JP4114484B2 - 加熱調理器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、天ぷら調理ができる加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図13は、従来の加熱調理器の天ぷら調理時における制御動作の様子を示したものである。
従来の加熱調理器においては、検出温度が第1の基準温度となるように加熱コイルを制御して調理容器内部の油温度を立ち上げ、その後、前記検出温度が第2の基準温度となるように制御して、油温度が設定温度となるようにする。その間に前記検出温度が負荷投入検知温度以下になる状態が所定時間継続した場合、食材が投入されたと判定し、前記検出温度を前記第2の基準温度より高い第3の基準温度となるように制御して、食材投入による油温度の低下を迅速に回復させる(例えば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−100554号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の加熱調理器は、調理完了後に調理装置の切り忘れや、調理中に長時間の調理中断が発生した場合でも、前記検出温度が第2の基準温度になるように制御しているので、この間の電力は無駄になり効率が悪く、安全上も問題があった。
【0005】
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、調理完了後のスイッチの切り忘れや、調理中に長時間の調理中断が発生した場合でも、安全に、そして電力を無駄にすることのない加熱調理器を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる加熱調理器は、調理容器内部の油の温度を検出する温度検出手段と、前記調理容器内部の油の温度が所定の設定温度となるようにヒータ又は誘導加熱コイルへの給電を制御する制御手段と、前記ヒータ又は誘導加熱コイルの電流を検出する電流検出手段とを備え、前記制御手段は、油の温度が天ぷら調理の設定温度に達した後、前記電流検出手段によって検出される電流の変化量が所定値以下の状態が所定時間継続した場合に、油の設定温度を下げる降下期間を経て、前記ヒータ又は誘導加熱コイルへの給電を停止させる
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態における加熱調理器の構成図である。
図1において、1は交流電源、2はスイッチ、3は制御回路、4は天ぷらモードスイッチ、5は出力調整ボリューム、6は図2に示すような、渦巻き状の誘導加熱コイル(以下、加熱コイル6という)、7は前記加熱コイル6の加熱コイル電流検出用抵抗、8は温度センサであり、図2に示すように前記加熱コイル6の中心部に配置され、天ぷら調理時の油の温度を間接的に検出する。9は耐熱ガラス、10は前記耐熱ガラス9に載置され前記加熱コイル6と磁気結合して渦電流により誘導加熱される鍋である。
【0008】
上記のように構成された加熱調理器の動作について説明する。
まず、前記スイッチ2が閉じられると、加熱調理器に前記交流電源1から電力が供給され動作を開始する。前記制御回路3は、前記加熱コイル6に高周波電流を流す。該加熱コイル6に高周波電流が流れると、磁束が発生し、この磁束が耐熱ガラス9に載置された前記鍋10の底部と交差すると、該鍋10の底部に渦電流が発生する。この渦電流と前記鍋10の抵抗分でジュール熱が発生して鍋10が発熱する。
【0009】
前記出力調整ボリューム5は、前記加熱コイル6に流す電流を決定するもので、使用者が前記天ぷらモードスイッチ4をオフの状態で、前記出力調整ボリューム5を、図1に示すように(大)の右方向に回せば、前記制御回路3は前記加熱コイル6に流す電流を増やして前記鍋10の温度を上げる。また、使用者が出力調整ボリューム5を(小)の左方向に回せば、前記制御回路3は前記加熱コイル6に流す電流を減らして前記鍋10の温度を下げる。使用者は、調理状態を見て前記出力調整ボリューム5を調整して調理を行う。
【0010】
そして、天ぷらモードスイッチ4がオフの状態においては、上述のように前記加熱コイル6へ流す電流は前記出力調整ボリューム5によって調整されるが、前記天ぷらモードスイッチ4がオンにされると、前記出力調整ボリューム5を無視して、前記制御回路3は前記温度センサ8によって検出した前記鍋10内の油温度が、天ぷらを揚げるときの最適な設定温度、例えば180度となるように前記加熱コイル6の電流を制御する。
【0011】
図3は、前記天ぷらモードスイッチ4をオンにして、天ぷらモードにした時の前記加熱コイル6の電流と前記温度センサ8の検出温度及び油の温度の変化の様子を表わしたものである。
尚、図中、(a)は油の温度、(b)は温度センサ8の検出温度、(c)は加熱コイル6の電流をそれぞれ示している。
