76それぞれに電流が流れない。なお、第4のパッド76は、グラウンドに接続されても良い。
一方の第3のパッド75と、一方の第4のパッド76とはそれぞれ、第2の基板45の第2の部分P2に設けられる。他方の第3のパッド75と、他方の第4のパッド76とはそれぞれ、第2の基板45の第3の部分P3に設けられる。このように、二つの第3のパッド75と二つの第4のパッド76とのうち少なくとも一つのパッドが第2の部分P2に設けられ、二つの第3のパッド75と二つの第4のパッド76のうち少なくとも一つのパッドが第3の部分P3に設けられる。なお、二つの第3のパッド75及び二つの第4のパッド76が全て、第2の部分P2又は第3の部分P3に設けられても良い。
第3のパッド75と第4のパッド76とは、第2の基板45の接続面45aに設けられる。二つの第3のパッド75はそれぞれ、図4に示される半田78によって、第1の基板41の対応する第1のパッド71に半田付けされる。二つの第4のパッド76はそれぞれ、半田78によって、第1の基板41の対応する第2のパッド72に半田付けされる。
第3のパッド75が第1のパッド71に半田付けされることで、第1のアンテナパターン46は、第1の基板41の回路Cに電気的に接続される。第1のアンテナパターン46は、例えば、通信コントローラ24に電気的に接続される。一方、互いに半田付けされた第2のパッド72及び第4のパッド76は、回路C及び第1のアンテナパターン46から電気的に独立する。
第3及び第4のパッド75,76がそれぞれ第1及び第2のパッド71,72に半田付けされることで、アンテナモジュール42が第1の基板41に取り付けられる。第3のパッド75は、半田78によって、対応する第1のパッド71に固定される。さらに、第4のパッド76は、半田78によって、対応する第2のパッド72に固定される。
図3のように第1の基板41の第1の面41aを平面視した場合に、第1のアンテナパターン46の一部が、第1の基板41に重ねられる。さらに、第1の面41aを平面視した場合に、第2の基板45の第1の部分P1の一部、第2の部分P2の一部、及び第3の部分P3の一部がそれぞれ、第1の基板41に重ねられる。
さらに、図3のように第1の基板41の第1の面41aを平面視した場合に、第1のアンテナパターン46の内側46aの一部が、第1の基板41の外に位置する。言い換えると、第1の面41aを平面視した場合に、第1のアンテナパターン46の内側46aの一部が、第1の基板41に重ならない。第1のアンテナパターン46の内側46aは、環状の第1のアンテナパターン46に囲まれた領域である。内側46aは空虚であっても良い。また、内側46aに物体が存在しても良い。なお、第1の基板41の第1の面41aを平面視した場合に、第1のアンテナパターン46の一部も、第1の基板41の外に位置する。
別の表現によれば、図3のように第1の基板41の第1の面41aを平面視した場合に、第2の基板45の第2の部分P2の一部が、第1の基板41の外に位置する。図3のように第1の面41aを平面視した場合、第1のアンテナパターン46の内側46aは、第2の部分P2と実質的に一致する。なお、第1のアンテナパターン46の内側46aは、第2の部分P2と異なっても良い。
図4に示すように、第1の基板41の外に位置する第1のアンテナパターン46の内側46aの一部は、Z軸に沿う方向において、ボトムカバー32及びトップカバー33に面する。言い換えると、Z軸に沿う方向において、第1の基板41の外に位置する第1のアンテナパターン46の内側46aの一部は、樹脂によって作られたボトムカバー32及びトップカバー33に重ねられる。
図3に示すように、第1の基板41の第1の面41aに、複数の接続パッド81が設けられる。複数の接続パッド81はそれぞれ、接続パッドの一例であり、例えば、パターン、ランド、導体、又は金属部とも称され得る。複数の接続パッド81それぞれに、対応する通信コントローラ24、フラッシュメモリ25、又はメモリコントローラ26の端子が、例えば半田付けにより電気的に接続される。なお、接続パッド81は、第2の面41bに設けられても良い。
複数の接続パッド81からそれぞれ、第1のリード82が延ばされる。第1のリード82は、例えば、第1の基板41の第1のソルダーレジスト83によって覆われる。第1のソルダーレジスト83は、第1の基板41の第1の面41aの少なくとも一部を形成する。図3は、説明のため、第1のリード82を二点鎖線で示す。
第1のリード82は、対応する接続パッド81から、第1の基板41の端面41cに向かって延ばされる。言い換えると、第1のリード82は、第1の基板41の第1の面41aの端に向かって延ばされる。第1のリード82は、複数の曲げられた部分を有しても良い。第1のリード82の端部は、第1の面41aの端から離間する。
第1のソルダーレジスト83に、複数の第1の開口84が設けられる。第1の開口84は、例えば、第1の基板41の第1の面41aの端から延ばされた切欠きである。第1の開口84は、孔であっても良い。
図3のように第1の基板41の第1の面41aを平面視した場合、第1のリード82の端部は、第1の開口84を形成する第1のソルダーレジスト83の縁と実質的に重ねられる。なお、第1のリード82の端部は他の位置に配置されても良い。第1の開口84は、第1のリード82をエッチバック(etch back)する場合に利用される。
図4に示すように、封止樹脂86が、第1の基板41の第1の面41a、通信コントローラ24、フラッシュメモリ25、及びメモリコントローラ26を覆う。封止樹脂86は、例えば合成樹脂であり、第1の基板41の第1の面41a、通信コントローラ24、フラッシュメモリ25、及びメモリコントローラ26に密着する。封止樹脂86は、第1のソルダーレジスト83の第1の開口84を覆う。なお、図3は、当該封止樹脂86を省略して第1の基板41を示している。
以上説明されたSDカード11において、図2の無線アンテナ23(第1のアンテナパターン46)は、無線通信ホスト装置13から発信された電波を受けると、電磁誘導により電流又は電圧を発生させる。無線アンテナ23は、発生した電力を、通信コントローラ24に供給する。
本実施形態の無線アンテナ23は、NFCに対応する所定の周波数又は周波数帯に対応して設定される。無線アンテナ23の第1のアンテナパターン46及び内側46aの一部が、Z軸に沿う方向において第1の基板41と重ねられるため、第1のアンテナパターン46が受ける電波の周波数又は周波数帯がずれることがある。当該電波の周波数又は周波数帯は、例えば、キャパシタ27により調整される。
無線アンテナ23は、無線通信ホスト装置13から受けたデータを、通信コントローラ24に送る。さらに、無線アンテナ23は、通信コントローラ24から受けたデータを、無線通信ホスト装置13に送る。
通信コントローラ24は、無線アンテナ23を介して無線通信ホスト装置13と通信可能である。通信コントローラ24は、無線通信ホスト装置13に対する無線アンテナ23を用いたNFCを制御する。
通信コントローラ24は、上述の電磁誘導により無線アンテナ23で発生した電力により動作可能である。通信コントローラ24は、無線通信ホスト装置13からの電波に基づいて無線アンテナ23で発生した電流又は電圧で表される信号又はデータを受け、当該信号又はデータに応じて動作する。例えば、通信コントローラ24は、動作時に、無線通信ホスト装置13から無線アンテナ23を介してNFCに対応する所定の周波数でデータを受け、データを記憶部24aに書き込む。また、通信コントローラ24は、動作時に、記憶部24aに書き込まれているデータを読み出し、当該データを無線アンテナ23を介して、無線通信ホスト装置13へ送る。より具体的には、通信コントローラ24は、無線アンテナ23を介してNFCに対応する所定の周波数の信号を受信すると、NFCによる通信をすることができる。
フラッシュメモリ25に対する書き込み時に、通信コントローラ24は、ホスト装置12からI/F端子22を介して受信したデータを、メモリコントローラ26へ送る。フラッシュメモリ25に対する読み出し時に、通信コントローラ24は、メモリコントローラ26から受信したデータを、I/F端子22を介してホスト装置12へ送る。
例えばSDカード11がホスト装置12に電気的に接続されている場合、通信コントローラ24に十分な電力が供給される。この場合、通信コントローラ24は、無線通信ホスト装置13から無線アンテナ23を介してNFCにより受信されたデータを、メモリコントローラ26を介して、フラッシュメモリ25に書き込んでも良い。
通信コントローラ24に十分な電力が供給される場合、通信コントローラ24は、フラッシュメモリ25に書き込まれているデータを、メモリコントローラ26を介して読み出して、データを生成し、当該データを記憶部24aに書き込んでも良い。
通信コントローラ24に十分な電力が供給される場合、通信コントローラ24は、フラッシュメモリ25に書き込まれているデータの一部又は全部を、メモリコントローラ26を介して読み出し、読み出されたデータを、無線アンテナ23を介して無線通信ホスト装置13に送信しても良い。
記憶部24aは、無線アンテナ23で発生した電力により動作可能な低電力消費メモリである。記憶部24aは、例えば、不揮発性メモリである。記憶部24aは、通信コントローラ24又はメモリコントローラ26による制御に基づいてデータを記憶する。なお、記憶部24aは、データを一時的に記憶するメモリであっても良い。記憶部24aは、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read‐Only Memory)である。記憶部24aは、他のメモリであっても良い。
