JP4693315B2 - 排水用集合管 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数階建て家屋や中高層建築物などで上層階における排水を竪排水管に合流させて排水する場合における、竪排水管の合流部に使用される排水用集合管または平屋建ての家屋において排水設備の排水を合流させて排水する場合における、宅地内のマスとして使用される排水用集合管に関するものであって、各階の排水設備に付設されたトラップの封水破壊を防止できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
上層階における排水設備からの排水を下水道まで排水するためには、上層階の排水を竪排水管に合流させて地中埋設の排水管まで流下させることが必要であるが、単に合流させるだけでは、合流部で排水の流れが乱れて瞬間的に管内に排水が充満した状態となって流れることがしばしば生じる。このように排水が管内を充満して流れると下階において流下排水音による騒音問題が発生すると共に、上層階および合流する排水管路においては負圧が生じて排水設備のトラップの封水を引き込んで破封させ、悪臭が逆流して室内に入ってくるという問題が生じていた。
【0003】
そこで、従来から竪排水管への合流部で排水が管内に充満して流れることの無いようして合流させることにより、上記の問題を解消しようとする工夫が行われている。例えば、実公昭52−7530号公報には、「上下に立管用の開口接合部を有する主管部と、該主管部の中途に連通した横枝管用の接合管部とからなる接続管体であって、横枝管からの排水が管体内で遠心作用を受けるように、前記接合管部を主管部に対して一方に偏心させて連結すると共に前記主管部は上下開口接合部より径大とした径大内周壁とされ、その径大内周壁の下半部は上記の下開口接合部に向うに従って先細状に形成しかつ、該下開口接合部の内周壁に螺旋溝を設けてなる配管部材。」が開示されている。
【0004】
この配管部材においては、横枝管用の接合部を径大として、この径大部に横枝管からの排水が管体内で遠心作用を受けるように、一方に偏心させて連結する、即ち、径大部に横枝管を円周接線方向に連結することにより、横枝管からの排水を径大部内周壁面に沿って旋回させ、更に、その径大内周壁の下半部は下開口接合部に向うに従って先細状に形成して、排水を渦巻状として流下させることにより、排水流速の低下をもたらして立管の高負荷を解決すると共に排水中に発生音の原因となっている水と空気の分離を図り、通気管の省略化と不快音の除去を達成するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記配管部材においては、横枝管用の接合部を径大に形成し、この径大部に横枝管を円周接線方向に連結するようになっているので、径大部の軸芯と横枝管の軸芯との間に間隔が生じ、横枝管の中心軸芯が立管の中心軸とずれてしまうことになる。このように横枝管の中心軸が立管の中心軸と一致しないと、建築物の配管設計を行うに当たり、立管の中心軸の位置と横枝管の中心軸の位置とを常にずらして設計しなければならなくなる。
立管の位置と横枝管の位置とをずらして設置するとなると、配管するスペースの幅を広く設定しなければならない。例えば、立管の位置を固定すると横枝管を設置する横幅を広く想定して配管設計をしなければならなくなる。横枝管を設置する横幅を広くとるためには、建築物の梁や床構造などを変更する必要が生じ、建築物の設計が煩雑となる。また、幅広の配管スペースを配管後に覆うためにも特別の工夫が必要となる、などの問題点がある。
【0006】
上記実公昭52−7530号公報に開示の配管部材における問題点を解決するには、径大部に接線方向に連結される横枝管用の接合管部を屈曲して延長して、横枝管の接合部の軸芯を立管の軸芯に一致する方向にすれば、立管と横枝管との配管の軸芯が一致して配管設計を従来と同様に行うことができる。
