JP4135363B2 - 自動車用ドア構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用ドア構造に関し、特に、ドアアウタパネルの振動抑制と張り剛性向上とを図る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用ドアは、一般にドアアウタパネルとドアインナパネルとを接合して形成され、両者の間にドア空間部が形成されている。
このような自動車用ドアにあっては、ドアアウタパネルは、その外観品質を良好とするために溶接痕が現れないようにレインフォースなどと溶接しないようにしている。
このため、走行中に路面やエンジンなどから車体に振動が入力されたときに、ドアアウタパネルが共振して騒音が発生する。
【0003】
そこで、この騒音の発生を抑制するとともに、また、ドアアウタパネルが内側に変形しないようにする張り剛性を確保する構造として、図8に示すような構造が知られている。
図において01はドアインナウエストレインフォース、02はドアアウタウエストレインフォースである。これらは自動車用ドアにおいて、窓用開口部の下縁において、窓ガラスが上下にスライドする昇降口010を挟んで設けられているもので、この部位の補強を行っている。ドアインナウエストレインフォース01は図外のドアインナパネルに溶接されている。また、ドアアウタウエストレインフォース02は、前端が図外のドアインナパネルに溶接され、後端がチャンネルブラケット03に溶接されている。なお、このチャンネルブラケット03は、図外のドアインナパネルに溶接されており、窓ガラスの昇降をガイドするグラスランを保持するチャンネル04が溶接されている。
【0004】
図外のドアアウタパネルの裏面を支持するストラット05が、その上下端部を前記ドアアウタウエストレインフォース02の中間部と図外のドアインナパネル下縁とに溶接されて上下方向に架け渡されている。
さらに、ストラット05の中間部の位置にスティフナ06が前後方向に架け渡されている。このスティフナ06も、図外のドアアウタパネルの裏面を支持するもので前後両端部がドアインナパネルに溶接されているとともに、中間部がストラット05に溶接されている。
そして、これらのストラット05およびスティフナ06が、マスチック07により図外のドアアウタパネルに接着されている。
このマスチック07は、常温では練り歯磨き程度の柔らかさであり、車体を塗装する際の加熱により熱硬化して消しゴム程度の堅さとなって弾性力を有して接着する弾性接着材であって、ドアアウタパネルはストラット05およびスティフナ06により、マスチック07という弾性接着材を介して裏面を支持される。
したがって、図外のドアアウタパネルが車幅方向に変形しようとするのがこれらストラット05およびスティフナ06により抑制され、また、ドアアウタパネルをドア空間部方向に押したときにこれを抑制する張り剛性が与えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本願発明者達が研究した結果、車体で発生する騒音を高い品質で防止しようとしたときに、上述の従来の自動車用ドア構造では、十分に抑制できないことが分かった。
すなわち、上述の従来構造では、ドアアウタパネルの張り剛性を高める専用部材であるストラット05およびスティフナ06による支持剛性では、ドアアウタパネルの車幅方向の動きを十分に抑えることができず、このため有る程度の騒音が発生する。
【0006】
さらに、ドアアウタパネルの支持剛性を高めるには、ストラット05およびスティフナ06の剛性を高くすることが考えられるが、これらの部材の剛性を単に高くしただけでも、十分に騒音を抑制できないことが分かった。
すなわち、ストラット05の上端部はドアアウタウエストレインフォース02に結合されているが、ドアアウタウエストレインフォース02に対して上下や車幅方向の曲げ振動や軸周りの捻れ振動が入力したときに、このドアアウタウエストレインフォース02が変形し、ドアアウタパネルの振動を招く。
【0007】
しかし、これを解決するために、単に、ドアアウタウエストレインフォース02やストラット05やスティフナ06を剛性の高い部材に変更しただけでは、重量の増加およびコストの増加を招くという問題があった。
【0008】