上述のように、通信コントローラ24及び記憶部24aは、無線通信ホスト装置13からの電波によって無線アンテナ23に誘起される電力により動作可能である。しかし、通信コントローラ24及び記憶部24aは、SDカード11がホスト装置12から電力を供給されている場合に、ホスト装置12から供給される電力により動作しても良い。
電圧検出器24bは、無線アンテナ23から通信コントローラ24に供給される電圧を監視し、当該電圧が所定の値になるまでNFCによる通信のリセット信号を出し続ける。これにより、NFCによる通信の異常起動及び異常動作が抑制される。
フラッシュメモリ25は、例えばNAND型フラッシュメモリである。なお、不揮発性メモリは、NAND型フラッシュメモリに限らず、NOR型フラッシュメモリ、磁気抵抗メモリ(Magnetoresistive Random Access Memory:MRAM)、相変化メモリ(Phase change Random Access Memory:PRAM)、抵抗変化型メモリ(Resistive Random Access Memory:ReRAM)、又は強誘電体メモリ(Ferroelectric Random Access Memory:FeRAM)のような他の不揮発性メモリであっても良い。
メモリコントローラ26は、フラッシュメモリ25へのデータの書き込み及び読み出しを制御する。より具体的には、メモリコントローラ26は、ホスト装置12から、I/F端子22及び通信コントローラ24を介して書き込み命令及びデータを受けた場合に、当該データをフラッシュメモリ25に書き込む。メモリコントローラ26は、ホスト装置12から、I/F端子22及び通信コントローラ24を介して読み出し命令を受けた場合に、フラッシュメモリ25からデータを読み出し、当該データを通信コントローラ24及びI/F端子22を介してホスト装置12へ送る。
例えばSDカード11がホスト装置12に電気的に接続されている場合、メモリコントローラ26に十分な電力が供給される。この場合、メモリコントローラ26は、無線通信ホスト装置13から無線アンテナ23及び通信コントローラ24を介して受けたデータを、フラッシュメモリ25に書き込んでも良い。メモリコントローラ26に十分な電力が供給される場合、メモリコントローラ26は、フラッシュメモリ25から読み出したデータを、通信コントローラ24及び無線アンテナ23を介して、無線通信ホスト装置13へ送信しても良い。
フラッシュメモリ25及びメモリコントローラ26は、ホスト装置12から供給された電力によって動作する。
キャパシタ27は、例えば、二つの端子を備える。一方の端子は、無線アンテナ23の一方の端部と電気的に接続される。他方の端子は、無線アンテナ23の他方の端部と電気的に接続される。
キャパシタ27は、無線アンテナ23に発生する電流又は電圧の周波数を調整する。より具体的には、キャパシタ27は、無線アンテナ23の第1のアンテナパターン46及び内側46aの一部が、Z軸に沿う方向において第1の基板41と重ねられることにより生じるNFCの周波数のずれを調整する。
上述のデータは、例えば、NFCインターフェースに従って無線通信ホスト装置13とSDカード11との間で送信及び受信されるデータでも良く、フラッシュメモリ25に書き込まれるデータの特徴データでも良く、無線通信ホスト装置13から無線アンテナ23を介して通信コントローラ24に受信された特徴データでも良く、フラッシュメモリ25に関する特徴データでも良く、SDカード11に関する特徴データでも良い。より具体的に説明すると、データは、例えば、フラッシュメモリ25に書き込まれる画像データのうちの一部(例えば最初又は最後)のデータ、サムネイルデータ、フラッシュメモリ25に書き込まれるデータの管理情報、フラッシュメモリ25のメモリ容量、フラッシュメモリ25の残り容量、フラッシュメモリ25に書き込まれたファイルの名称、データの生成時間、データが画像データの場合は撮影時間データ、フラッシュメモリ25に書き込まれているファイル数であっても良い。
本実施形態において、ホスト装置12からの書き込み指示及びデータが、まず、通信コントローラ24に受信され、その後、メモリコントローラ26に受信される。これは、まず、通信コントローラ24が、書き込み指示及びデータをホスト装置12から受信したか、又は、無線通信ホスト装置13から受信したかを判断し、この判断結果に応じて動作を切り替えるためである。
以上説明されたように、SDカード11は、無線アンテナ23の電磁誘導によって発生する電力によって、無線通信ホスト装置13とデータを送受信する。具体的には、NFCにおいて、無線アンテナ23の第1のアンテナパターン46の内側46aを磁束が通過することで、第1のアンテナパターン46で電力が発生するとともに、通信コントローラ24が第1のアンテナパターン46で発生した電流又は電圧で表される信号又はデータを受ける。さらに、通信コントローラ24は、無線アンテナ23の第1のアンテナパターン46の内側46aを通過する磁束を発生させることで、データを無線通信ホスト装置13へ送る。
図3のように第1の基板41の第1の面41aを平面視した場合に、第1のアンテナパターン46の内側46aの一部が、第1の基板41の外に位置する。このため、第1のアンテナパターン46の内側46aを通過する磁束が、第1の基板41と、当該第1の基板41に搭載された通信コントローラ24、フラッシュメモリ25、及びメモリコントローラ26と、の影響を受けることが抑制される。
第1の実施形態に係るSDカード11において、アンテナモジュール42に設けられた第1のアンテナパターン46が、第1の基板41に接続される。一般的に、第1のアンテナパターン46のようなループアンテナは、チップアンテナよりも安い。このため、例えば、第1の基板41に第1のアンテナパターン46の代わりにチップアンテナを搭載する場合に比べ、SDカード11の製造コストの上昇が抑制される。さらに、ループアンテナである第1のアンテナパターン46が磁束を発生させる範囲は、チップアンテナが磁束を発生させる範囲よりも広い。このため、NFCによる通信が可能な領域が広く確保され得る。さらに、第1の面41aを平面視した場合に、第1のアンテナパターン46の少なくとも一部が第1の基板41の外に位置する。これにより、第1のアンテナパターン46によって生じる磁束が、第1の基板41に搭載されたフラッシュメモリ25のような電子部品及び第1の基板41のパターンによって影響を受けることが抑制される。さらに、PCBである第1の基板41を小型化することが可能となり、SDカード11の製造コストの上昇が抑制される。
第1の面41aを平面視した場合に、第1のアンテナパターン46の少なくとも一部が第1の基板41の外に位置する。これにより、第1のアンテナパターン46の内側46aを通過する磁束が、第1の基板41に搭載されたフラッシュメモリ25のような電子部品及び第1の基板41のパターンによって影響を受けることが抑制される。
SDカード11は、第1のアンテナパターン46が搭載される、第1の基板41と異なる第2の基板45を有する。このため、第2の基板45に搭載された第1のアンテナパターン46を有するアンテナモジュール42が、第1の基板41とは別に予め製造され得る。当該アンテナモジュール42を第1の基板41に取り付けることで、第1のアンテナパターン46が第1の基板41に容易に接続される。
第1のアンテナパターン46は、複数の第3のパッド75が複数の第1のパッド71に半田付けされることで回路Cに電気的に接続される。さらに、第2の基板45の第4のパッド76は、第1の基板41に設けられた第2のパッド72に半田付けされる。これにより、例えば、第3のパッド75のみが第1のパッド71に半田付けされた場合に比べ、アンテナモジュール42が第1の基板41により強固に取り付けられる。さらに、第1及び第2の凹部55,56のような第1の基板41とアンテナモジュール42とを位置決めする部分の寸法精度が低くても、第1の基板41と第1のアンテナパターン46との電気的な接続を確保することが可能となる。
複数の第3のパッド75と第4のパッド76とのうち少なくとも一つが第2の部分P2に設けられ、複数の第3のパッド75と第4のパッド76とのうち少なくとも他の一つが第3の部分P3に設けられる。これにより、第2の基板45が第1の基板41から離れることが抑制され、複数の第1のパッド71が複数の第3のパッド75から離れることが抑制される。
第2の基板45は第1の基板41よりも薄い。これにより、第2の基板45に搭載された第1のアンテナパターン46が第1の基板41に重ねられた場合に、SDカード11が厚くなることが抑制される。
一般的に、第1のアンテナパターン46が第1の基板41に重ねられることによって生じる第1のアンテナパターン46の磁束への影響は、第1のアンテナパターン46の内側46aが第1の基板41に重ねられることによって生じる第1のアンテナパターン46の磁束への影響よりも小さい。本実施形態において、第1の面41aを平面視した場合に、第1のアンテナパターン46の少なくとも一部が第1の基板41に重ねられる(第1の基板41に位置する)。このため、第1のアンテナパターン46及び当該第1のアンテナパターン46の内側46aが大型化された場合に、第1の基板41によって生じる第1のアンテナパターン46の磁束への影響が抑制される。
ボトムカバー32に、第1の基板41が収容される第1の凹部55と、アンテナモジュール42及び当該アンテナモジュール42に搭載された第1のアンテナパターン46が収容される第2の凹部56とが設けられる。これにより、第1及び第2の凹部55,56に第1の基板41及び第1のアンテナパターン46が収容されることで、筐体31に対する第1の基板41及び第1のアンテナパターン46の位置決めが容易に行われ得る。
