JP6172211B2 - 車両の後部車体構造 - Google Patents

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Description

この発明は、ダンパ支持部が設けられたリヤホイールハウスインナと、該リヤホイールハウスインナの車幅方向外側に設けられたリヤホイールハウスアウタとでリヤホイールハウスを形成してなる車両の後部車体構造に関する。
一般に、リヤホイールハウスは、リヤホイールハウスインナと、該リヤホイールハウスインナの車幅方向外側に設けられたリヤホイールハウスアウタとで形成されていて、上述のリヤホイールハウスインナにはダンパ支持部が設けられている。
ところで、車両の凹凸路走行時や急旋回時に、荷重がダンパ支持部に加わると、ダンパ支持部とトレーリングアーム支持部との間におけるリヤホイールハウスに圧縮荷重や引張り荷重が発生し、リヤホイールハウスの中間部(詳しくは、リヤホイールハウスの車両前後方向中間部で、かつ上下方向中間部)に曲げ伸ばし変形が起こる。上述のダンパ支持部およびトレーリングアーム支持部は殆ど変形せず、リヤホイールハウスの中間部に応力が集中するという特徴がある。
このようなリヤホイールハウス中間部の曲げ伸ばし変形を防止するためには、リヤホイールハウス、特に、リヤホイールハウスインナを板厚が大きいパネル部材で形成することが考えられるが、この場合には、重量効率が悪化するという問題点がある。
また、上述の曲げ伸ばし変形を防止する他の手段として、ダンパ支持部とサイドシルとを連結するようリヤホイールハウス内にレインフォースメントを設けて、リヤホイールハウス内を2重閉断面化することも考えられるが、この場合にも、重量効率の観点で好ましくない。
一方で、リヤホイールハウスの中間部を補強する構造としては、特許文献1に開示されたものがある。
この特許文献1に開示されたものは、リヤホイールハウスインナの前側フランジ部と、ダンパ支持部を支持するフレーム構造としてのダイヤゴナルメンバとの間に、補強部材を連結したものである。
この特許文献1に開示された従来構造においては、上述の補強部材がドアラッチ機構と対応する高さ位置に設けられているので、側突耐力の向上を図ることができる反面、上述の補強部材はリヤホイールハウスインナ側に設けられている関係上、閉断面を大きくして、断面係数を増やすと、車室が狭くなる問題点があった。また、上述の補強部材の取付け位置がドアラッチ機構と対応する位置であるため、側突剛性の向上には効果があるものの、剛性感の向上に対しては然程効果が得られないものである。
また、特許文献2には、リヤサイドドアと、リヤホイールハウスと、サイドシルと、サイドシルレインとを備えた車両の側部車体構造において、リヤホイールアーチとリヤホイールハウスインナとにより形成された閉断面部内に樹脂製で、かつハニカム状の補強部材が接着接合されたものが開示されている。
この特許文献2に開示された従来構造においては、上述の補強部材によりリヤホイールハウスの閉断面部の断面崩れを抑制し、車体剛性の低下を抑制することができる利点がある反面、上述の閉断面部内に補強部材を配置するため、コスト高となる。また、車両の側突時には、上述の補強部材がホイールハウスインナの前側フランジ部を押すことになるため、側突耐力の向上の余地があるものである。
つまり、特許文献2に開示された従来構造では、コスト高となるうえ、側突剛性の向上が充分ではないため、改善の余地があった。
特開2014−131889号公報 特開2013−248908号公報
そこで、この発明は、車室を狭めず、ダンパ支持部等に連結しない最小限の補強で、リヤホイールハウスの変形を抑え、剛性感の向上と、側突時のドア支持剛性の向上とを両立することができる車両の後部車体構造の提供を目的とする。
この発明による車両の後部車体構造は、ダンパ支持部が設けられたリヤホイールハウスインナと、該リヤホイールハウスインナの車幅方向外側に設けられたリヤホイールハウスアウタとでリヤホイールハウスを形成してなる車両の後部車体構造であって、上記ダンパ支持部と、当該ダンパ支持部よりも車両前後方向前方の車体に設けられたリヤサスペンションの前側支持部との間における上記リヤホイールハウスの中間部位に、上記リヤホイールハウスアウタのホイールアーチ面と、当該リヤホイールハウスアウタのフランジ部とを連結する補強部材が設けられ、該補強部材に対して、リヤドア内に位置するドアインパクトバーの後端部が車両側面視でオーバラップするよう設けられ、上記補強部材には、上記リヤホイールハウスの前方において上記リヤホイールハウスアウタとボディサイドアウタパネルとの間に形成される前方閉断面を遮蔽する遮音部材の取付け部が設けられたものである。
上記構成によれば、上述のダンパ支持部とリヤサスペンション前側支持部との間におけるリヤホイールハウスの中間部位を、補強部材で局所的に補強することで、走行時の振動に対して当該中間部位に曲げ伸ばし変形が起こるのを効率的に抑制して、剛性感を高めることができ、かつ補強部材とドアインパクトバー後端部が車両側面視でオーバラップするので、側突時に補強部材でインパクトバーの後端部を支持して、リヤドアを受止めることができ、さらにリヤホイールハウスアウタ側でリヤホイールハウスアウタのホイールアーチ面とフランジ部とを連結するため、最も変形しやすい部分の変形を防いで、車室を狭めることなく剛性感を高めると共に、最小限の補強であるから軽量であり、従来構造のような長い補強部材を必要とすることもなく、車室を圧迫することもない。