しかし、横枝管用の接合管部を屈曲、延長すると、横枝管からの排水が、屈曲部において乱されて、巻き上がって流れることになって、立管の径大部に流入する排水が径大部の内壁面に添って旋回して流入しなくなり、横枝管用の接合管部および立管内で排水の流れが瞬間的に管内に充満した状態となって流れ、横枝管へ接続する排水設備や上層階に設置されている排水設備のトラップの封水を引き込んで破封させるという新たな問題が生じた。
【0007】
本発明の目的は、上記配管部材において、径大部に接線方向に連結される横枝管用の接合管部を屈曲して延長して、横枝管の接合部の軸芯を立管の軸芯に一致させて建築物における配管設計を簡単にすると共に、横枝管からの排水を径大部に円滑に旋回させて合流することができる排水用集合管を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、各階の横排水管を竪排水管に接続する排水用集合管であって、竪排水管より大口径の集合管本体とこの集合管本体に横排水管を接続する横排水管接続部とからなり、この横排水管接続部は各階の排水を集合管本体の接線方向に流入させる流入部と集合管本体の軸芯を通る方向の軸芯を有する接合部とが屈曲接続して構成されており、流入部の集合管本体側に位置する内面上部に軸方向に向いた排水案内板が設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載の排水用集合管において、流入部が、集合管本体に向けて下方へ傾斜して設けられているものである。
【0010】
また、請求項3記載の本発明は、請求項1または2記載の排水用集合管において、流入部が、集合管本体の外周を回り込むようにして集合管本体と一体化されているものである。
【0011】
また、請求項4記載の本発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の排水用集合管において、排水案内板が、流入管の軸芯に直交する断面で集合管本体側水平面(角度θ=0°)と水平面から60°の角度の範囲に、流入管の軸芯方向に向けて設けられているものである。
【0012】
また、請求項5記載の本発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の排水用集合管において、集合管本体の下部に下方に向けて口径が小となるテーパー部を有し、このテーパー部に錐状の突起が設けられているものである。
【0013】
また、請求項6記載の本発明は、本発明の排水用集合管の使用方法に関する発明で、家屋の周辺部の地中または地上に設置されて使用され、1階に設置される排水設備の排水管が合流された横排水管が接合部に接続されているものである。
【0014】
請求項1ないし6記載の本発明では、横排水管接続部は各階の排水を集合管本体の接線方向に流入させる流入部と集合管本体の軸芯を通る方向の軸芯を有する接合部とが屈曲接続して構成されており、流入部の集合管本体側に位置する内面上部に軸方向に向いた排水案内板が設けられているので、横排水管を流れてくる排水が屈曲部において巻き上がって瞬間的に管内に排水が充満した状態となって流れるのを防止すると共に、集合管本体の径大部に流入する排水を径大部の内壁面に添って旋回して流入させることができ、竪排水管および横排水管内に連通した空気芯を維持することが可能となり、排水設備のトラップの破封を防止することができる。
【0015】
また、請求項2記載の本発明では、流入部が、集合管本体に向けて下方へ傾斜して設けられているので、横排水管からの排水を加速させ、下方に傾斜して集合管本体内壁に添って流入させることができ、排水の旋回流をより確実に形成できる。
【0016】
また、請求項3記載の本発明では、流入部が、集合管本体の外周を回り込むようにして集合管本体と一体化されているので、横排水管からの排水が集合管本体内に流入する際の巻き上がりをより効果的に防止できる。
【0017】
また、請求項4記載の本発明では、排水案内板が、流入管の軸芯に直交する断面で集合管本体側水平面(角度θ=0°)と水平面から60°の角度の範囲に、流入管の軸芯方向に向けて設けられているので、横排水管接続部に屈曲部が存在しても、横排水管からの排水の巻き上がりが効果的に防止される。
【0018】