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態について、図5乃至図11を参照して説明する。なお、以下の複数の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
図5は、第2の実施形態に係るSDカード11を、トップカバー33を除いて示す平面図である。第1の実施形態と同じく、第1の基板41の第1の面41aと、通信コントローラ24と、フラッシュメモリ25と、メモリコントローラ26と、第1のソルダーレジスト83と、第1の開口84とは、封止樹脂86によって覆われる。第2の実施形態の封止樹脂86は、覆部材の一例である。
図6は、第2の実施形態の第1の基板41を、封止樹脂86を除いて示す平面図である。図7は、第2の実施形態の第1の基板41を示す底面図である。図8は、第2の実施形態の第1の基板41の一部を図6のF8‐F8線に沿って概略的に示す断面図である。
図8に示すように、第1の基板41は、上記第1のソルダーレジスト83と、ベース基板91と、第2のソルダーレジスト92とを有する。ベース基板91は、例えば、基材とも称され得る。なお、第1の基板41は、図8に示される構成よりも多い層を有しても良い。
ベース基板91は、例えば、合成樹脂によって覆われた紙又はガラス布によって作られた、絶縁性の板である。ベース基板91は、他の材料によって作られても良い。ベース基板91は、第1の形成面91aと、第2の形成面91bとを有する。第1の形成面91aは、形成面の一例である。
第1の形成面91aは、トップカバー33に向く略平坦な面である。第1の形成面91aは、第1の基板41の第1の面41aの一部を形成する。第1の形成面91aは、第1のソルダーレジスト83に覆われる。第2の実施形態の第1のソルダーレジスト83は、ソルダーレジストの一例である。第1のソルダーレジスト83は、第1の基板41の第1の面41aの一部を形成する。
第2の形成面91bは、ボトムカバー32に向く略平坦な面である。第2の形成面91bは、第1の形成面91aの反対側に位置する。第2の形成面91bは、第1の基板41の第2の面41bの一部を形成する。第2の形成面91bは、第2のソルダーレジスト92に覆われる。第2のソルダーレジスト92は、第1の基板41の第2の面41bの一部を形成する。
図6に示すように、第2の実施形態の第1の基板41は、第2のアンテナパターン101を有する。第2のアンテナパターン101は、第2のアンテナの一例である。第2のアンテナパターン101は、第1のパターン101aと、第2のパターン101bと、第3のパターン101cとを有する。第2のパターン101bは、第1の配線の一例である。第1のパターン101a及び第3のパターン101cはそれぞれ、第2の配線の一例である。
図7に示す第1のパターン101a及び第3のパターン101cは、ベース基板91の第2の形成面91bに設けられる。言い換えると、第1のパターン101a及び第3のパターン101cは、第1の基板41の第2の面41bに搭載される。
図6に示す第2のパターン101bは、ベース基板91の第1の形成面91aに設けられる。言い換えると、第2のパターン101bは、第1の基板41の第1の面41aに搭載される。
図7に示すように、第1のパターン101aの一方の端部は、第1のバイア102によって、第2のパターン101bの一方の端部に電気的に接続される。第3のパターン101cの一方の端部は、第2のバイア103によって、第2のパターン101bの他方の端部に電気的に接続される。このように、第1乃至第3のパターン101a,101b,101cは、連続する一つの第2のアンテナパターン101を形成する。第2のアンテナパターン101は、第1の基板41の端面41cに隣接して延ばされる。第2のアンテナパターン101は、例えば、SDカード11の右端部11d、前端部11a、及び左端部11cに隣接して延ばされる。
図7のように第1の基板41の第2の面41bを平面視した場合に、第2のパターン101bの少なくとも一部は、複数のI/F端子22と重なる。第1の基板41の第1の面41aを平面視した場合も同じく、第2のパターン101bの少なくとも一部は、複数のI/F端子22と重なる。
第1のパターン101aの他方の端部に、第5のパッド105が形成される。第3のパターン101cの他方の端部に、第6のパッド106が形成される。言い換えると、第5及び第6のパッド105,106は、第2のアンテナパターン101の両端部に形成される。第5及び第6のパッド105,106は、第1の基板41の第2の面41bに設けられる。
図5に示すように、アンテナモジュール42の第1のアンテナパターン46は、第1の巻部46bと、第2の巻部46cとを有する。第1の巻部46b及び第2の巻部46cはそれぞれ、コイル状に形成された第1のアンテナパターン46の一部である。
第1のアンテナパターン46は、第7のパッド107と、第8のパッド108とをさらに有する。第7のパッド107と第8のパッド108とは、第2の基板45の接続面45aに設けられる。
第7のパッド107は、第1のアンテナパターン46の第1の巻部46bの一方の端部に設けられる。第1の巻部46bの他方の端部に、一方の第3のパッド75が設けられる。第8のパッド108は、第1のアンテナパターン46の第2の巻部46cの一方の端部に設けられる。第2の巻部46cの他方の端部に、他方の第3のパッド75が設けられる。
上述のように、第1のアンテナパターン46は、コイル状に形成されたパターンによって構成される。第2の実施形態において、第1のアンテナパターン46を形成するパターンは、第1の巻部46bと第2の巻部46cとに分割される。
第7のパッド107及び第8のパッド108は、第2の基板45の第3の部分P3に設けられる。なお、第7のパッド107及び第8のパッド108のうち少なくとも一つが、第2の部分P2に設けられても良い。
第2の基板45の第7のパッド107は、第1の基板41の第5のパッド105に半田付けされる。さらに、第2の基板45の第8のパッド108は、第1の基板41の第6のパッド106に半田付けされる。
第7のパッド107が第5のパッド105に半田付けされることで、第1のアンテナパターン46の第1の巻部46bは、第2のアンテナパターン101の第1のパターン101aに電気的に接続される。さらに、第8のパッド108が第6のパッド106に半田付けされることで、第1のアンテナパターン46の第2の巻部46cは、第2のアンテナパターン101の第3のパターン101cに電気的に接続される。言い換えると、第1のアンテナパターン46が、第2のアンテナパターン101に電気的に接続される。
第2のアンテナパターン101は、第1のアンテナパターン46に接続されて、第1のアンテナパターン46と共に一つのループアンテナ111を形成する。すなわち、ループアンテナ111は、互いに電気的に接続された一方の第3のパッド75、第1の巻部46b、第7のパッド107、第5のパッド105、第1のパターン101a、第1のバイア102、第2のパターン101b、第2のバイア103、第3のパターン101c、第6のパッド106、第8のパッド108、第2の巻部46c、及び他方の第3のパッド75を有する。第2の実施形態において、図2の無線アンテナ23は、ループアンテナ111を有する。
ループアンテナ111は、当該ループアンテナ111の内側の領域を囲むように延ばされた導体(第1のアンテナパターン46及び第2のアンテナパターン101)によって形成される。ループアンテナ111において、導体は、ループアンテナ111の内側の領域を囲めば良く、一周より短く巻かれても良い。言い換えると、ループアンテナ111の内側の領域と、ループアンテナ111の外側の領域がつながっても良い。導体は、複数周巻かれても良い。導体の端部に電圧を印加されることで、ループアンテナ111は、当該ループアンテナ111の内側を通過する磁束を発生させる。また、ループアンテナ111の内側を磁束が通過することで、導体に電圧が発生する。このように、ループアンテナ111は、電磁誘導によって外部の装置との間で通信を行う。
図6に示すように、第1の基板41は、複数の第1の領域A1と、第2の領域A2とを有する。複数の第1の領域A1及び第2の領域A2はそれぞれ、例えば、部分又は範囲とも称され得る。複数の第1の領域A1及び第2の領域A2はそれぞれ、ループアンテナ111に囲まれる。
複数の第1の領域A1はそれぞれ、図6のように第1の基板41の第1の面41aを平面視した場合に、通信コントローラ24、フラッシュメモリ25、及びメモリコントローラ26のうち少なくとも一つと重ねられた第1の基板41の一部である。
複数の第1の領域A1はそれぞれ、第2の領域A2に囲まれ、ループアンテナ111から離間する。言い換えると、通信コントローラ24、フラッシュメモリ25、及びメモリコントローラ26は、ループアンテナ111から離間する。なお、通信コントローラ24、フラッシュメモリ25、及びメモリコントローラ26の少なくとも一つがループアンテナ111と隣接しても良い。
第2の領域A2は、ループアンテナ111に囲まれ、且つ第1の面41aを平面視した場合に複数の第1の領域A1から外れた、第1の基板41の一部である。このように、第1の基板41のループアンテナ111に囲まれた部分は、複数の第1の領域A1又は第2の領域A2に区分される。第1の基板41のループアンテナ111に囲まれた部分に、第1及び第2の領域A1,A2と異なる他の領域が設けられても良い。
