JP6094419B2 - 車両用ドアビームの取付構造 - Google Patents

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本発明は、例えば軽トラック等といった自動車の前面衝突に対して、サイドドアのベルトラインに沿って配置されたドアビームの前端部をサイドドアの前部側に配置固定する車両用ドアビームの取付構造に関するものである。
従来、自動車の衝突時におけるサイドドアの強度を高めるために、種々の車両用ドアビームの取付構造が提案されている。
例えば特許文献1(図示せず)には、自動車のサイドドアのベルトラインよりも十分下側において、ドアアウタパネルの内面に沿ってパイプ状の補強部材であるインパクトビームを水平に配設し、インパクトビームの前端部をドアインナパネルの前部縦壁と、前部縦壁に交差する外向縦壁とにブラケットを介して固定したことが記載されている。
このブラケットは、前部縦壁と外向縦壁とにスポット溶接されるフランジ部分と、インパクトビームの前端部を車両内側から覆って車両外側から溶接固定した半環状の部分と、半環状の部分と各フランジ部分とを連結した結合板部及び上下の壁部とを備えている。
また、特許文献2(図示せず)には、フロントサイドドアのベルトラインよりも十分下側において、ドア内部に二本のインパクトビームを平行に配設し、各インパクトビームの前後の端部を各ブラケットでドアインナパネルに固定したことが記載されている。
ブラケットは、インパクトビームの端部の車両内側面を覆う断面半円状の凹部を有する凸状部と、凸状部の上下に続く板状の取付部とを有し、凹部の開口側にインパクトビームの端部がアーク溶接で固定され、上下の板状の取付部がドアインナパネルの側壁面にスポット溶接で固定される。
また、特許文献3(図示せず)には、自動車のフロントドアのベルトラインに沿ってパイプ状のベルトラインリインホースを配置し、ベルトラインリインホースの前端部をミラーベース部と一体のヒンジリインホースに板金製の補強部材を介して固着したことが記載されている。補強部材はベルトラインリインホースの前端部を車両外側から覆っている。
特開2008−24054号公報(図1) 特開2008−105450号公報(図4) 特許第4614723号公報(図1,図6)
上記特許文献1〜3に記載された車両用ドアビームの取付構造は、フロントとリアとにサイドドアを有する乗用車におけるものであるが、近年、軽トラックのオフセット前面衝突の法規制化に伴って、軽トラックのオフセット前面衝突に対するサイドドアの強度を高める必要が生じている。
特にキャブタイプのトラックのオフセット前面衝突の際には、車両の乗員スペースを確保しつつ、衝突荷重を吸収しなければならず、車両の前後方向に沿って配置された下部構造のサイドメンバだけでなく、サイドドアの前後方向に沿って配置されたドアビーム構造によっても、衝突荷重を車両後方に伝える必要がある。サイドドア内には上下二本のドアビームが配置され、下側のドアビームは後方の荷台側に衝突荷重を伝えるが、ドアベルトラインの近傍に配置された上側のドアビームは荷台よりも上側に位置するので、前面衝突時の荷重を荷台側に伝えることはできない。
このため、上側のドアビームは前面衝突時にサイドドアの前後方向長さを維持することが望まれている。サイドドア及びそのドア枠部の前後方向長さを維持することで、前面衝突時のサイドドアの変形後に乗員が自力でサイドドアを開けて車外に脱出することができる。サイドドアは衝突時に開かないロック構造になっているが、衝突後は自力操作で開くことができるようにする必要がある。このためには、車両の前面衝突時に上側のドアビームの前端部がサイドドアの前部の衝突荷重をしっかりと受けてドアハンドル側である後方(サイドドアの後部)に真っ直ぐに伝えるようにすることが必要である。