要するに、車室を狭めず、ダンパ支持部等に連結しない最小限の補強で、リヤホイールハウスの変形を抑え、剛性感の向上と、側突時のドア支持剛性の向上とを両立することができる。
しかも、上記補強部材には、上記リヤホイールハウスの前方において上記リヤホイールハウスアウタとボディサイドアウタパネルとの間に形成される前方閉断面を遮蔽する遮音部材の取付け部が設けられたものであり、このように、補強部材に遮音部材の取付け部を設けたので、補強部材が遮音部材の支持部にもなり、また該補強部材は前方閉断面を完全に分断するものではないため、単一の遮音部材により容易に遮音を達成することができる。
この発明の一実施態様においては、上記補強部材は板状で、上記リヤホイールハウスアウタとの間にリヤホイールハウスに沿って延びる閉断面が形成され、上記補強部材の上下両端部にリヤホイールハウスアウタ側に延びる脚部が設けられたものである。
上記構成によれば、補強部材に設けた脚部により、リヤホイールハウスアウタと補強部材およびその脚部により箱形状が形成されて、剛性が高まるので、側突荷重に対して断面崩れを防止し、曲げ耐力の低下を防ぐことができるので、側突時のドアインパクトバーの支持剛性が高まり、ドアの侵入を抑制することができる。
この発明の一実施態様においては、上記脚部の上記リヤホイールハウスアウタ側端部に、該リヤホイールハウスアウタと上記補強部材との間の曲げ又は捩れ変形モーメントに対し、該モーメントの荷重伝達を抑制する荷重伝達抑制部が設けられたものである。
上述の荷重伝達抑制部は、脆弱部であってもよく、脚部とリヤホイールハウスアウタとの間に形成される空間部(ギャップ)であってもよい。
上記構成によれば、通常時のリヤホイールハウスの振動は、荷重伝達抑制部で抑制することができ、側突時においては、荷重伝達抑制部が潰れるものの、脚部が突っ張ることで、それ以上の断面崩れを防止し、ドアインパクトバーを支持し、ドアの侵入を抑制することができる。
要するに、悪路走行時等における補強部材とリヤホイールハウスアウタとの接合部に対する応力の増加を抑制しつつ、剛性感の向上と、ドア侵入の抑制と、走行耐久性とを高次元でバランスさせることができる。
この発明による車両の後部車体構造は、また、ダンパ支持部が設けられたリヤホイールハウスインナと、該リヤホイールハウスインナの車幅方向外側に設けられたリヤホイールハウスアウタとでリヤホイールハウスを形成してなる車両の後部車体構造であって、上記ダンパ支持部と、当該ダンパ支持部よりも車両前後方向前方の車体に設けられたリヤサスペンションの前側支持部との間における上記リヤホイールハウスの中間部位に、上記リヤホイールハウスアウタのホイールアーチ面と、当該リヤホイールハウスアウタのフランジ部とを連結する補強部材が設けられ、該補強部材に対して、リヤドア内に位置するドアインパクトバーの後端部が車両側面視でオーバラップするよう設けられ、上記補強部材は板状で、上記リヤホイールハウスアウタとの間にリヤホイールハウスに沿って延びる閉断面が形成され、上記閉断面の上端と下端とが開口されているものである。
上記構成によれば、上述のダンパ支持部とリヤサスペンション前側支持部との間におけるリヤホイールハウスの中間部位を、補強部材で局所的に補強することで、走行時の振動に対して当該中間部位に曲げ伸ばし変形が起こるのを効率的に抑制して、剛性感を高めることができ、かつ補強部材とドアインパクトバー後端部が車両側面視でオーバラップするので、側突時に補強部材でインパクトバーの後端部を支持して、リヤドアを受止めることができ、さらにリヤホイールハウスアウタ側でリヤホイールハウスアウタのホイールアーチ面とフランジ部とを連結するため、最も変形しやすい部分の変形を防いで、車室を狭めることなく剛性感を高めると共に、最小限の補強であるから軽量であり、従来構造のような長い補強部材を必要とすることもなく、車室を圧迫することもない。
要するに、車室を狭めず、ダンパ支持部等に連結しない最小限の補強で、リヤホイールハウスの変形を抑え、剛性感の向上と、側突時のドア支持剛性の向上とを両立することができる。
また、上記補強部材は板状で、上記リヤホイールハウスアウタとの間にリヤホイールハウスに沿って延びる閉断面が形成されたものであり、このように、補強部材が板状であるから、走行振動によるリヤホイールハウスの曲げ伸ばし変形に対して該補強部材が適度に突っ張り、側突荷重に対しては当該補強部材が引っ張り剛性を発揮することで、走行時の補強部材周辺の溶接部への負担低減と、側突剛性の確保との両立を図ることができる。また、補強部材をリヤホイールハウスアウタのみに部分的に取付けるだけでよく、このようにした場合には、組付け性の向上を図ることもできる。
この発明によれば、車室を狭めず、ダンパ支持部等に連結しない最小限の補強で、リヤホイールハウスの変形を抑え、剛性感の向上と、側突時のドア支持剛性の向上とを両立することができる効果がある。
