JP4105336B2 - 光ファイバールースチューブ用樹脂組成物、光ファイバールースチューブおよびその製造法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、耐加水分解性および押出成形性に優れ、光ファイバールースチューブを高速の引き取り速度で押出し成形が可能な光ファイバールースチューブ用樹脂組成物およびそれを押出し成形して得られる光ファイバールースチューブ並びにその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバールースチューブは、チューブ内にルースに光ファイバーを収容し、その空隙をジェリー状の混和物で充填した構造として使用するものであり、これは数本束ねられて光ファイバーケーブルとなる。従来、光ファイバールースチューブには、機械強度、耐薬品性が優れるという点等から、ポリブチレンテレフタレートおよびその組成物が広く使用されている。
【0003】
例えば、特開平8−227030号公報には、固有粘度が1.0以上であり、末端のカルボキシル基濃度が45eq/ton以下であるポリブチレンテレフタレート100重量部に対し、リン系化合物0.01〜1.0重量部、ヒンダードフェノール化合物またはチオエーテル化合物0.01〜2.0重量部を添加してなる樹脂組成物が開示されている。
【0004】
光ファイバールースチューブ用途に使用されるポリブチレンテレフタレートおよびその組成物は、耐熱性や加水分解の問題を克服できるものでなくてはならない。
光ファイバールースチューブには、安定して均一の品質で製造できることが求められており、加えて生産性の向上を図る為に、押出成形における引取り速度を高速化する傾向にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の樹脂組成物は、引き取り速度150m/min以下で押出し成形するときは問題ないが、生産性を高めるために、引き取り速度を200m/min以上に速めると、ダイスに樹脂等が付着するいわゆるメヤニが発生し、ルースチューブの内側にダイスから剥離したメヤニが付着してチューブの品質を損ない、歩留まりが悪く生産性の向上を達成できない。
【0006】
本発明の目的は、耐加水分解性および押出成形性に優れ、高速の引き取り速度、特に200m/min以上の引き取り速度においても、メヤニによる不良の発生がなく、高歩留まりで光ファイバールースチューブを押出成形できる光ファイバールースチューブ用樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、本発明の上記樹脂組成物から製造されうる光ファイバールースチューブを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、本発明の樹脂組成物から本発明の光ファイバールースチューブを製造する方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはかかる問題点を解決すべく鋭意検討した結果、樹脂組成物にポリエチレン系ワックスを添加することにより、高速の引き取り速度において、メヤニの発生による不良を抑えて高歩留まりでルースチューブを製造できることを見い出した。
【0009】
すなわち本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第1に、(A)末端カルボキシル基濃度が10eq/ton以下でありそして固有粘度が1.0〜1.2であるポリブチレンテレフタレート100重量部、および(B)ポリエチレン系ワックス0.005〜0.1重量部、からなる光ファイバールースチューブ用樹脂組成物によって達成される。
【0010】
また、本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第2に、(A)末端カルボキシル基濃度が15eq/ton以下でありそして固有粘度が1.0〜1.2であるポリブチレンテレフタレート100重量部および(B)ポリエチレン系ワックス0.005〜0.1重量部、からなる光ファイバールースチューブによって達成される。
【0011】
さらに、本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第3に、本発明の上記樹脂組成物を200m/min以上の引取り速度で押出し成形することを特徴とする本発明の上記光ファイバールースチューブを製造する方法が提供される。本発明の製造法によれば、本発明の光ファイバールースチューブをメヤニの発生による不良が少なく、歩留まりよく製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
[ポリブチレンテレフタレート(A)]
ポリブチレンテレフタレート(A)は、テレフタル酸を主たるジカルボン酸成分とし、1,4−ブタンジオールを主たるグリコール成分としてなるポリエステルである。
ここで、「主たる」とは、全ジカルボン酸成分または全グリコール成分に対して80モル%以上であることを言い、好ましくは90モル%以上であることを言う。
【0013】
