JP6191046B2 - 自動車のフロントピラーの構造 - Google Patents
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Description
図1、図2に示すように、フロントピラー10は全体がインナパネル12とアウタパネル14とにより構成されている。
具体的には、フロントピラー10の上半部10Bに含まれるアッパインナパネル15、アッパリインフォースメント34、及びアウタパネル14は、平面視した場合、その中央部が車両外側へ湾曲した弓なり形状を有する。
図1に示すようにリインフォースメントパネル30は、フロントピラー10の下半部10Aに含まれるロアリインフォースメント32と、フロントピラー10の上半部10Bに含まれるアッパリインフォースメント34とを有する。図1に示すようにロアリインフォースメント32は、幅広部10Cに位置するようにアッパリインフォースメント34の前端部に設けられた幅広部35の下部に対して連結されている。前記幅広部35は、アッパリインフォースメント34において、フロントピラー10の上半部10Bに含まれる部位の前後の幅よりも拡幅にしたものである。
図3に示すように、アッパリインフォースメント34の幅広部35は、前方から順に前端壁35a、側壁35b、後端壁35cを備えて断面略コ字状に形成されている。前端壁35aはリインフォースメントパネル30の前後方向における前端部に相当するとともに、図3に示すように、前端壁35aは、インナパネル12(アッパインナパネル15)におけるフランジ17aを有する幅広部17の前端部よりも後方に位置する。
また、図2に示すアウタパネル14のフランジ14aは、図5に示すアッパインナパネル15のフランジ15a上及びアッパリインフォースメント34のフランジ34a上に「×」で示す位置を打点において、スポット溶接されている。図2に示すように、これらのスポット溶接により、アッパインナパネル15のフランジ15a及びアッパリインフォースメント34のフランジ34aにアウタパネル14が一体に固定されている。なお、前記打点間隔は、切欠15gを除いて、等ピッチとなっている。すなわち、本実施形態では、切欠15gがある部分では溶接ができないため、この部位の打点間隔は他の打点間隔よりも広く設定されている。また、変形許容領域R2においては、切欠15gの有無に関係なく、非変形許容領域R1における打点間隔よりも広くしてもよい。
図2、図5、図6に示すようにインナパネル12の上半部10Bは、ゾーンイントルージョンによる変形を許容しない非変形許容領域R1と、非変形許容領域R1の下部に隣接するとともに衝撃時に変形を許容する変形許容領域R2とに区分されている。
また、図4、図6に示すように、非変形許容領域R1内に位置するように、アッパインナパネル15の前側壁15e、側壁15d及び後側壁15fの内面には、剛性を有する金属製のインナパッチ40が一体にスポット溶接されている。
次に、上記のように構成された自動車のフロントピラーの構造の作用を説明する。
前面衝突時に、一方のフロントピラー10にはその幅広部10Cの前端に図示しないエプロンアッパメンバから大きな衝突荷重が作用する。この衝突荷重により、フロントピラー10(アッパインナパネル15)において、幅広部10Cにおける脆弱部としての切欠15gが変形する。この変形により、突出部19が後方に移動して、幅広部10Cの前部全体が屈曲変形し、この変形により衝突荷重が吸収される。
この幅広部10Cの変形は、インナパッチ40と、アッパリインフォースメント34の側壁35bとによりフロントピラー10の範囲R3までで抑制される。この結果、フロントピラー10への衝突荷重の入力がコントロールされて、弓なり形状のフロントピラー10の車両幅方向への変位を抑制することができる。
(1)本実施形態の自動車のフロントピラー10の構造は、インナパネル12とアウタパネル14とにより閉断面が形成されて、上半部10Bが傾斜姿勢で後方に延びて形成されるとともに平面視した状態で車両外側へ弓なり形状を有する。また、フロントピラー10の下半部10Aが下方に延出形成され、上半部10Bのインナパネル12及びアウタパネル14には相互に重ねられた状態でフロントウインドシールドGを載せるフランジ14a,15aがそれぞれ設けられている。フロントピラー10の上半部10Bには衝撃時にゾーンイントルージョンが生じた際、ゾーンイントルージョンによる変形を許容しない非変形許容領域R1と、非変形許容領域R1の下部に隣接するとともに前記衝撃時に変形を許容する変形許容領域R2を備える。また、変形許容領域R2は、フロントピラー10の曲げモーメントを抑制する上半部10Bの下部に配置されている。
(2)本実施形態では、上半部10Bのアウタパネル14の内面には、リインフォースメントパネル30が配設され、変形許容領域R2のインナパネル12には、衝撃時の変形を許容する切欠15g(脆弱部)が設けられている。
(3)本実施形態では、インナパネル12(アッパインナパネル15)、リインフォースメントパネル30、及びアウタパネル14のそれぞれのフランジ同士が複数のスポット溶接で溶接されている。また、変形許容領域R2おけるスポット溶接の打点間隔が、非変形許容領域R1のスポット溶接の打点間隔よりも広くされている。この結果、本実施形態によれば、スポット溶接の打点間隔を変形許容領域R2では非変形許容領域R1よりも広くすることにより、脆弱部の脆弱性を向上することができる。