本発明の車両の後部車体構造を示す側面図 図1の要部を車両前方かつ車幅方向内側上方から見た状態で示す斜視図 図1のA−A線に沿う要部の矢視断面図 図3の斜視図 図1のB−B線に沿う要部の矢視断面図 トレーリングアーム支持部を示す正面図 ドアインパクトバーと補強部材とのオーバラップ構造を示す側面図 補強部材に遮音部材を取付けた状態で示す斜視図 図3のC−C線に沿う補強部材単体の矢視図 ドアインパクトバーと補強部材とのオーバラップ構造の他の実施例を示す側面図 図10で示した補強部材単体の斜視図 (a)は補強部材のさらに他の実施例を示す斜視図、(b)は図12(a)のD−D線矢視断面図、(c)は側突時における補強部材の変位状態を示す断面図
車室を狭めず、ダンパ支持部が設けられたリヤホイールハウスインナと、該リヤホイールハウスインナの車幅方向外側に設けられたリヤホイールハウスアウタとでリヤホイールハウスを形成してなる車両の後部車体構造であって、上記ダンパ支持部と、当該ダンパ支持部よりも車両前後方向前方の車体に設けられたリヤサスペンションの前側支持部との間における上記リヤホイールハウスの中間部位に、上記リヤホイールハウスアウタのホイールアーチ面と、当該リヤホイールハウスアウタのフランジ部とを連結する補強部材が設けられ、該補強部材に対して、リヤドア内に位置するドアインパクトバーの後端部が車両側面視でオーバラップするよう設けられ、上記補強部材には、上記リヤホイールハウスの前方において上記リヤホイールハウスアウタとボディサイドアウタパネルとの間に形成される前方閉断面を遮蔽する遮音部材の取付け部が設けられるという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両の後部車体構造を示し、図1はその側面図、図2は図1の要部を車両前方かつ車幅方向内側上方から見た状態で示す斜視図、図3は図1のA−A線に沿う要部の矢視断面図、図4は図3の構成を車両前方かつ車幅方向外側上方から見た状態で示す斜視図である。但し、図1においては、車両後部のボディサイドアウタパネルを取外した状態で図示している。また、図1,図2においては遮音部材の図示を省略している。
さらに、この実施例の車両の後部車体構造は左右対称または左右略対称に形成されているので、主に車両右側の構成について説明する。
図1において、車体の側辺部の下部において車両の前後方向に延びるサイドシル1を設け、該サイドシル1の前端部には、当該前端部から上方へ延びる閉断面構造のヒンジピラーを連結している。
上述のヒンジピラーの上端部には、該上端部から後方かつ上方に傾斜状に延びる閉断面構造のフロントピラーを連結し、このフロントピラーには、該フロントピラーに連続して後方に延びる閉断面構造のルーフサイドレール2を設けている。
図2に示すように、上述のサイドシル1は、サイドシルインナ3と、サイドシル第1レインフォースメント4と、サイドシル第2レインフォースメント5と、図1に示すサイドシルアウタ6とを備えて、車両の前後方向に延びるサイドシル閉断面を形成した車体強度部材である。
図1に示すように、上述のルーフサイドレール2は複数のレインフォースメント7,8,9を備えて、ルーフサイドレールインナと、ルーフサイドレールアウタ10との間に、車両の前後方向に延びるルーフサイド閉断面を形成した車体強度部材である。
また、上述のサイドシル1の前後方向中間部とルーフサイドレール2の前後方向中間部とを上下方向に延びる閉断面構造のセンタピラー11で連結している。
そして、サイドシル1の前部と、ヒンジピラーと、フロントピラーと、ルーフサイドレール2の前部と、センタピラー11とで囲繞され、車体の側面部に位置する前席乗員乗降用の開口部12(いわゆるフロントドア開口部)を設け、この開口部12をサイドドアとしてのフロントドアで開閉すべく構成している。
図1に示すように、ルーフサイドレール2のレインフォースメント8と対応する部位から下方かつ後方に延びる閉断面構造の中間ピラー13を設けている。この中間ピラー13(いわゆるクオータピラー)は、中間ピラーレインフォースメント14を有すると共に、中間ピラーインナと中間ピラーアウタとで閉断面を形成した車体強度部材である。
そして、上述のサイドシル1の後部と、センタピラー11と、ルーフサイドレール2の後部と、中間ピラー13とで囲繞され、車体の側面部に位置する後席乗員乗降用の開口部15(いわゆるリヤドア開口部)を設け、この開口部15をサイドドアとしてのリヤドア16(図3参照)で開閉すべく構成している。
図1,図2,図3に示すように、上述のリヤドア16よりも後方側には、車体側壁下部を構成するリヤホイールハウス17を設けている。このリヤホイールハウス17は、図3に示すように、リヤホイールハウスインナ18と、該リヤホイールハウスインナ18の車幅方向外側に設けられたリヤホイールハウスアウタ19とで形成されると共に、リヤホイールハウスアウタ19の前方部および車幅方向外側方部には、車体外板としてのボディサイドアウタパネル20を設けて、このボディサイドアウタパネル20とリヤホイールハウスアウタ19との間には、リヤホイールハウス17前方に位置する前方閉断面21が形成されている。
図3に示すように、リヤホイールハウスインナ18は、前後方向に延びる前側接合フランジ部18aと、この前側接合フランジ部18aの後端から車幅方向内側に湾曲状に延びるホイールアーチ部18bと、このホイールアーチ部18bの後端から車両後方に延びる縦壁部18cとを備えている。
また、リヤホイールハウスアウタ19は、図3に示すように、前後方向に延びる前側接合フランジ部19aと、この前側接合フランジ部19aの後端から後方かつ車幅方向内側に延びる傾斜壁部19bと、この傾斜壁部19bの後端から後方に延びる縦壁部19cと、この縦壁部19cの後端から車幅方向外側に湾曲状に延びるホイールアーチ部19dと、このホイールアーチ19dの後端から車両後方に延びる縦壁部19eとを備えている。
