JP4162736B2 - 排水集合管継手 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、排水立て管に排水横枝管を接続するための排水集合管継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の排水集合管継手は、横枝管を接続するための横枝管受け口を1箇所または周方向複数箇所に有する胴部と、この胴部の上部に設けられた、上流側の排水立て管を接続するための上部受け口と、胴部の下部に設けられた、下流側の排水立て管を接続するための下部受け口を備えている。胴部は、上流側の立て管から流下する排水と、横枝管から流入する排水が合流する部分であるため大量の排水をスムーズに流下させる必要があり、このためにこの胴部は立て管等よりも大径に設定され、この胴部と下部受け口との間は下方へ小径となるテーパ管部が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年流行の胴部が小径化されたいわゆるスリムタイプの排水集合管継手においては、横枝管から例えば汚物を含んだ大便器排水が大量かつ一気に流入すると、対向する内壁面に衝突して管内を閉塞してしまう場合があり、この閉塞状態のまま流下すると管内に圧力変動を発生する。この圧力変動が大きい場合には、排水トラップの破封等のトラブルの原因となる。
【0004】
そこで、本発明は、大便器排水等が一気に流入しても管内の閉塞を生ずることがない排水集合管継手を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載した構成の排水集合管継手とした。
請求項1に記載した排水集合管継手によれば、大便器排水用の横枝管受け口から流入した大便器排水が対向壁面に衝突しても側方には第2整流板が設けられているので側方へ飛散することはなく、これにより管内の閉塞を防止して、管内の圧力変動を発生させず若しくは最小限に抑制することができ、ひいてはトラップ破封等のトラブルを未然に防止することができる。
請求項2記載の排水集合管継手によれば、上記と同様管内の閉塞を防止できるとともに、対向内壁面に勢い良く衝突した大便器排水雑排水用の横枝管受け口に逆流することを防止することができる。
請求項3記載の排水集合管継手によれば、大便器排水が第2整流板により効率良く通気調整凸部に案内されるので旋回流の発生が効率よく行われる。
【0006】
請求項1記載の排水集合管継手において、立て管の上部受け口に沿って、断面円弧形状の第1整流板を、その凸側を前記大便器排水用の横枝管受け口側に向けて管内方へ垂下状に設けることができる。この関連技術に係る排水集合管継手によれば、断面円弧形状の第1整流板により立て管排水(立て管を経て流下する排水)が収束して流下するので、立て管排水が大便器排水用の横枝管受け口の流入方向前方を閉塞することが防止され、これにより大便器排水のスムーズな流入が確保される。
また、上記関連技術に係る排水集合管継手において、前記断面円弧形状の第1整流板の周方向中央に、流下する立て管排水を左右に分岐するための分流ガイドを設けることができる。この排水集合管継手によれば、立て管排水は、大便器排水の流入位置上方において分流ガイドにより左右に分岐されるので、大便器排水のよりスムーズな流入を促すことができる。
【0007】
このように上記の関連技術に係る排水集合管継手によれば、第1整流板により立て管排水が整流されることにより大便器排水のスムーズな流入が確保され、これにより管内の閉塞ひいては圧力変動が防止される。また、第1整流板により立て管排水が整流されることにより、この立て管排水を一層効果的に第2整流板に向けて流下させることができるので、立て管排水による管内の閉塞をも防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。図1は、以下説明する排水集合管継手1を用いた施工例が示されている。この排水集合管継手1は、上部継手2と下部継手3からなるいわゆる二体型の管継手であって、上部継手2の下端部が下部継手3の上部受け口3aに挿入されて一体化されている。上部継手2の上部受け口2aには上流側の立て管4が接続され、下部継手3の下部接続口3bは下流側の立て管5の受け口5aに接続されている。
【0009】
上部継手2には横枝管受け口6が設けられており、この受け口6には横枝管7を介して大便器8が接続されている。一方、下部継手3にも横枝管受け口9が設けられており、この受け口9には図示は省略したが雑排水用の横枝管が接続されている。
【0010】