図9は、第2の実施形態の第1の基板41の一部を図6のF9‐F9線に沿って概略的に示す断面図である。図9に示すように、第1の基板41に、グラウンド113が設けられる。グラウンド113は、例えば、グランドパターン、グランド層、又は導体とも称され得る。グラウンド113は、例えば、ベース基板91の第1の形成面91aに設けられる。グラウンド113は、第2の形成面91bに設けられても良い。
グラウンド113は、複数の第1の領域A1にそれぞれ設けられる。言い換えると、グラウンド113は、第2の領域A2の外に設けられる。なお、グラウンド113の一部は、第2の領域A2に設けられても良い。さらに、グラウンド113は、第1の基板41の、ループアンテナ111を囲む部分に設けられても良い。
図6に示すように、複数の接続パッド81からそれぞれ、第1のリード82が延ばされる。図6は、接続パッド81から延ばされる第1のリード82を部分的に省略して示す。さらに、図6は、通信コントローラ24、フラッシュメモリ25、及びメモリコントローラ26の下に隠れた接続パッド81から延ばされた複数の第1のリード82のそれぞれの一部を示す。
複数の第1のリード82は、第1の形成面91aに設けられる。このため、第1のソルダーレジスト83は、第1のリード82を覆う。図6は、説明のため、第1のリード82を二点鎖線で示す。
幾つかの第1のリード82は、対応する接続パッド81から、第2のアンテナパターン101に向かって延ばされる。他の幾つかの第1のリード82は、第1の基板41の第1の面41aの端に向かって延ばされる。複数の第1のリード82はそれぞれ、複数の曲げられた部分を有しても良い。
図10は、第2の実施形態の第1の基板41の一部を示す平面図である。図10に示すように、複数の第1のリード82はそれぞれ、第1の端部82aを有する。第1の端部82aは、接続パッド81から延ばされた第1のリード82の端部である。言い換えると、第1の端部82aは、接続パッド81の反対側に位置する。
第1の端部82aは、第2のアンテナパターン101を含む他の導電体から離間する。具体的には、第1のリード82の第1の端部82aは、第1のリード82と異なる部材又は部品の導電性の部分から離間する。このため、第1のリード82は、接続パッド81と異なる他の導電体から電気的に分離される。
図10のように第1の基板41の第1の面41aを平面視した場合、第1の端部82aは、第1の開口84を形成する第1のソルダーレジスト83の縁と実質的に重ねられる。なお、第1の端部82aは他の位置に配置されても良い。第2の実施形態における第1の開口84は、孔である。なお、第1の開口84が切欠きであっても良い。
図8に示すように、第1の基板41に、配線114が搭載される。配線114は、第1の導電パターンの一例である。配線114は、例えば、ベース基板91の第1の形成面91aに設けられ、接続パッド81から延ばされる。言い換えると、配線114は、接続パッド81に接続される。
配線114は、接続パッド81と、当該接続パッド81と異なる他の導電体とを電気的に接続する。例えば、通信コントローラ24が搭載される接続パッド81から延ばされる配線114は、接続パッド81と、第1のパッド71とを電気的に接続する。フラッシュメモリ25が搭載される接続パッド81から延ばされる配線114は、接続パッド81と、メモリコントローラ26が搭載される接続パッド81とを電気的に接続する。配線114は、接続パッド81と、例えば、I/F端子22、キャパシタ27、他の電子部品、又は他の端子のような他の導電体とを接続しても良い。
第2のアンテナパターン101から、第2のリード115が延ばされる。第2のリード115は、第1の形成面91aに設けられる。このため、第1のソルダーレジスト83は、第2のリード115を覆う。図10は、説明のため、第2のリード115を二点鎖線で示す。
第2のリード115は、第2の端部115aを有する。第2の端部115aは、第2のアンテナパターン101から延ばされた第2のリード115の端部である。言い換えると、第2の端部115aは、第2のアンテナパターン101の反対側に位置する。
第2の端部115aは、第1のリード82の第1の端部82aを含む他の導電体から離間する。このため、第2のリード115は、第2のアンテナパターン101と異なる他の導電体から電気的に分離される。図10のように第1の基板41の第1の面41aを平面視した場合、第2の端部115aは、第1の開口84を形成する第1のソルダーレジスト83の縁と実質的に重ねられる。なお、第2の端部115aは他の位置に配置されても良い。
第1のリード82の数は、第2のリード115の数よりも多い。一つの第1の開口84を形成する第1のソルダーレジスト83の縁に、複数の第1のリード82の第1の端部82aと、一つの第2のリード115の第2の端部115aとが実質的に重ねられる。第1の開口84は、図10のように第1の基板41の第1の面41aを平面視した場合に、第1のリード82の第1の端部82aと、第2のリード115の第2の端部115aと、の間の領域に重ねられる。
第2のアンテナパターン101から、第3のリード116がさらに延ばされる。第3のリード116は、第1の形成面91aに設けられる。このため、第1のソルダーレジスト83は、第3のリード116を覆う。図10は、説明のため、第3のリード116を二点鎖線で示す。
第3のリード116は、第2のアンテナパターン101と、第1の基板41の端面41cとの間に位置する。第3のリード116は、第2のアンテナパターン101から、第1の基板41の端面41cに向かって延ばされる。言い換えると、第3のリード116は、第2のアンテナパターン101から、第1の基板41の第1の面41aの端に向かって延ばされる。
第3のリード116は、第3の端部116aを有する。第3の端部116aは、第2のアンテナパターン101から延ばされた第3のリード116の端部である。言い換えると、第3の端部116aは、第2のアンテナパターン101の反対側に位置する。
第1のソルダーレジスト83に、第2の開口119が設けられる。第2の開口119は、例えば、第1の基板41の第1の面41aの端から延ばされた切欠きである。第2の開口119は、孔であっても良い。
図10のように第1の基板41の第1の面41aを平面視した場合、第3のリード116の第3の端部116aは、第2の開口119を形成する第1のソルダーレジスト83の縁と実質的に重ねられる。当該第3の端部116aは、他の導電体から離間する。このため、第3のリード116は、第2のアンテナパターン101と異なる他の導電体から電気的に分離される。なお、第3の端部116aは他の位置に配置されても良い。第2の開口119は、第1の開口84と同じく、封止樹脂86によって覆われる。
以上のように、本実施形態において、第1乃至第3のリード82,115,116は、第1の基板41の第1の形成面91aに搭載される。しかし、第1乃至第3のリード82,115,116は、第2の形成面91bのような他の場所に搭載されても良い。
上述のように、第5のパッド105及び第6のパッド106は、第2のアンテナパターン101の両端部に形成される。言い換えると、第5及び第6のパッド105,106はそれぞれ、第2のアンテナパターン101に接続される。
第5のパッド105は、第2のアンテナパターン101と、第7のパッド107とを電気的に接続する。第6のパッド106は、第2のアンテナパターン101と、第8のパッド108とを電気的に接続する。このように、第5及び第6のパッド105,106はそれぞれ、第2のアンテナパターン101と、当該第2のアンテナパターン101と異なる他の導電体と、を電気的に接続する、第2の導電パターンの一例である。第2の導電パターンは、第5及び第6のパッド105,106に限らず、他の導電パターンであっても良い。
以下、第2の実施形態の第1の基板41の製造方法の一部について例示する。なお、第1の基板41の製造方法は以下の方法に限らず、他の方法を用いても良い。
図11は、第2の実施形態の製造工程の一工程における第1の基板41の一部を示す平面図である。第1の基板41に複数の接続パッド81が形成される前に、ベース基板91の第1の形成面91aに、図11に示す第1のメッキリードL1と、第2のメッキリードL2とが設けられる。
第1及び第2のメッキリードL1,L2が設けられたベース基板91に、電解メッキによって、複数の接続パッド81及び他の複数のパッドが形成される。第1及び第2のメッキリードL1,L2は、例えば、電解メッキにより複数の接続パッド81及び他の複数のパッドを形成するために設けられる。
第1のメッキリードL1は、上述の複数の第1のリード82と、第2のリード115とを含む。言い換えると、互いに接続された複数の第1のリード82と第2のリード115とが、第1のメッキリードL1を形成する。
第1のメッキリードL1は、第2のアンテナパターン101から延ばされ、複数の分岐する部分を有し、複数の接続パッド81に接続される。言い換えると、第1のメッキリードL1の複数の端部に、接続パッド81が電解メッキにより形成される。
第2のメッキリードL2は、上述の第3のリード116を含む。第2のメッキリードL2は、第2のアンテナパターン101から、第1の基板41の端面41cまで延ばされる。第2のメッキリードL2は、第2のアンテナパターン101及び第1のメッキリードL1を介して、複数の接続パッド81に電気的に接続される。言い換えると、第2のメッキリードL2と、第2のアンテナパターン101と、第1のメッキリードL1と、複数の接続パッド81との電位はそれぞれ等しくなる。なお、第2のメッキリードL2と、第2のアンテナパターン101と、第1のメッキリードL1と、複数の接続パッド81との電位はそれぞれ異なっても良い。