天ぷらモードでは、前記制御回路3において目標の油の温度(図中T1)が例えば180度に設定されている。前記制御回路3は前記温度センサ8によって検出した鍋10内の油の温度が、前記目標設定温度T1の180度となるように前記加熱コイル6の電流を制御する。図に示すように、実際の油の温度に対して、温度センサ8の検出温度は遅れて反応する。
【0012】
その後、油の温度の温度上昇と共に前記加熱コイル6への投入電流を減らしていき、油の温度が天ぷら調理に最適な目標設定温度T1の180度に達したら、使用者は天ぷら調理を開始する。そして、天ぷら調理の食材を投入すると、鍋10内の前記油の温度が図に示すように低下し、少し遅れて前記温度センサ8の検出温度も低下する。前記制御回路3は、前記温度センサ8の検出温度の低下情報を受けて、前記加熱コイル6への投入電流を図に示すように増加させ、前記油の温度が前記目標設定温度T1になるように制御する。
【0013】
上記のように、前記温度センサ8からの検出温度によって前記鍋10内の油の温度が目標設定温度T1に達したと判定した後、食材が投入されると油の温度が低下するので、その温度低下を補おうと、パルス的な加熱コイル6への電流を増加させる。前記加熱コイル電流検出用抵抗7は、流れる電流に応じて該加熱コイル電流検出用抵抗7の両端間に電圧降下が発生するので、この電圧降下を検出することで前記加熱コイル6へ流れる電流値が検知できる。前記制御回路3は、前記加熱コイル電流検出用抵抗7の電圧降下情報から電流の増加を検知して食材が投入されたと判定することができる。したがって、ここでは前記加熱コイル電流検出用抵抗7の電圧降下情報から、油の温度が前記設定温度T1に制御される加熱コイル電流の、所定値以上の電流変化量があった場合には、食材が投入されたと検知する。
【0014】
そして、前記制御回路3内に例えばタイマー等(図示せず)を備えて、図3に示すように所定時間A(例えば1分)が経過しても、食材の投入が検知されなかった場合(つまり、前記電流変化量が所定値以下)は、例えば使用者が調理を終了したにも拘わらず、加熱調理器の前記スイッチ2を切り忘れているか、または、調理中に電話等があり、調理を中断していると判定して、前記制御回路3で前記加熱コイル6への電流を遮断する。
【0015】
以上のように、本実施の形態においては、加熱コイルへ流れる電流の変化量から、天ぷら調理中の食材の投入を検知し、天ぷら調理に最適な設定温度T1(例えば180度)で所定時間が経過しても食材の投入が検知されなければ、前記加熱コイルへの電流を遮断するようにしたので、調理完了にも拘わらずスイッチの切り忘れや、調理中に長時間の調理中断が発生した場合にも、安全に、そして電力を無駄にすることのない加熱調理器を得ることができる。
【0016】
尚、本実施の形態においては、加熱手段として磁気結合して渦電流により鍋を誘導加熱する加熱コイルを一例として説明したが、これに限られるものではなく、例えば通常の電気ヒータでもよく、その際にも上述した同様の動作を行うことができる。
【0017】
また、本実施の形態においては、油の温度を間接的に検出するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば温度センサを鍋に取りつけて直接検出するようにしてもよい。
【0018】
実施の形態2.
本実施の形態2における加熱調理器の構成は、上記実施の形態1の図1、図2と同様であるので、ここでの構成図及び説明を省略する。
図4は、本実施の形態2に係わる、天ぷらモード時の前記加熱コイル6の電流と前記温度センサ8の検出温度及び油の温度の変化の様子を表わしたものである。図4中、(a)は油の温度、(b)は温度センサ8の検出温度、(c)は加熱コイル6の電流をそれぞれ示している。また、図中、T1、T2、T3、T4は油の設定温度をそれぞれ示している。尚、図において加熱開始から油の温度が目標設定温度T1に達するまでの立ち上がり時の変化については、図示と説明を省略する。
【0019】
天ぷらモード時、上記実施の形態1同様に、前記温度センサ8からの検出温度によって前記鍋10内の油の温度が、天ぷら調理に最適な目標設定温度T1(例えば180度)に達したと判定した後、食材が投入されると油の温度が低下するので、その温度低下を補おうと、前記加熱コイル6への電流を増加させる。前記加熱コイル電流検出用抵抗7は、流れる電流に応じて該加熱コイル電流検出用抵抗7の両端間に電圧降下が発生するので、この電圧降下を検出することで前記加熱コイル6へ流れる電流値が検知できる。前記制御回路3は、前記加熱コイル電流検出用抵抗7の電圧降下情報から電流の増加を検知して食材が投入されたと判定することができる。したがって、ここでは前記加熱コイル電流検出用抵抗7の電圧降下情報から、油の温度が前記設定温度T1に制御される加熱コイル電流の、所定値以上の電流変化量があった場合には、食材が投入されたと検知する。尚、後述する設定温度T2、T3、T4においても同様に、夫々の設定温度に制御される加熱コイル電流の、所定値以上の電流変化量があった場合には、食材が投入されたと検知する。
【0020】