本発明は、上述のような従来の問題点に着目して成されたもので、ドアアアウタパネルの高いレベルでの振動抑制と張り剛性向上を、重量増およびコスト増を抑制しつつ達成できる自動車用ドア構造を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために本発明では、ドアアウタパネル(1)とドアインナパネル(2)との外周部どうしを接合して、ドアアウタパネル(1)とドアインナパネル(2)との間に空間部(S)を有しているとともに、窓ガラス(WG)が昇降時に出入りする昇降口(13)が開口されたドア(D)が形成され、前記空間部(S)には、前記昇降口(13)を補強するドアアウタウエストレインフォース(31)が前後方向に延在され、かつ、このドアアウタウエストレインフォース(31)の中間部とドアインナパネル(2)の下端部とに跨ってドアアウタパネル(1)の張り剛性補強用のストラット(9)が上下方向に延在され、このストラット(9)の中間部と交叉して側面衝突時の補強用のガードバー(7)が前後方向に延在され、前記ドアアウタウエストレインフォース(31)は、その前端部および後端部がドアインナパネル(2)に結合され、前記ストラット(9)は、上端部がドアアウタウエストレインフォース(31)の中間部に結合されているとともに、下端部がドアインナパネル(2)の下端部に結合され、前記ガードバー(7)は、前端部および後端部がドアインナパネル(2)に結合されているとともに、中間部が前記ストラット(9)に結合され、前記ドアアウタパネル(1)が、ドアアウタウエストレインフォース(31)とストラット(9)とガードバー(7)とに、弾性を有した接着材であるマスチック(33,93,73)により弾性的に接着され、前記ドアアウタウエストレインフォース(31)の前端部と、このドアアウタウエストレインフォース(31)に対して上下方向に離れた位置のドアインナパネル(2)とを結合するフロントレインフォース(4)が設けられ、前記ドアアウタウエストレインフォース(31)の後端部と、このドアアウタウエストレインフォース(31)に対して上下方向に離れた位置のドアインナパネル(2)とを結合するリヤレインフォース(8)が設けられ、前記フロントレインフォース(4)は、ドアアウタウエストレインフォース(31)のドアインナパネル側との結合位置よりも後方位置においてドアアウタウエストレインフォース(31)に対して前後方向に幅を有した少なくとも2点でスポット溶接されているとともに、ドアインナパネル側に対して上下方向に幅を有した少なくとも2点でスポット溶接されて結合され、前記リヤレインフォース(8)は、ドアアウタウエストレインフォース(31)のドアインナパネル側との結合位置よりも前方位置においてドアアウタウエストレインフォース(31)に対して前後方向に幅を有した少なくとも2点でスポット溶接されているとともに、ドアインナパネル側に対して上下方向に幅を有した少なくとも2点でスポット溶接されて結合されていることを特徴とする自動車用ドア構造とした。
【0011】
さらに、請求項に記載の発明では、請求項1に記載の自動車用ドア構造において、前記ストラット(9)とドアアウタウエストレインフォース(31)は、少なくとも前後方向および上下方向に離れた少なくとも2点でスポット溶接されて結合されていることを特徴とする構造とした。
【0012】
【発明の作用および効果】
本発明では、ドアアウタパネルを、上下方向に延在されたストラットと、側面衝突時の補強用に前後方向に設けられたガードバーと、ドアアウタウエストレインフォースにより弾性を有したマスチックを介在させて支持する。
このように、剛性の高いガードバーによりドアアウタパネルを支持するようにし、加えて中間部をガードバーに結合されたストラットによってもドアアウタパネルを支持するようにしたため、従来と比べて、ドアアウタパネルの支持剛性を高めて振動の抑制および騒音の抑制を図るとともに、張り剛性の向上を図ることができる。
しかも、この効果を得るにあたり、ドアアウタパネルの支持専用のスティフナなどの部材の剛性を向上させるのではなく、側面衝突対策用のガードバーを利用しているため、支持専用の部材の剛性を向上させるのに比べて、安価に構成することができるとともに、重量増も抑えることができる。
【0013】