また、請求項5記載の本発明では、集合管本体の下部に下方に向けて口径が小となるテーパー部を有し、このテーパー部に錐状の突起が設けられているので、排水中に汚物が存在する場合であっても、この汚物が粉砕され、排水に混ざって竪排水管内壁に添って流下する。
【0019】
また、請求項6記載の本発明では、家屋の周辺部の地中または地上に設置されて使用され、1階に設置される排水設備の排水管が合流された横排水管が接合部に接続されているので、従来の排水管路のように家屋の周辺部に各排水設備毎に排水マスを設置することが不要となり、排水配管を家屋の床下で合流させることができて配管材料費および施工費用の低減ができ、更に屋外での配管が少数の排水用集合管とこの排水用集合管から公道下埋設の公共マスへの配管だけとなり整然とした配管が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の排水用集合管の第1実施例を一部を断面で示す正面図、図2は図1の平面図、図3は図1の左側面図、図4は図1のA−A線における断面図である。
【0021】
図において、1は本発明の排水用集合管で、集合管本体2と横排水管接続部3とからなる。4は排水案内板、5は突起、6は横排水管、7は竪排水管である。
集合管本体2は竪排水管7より径大の径大部21とその下方の下方に向けて小口径となるテーパー部22と竪排水管接合部23とからなる。集合管本体2の上部には枠体24が設けられ、この枠体24に蓋25が取り付けられている。
横排水管接続部3は各階の排水を集合管本体2の接線方向に流入させる流入部31と集合管本体2の軸芯26を通る方向の軸芯33を有する接合部32とが屈曲接続して構成されている。即ち、横排水管接続部3は、集合管本体2の垂直方向の軸芯26に対してほぼ水平方向に交わる軸芯33を有する接合部32と各階の排水を集合管本体2の接線方向に流入させる流入部31とが、屈曲接合されているものである。流入部31は接線方向下向きに25度傾斜して設けられている。この傾斜角度は0度、即ち水平方向であってもよいが、10〜40度範囲の角度で下向きに傾斜していると集合管本体2に流入した排水の流速を増して効果的に螺旋状に旋回させて流下できるので好ましい。
【0022】
また、流入部31の集合管本体2側に位置する内面上部に、流入部31の軸芯方向に向いた排水案内板4が設けられている。この排水案内板4は、横排水管6から流入する排水が横排水管接続部3の屈曲している流入部31の内面にぶつかって、巻き上がり、瞬間的に流入部31内に充満した状態となって流れるのを防止し、横排水管6内の空気層と集合管本体2内の空気層とが常に通じている状態を維持するために設置される。
【0023】
排水案内板4について説明すると、図4で水平左側が集合管本体2側であり、排水案内板4はこの水平面より角度θだけ傾斜した位置と方向に設けられる。実験の結果では、0°≦θ≦60°の範囲であると排水の巻き上がりが少なく好ましいものであった。角度θが0°より小さくなったり、60°より大きくなると、排水の巻き上がりを防止する効果が急激に悪くなることが分かった。
また、この排水案内板4の形状は四角形の板状であっても、高さが徐々に高くなる三角形状、円弧状等の板体であってもよい。好ましくは排水の流れの上流側となる端縁が徐々に低くなる傾斜を有し、端縁が刃物のように鋭角なものであるのがよい。排水中の汚物が引っ掛かるのを防止できるからである。
また、その高さは流入部31の内径の1/2より低く、内径の1/8より高くなされているのがよい。高さが流入部31の内径の1/2より大となったり、内径の1/8より低くなると、排水の流量が多い場合、排水の巻き上がりを防止できなくなるからである。
【0024】
また、5は集合管本体2のテーパー部22に設けられた突起である。この突起5は先端が尖った錐体があるのが良く、円錐体、多角錐体、偏平な錐体等が強度の面から好ましいが、針状の突起であっても、刃物状の突起であってもよい。偏平な錐体や刃物状の突起の場合には、鋭角となる辺が螺旋状に旋回して流下する排水の方向に向けて設けられていると、汚物の粉砕を効果的に行えると共に汚物の引っ掛かりがなくなる。
この突起5はテーパー部22に1個以上、好ましくは周方向に均等に2〜4個設けられているのがよい。
【0025】