そして、前記制御回路3内に上記実施の形態1同様に、例えばタイマー等を備えて、図4に示すように所定時間A(例えば1分)が経過しても、食材の投入が検知されなかった場合(つまり、前記電流変化量が所定値以下)は、前述のように例えば使用者が調理を終了したにも拘わらず、前記スイッチ2を切り忘れているか、または、調理中に電話等があり、調理を中断していると判定して、油の温度の目標設定温度を前記天ぷら調理に最適な温度T1より低い、T2に設定して、その設定温度になるように制御回路3は前記加熱コイル6への投入電流を制御動作させる。
【0021】
そして、図4に示すように所定時間B(例えば30秒)が経過しても、食材の投入が検知されなかった場合は、油の温度の設定温度を前記T2より更に低いT3に設定して、その設定温度になるように制御回路3は前記加熱コイル6への投入電流を制御動作させる。そして、前記同様所定時間Bが経過しても、食材の投入が検知されなかった場合は、さらに前記油の温度の設定温度を前記T3より更に低いT4に設定して、その設定温度になるように制御回路3は前記加熱コイル6への投入電流を制御動作させ、前記同様所定時間Bが経過しても、食材の投入が検知されなかった場合は、前記制御回路3で前記加熱コイル6への電流を遮断する。このように、前記天ぷら調理に最適な油の設定温度T1で、所定時間Aが経過しても食材の投入が検知されなかった場合、前記油の設定温度T1をT2、T3、T4と段階的に徐々に下げつつ、夫々前記所定時間Bで待機し、前記設定温度T4で前記所定時間Bが経過しても、食材の投入が検知されなかった場合は、前記制御回路3で前記加熱コイル6への電流を遮断する。
【0022】
尚、本実施の形態において、油の設定温度をT1からT4の4段階として説明したが、これに限られるものではない。
【0023】
ここで、例えば前記設定温度T2で前記所定時間Bの待機中に食材が投入され、前記制御回路3は、前記加熱コイル電流検出用抵抗7の電圧降下情報により、前述した加熱コイル電流の電流変化量から食材の投入が検知された場合について、図5を基に説明する。
図5中、(a)は油の温度、(b)は温度センサ8の検出温度、(c)は加熱コイル6の電流をそれぞれ示している。尚、加熱開始から前記油の温度が目標設定温度に達するまでの立ち上がり時の変化については、図示を省略する。
【0024】
前記天ぷら調理に最適な設定温度T1(例えば180度)より低い、前記設定温度T2での前記所定時間Bの待機中に、図5に示すように、食材が投入されると油の温度が低下するので、その温度低下を補おうと、前記制御回路3は加熱コイル6への投入電流を増やすよう制御動作し、前記加熱コイル6の電流が増加する。
前記制御回路3は、前記加熱コイル電流検出用抵抗7の電圧降下情報で、前述した加熱コイル電流の電流変化量から食材の投入を検知し、前記油の設定温度をT2から前記天ぷら調理に最適な設定温度T1に戻し、再び前記設定温度T1になるように、加熱コイル6への投入電流を制御動作する。これによって、図5に示すように、加熱コイル6の電流や油の温度が上昇し、前記天ぷら調理に最適な設定温度T1で食材が調理される。
【0025】
尚、上記実施の形態においては、前記設定温度T2での待機中に食材の投入が検知された場合に、該設定温度T2から前記天ぷら調理に最適な油の設定温度T1に戻す前記制御回路3の制御動作について説明したが、これに限られるものではなく、前記複数の設定温度での夫々の所定時間の待機中に、食材の投入を検知した場合も同様に、各設定温度から前記天ぷら調理に最適な油の設定温度T1に戻し、該設定温度T1になるように加熱コイル6への投入電流を前記制御回路3は制御動作させる。
【0026】
以上のように、本実施の形態においては、加熱コイルへ流れる電流変化量から食材の投入を検知し、天ぷら調理に最適な油の設定温度T1(例えば180度)で所定時間Aが経過しても食材の投入が検知されなければ、前記油の設定温度T1をT2、T3、T4と段階的に徐々に下げつつ、夫々所定時間Bで待機し、前記設定温度T4で所定時間Bが経過しても食材の投入が検知されなければ、前記加熱コイルへの電流を遮断するようにしたので、調理完了にも拘わらずスイッチの切り忘れや、調理中に長時間の調理中断が発生した場合にも、安全に、そして電力を無駄にすることがない。また、前記各設定温度T2、T3、T4での所定時間Bの待機中に例えば食材の投入が検知された場合には、各設定温度から前記天ぷら調理に最適な油の設定温度T1に戻すようにしたので、迅速に最適な油の温度での調理に対応することのできる加熱調理器を得ることができる。
【0027】
尚、本実施の形態においては、加熱手段として磁気結合して渦電流により鍋を誘導加熱する加熱コイルを一例として説明したが、これに限られるものではなく、例えば通常の電気ヒータでもよく、その際にも上述した同様の動作を行うことができる。
【0028】
また、本実施の形態においては、油の温度を間接的に検出するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば温度センサを鍋に取りつけて直接検出するようにしてもよい。
【0029】
実施の形態3.