また、軽トラック等のサイドドアにおいては、軽量化、コンパクト化、コストダウンを考慮し、なるべく細いパイプ状の上側のドアビームを用いて、上記前面衝突時の荷重をしっかりと受けて後方に真っ直ぐに伝えるようにする必要がある。
本発明は、上記した点に鑑み、自動車の前面衝突時に、サイドドアのベルトラインに沿って配置された上側のドアビームの前端部が衝突荷重をしっかりと受けて後方に真っ直ぐに伝えることができ、しかもそれを軽量、低コスト、簡単な構造で行わせることのできる車両用ドアビームの取付構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る車両用ドアビームの取付構造は、車両のサイドドアのドアベルトラインに沿ってパイプ状のドアビームが配設され、該ドアビームの前端側がブラケットを介してドアインナパネルに固定された車両用ドアビームの取付構造において、前記ドアインナパネルの前部に沿って車両内側にフロントドアヒンジリインフォースが配設され、該ドアヒンジリインフォースは車両外側に向けて突出した断面ハット形状部を有し、該断面ハット形状部の後壁に前記ドアビームの前端が前方視で重合したことを特徴とする。
上記構成により、ドアヒンジリインフォースが車両外側に向けて凸となった断面ハット形状となったことで、車両の前面衝突時に、前方からの衝突荷重をドアヒンジリインフォースが確実に受けることができる。また、ドアヒンジリインフォースで受けた衝突荷重を後方に伝える際に、ドアヒンジリインフォースの断面ハット形状部とパイプ状のドアビームの前端とが前方視で重合しているので、ドアビームに真っ直ぐに荷重がかかり、ドアビームが真っ直ぐに後方に押される。これにより、サイドドアの幅方向の歪みが低減されつつ、サイドドアの前後方向のスパンが維持される(サイドドアの前後方向の潰れ変形が抑止される)。このように、衝突荷重を真っ直ぐにドアビームに伝えて、ドアビームを真っ直ぐに後方に押すことで、ドアビームの弓状の変形が抑止される。それにより、ドアビームの径を小さく設定して、ドアビームを軽量化、コンパクト化、低コスト化可能となる。
請求項2に係る車両用ドアビームの取付構造は、請求項1記載の車両用ドアビームの取付構造において、前記ドアインナパネルの前部が前部以外の部位よりも厚板に形成され、該前部に段差形状部が形成され、該段差形状部が、車両内側の側壁から車両外側に向けて続く第一の前壁と、該前壁から車両前側に向けて続く中間の側壁と、該中間の側壁から車両外側に向けて続く第二の前壁とを備え、該第一の前壁と該中間の側壁との交差した角部に前記ドアビームの前端が前方視で重合したことを特徴とする。
上記構成により、車両の前面衝突時に、ドアヒンジリインフォースの断面ハット形状部がドアインナパネルの前部の剛性の高い厚板部分に衝接して変形を開始し、ドアインナパネルの厚板部分に形成された段差形状部の第一の前壁の後面がドアビームの前端に突き当たり、ドアビームが後方へ押され始める。ドアインナパネルの中間の側壁は前後方向の剛性が高く、また、ドアインナパネルを折った角部である中間の側壁と第一の前壁との交差した角部は局所剛性が高いので、ドアビームを後方に押すための剛性が得られる。このため、ドアインナパネルの中間の側壁の長さ寸法分だけ、ドアビームの全長が短縮化され、ドアビームが軽量化、コンパクト化、低コスト化される。
請求項3に係る車両用ドアビームの取付構造は、請求項1又は2記載の車両用ドアビームの取付構造において、前記ブラケットに対して車両外側からドアミラーリインフォースが被せて配設され、該ブラケットと該ドアミラーリインフォースと前記ドアインナパネルとが、前記ドアビームと前記ドアベルトラインとを上下に跨いだ状態で、上下の位置で相互に接合固定されたことを特徴とする。