次に、上記排水用集合管1の使用状態として、戸建て住宅の2階の排水設備からの排水を横排水管6を通じて竪排水管7に合流させて排水する場合について説明する。
2階の排水を1階に流下させる竪排水管7の上端部に排水用集合管1が接合されて設置される。このとき、この排水用集合管1の横排水管接続部3の接合部32は2階の横排水管6の軸芯と一致する方向を向けて設置される。2階の排水設備からの排水は合流して横排水管6を通じて排水されるので、横排水管6を排水用集合管1の接合部32に接着接合すればよい。
戸建て住宅の場合であれば、通常、竪排水管7および横排水管6として呼び径75mmの硬質塩化ビニル管が使用されるが、この場合の排水用集合管1の径大部21は呼び径100mmの同種の管に相当する口径であればよい。
排水用集合管1の上部には蓋体25が取り付けられ、竪排水管7の下端部は敷地内排水桝等の排水設備に接続されている。
【0026】
このように設置された排水設備において、2階のトイレ、洗面、浴槽等で排水があった場合、この排水は横排水管6を通じて排水用集合管1へ流れる。この際排水は横排水管接続部3の接合部32を経て流入部31に流れるが、接合部32と流入部31とは屈曲して接続されていると共に流入部31は下向きに25度傾斜しているため、排水は速度を増して流入部31の内面にぶちあたるように流れる。しかし、流入部31には排水案内板4が設けられているので、排水は流入部31の内側面と排水案内板4の下面とにぶちあたって排水を巻き上げることなく流下する方向を変え、集合管本体2の径大部21の接線方向に流入することになる。
径大部21に流入した排水はその旋回力により、径大部21内面に添って螺旋状に旋回して流下し、テーパー部22を経て竪排水管7に流下する。テーパー部22には突起5が設けられているので、排水中に固形の汚物等が含まれていている場合には、この汚物は突起5によって粉砕され、排水に混ざって竪排水管7内壁に添って流下する。
【0027】
上記実施例において、排水用集合管は、集合管本体2の径大部21の上部に蓋25が設けられたものであるが、中高層建築物においては、上層階からの排水が竪排水管7を通じて流れてくるので、排水用集合管においても上層階からの排水と横排水管6からの排水とを合流可能とするものが必要となる。
この場合には、集合管本体2の径大部21の上部に、蓋の代わりに上層階からの竪排水管を接続できる接合部を設ければよい。この接合部は径大部21から上方に向けて径小となるテーパー部と竪排水管接合部とを有しているものが好ましい。
【0028】
また、本発明の排水用集合管においては、横排水管から流入する排水を旋回させて集合管本体の内面に添って流下させることができるが、この旋回流は竪排水管に流入すると、壁面との流下抵抗と排水に作用する重力との影響で、徐々に下方に向けて流下することになる。小流量の場合は排水は竪排水管に添って流下するが、流量が多くなると、排水は壁面から離れて竪排水管内を自然落下することになり、この排水が壁面または下方の曲がり部などに衝突して騒音を発生させたり、一時的に竪排水管内を充満して流下して、排水設備のトラップを破封させるといった問題が生じる。
【0029】
このような問題が生じないようにするには、竪排水管として内面に螺旋状の突条が設けられた竪排水管を使用すればよい。排水用集合管で旋回流となった排水は、竪排水管の螺旋状の突条に添って旋回状態を維持して流下することとなり、騒音やトラップの破封といった問題は解決される。
【0030】
図5は本発明の排水用集合管の第2実施例を示す平面図で、請求項3に相当する実施例である。
この実施例では、横排水管接続部3aの流入部31aを集合管本体2aの径大部21aの接線方向に流入させるのに、径大部21aの外周面に流入部31a外周部分に連続する膨出部211aを形成して、流入部31aが、集合管本体2aの径大部21a外周を回り込むようにして集合管本体2aと一体化されている。