上述のリヤホイールハウスインナ18の前側接合フランジ部18aは、リヤホイールハウスアウタ19の縦壁部19cにスポット溶接等の手段で接合固定されている。
また、リヤホイールハウスアウタ19の前側接合フランジ部19aおよび縦壁部19eには、ボディサイドアウタパネル20の前端部20aおよび後端部20bが接着剤等を用いて接合固定されている。
ところで、図1に示すように、ルーフサイドレール2の後部には、後方かつ下方に傾斜して延びる閉断面構造のリヤピラー22が設けられており、該リヤピラー22の下部にはリヤエンドサイドパネル23が取付けられると共に、リヤホイールハウスアウタ19の後部とリヤエンドサイドパネル23との間はリヤサイドパネル24で連結されている。
また、図1に示すように、車体側壁上部を構成するサイドパネルインナアッパ25と、サイドパネルインナロア26とを設け、上述の中間ピラーレインフォースメント14の後部下側と一部重合するようにサイドパネルインナアッパ25、サイドパネルインナロア26からリヤホイールハウスアウタ19のホイールアーチ部19d頂部にかけてピラー状補強部材27を取付けている。
さらに、上述のルーフサイドレール2の後部と、中間ピラー13と、サイドパネルインナアッパ25と、リヤピラー22(詳しくは、リヤピラー上部のコーナレインフォースメント)とで囲繞されたクオータウインド用の開口部28を形成している。
図5は図1のB−B線に沿う要部の矢視断面図、図6はトレーリングアーム支持部を示す正面図である。
図2,図6に示すように、側部フロアパネル31と中央フロアパネル32とから成るリヤフロア30(フロアパネルの一部)を設け、このリヤフロア30の側部上側には、図2に示すように、リヤサイドフレームアッパ33を接合固定すると共に、リヤフロア30の側部下側にはリヤサイドフレームロア34を接合固定し、リヤフロア30とリヤサイドフレームアッパ33との間、並びに、リヤフロア30とリヤサイドフレームロア34との間には、車両の前後方向に延びる閉断面をそれぞれ形成している。
図2に示すように、リヤフロア30の後部かつ車幅方向中央部には、リヤフロアパン35を一体または一体的に段下げ形成する一方、サイドパネルインナロア26からリヤホイールハウスインナ18のホイールアーチ部18b頂部および縦壁部18cにかけて車両正面視で逆L字状に延びるダンパ支持部36を設けている。
図2に示すように、車体強度部材であるダンパ支持部36の車両前方位置において、サイドパネルインナロア26からリヤホイールハウスインナ18のホイールアーチ部18b頂部、縦壁部18cおよびリヤサイドフレームアッパ33の前端部上面にかけて延びるサイドブレース37を設け、図3に示すように、このサイドブレース37と対向部材(サイドパネルインナロア26、ホイールアーチ部18b、縦壁部18c、リヤサイドフレームアッパ33)との間には、略上下方向に連続する閉断面38を形成している。
上述のサイドブレース37は左右のリヤホイールハウスインナ18,18にそれぞれ設けられるもので、図2,図4に示すように、左右のサイドブレース37の下部相互間を車幅方向に連結するようリヤフロア30上面部には、ハット断面形状のリヤクロスメンバ39(いわゆるNo.4クロスメンバ)が接合固定されており、このリヤクロスメンバ39とリヤフロア30との間には、車幅方向に延びる閉断面が形成されている。
また、図2,図4に示すように、サイドブレース37の下部とリヤクロスメンバ39の車幅方向端部とを連結するガセット40が設けられている。
図2,図6に示すように、上述のダンパ支持部36よりも車両前後方向前方の車体には、リヤサスペンションの前側支持部の一例として、トレーリングアーム41の前側支持部42が設けられている。
図6に示すように、上述のトレーリングアーム41の前側支持部42においては、側部フロアパネル31の下面とリヤサイドフレームロア34の車幅方向内側の面との間に、リンクブラケット43を張架し、このリンクブラケット43とサイドシルインナ3との間に車幅方向に延びるトレーリングアーム取付けブラケット44を横架し、さらに、このトレーリングアーム取付けブラケット44の上方部において、上述のリンクブラケット43とサイドシルインナ3とを車幅方向に連結するレインフォースメント45(詳しくは、トレーリングアーム取付部レインフォースメント)を設けている。
トレーリングアーム41はその前端部が図6に示すように、筒部材46およびブッシュ47を介してアーム軸48に取付けられており、このアーム軸48の左右両端部が取付け部材49を用いてトレーリングアーム取付けブラケット44に取付け固定されている。
図7はドアインパクトバーと補強部材とのオーバラップ構造を示す側面図(但し、図示の便宜上、車両左側の構成を示す)である。
リヤドア16は、図3,図7に示すように、ドアインナパネル50とドアアウタパネル51との周辺部をヘミング加工により一体化したもので、図7に示すように、ドアインナパネル50は前辺部50Aと、上辺部50Bと、下辺部50Cと、リヤホイールハウス17のアーチ形状に沿う後辺下部50Dと、この後辺下部50Dから上方に延びる後辺上部50Eとを備えている。