図6は、本実施の形態3における加熱調理器の構成図である。尚、図6において、上記実施の形態1の図1と同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。
図6において、17は加熱調理器の入力電流検出用抵抗である。
【0030】
上記実施の形態1、2においては、前記加熱コイル電流検出用抵抗7によって、該加熱コイル電流検出用抵抗7の両端間に発生する電圧降下情報により前記加熱コイル6へ流れる電流の電流変化量から食材の投入を検知するようにした。前記加熱コイル6へ流れる電流は、加熱調理器の入力電流と比例関係にあるので、本実施の形態においては、前記加熱コイル電流検出用抵抗7の代わりに、前記入力電流検出用抵抗17を付加して、該入力電流検出用抵抗17の両端間に発生する電圧降下情報から得られる加熱調理器への入力電流の電流変化量から食材投入を検知するようにしたものである。
【0031】
本実施の形態では、上述の前記入力電流検出用抵抗17の両端間に発生する電圧降下情報から得られる加熱調理器への入力電流の電流変化量から、食材投入を検知するようにしたことが上記実施の形態1、2と異なるもので、他の前記制御回路3の制御動作等は上記実施の形態1、2と同様であるので、ここでの説明を省略する。
【0032】
以上のように、本実施の形態においては、加熱調理器への入力電流の電流変化量から食材の投入を検知し、天ぷら調理に最適な油の設定温度T1(例えば180度)で所定時間Aが経過しても食材の投入が検知されなければ、前記加熱コイルへの電流を遮断する。または、前記最適な油の設定温度T1で所定時間Aが経過しても食材の投入が検知されなければ、前記設定温度T1をT2、T3、T4と段階的に徐々に下げつつ、夫々所定時間Bで待機し、前記設定温度T4で所定時間Bが経過しても食材の投入が検知されなければ、前記加熱コイルへの電流を遮断するようにしたので、上記実施の形態1、2同様に、調理完了にも拘わらずスイッチの切れ忘れや、調理中に長時間の調理中断が発生した場合にも、安全に、そして電力を無駄にすることがない。また、前記各設定温度T2、T3、T4での所定時間Bの待機中に食材の投入が検知された場合には、前記各設定温度から前記天ぷら調理に最適な油の設定温度T1に戻すようにしたので、迅速に最適な油の温度での調理に対応することのできる加熱調理器を得ることができる。
【0033】
尚、本実施の形態においては、加熱手段として磁気結合して渦電流により鍋を誘導加熱する加熱コイルを一例として説明したが、これに限られるものではなく、例えば通常の電気ヒータでもよく、その際にも上述した同様の動作を行うことができる。
【0034】
また、本実施の形態においては、油の温度を間接的に検出するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば温度センサを鍋に取りつけて直接検出するようにしてもよい。
【0035】
実施の形態4.