下部継手3のテーパ管部3cの内面には、旋回流を発生させるための通気調整凸部3d,3dが設けられている。この通気調整凸部3d,3dは、テーパ管部3cの内壁面の2箇所に対向して設けられており、それぞれテーパ管部3cの上部から下部に至って所定角度で傾斜して張出し状に設けられている。流下した排水はこの通気調整凸部3d,3dに乗って案内されることにより、管内壁面に沿って旋回しつつ流下する旋回流となる。
【0011】
図中、10は上下2段に段付き形成されたコンクリートスラブであり、このコンクリートスラブ10の上段側に上記大便器8が直置きされ、下段側に当該排水集合管継手1が埋め戻しにより固定されている。また、11はトイレとパイプスペースを仕切る壁であり、上記横枝管7はこの壁11を貫通して配管されている。
【0012】
さて、この排水集合管継手1の上部継手2には、図2にその内部を示すように上流側の第1整流板20と下流側の第2整流板30,30が設けられている。第1整流板20は、上流側立て管4の上部受け口2aに沿った、横枝管受け口6側のほぼ半周の範囲に沿って断面円弧形状に形成されている。この第1整流板は、図3に示すようにその凸側を横枝管受け口6側に向けて管内方へ垂下状に設けられ、その下端は図2に示すように横枝管受け口6のほぼ上端に相当する位置にまで至っている。
【0013】
この第1整流板20の周方向中央には、略三角錐形状の分流ガイド21が管内方へ突き出し状に設けられている。上記第1整流板20により立て管4から流下した立て管排水は横枝管受け口6の前方で飛散することなく整流された状態で流下し、これにより該受け口6へ逆流することが防止されるとともに、該受け口6から流入する横枝管排水のスムーズな流入が確保される。
【0014】
また、第1整流板20の中央に設けた分流ガイド21により、立て管排水が横枝管受け口6の上方で左右に分岐され、これにより横枝管排水の流入が一層スムーズになされる。
【0015】
次に、第2整流板30,30は、横枝管受け口6に対向する管内壁面であって、該横枝管から流入した排水が衝突する位置の側方に設けられている。両第2整流板30,30は、管内壁面から管中心に向けて張出し形成されており、排水の衝突位置を囲うように配置されている。この第2整流板30,30により、管内壁面に衝突した排水の衝突後における側方への飛散が防止され、これにより他の横枝管受け口9への排水の逆流が防止される。
【0016】
両第2整流板30,30は、横枝管受け口6に対向するほぼ正面の高さから上部継手2の下端に至る範囲で上下に長く形成されている。
【0017】
上記第1および第2整流板20、30,30に対して、前記通気調整凸部3d,3dは、図3に管軸回りに関するそれらの位置関係を示すように、一方が第1整流板20の下方に位置し、他方が第2整流板30,30の下方に位置している。第1および第2整流板20、30,30と、通気調整凸部3d,3dが上記のような位置関係になるよう、上部継手2と下部継手3の管軸回りの相対位置が規制されている。
【0018】
このように構成された排水集合管継手1によれば、上部受け口2aに第1整流板20が設けられており、この第1整流板20により立て管排水が整流されて、横枝管受け口6の前方(流入方向前方、管内方)で飛散することがないので、立て管排水が横枝管受け口6へ逆流することが防止されるとともに、該受け口6からの横枝管排水の流入が阻害されることがない。
【0019】
また、第1整流板20の内面には分流ガイド21が設けられており、この分流ガイド21により立て管排水が、横枝管受け口6の真上(流下方向手前)で左右に分岐されるので、この分流ガイド21により横枝管排水のスムーズな流入が一層促進される。
【0020】
さらに、横枝管受け口6の対向壁面であって、横枝管排水の衝突位置の両側方には第2整流板30,30が設けられているので、横枝管受け口6を経て流入した横枝管排水が対向壁面に衝突しても側方へ飛散することはなく、両整流板30,30間に沿って流下する。このことから、管内の閉塞が防止されて、管内の圧力変動が抑制され、、ひいてはトラップ破封等のトラブルを未然に防止することができる。
【0021】
また、第2整流板30,30により衝突後の側方への飛散が防止されるので、一旦管継手1内に流入した横枝管排水が他の横枝管受け口9に逆流することが防止される。
【0022】
さらに、立て管排水の一部は両第2整流板30,30間に流下するので、この整流板30,30は立て管排水の整流作用をも有する。一方第2整流板30,30間に直接流下しない立て管排水も、上記第1整流板20により整流され、かつ分流ガイド21が略三角錐形状をなしているため、間接的に第2整流板30,30間に案内されて整流される。
【0023】