膨出部211aは、流入部31aの内周面が径大部21aの内面より外方に位置して接合され、径大部21aの外面に添って徐々に膨出深さが減少し、径大部21aの内周面と滑らかに接続するように設けられる。膨出部211aは流入部31aが径大部21aと交差する範囲内に設けられるのがよい。この理由は、本発明の排水用集合管の集合管本体2aと流入部31aとは塩化ビニル樹脂等の熱成形可能な合成樹脂から射出成形で製造されるのが効率的であるが、膨出部211aが流入部31aを成形する内型の範囲内であると、内型の抜きが簡単となり成形金型の構造が簡素化できるからである。膨出部211aの最大となる深さは流入部31aの内径の1/4〜1/2程度であればよい。
膨出部211aを設けることにより、流入部31aから流入する排水の大部分を径大部21aの内周面に添って流入させることが可能となり、流入排水を径大部21a内周面に添って確実に旋回させることができる。
【0031】
次に、図6および図7は、本発明の排水用集合管1を家屋の排水マスとして使用する態様についての説明図であり、図6は各排水設備からの排水を床下に設置した排水ヘッダーに集水し、屋外に設置した排水用集合管1に排水する実施例であり、図7は各排水設備からの排水を床下で横排水管に合流配管し、屋外に設置した排水用集合管1に排水する実施例である。
【0032】
図において、◎は排水設備8の設置位置を示す。図6に示す例では、各排水設備からの排水配管はそれぞれヘッダー81に接続され、ヘッダー81から屋外に設置されている排水用集合管1に接続され、この排水用集合管1から公共の下水管路である公共マスに接続されている。ヘッダー81の近くの床面には床下点検口82が設けられ、ヘッダー81の各配管の接続部には掃除口83が設けられていて、排水配管の点検、補修を行えるようになっている。
排水用集合管1はヘッダー81からの排水が流入するように設置される。普通床下の排水管路は床下の地面近くの支持具上に配管されるので、排水用集合管1は地中に埋設されることが多いが、傾斜地などでは傾斜面に設置されてもよい。
【0033】
この例では各排水設備の排水が複数箇所から同時に排水された場合には、排水用集合管1に大量の排水が流入することになるが、本発明の排水用集合管1においては、横排水管接続部の流入部が集合管本体の接線方向を向くように設けられていて、排水を集合管本体の接線方向に流入させ、また流入部には排水案内板が設けられていて排水が整流されるため、大量の排水が流入しても排水管路を充満した状態で流れることはなく、管路には空気層が維持される。したがって、排水設備のトラップの破封を防止できる。
従来の敷地内用マスであると、排水の流れが乱れて一時的に管路を塞いだ状態で流れることがあり、管路内に負圧を生じさせて排水設備のトラップの封水を引き込んで破封させることがしばしば生じていた。
【0034】
図7に示す例では、各排水設備8からの排水配管84は床下に配管されている管径の大なる横排水管85に接続され、この横排水管85が床下の1箇所から屋外に配管され、屋外に設置されている排水用集合管1に接続され、この排水用集合管1から公共の下水管路である公共マスに接続されている。
各排水配管84の横排水管85への合流接続部86および横排水管85の曲がり部87には管路内の点検、保守のため掃除口を設けておくのがよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明の排水用集合管においては、横排水管接続部が各階の排水を集合管本体の接線方向に流入させる流入部と集合管本体の軸芯を通る方向の軸芯を有する接合部とが屈曲接続して構成されており、流入部の集合管本体側に位置する内面上部に軸方向に向いた排水案内板が設けられているので、横排水管を流れてくる排水が屈曲部においても乱されることがなく、管内に排水が充満して流れることが防止されると共に、集合管本体の径大部に流入する排水を径大部の内壁面に添って旋回して流入させることができ、竪排水管および横排水管内に連通した空気芯を維持することが可能となり、排水設備のトラップの破封を防止することができる。
また、横排水管接続部の接合部の軸芯が集合管本体の軸芯を通るようになされているので、竪排水管の軸芯と横排水管の軸芯とが一致しており、建築物内における配管設置設計が簡単となる。
【0036】