上記構成により、ドアビームに対してドアベルトラインを境にして上下の二箇所において、ドアミラーリインフォースとドアビームの前側ブラケットとドアインナパネルとの計三枚の板部が相互に接合(スポット溶接)されて、閉断面が構築されることで、接合部の局所剛性が向上する。そして、車両の前面衝突時に、この剛性の向上した接合部分でドアヒンジリインフォース及びドアインナパネルの段差形状部からの衝突荷重が受けられることで、衝突荷重がドアビームに真っ直ぐに伝えられる。また、上側のドアビームに対してドアミラーリインフォースが車両外側から被せられることで、車両の前面衝突時に、ドアビームが車両外側へ逃げる(移動する)ことが防止される。
請求項1記載の発明によれば、車両の前面衝突時に、ドアヒンジリインフォースの断面ハット形状部で前方からの衝突荷重を確実に受けることができる。また、ドアヒンジリインフォースで受けた衝突荷重を後方に伝える際に、ドアヒンジリインフォースの断面ハット形状部とパイプ状のドアビームの前端とを前方視で重合させているので、ドアビームに真っ直ぐに荷重をかけることができ、ドアビームを真っ直ぐに後方に押すことができる。これにより、サイドドアの幅方向の歪みを低減しつつ、サイドドアの前後方向のスパンを維持することができる。このように、衝突荷重を真っ直ぐにドアビームに伝えて、ドアビームを真っ直ぐに後方に押すことで、ドアビームの径を小さく設定して、ドアビームを軽量化、コンパクト化、低コスト化することができる。
請求項2記載の発明によれば、ドアインナパネルの段差形状部を含む前部を厚板部で形成して剛性を高めると共に、段差形状部の中間の側壁で前後方向の剛性を高め、且つ中間の側壁と第一の前壁との交差した角部で局所剛性を高めることで、ドアビームを真っ直ぐに後方に押すための十分な剛性を得ることができる。そして、ドアインナパネルの段差形状部の中間の側壁の長さ寸法分だけ、ドアビームの全長を短縮化して、ドアビームを軽量化、コンパクト化、低コスト化することができる。
請求項3記載の発明によれば、ドアビームに対してドアベルトラインを境にして上下の二箇所において、ドアミラーリインフォースとドアビームの前側ブラケットとドアインナパネルとを相互に接合して、閉断面を構築することで、接合部の局所剛性を向上させることができる。そして、車両の前面衝突時に、この剛性の向上した接合部分でドアヒンジリインフォース及びドアインナパネルの段差形状部からの衝突荷重を確実に受けることで、衝突荷重をドアビームに真っ直ぐに伝えることができる。また、上側のドアビームに対してドアミラーリインフォースを車両外側から被せたことで、車両の前面衝突時に、ドアビームの車両外側への移動を防止することができる。
本発明の車両用ドアビームの取付構造の一実施形態を含むサイドドア(ドアアウタパネルを切欠してドア内部を見せている)の一例を示す側面図である。 図1の要部拡大側面図である。 サイドドアパネルの一例を参考的に示す分解斜視図である。 車両用ドアビームの取付構造の一実施形態を示す、図2のA−A断面図である。 車両用ドアビームの取付構造の一実施形態を示す、図2のB−B断面図である。 ドアビームの前側のブラケットとその接合構造の一例を示す側面図である。
図1〜図6は、本発明に係る車両用ドアビームの取付構造の一実施形態を示すものである。
図1に示す如く、シングルキャブタイプの軽トラック(自動車ないし車両)1の右側のサイドドア2におけるドアベルトライン3に沿ってドアベルトライン3よりも少し下側に金属製の断面円形のパイプ状の上側のドアビーム(ドアビームパイプ)4が配設され、ドアベルトライン3とサイドドア下端との略中間の高さ位置に、金属製の断面円形のパイプ状の下側のドアビーム(ドアビームパイプ)5が配設されている。
上側のドアビーム4は、少し後上がりのドアベルトライン3に沿って少し後上がりに配置され、下側のドアビーム5はほぼ水平に配置されている。上側のドアビーム4の前後の端部はそれぞれ金属製のドアインナパネル6に金属製の各ブラケット(図示せず)で固定され、下側のドアビーム5の前後の端部はそれぞれ金属製のドアインナパネル6に金属製の各ブラケット7,8で固定されている。