上述の前辺部50Aには、その上下にドアヒンジブラケット52,52が取付けられると共に、該前辺部50Aは上下方向に延びるヒンジレインフォースメント53で補強されている。
また、上述のヒンジレインフォースメント53の上下方向中間部と後辺下部50Dの上下方向中間部との間を、略水平状に前後方向に連結するドアインパクトバー54を設けると共に、ヒンジレインフォースメント53の下部と、各辺部50C,50Dのコーナ部50Fとの間を、前高後低状にスラント方向に連結するドアインパクトバー55を設け、これら上下の各ドアインパクトバー54,55で、リヤドア16の側突耐力の向上を図っている。
さらに、後辺上部50Eにはドアラッチ配設部56を設けると共に、このドアラッチ配設部56と対応するボディ側、すなわち、リヤホイールハウスアウタ19には図2に示すように、ストライカ取付け部57を設け、ドアラッチ配設部56に配設されたドアラッチと、ストライカ取付け部57に固定されたストライカとにより適宜リヤドア16をドアロックすべく構成している。
ところで、車両の凹凸路走行時や急旋回時において、図2に示すダンパ支持部36に荷重が加わった場合、このダンパ支持部36とトレーリングアーム41の前側支持部42との間におけるリヤホイールハウス17には圧縮荷重や引張り荷重が発生し、図1に仮想円αで示すリヤホイールハウス17の中間部(車両前後方向中間部で、かつ上下方向中間部)に曲げ伸ばし変形が起こることが判明している。
そこで、この実施例では、このようなリヤホイールハウス17中間部の曲げ伸ばし変形を防止するために、図1,図2,図3,図7に示すように、ダンパ支持部36と、当該ダンパ支持部36よりも車両前後方向前方の車体に設けられたトレーリングアーム41の前側支持部42との間、詳しくは、ドアラッチ配設部56に対応する部位とトレーリングアーム41の前側支持部42との間におけるリヤホイールハウス17の中間部位に、特に、図3に示すように、リヤホイールハウスアウタ19のホイールアーチ部19dにおける車幅方向中間部と、当該リヤホイールハウスアウタ19の前側接合フランジ部19aとを連結する補強部材60を設けている。
図3,図4に示すように、この補強部材60は、補強部材本体60aの前後に接合部60b,60cを一体的に折曲げ形成した板状の部材であって、前側の接合部60bをリヤホイールハウスアウタ19の前側接合フランジ部19aの外面に連結し、後側の接合部60cをホイールアーチ部19dにおける車幅方向中間部前面に連結している。
また、図3,図7に示すように、上述の補強部材60に対して、リヤドア16内に位置する上下のドアインパクトバー54,55のうちの上側のドアインパクトバー54の後端部54aが車両側面視でオーバラップするよう設けられている。
このようにして、ダンパ支持部36(図2参照)とトレーリングアーム41の前側支持部42との間におけるリヤホイールハウス17の中間部位を、補強部材60で局所的に補強することにより、車両走行時の振動に対して当該中間部位に曲げ伸ばし変形が起こるのを効率的に抑制して、剛性感を高めるように構成している。
別の表現をすると、ダンパ支持部36とトレーリングアーム41の前側支持部42との間におけるリヤホイールハウス17の中間部位を、ダンパ支持部36とトレーリングアーム41の前側支持部42の両者から離間した補強部材60で補強することにより、効率的に剛性感を高めるように構成している。
また、図7に示すように、上述の補強部材60とドアインパクトバー54の後端部54aとが車両側面視でオーバラップすることで、側突時には補強部材60でドアインパクトバー54の後端部54aを支持して、リヤドア16を受止めるように構成している。
さらに、図3に矢印aで示すように、側突時に車幅方向内方へ侵入してくるリヤドア16のドアインナパネル50の後部50aを、各要素20a,60b,19aの3枚重合部にて受止めるように構成している。
さらにまた、図3に示すように、リヤホイールハウスアウタ19の外側で該リヤホイールハウスアウタ19のホイールアーチ部19dと前側接合フランジ部19aとを補強部材60で連結することにより、最も変形しやすい部分の変形を防いで、車室を狭めることなく剛性感を高めると共に、最小限の補強により、軽量で、かつ特許文献1に開示された従来構造のような長い補強部材を必要とせず、車室を圧迫することもないよう構成したものである。
要するに、車室を狭めず、ダンパ支持部36やサイドシル1に連結しない最小限の補強で、リヤホイールハウス17の変形を抑えて、剛性感の向上と、側突時のドア支持剛性の向上とを両立するように構成したものである。
ここで、図3に示すように、補強部材60の後側の接合部60cは、ホイールハウスアウタ19の最も変形しやすいホイールアーチ部19dの車幅方向中間部に連結されているので、側突時には、両者60c,19dの連結部からの補強部材60の引張りにより前側接合フランジ部19aおよび前側の接合部60bが車幅方向内側に倒れるのを抑制することができる。つまり、パネル等の板状部材(補強部材60)は基本的に圧縮方向には曲げ変形しやすいが、引張り方向には強い張力を発揮するので、補強部材60が板状であっても、側突時にはその引張り力により、前側接合フランジ部19aおよび前側の接合部60bを保護することができ、側突剛性を確保しつつ軽量化を達成することができるものである。
図3,図4に示すように、上述の補強部材60は板状で、リヤホイールハウスアウタ19との間にリヤホイールハウス17に沿って延びる閉断面61が形成されている。