ポリブチレンテレフタレート(A)には、共重合成分を共重合することができる。共重合成分が共重合される場合、共重合成分の割合は、全ジカルボン酸成分または全グリコール成分に対して20モル%、好ましくは10モル%以下である。
共重合可能な酸成分としては、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸等;脂肪族ジカルボン酸、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等;脂環族ジカルボン酸、例えばシクロヘキサンジカルポン酸、テトラリンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸等が例示される。
【0014】
また、1,4−ブタンジオール以外の共重合可能なグリコール成分としては、例えばエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメチロール、キシリレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスヒドロキシエトキシビスフェノールA等が例示される。
また、ポリエステルが実質的に成形性能を失わない範囲で、三価以上の多官能性化合物、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、トリシン酸、ピロメリット酸等を共重合してもよい。
【0015】
本発明の樹脂組成物を構成するポリブチレンテレフタレート(A)の末端カルボキシル基濃度は、10eq/ton以下である。末端カルボキシル基濃度が10eq/tonを超えると、高温高湿な環境下において引張伸度の長期的な保持特性を備えたルースチューブを得ることができず、このような条件下で使用される場合に、外力によりクラックや割れを生じやすいルースチューブを与えるので、光ファイバーを保護する機能が損なわれる。なお、末端カルボキシル(COOH)基濃度は、エイ・コニックス(A.Conix)の方法(Makromol.Chem,26,226(1958))によって測定したポリマー106g(ton)当たりの当量(eq)数である。
【0016】
ポリブチレンテレフタレート(A)の固有粘度は、1.0〜1.2、好ましくは1.1〜1.2である。固有粘度が1.0未満では、チューブを押出成形する際の成形性が劣り、十分な賦形性を有さない。さらに外力がかかった場合にクラックや割れを生じやすく光ファイバーを保護する機能が損なわれる。固有粘度が1.2を超えると、光ファイバールースチューブの押出成形性が劣り、加えてポリブチレンテレフタレートの製造コストがかさむ。なお、固有粘度は、オルソクロロフェノール中25℃で測定した溶液粘度から算出した値である。
【0017】
かかるポリブチレンテレフタレート(A)を得る方法としては、固相重合法が好ましい。さらに好ましくは、アルカリ金属化合物を添加したポリブチレンテレフタレートを固相重合する方法である。この方法を用いることにより、低い製造コストで、低末端カルボキシル基濃度で固有粘度1.0〜1.2のポリブチレンテレフタレートの製造が可能となる。
【0018】
ここでいうアルカリ金属化合物とは、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、有機酸塩、例えば、酢酸塩、炭酸塩またはこれらの水和物、錯塩、アンモニウム塩等を言う。これらは少なくとも1種、すなわち所望により数種を併用できる。
【0019】
アルカリ金属化合物の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化フランシウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム等を挙げることができる。これらのうち特にナトリウム化合物、カリウム化合物が好ましい。
【0020】
[ポリエチレン系ワックス(B)]
ポリエチレン系ワックス(B)としてはポリエチレンホモポリマーが好ましく、ポリエチレンワックスの名称で市販されているものを用いることができる。ポリエチレンワックスは、分子量500〜20,000程度のエチレン低重合体であり、エチレンの重合および高分子量ポリエチレンの分解、高分子量ポリエチレン製造の際に副生する低重合体を分離する製法で製造することができる。
【0021】
市場で入手できるポリエチレンワックスには、重合法で製造されたものとして、三井ハイワックス(三井化学(株))、ダイヤレン30(三菱化成(株))、ダイヤカルナ30(三菱化成(株))、日石レクスポール(日本石油(株));分解法で製造されたものとして、サンワックス(三洋化成(株));副生法で製造されたものとして、ポリレッツ(チュウセイワックス・ポリマー(株))、ネオワックス(ヤスハラケミカル(株))が例示される。さらに、ACポリエチレン(アライド・ケミカル社)、エポレン(イーストマン・コダック社)、ヘキストワックス(ヘキスト社)、A−Wax(BASF社)、ポリワックス(ペトロライト社)、エスコマー(エクソンケミカル社)が入手可能であり、本発明におけるポリエチレン系ワックスとして使用できる。
【0022】
これらのなかでも、数平均分子量が500〜20,000、さらに1,000〜10,000、特に1,000〜8,000のものが好ましい。これより分子量が小さいとメヤニ低減効果が損なわれ、これより分子量が大きいと分散性が低下して光ファイバールースチューブの特性が損なわれる為好ましくない。