・前記実施形態では、変形許容領域R2のインナパネル12には、衝撃時の変形を許容する切欠15g(脆弱部)が設けられている。この構成に代えて、変形許容領域R2のリインフォースメントパネル30に脆弱部を設けてもよい。また、変形許容領域R2のインナパネル12及びリインフォースメントパネル30の両方に脆弱部を設けてもよい。
・前記脆弱部は切欠としたが、切欠に限定するものではなく、薄肉部を形成してもよい。
・前記実施形態において、リインフォースメントパネル30の前端壁35aをL字状に曲げる代わりに、図3の二点鎖線で示すように斜め前方に向けられて、幅広部17に対しては溶接等によっては固定されていない自由端としてもよい。そして、前記前端壁35aを図3に示す実線の位置まで折れ曲がり可能としてもよい。このように構成すると、エプロンアッパメンバから大きな衝突荷重が作用して、幅広部10Cにおける脆弱部としての切欠15gが変形した際、突出部19が後方に移動して、幅広部10Cの前部全体が屈曲変形する。この変形の際、リインフォースメントパネル30の前端壁35aはインナパネル12(アッパインナパネル15)とは結合されていないため、図3の二点鎖線位置から、実線位置まで変形する。すなわち、クラッシュストローク範囲R3までの幅広部10Cの変形を許容する。
12…インナパネル、14…アウタパネル、14a…フランジ、
15…アッパインナパネル、15…フランジ、17…幅広部、
17a…フランジ、30…リインフォースメントパネル、35…幅広部、
35a…前端壁、40…インナパッチ、R1…非変形許容領域、
R2…変形許容領域、R3…クラッシュストローク範囲。
Claims (4)
- インナパネルとアウタパネルとにより閉断面が形成されて、上半部が傾斜姿勢で後方に延びて形成されるとともに平面視した状態で車両外側へ弓なり形状を有し、下半部が下方に延出形成され、前記上半部の前記インナパネル及び前記アウタパネルには相互に重ねられた状態でフロントウインドシールドを載せるフランジがそれぞれ設けられている自動車のフロントピラーの構造において、
前記インナパネルの前記上半部には、衝撃時にゾーンイントルージョンが生じた際、当該ゾーンイントルージョンによる変形を許容しない非変形許容領域と、前記非変形許容領域の下部に隣接するとともに前記衝撃時に変形を許容する変形許容領域を備え、前記変形許容領域がフロントピラーの曲げモーメントを抑制する前記上半部の下部に配置され、
前記上半部の前記アウタパネルの内面には、フランジを設けてなるリインフォースメントパネルが配設され、
前記変形許容領域の前記インナパネル及び前記リインフォースメントパネルの少なくともいずれか一方には、前記衝撃時の変形を許容する脆弱部が設けられ、
前記インナパネル、前記リインフォースメントパネル、及び前記アウタパネルのそれぞれの前記フランジ同士が複数のスポット溶接で溶接されており、
前記変形許容領域におけるスポット溶接の打点間隔が、前記非変形許容領域のスポット溶接の打点間隔よりも広くされている自動車のフロントピラーの構造。 - インナパネルとアウタパネルとにより閉断面が形成されて、上半部が傾斜姿勢で後方に延びて形成されるとともに平面視した状態で車両外側へ弓なり形状を有し、下半部が下方に延出形成され、前記上半部の前記インナパネル及び前記アウタパネルには相互に重ねられた状態でフロントウインドシールドを載せるフランジがそれぞれ設けられている自動車のフロントピラーの構造において、
前記インナパネルの前記上半部には、衝撃時にゾーンイントルージョンが生じた際、当該ゾーンイントルージョンによる変形を許容しない非変形許容領域と、前記非変形許容領域の下部に隣接するとともに前記衝撃時に変形を許容する変形許容領域を備え、前記変形許容領域がフロントピラーの曲げモーメントを抑制する前記上半部の下部に配置され、
前記上半部の前記アウタパネルの内面には、フランジを設けてなるリインフォースメントパネルが配設され、
前記変形許容領域の前記インナパネル又は前記リインフォースメントパネルのフランジには、前記衝撃時の変形を許容する切欠を形成してなる脆弱部が設けられ、
前記脆弱部が設けられていない前記リインフォースメントパネル又は前記インナパネルのフランジの前端は、前記切欠の後端と合致するように配置されている自動車のフロントピラーの構造。 - 前記リインフォースメントパネルの前後方向における前端部は、前記変形許容領域における前記インナパネルの前端部よりも後方に配置され、
前記衝撃時において、前記脆弱部の破壊により前記インナパネルの前端部の移動とともに、前記リインフォースメントパネルの前後方向における前端部の移動が許容される範囲をクラッシュストロークとする請求項1又は請求項2に記載の自動車のフロントピラーの構造。 - 前記非変形許容領域における前記インナパネルの内面にはインナパッチが固定されて前記変形許容領域には、前記インナパッチが存しないように配置されている請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の自動車のフロントピラーの構造。
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