接続パッド81が電解メッキにより形成されるとき、第2のメッキリードL2は電源に接続される。例えば、複数の第1の基板41が一つの集合基板から切り出される前において、複数の第1の基板41を含む当該集合基板に、それぞれの第1の基板41の第2のメッキリードL2に接続されたリードが搭載される。集合基板が電源に接続された治具にクランプされることで、当該リードを介して、第2のメッキリードL2に電圧が印加される。第2のメッキリードL2及び第2のアンテナパターン101を介して、第1のメッキリードL1に電圧が印加されることで、接続パッド81が電解メッキにより形成される。集合基板は、フレーム、ストリップ、シート、又は集合とも称され得る。
第1のメッキリードL1の一部は、複数の第1の開口84によって露出される。第1の開口84は、例えば、複数の第1のリード82と、第2のリード115とが接続される部分(分岐する部分)を露出させる。第2のメッキリードL2の一部は、第2の開口119によって露出される。
複数の接続パッド81が形成されると、第1のメッキリードL1の一部と、第2のメッキリードL2の一部とが、例えば、エッチバックによって除去される。第1のメッキリードL1は、第1の開口84を通してエッチバックされることで、複数の第1のリード82と、第2のリード115とに分割される。第2のメッキリードL2は、第2の開口119を通してエッチバックされることで、第3のリード116を形成する。これにより、複数の接続パッド81は、第2のアンテナパターン101から電気的に切り離される。
次に、形成された複数の接続パッド81にそれぞれ、通信コントローラ24、フラッシュメモリ25、及びメモリコントローラ26が半田付けにより電気的に接続される。そして、封止樹脂86が、第1の基板41の第1の面41aと、通信コントローラ24と、フラッシュメモリ25と、メモリコントローラ26と、第1のソルダーレジスト83と、第1の開口84と、第2の開口119とを覆う。第1の基板41は、以上のように製造される。
第2の実施形態のSDカード11において、第1のアンテナパターン46と共に一つのループアンテナ111を形成する第2のアンテナパターン101が、第1の基板41に搭載される。これにより、SDカード11が第1のアンテナパターン46のみを有する場合に比べ、第1のアンテナパターン46及び第2のアンテナパターン101から磁束が生じる範囲がX軸に沿う方向及びY軸に沿う方向において拡大し、当該磁束による通信が可能な範囲が拡大する。さらに、ループアンテナ111が捉えられる磁束は、第1のアンテナパターン46が捉えられる磁束よりも多いため、当該磁束による通信が可能な範囲がZ軸に沿う方向においても拡大する。このように、磁束による通信が可能な範囲が拡大し、SDカード11の通信特性が向上する。
第2のアンテナパターン101は、第1の形成面91aに搭載された第2のパターン101bと、第2の形成面91bに搭載された第1及び第3のパターン101a,101cとを有する。第2のアンテナパターン101の一部が第2の形成面91bに搭載されるため、第1の面41aの、フラッシュメモリ25のような種々の電子部品が搭載されることが可能な範囲が低減することが抑制される。
第1の基板41は、フラッシュメモリ25のような電子部品が搭載されるとともにグラウンド113が設けられた第1の領域A1と、第1の領域A1から外れた第2の領域A2とを有する。第2の領域A2が設けられることで、通信コントローラ24、フラッシュメモリ25、及びメモリコントローラ26とグラウンド113によって生じる、第1のアンテナパターン46と第2のアンテナパターン101とによって形成される一つのループアンテナ111の磁束への影響が軽減される。
フラッシュメモリ25のような電子部品が接続される接続パッド81から、第1のリード82が延びる。第1のリード82は、他の導電体から電気的に分離される。一方、第2のアンテナパターン101から第2のリード115が延びる。第2のリード115は、他の導電体から電気的に分離される。第1及び第2のリード82,115は、例えば、SDカード11の製造工程において接続され、第1のメッキリードL1を形成する。この場合、第2のアンテナパターン101を介して第1及び第2のリード82,115に電圧が印加されることで、第1のリード82の端部に接続パッド81を電解メッキにより形成することが可能である。接続パッド81が形成された後、第1のリード82と第2のリード115とが分割される。このように、第2のアンテナパターン101が形成された第1の基板41において、第1及び第2のリード82,115を利用した電解メッキによる接続パッド81の形成が可能となる。
第1のソルダーレジスト83に、第1の形成面91aを平面視した場合に第1のリード82の第1の端部82aと第2のリード115の第2の端部115aとの間の領域に重ねられる第1の開口84が設けられる。これにより、SDカード11の製造工程において、互いに接続された第1のリード82と第2のリード115とを、第1の開口84を通じて、例えばエッチバックにより分割することが可能となる。
封止樹脂86が、フラッシュメモリ25、メモリコントローラ26、及び第1のソルダーレジスト83の第1の開口84を覆う。これにより、封止樹脂86がフラッシュメモリ25、メモリコントローラ26、及び第1の形成面91aを保護し、フラッシュメモリ25、メモリコントローラ26、及び第1の形成面91aが損傷することが抑制される。
第2のアンテナパターン101と第1の基板41の端面41cとの間において、第3のリード116が第2のアンテナパターン101から延びる。第3のリード116は、他の導電体から電気的に分離される。第3のリード116は、例えば、SDカード11の製造工程において電源に接続されることができる。このため、第3のリード116、第2のアンテナパターン101、及び第2のリード115を介して第1のリード82に電圧が印加されることで、接続パッド81が電解メッキにより形成される。接続パッド81が形成された後、第3のリード116が集合基板のリードから分割される。このように、第2のアンテナパターン101が形成された第1の基板41において、第1及び第2のリード82,115を利用した電解メッキによる接続パッド81の形成が可能となる。
複数の第1のリード82の数は、複数の第2のリード115の数よりも多い。複数の第1のリード82は、例えば、SDカード11の製造工程において、対応する一つの第2のリード115に接続される。複数の第1のリード82と第2のリード115とが接続された部分が、例えばエッチバックにより除去されることで、それぞれ他の導電体から離間した第1の端部82aを有する複数の第1のリード82と、他の導電体から離間した第2の端部115aを有する第2のリード115と、が形成される。このように、第1のリード82の数に対応した数の第2のリード115が設けられることがなく、第2のリード115の数が増加することが抑制される。従って、第2のアンテナパターン101の内側における導電体の存在が低減され、第1のアンテナパターン46と第2のアンテナパターン101とによって形成される一つのループアンテナ111の磁束に影響が生じることが抑制される。
以下に、第2の実施形態の変形例について、図12を参照して説明する。図12は、第2の実施形態の変形例に係るSDカード11を、トップカバー33を除いて示す平面図である。
図12に示すように、第1の基板41の端面41cは、前端面41ca、後端面41cb、左端面41cc、及び右端面41cdを含む。なお、前端面41ca、後端面41cb、左端面41cc、及び右端面41cdは、図12における位置に基づいて呼称されるものであり、各端面41ca,41cb,41cc,41cdの向き及びその他の特徴を限定するものではない。
前端面41caは、Y軸に沿う方向における第1の基板41の一方の端面である。I/F端子22は、前端面41caに隣接する。後端面41cbは、Y軸に沿う方向における第1の基板41の他方の端面であり、前端面41caの反対側に位置する。前端面41ca及び後端面41cbは、X軸に沿う方向に延ばされる。
左端面41ccは、X軸に沿う方向における第1の基板41の一方の端面である。右端面41cdは、X軸に沿う方向における第1の基板41の他方の端面であり、左端面41ccの反対側に位置する。左端面41cc及び右端面41cdは、Y軸に沿う方向に延ばされる。
第2のアンテナパターン101は、第1の基板41の前端面41ca、後端面41cbの一部、左端面41cc、及び右端面41cdに隣接して延ばされる。端面41cの後端面41cbに隣接する部分において、第2のアンテナパターン101は開放される。言い換えると、第2のアンテナパターン101の内側の領域と、第2のアンテナパターン101の外側の領域とが、端面41cの後端面41cbに隣接する部分においてつながる。なお、第2のアンテナパターン101の形状はこれに限らない。
第2の実施形態の変形例において、複数の第1のリード82はそれぞれ、接続パッド81から、第1の基板41の後端面41cbに向かって延ばされる。言い換えると、第1のリード82は、I/F端子22が隣接する前端面41caから離間する方向に延ばされる。
図12のように第1の基板41の第1の面41aを平面視した場合、第1のリード82の第1の端部82aは、後端面41cbに実質的に重ねられる。すなわち、第1のリード82は、接続パッド81から、後端面41cbまで延ばされる。第1の端部82aは、第2のアンテナパターン101を含む他の導電体から離間する。