さらに、本発明では、ドアアウタウエストレインフォースの前後両端部と、ドアインナパネル側との結合部に加えて、フロントレインフォースとリヤレインフォースとを追加し、上記結合部に対して上下方向に離れた位置でさらにドアインナパネル側と結合するようにしたため、ドアアウタウエストレインフォースの上下方向および車幅方向の撓みや、前後方向の軸を中心とした捻れを抑制することができる。
したがって、このドアアウタウエストレインフォースに結合された上述のストラットとガードバーによるドアアウタパネルの支持剛性をさらに向上させることができ、これにより、ドアアウタパネルの振動抑制効果および騒音防止効果を格段と高めることができるとともに、ドアアウタパネルの張り剛性も向上させることができる。
【0014】
さらに、フロントレインフォースは、ドアアウタウエストレインフォースのドアインナパネル側との結合位置よりも後方位置においてドアアウタウエストレインフォースに対して前後方向に幅を有した少なくとも2点でスポット溶接されているとともに、ドアインナパネル側に対して上下方向に幅を有した少なくとも2点でスポット溶接されて結合されている構造としたため、ドアアウタウエストレインフォースの曲がりや捻れを少ないスポット溶接点の結合で抑えることができる。
【0015】
同様にリヤレインフォースにあっても、ドアアウタウエストレインフォースのドアインナパネル側との結合位置よりも前方位置においてドアアウタウエストレインフォースに対して前後方向に幅を有した少なくとも2点でスポット溶接されているとともに、ドアインナパネル側に対して上下方向に幅を有した少なくとも2点でスポット溶接されて結合した構造としたため、ドアアウタウエストレインフォースの曲がりや捻れを少ないスポット溶接点の結合で抑えることができる。このように、少ないスポット打点による安価な結合により高い曲げおよび捻れ防止効果を得ることができるという効果が得られる。
【0016】
請求項に記載の発明にあっては、ストラットとドアアウタウエストレインフォースとを、少なくとも前後方向および上下方向に離れた少なくとも2点でスポット溶接した結合としたため、ドアアウタウエストレインフォースに曲がりおよび捻れが発生するのを、少ないスポット溶接点の結合で抑えることができるもので、少ないスポット打点による安価な結合により高い曲げおよび捻れ防止効果を得ることができるという効果が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は実施の形態の自動車用ドア構造を有したドアDの全体構成図である。
このドアDは、ドアアウタパネル1とドアインナパネル2とを両者の間に空間部Sを形成して結合させて形成されたもので(図2参照)、窓開口部11が枠部12で囲まれた一般にフルパネルドアと呼ばれる形状に形成されている。
図1は、このドアDにおいてドアアウタパネル1を省略した状態で示しているもので、ドアインナパネル2の前端部には、ヒンジレインフォース3およびフロントレインフォース4が上下方向に延在されてスポット溶接により結合され、後端部には、チャンネル5rおよびチャンネルブラケット6が上下方向に延在されてスポット溶接により結合されている。
また、窓開口部11の下縁においてドアアウタパネル1とドアインナパネル2との間に形成された窓ガラスWGが出入りする昇降口13(図2参照)を補強するドアアウタウエストレインフォース31とドアインナウエストレインフォース32(図1では図示を省略しているので図2を参照のこと)が前後方向に延在されている。
また、ドアDの中間部に車両の側面衝突保護用のガードバー7が前後方向に延在され、さらに、このガードバー7と交叉して上下方向にストラット9が延在されている。
【0018】
次に、上述の構成における結合構造について説明する。
前記ヒンジレインフォース3は、ドアDを図外の車体に対して支持するドアヒンジ21の取付部を補強するもので、図1のS3−S3断面図である図3の断面図に示すようにドアインナパネル2に当接してスポット溶接により結合されている。
また、同図に示すように、ヒンジレインフォース3の後端部に窓ガラスWGの昇降をガイドするグラスラン51を支持するチャンネル5fがスポット溶接により結合されている。