上述の補強部材60を板状に形成することで、当該補強部材60の靭性が高まるので、走行振動によるリヤホイールハウス17の曲げ伸ばし変形に対して該補強部材60が適度に突っ張り、側突荷重に対しては当該補強部材60が引っ張り剛性を発揮し、これにより、走行時の補強部材60周辺の溶接部への負担低減と、側突剛性の確保との両立を図ると共に、補強部材60をリヤホイールハウスアウタ19のみに部分的に取付ける構造とすることで、組付け性の向上をも図るように構成している。
図8は補強部材60に遮音部材を取付けた状態で示す斜視図、図9は図3のC−C線に沿う補強部材60単体の矢視図である。
図5,図8に示すように、上述の補強部材60には、リヤホイールハウス17前方においてリヤホイールハウスアウタ19とボディサイドアウタパネル20との間に形成される前方閉断面21を遮蔽する遮音部材62の取付け部としての取付け孔60d,60dが設けられている。
図5,図8に示すように、上述の遮音部材62は、周囲に多数のピン63が立設された遮音パネル64と、該遮音パネル64の車幅方向内側部から上方に延びる一対の取付け腕65と、これら一対の取付け腕65に一体形成されたファスナ66(図5参照)と、上述の多数のピン63を利用して、遮音パネル64上に位置決め配置された発泡充填材67(但し、図面では発泡前の状態を示す)とを備えている。
そして、上述のファスナ66を図9に示す補強部材60の取付け孔60dに係入固定することで、該補強部材60の下部に、図5,図8に示すように遮音部材62を取付け、車体の塗装乾燥時の熱により発泡充填材67をムース状に発泡させて、前方閉断面21を閉塞するものである。
上述の遮音パネル64により発泡充填材67の位置精度を高めて、位置精度が高まることで、発泡充填材67の必要量を最低限とすることができ、上述の補強部材60は遮音部材62の支持にも兼用することができ、また補強部材60はリヤホイールハウスアウタ19側の一部にのみ設けられているので、発泡充填材67の発泡後に簡単に前方閉断面21の全体を遮蔽して、ノイズが通り抜けるのを確実に塞ぐよう構成したものである。
このように、上述の補強部材60に遮音部材62の取付け部である取付け孔60dを設けることで、補強部材60が遮音部材62の支持部にもなり、また、補強部材60は図5で示す前方閉断面21を完全に分断するものではないので、単一の遮音部材62により容易に遮音を達成することができるよう構成している。
仮に、ダンパ支持部とサイドシルとを連結するようにリヤホイールハウスにレインフォースメントを設けて、上述の前方閉断面を2重閉断面化した場合には、2つの閉断面にそれぞれ充填材を設けて、2重閉断面化された閉断面空間を別々に塞ぐ必要が生ずるが、この実施例では、単一の遮音部材62により振動伝播を防止して、遮音性を確保することができる。
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示す。
以上詳述したように、この実施例の車両の後部車体構造は、ダンパ支持部36が設けられたリヤホイールハウスインナ18と、該リヤホイールハウスインナ18の車幅方向外側に設けられたリヤホイールハウスアウタ19とでリヤホイールハウス17を形成してなる車両の後部車体構造であって、上記ダンパ支持部36と、当該ダンパ支持部36よりも車両前後方向前方の車体に設けられたリヤサスペンションの前側支持部(トレーリングアーム41の前側支持部42参照)との間における上記リヤホイールハウス17の中間部位に、上記リヤホイールハウスアウタ19のホイールアーチ面(ホイールアーチ部19d参照)と、当該リヤホイールハウスアウタ19のフランジ部19aとを連結する補強部材60が設けられ、該補強部材60に対して、リヤドア16内に位置するドアインパクトバー54の後端部54aが車両側面視でオーバラップするよう設けられたものである(図1,図2,図3,図7参照)。
この構成によれば、上述のダンパ支持部36とリヤサスペンション前側支持部(トレーリングアーム41の前側支持部42参照)との間におけるリヤホイールハウス17の中間部位を、補強部材60で局所的に補強することで、走行時の振動に対して当該中間部位に曲げ伸ばし変形が起こるのを効率的に抑制して、剛性感を高めることができ、かつ補強部材60とドアインパクトバー54の後端部54aが車両側面視でオーバラップするので、側突時に補強部材60でドアインパクトバー54の後端部54aを支持して、リヤドア16を受止めることができ、さらにリヤホイールハウスアウタ19側で該リヤホイールハウスアウタ19のホイールアーチ面(ホイールアーチ部19d)とフランジ部19aとを連結するため、最も変形しやすい部分の変形を防いで、車室を狭めることなく剛性感を高めると共に、最小限の補強であるから軽量であり、従来構造(特許文献1参照)のような長い補強部材を必要とすることもなく、車室を圧迫することもない。
要するに、車室を狭めず、ダンパ支持部36やサイドシル1に連結しない最小限の補強で、リヤホイールハウス17の変形を抑え、剛性感の向上と、側突時のドア支持剛性の向上とを両立することができる。
また、この発明の一実施形態においては、上記補強部材60は板状で、上記リヤホイールハウスアウタ19との間にリヤホイールハウス17に沿って延びる閉断面61が形成されたものである(図3参照)。