接続パッド81から延ばされる幾つかの第1のリード82の延長線上に、第2のアンテナパターン101が存在する場合がある。この場合、第1のリード82は、少なくとも一つの曲げられた部分を有し、第2のアンテナパターン101と交差しない経路で延ばされる。言い換えると、第1のリード82は、第2のアンテナパターン101を避けて延ばされ、第2のアンテナパターン101から離間する。
第2の実施形態の変形例において、全ての第1のリード82は、第2のアンテナパターン101と交差せず、接続パッド81から、後端面41cbまで延ばされる。第1のリード82は、接続パッド81と異なる他の導電体から電気的に分離される。
少なくとも一つの接続パッド81は、後端面41cbよりも、前端面41caと、左端面41ccと、右端面41cdとのいずれかに近い。すなわち、第1のリード82は、接続パッド81から、最も近い端面41cである前端面41ca、左端面41cc、又は右端面41cdではなく、後端面41cbまで延ばされる。
第2の実施形態の変形例においては、第1のソルダーレジスト83に、第1の開口84が設けられない。第1のソルダーレジスト83に第1の開口84が設けられても良いが、上述のように、第1の面41aを平面視した場合に、第1のリード82の第1の端部82aは、後端面41cbに重ねられる。
第1の基板41の後端面41cbは、第1のアンテナパターン46を有するアンテナモジュール42に向く。さらに、第1の面41aを平面視した場合、後端面41cbの少なくとも一部は、アンテナモジュール42に重ねられる。
第2のアンテナパターン101は、第1のアンテナパターン46に接続される。第2のアンテナパターン101の内側の領域をより大きくするため、第2のアンテナパターン101は、第1のアンテナパターン46から離れた前端面41ca、左端面41cc、及び右端面41cdに隣接して延ばされる。このため、第1のリード82が接続パッド81から後端面41cbまで延ばされることで、第1のリード82が第2のアンテナパターン101から離間した経路に容易に配置される。なお、第1のリード82は、接続パッド81から、前端面41ca、左端面41cc、又は右端面41cdまで延ばされても良い。
第1のリード82の一部は、第1の面41aを平面視した場合、第1のアンテナパターン46の内側46aと重ねられる。第1のリード82は、第1のアンテナパターン46を形成する導体よりも細い。このため、第1のリード82が第1のアンテナパターン46の磁束に影響を及ぼすことが抑制される。
第2の実施形態の変形例のSDカード11において、全ての第1のリード82は、第2のアンテナパターン101から離間し、接続パッド81から第1の基板41の端面41cまで延ばされる。これにより、エッチバックにより第1のリード82と第2のアンテナパターン101とを電気的に分離させる必要が無く、SDカード11の製造工程及び製造コストの上昇が抑制される。
(第3の実施形態)
以下に、第3の実施形態について、図13を参照して説明する。図13は、第3の実施形態に係るSDカード11を示す平面図である。図13に示すように、第3の実施形態のSDカード11は、マイクロSDカード131と、アダプタ132とを有する。アダプタ132に取り付けられたマイクロSDカード131が、フルサイズのSDカード11として利用される。
マイクロSDカード131は、半導体装置の一例であり、例えば、装置、モジュール、ユニット、メディア、及び部品とも称され得る。半導体装置は、例えば、ミニSDカード又はUSBフラッシュメモリのような他の装置であっても良い。
マイクロSDカード131は、第1の基板41と、複数のI/F端子22と、通信コントローラ24と、フラッシュメモリ25と、メモリコントローラ26とを有する。第3の実施形態におけるI/F端子22は、マイクロSDインターフェース端子である。
マイクロSDカード131は、単体でホスト装置12と電気的に接続され、ホスト装置12によってデータを書き込まれ、又はホスト装置12によってデータを読み出されることができる。
マイクロSDカード131は、二つの第1の接続端子135を有する。第1の接続端子135は、I/F端子22と同じく、第1の基板41の第2の面41bに設けられる。二つの第1の接続端子135は、例えば、複数のI/F端子22と隣接する。第1の接続端子135は、他の場所に設けられても良い。
二つの第1の接続端子135は、例えば、通信コントローラ24に電気的に接続される。二つの第1の接続端子135はそれぞれ、例えば開口を通して、外部に露出される。なお、第1の接続端子135は、I/F端子22に含まれても良い。
アダプタ132は、マイクロSDカードをフルサイズのSDカードのリーダ/ライタで利用させるためのアダプタである。アダプタは、例えば、ミニSDカードをフルサイズのSDカードのリーダ/ライタで利用させるためのアダプタ、SDカード、ミニSDカード、若しくはマイクロSDカードをUSBコネクタで利用させるためのアダプタ、USBのA端子をタイプCのような他のUSB規格のコネクタで利用させるためのアダプタ、のような他のアダプタであっても良い。
アダプタ132は、ケース141と、複数のフルサイズI/F端子142と、ループアンテナ143と、二つの第2の接続端子144とを有する。フルサイズI/F端子142は、第2のインターフェース端子の一例である。ループアンテナ143は、第1のアンテナ及びアンテナの一例である。
ケース141は、例えば、非磁性体且つ絶縁体である合成樹脂によって作られる。ケース141は、他の材料によって作られても良い。ケース141は、大よそ四角形の箱状に形成される。
フルサイズI/F端子142は、SDインターフェース端子である。フルサイズI/F端子142は、Y軸に沿う方向におけるケース141の一方の端部に設けられる。複数のフルサイズI/F端子142は、X軸に沿う方向に並べられる。フルサイズI/F端子142は、ケース141の外部に露出される。
ケース141に、挿入口141aが設けられる。挿入口141aは、Y軸に沿う方向におけるケース141の他方の端部に開口する。マイクロSDカード131は、挿入口141aに挿入されることで、アダプタ132に取り外し可能に取り付けられる。
挿入口141aにマイクロSDカード131が挿入されることで、マイクロSDカード131の複数のI/F端子22が、対応するフルサイズI/F端子142に電気的に接続される。I/F端子22は、フルサイズI/F端子142を介して、ホスト装置12と電気的に接続可能である。
ループアンテナ143は、ケース141に収容される。ループアンテナ143は、例えば、コイル状、スパイラル状、又は渦巻き状と称され得る形状に形成される。本実施形態において、ループアンテナ143は、コイル状に巻かれた銅ワイヤによって形成される。コイル状に巻かれた銅ワイヤは、巻かれた導体の一例である。なお、ループアンテナ143は、例えば、基板に形成されたパターンであっても良い。
ケース141は、外枠領域151と、内領域152とを含む。外枠領域151は、ケース141の周端部141bに隣接する枠状の部分である。内領域152は、外枠領域151に囲まれる。
ループアンテナ143は、ケース141の外枠領域151に配置される。言い換えると、ループアンテナ143は、ケース141の周端部141bに沿って延ばされる。なお、ループアンテナ143の配置はこれに限らない。
二つの第2の接続端子144は、挿入口141aの内部に設けられる。二つの第2の接続端子144は、ループアンテナ143の二つの端子である。一方の第2の接続端子144は、ループアンテナ143の一方の端部に電気的に接続される。他方の第2の接続端子144は、ループアンテナ143の他方の端部に電気的に接続される。
マイクロSDカード131が挿入口141aに挿入されることで、マイクロSDカード131の二つの第1の接続端子135がそれぞれ、対応する第2の接続端子144に電気的に接続される。これにより、通信コントローラ24が、第1及び第2の接続端子135,144を介して、ループアンテナ143に電気的に接続される。
第3の実施形態の通信コントローラ24は、第1の実施形態の第1のアンテナパターン46の代わりに、ループアンテナ143を介して無線通信ホスト装置13と通信する。すなわち、第3の実施形態において、図2の無線アンテナ23は、ループアンテナ143を有する。
アダプタ132の第1のアンテナパターン46は、無線通信ホスト装置13から受けたデータを、マイクロSDカード131の通信コントローラ24に送る。さらに、アダプタ132の第1のアンテナパターン46は、マイクロSDカード131の通信コントローラ24から受けたデータを、無線通信ホスト装置13に送る。
図13は、挿入口141aに挿入されたマイクロSDカード131を二点鎖線で示す。図13のように第1の基板41の第1の面41aを平面視した場合に、ループアンテナ143の内側143aの一部が、マイクロSDカード131の外に位置する。ループアンテナ143の内側143aは、環状のループアンテナ143に囲まれた領域である。また、第1の面41aを平面視した場合に、ループアンテナ143の一部が、第1の基板41の外に位置する。
第3の実施形態のSDカード11において、ループアンテナ143を有するアダプタ132に、第1の基板41を有するマイクロSDカード131が取り付けられる。これにより、マイクロSDカード131が小さくても、アダプタ132のループアンテナ143を介して、マイクロSDカード131が無線通信ホスト装置13と通信できる。
ループアンテナ143は、巻かれた銅ワイヤによって形成される。これにより、例えばループアンテナ143が基板上のパターンによって形成される場合に比べ、SDカード11の製造コストの上昇が抑制される。
(第4の実施形態)