本発明は上側のドアビーム4に関するものであるので、下側のドアビーム5については詳細な説明を省略する。図1ではドアアウタパネル9を部分的に切り欠いて内側のドアインナパネル6や各ドアビーム4,5等を露出させて示している。ドアインナパネル6の車両外側に金属製のドアアウタパネル9がヘミング加締めや溶接等で固定されている。ドアアウタパネル9は窓枠側のサイドアウタパネル9aを含んでいる。ドアインナパネル6には、上側のドアビーム4の後端側の下側近傍に、ドア開き操作用の不図示のドアインナハンドルを配置するための開口10が設けられている。図1で符号40はドア後方の荷台を示している。
図1,図2(図1の要部拡大図)に示す如く、ドアインナパネル6の前部6aは前部以外の部位6bよりも厚板に剛性を増して縦長帯状に形成されている(厚板部6aと薄板部6bとの境を符号6cで示している)。ドアインナパネル6は、厚板部6aと薄板部6bとを境界部分6cで溶接して一体化した金属板材をプレス加工で打ち抜いて形成されている(所謂テーラードブランク材を用いている)。
ドアインナパネル6の厚板部6aに下側のドアビーム5の前側のブラケット7が溶接で固定されている。図2の如く上側のドアビーム4の前側のブラケット11は、ドアインナパネル6の厚板部6aの後方近傍において薄板部6bに溶接で固定されている。
ドアインナパネル6の前部側において、上側の窓枠部13と下側のドアインナパネル主体部(6bで代用)との交差部分に、ドアベルトライン3の前側延長線と上側のドアビーム4とを上下に跨いで、金属板製の補強部材である側方視略三角形状のドアミラーリインフォース12が配設されている。ドアミラーリインフォース12は、ドアインナパネル6への不図示のドアミラーの取付剛性を高めるものである。
上側のドアビーム4とその前側のブラケット11とはドア厚み方向(車両幅方向ないし左右方向)においてドアインナパネル6とドアミラーリインフォース11との間に配置され、ドアミラーリインフォース11は車両外側から上側のドアビーム4の前端部と前側のブラケット11とを覆っている。図1,図2で手前側が車両外側、奥側が車両内側である。
上側のドアビーム4の前側のブラケット11は上下方向に長い板状のものであり、垂直(鉛直)よりも少し前上がりに傾斜して配置され、ブラケット11の上端11aは、ドアベルトライン3よりも上側においてミラーリインフォース12の略中央の高さに位置し、ブラケット11の下端11bは、ドアベルトライン3よりも下側においてミラーリインフォース12の下端(下辺部)12aと後端(後辺部)12bとの交差部に位置している。
ドアミラーリインフォース12の前側の傾斜辺部12cはドアインナパネル6の窓枠部13に沿って位置している。ドアミラーリインフォース12の前半部はドアインナパネル6の厚板部1aの上部に沿って配置され、ドアミラーリインフォース12の後半部はドアインナパネル6の薄板部6bに沿って配置されてそれぞれドアインナパネル6に溶接で固定されている。
また、図2の如く、ドアミラーリインフォース12の前側に隣接して、ドアインナパネル6の窓枠部13の前半のフロントピラーインナパネル13aの下部からドアインナパネル主体部6aの前端部にかけて略逆くの字状に金属板製の補強部材であるフロントドアヒンジリインフォース14が配設されている。
ドアヒンジリインフォース14は、サイドドア1の前端部を不図示の車体に回動自在に連結する不図示のヒンジの取付剛性を高めるものである。ドアヒンジリインフォース14の上端14aはミラーリインフォース12の上端12dとほぼ同じ高さに位置し、ミラーリインフォース12の下端(下辺)12aはドアヒンジリインフォース14の中間の屈曲部14bよりも少し下側に位置する。中間の屈曲部14bは垂直な下側部分14cに続いている。