そして、前記フロントレインフォース4は、その前端部がヒンジレインフォース3にスポット溶接により結合され(図5に示すスポット点p5,p6,p7,p8)、その後端部がチャンネル5fにスポット溶接により結合されて、ヒンジレインフォース3とチャンネル5fとフロントレインフォース4とにより箱断面D1が形成され、さらに、その外側にはドアアウタパネル1とドアインナパネル2とフロントレインフォース4とによる箱断面D2が形成されて、この部位は高い剛性を有する構成となっている。なお、前記フロントレインフォース4は、図外のドアミラーを支持する部位の補強も行うものである。
【0019】
前記ドアインナウエストレインフォース32は、図1のS2−S2断面である図2に示すように、その上端縁部と下端縁部とをそれぞれドアインナパネル2の内側面にスポット溶接などにより接合されている。前記ドアアウタウエストレインフォース31は、その上端部をドアアウタパネル1の窓開口部縁にヘミング結合部HHGを形成して結合され、一方、その下端部をマスチック33によりドアアウタパネル1の内側面に接着されているもので、溶接を用いない結合とすることで溶接痕がドアアウタパネル1の表面に現れない結合としている。
【0020】
さらに、前記ドアインナウエストレインフォース32は、図1のS4−S4断面図である図4の断面図に示すように、その前端部が、ヒンジレインフォース3とドアインナパネル2とに挟まれてスポット溶接により結合されている。
また、前記ドアインナウエストレインフォース32の後端部は、ドアインナパネル2側にスポット溶接により結合されているもので、図1のB部の斜視図である図6に示すように、ドアインナウエストレインフォース32とこの図6では図示を省略したドアインナパネル2とに跨ってチャンネルブラケット6が結合されている。
このチャンネルブラケット6には、窓ガラスWGの後端部のスライドをガイドする図外のグラスランを支持するチャンネル5rが結合され、さらに、図示のように上下方向および前後方向に延びる略三角形状をなすリヤレインフォース8が3点のスポット点p13,p14,p15により結合されている。
【0021】
前記ドアアウタウエストレインフォース31は、図4の断面図および図1のA部の斜視図である図5に示すように、その前端部が、前後方向に延在されたヒンジレインフォース3に2点のスポット点p41,p42におけるスポット溶接により結合されている。
そして、この結合部分よりも僅かに後方位置では、フロントレインフォース4の下端部がドアアウタウエストレインフォース31にスポット溶接により結合されている。このスポット溶接は、上下方向および前後方向に離れた4点のスポット点p1,p2,p3,p4および1点のスポット点p9で行われている。
【0022】
また、前記ドアアウタウエストレインフォース31の後端部は、図6に示すように、前記リヤレインフォース8とチャンネルブラケット6に跨ってスポット溶接により結合されている。このリヤレインフォース8の結合は、前後方向に幅を有した2点p11,p12と、この2点に対して上下方向に離れて上下方向に幅を有した3点p13,p14,p15との5点での結合となっている。
さらに、ドアアウタウエストレインフォース31の後端部は、チャンネルブラケット6に対して、2点のスポット点p31,p32においてスポット溶接により結合されている。
【0023】
前記ストラット9は、図1のC部、D部、E部の斜視図である図7に示すように、上端部がドアアウタウエストレインフォース31にスポット溶接により結合されている。このスポット溶接は、図示のように、上下方向および前後方向に離れた4点P21,p22,p23,p24で行われている。
また、このストラット9の中間部と前記ガードバー7との中間部がマスチック35により接着されている。
また、前記ストラット9の下端部は、ドアインナパネル2の下端部にスポット溶接により結合されている。
なお、ストラット9は、ガードバー7と結合される中間部が、上部および下部に対して車内方向に凹んで形成されている。
【0024】
前記ガードバー7は、車両の側面衝突時にドアDが車内方向に変形するのを抑制するために設けられているもので、アルミの押出成形材により形成され、図1に示すように、その前端部にフロントブラケット71がボルトなどにより結合され、このフロントブラケット71がヒンジレインフォース3の下端部に溶接などにより固定されている。また、ガードバー7の後端部は、リヤブラケット72がボルトなどにより結合され、このリヤブラケット72がドアインナパネル2に溶接などにより結合されている。