以下に、第4の実施形態について、図14乃至図16を参照して説明する。図14は、第4の実施形態に係る第1の基板41を示す平面図である。図14に示すように、第4の実施形態において、第1のアンテナパターン46は第1の基板41に搭載される。第4の実施形態において、図2の無線アンテナ23は、第1のアンテナパターン46を有する。
図15は、第4の実施形態の第1の基板41の一部を示す平面図である。図14及び図15に示すように、第4の実施形態の第1の基板41に、第2の実施形態と同じく、複数の接続パッド81、複数の第1のリード82、第1のソルダーレジスト83、第2のリード115、及び第3のリード116が設けられる。第1のソルダーレジスト83に、複数の第1の開口84と、第2の開口119とが設けられる。
第2のリード115は、第2の実施形態の第2のアンテナパターン101の代わりに、第1のアンテナパターン46から延ばされる。第3のリード116も同じく、第1のアンテナパターン46から延ばされる。
図16は、第4の実施形態の製造工程の一工程における第1の基板41の一部を示す平面図である。図16に示すように、第1の基板41に複数の接続パッド81が形成される前に、ベース基板91の第1の形成面91aに、第1のメッキリードL1と、第2のメッキリードL2とが設けられる。
第1のメッキリードL1は、複数の第1のリード82と第2のリード115とを含む。第1のメッキリードL1は、第1のアンテナパターン46から延ばされ、複数の分岐する部分を有し、複数の接続パッド81に接続される。言い換えると、第1のメッキリードL1の端部に、接続パッド81が電解メッキにより形成される。
第2のメッキリードL2は、第3のリード116を含む。第2のメッキリードL2は、第1のアンテナパターン46から、第1の基板41の端面41cまで延ばされる。第2のメッキリードL2は、第1のアンテナパターン46及び第1のメッキリードL1を介して、複数の接続パッド81に電気的に接続される。
接続パッド81が電解メッキにより形成されるとき、第2のメッキリードL2は電源に接続される。複数の接続パッド81が形成されると、第1のメッキリードL1の一部と、第2のメッキリードL2の一部とが、例えば、エッチバックによって除去される。第1のメッキリードL1は、第1の開口84を通してエッチバックされることで、複数の第1のリード82と、第2のリード115とに分割される。第2のメッキリードL2は、第2の開口119を通してエッチバックされることで、第3のリード116を形成する。これにより、複数の接続パッド81は、第1のアンテナパターン46から電気的に切り離される。
第4の実施形態のSDカード11において、フラッシュメモリ25のような電子部品が接続される接続パッド81から、第1のリード82が延びる。第1のリード82は、他の導電体から電気的に分離される。一方、第1のアンテナパターン46から第2のリード115が延びる。第2のリード115は、他の導電体から電気的に分離される。第1及び第2のリード82,115は、例えば、SDカード11の製造工程において接続され、第1のメッキリードL1を形成する。この場合、第1のアンテナパターン46を介して第1及び第2のリード82,115に電圧が印加されることで、第1のリード82の端部に接続パッド81を電解メッキにより形成することが可能である。接続パッド81が形成された後、第1のリード82と第2のリード115とが分割される。このように、第1のアンテナパターン46が形成された第1の基板41において、第1及び第2のリード82,115を利用した電解メッキによる接続パッド81の形成が可能となる。従って、チップアンテナでなくループアンテナである第1のアンテナパターン46を第1の基板41に設けることが可能となり、SDカード11の製造コストの上昇が抑制される。
以下に、第4の実施形態の変形例について、図17乃至図19を参照して説明する。図17は、第4の実施形態の変形例に係る第1の基板41を示す平面図である。図17に示すように、第4の実施形態の変形例において、第1の基板41に、複数の接続パッド81、複数の第1のリード82、第1のソルダーレジスト83、複数の第2のリード115、複数の第3のリード116、及び複数の第4のリード161が設けられる。第1のソルダーレジスト83に、複数の第1の開口84と、複数の第2の開口119と、複数の第3の開口162とが設けられる。
図17は、説明のため、複数の第1のリード82、複数の第2のリード115、複数の第3のリード116、及び複数の第4のリード161を実線で示し、複数の第1の開口84、複数の第2の開口119、及び複数の第3の開口162を二点鎖線で示す。
図18は、第4の実施形態の変形例の第1の基板41の一部を示す平面図である。第4の実施形態の変形例において、第1のアンテナパターン46は、複数周巻かれる。このため、図18に示すように、第1の基板41の端面41cに隣接する領域において、第1のアンテナパターン46の延部46dと他の延部46dとが、間隔を介して実質的に平行に延ばされる。第1のアンテナパターン46の延部46dは、隣接する端面41cに沿って延ばされる第1のアンテナパターン46の一部である。
第4のリード161は、第1の形成面91aに設けられる。このため、第1のソルダーレジスト83は、第4のリード161を覆う。複数の第4のリード161は、第1のアンテナパターン46の延部46dから、隣接する他の延部46dに向かって延ばされる。例えば、一つの第4のリード161は、一つの延部46dから、当該延部46dに隣接するとともに当該延部46dよりもフラッシュメモリ25から離間した他の延部46dに向かって延ばされる。すなわち、第4のリード161は、第1のアンテナパターン46の隣り合う二つの延部46d,46dの間に位置する。
複数の第4のリード161はそれぞれ、第4の端部161aを有する。第4の端部161aは、第1のアンテナパターン46から延ばされた第4のリード161の端部である。言い換えると、第4の端部161aは、第1のアンテナパターン46の反対側に位置する。
第4の端部161aは、第1のアンテナパターン46の他の延部46dを含む他の導電体から離間する。このため、第4のリード161は、第1のアンテナパターン46の延部46dと異なる他の導電体から電気的に分離される。言い換えると、第4のリード161は、複数周巻かれる第1のアンテナパターン46の途中で、当該第1のアンテナパターン46の延部46dと他の延部46dとを接続しない。
第3の開口162は、第1のソルダーレジスト83に設けられた孔である。第3の開口162は、第1の基板41の端面41cに隣接する領域において、第1のアンテナパターン46の隣り合う二つの延部46d,46dの間に位置する。第3の開口162は、第1のアンテナパターン46の隣り合う二つの延部46d,46dから離間する。
第1の基板41の第1の面41aを平面視した場合、第4のリード161の第4の端部161aは、第3の開口162を形成する第1のソルダーレジスト83の縁と実質的に重ねられる。なお、第4の端部161aは他の位置に配置されても良い。
一つの第3の開口162を形成する第1のソルダーレジスト83の縁に、第1のアンテナパターン46の一つの延部46dから延ばされる複数の第4のリード161の第4の端部161aが実質的に重ねられる。さらに、当該第3の開口162を形成する第1のソルダーレジスト83の縁に、第1のアンテナパターン46の他の延部46dから延ばされる複数の第4のリード161の第4の端部161aが実質的に重ねられる。
第1のアンテナパターン46の一つの延部46dから延ばされる第4のリード161の第4の端部161aは、第1のアンテナパターン46の他の延部46dから延ばされる第4のリード161の第4の端部161aと向かい合う。第1のアンテナパターン46の一つの延部46dから延ばされる第4のリード161は、第1のアンテナパターン46の他の延部46dから延ばされる第4のリード161の延長線上に位置する。
対応する第1のリード82、第2のリード115、第3のリード116、及び複数の第4のリード161は、互いに延長線上に位置する。なお、第1のリード82、第2のリード115、第3のリード116、及び第4のリード161の配置はこれに限らない。
図19は、第4の実施形態の変形例の製造工程の一工程における第1の基板41の一部を示す平面図である。図19に示すように、第1の基板41に複数の接続パッド81が形成される工程の前に、ベース基板91の第1の形成面91aに複数のメッキリードLが設けられる。メッキリードLは、例えば、電解メッキにより複数の接続パッド81及び他の複数のパッドを形成するために設けられる。
複数のメッキリードLはそれぞれ、第1のリード82と、第2のリード115と、第3のリード116と、複数の第4のリード161とを含む。メッキリードLは、接続パッド81から、第1の基板41の端面41cまで延ばされる。言い換えると、メッキリードLの端部に、接続パッド81が電解メッキにより形成される。
複数のメッキリードLはそれぞれ、一つの接続パッド81から直線状に、第1の基板41の端面41cまで延ばされる。なお、複数のメッキリードLは、曲げられても良いし、結合(分岐)しても良い。
複数のメッキリードLは、第1のアンテナパターン46の複数の延部46dと交差する。言い換えると、複数のメッキリードLは、第1のアンテナパターン46の延部46dと、他の延部46dとを電気的に接続する。なお、例えば、フラッシュメモリ25やメモリコントローラ26がワイヤボンディング技術を用いて配線される場合に、第1のアンテナパターン46の一部がボンディングワイヤにより形成されてメッキリードLから離間しても良い。