この構成によれば、補強部材60が板状であるから、走行振動によるリヤホイールハウス17の曲げ伸ばし変形に対して該補強部材60が適度に突っ張り、側突荷重に対しては当該補強部材60が引っ張り剛性を発揮することで、走行時の補強部材60周辺の溶接部への負担低減と、側突剛性の確保との両立を図ることができる。また、補強部材60をリヤホイールハウスアウタ19のみに部分的に取付けるので、組付け性の向上を図ることもできる。
さらに、この発明の一実施形態においては、上記補強部材60には、上記リヤホイールハウス17の前方において上記リヤホイールハウスアウタ19とボディサイドアウタパネル20との間に形成される前方閉断面21を遮蔽する遮音部材62の取付け部(取付け孔60d参照)が設けられたものである(図5,図8,図9参照)。
この構成によれば、補強部材60に遮音部材62の取付け部(取付け孔60d)を設けたので、補強部材60が遮音部材62の支持部にもなり、また該補強部材60は前方閉断面21を完全に分断するものではないため、単一の遮音部材62により容易に遮音を達成することができる。
図10はドアインパクトバー54と補強部材60とのオーバラップ構造の他の実施例を示す側面図、図11は図10で示した補強部材60単体の斜視図である。
図7で示したドアインパクトバー54と補強部材60とのオーバラップ構造は、剛性感および耐久性を重視する観点で、補強部材60とドアインパクトバー54の後端部54aとを車両側面視でオーバラップさせると共に、ドアインパクトバー54の後端部54a下端に対して、補強部材60の下側一部を下方にオフセットする構造を採用している。
これに対して、図10,図11で示す実施例2においては、側突剛性を重視する観点で、補強部材60とドアインパクトバー54の後端部54aとを車両側面視でオーバラップさせると共に、ドアインパクトバー54の後端部54a上端に対して、補強部材60の上側一部を上方にオフセットする構造を採用している。
しかも、上述の補強部材60は先の実施例1と同様に板状で、リヤホイールハウスアウタ19との間にリヤホイールハウス17に沿って延びる閉断面61(図3参照)が形成されると共に、図11に示すように、該補強部材60の補強部材本体60aの上下両端部には、リヤホイールハウスアウタ19の縦壁部19c(図3参照)側へ延びて、該縦壁部19cと接合固定されるL字状の脚部60e,60fが設けられたものである。
このように、図10,図11で示す実施例2においては、上記補強部材60は板状で、上記リヤホイールハウスアウタ19との間にリヤホイールハウス17に沿って延びる閉断面61(図3参照)が形成され、上記補強部材60の上下両端部にリヤホイールハウスアウタ19側(この実施例では、車幅方向の内側)に延びる脚部60e,60fが設けられたものである(図11参照)。
この構成によれば、補強部材60に設けた脚部60e,60fにより、リヤホイールハウスアウタ19と補強部材60およびその脚部60e,60fにより箱形状が形成されて、剛性が高まるので、側突荷重に対して断面崩れを防止し、曲げ耐力の低下を防ぐことができるので、側突時のドアインパクトバー54の支持剛性が高まり、リヤドア16の侵入を抑制することができる。
図10,図11で示したこの実施例2においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例1とほぼ同様であるから、図10,図11において、前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略するが、図11に仮想線で示すように、補強部材60の下部に遮音部材62(図8参照)の取付け部としての取付け孔60d,60dを開口し、補強部材60が図8で示した遮音部材62の支持を兼ねるよう構成してもよい。
図12の(a)は補強部材60のさらに他の実施例を示す斜視図、図12の(b)は図12の(a)のD−D線矢視断面図、図12の(c)は側突時における補強部材60の変位状態を示す断面図である。
図12で示す実施例3においては、図11で示した実施例2の構造に加えて、上下の脚部60e,60fのリヤホイールハウスアウタ19側端部、詳しくは、縦壁部19c(図3参照)側の端部に、リヤホイールハウスアウタ19と補強部材60との間の曲げ、または、捩れ変形モーメントに対して、当該モーメントの荷重伝達を抑制する荷重伝達抑制部の一例として脆弱部60g,60g(この実施例では屈曲部)が設けられたものである。
このように、図12で示した実施例3においては、上記脚部60e,60fの上記リヤホイールハウスアウタ19側端部に、該リヤホイールハウスアウタ19と上記補強部材60との間の曲げ又は捩れ変形モーメントに対し、該モーメントの荷重伝達を抑制する荷重伝達抑制部(脆弱部60g参照)が設けられたものである(図12参照)。
この構成によれば、通常時のリヤホイールハウス17の振動は、荷重伝達抑制部(脆弱部60g)で抑制することができ、側突時においては、図12の(c)に示すように、荷重伝達抑制部(脆弱部60g)が潰れるものの、脚部60e,60fが突っ張ることで、それ以上の断面崩れを防止し、ドアインパクトバー54(図10参照)を支持し、リヤドア16の侵入を抑制することができる。
要するに、悪路走行時等における補強部材60とリヤホイールハウスアウタ19との接合部に対する応力の増加を抑制しつつ、剛性感の向上と、ドア侵入の抑制と、走行耐久性とを高次元でバランスさせることができる。