図7は、本実施の形態4における加熱調理器の構成図である。尚、図7において、上記実施の形態1の図1と同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。
【0036】
本実施の形態は、上記実施の形態1の他の形態を示すものである。
上記実施の形態1では、加熱コイル6への電流を検出するための前記加熱コイル電流検出用抵抗7を備え、該加熱コイル電流検出用抵抗7での電圧降下情報から得られる加熱コイル電流の電流変化量から食材の投入を検知し、所定時間A(例えば1分)が経過しても食材の投入が検知されなかった場合(つまり、上述した例えば電流変化量が所定値以下)は、前記制御回路3で前記加熱コイル6への電流を遮断するようにした。
【0037】
本実施の形態においては、図7に示すように前記加熱コイル電流検出用抵抗7は備えておらず、上記実施の形態1で説明したように、食材が投入されると油の温度及び温度センサ8の検出温度が天ぷら調理の油の設定温度T1から低下するので、その温度変化を利用して、前記温度センサ8の検出温度に所定値以上(つまり設定温度T1に対して所定値以上)の温度変化量があった場合には、その温度変化量から前記制御回路3で食材の投入を検知し、所定時間A(例えば1分)が経過しても前記温度センサ8の検出温度に前記所定値以上の温度変化量がない場合、つまり食材の投入が検知されなかった場合、前記制御回路3で前記加熱コイル6への電流を遮断するようにしたものである。
【0038】
上記のように、本実施の形態では、温度センサ8の検出温度の温度変化量から食材の投入を検知し、所定時間Aが経過しても前記温度センサ8の検出温度に所定値以上の温度変化量がない場合に、前記加熱コイル6への電流を遮断するようにしたことが、上記実施の形態1と異なるもので、他の前記制御回路3の制御動作等は上記実施の形態1と同様であるので、ここでの説明を省略する。
【0039】
図8に本実施の形態に係る前記加熱コイル6の電流と前記温度センサ8の検出温度及び油の温度の変化の様子を表わす。
図8中、(a)は油の温度、(b)は温度センサ8の検出温度、(c)は加熱コイル6の電流をそれぞれ示している。尚、加熱開始から油の温度が目標設定温度T1に達するまでの立ち上がり時の変化については、図示を省略する。
【0040】
以上のように、本実施の形態においては、温度センサの検出温度の温度変化量から食材の投入を検知し、天ぷら調理に最適な設定温度T1(例えば180度)で所定時間が経過しても前記温度センサの検出温度に所定値以上の温度変化量がない、つまり食材投入の検知がなければ、前記加熱コイルへの電流を遮断するようにしたので、上記実施の形態1に比べ、より簡易な構成で、例えば調理完了にも拘わらずスイッチの切り忘れや、調理中に長時間の調理中断が発生した場合にも、上記実施の形態1同様に安全に、そして電力を無駄にすることのない加熱調理器を得ることができる。
【0041】
尚、本実施の形態においては、加熱手段として磁気結合して渦電流により鍋を誘導加熱する加熱コイルを一例として説明したが、これに限られるものではなく、例えば通常の電気ヒータでもよく、その際にも上述した同様の動作を行うことができる。
【0042】
また、本実施の形態においては、油の温度を間接的に検出するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば温度センサを鍋に取りつけて直接検出するようにしてもよい。
【0043】
実施の形態5.
本実施の形態5における加熱調理器の構成は、上記実施の形態4の図7と同様であるので、ここでの構成図及び説明を省略する。
【0044】
本実施の形態は、上記実施の形態2の他の形態を示すものである。
上記実施の形態2では実施の形態1と同様に、前記加熱コイル電流検出用抵抗7での電圧降下情報から得られる加熱コイル6への電流変化量から食材の投入を検知し、天ぷら調理に最適な油の設定温度T1(例えば180度)で所定時間A(例えば1分)が経過しても、所定値以上の電流変化量がない、つまり食材の投入が検知されなかった場合、前記油の設定温度T1をT2、T3、T4と段階的に徐々に下げつつ、夫々所定時間B(例えば30秒)で待機し、前記設定温度T4で前記所定時間Bが経過しても食材の投入が検知されなかった場合は、前記制御回路3で前記加熱コイル6への電流を遮断するようにした。
【0045】
また、上記実施の形態2では、例えば前記設定温度T2で前記所定時間Bの待機中に、加熱コイル6への電流変化量から食材の投入が検知された場合には、前記制御回路3で前記油の設定温度T2から前記天ぷら調理に最適な油の設定温度T1に戻し、再び前記設定温度T1になるように、加熱コイル6への投入電流を制御動作した。