複数のメッキリードLは、複数の第1の基板41が一つの集合基板から切り出される前において、複数の第1の基板41を含む集合基板のリードに接続される。すなわち、複数のメッキリードLはそれぞれ、集合基板のリードと、第1のアンテナパターン46の内側46aとを接続する。接続パッド81が電解メッキにより形成されるとき、メッキリードLは電源に接続される。
複数の接続パッド81が形成されると、メッキリードLの一部が、例えば、エッチバックによって除去される。メッキリードLは、第1の開口84、第2の開口119、及び複数の第3の開口162を通してエッチバックされることで、第1のリード82と、第2のリード115と、第3のリード116と、複数の第4のリード161とに分割される。
メッキリードLがエッチバックされることで、複数の接続パッド81は、第1のアンテナパターン46から電気的に切り離される。さらに、第1のアンテナパターン46の延部46dが、他の延部46dから電気的に切り離される。
第4の実施形態の変形例のSDカード11において、接続パッド81から第1のリード82が延び、第1のアンテナパターン46から第2のリード115が延びる。さらに、第1のアンテナパターン46から第1の基板41の端面41cに向かって第3のリード116が延び、第1のアンテナパターン46の延部46dから他の延部46dに向かって第4のリード161が延びる。第1乃至第4のリード82,115,116,161はそれぞれ、他の導電体から電気的に分離される。第1乃至第4のリード82,115,116,161は、例えば、SDカード11の製造工程において接続され、メッキリードLを形成する。この場合、第1のアンテナパターン46と交差するメッキリードLに電圧が印加されることで、第1のリード82の端部に接続パッド81を電解メッキにより形成することが可能である。接続パッド81が形成された後、第1乃至第4のリード82,115,116,161が分割される。このように、第1のアンテナパターン46が形成された第1の基板41において、第1乃至第4のリード82,115,116,161を利用した電解メッキによる接続パッド81の形成が可能となる。
上記接続パッド81の形成工程において、それぞれ直線状に伸ばされた複数のメッキリードLに電圧が印加される。このため、電源からそれぞれのメッキリードLの第1のリード82の端部までの距離が均一になりやすい。また、第1の基板41の端面41cからそれぞれのメッキリードLの第1のリード82の端部までの距離が均一になりやすい。従って、給電が安定し、複数の接続パッド81が電解メッキにより均一に形成されやすい。
(第5の実施形態)
以下に、第5の実施形態について、図20を参照して説明する。図20は、第5の実施形態に係るSDカード11を、ボトムカバー32を省略して示す底面図である。図20において、第1の基板41は、二点鎖線で示される。
図20に示すように、第5の実施形態において、第1のアンテナパターン46はトップカバー33に搭載される。第5の実施形態において、図2の無線アンテナ23は、第1のアンテナパターン46を有する。
第5の実施形態において、第1のアンテナパターン46は、トップカバー33の内部に埋め込まれる。言い換えると、第1のアンテナパターン46は、トップカバー33の上面61と第2の内面62との間に位置する。なお、第1のアンテナパターン46は、例えば、トップカバー33の第2の内面62に設けられても良いし、ボトムカバー32に設けられても良い。第1のアンテナパターン46は、印刷のような種々の方法により形成される導電パターンであっても良いし、銅線のような導体であっても良い。
第1のアンテナパターン46の両端部に、第1の端子171が設けられる。第1の端子171は、例えば、トップカバー33の第2の内面62の第3の凹部65から突出する。第1の端子171は、図20のように第1の基板41の第2の面41bを平面視した場合、第1の基板41と重ねられる。
第1の基板41の第1の面41aに、二つの第2の端子172が設けられる。第2の端子172は、第1の端子171と向かい合う。例えば、第2の端子172は、導電性のバネを介して、第1の端子171に電気的に接続される。第2の端子172は、第1の端子171に、直接的に接触しても良く、半田によって接続されても良い。これにより、第1の基板41の回路Cと第1のアンテナパターン46とが電気的に接続される。
第5の実施形態のSDカード11において、第1のアンテナパターン46は、筐体31のトップカバー33に設けられる。これにより、第1の基板41における配線の自由度の低下が抑制される。さらに、SDカード11の筐体31に第1のアンテナパターン46を設けることで、SDカード11の部品点数の増加が抑制され、SDカード11の製造コストの上昇が抑制される。
例えばバネによって、第1のアンテナパターン46の第1の端子171と、第1の基板41の第2の端子172とが電気的に接続される。これにより、第1のアンテナパターン46と第1の基板41とが相対的に移動したとしても、第1のアンテナパターン46と第1の基板41との接続部が損傷することが抑制される。
(第6の実施形態)
以下に、第6の実施形態について、図21を参照して説明する。図21は、第6の実施形態に係るSDカード11を示す平面図である。図21に示すように、トップカバー33の上面61に、ラベル181が貼り付けられる。
ラベル181は、筐体31に貼り付けられるシートである。ラベル181に、例えば、SDカード11の規格、記憶容量、挿入方向、及び説明が記載される。なお、ラベル181はこれに限らない。ラベル181は、例えば、上面61に設けられた窪み183に貼り付けられる。なお、ラベル181の一部が窪み183の外にあっても良い。
第6の実施形態において、第1のアンテナパターン46はラベル181に搭載される。第6の実施形態において、図2の無線アンテナ23は、第1のアンテナパターン46を有する。
第6の実施形態において、第1のアンテナパターン46は、ラベル181の内部に埋め込まれる。なお、第1のアンテナパターン46は、例えば、トップカバー33に貼り付くラベル181の接着面に設けられても良い。接着面は、ラベル181の、接着剤が塗布された面である。第1のアンテナパターン46は、印刷のような種々の方法により形成される導電パターンであっても良いし、銅線のような導体であっても良い。
第1のアンテナパターン46の両端部に、第3の端子185が設けられる。第3の端子185は、例えば、ラベル181の上記接着面に設けられる。第3の端子185は、図21のようにトップカバー33の上面61を平面視した場合、第1の基板41と重ねられる。
トップカバー33に、二つの貫通電極187が設けられる。貫通電極187は、導電体によって形成され、トップカバー33を貫通する。貫通電極187は、上面61から突出するとともに、第2の内面62から突出する。第1のアンテナパターン46の第3の端子185は、貫通電極187と向かい合う。第3の端子185は、貫通電極187に接触し、貫通電極187に電気的に接続される。
ラベル181がトップカバー33の窪み183に貼り付けられることで、第3の端子185は、貫通電極187に接触する。すなわち、窪み183は、第3の端子185と貫通電極187との位置合わせに用いられる。
第1の基板41の第1の面41aに、二つの第4の端子189が設けられる。第4の端子189は、貫通電極187と向かい合う。例えば、第4の端子189は、導電性のバネを介して、貫通電極187に電気的に接続される。第4の端子189は、貫通電極187に、直接的に接触しても良く、半田によって接続されても良い。
貫通電極187は、第1のアンテナパターン46の第3の端子185と、第1の基板41の第4の端子189との間に介在する。これにより、第3の端子185は、貫通電極187を介して第4の端子189に電気的に接続され、第1の基板41の回路Cと第1のアンテナパターン46とが電気的に接続される。
第6の実施形態のSDカード11において、第1のアンテナパターン46は、ラベル181に設けられる。これにより、第1の基板41における配線の自由度の低下が抑制される。さらに、SDカード11のラベル181に第1のアンテナパターン46を設けることで、SDカード11の部品点数の増加が抑制され、SDカード11の製造コストの上昇が抑制される。
ラベル181の接着面が、貫通電極187が突出するトップカバー33の上面61に接着される。これにより、第1のアンテナパターン46が搭載されたラベル181と貫通電極187とが相対的に移動することが抑制され、第1のアンテナパターン46と第1の基板41との接続部が損傷することが抑制される。
ラベル181は、トップカバー33の上面61に限らず、筐体31の他の部分に貼り付けられても良い。例えば、ラベル181は、トップカバー33の第2の内面62に貼り付けられても良い。この場合、貫通電極187を介さず、第3の端子185と第4の端子189とが電気的に接続できる。
さらに、第1のアンテナパターン46は、ラベル181に限らず、接着面を有さないシートに搭載されても良い。この場合、例えば、第1のアンテナパターン46を有さないラベル181と、トップカバー33との間に、上記シートが挟まれる。これにより、接着面を有さないシートが筐体31に貼り付けられることができる。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、第1の基板の第1の面を平面視した場合に、第1のアンテナの少なくとも一部が第1の基板の外に位置し、残りの少なくとも一部が第1の基板に位置する。これにより、半導体記憶装置の製造コストの上昇が低減される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。