参考までに、図3を用いて、右側のサイドドア2におけるドアヒンジリインフォース14等の配置を説明する(図3のサイドドア構造は図1,図2のサイドドア構造とは若干異なるタイプのものであるが、対応する構成部分には同じ符号を付して説明する)。
図3において、サイドアウタパネル9bの前端部15は車両外側に向けて凸となる横断面ハット状に形成され、この前端部15の内側にドアインナパネル6(図1)の前端部6aを介して車両内側から同様に車両外側に向けて凸となる横断面ハット状のドアヒンジリインフォース14が配置される。断面ハット状とは断面帽子状のことである。ドアヒンジリインフォース14の前側には車体側のダッシュサイドリインフォース16が配置される。また、サイドアウタパネル9bの窓枠部9aの前部から上部にかけて車両内側から略への字状のフロントピラーインナパネル13aが配置される。
フロントピラーインナパネル13aは前下がりの前側の傾斜辺部13a1と略水平な上側の真直辺部13a2とで構成されている。ドアヒンジリインフォース14がサイドアウタパネル9bに車両内側から接合されると共に、サイドアウタパネル9bの上半側9aにフロントピラーインナパネル13aの傾斜辺部13a1が車両内側から重なって接合される。
図4は、図2のA−A断面図を示すものである。図4の如く、上側のドアビーム4は車両内側寄りに位置し、下側のドアビーム5は車両外側寄りに位置している。上側のドアビーム4の前端(環状の前端面)4aはドアインナパネル6の段差形状部17の角部18に近接対向して位置している。
すなわち、図4に太い鎖線でドアインナパネル6の段差形状部17を示す如く、段差形状部17は、幅広の車両内側の側壁19の前端に交差して続く幅狭の車両内寄りの第一(後側)の前壁20と、第一の前壁20の車両外側端(18)に交差して続く幅狭の中間の側壁21と、中間の側壁21の前端に交差して続く幅広の車両外寄りの第二(前側)の前壁22と、第二の前壁22の車両外側端に交差して続く幅狭の車両外側の側壁23とで構成されている。車両内側の側壁19と中間の側壁21と車両外側の側壁23とは車両前後方向に沿って位置し、第一の前壁20と第二の前壁22とは車両幅(左右)方向に沿って位置している。
この段差形状部17の車両内寄りの第一の前壁19と中間の側壁20との交差した角部18に上側のドアビーム4の前端4aが近接対向して位置している。すなわち、前方視でドアビーム4の前端4aは角部18に重なって位置している。前方視で角部18はドアビーム4の前端4aの略中心(環状の前端4aの径方向略中心)に重なって位置し、ドアビーム4の前端4aの車両内側半部は第一の前壁20の後面に近接対向している。
また、ドアインナパネル6の段差形状部17の前側及び車両内側に近接(隣接)対向してドアヒンジリインフォース14が配置されている。ドアヒンジリインフォース14は、車両外側に向けて凸となった断面ハット形状部25をドアインナパネル6の第一の前壁20と第二の前壁22の車両内側半部との前方に近接対向して有している。
断面ハット形状部25は、車両内側且つ後側の側壁14aに交差して続く後壁25aと、後壁25aの車両外側端に交差して続く突出先端部である車両外側の側壁25bと、車両外側の側壁25bの前端に交差して続く前壁25cとを備え、後壁25cはドアヒンジリインフォース14の車両内側の短い鍔壁25dに交差して続いている。車両内側且つ後側の側壁14aと車両外側且つ前側の側壁25bとは前後方向に沿って位置し、後壁25aと前壁25cとは車両幅方向に沿って少し傾斜して位置している。