【0046】
本実施の形態においては、上記実施の形態4と同様に、前記温度センサ8の検出温度の温度変化量から食材の投入を検知し、前記天ぷら調理に最適な油の設定温度T1(例えば180度)で所定時間A(例えば1分)が経過しても、前記温度センサ8の検出温度に所定値以上(つまり、前述した設定温度T1に対して所定値以上)の温度変化量がない、つまり食材の投入が検知されなかった場合は、前記油の設定温度T1をT2、T3、T4と段階的に徐々に下げつつ、夫々所定時間B(例えば30秒)で待機し、前記設定温度T4で前記所定時間Bが経過しても食材の投入が検知されなかった場合は、前記制御回路3で前記加熱コイル6への電流を遮断するものである。尚、前記設定温度T2、T3、T4においても同様に、夫々の設定温度に対しての所定値以上の温度変化量があった場合には、食材が投入されたと検知する。
【0047】
また、本実施の形態においては、例えば前記設定温度T2で前記所定時間Bの待機中に、前記温度センサ8の検出温度に所定値以上の温度変化量があった場合、つまり食材の投入が検知された場合には、前記制御回路3で前記油の設定温度T2から前記天ぷら調理に最適な油の設定温度T1に戻し、再び前記設定温度T1になるように、加熱コイル6への投入電流を制御動作するものである。
【0048】
上記のように、本実施の形態では、温度センサ8の検出温度の温度変化量から食材の投入を検知し、その温度センサ8の検出温度変化情報を基に、所定時間A及び所定時間Bで待機させるようにしたことが、上記実施の形態2と異なるもので、他の前記制御回路3の制御動作等は上記実施の形態2と同様であるので、ここでの説明を省略する。
【0049】
図9に本実施の形態に係る前記加熱コイル6の電流と前記温度センサ8の検出温度及び油の温度の変化の様子を、図10に例えば前記設定温度T2で所定時間の待機中に食材の投入が検知された場合の、前記加熱コイル6の電流と前記温度センサ8の検出温度及び油の温度の変化の様子をそれぞれ示す。
図9、図10中、(a)は油の温度、(b)は温度センサ8の検出温度、(c)は加熱コイル6の電流をそれぞれ示している。また、図中、T1、T2、T3、T4は油の設定温度をそれぞれ示している。
尚、加熱開始から油の温度が目標設定温度T1に達するまでの立ち上がり時の変化については、図示を省略する。
【0050】
尚、本実施の形態において、前記設定温度T2の待機中に食材の投入が検知された場合に、該設定温度T2から前記天ぷら調理に最適な油の設定温度T1(例えば180度)に戻す前記制御回路3の制御動作について説明したが、これに限られるものではなく、前記複数の設定温度での夫々の所定時間の待機中に食材が投入された場合も同様に、各設定温度から前記天ぷら調理に最適な油の設定温度T1に戻し、該設定温度T1になるように、加熱コイル6への投入電流を前記制御回路3は制御動作させる。
【0051】
また、本実施の形態において、油の設定温度をT1からT4の4段階として説明したが、これに限られるものではない。
【0052】
以上のように、本実施の形態においては、温度センサの検出温度の温度変化量から食材の投入を検知し、天ぷら調理に最適な油の設定温度T1(例えば180度)で所定時間A(例えば1分)が経過しても前記温度センサの検出温度に所定値以上の温度変化量がない、つまり食材投入の検知がなければ、前記油の設定温度T1を例えばT2、T3、T4と段階的に徐々に下げつつ、夫々所定時間B(例えば30秒)で待機し、前記設定温度T4で前記所定時間Bが経過しても食材の投入が検知されなかった場合は、前記制御回路3で前記加熱コイル6への電流を遮断する。また、前記設定温度T2、T3、T4での夫々の前記所定時間Bの待機中に、例えば食材の投入が検知された場合には、前記各設定温度T2、T3、T4から前記天ぷら調理に最適な油の設定温度T1に戻すようにしたので、上記実施の形態2に比べ、より簡易な構成で、例えば調理完了にも拘わらずスイッチの切り忘れや、調理中に長時間の調理中断が発生した場合にも、安全に、そして電力を無駄にすることがない。また、迅速に最適な油の温度での調理に対応することのできる加熱調理器を得ることができる。
【0053】
尚、本実施の形態においては、加熱手段として磁気結合して渦電流により鍋を誘導加熱する加熱コイルを一例として説明したが、これに限られるものではなく、例えば通常の電気ヒータでもよく、その際にも上述した同様の動作を行うことができる。
【0054】
また、本実施の形態においては、油の温度を間接的に検出するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば温度センサを鍋に取りつけて直接検出するようにしてもよい。
【0055】
実施の形態6.