また、請求項2記載の本発明では、流入部が、集合管本体に向けて下方へ傾斜して設けられているので、横排水管からの排水を加速させ、下方に傾斜して集合管本体内壁に添って流入させることができ、排水の旋回流をより確実に形成できる。
【0037】
また、請求項3記載の本発明では、流入部が、集合管本体の外周を回り込むようにして集合管本体と一体化されているので、横排水管からの排水が集合管本体内に流入する際の巻き上がりをより効果的に防止し、流入する排水の大部分を径大部の内周面に添って流入させることが可能となり、流入排水を径大部内周面に添って確実に旋回させることができる。
【0038】
また、請求項4記載の本発明では、排水案内板が、流入管の軸芯に直交する断面で集合管本体側水平面(角度θ=0°)と水平面から60°の角度の範囲に、流入管の軸芯方向に向けて設けられているので、横排水管接続部に屈曲部が存在しても、横排水管からの排水の巻き上がりが効果的に防止され、排水を集合管本体の内面に添って旋回させることができる。
【0039】
また、請求項5記載の本発明では、集合管本体の下部に下方に向けて口径が小となるテーパー部を有し、このテーパー部に錐状の突起が設けられているので、排水中に汚物が存在する場合であっても、この汚物を粉砕し、粉砕された汚物を排水に混ぜて竪排水管内壁に添って流下させることができる。
【0040】
また、請求項6記載の本発明では、排水用集合管を排水マスとして使用するので、1階部分の排水設備からの排水を床下で合流させてから排水用集合管に流下させることが可能となり、従来のように各排水設備からの排水を屋外の排水マスに流下させ、各排水マスの間を排水管で配管するものに比べて、屋外の配管がすっきりしたものとなる。
また、床下で排水が合流されるように配管されるので、埋設された配管の補修に比べて補修作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の排水用集合管の第1実施例を一部を断面で示す正面図である。
【図2】 図1の平面図である。
【図3】 図1の左側面図である。
【図4】 図1のA−A線における断面図である。
【図5】 本発明の排水用集合管の第2実施例を示す平面図である。
【図6】 本発明の排水用集合管を家屋の排水マスとして使用する態様の一例を示す説明図である。
【図7】 本発明の排水用集合管を家屋の排水マスとして使用する態様の他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 排水用集合管
2、2a 集合管本体
21、21a 径大部
22 テーパー部
3、3a 横排水管接続部
31、31a 流入部
32 接合部
4 排水案内板
5 突起
6 横排水管
7 竪排水管
8 排水設備

Claims (6)

  1. 各階の横排水管を竪排水管に接続する排水用集合管であって、竪排水管より大口径の集合管本体とこの集合管本体に横排水管を接続する横排水管接続部とからなり、この横排水管接続部は各階の排水を集合管本体の接線方向に流入させる流入部と集合管本体の軸芯を通る方向の軸芯を有する接合部とが屈曲接続して構成されており、流入部の集合管本体側に位置する内面上部に軸方向に向いた排水案内板が設けられていることを特徴とする排水用集合管。
  2. 流入部が、集合管本体に向けて下方へ傾斜して設けられている請求項1記載の排水用集合管。
  3. 流入部が、集合管本体の外周を回り込むようにして集合管本体と一体化されている請求項1または2記載の排水用集合管。
  4. 排水案内板が、流入管の軸芯に直交する断面で集合管本体側水平面(角度θ=0°)と水平面から60°の角度の範囲に、流入管の軸芯方向に向けて設けられている請求項1〜3のいずれか1項記載の排水用集合管。
  5. 集合管本体の下部に下方に向けて口径が小となるテーパー部を有し、このテーパー部に錐状の突起が設けられている請求項1〜4のいずれか1項記載の排水用集合管。
  6. 家屋の周辺部の地中または地上に設置されて使用され、1階に設置される排水設備の排水管が合流された横排水管が接合部に接続されている請求項1〜5のいずれか1項記載の排水用集合管。
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