ドアヒンジリインフォース14の車両内側の側壁14aはドアインナパネル6の車両内側の側壁19と平行に位置し、車両内側の側壁14aは車両内側の側壁19よりも車両内側に位置している。ドアヒンジリインフォース14の後壁25aは、ドアインナパネル6の第一の前壁20と第二の前壁22の車両内側半部と、中間の側壁21と第二の前壁22との交差した角部26とに対向して位置し、ドアヒンジリインフォース14の車両外側の側壁25bの後端すなわち車両外側の側壁25bと後壁25aとの交差した角部25eは、ドアインナパネル6の第二の前壁22に対向して位置している。
上側のドアビーム4の前端4aは、ドアインナパネル6の段差形状部17の角部18に対向すると共に、角部18の前方におけるドアヒンジリインフォース14の後壁25aに対向して位置している。ドアインナパネル6の前側の厚板部6aに段差形状部17が形成され、厚板部6aの後側に薄板部6bが続き(境界を符号6cで示す)、薄板部6bはドアインナパネル6の幅広な車両内側の側壁19の大部分を成し、車両内側の側壁19の前部19aが厚板部6aで形成されている。
ドアヒンジリインフォース14の車両外側の側壁25bの外面にはL字状のドアヒンジ27とドアオープンストッパ28とが接合されている。上側のドアビーム4よりも車両外側において、下側のドアビーム5の前側のブラケット7がドアインナパネル6の第二の前壁22の後面に接合固定されている。下側のドアビーム5の前側のブラケット7はドアビーム5を車両外側から覆っている。上側のドアビーム4の前側のブラケット11(図2)は図4において図示を省略している。上側のドアビーム4は下側のドアビーム5よりも少し小径に形成されている。図4で符号29は、上側のドアビーム4の前端部を車両外側から覆うドアミラーリインフォースを示す。
図5は、図2のB−B断面図を示すものである。上側のドアビーム4の前側のブラケット11は、ドアビーム4の車両内側の外面に接合した断面円弧状(半円状)の部分30と、円弧状の部分30の上側に続く部分(上側部分)31と、円弧状の部分30の下側に続く部分(下側部分)32とで構成されている。上側部分31は、第一(下側)の垂直な側板部31aと中間の傾斜板部31bと第二(上側)の垂直な側板部31cとで成り、第二の側板部31cがドアインナパネル6に車両外側のドアミラーリインフォース12の上側の垂直な側板部33aで挟まれた状態でスポット溶接34で固定されている。ブラケット11の下側部分32は、上側の湾曲板部32aと中間の傾斜板部32bと下側の垂直な側板部32cとで成り、下側の側板部32cが車両外側のドアミラーリインフォース12の下側の垂直な側板部33bで挟まれた状態でスポット溶接34で固定されている。
ドアミラーリインフォース12は、車両外側の頂点33dを境に、上側の傾斜板部33cと下側の傾斜板部33eと、上側の傾斜板部33cに続くスポット接合用の上側の側板部33aと、それに続く逆向きの傾斜板部33fと、下側の傾斜板部33eに続くスポット接合用の短い下側の側板部33bとで構成され、上下の傾斜板部33c,33eで上側のドアビーム4の前端部を車両外側から非接触で覆い、ドアビーム4の前側のブラケット11と上下の傾斜板部33c,33eとの間に閉空間35を構成している。
ドアインナパネル6は、ドアミラーリインフォース12の上端側の傾斜板部33fに沿う傾斜板部36と、傾斜板部36に交差して続く車両外側の鍔板部37とを有し、鍔板部37はドアアウタパネル9に接合されている。
図6は、上側のドアビーム4の前側のブラケット11の接合状態を示すものである。ブラケット11の車両外側に配置されるドアミラーリインフォース12は仮想線で示している。ドアビーム4を跨いだブラケット11の上部と下部とが車両外側のミラーリインフォース12と共にスポット溶接34でドアインナパネル6に固定されている。上側のスポット溶接部(接合部)34はドアベルトライン3の前側延長線3aよりも上側に位置し、下側のスポット溶接部(接合部)34はドアベルトライン3の前側延長線3aよりも下側に位置している。ブラケット11の中間の半円状部30は例えば前後端をドアビーム4の外周面に線溶接(図示せず)で接合されている。ドアミラーリインフォース12はドアベルトライン3の前側延長線3aを上下に跨いで配置されている。