図11は、本実施の形態6における加熱調理器の構成図である。
尚、図11において、上記実施の形態1の図1と同一又は相当部分には同一符号を付し説明を省略する。
図11において、11は前記鍋10内の油の中に食材が投入されたときの食材投入音を検出する例えばマイクロフォンである。
【0056】
本実施の形態においては、上記実施の形態1の、さらに他の形態を示すものである。
図12は本実施の形態に係る加熱コイル電流、温度センサ検出温度、油の温度及び食材投入音の動作変化の様子を表した図である。
図12中、(a)は油の温度、(b)は温度センサ8の検出温度、(c)は加熱コイル6の電流、(d)は食材投入音をそれぞれ示している。
【0057】
本実施の形態においては、前記食材投入音を検出するマイクロフォン11を付加して、食材の投入による前記マイクロフォン11で検出される食材投入音レベルが、図12に示すように例えばS1以上あり、かつ、前述した前記油の設定温度T1に制御される加熱コイル電流の、所定値以上の電流変化量があった場合には、前記制御回路3で食材が投入されたと検知するものである。
【0058】
そして、所定時間A(例えば1分)が経過しても食材の投入が検知されなかった場合(つまり、食材投入音レベルがS1以下で、前記電流変化量が所定値以下)は、例えば使用者が調理を終了したにも拘わらず、加熱調理器のスイッチを切り忘れているか、または、調理中に電話等があり、調理を中断していると判定して、前記制御回路3で前記加熱コイル6への電流を遮断する。
【0059】
本実施の形態では、前記食材投入音を検出するマイクロフォン11を付加して、前記制御回路3では、前記マイクロフォン11による食材投入音レベル情報と、前記加熱コイル電流の電流変化量情報とで食材の投入を検知するようにしたことが上記実施の形態1と異なるもので、他の前記制御回路3の制御動作等は上記実施の形態1と同様であるので、ここでの説明を省略する。
【0060】
以上のように、本実施の形態においては、例えば食材が投入されていないのに、ノイズ等により前記温度センサ8の検出温度が低下した場合、前記制御回路3は前記加熱コイル6への電流を増加させてしまうため、前記食材投入音を検出するマイクロフォン11を付加したことによって、より確実に食材の投入を検知をすることができ、そして安全に、また電力を無駄にすることのない加熱調理器を得ることができる。
【0061】
尚、本実施の形態においては、加熱手段として磁気結合して渦電流により鍋を誘導加熱する加熱コイルを一例として説明したが、これに限られるものではなく、例えば通常の電気ヒータでもよく、その際にも上述した同様の動作を行うことができる。
【0062】
また、本実施の形態においては、油の温度を間接的に検出するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば温度センサを鍋に取りつけて直接検出するようにしてもよい。
【0063】
また、本実施の形態においては、加熱コイル電流検出用抵抗7を用いての電圧降下情報から得られる加熱コイル電流の電流変化量を用いた例で説明したが、上記実施の形態3の入力電流検出用抵抗17を用いた場合にも同様の制御動作を行うことができるものである。
【0064】
また、本実施の形態においては、前記食材投入音レベル情報と、前記加熱コイル電流の電流変化量情報とで食材の投入を検知するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば前記食材投入音レベル情報と、前記温度センサの検出温度情報とで食材の投入を検知するようにして、上記同様の制御動作を行うようにしてもよい。
【0065】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、調理容器内部の油の温度を検出する温度検出手段と、前記調理容器内部の油の温度が所定の設定温度となるようにヒータ又は誘導加熱コイルへの給電を制御する制御手段と、前記ヒータ又は誘導加熱コイルの電流を検出する電流検出手段とを備え、前記制御手段は、油の温度が天ぷら調理の設定温度に達した後、前記電流検出手段によって検出される電流の変化量が所定値以下の状態が所定時間継続した場合に、油の設定温度を下げる降下期間を経て、前記ヒータ又は誘導加熱コイルへの給電を停止させるようにしたので、例えば天ぷら調理完了にも拘わらずスイッチの切り忘れや、天ぷら調理中に長時間の調理中断が発生した場合にも、安全に、そして電力を無駄にすることのない加熱調理器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における加熱調理器の構成図である。
【図2】 実施の形態1に係る加熱コイルと温度センサ部分を表した図である。
【図3】 実施の形態1に係る加熱コイル電流と温度センサ検出温度及び油の温度の動作変化の様子を表した図である。
【図4】 この発明の実施の形態2における加熱コイル電流と温度センサ検出温度及び油の温度の動作変化の様子を表した図である。