【0025】
さらに、図1において、ドアアウタウエストレインフォース31とストラット9とガードバー7には、マスチック33,93,73が塗布され、この部分でドアアウタパネル1と接着されている。これらのマスチック33,93,73および前述のマスチック35は、常温では練り歯磨き程度の柔らかさであり、工場において図外の押出ガンにより押し出して塗布するもので、その後、車体を塗装する塗装ブースで加熱されたときに熱硬化して、消しゴム程度の硬さになる接着材である。
【0026】
以上のように構成した実施の形態にあっては、ストラット9の上端部が結合されているドアアウタウエストレインフォース31が、従来は単にドアインナパネル2側にスポット溶接により結合されていたのに対して、フロントレインフォース4およびリヤレインフォース8を追加して、いずれも上下方向および前後方向に離れたスポット点p1〜p9、p11〜p15を有して結合した構造としたため、ドアインナパネル2との結合強度が向上している。したがって、ドアアウタウエストレインフォース31の上下方向および車幅方向の曲げおよび前後方向軸を中心とした捻れに対する剛性が従来に比べて格段に向上し、これにより、振動抑制効果が従来に比べて格段に向上している。
さらに、ドアアウタパネル1の中間部の裏面側の支持を、従来は剛性の低いスティフナにより行っていたのに対して、本実施の形態では、側面衝突用の剛性の高いガードバー7により行う構成とした。
よって、ドアDに走行振動やエンジン振動が伝達されて、ドアアウタパネル1が車幅方向に振動しようとした場合、ドアアウタパネル1の中間部が強固なガードバー7および強固に支持されたストラット9により支持されているため、従来に比べてドアアウタパネルの振動抑制効果が格段に向上した。
【0027】
さらに、本実施の形態では、フロントレインフォース4を、ドアアウタウエストレインフォース31のドアインナパネル2側のヒンジレインフォース3との結合位置(スポット点p41,p42)よりも後方位置においてドアアウタウエストレインフォース31に対して前後方向および上下方向に幅を有した4つのスポット点p1,p2,p3,p4および1つのスポット点p9によりスポット溶接した結合構造としたため、ドアアウタウエストレインフォース31の曲がりや捻れを少ないスポット溶接点の結合で抑えることができる。
同様にリヤレインフォース8にあっても、ドアアウタウエストレインフォース31のドアインナパネル2側のチャンネルブラケット6とのスポット溶接点p31,p32よりも前方位置においてドアアウタウエストレインフォース31に対して前後方向に幅を有した2つのスポット点p11,p12でスポット溶接されているとともに、ドアインナパネル2側のチャンネルブラケット6に対して上下方向に幅を有した3つのスポット点p13,p14,p15でスポット溶接されて結合した構造としたため、ドアアウタウエストレインフォース31の曲がりや捻れを少ないスポット溶接点の結合で抑えることができる。
加えて、ストラット9とドアアウタウエストレインフォース31とを、前後方向および上下方向に離れた4つのスポット点p21,p22,p23,p24でスポット溶接した結合としたため、ドアアウタウエストレインフォース31に曲がりおよび捻れが発生するのを、少ないスポット溶接点の結合で抑えることができるもので、少ないスポット打点による安価な結合により高い曲げおよび捻れ防止効果を得ることができるという効果が得られる。
【0028】
以上、本発明の実施の形態を図面に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施の形態では、フロントレインフォース4およびリヤレインフォース8は、ドアアウタウエストレインフォース31に対して上方に延在させたものを示したが、ドアアウタウエストレインフォース31に対して下方に延在させたり、あるいは上下両方に延在させたりしてもよい。
また、実施の形態では、窓開口部11の前後および上方に枠部12を回したフルパネルドアタイプのものを示したが、この枠部12を有していないいわゆるサッシュレスタイプのドアに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の自動車用ドア構造を示す全体構成図である。