ブラケット11の中間の半円状部30はドアビーム4の前端部を車両内側から覆っているが、図5に示したようにドアミラーリインフォース12がドアビーム4の前端部を車両外側から比較的近接して覆っているので、車両の前面衝突時にドアビーム4の前端部が車両内側への移動はもとより車両外側への移動が抑止されて、ドアビーム4が車両前後方向に真っ直ぐに衝突荷重を受けることができる。
上側のドアビーム4の後側のブラケット(図示せず)としては、例えば、下側のドアビーム5(図1)の後側のブラケット8におけるように、ドアインナパネル6の後部の段差形状部(図示せず)に沿って平面視略クランク状に形成されて、後側のブラケットの前後の側板部をドアインナパネル6の後部の段差形状部の前後の側壁にスポット溶接で固定し、後側のブラケットの前後の側板部を連結する中間の後板部にドアビーム4の後端を突き当てて溶接固定する形態としてもよい。
あるいは、前側のブラケット11と同様のものをドアビーム4の後端部に接合固定して(中間の半円状部30は車両外側からドアビーム4の後端部を覆うことが好ましい)、ドアビーム4の円形環状の後端面をドアインナパネル6の後部の段差形状部(図示せず)の後壁の前面に突き当て可能に近接対向させてもよい。
上側のドアビーム4と、ドアビーム4の前端側に接合固定される前側のブラケット11と、ドアビーム4の後端側に接合固定される後側のブラケットとでドアビーム組立体が構成される。ドアビーム4はドアビーム組立体の状態でドアインナパネル6等に接合固定される。
以下に、上記車両用ドアビームの取付構造の作用効果を説明する。
(1)車両の前面衝突時に、車両前方からの衝突荷重をサイドメンバとドアヒンジリインフォース14とで受けるので、ドアヒンジリインフォース14を車両外側に向けて凸となった断面ハット形状としたことで、ドアヒンジリインフォース14で衝突荷重を確実に受けることができる。
ドアヒンジリインフォース14で受けた衝突荷重を後方に伝える際に、ドアヒンジリインフォース14の断面ハット形状部25とパイプ状の上側のドアビーム4の前端4aとが前方視で重合しているので、ドアビーム4に真っ直ぐに荷重がかかり、ドアビーム4を真っ直ぐに後方に押すことで、サイドドア2の幅方向の歪みを低減しつつ、サイドドア2の前後方向のスパンを維持する(サイドドア2の前後方向の潰れ変形を抑止する)ことができる。
ドアインナパネル6の後部に接合されたドアビーム4の後側のブラケット(図示せず)や、ドアビーム4の後端を受けるドアインナパネル6の後部の段差形状部によって、ドアビーム4の後方に伝えられた衝突荷重が受け止められる。
このように、衝突荷重を真っ直ぐにドアビーム4に伝えて、ドアビーム4を真っ直ぐに後方に押すことで、ドアビーム4の弓状の変形を抑止することができ(真っ直ぐに押さない場合はドアビーム4が弓状に変形しやすく、衝突荷重が後方すなわちサイドドア2の後部にうまく伝わらない)、それにより、ドアビーム4の内径及び外径を小さく設定して、ドアビーム4を軽量化、コンパクト化、低コスト化することができる。
(2)また、車両の前面衝突時の荷重が、断面ハット状のドアヒンジリインフォース14からサイドドア2にかかる場合、サイドドア2の剛性が十分に確保されていれば、上側のドアビーム4を正しく後方に押すことができる。このため、ドアインナパネル6の前部の板厚を厚くしたテーラードブランク材を採用し、ドアインナパネル6の前部に段差形状部17を設け、段差形状部17の途中の前後方向に沿う壁部である中間の側壁21、すなわち段差形状部17の車両内側の第一の前壁20とそれに続く中間の側壁21との交差した角部18をドアビーム4の円環状の前端4aの外径に前方視で重合するようにした。