【図5】 実施の形態2に係る食材の投入を検知したときの加熱コイル電流と温度センサ検出温度及び油の温度の動作変化の様子を表した図である。
【図6】 この発明の実施の形態3における加熱調理器の構成図である。
【図7】 この発明の実施の形態4における加熱調理器の構成図である。
【図8】 実施の形態4に係る加熱コイル電流と温度センサ検出温度及び油の温度の動作変化の様子を表した図である。
【図9】 この発明の実施の形態5における加熱コイル電流と温度センサ検出温度及び油の温度の動作変化の様子を表した図である。
【図10】 実施の形態5に係る食材の投入を検知したときの加熱コイル電流と温度センサ検出温度及び油の温度の動作変化の様子を表した図である。
【図11】 この発明の実施の形態6における加熱調理器の構成図である。
【図12】 実施の形態6に係る加熱コイル電流、温度センサ検出温度、油の温度及び食材投入音の動作変化の様子を表した図である。
【図13】 従来の加熱調理器の動作変化の様子を表した図である。
【符号の説明】
1 交流電源、 2 スイッチ、 3 制御回路、 4 天ぷらモードスイッチ、 5 出力調整ボリューム、 6 加熱コイル、 7 加熱コイル電流検出用抵抗、 8 温度センサ、 9 耐熱ガラス、 10 鍋、 11 マイクロフォン、 17 入力電流検出用抵抗。
Claims (8)
- 調理容器内部の油の温度を検出する温度検出手段と、前記調理容器内部の油の温度が所定の設定温度となるようにヒータ又は誘導加熱コイルへの給電を制御する制御手段と、前記ヒータ又は誘導加熱コイルの電流を検出する電流検出手段とを備え、前記制御手段は、油の温度が天ぷら調理の設定温度に達した後、前記電流検出手段によって検出される電流の変化量が所定値以下の状態が所定時間継続した場合に、油の設定温度を下げる降下期間を経て、前記ヒータ又は誘導加熱コイルへの給電を停止させることを特徴とする加熱調理器。
- 前記制御手段は、前記降下期間中に前記電流検出手段によって検出される電流の変化量が所定値以上となった場合に、前記油の温度を天ぷら調理の設定温度に戻すように前記ヒータ又は誘導加熱コイルへの給電を制御することを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
- 前記降下期間において、段階的に油の設定温度を下げることを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
- 調理容器内部の油の温度を検出する温度検出手段と、前記調理容器内部の油の温度が所定の設定温度となるようにヒータ又は誘導加熱コイルへの給電を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、油の温度が天ぷら調理の設定温度に達した後、前記温度検出手段によって検出される油の温度の変化量が所定値以下の状態が所定時間継続した場合に、油の設定温度を下げる降下期間を経て、前記ヒータ又は誘導加熱コイルへの給電を停止させることを特徴とする加熱調理器。
- 前記制御手段は、前記降下期間中に前記温度検出手段によって検出される油の温度の変化量が所定値以上となった場合に、前記油の温度を天ぷら調理の設定温度に戻すように前記ヒータ又は誘導加熱コイルへの給電を制御することを特徴とする請求項4記載の加熱調理器。
- 前記降下期間において、段階的に油の設定温度を下げることを特徴とする請求項4記載の加熱調理器。
- 調理容器内部の油の温度を検出する温度検出手段と、前記調理容器内部の油の温度が所定の設定温度となるようにヒータ又は誘導加熱コイルへの給電を制御する制御手段と、前記ヒータ又は誘導加熱コイルの電流を検出する電流検出手段と、前記調理容器内部の油の中に食材が投入された際の食材の投入音を検出する投入音検出手段とを備え、前記制御手段は、油の温度が天ぷら調理の設定温度に達した後、前記電流検出手段によって検出される電流の変化量が所定値以下の状態が所定時間継続し、かつ、前記投入音検出手段によって検出される食材の投入音が所定レベル以下の状態が所定時間継続した場合に、前記ヒータ又は誘導加熱コイルへの給電を停止させることを特徴とする加熱調理器。
- 調理容器内部の油の温度を検出する温度検出手段と、前記調理容器内部の油の温度が所定の設定温度となるようにヒータ又は誘導加熱コイルへの給電を制御する制御手段と、前記調理容器内部の油の中に食材が投入された際の食材の投入音を検出する投入音検出手段とを備え、前記制御手段は、油の温度が天ぷら調理の設定温度に達した後、前記温度検出手段によって検出される油の温度の変化量が所定値以下の状態が所定時間継続し、かつ、前記投入音検出手段によって検出される食材の投入音が所定レベル以下の状態が所定時間継続した場合に、前記ヒータ又は誘導加熱コイルへの給電を停止させることを特徴とする加熱調理器。
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