ポリエチレン系ワックス(B)の添加量は、ポリブチレンテレフタレート(A)100重量部に対して0.005〜0.1重量部配合する。0.005重量部未満であるとメヤニの低減効果が不十分であり、0.1重量部を超えて添加してもメヤニの低減効果が増大することはなくコスト増となる。
【0023】
[添加剤]
本発明の樹脂組成物には、一般にポリエステルに使用される結晶核剤、例えばカルボン酸金属塩、タルク、カオリン、酸化チタン、シリカゲル等が添加されていてもよい。
本発明の樹脂組成物には、高温高湿条件下における酸化劣化を防止する目的で、ヒンダードフェノール化合物、リン系化合物、チオエーテル系化合物が添加されていてもよい。
【0024】
ヒンダードフェノール化合物としては、例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが例示される。
【0025】
リン系化合物としては、フォスファイト系有機化合物、フォスフォナイト系有機化合物、リン酸エステル、亜リン酸エステル、リン酸の金属塩および亜リン酸の金属塩が例示される。
チオエーテル化合物としては、ジ−トリデシル−チオ−ジプロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(ドデシルチオ)プロピオネート]、ビス[2−メチル−4−{3−n−アルキル(C12またはC14)チオプロピオニルオキシ]−5−t−ブチルフェニル]スルフィドが例示される。
【0026】
本発明の樹脂組成物には、さらに、一般に繊維やフィルム、樹脂等で用いられる顔料、例えば酸化チタン、カーボンブラック等、有機系着色剤、例えばフタロシアニンブルー、アゾ系イエロー、キナクリドン等、紫外線吸収剤、例えば各種のベンゾフェノン系化合物、トリアゾール化合物、サリシレート化合物等、その他難燃剤、難燃助剤等々が添加されてもよい。
【0027】
[光ファイバールースチューブ]
本発明の光ファイバールースチューブを構成するポリブチレンテレフタレートの末端カルボキシル基濃度は15eq/ton以下である。15eq/tonを超えると高温高湿環境下における加水分解により、引張伸度が低下し外部応力によりルースチューブが破損しやすい。
本発明の光ファイバールースチューブを構成するポリブチレンテレフタレートの固有粘度は1.0〜1.2である。1.0未満であるとチューブに外力がかかったときにクラックや割れを生じ易い。
【0028】
[製造方法]
光ファイバールースチューブ用樹脂組成物の製造法としては、一般的に用いられる方法を取ることができる。例えば、あらかじめ上記各成分をタンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機などの混合機により混合する方法がある。
光ファイバールースチューブを製造する方法としては、上記樹脂組成物を用いて通常のチューブ成形装置で製造することが可能であり、リングダイを用いて押出、延伸してチューブとする。かかる押出の条件としては、樹脂温度が250℃〜270℃が好ましい。これより低い温度であると溶融粘度が高く、押出成形が困難であり、これより高い温度になるとポリブチレンテレフタレートの劣化が促進されるため好ましくない。
【0029】
また、ポリブチレンテレフタレートの結晶化が進んでいる方が機械物性、後収縮といった点で好ましい為、チューブの冷却温度は40〜90℃が好ましく、特に50〜70℃が好ましい。
本発明の光ファイバールースチューブ用樹脂組成物は、押出し成形して光ファイバールースチューブとすることができる。本発明によれば、このときの光ファイバールースチューブの引き取り速度を200m/min以上の高速にすることができる。
【0030】
【実施例】
本発明を実施例により詳述する。特性は次の方法で評価した。ポリブチレンテレフタレートをPBTと略称することがある。
[メヤニによる品質異常]
光ファイバールースチューブを10Km押出成形し、製品を目視で観察したときにメヤニによるチューブの形状の異常、色相の異常等が無いかを評価した。
○:異常無し
×:メヤニによる品質の異常有り
【0031】
[耐加水分解性試験後の引張破断伸度]
光ファイバールースチューブを10cmの長さに切断し、n−ヘキサンを用いて内部充填物を完全に洗浄して試験片を作成した。次にこの試験片に122℃×100%RH相対湿度下でのプレッシャークッカーテストを60時間行った。
この後、チューブの変形によるチャック切れを防ぐため直径20mmの芯材(針金)を両端からチューブ内に15mmづつ挿入し、チャック間距離を70mm(この部分は芯材で補強されていない)とり、引張速度10mm/minで引張試験を行い、以下の式によって伸度を算出した。
伸度(%)=(変位量/チャック間距離)×100
【0032】
[ルースチューブの品質]
成形により得られた光ファイバールースチューブの固有粘度および末端カルボキシル基濃度を次の方法で測定した。
[固有粘度]
ポリマーの固有粘度[η]は、オルソクロロフェノール中25℃で測定した溶液粘度から算出した値である。
【0033】
[末端カルボキシル基濃度]