【図2】実施の形態の自動車用ドア構造の要部を示す図1のS2−S2線における断面図である。
【図3】実施の形態の自動車用ドア構造の要部を示す図1のS3−S3線における断面図である。
【図4】実施の形態の自動車用ドア構造の要部を示す図1のS4−S4線における断面図である。
【図5】図1のA部の斜視図である。
【図6】図1のB部の斜視図である。
【図7】図1のC部、D部、E部の斜視図である。
【図8】従来技術を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ドアアウタパネル
2 ドアインナパネル
3 ヒンジレインフォース
4 フロントレインフォース
5f チャンネル
5r チャンネル
6 チャンネルブラケット
7 ガードバー
8 リヤレインフォース
9 ストラット
11 窓開口部
12 枠部
13 昇降口
21 ドアヒンジ
31 ドアアウタウエストレインフォース
32 ドアインナウエストレインフォース
33,35,93,73 マスチック
51 グラスラン
71 フロントブラケット
72 リヤブラケット
HHG ヘミング結合部
S 空間部
WG 窓ガラス

Claims (2)

  1. ドアアウタパネル(1)とドアインナパネル(2)との外周部どうしを接合して、ドアアウタパネル(1)とドアインナパネル(2)との間に空間部(S)を有しているとともに、窓ガラス(WG)が昇降時に出入りする昇降口(13)が開口されたドア(D)が形成され、前記空間部(S)には、前記昇降口(13)を補強するドアアウタウエストレインフォース(31)が前後方向に延在され、かつ、このドアアウタウエストレインフォース(31)の中間部とドアインナパネル(2)の下端部とに跨ってドアアウタパネル(1)の張り剛性補強用のストラット(9)が上下方向に延在され、このストラット(9)の中間部と交叉して側面衝突時の補強用のガードバー(7)が前後方向に延在され、前記ドアアウタウエストレインフォース(31)は、その前端部および後端部がドアインナパネル(2)に結合され、前記ストラット(9)は、上端部がドアアウタウエストレインフォース(31)の中間部に結合されているとともに、下端部がドアインナパネル(2)の下端部に結合され、前記ガードバー(7)は、前端部および後端部がドアインナパネル(2)に結合されているとともに、中間部が前記ストラット(9)に結合され、前記ドアアウタパネル(1)が、ドアアウタウエストレインフォース(31)とストラット(9)とガードバー(7)とに、弾性を有した接着材であるマスチック(33,93,73)により弾性的に接着され、前記ドアアウタウエストレインフォース(31)の前端部と、このドアアウタウエストレインフォース(31)に対して上下方向に離れた位置のドアインナパネル(2)とを結合するフロントレインフォース(4)が設けられ、前記ドアアウタウエストレインフォース(31)の後端部と、このドアアウタウエストレインフォース(31)に対して上下方向に離れた位置のドアインナパネル(2)とを結合するリヤレインフォース(8)が設けられ、前記フロントレインフォース(4)は、ドアアウタウエストレインフォース(31)のドアインナパネル側との結合位置よりも後方位置においてドアアウタウエストレインフォース(31)に対して前後方向に幅を有した少なくとも2点でスポット溶接されているとともに、ドアインナパネル側に対して上下方向に幅を有した少なくとも2点でスポット溶接されて結合され、前記リヤレインフォース(8)は、ドアアウタウエストレインフォース(31)のドアインナパネル側との結合位置よりも前方位置においてドアアウタウエストレインフォース(31)に対して前後方向に幅を有した少なくとも2点でスポット溶接されているとともに、ドアインナパネル側に対して上下方向に幅を有した少なくとも2点でスポット溶接されて結合されていることを特徴とする自動車用ドア構造。
  2. 請求項1に記載の自動車用ドア構造において、前記ストラット(9)とドアアウタウエストレインフォース(31)は、少なくとも前後方向および上下方向に離れた少なくとも2点でスポット溶接されて結合されていることを特徴とする自動車用ドア構造。
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