この第2整流板30,30の下方には通気調整凸部3dが位置しているので、両第2整流板30,30により整流された横枝管排水および立て管排水は効率よくこの通気調整凸部3dに乗せられ、これにより旋回流の発生を促すことができる。
【0024】
以上説明した集合管継手1を用いて本願出願人は排水能力試験を行った。図4は、その結果を示している。この試験は、財団法人建材試験センター規格(JSTM U9152T)「集合住宅の排水立て管システムの排水能力試験方法」に準拠して行った。すなわち、9階建て排水実験装置を用いて、9階と8階からそれぞれ毎秒2.5リットル、合計毎秒5リットルの定流量排水負荷を与えた時の管内圧力分布を各階において測定したものであり、同図のグラフ中、実線は管内圧力の平均値の変化を示し、破線は最小値の変化を示し、一点鎖線は最大値の変化を示している。この試験結果によれば、管内圧力の最小値は7階の−23.4mmAqであり、最大値は1階の+13.7mmAqとなっており、従って排水トラップの封水に影響を及ぼさないための条件である±40mmAq以下であることを満足している。このように、本実施形態の集合管継手1によれば、管内の圧力変動が十分に抑制され、これにより排水トラップの破封を確実に防止できることが実証された。
【0025】
以上説明した実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、第2整流板30は、横枝管排水の衝突位置の両側に設ける構成を例示したが、片側であって、他の横枝管受け口9が位置する側にのみ設ける構成、すなわち図3において上側の第2整流板30を廃止する構成としてもよい。かかる構成であっても、横枝管排水(大便器排水)の他の受け口9(雑排水用受け口)への逆流を防止でき、かつ横枝管排水の整流作用についての一定の範囲で同様の機能を果たすことができる。
【0026】
このことから、図3において二点鎖線で示したように例示した横枝管受け口9の反対側(図示上側)にのみ他の横枝管受け口9′が配置されている場合には、図示下側の第2整流板30を廃止して、図示上側の第2整流板30のみとしてもよい。両側に雑排水用の横枝管受け口9,9′が配置されている場合には、前記例示したように横枝管排水の衝突位置の両側に第2整流板30,30を設けておけば、両受け口9,9′に対する逆流を防止することができ、かつこの構成の場合に最も大きな横枝管排水の整流作用を得ることができる。
【0027】
また、例示した実施形態では、上部継手2と下部継手3を管軸回りの相対位置について所定の関係で一体化したいわゆる二体型の排水集合管継手1を例示して説明したが、本発明はいわゆる一体型の排水集合管継手にも同様に適用できることは言うまでもない。
【0028】
最後に、第1整流板20と第2整流板30の双方を設ける構成で例示したが、必要に応じて第1整流板20を省略する構成としてもよく、この構成によっても横枝管排水あるいは立て管排水による管内の閉塞を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を示す図であり、二体型の排水集合管継手を用いた施工例を示す側面図である。
【図2】 上部継手の縦断面図である。
【図3】 図2のIV−IV線断面図であり、第1整流板20と第2整流板30と通気調整凸部3d,3dとの管軸回りの相互の位置関係を示す図である。
【図4】 本実施形態の排水集合管継手を用いて行った排水能力試験の結果を示す図である。
【符号の説明】
1…排水集合管継手
2…上部継手、3…下部継手
3d…通気調整凸部
4…上流側の立て管
6…横枝管受け口(大便器排水用)
7…横枝管
8…大便器
9、9′…横枝管受け口(雑排水用)
20…第1整流板
21…分流ガイド
30…第2整流板

Claims (3)

  1. 大便器排水用の横枝管受け口と雑排水用の横枝管受け口を備えた排水集合管継手において、
    前記大便器排水用の横枝管受け口に対向する管内壁面であって、前記大便器排水が衝突する位置の側方に、該大便器排水の衝突後における側方への飛散を防止するための第2整流板を、前記大便器排水用の横枝管受け口に対向するほぼ正面高さと前記大便器排水が衝突する位置との間で上下に長く設けたことを特徴とする排水集合管継手。
  2. 請求項1記載の排水集合管継手であって、前記第2整流板は、前記雑排水用の横枝管受け口が位置する側に設けたことを特徴とする排水集合管継手。
  3. 請求項1記載の排水集合管継手であって、前記第2整流板は、管軸回りの位置に関して旋回流発生用の通気調整凸部と同じ位置に設けたことを特徴とする排水集合管継手。
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