末端カルボキシル(COOH)基濃度は、エイ・コニックス(A.Conix)の方法(Makromol.Chem,26,226(1958))によって測定したポリマー106g当たりの当量数である。
【0034】
参考例1
ポリブチレンテレフタレート(帝人(株)製、固有粘度1.14、末端カルボキシル基濃度5eq/ton)98wt%とポリエチレンワックス(ヘキスト社製 PE−520:滴点(ASTM556に準拠):117〜122℃、密度0.92〜0.94g/cm3(20℃))2wt%をブレンダーによりブレンドした後、44mmφの二軸押出機にて、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数160rpm、吐出量50kg/hで熔融混練し、ダイから吐出されるスレッドをペレタイズしてマスターバッチを得た。
【0035】
実施例1
参考例1のマスターバッチを、100倍の希釈率でポリブチレンテレフタレート(帝人(株)製、固有粘度1.14、末端カルボキシル基濃度5eq/ton)とブレンドし、40mmφのチューブ用押出成形機にて、シリンダー温度260℃、ダイス温度260℃、冷却バス水温20℃、引き取り速度250m/minの条件で、光ファイバールースチューブ(外径3mm、内径2mm)を成形した。連続して10Kmの長さの光ファイバールースチューブを押出成形した際のメヤニの発生を以下の基準で評価した。また、得られた光ファイバールースチューブについて、内容物の光ファイバーとジェリー状の混和物を除き、さらにヘキサンで洗浄した後の光ファイバールースチューブの耐加水分解性の評価を行った。これらの結果を表1に示す。
【0036】
実施例2
参考例1のマスターバッチを30倍の希釈率でポリブチレンテレフタレート(帝人(株)製、固有粘度1.12、末端カルボシキル基濃度8eq/ton)とブレンドした以外は実施例1と全く同様にして光ファイバールースチューブを押出成形し、評価を行った。
【0037】
比較例1、2、3
参考例1のマスターバッチをブレンドせず、帝人(株)製の固有粘度1.14、末端カルボキシル基濃度5eq/tonのポリブチレンテレフタレート(比較例1)、帝人(株)製の固有粘度1.12、末端カルボキシル基濃度26eq/tonのポリブチレンテレフタレート(比較例2)、帝人(株)製の固有粘度1.20、末端カルボキシル基濃度40eq/tonのポリブチレンテレフタレート(比較例3)を用いて、実施例1と同様にして光ファイバールースチューブを押出成形し、評価を行った。
【0038】
比較例4
比較例3で用いたポリブチレンテレフタレートに、30倍の希釈率となるように参考例1のマスターバッチを添加してV字ブレンダーで均一に混合したものを用いて、実施例1と同様して光ファイバールースチューブを押出成形し、評価を行った。
【0039】
比較例5
ポリブチレンテレフタレート(帝人(株)製、固有粘度1.12、末端カルボキシル基濃度26eq/ton)99.94wt%とポリエチレングリコール(三洋化成(株)製、KRM−4004)0.01wt%をブレンダーを用いてペレット表面に均一にポリエチレングリコールを塗布した後、ステアリン酸カルシウム(和光純薬(株)、特級試薬)0.05wt%を加えてさらにブレンダーを用いてブレンドした。
上記方法で得た樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にして光ファイバールースチューブを押出成形し、評価を行った。
【0040】
【表1】
【0041】
表1の結果から、実施例に示すごとく、本発明の光ファイバールースチューブ用樹脂組成物は、高い耐加水分解性を有しつつ、速い引取り速度においてもメヤニの発生が無く、生産性の飛躍的向上に顕著な効果がある。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、耐加水分解性に優れ、速い引取り速度であってもメヤニの発生による品質異常を起こすこと無く、高い歩留まりで光ファイバールースチューブの製造を可能とする光ファイバールースチューブ用樹脂組成物を提供することができる。
Claims (5)
- (A)末端カルボキシル基濃度が10eq/ton以下でありそして固有粘度が1.0〜1.2であるポリブチレンテレフタレート100重量部、および(B)ポリエチレン系ワックス0.005〜0.1重量部、からなる光ファイバールースチューブ用樹脂組成物。
- (B)ポリエチレン系ワックスの数平均分子量が500〜20,000である請求項1に記載の光ファイバールースチューブ用樹脂組成物。
- (A)末端カルボキシル基濃度が15eq/ton以下でありそして固有粘度が1.0〜1.2であるポリブチレンテレフタレート100重量部および(B)ポリエチレン系ワックス0.005〜0.1重量部、からなる光ファイバールースチューブ。
- (B)ポリエチレン系ワックスの数平均分子量が500〜20,000である請求項3に記載の光ファイバールースチューブ。
- 請求項1または2に記載の樹脂組成物を200m/min以上の引取り速度で押出し成形することを特徴とする請求項3に記載の光ファイバールースチューブを製造する方法。
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