これにより、車両の前面衝突時に、ドアヒンジリインフォース14がドアインナパネル6に衝接して変形を開始し、ドアインナパネル6の左右方向に沿う壁部である第一の前壁20の後面が上側のドアビーム4の前端4aに突き当たり、ドアビーム4が後方へ押され始める。ドアインナパネル6の前後方向に沿う壁部である中間の側壁21は前後方向の剛性が高く、また、ドアインナパネル6を折った角部18すなわち中間の側壁21と第一の前壁20との交差した角部18は局所剛性が高いので、上側のドアビーム4を後方に押すための高い剛性を得ることができる。このため、ドアインナパネル6の前後方向に沿う壁部である中間の側壁21の長さ寸法分だけ、ドアビーム4の全長を短縮化することができ、ドアビーム4の軽量化、コンパクト化、低コスト化を実現することができる。
(3)また、上側のドアビーム4に対してドアベルトライン3を境にして上下の二箇所において、ドアミラーリインフォース14とドアビーム4の前側ブラケット11とドアインナパネル6との計三枚の板材を相互に接合(スポット溶接)させて、閉断面を構築することで、接合部34の局所剛性を向上させることができる。そして、車両の前面衝突時に、この剛性の向上した接合部分34でドアヒンジリインフォース14及びドアインナパネル6の段差形状部17からの衝突荷重を受けることで、衝突荷重を上側のドアビーム4に真っ直ぐに伝えることができる。
(4)また、上側のドアビーム4に対してドアミラーリインフォース14を車両幅方向に車両外側から被せることで、車両の前面衝突時に、ドアビーム4が車両幅方向に車両外側へ逃げる(移動する)ことを防止することができる。
本発明に係る車両用ドアビームの取付構造は、自動車の前面衝突時に、サイドドアのベルトラインに沿って配置された上側のドアビームの前端部が衝突荷重をしっかりと受けて後方に真っ直ぐに伝え、しかもそれを軽量、低コスト、簡単な構造で行わせるために利用することができる。
2 サイドドア
3 ドアベルトライン
4 ドアビーム
4a 前端
6 ドアインナパネル
6a 厚板部
11 ブラケット
12 ドアミラーリインフォース
14 ドアヒンジリインフォース
17 段差形状部
18 角部
19 車両内側の側壁
20 第一の前壁
21 中間の側壁
22 第二の前壁
25 断面ハット形状部
25a 後壁
34 スポット溶接部(接合部)

Claims (3)

  1. 車両のサイドドアのドアベルトラインに沿ってパイプ状のドアビームが配設され、該ドアビームの前端側がブラケットを介してドアインナパネルに固定された車両用ドアビームの取付構造において、
    前記ドアインナパネルの前部に沿って車両内側にドアヒンジリインフォースが配設され、該ドアヒンジリインフォースは車両外側に向けて突出した断面ハット形状部を有し、該断面ハット形状部の後壁に前記ドアビームの前端が前方視で重合したことを特徴とする車両用ドアビームの取付構造。
  2. 前記ドアインナパネルの前部が前部以外の部位よりも厚板に形成され、該前部に段差形状部が形成され、該段差形状部が、車両内側の側壁と、該側壁から車両外側に向けて続く第一の前壁と、該前壁から車両前側に向けて続く中間の側壁と、該中間の側壁から車両外側に向けて続く第二の前壁とを備え、該第一の前壁と該中間の側壁との交差した角部に前記ドアビームの前端が前方視で重合したことを特徴とする請求項1記載の車両用ドアビームの取付構造。
  3. 前記ブラケットに対して車両外側からドアミラーリインフォースが被せて配設され、該ブラケットと該ドアミラーリインフォースと前記ドアインナパネルとが、前記ドアビームと前記ドアベルトラインとを上下に跨いだ状態で、上下の位置で相互に接合固定されたことを特徴とする請求項1又は2記載の車両用ドアビームの取付構造。
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