図12で示したこの実施例3においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例1,2とほぼ同様であるから、図12において、前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略するが、図12の(a)に仮想線で示すように、補強部材60の下部に遮音部材62(図8参照)の取付け部としての取付け孔60d,60dを開口形成し、補強部材60が図8で示した遮音部材62の支持を兼ねるよう構成してもよい。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のリヤホイールハウスアウタのフランジ部は、実施例のリヤホイールハウスアウタ19の前側接合フランジ部19aに対応し、
以下同様に、
ホイールアーチ面は、ホイールアーチ部19dに対応し、
リヤサスペンションの前側支持部は、トレーリングアーム41の前側支持部42に対応し、
補強部材の荷重伝達抑制部は、補強部材60の脆弱部60gに対応し、
遮音部材の取付け部は、取付け孔60dに対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上述のリヤサスペンションの前側支持部は、ダンパ支持部よりも車両前方においてリヤサスペンションからの荷重が入力される支持部であればよく、実施例のトレーリングアーム41の前側支持部42に代えて、トレーリングアーム以外のサスペンションアームの支持部、トーションビームアクスルの支持部、またはサスペンションアームやトーションビームアクスルを支持するサスペンションクロスメンバの支持部であってもよい。
例えば、上述の荷重伝達抑制部は実施例の脆弱部60gに代えて、脚部60e,60fとリヤホイールハウスアウタ19(詳しくは、その縦壁部19c)との間に形成される空間部(ギャップ)であってもよい。
以上説明したように、本発明は、ダンパ支持部が設けられたリヤホイールハウスインナと、該リヤホイールハウスインナの車幅方向外側に設けられたリヤホイールハウスアウタとでリヤホイールハウスを形成してなる車両の後部車体構造について有用である。
16…リヤドア
17…リヤホイールハウス
18…リヤホイールハウスインナ
19…リヤホイールハウスアウタ
19a…フランジ部
19d…ホイールアーチ部(ホイールアーチ面)
20…ボディサイドアウタパネル
21…前方閉断面
36…ダンパ支持部
41…トレーリングアーム
42…前側支持部
54…ドアインパクトバー
60…補強部材
60d…取付け孔(遮音部材の取付け部)
60e,60f…脚部
60g…脆弱部(荷重伝達抑制部)
61…閉断面
62…遮音部材

Claims (4)

  1. ダンパ支持部が設けられたリヤホイールハウスインナと、該リヤホイールハウスインナの車幅方向外側に設けられたリヤホイールハウスアウタとでリヤホイールハウスを形成してなる車両の後部車体構造であって、
    上記ダンパ支持部と、当該ダンパ支持部よりも車両前後方向前方の車体に設けられたリヤサスペンションの前側支持部との間における上記リヤホイールハウスの中間部位に、上記リヤホイールハウスアウタのホイールアーチ面と、当該リヤホイールハウスアウタのフランジ部とを連結する補強部材が設けられ、
    該補強部材に対して、リヤドア内に位置するドアインパクトバーの後端部が車両側面視でオーバラップするよう設けられ
    上記補強部材には、上記リヤホイールハウスの前方において上記リヤホイールハウスアウタとボディサイドアウタパネルとの間に形成される前方閉断面を遮蔽する遮音部材の取付け部が設けられたことを特徴とする
    車両の後部車体構造。
  2. 上記補強部材は板状で、上記リヤホイールハウスアウタとの間にリヤホイールハウスに沿って延びる閉断面が形成され、
    上記補強部材の上下両端部にリヤホイールハウスアウタ側に延びる脚部が設けられた
    請求項1記載の車両の後部車体構造。
  3. 上記脚部の上記リヤホイールハウスアウタ側端部に、該リヤホイールハウスアウタと上記補強部材との間の曲げ又は捩れ変形モーメントに対し、該モーメントの荷重伝達を抑制する荷重伝達抑制部が設けられた
    請求項2に記載の車両の後部車体構造。
  4. ダンパ支持部が設けられたリヤホイールハウスインナと、該リヤホイールハウスインナの車幅方向外側に設けられたリヤホイールハウスアウタとでリヤホイールハウスを形成してなる車両の後部車体構造であって、
    上記ダンパ支持部と、当該ダンパ支持部よりも車両前後方向前方の車体に設けられたリヤサスペンションの前側支持部との間における上記リヤホイールハウスの中間部位に、上記リヤホイールハウスアウタのホイールアーチ面と、当該リヤホイールハウスアウタのフランジ部とを連結する補強部材が設けられ、
    該補強部材に対して、リヤドア内に位置するドアインパクトバーの後端部が車両側面視でオーバラップするよう設けられ、
    上記補強部材は板状で、上記リヤホイールハウスアウタとの間にリヤホイールハウスに沿って延びる閉断面が形成され、
    上記閉断面の上端と下端とが開口されていることを特徴とする
    車両の後部車体構造。
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